以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成プログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施形態の画像形成装置100の要部を模式的に示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置100は、タンデム式のデジタル画像形成装置であり、各ドラム102〜105と、中間転写ベルト106と、光学センサ101と、回転可能なローラ110A、110Bと、定着部112とを備えている。
各ドラム102〜105は、それぞれ異なる色のトナー画像を、中間転写ベルト106に転写する。また、各ドラム102〜105は、トナー色が異なるだけで各々同様に構成されている。
中間転写ベルト106は、各ドラム102〜105から転写されたトナー画像を記録紙107に転写するための中間転写体であり、回転可能なローラ110A、110B間に掛け渡されて、駆動部(図示せず)により循環駆動される。
具体的には、回転駆動された中間転写ベルト106上に、各ドラム102〜105上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写されカラー画像が形成される。このカラー画像は、中間転写ベルト106の回転により、(図示しない)給紙トレイから送り出された記録紙107に転写される。
その後、記録紙107上の未定着トナー画像は、定着部112の一対の加圧・定着ローラ間を通過して加熱及び加圧され、記録紙107に定着する。
光学センサ101は、中間転写ベルト106上に、各色のドラム102〜105で形成されている画像から、色ずれを検出する。
つまり、画像形成装置100では、中間転写ベルト106上に、各色のドラム102〜105で形成されている画像が中間転写ベルト106上の同じ位置で重なることが好ましいが、機械の精度や温度による形状変化によりドラムへの書込み系のバラツキにより各色理想位置で重ならず色ずれが発生する。
特に連続プリント動作を行なうと温度により書込みユニット内の部品に変化がおこり、色ずれが発生する為、光学センサ101が色ずれを検出し、検出された色ずれに対して補正をする必要がある。
図2は、色ずれが発生する原因の一例として、中間転写ベルト106の駆動制御を行うローラ110Bが膨張した場合を示した図である。図2に示す例では、通常状態のローラ110Bの径が“r”とする。そして、角速度を“ω”すると、中間転写ベルト106の駆動速度V=rωとなる。しかしながら、温度変化に伴う熱膨張によりローラ110Bの径が“r’”に変化した場合、中間転写ベルト106の駆動速度V=r’ωとなり、駆動速度が変化する。このような駆動速度が変化した場合でも、色ずれが生じないように適切に補正を行う必要がある。
図3は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100のソフトウェアと、当該ソフトウェアで制御されるハードウェアの構成を示すブロック図である。図3に示すように画像形成装置100は、ハードウェアリソースとして、プリンタ320と、色ずれを検出する光学センサ101と、NVRAM330と、その他ハードウェアリソース340とを備える。
プリンタ320は、補正パターン生成部321と、ローラ110A及び110Bと、を備え、黒色又はカラーによる画像印刷を行う。
補正パターン生成部321は、色ずれを検出するための補正パターンを生成する。生成された補正パターンは、各ドラム102〜105を介して、中間転写ベルト106に転写される。そして、光学センサ101が当該補正パターンを走査することで、色ずれを検出することができる。
図4は、光学センサ101と、補正パターンと、の対応関係を示した図である。図4に示すように光学センサ101は、主走査方向前側部401、主走査方向中央部402、及び主走査方向後側部403の合計3箇所に検知部品が備えられている。そして、主走査方向中央部402は、発光部402Aと受光部402Bとの一対で構成されている。そして、主走査方向前側部401、及び主走査方向後側部403も同様の構成を備えている。
そして、それぞれの検知部品が、中間転写ベルト106上の色ずれ補正用補正パターン410を検知することで、色ずれを検出する。そして、色ずれ補正制御部305は、主走査方向前側部401、主走査方向中央部402、及び主走査方向後側部403の検知部品による読取り情報で主走査のレジストズレ補正演算、副走査のレジストズレ補正演算をする。さらに、色ずれ補正制御部305は、主走査方向前側部401、及び主走査方向後側部403の読取り情報でスキューズレ補正演算、主走査倍率ズレ補正演算を行う。そして、色ずれ補正制御部305は、上述した演算結果に従って、色ずれ補正の制御を行う。
このように、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、光学センサ101で読取り各色間のズレ量を演算して、そのズレ量に対応する補正量をドラム上の書込みのタイミングに反映させて、スキュー、主走査のレジストズレ、副走査のレジストズレ、主走査倍率ズレの色補正を行なっている。なお、色ずれ補正を行うタイミングについては後述する。
図3に戻り、NVRAM330は、規程枚数記憶部331を備え、画像形成装置100で用いられる様々なパラメータを記憶する不揮発性メモリとする。
規程枚数記憶部331は、定期補正用の規程枚数と、起動時補正用の規程枚数と、を記憶する。本実施の形態では、定期補正用の規程枚数、及び起動時補正用の規程枚数として、それぞれ100枚が設定されているものとする。
その他ハードウェアリソース340は、スキャナ、ファクシミリ、ハードディスク、メモリ、ネットワークインターフェースなどのハードウェアリソースとする。
OS310は、UNIX(登録商標)などの汎用オペレーティングシステムであり、各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。
そして、画像形成装置100は、OS310の上に、初期化部302と、定期補正用判定部303と、復帰時用判定部304と、色ずれ補正制御部305と、定期補正用カウンタ306と、合計枚数カウンタ307と、を備える。
定期補正用カウンタ306は、画像形成装置100で印刷された印刷枚数を測定し、印刷される度に定期補正用カウント値をインクリメントする。本実施の形態にかかる定期補正用カウント値は、定期的な色ずれ補正を行うか否かを判定するためのカウント値とする。
合計枚数カウンタ307は、画像形成装置100で印刷された印刷枚数を測定し、印刷される度に合計枚数カウント値をインクリメントする。本実施の形態にかかる合計枚数カウント値は、画像形成装置100が今までどの程度処理を行ったのかを判断するための指標であり、省エネモード等から起動状態になった場合に色ずれ補正を行うか否かを判定するためのカウント値とする。
なお、本実施の形態にかかる、定期補正用カウンタ306による定期補正用カウント値の書込先、及び合計枚数カウンタ307による合計枚数カウント値の書込先は、NVRAM330とする。これにより、電源OFFや省電力モードとなった場合でも各カウント値を保持できる。
定期補正用判定部303は、定期補正用カウンタ306が測定した定期補正用カウント値が、規程枚数記憶部331に記憶される、定期補正用の規程枚数(100)以上になったか否かを判定する。この定期補正用判定部303による判定処理は常に行われているものとする。そして、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)以上になった場合に、色ずれ補正を行うと判定し、色ずれ補正の要求を色ずれ補正制御部305に対して通知する。
定期補正用判定部303による判定処理により、100枚間隔で色ずれ補正処理が行われるため、連続印刷中の色合せ精度を一定品質に保つことができる。
復帰時用判定部304は、省エネモード、待機モード、又は電源OFFなどの印刷しない状態から、起動状態などの印刷を行える状態に移行した時に、合計枚数カウンタ307が測定した合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上となったか否かを判定する。そして、合計枚数カウント値が起動時補正用の規程枚数(100)以上の場合に、色ずれ補正を行うと判定し、色ずれ補正の要求を色ずれ補正制御部305に対して通知する。このように、復帰時用判定部304は、起動状態に移行した場合に限り判定を行う。
つまり、画像形成装置100において、省エネモードなどに移行すると、印刷が終了するために、画像形成装置100機内の温度が低くなる変化が生じる。このために、熱膨張していた潜像書込系の部品が元の状態に戻るため、これに伴う色ずれ補正を行う必要性が生じる。しかしながら、省エネモードから起動状態に移行した場合に、必ず色ずれ補正を行う必要があるわけではない。つまり、省エネモードになる前に行った印刷枚数が、起動時補正用の規程枚数(100)以上でなければ、省エネモードになる前の印刷で温度変化に伴う潜像書込系の各部品の熱膨張等が生じたとは考えられないためである。また、起動時に毎回色ずれ補正を行ったのでは、印刷するまでに遅延が生じると共に、色ずれを補正するためにトナーを消費することになる。
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置100においては、起動状態に移行した場合に、合計枚数カウンタ307が測定した合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上の場合に限り、色ずれ補正制御を行うこととした。なお、起動状態とは、画像形成装置が印刷を行える状態となることを意味し、具体的には、トナー画像を加熱により定着させる定着部の立ち上げが行われたことを表す。つまり、通電が開始されることで定着部がトナー画像を定着可能な程度まで温度が向上することで、画像形成装置100において印刷処理が可能となる。
色ずれ補正制御部305は、定期補正用判定部303又は復帰時用判定部304により色ずれ補正を行う旨の要求が入力された場合に、色ずれ補正を行う。色ずれ補正の手法については上述したとおりとして、説明を省略する。色ずれ補正をおこなった後、初期化部302に対してカウンタの初期化を要求する。初期化するカウンタは、補正を行う旨の要求が定期補正用判定部303又は復帰時用判定部304のどちらから受け付けたのかに応じて異ならせる。
初期化部302は、色ずれ補正制御部305により行われた色ずれ補正に応じて、定期補正用カウント値、及び合計枚数カウント値の初期化を行う。初期化が行われると、初期化対象とのカウント値は‘0’となる。
具体的には、初期化部302は、定期補正用判定部303から要求に基づく色ずれ補正の後であれば、定期補正用カウント値を初期化する。
また、初期化部302は、復帰時用判定部304から要求に基づく色ずれ補正の後であれば、定期補正用カウント値、及び合計枚数カウント値を初期化する。なお、本実施の形態では、復帰時用判定部304から要求に基づく色ずれ補正の後の場合に、定期補正用カウント値、及び合計枚数カウント値を初期化することとしたが、定期補正用カウント値の初期化は行わず、合計枚数カウント値の初期化のみを行うことにしても良い。
図5は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における、色ずれ補正と各カウント値の対応関係を示したグラフである。図5に示す例では、符号510に示す線に従って、印刷枚数が多くなるにつれて色ずれ幅が大きくなっているものとする。横軸方向が、時間(印刷枚数)を示している。そして、正の縦軸が色ずれ幅を示し、負の縦軸がカウント値を示している。
そして、定期補正用カウント値は、定期補正用カウンタ306により印刷枚数に従ってインクリメントされる。そして、定期補正用判定部303が、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)以上となったと判定した場合(符号501)に、色ずれ補正制御部305により第1回の色ずれ補正に用いる色ずれ補正量の算出が行われる。色ずれ補正量は、符号540に示す線とする。
当該色ずれ補正により、色ずれが抑止され、画質が向上する。そして、その際、初期化部302により定期補正用カウント値が‘0’に初期化される。一方、合計枚数カウント値は、初期化されることなく、合計枚数カウンタ307により、継続してインクリメントされる。そして、算出された色ずれ補正量が反映された状態で、以降の印刷を行う。
その後、再び定期補正用判定部303が、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)以上となったと判定した場合(符号502)に、色ずれ補正制御部305により第2回の色ずれ補正量の算出が行われる。このように印刷枚数100枚の間隔で、色ずれ補正が行われる。
つまり、100枚間隔で、そのときの色ずれ幅となるように、色ずれ補正制御部305により補正される。そして、100枚の間隔で色ずれ補正を行うことで、色ずれ幅は常に許容範囲内となる。
そして、一度連続印刷を停止し、タイミング503で省エネモード(又は電源OFF)に移行したものとする。この場合、印刷が停止しているために、機内の温度が下がると共に、潜像書込系の各部品の温度も下がる。これにより、潜像書込系の各部品の変動は、少しずつ元の状態に近づいていく。これにより、実際の色ずれ幅510も、省エネモードに移行したタイミング503から徐々に減少する。よって、画像形成装置100の起動時の実際の色ずれ幅と、印刷を行う際に反映される色ずれ補正量とが対応していないことになり、色ずれ補正に起因する色ずれが発生する可能性がある。
そこで、本実施の形態にかかる画像形成装置100では、タイミング504で、起動した場合に、復帰時用判定部304は、合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上であるか否かを判定する。図5に示す例では、起動時補正用の規程枚数(100)以上であるため、復帰時用判定部304は、色ずれ補正が必要と判定し、色ずれ補正制御部305に対して色ずれ補正要求を行う。これにより、適切な色ずれ補正が行われることとなる。そして、初期化部302が、合計枚数カウント値と、定期補正用カウント値と、を‘0’に初期化する。これにより、これから再び印刷枚数100枚単位で色ずれ補正が行われることになる。これにより色ずれを抑止することができる。
また、合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以下である場合は、それまでに生じた色ずれ幅は小さいため、起動時に色ずれ補正を行わないこととする。これにより、トナー量の減少を抑止できる。
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置100における印刷に関する全体的な処理について説明する。図6は、本実施の形態にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置100は、画像を一枚印刷する(ステップS601)。これに伴い、定期補正用カウンタ306が、定期補正用カウント値に‘1’インクリメントする(ステップS602)。さらに、合計枚数カウンタ307が、合計枚数カウント値に‘1’インクリメントする(ステップS603)。
次に、定期補正用判定部303は、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)以上となったか否かを判定する(ステップS604)。
そして、定期補正用判定部303は、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)以上となったと判定した場合(ステップS604:Yes)、色ずれ補正制御部305に対して色ずれ補正を要求する。これに従って、色ずれ補正制御部305が、色ずれ補正を行う(ステップS605)。その後、色ずれ補正制御部305からの要求に伴い、初期化部302が、定期補正用カウント値を‘0’にする初期化を行う(ステップS606)。
一方、定期補正用判定部303は、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)より小さいと判定した場合(ステップS604:No)、ステップS607に移行する。
その後、画像形成装置100は、省エネモードに移行するか否かを判定する(ステップS607)。省エネモードに移行しないと判定した場合(ステップS607:No)、ステップS612に移行する。
一方、省エネモードに移行すると判定した場合(ステップS607:Yes)、省エネモードに移行した後、画像形成装置100が、再び起動するか否かを判定する(ステップS608)。起動しない場合は(ステップS608:No)、起動するまでステップS608の処理を繰り返す。
画像形成装置100が起動した場合(ステップS608:Yes)、当該起動をトリガとして、復帰時用判定部304が、合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上であるか否かを判定する(ステップS609)。合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)より小さいと判定した場合(ステップS609:No)、ステップS612に移行する。
一方、復帰時用判定部304は、合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上と判定した場合(ステップS609:Yes)、色ずれ補正制御部305に対して色ずれ補正を要求する。これに従って、色ずれ補正制御部305が、色ずれ補正を行う(ステップS610)。その後、色ずれ補正制御部305からの要求に伴い、初期化部302が、合計枚数カウント値、及び定期補正用カウント値を‘0’にする初期化を行う(ステップS611)。
その後、画像形成装置100で、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS612)。終了していないと判定した場合(ステップS612:No)、ステップS601から再び処理を開始する。
一方、印刷が終了したと判定した場合(ステップS612:Yes)、電源をOFFにして処理を終了する。なお、電源がONになった場合、画像形成装置100が起動した後、ステップS609からの処理が行われることになる。
上述した処理手順により、画像形成装置100は、省エネモードからの復帰時や、電源OFFから電源ONになったときに、必要に応じて色合せ補正が行われるので、色ずれのない、常に品質の良いカラー画像を得ることが可能となる。
また、画像形成装置100は、所定の枚数毎に色合せ補正が行われるので、連続印刷などを行っても、常に品質の良いカラー画像を得ることが可能となる。
また、本実施の形態にかかる画像形成装置100は、合計枚数カウント値、及び定期補正用カウント値に応じて、色ずれ補正を行うため、画像形成装置100内部で潜像書込系部品を監視する温度センサを一つ又は複数備える必要がないため、構成を簡略化することが可能となる。
(第1の実施の形態の変形例1)
第1の実施の形態においては、印刷がカラーであるか否かに拘わらず、色ずれ補正を行う例について説明した。しかしながら、モノクロ印刷の場合には、色ずれ補正を行う必要性が少ない。そこで第1の実施の形態の変形例1として、モノクロ印刷時には色ずれ補正を行わない例について説明する。なお、本変形例は、具体的な構成については第1の実施の形態と同様のため説明を省略する。
次に、本変形例にかかる画像形成装置100における印刷に関する全体的な処理について説明する。図7は、本変形例にかかる画像形成装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まずは、図6のステップS601〜S604と同様に、定期補正用判定部303が、定期補正用カウント値が、定期補正用の規程枚数(100)以上となったか否かの判定までを行う(ステップS701〜S704)。
定期補正用判定部303は、定期補正用カウント値が定期補正用の規程枚数(100)より小さいと判定した場合(ステップS704:No)、ステップS709に移行する。
一方、定期補正用判定部303は、定期補正用カウント値が、定期補正用の規程枚数(100)以上となったと判定した場合(ステップS704:Yes)、定期補正用判定部303は、さらに黒色のみの印刷か否かを判定する(ステップS705)。黒色のみの印刷か否かの判定手法としては、ユーザからモノクロが指定されているか否かに基づいて良いし、画像形成装置100内部で自動的に認識処理を行っても良い。
そして、定期補正用判定部303が、黒色のみの印刷と判定した場合(ステップS705:Yes)、補正フラグに‘1’と設定し(ステップS708)、色ずれ補正を行わずに、ステップS709に移行する。
一方、定期補正用判定部303が、黒色のみの印刷ではない(多色である)と判定した場合(ステップS705:No)、図6のステップS605〜S606までの処理と同様に、色ずれ補正と、定期補正用カウント値を‘0’にする初期化と、を行う(ステップS706〜S707)。
その後、画像形成装置100は、省エネモードに移行するか否かを判定する(ステップS709)。省エネモードに移行しないと判定した場合(ステップS709:No)、ステップS716に移行する。
一方、省エネモードに移行すると判定した場合(ステップS709:Yes)、省エネモードに移行した後、画像形成装置100が、再び起動するか否かを判定する(ステップS710)。起動しない場合は(ステップS710:No)、起動するまでステップS710の処理を繰り返す。
画像形成装置100が起動した場合(ステップS710:Yes)、当該起動をトリガとして、復帰時用判定部304が、合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上であるか否かを判定する(ステップS711)。合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)より小さいと判定した場合(ステップS711:No)、ステップS716に移行する。
一方、復帰時用判定部304は、合計枚数カウント値が、起動時補正用の規程枚数(100)以上と判定した場合(ステップS711:Yes)、補正フラグが‘1’であるか否かを判定する(ステップS712)。補正フラグが‘1’であると判定した場合(ステップS712:Yes)、補正フラグを‘0’で初期化(ステップS714)して、ステップS716に移行する。
一方、復帰時用判定部304は、補正フラグが‘1’ではないと判定した場合(ステップS712:No)、色ずれ補正制御部305に対して色ずれ補正を要求する。これに従って、色ずれ補正制御部305が、色ずれ補正を行う(ステップS713)。その後、色ずれ補正制御部305からの要求に伴い、初期化部302が、合計枚数カウント値、及び定期補正用カウント値を‘0’にする初期化を行う(ステップS715)。
その後、画像形成装置100で、印刷が終了したか否かを判定する(ステップS716)。終了していないと判定した場合(ステップS716:No)、ステップS701から再び処理を開始する。
一方、印刷が終了したと判定した場合(ステップS716:Yes)、電源をOFFにして処理を終了する。なお、電源がONになった場合、画像形成装置100が起動した後、ステップS710からの処理が行われることになる。
上述した処理手順においては、連続印刷などを行っている場合に、定期補正用の規程枚数(100)を超えた印刷を行った場合に、黒色のみによる印刷と判定した場合に、色ずれ補正を行わないため、トナーの消費量と、印刷速度の減速とを抑止できる。
また、上述した処理手順では、電源起動時に補正フラグが‘1’であるか否かを判定することで、省電力状態になる前に行われていた印刷処理が、単色又は多色のいずれの印刷であるかを判定できる。これにより、本変形例にかかる画像形成装置100では、省電力状態になるまえに行われていた処理が黒色による印刷の場合にそもそも色ずれ補正が行われていない以上、起動時にも色ずれ補正を行わなくてよいため、トナーの消費量を低減させることができる。
このように、本変形例においては、黒色のみの印刷時を行い、色の重ね合わせを行わない為、色ずれが発生しないので、色ずれ補正を抑止し、待ち時間を抑止することを可能とした。
また、電源ON時や省電力モードからの復帰時においても、色ずれ補正制御を印刷前に行うと待ち時間が長くなるという問題が生じていた。これに対し、本変形例における画像形成装置100では、黒色印刷の場合には色ずれ補正を印刷前に行わず、印刷終了後に実施することで、待ち時間をなくすことができる。
また、黒色印刷中に印刷を中断させて省電力モードにする場合に省電力モードになる前に色ずれ補正を実施しないので、ダウンタイム低減となる。また、黒色連続印刷中に色ずれ補正を実施しないで、印刷終了後に、色ずれ補正を実行しても良い。これにより、黒色の連続印刷した後に、カラー画像の印刷が行われる場合でも、適切な色ずれ補正が行われているため、高品質の印刷を可能とする。また、連続印刷時における色合せ補正による待ち時間が低減される。
さらに、本変形例にかかる画像形成装置100においては、電源起動時または省電力モードからの復帰後に、色ずれ補正が必要な条件になっていても、黒色印刷を要求しているときは、黒色印刷を優先させることで、ダウンタイム低減となる。また、電源ON後または省電力モード復帰後に黒色印刷を要求しているときは、色ずれ補正を行わないで黒色印刷後に色合せ補正を実施することにより、色ずれ補正から黒色印刷開始までの待ち時間が低減される。
(第1の実施の形態の変形例2)
第1の実施の形態にかかる画像形成装置100では、カウンタを、合計枚数カウント値をカウントする合計枚数カウンタ307と、定期補正用カウント値をカウントする定期補正用カウンタ306とを別構成とした。しかしながら、同一構成としても良い。
図8は、第1の実施の形態の変形例2の画像形成装置800のソフトウェアと、当該ソフトウェアで制御されるハードウェアの構成を示したブロック図である。図8に示す画像形成装置800は、第1の実施の形態にかかる画像形成装置100と比べて、定期補正用カウンタ306と、合計枚数カウンタ307とが一つになった合計枚数カウンタ801を備え、定期補正用判定部303と処理が異なる定期補正用判定部803を備え、初期化部302と処理が異なる初期化部802を備えている点が異なっている。
合計枚数カウンタ801は、一枚印刷する毎に合計枚数カウント値を‘1’インクリメントする。
そして、定期補正用判定部803は、合計枚数カウンタ801が測定した合計枚数カウント値が、規程枚数記憶部331に記憶される、定期補正用の規程枚数(100)×nと一致したか否かを判定する。一致したと判定した場合に、色ずれ補正制御部305に対して、色ずれ補正を要求する。なお、nは1以上の整数とする。
なお、復帰時用判定部304による判定は、第1の実施の形態と同様に復帰時に行うこととし、合計枚数カウント値が起動時補正用の規程枚数(100)以上であれば、色ずれ補正をおこなうものと判定する。
初期化部802は、復帰時用判定部304から要求に基づく色ずれ補正の後であれば、定期補正用カウント値を初期化する。なお、第1の実施の形態のように、定期補正用の規程枚数(100)毎の初期化は行わない。
そして、本変形例の画像形成装置800は、上述した構成を備えることで、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
(第1の実施の形態の変形例3)
第1の実施の形態にかかる画像形成装置100においては、復帰時に合計枚数カウント値が、100以上であれば、色ずれ補正を行っていた。しかしながら、省エネモードに移行してから起動状態になるまでの時間が短ければ、機内温度に変化が生じているわけではないので、色ずれ補正を行わなくてもよいこともある。そこで、第1の実施の形態の変形例3では、省エネモードから起動するまでの時間が短い場合には、色ずれ補正を行わない例とする。
図9は、第1の実施の形態の変形例3にかかる画像形成装置900のソフトウェアと、当該ソフトウェアで制御されるハードウェアの構成を示したブロック図である。図9に示す画像形成装置900は、第1の実施の形態の画像形成装置100と比べて、タイマ901が追加され、復帰時用判定部304とは処理が異なる復帰時用判定部902に変更された点が異なっている。
タイマ901は、画像形成装置900内において時刻を計測する。
そして、復帰時用判定部902は、復帰時用判定部304と同様の機能を備えているほか、タイマ901により計測された省エネモード移行時の時刻と、起動状態移行時の時刻との差分が、予め設定された時間間隔以内である場合には、色ずれ補正を行わないものと判定する。なお、予め設定された時間とは、温度変化が生じない時間として実測等により設定された時間とする。
これにより、画像形成装置900では、省エネモードに移行してからすぐに起動状態に移行した場合に、色ずれ補正を行わないこととした。つまり、時間間隔が短い場合には、潜像書込系部品の変化等も生じていないため、さらなる色ずれが生じているとも考えられない。そのため、色ずれ補正を行わなくとも、色ずれは生じないし、色ずれ補正を行わないために、迅速な印刷処理の開始、及びトナーの消費を抑止することができる。
図10は、第1の実施の形態及び変形例にかかる画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この画像形成装置(100、800、900)は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、画像形成装置(100、800、900)全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
CPU11は、画像形成装置(100、800、900)の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGP15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
なお、本実施の形態の画像形成装置(100、800、900)で実行される画像形成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施の形態の画像形成装置(100、800、900)で実行される画像形成プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の画像形成装置(100、800、900)で実行される画像形成プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像形成装置(100、800、900)で実行される画像形成プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態の画像形成装置(100、800、900)で実行される画像形成プログラムは、上述した各部(初期化部、定期補正用判定部、復帰時用判定部、色ずれ補正制御部、定期補正用カウンタ、合計枚数カウンタ)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、初期化部、定期補正用判定部、復帰時用判定部、色ずれ補正制御部、定期補正用カウンタ、合計枚数カウンタが主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。