JP2010217445A - 反射防止膜及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射防止性、耐酸性及び耐擦傷性に優れた反射防止膜及びこれを有する光学素子を提供する。
【解決手段】光学素子基板2の表面に形成された複数の層からなる反射防止膜1であって、基板2側から、SiO2からなる低屈折率膜と、Nb2O5、Ta2O5及びHfO2からなる群から選ばれた少なくとも一種からなる高屈折率膜とが交互に積層されてなり、各々の層の物理膜厚が2〜150 nmであり、全層の合計物理膜厚が200〜700 nmである反射防止膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射防止性、耐酸性及び耐擦傷性に優れた反射防止膜及びこれを有する光学素子に関し、詳しくは、長期間酸性雨に曝されても劣化が生じにくい反射防止膜及びこれを有する光学素子に関する。
写真用カメラ、放送用カメラ、屋外や車に設置される監視カメラ、天体望遠鏡等に用いられているレンズやカバーガラスの表面には、透過光量の損失を抑制したり、ゴーストやフレアが生じないようにしたりするために反射防止膜が設けられている。反射防止膜として、低屈折率膜と高屈折率膜とを積層し、各界面で生じた反射光と、各層に入射する光線とが干渉によって相殺し合うように設計された多層膜が提案されている[特開平10-20102号(特許文献1)及び特開2001-100002号(特許文献2)]。特許文献1及び2は、低屈折率膜用の材料としてMgF2、SiO2、Al2O3等を記載しており、高屈折率膜用の材料としてTa2O5、TiO2、Nb2O5、ZrO2、HfO2、CeO2等を記載している。
ところで近年、降水中の硫酸、硝酸、塩酸等の含有量が増加しており、降水のpHが4.77(「酸性雨対策調査総合とりまとめ報告書」,環境省,2004年6月)になっているが、雨中等での撮影も可能な防水タイプのデジタルカメラ、屋外や車に設置される監視カメラ等は、その最表面のレンズやカバーガラスが雨水に曝される機会が多く、これらに設けられた反射防止膜が酸性雨により劣化し易いという問題がある。よって、これらのような酸性雨に曝される機会の多いカメラには、耐酸性に優れた反射防止膜を使用することが望まれている。しかし、特許文献1及び2はいずれも、実施例において、硫酸に溶解し易いZrO2やTiO2、硝酸に溶解し易いMgF2を用いた反射防止膜を形成している。
特開2000-111702号(特許文献3)は、硫酸、硝酸及び塩酸のいずれにも溶解しないTa2O5膜及びSiO2膜のみを用いた十四層からなる反射防止膜を記載している(実施例3)。しかしこの反射防止膜は反射率が0.3%を超えており、十分な反射防止性を有していない。
特開2008-225210号(特許文献4)は、硫酸、硝酸及び塩酸のいずれにも溶解しないNb2O5膜及びSiO2膜を交互に計八層となるように積層し、最表面にシリカエアロゲル膜を設けた九層からなる反射防止膜を記載している(実施例2)。しかしシリカエアロゲル膜は機械的強度が弱く、下層のSiO2膜に対する密着性が弱く、耐擦傷性が十分とはいえないので、この反射防止膜は、屋外で使用する機会の多いカメラの最表面のレンズやカバーガラスでの使用には適していない。
特開平10-20102号公報 特開2001-100002号公報 特開2000-111702号公報 特開2008-225210号公報
従って、本発明の目的は、反射防止性、耐酸性及び耐擦傷性に優れた反射防止膜及びこれを有する光学素子を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、低屈折率膜をSiO2により形成し、高屈折率膜をNb2O5、Ta2O5及びHfO2のいずれか又はこれらのうちの二種以上の混合物により形成し、全層の合計物理膜厚を700 nm以下とすることにより、反射防止性、耐酸性及び耐擦傷性に優れた反射防止膜が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、光学素子基板の表面に形成された複数の層からなる本発明の反射防止膜は、前記基板側から、SiO2からなる低屈折率膜と、Nb2O5、Ta2O5及びHfO2からなる群から選ばれた少なくとも一種からなる高屈折率膜とがこの順に交互に積層されてなり、各々の層の物理膜厚が2〜150 nmであり、全層の合計物理膜厚が200〜700 nmであることを特徴とする。
本発明の好ましい例では、前記基板は1.42〜1.47の屈折率を有し、前記反射防止膜は前記基板側から順に形成された第一層〜第十一層の積層膜からなり、前記第一層の低屈折率膜の物理膜厚が55〜75 nmであり、前記第二層の高屈折率膜の物理膜厚が2〜22 nmであり、前記第三層の低屈折率膜の物理膜厚が41〜61 nmであり、前記第四層の高屈折率膜の物理膜厚が9〜29 nmであり、前記第五層の低屈折率膜の物理膜厚が20〜40 nmであり、前記第六層の高屈折率膜の物理膜厚が116〜136 nmであり、前記第七層の低屈折率膜の物理膜厚が24〜44 nmであり、前記第八層の高屈折率膜の物理膜厚が17〜37 nmであり、前記第九層の低屈折率膜の物理膜厚が27〜47 nmであり、前記第十層の高屈折率膜の物理膜厚が106〜126 nmであり、前記第十一層の低屈折率膜の物理膜厚が76〜96 nmである。
本発明の別の好ましい例では、前記基板は1.47〜2.02の屈折率を有し、前記反射防止膜は前記基板側から順に形成された第一層〜第十三層の積層膜からなり、前記第一層の低屈折率膜の物理膜厚が7〜27 nmであり、前記第二層の高屈折率膜の物理膜厚が2〜37 nmであり、前記第三層の低屈折率膜の物理膜厚が13〜53 nmであり、前記第四層の高屈折率膜の物理膜厚が2〜22 nmであり、前記第五層の低屈折率膜の物理膜厚が41〜61 nmであり、前記第六層の高屈折率膜の物理膜厚が9〜29 nmであり、前記第七層の低屈折率膜の物理膜厚が20〜40 nmであり、前記第八層の高屈折率膜の物理膜厚が116〜136 nmであり、前記第九層の低屈折率膜の物理膜厚が24〜44 nmであり、前記第十層の高屈折率膜の物理膜厚が17〜37 nmであり、前記第十一層の低屈折率膜の物理膜厚が27〜47 nmであり、前記第一二層の高屈折率膜の物理膜厚が106〜126 nmであり、前記第一三層の低屈折率膜の物理膜厚が76〜96 nmである。
本発明の反射防止膜の、波長が400〜700 nmで、入射角が0〜10°の光に対する反射率は0.3%以下であるのが好ましい。
本発明の光学素子は、上記反射防止膜を、基板の表面に有することを特徴とする。
複数の層からなる本発明の反射防止膜は、硫酸、硝酸及び塩酸のいずれにも溶解しないSiO2により低屈折率膜を形成し、同じく硫酸、硝酸及び塩酸のいずれにも溶解しないNb2O5、Ta2O5及びHfO2からなる群から選ばれた少なくとも一種により高屈折率膜を形成するので、優れた耐酸性を有する。反射防止膜を構成する低屈折率膜及び高屈折率膜の各々の物理膜厚は2〜150 nmの範囲であり、かつ合計物理膜厚の上限は700 nmであるので、400〜700 nmの波長の光に対する反射防止膜の反射率は0.3%以下である。さらに反射防止膜は、その全層を緻密な膜により構成するので耐擦傷性にも優れている。このような特性を有する反射防止膜は、長期間酸性雨に曝されても劣化が生じにくく、雨中等での撮影が可能な防水タイプのデジタルカメラ、屋外や車に設置される監視カメラ等に用いるレンズやカバーガラスの反射防止膜として有用である。
本発明の反射防止膜を有する光学素子の一例を示す部分断面図である。 本発明の反射防止膜を有する光学素子の別の例を示す部分断面図である。 実施例1の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 実施例2の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 実施例3の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 実施例4の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 実施例5の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 実施例6の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 実施例7の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。 比較例1の反射防止膜の分光反射率を表すグラフである。
[1] 反射防止膜
反射防止膜は、光学素子基板の表面に形成され、基板側から、(1) SiO2からなる低屈折率膜と、(2) Nb2O5、Ta2O5及びHfO2からなる群から選ばれた少なくとも一種からなる高屈折率膜とがこの順に交互に積層されてなる。SiO2、Nb2O5、Ta2O5及びHfO2はいずれも、硫酸、硝酸及び塩酸には溶解しない(例えば日本化学会編,「化学便覧 基礎編I」,改訂3版,丸善出版,p.135,p.165,p.187,p.191)ので、これらの材料を用いた反射防止膜は耐酸性に優れている。
(1) 低屈折率膜
400〜700 nmの波長の光に対するSiO2の屈折率は1.4〜1.5が好ましい。SiO2の純度は99%以上が好ましい。
(2) 高屈折率膜
高屈折率膜はNb2O5、Ta2O5又はHfO2からなるのが好ましい。400〜700 nmの波長の光に対するNb2O5、Ta2O5及びHfO2の屈折率は、それぞれこの順に2.1〜2.6、2.0〜2.4及び1.9〜2.1が好ましい。Nb2O5、Ta2O5及びHfO2の純度はいずれも99%以上が好ましい。
(3) 膜厚
反射防止膜の全層の合計物理膜厚の下限は200 nmである。合計物理膜厚が200 nm未満だと、基板を酸性雨から十分に保護できない。合計物理膜厚の下限は400 nmが好ましく、550 nmがより好ましい。低屈折率膜及び高屈折率膜の各々の物理膜厚を2〜150 nmの範囲とし、かつ合計物理膜厚の上限を700 nmとすることにより、400〜700 nmの波長の光に対する反射率を0.3%以下とすることができる。合計物理膜厚の上限は650 nmが好ましい。反射防止膜を構成する各膜の厚さの最適化は、例えばマトリクス法に基づいた計算シミュレーションにより行うことができる。
(4) 構成例
波長400〜700 nmにおいて良好な反射防止効果を得るために、反射防止膜は、(a) 基板が1.42〜1.47の屈折率を有する場合、図1に示すように、基板2の表面に、第一層101から第十一層111までの薄膜を積層してなるのが好ましく、(b) 基板が1.47〜2.02の屈折率を有する場合、図2に示すように、基板2の表面に、第一層101から第十三層113までの薄膜を積層してなるのが好ましい。ただし基板の屈折率が1.47の場合、反射防止膜は、十一層膜及び十三層膜のいずれでもよい。
(a) 基板の屈折率が1.42〜1.47の場合
屈折率が1.42〜1.47の基板2上に形成する反射防止膜1について、第一層101の低屈折率膜の物理膜厚は55〜75 nmであり、第二層102の高屈折率膜の物理膜厚は2〜22 nmであり、第三層103の低屈折率膜の物理膜厚は41〜61 nmであり、第四層104の高屈折率膜の物理膜厚は9〜29 nmであり、第五層105の低屈折率膜の物理膜厚は20〜40 nmであり、第六層106の高屈折率膜の物理膜厚は116〜136 nmであり、第七層107の低屈折率膜の物理膜厚は24〜44 nmであり、第八層108の高屈折率膜の物理膜厚は17〜37 nmであり、第九層109の低屈折率膜の物理膜厚は27〜47 nmであり、第十層110の高屈折率膜の物理膜厚は106〜126 nmであり、第十一層111の低屈折率膜の物理膜厚は76〜96 nmである。
好ましくは、第一層101の物理膜厚は65〜75 nmであり、第二層102の物理膜厚は2〜12 nmであり、第三層103の物理膜厚は47〜62 nmであり、第四層104の物理膜厚は11〜21 nmであり、第五層105の物理膜厚は25〜35 nmであり、第六層106の物理膜厚は121〜131 nmであり、第七層107の物理膜厚は29〜39 nmであり、第八層108の物理膜厚は22〜32 nmであり、第九層109の物理膜厚は32〜42 nmであり、第十層110の物理膜厚は111〜121 nmであり、第十一層111の物理膜厚は81〜91 nmである。
(b) 基板の屈折率が1.47〜2.02の場合
屈折率が1.47〜2.02の基板2上に形成する反射防止膜1について、第一層101の低屈折率膜の物理膜厚は7〜27 nmであり、第二層102の高屈折率膜の物理膜厚は2〜37 nmであり、第三層103の低屈折率膜の物理膜厚は13〜53 nmであり、第四層104の高屈折率膜の物理膜厚は2〜22 nmであり、第五層105の低屈折率膜の物理膜厚は41〜61 nmであり、第六層106の高屈折率膜の物理膜厚は9〜29 nmであり、第七層107の低屈折率膜の物理膜厚は20〜40 nmであり、第八層108の高屈折率膜の物理膜厚は116〜136 nmであり、第九層109の低屈折率膜の物理膜厚は24〜44 nmであり、第十層110の高屈折率膜の物理膜厚は17〜37 nmであり、第十一層111の低屈折率膜の物理膜厚は27〜47 nmであり、第一二層112の高屈折率膜の物理膜厚は106〜126 nmであり、第一三層113の低屈折率膜の物理膜厚は76〜96 nmである。
好ましくは、第一層101の物理膜厚は12〜22 nmであり、第二層102の物理膜厚は2〜27 nmであり、第三層103の物理膜厚は16〜50 nmであり、第四層104の物理膜厚は2〜20 nmであり、第五層105の物理膜厚は44〜56 nmであり、第六層106の物理膜厚は12〜26 nmであり、第七層107の物理膜厚は25〜35 nmであり、第八層108の物理膜厚は121〜131 nmであり、第九層109の物理膜厚は29〜39 nmであり、第十層110の物理膜厚は20〜34 nmであり、第十一層111の物理膜厚は30〜44 nmであり、第十二層112の物理膜厚は109〜123 nmであり、第十三層113の物理膜厚は79〜93 nmである。
(5) 形成方法
低屈折率膜及び高屈折率膜はいずれも既存の方法で形成することができ、例えば、真空蒸着法、イオンアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、イオンビームスパッタ法等の物理蒸着法、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等の化学蒸着法、湿式めっき法、ディップコーティング法、超音波ミストコーティング法(例えば特許3159780号に記載)、スピンコーティング法、スプレーコーティング法及びインクジェットコーティング法が挙げられる。反射防止膜の全層を同一の方法で形成しても良いし、各層ごとに最適な方法を選択してもよい。
蒸着法を用いる場合、無機材料からなる蒸着材を加熱により蒸発させ、真空中で基板に付着させて薄膜を形成する。蒸着材を蒸気にする方法は特に制限されず、例えば通電加熱型ソースを用いる方法、E型電子銃により電子ビームを当てる方法、ホローカソード放電により大電流電子ビームを当てる方法、レーザパルスを当てるレーザアブレーション等が挙げられる。基板はその膜形成面が蒸着材に対向するように設置し、その状態で蒸着中に回転させるのが好ましい。蒸着時間、加熱温度等を適宜設定することにより、所望の厚さを有する層を形成することができる。
[2] 光学素子基板
光学素子基板の材料として、製品名S-FPL53(株式会社オハラ製)、製品名BSC7、同BACD16、同S-LAM52、同NBFD13、同E-FDS1、同TAFD40(以上HOYA株式会社製)、石英ガラス等の光学ガラス、及びアクリル樹脂、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、非晶性ポリオレフィン等のプラスチックが挙げられる。これらの基材の屈折率は約1.4〜約2.0である。
[3] 反射防止膜を有する光学素子
本発明の反射防止膜は、波長領域が400〜700 nmで、0〜10°の入射角の光に対して0.3%以下の反射率を有し、硫酸、硝酸及び塩酸に溶解しない優れた耐酸性を有し、優れた耐擦傷性を有する。本発明の反射防止膜を有する光学素子は、雨中等での撮影が可能な防水タイプのデジタルカメラ、屋外や車に設置される監視カメラ等に用いるレンズやカバーガラスとして有用である。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
屈折率が1.43875のS-FPL53ガラスからなる平板(φ25 mm、厚さ5mm、株式会社オハラ製)の表面に、電子ビーム式の蒸着源を有する装置(型番JEIP900FA、日本電子株式会社製)を用いて、以下の条件でイオンプレーティング法により、SiO2膜とNb2O5膜とを交互に積層して表1に示す構成の十一層からなる反射防止膜(合計物理膜厚599.66 nm)を形成した。
SiO2膜の形成条件
・基板加熱:なし
・プラズマ加速電圧:130 V
・ビーム電流:21 A
・Arガス導入流量:12 mL/min
・酸素導入後成膜時真空度:1.2×10-2 Pa
・成膜速度:1.6 nm/sec
Nb2O5膜の形成条件
・基板加熱:なし
・プラズマ加速電圧:125 V
・ビーム電流:26 A
・酸素導入後成膜時真空度:1.8×10-2 Pa
・成膜速度:0.8 nm/sec
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
基板として屈折率が1.51680のBSC7ガラスからなる平板(HOYA株式会社製)を用い、SiO2膜とNb2O5膜とを交互に積層して表2に示す十三層構成となるようにした以外実施例1と同様にして、反射防止膜(合計物理膜厚594.13 nm)を形成した。
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
基板として屈折率が1.62041のBACD16ガラスからなる平板(HOYA株式会社製)を用い、表3に示す構成となるようにした以外実施例2と同様にして、反射防止膜(合計物理膜厚600.81 nm)を形成した。
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
基板として屈折率が1.72000のS-LAM52ガラスからなる平板(株式会社オハラ製)を用い、表4に示す構成となるようにした以外実施例2と同様にして、反射防止膜(合計物理膜厚606.55 nm)を形成した。
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
基板として屈折率が1.80610のNBFD13ガラスからなる平板(HOYA株式会社製)を用い、表5に示す構成となるようにした以外実施例2と同様にして、反射防止膜(合計物理膜厚610.20 nm)を形成した。
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
基板として屈折率が1.92286のE-FDS1ガラスからなる平板(HOYA株式会社製)を用い、第二層のみをHfO2膜として表6に示す構成となるようにした以外実施例2と同様にして、反射防止膜(合計物理膜厚596.00 nm)を形成した。HfO2膜の形成条件は以下の通りとした。
・プラズマ加速電圧:135 V
・ビーム電流:26 A
・酸素導入後成膜時真空度:1.8×10-2 Pa
・成膜速度:0.4 nm/sec
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
基板として屈折率が2.00069のTAFD40ガラスからなる平板(HOYA株式会社製)を用い、第二層のみをTa2O5膜として表7に示す構成となるようにした以外実施例2と同様にして、反射防止膜(合計物理膜厚618.64 nm)を形成した。Ta2O5膜の形成条件は以下の通りとした。
・プラズマ加速電圧:135 V
・ビーム電流:26 A
・酸素導入後成膜時真空度:1.7×10-2 Pa
・成膜速度:0.6 nm/sec
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
比較例1
基板として屈折率1.62041のBACD16ガラスからなる平板(HOYA株式会社製)を用い、以下の条件で真空蒸着法により、Al2O3膜、ZrO2とTiO2の混合物(製品名「OH5」、キャノンオプトロン株式会社製)からなる膜及びMgF2膜を、表8に示す構成となるように積層し、特開平10-20102号(特許文献1)の実施例1と同様の七層からなる反射防止膜(合計物理膜厚327.69 nm)を形成した。
Al2O3膜の形成条件
・基板加熱温度:250℃
・酸素導入後の成膜時真空度:7×10-3 Pa
・成膜速度:0.6 nm/sec
ZrO2とTiO2の混合膜の形成条件
・基板加熱温度:250℃
・酸素導入後の成膜時真空度:2×10-2Pa
・成膜速度:0.4 nm/sec
MgF2膜の形成条件
・基板加熱温度:250℃
・酸素導入:なし
・成膜速度:0.7 nm/sec
Figure 2010217445
注:(1) 波長550 nmの光における屈折率。
分光反射率の測定
実施例1〜7及び比較例1の反射防止膜に対して、350〜850 nmの波長領域の5°の入射角の光線の分光反射率を分光光度計(形式:U4000、日立製作所株式会社製)を用いて測定した。結果を図3〜10に示す。
耐酸性の評価
実施例1〜7及び比較例1で作製したテストピース(反射防止膜付き平板ガラス)をpH4.77の硝酸水溶液に室温で24時間浸漬し、浸漬前後での反射防止膜の反射色を目視により比較することにより、耐酸性を評価した。結果を表9に示す。判定基準を示す記号は、○:「反射色に変化が無かった」、×:「反射色に大きな変化が認められた」である。
Figure 2010217445
注:(1) 反射色に変化が無かった。
(2) 反射色に大きな変化が認められた。
耐擦傷性の評価
1kg/cm2の圧力及び120回/分の速度で砂消しゴム(商品名「モノ砂消しゴム」品番「ES-512A」、株式会社トンボ鉛筆製)により反射防止膜を10回擦る処理を施した後、表面の様子を観察することにより、耐擦傷性を評価した。結果を表10に示す。評価基準は、○:「全く傷が付かなかった」、及び×:「剥離した」である。
Figure 2010217445
注:(1) 全く傷が付かなかった。
図3〜10及び表10から明らかなように、実施例1〜7及び比較例1の反射防止膜はいずれも、400〜700 nmの波長領域の5°の入射角の光線に対する分光反射率が0.3%以下である優れた反射防止性と、優れた耐擦傷性とを有していた。しかし比較例1の反射防止膜は、ZrO2、TiO2及びMgF2を用いたので、表9に示すように、硝酸により劣化してしまい、実施例1〜7の反射防止膜に比較して耐酸性が劣っていた。
1・・・反射防止膜
101・・・第一層
102・・・第二層
103・・・第三層
104・・・第四層
105・・・第五層
106・・・第六層
107・・・第七層
108・・・第八層
109・・・第九層
110・・・第十層
111・・・第十一層
112・・・第十二層
113・・・第十三層
2・・・光学素子基板

Claims (5)

  1. 光学素子基板の表面に形成された複数の層からなる反射防止膜であって、前記基板側から、SiO2からなる低屈折率膜と、Nb2O5、Ta2O5及びHfO2からなる群から選ばれた少なくとも一種からなる高屈折率膜とがこの順に交互に積層されてなり、各々の層の物理膜厚が2〜150 nmであり、全層の合計物理膜厚が200〜700 nmであることを特徴とする反射防止膜。
  2. 請求項1に記載の反射防止膜において、前記基板が1.42〜1.47の屈折率を有し、前記反射防止膜が前記基板側から順に形成された第一層〜第十一層の積層膜からなり、前記第一層の低屈折率膜の物理膜厚が55〜75 nmであり、前記第二層の高屈折率膜の物理膜厚が2〜22 nmであり、前記第三層の低屈折率膜の物理膜厚が41〜61 nmであり、前記第四層の高屈折率膜の物理膜厚が9〜29 nmであり、前記第五層の低屈折率膜の物理膜厚が20〜40 nmであり、前記第六層の高屈折率膜の物理膜厚が116〜136 nmであり、前記第七層の低屈折率膜の物理膜厚が24〜44 nmであり、前記第八層の高屈折率膜の物理膜厚が17〜37 nmであり、前記第九層の低屈折率膜の物理膜厚が27〜47 nmであり、前記第十層の高屈折率膜の物理膜厚が106〜126 nmであり、前記第十一層の低屈折率膜の物理膜厚が76〜96 nmであることを特徴とする反射防止膜。
  3. 請求項1に記載の反射防止膜において、前記基板が1.47〜2.02の屈折率を有し、前記反射防止膜が前記基板側から順に形成された第一層〜第十三層の積層膜からなり、前記第一層の低屈折率膜の物理膜厚が7〜27 nmであり、前記第二層の高屈折率膜の物理膜厚が2〜37 nmであり、前記第三層の低屈折率膜の物理膜厚が13〜53 nmであり、前記第四層の高屈折率膜の物理膜厚が2〜22 nmであり、前記第五層の低屈折率膜の物理膜厚が41〜61 nmであり、前記第六層の高屈折率膜の物理膜厚が9〜29 nmであり、前記第七層の低屈折率膜の物理膜厚が20〜40 nmであり、前記第八層の高屈折率膜の物理膜厚が116〜136 nmであり、前記第九層の低屈折率膜の物理膜厚が24〜44 nmであり、前記第十層の高屈折率膜の物理膜厚が17〜37 nmであり、前記第十一層の低屈折率膜の物理膜厚が27〜47 nmであり、前記第一二層の高屈折率膜の物理膜厚が106〜126 nmであり、前記第一三層の低屈折率膜の物理膜厚が76〜96 nmであることを特徴とする反射防止膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止膜において、波長が400〜700 nmで、入射角が0〜10°の光に対する反射率が0.3%以下であることを特徴とする反射防止膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜を、基板の表面に有することを特徴とする光学素子。
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