JP2010217271A - 熱収縮性補強スリーブの加熱装置及び融着接続機 - Google Patents

熱収縮性補強スリーブの加熱装置及び融着接続機 Download PDF

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Abstract

【課題】熱収縮性補強スリーブをヒーターの中央に確実に固定する。
【解決手段】光ファイバ11,11の接続部12を補強するための、磁性体15を内包する熱収縮性補強スリーブ13の加熱装置10である。加熱装置10は、ヒーター26と、磁石30とを含み、磁性体15が磁力によって磁石30に吸着されることによって、熱収縮性補強スリーブ13がヒーター26に密着するように磁石30が配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバ用の熱収縮性補強スリーブの加熱装置及び光ファイバの融着接続機に関する。
光ファイバ同士を接続する方法として、接続する光ファイバの端部において被覆を除去しクラッドをむき出しにした後、光ファイバ同士の端面を対向させ、芯の位置を調整してからアーク放電で融着する方法がある。この場合、接続した光ファイバの接続部分及び被覆除去された部分の曲げ強度を補強するため、熱収縮性補強スリーブが用いられる。
外被の外部から作用する力によりテープ心線の破損を防止するために、テープ心線と外被との間に抗張力繊維をテープ心線の長さ方向に沿って沿えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−171132号公報
ところで、光ファイバの接続部分を覆う熱収縮性補強スリーブはファイバの被覆除去された部分が適切に被覆されるように最適な位置に配置する必要があり、通常は作業者が目視で位置調節を行う。しかし、熱収縮性補強スリーブの長さが短いと、この位置合わせが難しい。また、ヒーターから熱収縮性補強スリーブが浮いた状態となると、ヒーターの熱が熱収縮性補強スリーブに伝導しにくくなり、溶融、収縮するまでの時間が長くなったり、適切に収縮されないという問題があった。
本発明の課題は、光ファイバの接続部分及び被覆除去された部分を覆う熱収縮性補強スリーブをヒーターの適切な位置に確実に固定することである。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、非磁性体からなるヒーターと、磁石とを含む、磁性体を内包する熱収縮性補強スリーブの加熱装置であって、前記熱収縮性補強スリーブが前記ヒーターに対して磁力によって密着するように磁石が配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置であって、前記ヒーターの外形が面状あるいは断面U字形であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置であって、前記磁石が、前記ヒーターの前記熱収縮性補強スリーブの設置される面の反対の面側に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置であって、前記磁石は電磁石であり、前記面状ヒーターによる加熱を行う前に通電が開始され、加熱終了後に通電が停止されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置を含む融着接続機であることを特徴とする。
本発明によれば、光ファイバを覆う熱収縮性補強スリーブをヒーターの適切な位置に確実に固定することができる。
本発明に係る加熱装置10の斜視図である。 加熱装置10のクランプ部21、22及び蓋25Aを開いた状態を示す平面図である。 ヒーター26Aの上部に固定された熱収縮性補強スリーブ13を示す斜視図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 (a)〜(c)は本発明に係るヒーターの変形例の断面図である。 (a)〜(d)は本発明に係るヒーターの変形例の断面図である。 (a)、(b)は本発明に係るヒーターの変形例の断面図である。 本発明に係る蓋25Bの斜視図である。 本発明に係る加熱装置10を含む融着接続機の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係る加熱装置10の斜視図である。この加熱装置10は、融着接続された2本の光ファイバ11、11の接続部を補強するために、接続部が挿通された熱収縮性補強スリーブを加熱するものであり、加熱部20と、クランプ部21、22と、さらに加熱部20の温度制御と加熱時間の制御を司る温度制御部23とを備えている。
クランプ部21、22は、加熱装置10の本体に対して回動自在に接続されており、融着接続された2本の光ファイバ11、11のそれぞれをクランプする。
加熱部20は、加熱装置10の本体に設けられたヒーター装着台29と、ヒーター装着台29に対しヒンジで回動自在に接続された蓋25Aとからなる。
ここでクランプ部21、22と蓋25Aは別体としてあるが、蓋25Aの両端にクランプ部を設けても良い。また、加熱装置10は屋外で利用されることが多いので、加熱部分の雰囲気を一定に保つように、図示しない密閉機構を蓋25Aに付加したり、加熱装置10自体を覆うようにフードを設けるなどしても良い。
図2は加熱装置10のクランプ部21、22及び蓋25Aを開いた状態を示す平面図である。図2に示すように、加熱装置10の本体には、クランプ部21、22を確実に固定するための磁石27、27が設けられている。なお、クランプ部21、22は全体が磁性体からなるものであってもよいし、磁石27、27との対向部のみに磁石または磁性体を設けてもよい。また、逆にクランプ部21,22に磁石を設け、加熱装置10の対向する位置に磁石または磁性体を設けても良い。さらに、光ファイバと直接接触する部分にはすべりを防止するために、耐熱性の樹脂部材を設けたり、その表面にさらに凹凸を設けてもよい。
ヒーター装着台29にはヒーター26Aが設けられており、蓋25Aには観察窓28が設けられている。ここではヒーター26Aには、図4に示すように、少なくともスリーブ13との接触部分に熱源31としてのニクロム線等の配線をセラミック材料等の被覆材料32で覆ったものが用いられているが、熱源31としては他に、アルミや非磁性のステンレス等、非磁性体の配線を用いることができる。また、熱源31の被覆材料32としてポリイミド樹脂、セラミックス等を用いてもよい。本実施例においては、熱源31を内包するヒーター26Aを用いているが、熱源と被覆16が直接接触し、被覆16が劣化することが避けられればよく、熱源と被覆16の間に耐熱性樹脂シートを挿入するような構成のヒーターでもよい。あるいは、ヒーター26Aとして、セラミックヒーターや、フィルムヒーターを用いてもよい。ヒーター26Aには、加熱装置10の本体内に収容された電池、DC電源あるいはAC電源から電力が供給される。
図2において、融着接続された2本の光ファイバ11、11が挿通された熱収縮性補強スリーブ13がヒーター26Aの上部に載置されている。両端の光ファイバ11、11をクランプ部21、22で挟持し、蓋25Aを閉じた状態で、ヒーター26Aが加熱される。
温度制御部23には、温度制御パネル24が設けられている。温度制御パネル24には、加熱温度や加熱時間などの加熱条件を設定するための操作部や、設定された加熱条件を確認するための表示部等が設けられている。操作部のスイッチをオンにすれば、予め設定されている加熱条件に沿ってヒーター26Aが加熱される。温度制御パネル24や操作部は融着接続機40の表示部42や操作部43とそれぞれ兼用することができる。
ここで、本発明に係る熱収縮性補強スリーブ13及び加熱部20についてさらに詳細に説明する。図3はヒーター26Aの上部に固定された熱収縮性補強スリーブ13を示す斜視図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。熱収縮性補強スリーブ13は、ホットメルト樹脂チューブ14と、補強部材15と、これらを収容する外被16とからなる。ホットメルト樹脂のチューブ14を利用することが均一な固着のためには最適であるが、用途に応じては、ホットメルト樹脂チューブ14の代わりに、内部に光ファイバを挿通させないホットメルト樹脂の棒などを用いたり、あるいは被覆16と補強部材15だけを用いることもできる。
ホットメルト樹脂チューブ14の内部には、融着接続された光ファイバ11、11が挿通されている。ホットメルト樹脂チューブ14は熱可塑性樹脂からなり、ヒーター26Aにより加熱されると溶融、収縮し、熱収縮性補強スリーブ13の冷却後、光ファイバ11、11の融着接続部12、補強部材15及び外被16と一体化する。
補強部材15は磁性体からなる棒状の部材であり、例えば磁性のあるステンレス等(400系ステンレス)を用いることができる。補強部材15はホットメルト樹脂チューブ14と軸方向を同一にして熱収縮性補強スリーブ13内に収容されている。補強部材15は熱収縮性補強スリーブ13の冷却後、融着接続部12を補強する。
外被16はホットメルト樹脂チューブ14が溶融する温度でも溶融しない樹脂材からなる。
ヒーター装着台29には、ヒーター26Aの中央部の下部に、補強部材15を吸着する磁石30が配置されている。磁石30は棒状であり、その軸方向はクランプ部21、22により固定される光ファイバ11、11の軸方向と同方向である。
なお、磁石30は永久磁石であってもよいし、電磁石であってもよい。磁石30を電磁石とした場合には、電流を停止することで、ヒーター26Aの上部から熱収縮性補強スリーブ13を容易に取り除くことができる。
あるいは、クランプ部21、22により固定される光ファイバ11、11の軸方向に沿って、複数の磁石を配列してもよい。
また、複数の電磁石を組み合わせて用いてもよい。この場合は、用いる熱収縮性補強スリーブ13の長さに応じて通電する電磁石を調整することで、短い熱収縮性補強スリーブ13であっても、確実に熱収縮性補強スリーブ13をヒーター26Aの所望の位置に配置することができる。ここで、熱収縮性補強スリーブ13の長さに応じてヒーターの加熱部分の位置を調節できるようにすれば後で述べる加熱処理をさらに効率的に行うことができる。以下の説明では、磁石30が電磁石であるとして説明する。
次に、熱収縮性補強スリーブ13を用いて光ファイバ11、11同士の融着接続部12を補強する方法について説明する。
まず、外皮16の中にホットメルト樹脂チューブ14及び補強部材15を挿入し、熱収縮性補強スリーブ13を構成する。続いて、ホットメルト樹脂チューブ14に融着接続した光ファイバ11、11を挿通し、融着接続部12をホットメルト樹脂チューブ14内に、好ましくは熱収縮性補強スリーブ13の長手方向の中央部に配置する。
次に、図2に示すように、加熱部20の蓋25Aとクランプ部21、22とを開き、熱収縮性補強スリーブ13をヒーター26A上に載置するとともに、熱収縮性補強スリーブ13の両側から外方に延びる光ファイバ11、11をクランプ部21、22の下部で加熱装置10のクランプ部21、22の対向する部分の上に配置する。次に、磁石30への通電を開始する。このとき、磁石30により補強部材15が吸着されるため、図3、図4に示すように、熱収縮性補強スリーブ13がヒーター26Aの加熱処理に適した所望の位置に固定される。
次に、クランプ部21、22を倒して、光ファイバ11、11を固定する。その後、蓋25Aを閉じ、観察窓28を通して再度、ヒーター26Aと光ファイバ11、11、熱収縮性補強スリーブ13及び融着接続部12の位置関係を確認する。問題なければ温度制御パネル24で加熱温度、加熱時間、加熱場所等の加熱条件を確認し、操作部のスイッチをオンにする。これにより、予め設定されている加熱条件に沿ってヒーター26Aが加熱される(加熱処理)。加熱温度は、選択されたホットメルト樹脂チューブ14が溶融し、選択された被覆16収縮するが溶融あるいは変質しない温度が適宜選択される。加熱時間は、観察窓からユーザーが収縮状態を観察し、最適な状態になったときに停止してもよいが、経験的に求められた最適時間を適宜装置にセットする、あるいは加熱装置10がさらにメモリを持ち、いくつかのプリセットされた加熱時間から適当な一つを選択することによって設定される。加熱時には、磁石30により補強部材15が磁石30に引き寄せられ熱収縮性補強スリーブ13がヒーター26Aに密着しているため、ヒーター26Aの熱が確実に熱収縮性補強スリーブ13に伝導する。
加熱処理後、磁石30への通電を停止し、蓋25Aとクランプ部21、22とを開き、融着接続部12が熱収縮性補強スリーブ13により補強された光ファイバ11、11を取り外す。
上述した実施例では融着接続を行った後に、光ファイバ11、11の接続部を熱収縮性補強スリーブ13に挿通したが、接続前に予め一方の光ファイバ11をホットメルト樹脂チューブ14及び/または熱収縮性補強スリーブ13に挿通させ、ホットメルト樹脂チューブ14及び/または熱収縮性補強スリーブ13を接続後に融着接続部12にスライドするようにしても良い。また、上述の実施形態では面状のヒーターを例に挙げて説明してきたが続く段落で説明するように断面がU字形状や凹形状のヒーターを用いても良い。さらに、クランプ部材21または22に電磁石30のスイッチ機能を持たせ、クランプ時にスイッチがONになるように構成することによって電磁石のスイッチを省略することもできる。
次に、ヒーターの構造の変形例をいくつか示す。図4においては、面状のヒーター26Aの下部に磁石30を配置していたが、図5(a)に示すように、被覆材料32を断面凹状とし、スリーブ13の周囲に熱源31を埋め込んだヒーター26Bを用いてもよい。また、図5(b)に示すように、熱源31が側壁のみにあるヒーター26Cを用いてもよいし、図5(c)に示すように、熱源31が底壁のみにあるヒーター26Dを用いてもよい。
あるいは、図6(a)に示すように、面状の被覆材料32の内部であってスリーブ13の接触部近傍に磁石30を埋め込み、その周囲に熱源31を埋め込んだヒーター26Eでもよい。また、図6(b)に示すように、被覆材料32を断面凹状とし、スリーブ13の下部に磁石30を埋め込むとともに、その周囲に熱源31を埋め込んだヒーター26Fとでもよい。また、図6(c)に示すように、被覆材料32のスリーブ13と接触する部分の近傍に磁石30を埋め込むとともに、熱源31が側壁のみにあるヒーター26Gを用いてもよい。あるいは、図6(d)に示すように、被覆材料32のスリーブ13と接触する部分の近傍に磁石30を埋め込むとともに、その周囲の底壁のみに熱源31を埋め込んだヒーター26Hを用いてもよい。
あるいは、図7(a)に示すように、断面V字形状のヒーター26Iとし、その下部に磁石30を配置してもよい。断面V字形状とすることで、スリーブ13をより安定化することができる。
また、図7(b)に示すように、スリーブ13を支持する断面略U字形状の支持材33を設け、支持材33の下部に磁石30を配置するとともに、支持材33の下部であって磁石30の近傍に熱源31を配置したヒーター26Jを用いてもよい。
支持材33としては、耐熱性のフィルムや、断面略U字形状に曲げたアルミニウム板等を用いることができる。
このようなヒーター26Jでは、断面略U字形状の支持材33とスリーブ13との接触面積が増えるため、熱源31の熱が効率よく伝導し、消費電力を低減することができる。
図8は、他の形態の蓋25Bを示す概略図である。蓋25Bの端面には加熱部分の雰囲気の変化を防ぐために密閉構造が設けられている。また、蓋25Bの内部に上からスリーブ13を押さえつけて固定する押圧機構を設けても良い。
以上示したように、本発明によれば、磁石30で熱収縮性補強スリーブ13をヒーター26Aの中央に固定するので、位置調節を容易に行うことができる。また、磁石30で熱収縮性補強スリーブ13を吸着するので、ヒーター26Aと熱収縮性補強スリーブ13との接触面積が大きくなり、熱が伝導しやすく、溶融、収縮するまでの時間を短縮することができる。
また、磁石30を電磁石とした場合には、電磁石への通電を停止することで、融着接続部12が熱収縮性補強スリーブ13により補強された光ファイバ11、11を容易に取り外すことができる。
図9は本発明の他の実施形態に係る融着接続機40の斜視図である。融着接続機40は、加熱装置10と隣接する融着接続装置41を備える。また、温度制御部23の代わりに、表示部42、操作部43を備える。
融着接続装置41は、両端を対向させた状態で加熱装置10に保持された2本の光ファイバ11、11を、アーク放電により対向部を融着し接続する装置である。
操作部43には、加熱温度や加熱時間などの加熱条件の設定を行うキーや、融着接続装置41による融着接続を開始するためのスイッチ等が設けられている。表示部42には、操作部43で設定された加熱条件等が表示される。
このような融着接続機40によれば、融着接続装置41により2本の光ファイバ11、11を融着接続した後、加熱装置10によりただちに接続した光ファイバ11,11の接続部分及び被覆除去された部分の曲げ強度を熱収縮性補強スリーブで補強することができる。
10 加熱装置
11 光ファイバ
12 融着接続部
13 熱収縮性補強スリーブ
14 ホットメルト樹脂チューブ
15 補強部材
16 外被
20 加熱部
21、22 クランプ部
23 温度制御部
24 温度制御パネル
25A、26B 蓋
26A〜26J ヒーター
27 磁石
29 ヒーター装着台
30 磁石
31 熱源
32 被覆材料
33 支持材
40 融着接続機
41 融着接続装置
42 表示部
43 操作部

Claims (5)

  1. 光ファイバの接続部を補強するための、磁性体を内包する熱収縮性補強スリーブの加熱装置であって、
    前記加熱装置は、ヒーターと、磁石とを含み、
    前記磁性体が磁力によって前記磁石に吸着されることによって、前記熱収縮性補強スリーブが前記ヒーターに密着するように前記磁石が配置されていることを特徴とする熱収縮性補強スリーブの加熱装置。
  2. 前記ヒーターの外形が面状あるいは断面U字形であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置。
  3. 前記磁石が、前記ヒーターの前記熱収縮性補強スリーブの設置される面の反対の面側に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 前記磁石は電磁石であり、前記面状ヒーターによる加熱を行う前に通電が開始され、加熱終了後に通電が停止されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱収縮性補強スリーブの加熱装置を含む融着接続機。
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