JP2010216867A - 分力測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な装置によって小型化を図ることができるとともに分力を同時に精度よく簡単に測定することができる分力測定装置を提供する。
【解決手段】測定対象物2に作用する荷重FのうちX軸方向の分力である力成分FX1,FX2をX軸力検出部18A,18Bが検出し、Y軸方向の分力である力成分FY1,FY2をY軸力検出部19A,19Bが検出し、Z軸方向の分力である力成分FZ1,FZ2をZ軸力検出部20A,20Bが検出する。その結果、荷重作用点P0におけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZを合成することによって、荷重作用点POに作用する荷重Fの大きさ及び方向が演算される。また、測定対象物2に作用するZ軸回りのモーメント成分MZを発生させるモーメント荷重FMZをモーメント検出部21が検出することによって、Z軸回りのモーメント成分MZの大きさ及び方向が演算される。
【選択図】図3

Description

この発明は、測定対象物に作用する複数の分力を測定する分力測定装置に関する。
測定対象物に作用するX軸、Y軸及びZ軸方向の荷重を測定する3分力計、又は、測定対象物に作用するX軸、Y軸及びZ軸方向の荷重とこれらの軸回りのモーメントを測定する6分力計などの製品が市販されている。従来の6分力計は、荷重を受ける荷重受け部と、この荷重受け部を支持する十字状の4本のスポーク柱と、この4本のスポークの荷重受け部を支持する側とは反対側の端部を支持する円筒状の保持体と、4本のスポーク柱に取り付けられた歪みゲージなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の6分力計では、荷重受け部に荷重が作用して4本のスポーク柱に発生する歪みを歪みゲージによって測定して、この荷重受け部に作用する3軸方向の荷重と3軸回りのモーメントとを測定している。
特開昭57-169643号公報
歪みゲージで測定する力測定装置においては、一般に測定感度を高くすると許容荷重は小さくなり、許容荷重を大きくすると測定感度は低くなる。上記の従来の6分力計では、1方向に作用する荷重が他の方向に作用する荷重よりも小さいときにはこの1方向の測定感度を大きくする必要があり、1方向に作用する荷重が他の方向に作用する荷重よりも大きいときにはこの1方向の許容荷重を大きくする必要がある。しかし、従来の6分力計では、3軸方向のそれぞれの測定感度及び許容荷重が同一であり、1方向だけを異なる測定感度にしたり許容荷重を大きくしたりすることが困難であり、1方向の測定感度や許容荷重を異なるような複雑な構造にすると大型化し高価になってしまう問題点がある。また、従来の6分力計では、1方向の引張式又は圧縮式などのロードセルを使用して3軸方向の荷重と3軸回りのモーメントとを測定しようとすると、摩擦力によって各方向の測定力が干渉してしまう問題点がある。
図18は、従来の6分力計を概略的に示す模式図である。
図18に示す6分力計101は、垂直方向の荷重FVと水平方向の荷重FHとを受ける荷重受け部102と、この荷重受け部102に作用する垂直方向の荷重FVを検出するロードセル103と、荷重受け部102に作用する水平方向の荷重FHを検出するロードセル104などを備えている。このような6分力計101では、垂直方向の荷重FVと水平方向の荷重FHとが同時に荷重受け部102に作用すると、ロードセル103と荷重受け部102との間に水平方向の摩擦力FmHが作用し、ロードセル104と荷重受け部102との間に垂直方向の摩擦力FmVが作用する。ここで、水平方向の摩擦力FmH=μFVであり、垂直方向の摩擦力FmV=μFHであり、μは摩擦係数である。このため、従来の6分力計101では、ロードセル103,104によって垂直方向の荷重FVを測定すると、垂直方向の摩擦力FmVが誤差となり、ロードセル103,104によって水平方向の荷重FHを測定すると、水平方向の摩擦力FmHが誤差となり、実際の荷重FV,FHよりも小さい値が測定値となる。このように、従来の6分力計101では、摩擦力FmV,FmHによって各方向の測定力が相互に干渉し測定結果に誤差が生じてしまう問題点がある。また、従来の6分力計101では、このような測定値の誤差を小さくするためにリンク機構、軸受又はリニアガイドなどによって摩擦力FmV,FmHを小さくしようとすると、構造が複雑になって大型化しコストが高くなってしまう問題点がある。
この発明の課題は、安価な装置によって小型化を図ることができるとともに分力を同時に精度よく簡単に測定することができる分力測定装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3及び図4に示すように、測定対象物(2)に作用する複数の分力を測定する分力測定装置であって、前記測定対象物に作用する荷重(F)の3軸方向の力成分(FX,FY,FZ)を検出する力検出部(17)と、前記力検出部による前記3軸方向の力成分の検出と同時に、前記測定対象物の1軸回りのモーメント成分(MZ)を検出するモーメント検出部(21)とを備える分力測定装置(3)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の分力測定装置において、図4に示すように、前記力検出部の検出結果に基づいて、前記1軸回りのモーメント成分以外の残りの1軸又は2軸回りのモーメント成分(MX,MY)を演算するモーメント演算部(24)を備えることを特徴とする分力測定装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の分力測定装置において、図17に示すように、前記力検出部は、1軸方向又は2軸方向の力成分(FX,FY)を軸方向毎に複数の検出点(PX1,PX2,PY1,PY2)で検出し、前記モーメント演算部は、前記力検出部が検出する前記複数の検出点における検出値(FX1,FX2,FY1,FY2)に基づいて、前記残りの1軸又は2軸回りのモーメント成分(MX,MY)を演算することを特徴とする分力測定装置である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の分力測定装置において、前記モーメント演算部は、前記複数の検出点における検出値と、前記荷重の荷重作用点(P0)から前記力成分の作用線までの垂直距離(L11,L12,L21,L22)とに基づいて、前記残りの1軸又は2軸回りのモーメント成分を演算することを特徴とする分力測定装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図2に示すように、前記3軸方向の力成分が作用する力作用部(8A,8B,9A,9B)を備え、前記力検出部は、前記力作用部に作用する前記3軸方向の力成分を検出することを特徴とする分力測定装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の分力測定装置において、前記力作用部は、前記3軸方向の力成分のうち少なくとも2軸方向の力成分に対する検出感度及び/又は許容荷重が同じであることを特徴とする分力測定装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の分力測定装置において、図11に示すように、前記力作用部は、前記力成分の作用方向毎の断面係数が同じであることを特徴とする分力測定装置である。
請求項8の発明は、請求項5に記載の分力測定装置において、前記力作用部は、前記3軸方向の力成分のうち少なくとも2軸方向の力成分に対する検出感度及び/又は許容荷重が異なることを特徴とする分力測定装置である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の分力測定装置において、図15に示すように、前記力作用部は、前記力成分の作用方向毎に断面係数が異なることを特徴とする分力測定装置である。
請求項10の発明は、請求項5から請求項9までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、前記力作用部は、前記力成分の作用方向に対して前記検出感度及び/又は前記許容荷重が異なるものが着脱自在に交換可能なように複数存在することを特徴とする分力測定装置である。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図3に示すように、前記1軸回りのモーメント成分が作用するモーメント作用部(10)を備え、前記モーメント検出部は、前記モーメント作用部に作用する前記1軸回りのモーメント成分(MZ)を発生させるモーメント荷重(FMZ)を検出することを特徴とする分力測定装置である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図5及び図6に示すように、前記力検出部は、前記3軸方向の力成分のうち2軸方向の力成分(FX,FZ)を検出する歪みゲージ(18a,18b,20a,20b)と、前記3軸方向の力成分のうち残りの1軸方向の力成分(FY)を検出するロードセル(19a)とを備えることを特徴とする分力測定装置である。
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図6及び図10に示すように、前記モーメント検出部は、前記1軸回りのモーメント成分(MZ)を発生させるモーメント荷重(FMZ)を検出するロードセル(22a)を備えることを特徴とする分力測定装置である。
請求項14の発明は、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図3に示すように、前記力検出部は、前記測定対象物の中心軸と直交するX軸方向の力成分(FX1,FX2)を検出するX軸力検出部(18A,18B)と、前記測定対象物の中心軸及び前記X軸方向と直交するY軸方向の力成分(FY1,FY2)を検出するY軸力検出部(19A,19B)と、前記測定対象物の中心軸であるZ軸方向の力成分(FZ1,FZ2)を検出するZ軸力検出部(20A,20B)とを備えることを特徴とする分力測定装置である。
請求項15の発明は、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図3に示すように、前記モーメント検出部は、前記測定対象物の中心軸であるZ軸回りのモーメント成分(MZ)を発生させるモーメント荷重(FMZ)を検出するZ軸モーメント荷重検出部(22)を備えることを特徴とする分力測定装置である。
請求項16の発明は、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、図2及び図3に示すように、前記測定対象物の一端側を回転自在に片持ち支持する第1の支持部(4A)と、前記第1の支持部と同じ長さであり、前記測定対象物の他端側を回転自在に片持ち支持する第2の支持部(4B)とを備えることを特徴する分力測定装置である。
この発明によると、安価な装置によって小型化を図ることができるとともに分力を同時に精度よく簡単に測定することができる。
この発明の第1実施形態に係る分力測定装置が設置される模擬客室の平面図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置が設置される模擬客室の側面図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置を概略的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の構成図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の水平支持部の側面図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の水平支持部の平面図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の水平支持部の正面図である。 図5のVIII-VIII線で切断した状態を示す断面図である。 図5のIX-IX線で切断した状態を示す断面図である。 図6のX-X線で切断した状態を示す断面図である。 図5のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置における荷重の測定動作を説明するための模式図であり、(A)はX軸方向の力成分のみが作用した状態を示す模式図であり、(B)はY軸方向の力成分のみが作用した状態を示す模式図であり、(C)はZ軸方向の力成分のみが作用した状態を示す模式図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置によるZ軸方向及びX軸方向の力成分の測定原理を説明するための模式図であり、(A)は回転支持状態の測定対象物にZ軸方向の力成分が作用したときの側面図であり、(B)は固定支持状態の測定対象物にZ軸方向の力成分が作用したときの側面図であり、(C)は測定対象物にX軸方向の力成分が作用したときの平面図である。 この発明の第1実施形態に係る分力測定装置におけるモーメントの測定動作を説明するための模式図である。 この発明の第2実施形態に係る分力測定装置の力作用部の外観図であり、(A)は側面図であり、(B)は平面図であり、(C)は(A)のXV-XV線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第3実施形態に係る分力測定装置の構成図である。 この発明の第3実施形態に係る分力測定装置におけるX軸及びY軸回りのモーメント成分の演算動作を説明するための模式図であり、X軸回りのモーメント成分の演算動作を説明するための模式図であり、Y軸回りのモーメント成分の演算動作を説明するための模式図である。 従来の6分力計を概略的に示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置が設置される模擬客室の平面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置が設置される模擬客室の側面図である。
図1及び図2に示す模擬客室1は、実際の鉄道車両の客室を模擬した客室である。模擬客室1は、鉄道車両内の乗客の快適性に及ぼす影響を評価する車内快適性シミュレーション装置(模擬試験装置)によって、振動、走行音、車内音、温度、湿度及び車窓風景などの実際の鉄道車両の車内環境を再現するための設備である。模擬客室1には、上下方向、左右方向及び前後方向の振動、並びにロール方向、ピッチ方向及びロール方向の振動が車内快適性シミュレーション装置の加振装置によって作用する。模擬客室1は、図1及び図2に示す乗客及び荷物などの積載物の重量を支持する床面1aと、図1に示す車体の床と屋根との間を構成する側面1b,1cと、乗客の手荷物を載せる棚1d,1eと、立席の乗客が体を支えるためにつかまる水平方向に伸びた握り棒(手すり)1f,1gなどを備えている。
図2に示す測定対象物2は、分力測定装置3によって分力を測定する対象物である。測定対象物2は、乗客の利便性及び快適性を図るために実際の鉄道車両の客室内に設置される客室設備(接客設備)である。測定対象物2は、図2に示すように、垂直方向に伸びて配置される棒状部材であり、金属製で断面が円筒状の配管用炭素鋼鋼管(SGP)などのパイプである。測定対象物2は、例えば、鉄道車両の客室内の通路及び乗降口などに設置されて、この客室内の立席の乗客が安全保護のために体を支えるときにつかまる手すり(握り棒)である。
図1に示す被験者Tは、模擬客室1内で快適性に及ぼす影響を受ける対象者である。被験者Tは、例えば、図1及び図2に示すように左右いずれか一方又は双方の手T1で測定対象物2を把持し、図1に示すように床面1a上に立席状態で、車内快適性シミュレーション装置によってX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の振動を受ける。
図3は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置を概略的に示す斜視図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の構成図である。
図1〜図3に示すX軸は、測定対象物2の中心軸(長さ方向)と直交する模擬客室1の幅方向(実際の鉄道車両の幅方向)の軸であり、被験者Tから見て左右方向である。Y軸は、測定対象物2の中心軸及びX軸方向と直交する模擬客室1の長さ方向(実際の鉄道車両の長さ方向)の軸であり、被験者Tから見て前後方向である。Z軸は、測定対象物2の中心軸である模擬客室1の上下方向(実際の鉄道車両の高さ方向)の軸であり、被験者Tから見て上下方向である。
図3に示す荷重Fは、測定対象物2に作用する外力であり、模擬客室1内で加振される被験者Tの手T1から測定対象物2に任意の方向に作用する。荷重作用点P0は、測定対象物2に荷重Fが作用する地点である。モーメントMは、測定対象物2に作用するトルクであり、模擬客室1内で加振される被験者Tの手T1から測定対象物2に任意の平面内で作用する。力成分FXは、荷重FのX軸方向の分力であり、力成分FX1はX軸力検出部18Aによって検出される分力であり、力成分FX2はX軸力検出部18Bによって検出される分力である。力成分FYは、荷重FのY軸方向の分力であり、力成分FY1はY軸力検出部19Aによって検出される分力であり、力成分FY2はY軸力検出部19Bによって検出される分力である。力成分FZは、荷重FのZ軸方向の分力であり、力成分FZ1はZ軸力検出部20Aによって検出される分力であり、力成分FZ2はZ軸力検出部20Bによって検出される分力である。モーメント成分MZは、測定対象物2に作用するZ軸回り(水平面内)の成分であり、モーメント荷重FMZはこのZ軸回りのモーメント成分MZを発生させる荷重である。検出点PX1,PX2は、X軸方向の力成分FX1,FX2をそれぞれ検出する地点であり、検出点PY1,PY2はY軸方向の力成分FY1,FY2をそれぞれ検出する地点であり、検出点PZ1,PZ2はZ軸方向の力成分FZ1,FZ2をそれぞれ検出する地点であり、検出点PMZはZ軸回りのモーメント荷重FMZを検出する地点である。
図4に示す分力測定装置3は、測定対象物2に作用する分力を測定する装置である。分力測定装置3は、図3に示すように、測定対象物2に作用する荷重FのX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZと、この測定対象物2に作用するモーメントMのZ軸回りのモーメント成分MZとを測定する4分力計である。分力測定装置3は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZと、Z軸回りのモーメント成分MZとを同時に測定可能である。分力測定装置3は、被験者Tが測定対象物2につかまった状態で加振されたときに、この測定対象物2のどの方向にどれだけの大きさの荷重F及びモーメントMが作用するかを測定する。分力測定装置3は、図2及び図3に示す水平支持部4A,4Bと、ガイド部5A,5Bと、回転連結部6A,6B,7A,7Bと、図2に示すY軸力作用部8A,8Bと、図2及び図3に示すX軸/Z軸力作用部9A,9Bと、Z軸モーメント作用部10と、図2に示す垂直支持部11と、固定部12A,12Bと、図1及び図2に示す水平支持部13と、図2に示す固定部14,15と、図1に示す固定部16A,16Bと、図4に示す力検出部17と、モーメント検出部21と、荷重演算部23と、モーメント演算部24と、荷重情報記憶部25と、モーメント情報記憶部26と、制御部27などを備えている。
図5は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の水平支持部の側面図である。図6は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の水平支持部の平面図である。図7は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の水平支持部の正面図である。図8は、図5のVIII-VIII線で切断した状態を示す断面図である。図9は、図5のIX-IX線で切断した状態を示す断面図である。図10は、図6のX-X線で切断した状態を示す断面図である。図11は、図5のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。
図2及び図3に示す水平支持部4A,4Bは、測定対象物2を支持する部分である。水平支持部4Aは、測定対象物2の一端側(上端部側)を回転自在に片持ち支持し、水平支持部4Bは水平支持部4Aと同じ長さであり測定対象物2の他端側(下端部側)を回転自在に片持ち支持する。水平支持部4A,4Bは、測定対象物2を支持する側とは反対側の端部が固定端となるように、図2に示すように固定部12A,12Bにそれぞれ固定支持されている。水平支持部4A,4Bは、図2及び図3に示すように、この水平支持部4A,4Bの中心軸が測定対象物2の中心軸と直交しており、この水平支持部4A,4Bの中心軸がY軸方向と一致するように配置されている。水平支持部4A,4Bは、図2に示すように、床面1aに対して平行に配置されており、水平支持部4Aは上側に配置されており、水平支持部4Bは下側に配置されている。水平支持部4A,4Bは、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下では水平支持部4Bを中心に説明する。水平支持部4Bは、図7及び図8に示すように、炭素鋼などの金属製で断面が四角形の中実の棒状部材であり、図8に示すように水平支持部4Bの一方の端部にはこの水平支持部4Bの側面を貫通する貫通孔4aが形成されており、図5及び図6に示すように水平支持部4Bの他方の端部には所定の深さで嵌合穴4bが形成されている。
図2に示すガイド部5A,5Bは、水平支持部4A,4Bに対して測定対象物2をガイドする部分である。ガイド部5A,5Bは、測定対象物2のY軸方向への微小移動を許容し、X軸方向及びZ軸方向への移動を規制する。ガイド部5A,5Bは、X軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FZが発生したときに、Y軸方向に発生する摩擦力を軽減する。ガイド部5A,5Bは、図3に示すY軸力検出部19A,19Bの測定結果にこの摩擦力が測定誤差として影響を与え、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZとZ軸回りのモーメント成分MZとが相互に干渉するのを可能な限り防ぐ。ガイド部5A,5B、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下ではガイド部5Bを中心に説明する。ガイド部5Bは、図3、図5、図7及び図8に示すスライド部5aとガイドレール部5bなどを備えている。ガイド部5Bは、図7及び図8に示すように、スライド部5a側の溝とガイドレール部5b側の溝とをスライド自在に嵌合させて、ガイドレール部5bに沿ってスライド部5aを進退自在にガイドするリニアガイド装置である。図3、図5、図7及び図8に示すスライド部5aは、ガイドレール部5bによってガイドされる部分である。スライド部5aは、測定対象物2を支持した状態でこの測定対象物2と一体となってY軸方向に移動する板状部材である。ガイドレール部5bは、スライド部5aを移動自在にガイドする部分であり、スライド部5aの移動方向(Y軸方向)に沿って配置されている。
図2及び図3に示す回転連結部6Aは、水平支持部4Aとガイド部5Aとを回転自在に連結する部分であり、回転連結部6Bは水平支持部4Bとガイド部5Bとを回転自在に連結する部分である。回転連結部6A,6Bは、測定対象物2のX軸回りの微小回転を許容し、Y軸回り及びZ軸回りの回転を規制する。回転連結部6A,6Bは、測定対象物2にZ軸方向の力成分FYが作用したときに、水平支持部4A,4Bとガイド部5A,5Bとの間に発生するX軸回りのモーメントを軽減するピン結合部(ヒンジ結合部)である。回転連結部6A,6Bは、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下では回転連結部6Bを中心に説明する。回転連結部6Bは、図8に示す連結軸6aと、軸受6bと、押さえ部材6c,6dと、締結部材6eと、図7及び図8に示す支持部材6f,6gと、固定部材6h,6iなどを備えている。
図8に示す連結軸6aは、水平支持部4Bの貫通孔4aに挿入される部材である。軸受6bは、連結軸6aの両端部を回転自在に支持する部材である。押さえ部材6cは、軸受6bを押さえ付けて軸受6bが支持部材6fから脱落するのを防止する部材であり、連結軸6aが貫通する貫通孔を有する。押さえ部材6dは、締結部材6eと軸受6bとの間に挟み込まれる部材であり円筒状の部材である。締結部材6eは、連結軸6aの脱落を防止するためにこの連結軸6aに締結される部材であり、連結軸6aの両端に形成された雄ねじ部と噛み合う雌ねじ部を有するナットである。図7及び図8に示す支持部材6fは、軸受6bを支持する部材であり、支持部材6gは支持部材6fを両端部で支持する部材である。固定部材6hは、押さえ部材6cを支持部材6fに固定する部材であり、固定部材6iは支持部材6fを支持部材6gに固定する部材である。回転連結部6Aは、支持部材6gが図示しないボルトなどの固定部材によってガイドレール部5bに固定されている。
図2に示す回転連結部7Aは、測定対象物2とY軸力作用部8Aとを回転自在に連結する部分であり、回転連結部7Bは測定対象物2とY軸力作用部8Bとを回転自在に連結する部分である。回転連結部7A,7Bは、測定対象物2のZ軸回りの微小回転を許容し、X軸回り及びY軸回りの回転を規制する。図2及び図3に示すように、回転連結部7Aは測定対象物2の一端側(上端部側)と水平支持部4Aの一端側(自由端側)とをガイド部5A及びY軸力作用部8Aを介して回転自在に連結する。回転連結部7Bは、測定対象物2の他端側(下端部側)と水平支持部4Bの一端側(自由端側)とをガイド部5B及びY軸力作用部8Bを介して回転自在に連結する。回転連結部7A,7Bは、測定対象物2にZ軸回りのねじりモーメントが作用したときに、X軸力検出部18A,18Bに発生する曲げモーメントを軽減して、X軸力検出部18A,18Bの測定結果にこの曲げモーメントが測定誤差として影響を与えるのを低減する。回転連結部7A,7B、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下では回転連結部7Bを中心に説明する。回転連結部7Bは、図8に示す回転軸7aと、固定部材7bと、軸受7c,7dと、保持部材7eと、図5及び図7〜図9に示す収容部材7fと、蓋部材7gと、固定部材7h,7iなどを備えている。
図8に示す回転軸7aは、測定対象物2の端部に嵌め込まれてこの測定対象物2と一体となって回転する部材であり、回転軸7aの外周部にはフランジ部7jが形成されている。固定部材7bは、回転軸7aを測定対象物2に固定する部材であり、回転軸7a及び測定対象物2を貫通する六角穴付きのボルト7kと、このボルト7kに締結されるナット7mなどを備える。軸受7c,7dは、回転軸7aを回転自在に支持する部材であり、所定の間隔をあけて上下に配置されている。保持部材7eは、軸受7cと軸受7dとを所定の間隔に保持する部材であり、回転軸7aの外周部と内周部が嵌合しており軸受7cと軸受7dとの間に挟み込まれる円筒状の部材である。図5、図7及び図8に示す収容部材7fは、軸受7c,7d及び保持部材7eを収容する部材であり、収容部材7fの内周部には軸受7c,7dの外輪と保持部材7eの外周部とが嵌め込まれている。蓋部材7gは、収容部材7fの開口部を塞ぐ部材である。蓋部材7gは、回転軸7aが貫通する貫通孔を有する円環状の板状部材であり、収容部材7fとの間に軸受7c,7d及び保持部材7eを挟み込んでいる。固定部材7hは、蓋部材7gを収容部材7fに着脱自在に固定する部材であり、蓋部材7gのフランジ部と収容部材7fのフランジ部とを接合させた状態でこれらを締結する止めねじである。固定部材7iは、Y軸力作用部8Bの押圧部材8aに収容部材7fを固定する部材であり、収容部材7fのフランジ部と押圧部材8aとを接合させた状態でこれらを締結する六角穴付きのボルトである。
図2に示すY軸力作用部8Aは、Y軸方向の力成分FY1が作用する部分であり、Y軸力作用部8BはY軸方向の力成分FY2が作用する部分である。Y軸力作用部8Aは、測定対象物2の上側に配置されており、Y軸力作用部8Bは測定対象物2の下側に配置されている。Y軸力作用部8A,8Bは、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下ではY軸力作用部8Bを中心に説明する。Y軸力作用部8Bは、図5に示すように、押圧部材8aと、付勢力発生部材8bと、付勢力調整部材8cと、支持部材8d,8eと、固定部材8fなどを備えている。
図5に示す押圧部材8aは、Y軸力検出部19Bのロードボタン19bを押圧する部材である。押圧部材8aは、図示しない固定部材によってスライド部5aに固定されておりスライド部5aと一体となってY軸方向に移動可能である。付勢力発生部材8bは、Y軸力検出部19Bのロードボタン19bに押圧部材8aを付勢するための付勢力を発生する部材である。付勢力発生部材8bは、押圧部材8aに固定されており、押圧部材8aをロードボタン19bに押し付ける圧縮ばね8gと、押圧部材8aに取り付けられて圧縮ばね8gを収容する収容部材8hと、圧縮ばね8gの端部を押さえる押さえ部材8iなどを備えている。付勢力調整部材8cは、付勢力発生部材8bが発生する付勢力を調整する部材である。付勢力調整部材8cは、押さえ部材8iの移動量を可変することによって圧縮ばね8gの撓み量を可変し、この圧縮ばね8gが発生する付勢力(ばね力)を調整する。付勢力調整部材8cは、先端部が押さえ部材8iにねじ込まれて支持部材8eの貫通孔を貫通するボルト8jと、このボルト8jが支持部材8eから抜け出すのを防止するためにボルト8jに装着されるナット8kなどを備えている。支持部材8dは、Y軸力検出部19Bを支持する部材であり、押圧部材8aとの間でY軸力検出部19Bを挟み込むように回転連結部6Bの支持部材6gに固定されている。支持部材8eは、付勢力調整部材8cを支持する部材であり、支持部材8dが固定されている側とは反対側の支持部材6gの端部に固定されている。固定部材8fは、支持部材8d,8eを支持部材6gに固定する部材であり、支持部材6gの両端部に装着される六角穴付きのボルトである。
図2及び図3に示すX軸/Z軸力作用部9Aは、X軸方向の力成分FX1とZ軸方向の力成分FZ1とが作用する部分であり、X軸/Z軸力作用部9BはX軸方向の力成分FX2とZ軸方向の力成分FZ2が作用する部分である。X軸/Z軸力作用部9Aは、水平支持部4Aと固定部12Aとの間に配置されており、X軸/Z軸力作用部9Bは水平支持部4Bと固定部12Bとの間に配置されている。X軸/Z軸力作用部9A,9Bは、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下ではX軸/Z軸力作用部9Bを中心に説明する。X軸/Z軸力作用部9Bは、図5、図6及び図11に示すように、アルミニウムなどの金属製で断面形状が円形の中実の棒状部材である。X軸/Z軸力作用部9Bは、X軸方向及びZ軸方向の力成分FX2,FZ2に対する測定感度及び許容荷重が同じであり、力成分FX2,FZ2の作用方向毎の断面係数が同じである。X軸/Z軸力作用部9Bは、図5及び図6に示すように、歪み予定部9aと、装着部9b,9cと、固定部材9dなどを備えている。X軸/Z軸力作用部9Bは、歪み予定部9aにZ軸方向の力成分FZ2が作用してX軸を中立軸として曲げモーメントが作用する場合と、歪み予定部9aにX軸方向の力成分FX2が作用してZ軸を中立軸として曲げモーメントが作用する場合とで検出感度及び許容荷重が同じである。
図5、図6及び図11に示す歪み予定部9aは、X軸方向及び/又はZ軸方向の力成分FX2,FZ2が作用したときに歪みが発生する部分である。図5及び図6に示す装着部9bは、水平支持部4Bに装着される部分であり、装着部9cは固定部12Bに装着される部分である。装着部9b,9cは、歪み予定部9aよりも大径に形成されており、装着部9bは水平支持部4Bの嵌合穴4bに嵌め込まれており、装着部9cは固定部12Bの嵌合穴12gに嵌め込まれている。固定部材9dは、装着部9bを嵌合穴4bに固定する部材であり、水平支持部4Bの外周部を貫通する雌ねじ部に装着されて先端部が装着部9bの外周面と接触する六角穴付きの埋込ねじなどである。
図2及び図3に示すZ軸モーメント作用部10は、Z軸回りのモーメント成分MZが作用する部分である。Z軸モーメント作用部10は、Y軸力作用部8A,8B及びX軸/Z軸力作用部9A,9Bとは異なり、図2及び図3に示すように測定対象物2の下側に1つ配置されている。Z軸モーメント作用部10は、図5に示すY軸力作用部8Bと近似した構造であり、図5、図6及び図10に示す押圧部材10aと、図5〜図8に示す固定部材10bと、図10に示す付勢力発生部材10cと、付勢力調整部材10dと、支持部材10e,10fと、取付部材10gと、固定部材10h,10iなどを備えている。
図5及び図6に示す押圧部材10aは、Z軸モーメント荷重検出部22のロードボタン22bを押圧する部材である。押圧部材10aは、図5に示すように、外観が略L字状の板状のアーム部材である。図6に示すように、押圧部材10aの一端部(固定端)には回転連結部6Bの連結軸6aの外周部と嵌合可能なように円環状の嵌合部10jが形成されており、押圧部材10aの他端部(自由端)にはZ軸モーメント荷重検出部22のロードボタン22bと接触する接触部10kが形成されている。押圧部材10aは、Z軸回りのモーメント成分MZを発生させるモーメント荷重FMZをZ軸モーメント荷重検出部22に作用させる。押圧部材10aは、図8に示すように、嵌合部10j側が固定端となるように回転軸7aを介して測定対象物2に固定支持されており、図10に示すように接触部10k側が自由端となるようにZ軸モーメント荷重検出部22と密着している。図5〜図8に示す固定部材10bは、押圧部材10aの嵌合部10jと回転軸7aのフランジ部とを接合させた状態でこれらを締結する六角穴付きのボルトなどである。図10に示す付勢力発生部材10cは、Z軸モーメント荷重検出部22のロードボタン22bに押圧部材10aを付勢するための付勢力を発生する部材である。付勢力発生部材10cは、押圧部材10aをロードボタン22bに押し付ける圧縮ばね10mと、押圧部材10aに取り付けられて圧縮ばね10mを収容する収容部材10nと、圧縮ばね10mの端部を押さえる押さえ部材10pなどを備えている。付勢力調整部材10dは、付勢力発生部材10cが発生する付勢力を調整する部材である。付勢力調整部材10dは、押さえ部材10pの移動量を可変することによって圧縮ばね10mの撓み量を可変し、この圧縮ばね10mが発生する付勢力(ばね力)を調整する。付勢力調整部材10dは、先端部が押さえ部材10pにねじ込まれて支持部材10fの貫通孔を貫通するボルト10qと、このボルト10qが支持部材10fから抜け出すのを防止するためにボルト10qに装着されるナット10rなどを備えている。支持部材10eは、Z軸モーメント荷重検出部22を支持する部材であり、押圧部材10aとの間でZ軸モーメント荷重検出部22を挟み込むように取付部材10gに固定されている。支持部材10fは、付勢力調整部材10dを支持する部材であり、支持部材10eが固定されている側とは反対側の取付部材10gの端部に固定されている。取付部材10gは、支持部材10e,10fを水平支持部4Bに取り付ける部材であり、水平支持部4Bと直交してこの水平支持部4Bと接触して配置されている。固定部材10hは、支持部材10e,10fを取付部材10gに固定する部材であり、取付部材10gの両端部に装着される六角穴付きのボルトである。固定部材10iは、取付部材10gを水平支持部4Bに固定する部材であり、水平支持部4Bを貫通して取付部材10gの雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部を有する六角穴付きのボルトなどである。
図2、図5及び図6に示す垂直支持部11は、水平支持部4A,4Bを支持する部分である。垂直支持部11は、図2に示すように、一端部(上端部)が固定部14に固定されており、他端部(下端部)が固定部15に固定されており、固定部14と固定部15との間に水平支持部4A,4Bを支持した状態で固定部14,15によって両持ち支持されている。垂直支持部11は、この垂直支持部11の中心軸が測定対象物2の中心軸と平行しており、床面1aに対して垂直に配置されている。垂直支持部11は、図5及び図6に示すように、金属製で断面が円筒状の配管用炭素鋼鋼管(SGP)などのパイプである。
図2に示す固定部12A,12Bは、水平支持部4A,4Bを垂直支持部11に固定する部分である。固定部12Aは、水平支持部4Aを垂直支持部11に着脱自在に固定し、固定部12Bは水平支持部4Bを垂直支持部11に着脱自在に固定する。固定部12A,12Bは、図2に示すように、いずれも同一構造であり、以下では固定部12Bを中心に説明する。固定部12Bは、図5及び図6に示すように、支持部材12aと、固定部材12b,12cと、取付部材12d,12eと、連結部材12fなどを備えている。支持部材12aは、X軸/Z軸力作用部9Bの装着部9cを支持する部材であり、図5及び図6に示すようにこの装着部9cが嵌合する嵌合穴12gと、取付部材12dに装着されるフランジ部12hなどを備えている。支持部材12aは、X軸/Z軸力作用部9Bを支持することによって水平支持部4Bを支持している。固定部材12bは、装着部9cを嵌合穴12gに固定する部材であり、支持部材12aの外周部を貫通する雌ねじ部に装着されて先端部が装着部9cの外周面と接触する六角穴付きの埋込ねじなどである。固定部材12cは、支持部材12aを取付部材12dに固定する部材であり、支持部材12aのフランジ部12hを貫通して取付部材12dの雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部を有する六角穴付きのボルトなどである。取付部材12d,12eは、支持部材12aを垂直支持部11に取り付ける部材である。取付部材12d,12eは、図5及び図6に示すように、垂直支持部11を挟み込み前後に分割可能なように装着されており、図6に示すように垂直支持部11の外周面と密着する円弧面を備えている。連結部材12fは、取付部材12dと取付部材12eとを連結する部材であり、取付部材12eを貫通して取付部材12dの雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部を有する六角穴付きのボルトなどである。
図1及び図2に示す水平支持部13は、垂直支持部11を支持する部分である。水平支持部13は、図1に示すように、一端部が固定部16Aに固定されており、他端部が固定部16Bに固定されており、固定部16Aと固定部16Bとの間の中間部(模擬客室1の長さ方向の中心)で垂直支持部11を支持した状態で固定部16A,16Bによって両端支持されている。水平支持部13は、この水平支持部13の中心軸が床面1aと平行に配置されているとともに、垂直支持部11に対して直交して配置されている。水平支持部13は、図2に示すように、金属製で断面が略L字状の山形鋼などである。
図1及び図2に示す固定部14は、垂直支持部11を水平支持部13に固定する部分である。固定部14は、図2に示すように、垂直支持部11の上端部と水平支持部13の中間部とを連結しており、図5及び図6に示す固定部12Bと同一構造である。
図2に示す固定部15は、垂直支持部11を床面1aに固定する部分である。固定部15は、垂直支持部11の下端部と床面1aとを連結しており、取付部材15a,15bと、連結部材15cと、取付部材15dと、保持部材15eと、固定部材15f,15gなどを備えている。取付部材15a,15bは、固定部12Bの取付部材12d,12eと同一構造であり、連結部材15cは固定部12Bの連結部材12fと同一構造である。取付部材15dは、取付部材15a,15bを床面1aに取り付ける部材であり、図1及び図2に示すように水平支持部13と平行に床面1a上に配置されているとともに、図2に示すように垂直支持部11に対して直交して配置されている。取付部材15dは、図1に示すように、水平支持部13よりも短く形成されており、図2に示す水平支持部13と同様の金属製で断面が略L字状の山形鋼などである。図2に示す保持部材15eは、取付部材15bと取付部材15dとの間の一定の間隔に保持する部材であり、これらの部材の間に挟み込まれるパイプなどである。固定部材15fは、取付部材15bを取付部材15dに固定する部材であり、取付部材15dを貫通し保持部材15eの中空部を通過して取付部材15bの雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部を有する六角穴付きのボルトなどである。固定部材15gは、取付部材15dを床面1aに固定する部材であり、取付部材15dを貫通して床面1aの雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部を有するボルトなどである。
図1に示す固定部16A,16Bは、水平支持部13を模擬客室1に固定する部分である。固定部16Aは、模擬客室1内の握り棒1fに水平支持部13の一端部を着脱自在に固定し、固定部16Bは模擬客室1内の握り棒1gに水平支持部13の他端部を着脱自在に固定する。固定部16A,16Bは、図5及び図6に示す固定部12Bと同一構造である。
図4に示す力検出部17は、測定対象物2に作用する荷重Fの3軸方向の力成分FX,FY,FZを検出する部分である。力検出部17は、Y軸力作用部8A,8Bに作用するY軸方向の力成分FYを検出するとともに、X軸/Z軸力作用部9A,9Bに作用するX軸及びZ軸方向の力成分FX,FZを検出する。図1及び図2に示すように、被験者Tが測定対象物2につかまった状態で模擬客室1に振動を加えたときに、図3に示すように測定対象物2に作用する荷重FのX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の分力である力成分FX,FY,FZを検出する。力検出部17は、図3及び図4に示すように、X軸力検出部18A,18Bと、Y軸力検出部19A,19Bと、Z軸力検出部20A,20Bなどを備えている。
図3及び図4に示すX軸力検出部18A,18Bは、X軸方向の力成分FX1,FX2を検出する部分である。図3に示すように、X軸力検出部18AはX軸/Z軸力作用部9Aに配置されており、X軸力検出部18BはX軸/Z軸力作用部9Bに配置されている。X軸力検出部18A,18Bは、いずれも同一構造であり、以下ではX軸力検出部18Bを中心に説明する。X軸力検出部18Bは、図5及び図11に示すように、歪みゲージ18a,18bなどを備えている。歪みゲージ18a,18bは、X軸/Z軸力作用部9Bの歪み予定部9aの歪みを検出する部分であり、歪み予定部9aの歪みに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式の歪みゲージである。歪みゲージ18a,18bは、歪み予定部9aに発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値に応じた電気信号(X軸力検出情報)を制御部27に出力する。歪みゲージ18a,18b、図11に示すように歪み予定部9aの中心に左右対称にX軸方向と一致させて配置されており、図5に示すように歪み予定部9aの中心軸と平行にこの歪み予定部9aの表面に接着剤などによって貼り付けられている。
図3及び図4に示すY軸力検出部19A,19Bは、Y軸方向の力成分FY1,FY2を検出する部分である。Y軸力検出部19Aは、図2に示すY軸力作用部8Aに配置されており、Y軸力検出部19BはY軸力作用部8Bに配置されている。Y軸力検出部19A,19Bは、いずれも同一構造であり、以下ではY軸力検出部19Bを中心に説明する。Y軸力検出部19Bは、図5に示すように、ロードセル19aなどを備えている。ロードセル19aは、Y軸力作用部8Bに作用する荷重を検出する部分であり、この荷重の大きさに応じて電気抵抗が変化する。ロードセル19aは、このロードセル19aの一部を構成しY軸方向の力成分FY1,FY2が加わるロードボタン19bを備えており、このロードボタン19bに結合された歪み予定部に発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値に応じた電気信号(Y軸力検出情報)を制御部27に出力する。ロードセル19aは、測定対象物2に作用する押付力及び引張力を検出可能なように、所定の圧縮力を常時作用させて使用する圧縮型ロードセルであり、図5に示すように付勢力発生部材8bが発生する付勢力が与荷重となって押圧部材8aを通じてロードボタン19bに作用している。ロードセル19aは、例えば、圧縮型ロードセルの容量の50%程度の荷重がロードボタン19bに常時作用しており、この圧縮型ロードセルの容量の±50%程度の荷重を測定可能である。
図3及び図4に示すZ軸力検出部20A,20Bは、Z軸方向の力成分FZ1,FZ2を検出する部分である。図3に示すように、Z軸力検出部20AはX軸/Z軸力作用部9Aに配置されており、Z軸力検出部20BはX軸/Z軸力作用部9Bに配置されている。Z軸力検出部20A,20Bは、いずれも同一構造であり、以下ではZ軸力検出部20Bを中心に説明する。Z軸力検出部20Bは、図6及び図11に示すように、歪みゲージ20a,20bなどを備えている。歪みゲージ20a,20bは、X軸/Z軸力作用部9Bの歪み予定部9aの歪みを検出する部分であり、歪みゲージ18a,18bと同一構造の電気抵抗式の歪みゲージである。歪みゲージ20a,20bは、歪み予定部9aに発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値に応じた電気信号(Z軸力検出情報)を制御部27に出力する。歪みゲージ20a,20b、図11に示すように歪み予定部9aの中心に上下対称にZ軸方向と一致させて、歪みゲージ18a,18bとは中心軸に対して90°ずらして配置されており、図6に示すように歪み予定部9aの中心軸と平行にこの歪み予定部9aの表面に接着剤などによって貼り付けられている。
図4に示すモーメント検出部21は、力検出部17による3軸方向の力成分FX,FY,FZの検出と同時に、測定対象物2のZ軸回りのモーメント成分MZを検出する部分である。モーメント検出部21は、図1及び図2に示すように、被験者Tが測定対象物2につかまった状態で模擬客室1に振動を加えたときに、図3に示すように測定対象物2に作用するモーメントM(Z軸回りのモーメント成分MZ)を検出する。モーメント検出部21は、図4に示すように、Z軸モーメント荷重検出部22などを備えている。
Z軸モーメント荷重検出部22は、Z軸モーメント作用部10に作用するZ軸回りのモーメント成分MZを発生させるモーメント荷重FMZを検出する部分である。Z軸モーメント荷重検出部22は、図3に示すように、Z軸モーメント作用部10に配置されている。Z軸モーメント荷重検出部22は、図6及び図10に示すように、ロードセル22aなどを備えている。ロードセル22aは、Z軸モーメント作用部10に作用するモーメント荷重FMZを検出する部分であり、このモーメント荷重FMZの大きさに応じて電気抵抗が変化する。ロードセル22aは、このロードセル22bの一部を構成しモーメント荷重FMZが加わるロードボタン22bを備えており、このロードボタン22bに結合された歪み予定部に発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値に応じた電気信号(Z軸モーメント荷重検出情報)を制御部27に出力する。ロードセル22aは、図5に示すロードセル19aと同様の圧縮型ロードセルであり、図10に示すように付勢力発生部材10cが発生する付勢力が与荷重となって押圧部材10aを通じてロードボタン22bに作用しており、Z軸を回転中心とする左右方向のモーメント荷重FMZを検出可能である。
図4に示す荷重演算部23は、力検出部17の検出結果に基づいて測定対象物2に作用する荷重Fを演算する部分である。荷重演算部23は、X軸力演算部23aと、Y軸力演算部23bと、Z軸力演算部23cなどを備えている。X軸力演算部23aは、X軸力検出部18A,18Bが出力するX軸力検出情報に基づいて、X軸方向の力成分FX1,FX2の大きさ及び方向(検出値)を演算する部分である。Y軸力演算部23bは、Y軸力検出部19A,19Bが出力するY軸力検出情報に基づいて、Y軸方向の力成分FY1,FY2の大きさ及び方向(検出値)を演算する部分である。Z軸力演算部23cは、Z軸力検出部20A,20Bが出力するZ軸力検出情報に基づいて、Z軸方向の力成分FZ1,FZ2の大きさ及び方向(荷重値)を演算する部分である。荷重演算部23は、これらの検出値に基づいて、図3に示す荷重作用点POに作用する任意の方向及び大きさの荷重Fを演算し、これらの演算結果を荷重情報として制御部27に出力する。荷重演算部23は、上側のX軸力検出部18A、Y軸力検出部19A及びZ軸力検出部20Aが検出する力成分FX1,FY1,FZ1の検出値と、下側のX軸力検出部18B、Y軸力検出部19B及びZ軸力検出部20Bが検出する力成分FX2,FY2,FZ2の検出値とをそれぞれ演算したり、荷重作用点P0における力成分FX,FY,FZの検出値を演算したりする。
モーメント演算部24は、モーメント検出部21の検出結果に基づいて測定対象物2に作用するモーメントMを演算する部分である。モーメント演算部24は、Z軸モーメント演算部24aを備えており、このZ軸モーメント演算部24aはZ軸モーメント荷重検出部22が出力するZ軸モーメント荷重検出情報に基づいて、Z軸回りのモーメント成分MZの大きさ及び方向(検出値)を演算する部分である。Z軸モーメント演算部24aは、例えば、図3に示すように、Z軸モーメント荷重検出部22の検出点PMZと、荷重作用点P0を通過する測定対象物2の中心線との間の距離(垂直距離)LZであり、Z軸モーメント荷重検出部22が検出点PMZで検出したモーメント荷重FMZであるときには、Z軸回りのモーメント成分MZ=FMZ×LZとして演算する。モーメント演算部24は、この演算結果をモーメント情報として制御部27に出力する。
図4に示す荷重情報記憶部25は、荷重演算部23の演算結果を記憶する部分である。荷重情報記憶部25は、荷重演算部23が演算するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX1,FX2,FY1,FY2,FZ1,FZ2の検出値、並びに測定対象物2の荷重作用点P0に作用する荷重Fの検出値を記憶するメモリなどである。
図3及び図4に示すモーメント情報記憶部26は、モーメント演算部24の演算結果を記憶する部分である。モーメント情報記憶部26は、モーメント演算部24が演算するZ軸回りのモーメント成分MZの検出値(測定対象物2に作用するモーメントMの検出値)を記憶するメモリなどである。
制御部27は、分力測定装置3の種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部27は、例えば、力検出部17が出力するX軸力検出情報、Y軸力検出情報及びZ軸力検出情報を荷重演算部23に出力したり、モーメント検出部21が出力するモーメント荷重検出情報をモーメント演算部24に出力したり、荷重演算部23に荷重Fの大きさ及び方向の演算を指令したり、モーメント演算部24にモーメントMの大きさ及び方向の演算を指令したり、荷重演算部23が出力する荷重情報を荷重情報記憶部25に出力したり、モーメント演算部24が出力するモーメント情報をモーメント情報記憶部26に出力したり、荷重情報記憶部25に荷重情報の記憶を指令したり、モーメント情報記憶部26にモーメント情報の記憶を指令したりする。制御部27には、図4に示すように、力検出部17と、モーメント検出部21と、荷重演算部23と、モーメント演算部24と、荷重情報記憶部25と、モーメント情報記憶部26などが図示しないバスなどを通じて相互に通信可能なように接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置の動作を説明する。
(X軸方向の力成分の測定動作)
図12は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置における荷重の測定動作を説明するための模式図であり、図12(A)はX軸方向の力成分のみが作用した状態を示す模式図であり、図12(B)はY軸方向の力成分のみが作用した状態を示す模式図であり、図12(C)はZ軸方向の力成分のみが作用した状態を示す模式図である。
図1及び図2に示すように、測定対象物2を荷重作用点P0で被験者Tがつかんだ状態で模擬客室1を加振すると、被験者Tの手T1によって測定対象物2が引っ張り又は押し付けられて、測定対象物2に荷重作用点P0で任意の方向に荷重Fが作用する。図12(A)に示すように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとが回転連結部7A,7Bによって水平面内で回転自在に連結されているため、測定対象物2に作用する荷重FのうちX軸方向の分力である力成分FX(=FX1+FX2)が水平支持部4A,4Bにそれぞれ力成分FX1,FX2として作用する。図12(A)に示すように、測定対象物2にX軸方向の力成分FXのみが作用したと仮定すると、水平支持部4A,4Bが力成分FX1,FX2をそれぞれ受けて固定部12A,12B側を固定端とし回転連結部6A,6B側を自由端として左右方向に撓む。水平支持部4A,4Bが撓むとX軸/Z軸力作用部9A,9Bも撓み、図4に示すX軸力検出部18A,18BがこのX軸/Z軸力作用部9A,9Bの歪みを検出してX軸力検出情報を制御部27に出力する。その結果、このX軸力検出情報に基づいてX軸方向の力成分FXの大きさ及び方向を荷重演算部23が演算し、この演算結果を荷重情報記憶部25が記憶する。
(Y軸方向の力成分の測定動作)
図12(B)に示すように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとが回転連結部6A,6Bによって垂直面内で回転自在にピン結合されているため、測定対象物2に作用する荷重FのうちY軸方向の分力である力成分FY(=FY1+FY2)が図2に示すY軸力作用部8A,8Bにそれぞれ力成分FY1,FY2として作用する。図12(B)に示すように、測定対象物2にY軸方向の力成分FYのみが作用したと仮定すると、図2に示すY軸力作用部8A,8Bがガイド部5A,5BによってガイドされながらY軸方向に微小移動する。Y軸力作用部8A,8Bが微小移動すると、図5に示す押圧部材8aの端面とロードボタン19bの先端部との間に発生する荷重が変動し、図12(B)に示すY軸力検出部19A,19Bがこの荷重の変動を検出する。その結果、Y軸力検出部19A,19BがY軸力検出情報を制御部27に出力し、このY軸力検出情報に基づいてY軸方向の力成分FYの大きさ及び方向を荷重演算部23が演算し、この演算結果を荷重情報記憶部25が記憶する。
(Z軸方向の力成分の測定動作)
図12(C)に示すように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとが回転連結部6A,6Bによって垂直面内で回転自在にピン結合されているため、測定対象物2に作用する荷重FのうちZ軸方向の分力である力成分FZ(=FZ1+FZ2)が水平支持部4A,4Bにそれぞれ力成分FZ1,FZ2として作用する。図12(C)に示すように、測定対象物2にZ軸方向の力成分FZのみが作用したと仮定すると、水平支持部4A,4Bが力成分FZ1,FZ2を受けて固定部12A,12B側を固定端とし回転連結部6A,6B側を自由端として上下方向に撓む。水平支持部4A,4Bが撓むとX軸/Z軸力作用部9A,9Bも撓み、図4に示すZ軸力検出部20A,20BがこのX軸/Z軸力作用部9A,9Bの歪みを検出してZ軸力検出情報を制御部27に出力する。その結果、このZ軸力検出情報に基づいてZ軸方向の力成分FZの大きさ及び方向を荷重演算部23が演算し、この演算結果を荷重情報記憶部25が記憶する。
(測定対象物に作用する荷重の測定動作)
荷重情報記憶部25から制御部27が荷重情報を読み出して荷重演算部23に測定対象物2に作用する荷重Fの大きさ及び方向の演算を指令する。その結果、図12に示す荷重作用点P0におけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZを荷重演算部23が合成して、図12に示す測定対象物2の荷重作用点POに作用する荷重Fの大きさ及び方向をこの荷重演算部23が演算し、演算後の荷重情報をこの荷重演算部23が制御部27に出力する。その結果、荷重情報記憶部25に制御部27が荷重情報を出力し、この荷重情報が荷重情報記憶部25に記憶される。
図13は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置によるZ軸方向及びX軸方向の力成分の測定原理を説明するための模式図であり、図13(A)は回転支持状態の測定対象物にZ軸方向の力成分が作用したときの側面図であり、図13(B)は固定支持状態の測定対象物にZ軸方向の力成分が作用したときの側面図であり、図13(C)は測定対象物にX軸方向の力成分が作用したときの平面図である。
図13(A)に示すように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとが回転連結部6A,6Bによってピン結合されている場合には、測定対象物2にZ軸方向の力成分FZが作用すると、水平支持部4A,4Bの長さLであるときには、水平支持部4A,4Bの固定端には曲げモーメントM1=FZ×Lのモーメントが発生する。また、図13(C)に示すように、測定対象物2にX軸方向の力成分FXが作用すると、水平支持部4A,4Bの固定端には曲げモーメントM2=Fx×Lのモーメントが発生する。このため、図13(A)に示すZ軸方向の力成分FZと図13(C)に示すX軸方向の力成分FXとが同一の大きさであるときには、水平支持部4A,4Bの固定端には同一の大きさの曲げモーメントM1,M2が発生する。一方、図13(B)に示すように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとが回転連結部6A,6Bによってピン結合されておらず剛結合されている場合には、測定対象物2にZ軸方向の力成分FZが作用すると、水平支持部4A,4Bの固定端には曲げモーメントM1=FZ×L/2のモーメントが発生する。このように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとがピン結合されている場合と剛結合されている場合とでは、水平支持部4A,4Bの変形の仕方が異なる。このため、Z軸方向に力成分FZが作用する場合とX軸方向に力成分FXが作用する場合とで検出感度を同一にしようとすると、ピン結合の場合と剛結合の場合とでは同じ力成分FZが作用しても曲げモーメントM1が2倍異なり、検出感度も2倍異なることになる。この第1実施形態では、模擬客室1を加振すると被験者Tから測定対象物2に作用するZ軸方向及びX軸方向の力成分FZ,FXが略同一になる場合が多いため、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとをピン結合することによって、Z軸方向とX軸方向の検出感度を同一にし、Z軸/X軸力作用部9A,9Bに発生する歪みも同一にすることができる。
(Z軸回りのモーメント成分の測定動作)
図14は、この発明の第1実施形態に係る分力測定装置におけるモーメントの測定動作を説明するための模式図である。
図1及び図2に示すように、測定対象物2を荷重作用点P0で被験者Tがつかんだ状態で模擬客室1を加振すると、被験者Tの手T1によって測定対象物2が中心軸回りにねじられて、測定対象物2に任意の平面内でモーメントMが作用する。ここで、回転連結部7A,7Bによって測定対象物2がZ軸回りにのみ回転が許容されているため、測定対象物2に作用するモーメントMとZ軸回りのモーメント成分MZとが等しくなる。図14に示すように、測定対象物2と水平支持部4A,4Bとが回転連結部7A,7Bによって水平面内で回転自在に連結されているため、測定対象物2がZ軸回りに微小回転すると、図6及び図10に示すZ軸モーメント作用部10の押圧部材10aがこの測定対象物2と一体となってZ軸回りに微小回転する。その結果、押圧部材10aがX軸方向に微小移動し、押圧部材10aの端面とロードボタン22bの先端部との間に発生するモーメント荷重FMZが変動し、図14に示すモーメント検出部21がモーメント荷重FMZの変動を検出する。図14に示すように、測定対象物2の中心軸とロードボタン22bの中心との間の垂直距離LZが一定値である。このため、モーメント荷重FMZと垂直距離LZとをモーメント演算部24が乗算して、Z軸回りのモーメント成分MZの大きさ及び方向をモーメント演算部24が演算し、演算後のモーメント情報をこのモーメント演算部24が制御部27に出力する。その結果、モーメント情報記憶部26に制御部27がモーメント情報を出力し、このモーメント情報がモーメント情報記憶部26に記憶される。
この発明の第1実施形態に係る分力測定装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、測定対象物2に作用する荷重Fの3軸方向の力成分FX,FY,FZを力検出部17が検出し、この力検出部17による3軸方向の力成分FX,FY,FZの検出と同時に、この測定対象物2の1軸回りのモーメント成分MZをモーメント検出部21が検出する。このため、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZを同時に測定することができるとともに、Z軸回りのモーメント成分MZを力成分FX,FY,FZと同時に測定することができる。また、従来の6分力計に比べて2軸回りのモーメント成分MX,MYを検出する必要がなくなるため、分力測定装置3の構造が小型で簡単になり分力測定装置3を安価に製造することができる。
(2) この第1実施形態では、Y軸力作用部8A,8B及びX軸/Z軸力作用部9A,9Bに3軸方向の力成分FX,FY,FZが作用し、このY軸力作用部8A,8B及びX軸/Z軸力作用部9A,9Bに作用する3軸方向の力成分FX,FY,FZを力検出部17が検出する。このため、力成分FX,FY,FZを間接的にY軸力作用部8A,8B及びX軸/Z軸力作用部9A,9Bに作用させて、力検出部17によってこの力成分FX,FY,FZを検出することができる。その結果、測定対象物2に力検出部17を直接取り付けたり、力検出部17を取り付けるために測定対象物2の構造を変更したりする必要がなくなって、分力測定装置3によって簡単に分力を測定することができる。
(3) この第1実施形態では、2軸方向の力成分FX,FZに対するX軸/Z軸力作用部9A,9Bの検出感度及び許容荷重が同じである。このため、例えば、同一の大きさの力成分FX,FZがX軸/Z軸力作用部9A,9Bに作用したときに、このX軸/Z軸力作用部9A,9Bに発生する歪が同じになり、測定対象物2に作用する荷重Fを荷重演算部23によって簡単に演算処理しこの荷重Fの大きさを精度よく測定することができる。
(4) この第1実施形態では、力成分FX,FZの作用方向毎のX軸/Z軸力作用部9A,9Bの断面係数が同じである。このため、図5、図6及び図11に示すように、X軸/Z軸力作用部9A,9Bの歪み予定部9aの断面形状が簡単な円形になり、X軸/Z軸力作用部9A,9Bを簡単に加工して製造することができ、分力測定装置3を簡単な構造にすることができる。
(5) この第1実施形態では、Z軸回りのモーメント成分MZがZ軸モーメント作用部10に作用し、このZ軸モーメント作用部10に作用するこのZ軸回りのモーメント成分MZを発生させるモーメント荷重FMZをモーメント検出部21が検出する。このため、Z軸回りのモーメント成分MZを間接的にZ軸モーメント作用部10に作用させて、モーメント検出部21によってこのZ軸回りのモーメント成分MZを検出することができる。その結果、測定対象物2にモーメント検出部21を直接取り付けたり、モーメント検出部21を取り付けるために測定対象物2の構造を変更したりする必要がなくなって、分力測定装置3によって簡単にモーメントMを測定することができる。
(6) この第1実施形態では、2軸方向の力成分FX,FZを歪みゲージ18a,18b,20a,20bが検出し、残りの1軸方向の力成分FYをロードセル19aが検出する。例えば、3軸方向の力成分FX,FY,FZを合計6個のロードセル19aによって検出するような構造にすると、3軸方向のロードセル19aに摩擦力が作用しないようにリニアガイドや軸受などを多数配置する必要があり、分力測定装置3の構造が複雑になって高価になってしまう。この第1実施形態では、2軸方向の力成分FX,FZが作用するX軸/Z軸力作用部9A,9Bに発生する歪みを安価で簡単な構造の歪みゲージ18a,18b,20a,20bによって検出し、Y軸力作用部8A,8Bに作用する1軸方向の力成分FYを合計2個のロードセル19aによって検出することができる。その結果、高価なロードセル19aを6個も使用して3軸方向の力成分FX,FY,FZを全て検出する必要がなくなり、分力測定装置3を安価に製造することができる。
(7) この第1実施形態では、Z軸回りのモーメント成分MZを発生させるモーメント荷重FMZをロードセル22aが検出する。このため、Z軸モーメント作用部10に作用するモーメント荷重FMZを1個のロードセル22aによって簡単に検出することができる。
(8) この第1実施形態では、測定対象物2の中心軸と直交するX軸方向の力成分FXをX軸力検出部18A,18Bが検出し、この測定対象物2の中心軸及びX軸方向と直交するY軸方向の力成分FYをY軸力検出部19A,19Bが検出し、この測定対象物2の中心軸であるZ軸方向の力成分FZをZ軸力検出部20A,20Bが検出する。このため、X軸力検出部18A,18B、Y軸力検出部19A,19B及びZ軸力検出部20A,20Bによって3軸方向の力成分FX,FY,FZを検出するとともに、これらの力成分FX,FY,FZを合成することによって、測定対象物2に作用する未知の荷重Fを簡単に測定することができる。
(9) この第1実施形態では、測定対象物2の中心軸であるZ軸回りのモーメント成分MZを発生させるモーメント荷重FMZをZ軸モーメント荷重検出部22が検出する。このため、Z軸モーメント荷重検出部22によってモーメント荷重FMZを検出することによって測定対象物2に作用する未知のZ軸モーメント成分MZを簡単に測定することができる。
(10) この第1実施形態では、水平支持部4Aが測定対象物2の一端側を回転自在に片持ち支持し、この水平支持部4Aと同じ長さの水平支持部4Bがこの測定対象物2の他端側を回転自在に片持ち支持する。このため、測定対象物2に作用するZ軸方向の力成分FZと、測定対象物2に作用するX軸方向の力成分FXの大きさが同一であるときに、X軸/Z軸力作用部9A,9Bに同じ大きさの歪みを発生させることができる。その結果、X軸方向の歪みデータとZ軸方向の歪みデータとを同様の演算処理によって力成分FX,FZを簡単に測定することができる。
(第2実施形態)
図15は、この発明の第2実施形態に係る分力測定装置の力作用部の外観図であり、図15(A)は側面図であり、図15(B)は平面図であり、図15(C)は図15(A)のXV-XV線で切断した状態を示す断面図である。以下では、図1〜図14に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。また、以下では、図2に示すX軸/Z軸力作用部9B側について説明し、X軸/Z軸力作用部9A側については詳細な説明を省略する。
図15に示すX軸/Z軸力作用部9Bは、X軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FZに対する検出感度及び許容荷重が異なり、力成分FX,FZの作用方向毎に断面係数が異なる。X軸/Z軸力作用部9Bは、図15(C)に示すように、歪み予定部9aの断面形状が長方形である。X軸/Z軸力作用部9Bは、歪み予定部9aに力成分FZ2が作用してX軸を中立軸として曲げモーメントが作用する場合と、歪み予定部9aに力成分FX2が作用してZ軸を中立軸として曲げモーメントが作用する場合とで検出感度及び許容荷重が異なる。X軸/Z軸力作用部9Bは、歪み予定部9aの高さhが幅bよりも長くなるように形成されており、力成分FZ2が作用するときには歪み予定部9aの断面係数ZZ=bh2/6であり、力成分FX2が作用するときには歪み予定部9aの断面係数ZX=hb2/6(ZX<ZZ)である。力X軸/Z軸力作用部9Bは、着脱自在に交換可能であり、力成分FX2,FZ2に対する検出感度及び許容荷重を変更可能なように複数存在する。X軸/Z軸力作用部9Bは、例えば、図10及び図15に示すように歪み予定部9aの断面形状の異なるものや寸法の異なるもののように、力成分FX2,FZ2の作用方向に対して検出感度及び許容荷重が異なるものが着脱自在に交換可能なように複数存在する。
この発明の第2実施形態に係る分力測定装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、2軸方向の力成分FX,FZに対するX軸/Z軸力作用部9A,9Bの検出感度及び/又は許容荷重が異なる。例えば、図1及び図2に示すように、被験者Tが測定対象物2をつかんだ状態で加振されると、X軸方向に比べてZ軸方向には測定対象物2の自重と被験者Tの体重の一部とが作用するため、図3に示すZ軸方向の力成分FZがX軸方向の力成分FXよりも通常大きくなる。このため、X軸/Z軸力作用部9A,9BのZ軸方向には強度を高くし、X軸/Z軸力作用部9A,9BのX軸方向には検出感度を上げる必要がある。この第2実施形態では、例えば、図15(C)に示すように、X軸/Z軸力作用部9A,9Bの断面形状をZ軸方向に長くX軸方向に短くすることによって、X軸/Z軸力作用部9A,9BのZ軸方向の力成分FZ1,FZ2に対する許容荷重を大きくし、X軸/Z軸力作用部9A,9BのX軸方向の力成分FX1,FX2に対する検出感度を上げることができる。
(2) この第2実施形態では、力成分FX,FZの作用方向毎にX軸/Z軸力作用部9A,9Bの断面係数が異なる。このため、図15に示すように、X軸/Z軸力作用部9Bの歪み予定部9aの断面形状をX軸方向とZ軸方向とで変えることによって、X軸方向とZ軸方向の検出感度や許容荷重を簡単に変えることができる。その結果、許容荷重が高く高価であっても検出感度が低い分力計を使用する必要がなくなって、分力測定装置3を低コストで製造することができる。
(3) この第2実施形態では、力成分FX,FZの作用方向に対して検出感度及び許容荷重が異なるX軸/Z軸力作用部9A,9Bを着脱自在に交換可能なようにこのX軸/Z軸力作用部9A,9Bが複数存在する。このため、強度を下げても検出感度を上げたい場合や、検出感度を下げても強度を上げたい場合などに、適当なX軸/Z軸力作用部9A,9Bを選択して力成分FX,FZを検出することができる。
(第3実施形態)
図16は、この発明の第3実施形態に係る分力測定装置の構成図である。図17は、この発明の第3実施形態に係る分力測定装置におけるX軸及びY軸回りのモーメント成分の演算動作を説明するための模式図であり、(A)はX軸回りのモーメント成分の演算動作を説明するための模式図であり、(B)はY軸回りのモーメント成分の演算動作を説明するための模式図である。
図16に示す分力測定装置3は、測定対象物2に作用する荷重FのX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZと、測定対象物2に作用するモーメントMのX軸、Y軸及びZ軸回りのモーメント成分MX,MY,MZとを測定する6分力計である。分力測定装置3は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の力成分FX,FY,FZと、Z軸回りのモーメント成分MZとを同時に測定可能であるとともに、X軸及びY軸回りのモーメント成分MX,MYとを演算可能である。
モーメント演算部24は、力検出部17の検出結果に基づいて、Z軸回りのモーメント成分MZ以外の残りのX軸回りのモーメント成分MX及び/又はY軸回りのモーメント成分MYを演算する。モーメント演算部24は、Z軸モーメント演算部24aと、X軸モーメント演算部24bと、Y軸モーメント演算部24cなどを備えている。X軸モーメント演算部24bは、Y軸力検出部19A,19Bが出力するY軸力検出情報に基づいて、X軸回りのモーメント成分MXの大きさ及び方向(検出値)を演算する部分である。X軸モーメント演算部24bは、図17(A)に示すように、Y軸力検出部19A,19Bが検出する検出点PY1,PY2におけるY軸方向の力成分FY1,FY2の検出値に基づいて、X軸回りのモーメント成分MXを演算する。X軸モーメント演算部24bは、検出点PY1,PY2におけるY軸方向の力成分FY1,FY2の検出値と、荷重作用点P0からY軸方向の力成分FY1,FY2の作用線までの垂直距離L11,L12とに基づいて、X軸回りのモーメント成分MX=FY1×L11−FY2×L12を演算する。図16に示すY軸モーメント演算部24cは、X軸力検出部18A,18Bが出力するX軸力検出情報に基づいて、Y軸回りのモーメント成分MYの大きさ及び方向(検出値)を演算する部分である。Y軸モーメント演算部24cは、図17(B)に示すように、X軸力検出部18A,18Bが検出する検出点PX1,PX2におけるX軸方向の力成分FX1,FX2の検出値に基づいて、Y軸回りのモーメント成分MYを演算する。Y軸モーメント演算部24cは、検出点PX1,PX2におけるX軸方向の力成分FX1,FX2の検出値と、荷重作用点P0からX軸方向の力成分FX1,FX2の作用線までの垂直距離L21,L22とに基づいて、Y軸回りのモーメント成分MY=FX1×L21−FX2×L22を演算する。モーメント演算部24は、X軸、Y軸及びZ軸回りのモーメント成分MX,MY,MZを合成して、測定対象物2の荷重作用点POに作用する任意の方向及び大きさのモーメントMを演算するとともに、これらの演算結果をモーメント情報として制御部27に出力する。モーメント情報記憶部26は、モーメント演算部24が演算するX軸、Y軸及びZ軸回りのモーメント成分MX,MY,MZの検出値、並びに測定対象物2の荷重作用点P0に作用するモーメントMの検出値を記憶する。
この発明の第3実施形態に係る分力測定装置には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、力検出部17の検出結果に基づいて、Z軸回りのモーメント成分MZ以外の残りのX軸及びY軸回りのモーメント成分MX,MYをモーメント演算部24が演算する。このため、X軸及びY軸回りのモーメント成分MX,MYをそれぞれ検出するための検出部が不要になり、X軸及びY軸回りのモーメント成分MX,MYを簡単に演算することができる。
(2) この第3実施形態では、X軸方向及びY軸方向の力成分FX,FYを軸方向毎に複数の検出点PX1,PX2,PY1,PY2で力検出部17が検出し、この力検出部17が検出する複数の検出点PX1,PX2,PY1,PY2における検出値に基づいて、X軸及びY軸回りのモーメント成分MX,MYをモーメント演算部24が演算する。このため、上側に配置されたX軸力検出部18A及びY軸力検出部19Aの検出値と、下側に配置されたX軸力検出部18B及びY軸力検出部19Bの検出値との差によって、残りの2軸方向のモーメント成分MX,MYを簡単に測定することができる。
(3) この第3実施形態では、複数の検出点PX1,PX2,PY1,PY2における検出値と、荷重Fの荷重作用点P0から力成分FX,FYの作用線までの垂直距離L11,L12,L21,L22とに基づいて、X軸及びY軸回りのモーメント成分MX,MYをモーメント演算部24が演算する。このため、荷重作用点P0が分かる場合には、垂直距離L11,L12,L21,L22が一定値になり、複数の検出点PX1,PX2,PY1,PY2における力成分FX,FYの大きさ及び方向を検出することによって、2軸方向のモーメント成分MX,MYを簡単に演算することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、測定対象物2が手すりである場合を例に挙げて説明したが、腰掛、握り棒(つかみ棒)又は袖仕切り(袖仕切り棒)などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、測定対象物2を垂直支持する場合を例に挙げて説明したが、測定対象物2を水平支持又は傾斜支持する場合についてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、X軸/Z軸力作用部9A,9Bの歪み予定部9aの断面が円形又は長方形である場合を例に挙げて説明したが、正方形又は楕円形などの他の形状にすることもできる。また、この実施形態では、X軸力検出部18A,18B及びZ軸モーメント荷重検出部22をロードセル19a,22aによって構成する場合を例に挙げて説明したが、これらを歪みゲージによって構成することもできる。さらに、この実施形態では、X軸力検出部18A,18B及びZ軸力検出部20A,20Bを電気抵抗式の歪みゲージ18a,18b,20a,20bによって構成する場合を例に挙げて説明したが、光ファイバ式の歪みゲージによって構成することもできる。
(3) この第1実施形態では、3軸方向の力成分FX,FY,FZのうち2軸方向の力成分FX,FZに対するX軸/Z軸力作用部9A,9Bの検出感度及び許容荷重が同じ場合を例に挙げて説明したが、3軸方向の力成分FX,FY,FZに対するY軸力作用部8A,8B及びX軸/Z軸力作用部9A,9Bの検出感度及び許容荷重を同じにすることもできる。また、この第1実施形態では、X軸/Z軸力作用部9A,9Bの検出感度及び許容荷重が同じ場合を例に挙げて説明したが、検出感度又は許容荷重のいずれか一方のみを同じにすることもできる。
(4) この第1実施形態及び第2実施形態では、3軸回りのモーメント成分MX,MY,MZのうちZ軸回りのモーメント成分MZを検出する場合を例に挙げて説明したが、Z軸回りのモーメント成分MZに代えてX軸回りのモーメント成分MX又はY軸回りのモーメント成分MYを検出することもできる。この第3実施形態では、1軸回りのモーメント成分MZ以外の2軸回りのモーメント成分MX,MYを演算しているが、1軸回りのモーメント成分MX又はモーメント成分MYを演算することもできる。
1 模擬客室
2 測定対象物
3 分力測定装置
4A,4B 水平支持部
5A,5B ガイド部
6A,6B,7A,7B 回転連結部
8A,8B Y軸力作用部(力作用部)
9A,9B X軸/Z軸力作用部(力作用部)
10 Z軸モーメント作用部(モーメント作用部)
11 垂直支持部
12A,12B 固定部
13 水平支持部
14,15,16A,16B 固定部
17 力検出部
18A,18B X軸力検出部
18a,18b 歪みゲージ
19A,19B Y軸力検出部
19a ロードセル
20A,20B Z軸力検出部
20a,20b 歪みゲージ
21 モーメント検出部
22 Z軸モーメント荷重検出部
22a ロードセル
23 荷重演算部
23a X軸力演算部
23b Y軸力演算部
23c Z軸力演算部
24 モーメント演算部
24a Z軸モーメント演算部
24b X軸モーメント演算部
24c Y軸モーメント演算部
25 荷重情報記憶部
26 モーメント情報記憶部
27 制御部
T 被験者
1
F 荷重
X,FX1,FX2 力成分(X軸方向の力成分)
Y,FY1,FY2 力成分(Y軸方向の力成分)
Z,FZ1,FZ2 力成分(Z軸方向の力成分)
X モーメント成分(X軸回りのモーメント成分)
Y モーメント成分(Y軸回りのモーメント成分)
Z モーメント成分(Z軸回りのモーメント成分)
MZ モーメント荷重
0 荷重作用点
X1,PX2,PY1,PY2,PZ1,PZ2,PM2 検出点
L 長さ
Z,L11,L12,L21,L22 垂直距離

Claims (16)

  1. 測定対象物に作用する複数の分力を測定する分力測定装置であって、
    前記測定対象物に作用する荷重の3軸方向の力成分を検出する力検出部と、
    前記力検出部による前記3軸方向の力成分の検出と同時に、前記測定対象物の1軸回りのモーメント成分を検出するモーメント検出部と、
    を備える分力測定装置。
  2. 請求項1に記載の分力測定装置において、
    前記力検出部の検出結果に基づいて、前記1軸回りのモーメント成分以外の残りの1軸又は2軸回りのモーメント成分を演算するモーメント演算部を備えること、
    を特徴とする分力測定装置。
  3. 請求項2に記載の分力測定装置において、
    前記力検出部は、1軸方向又は2軸方向の力成分を軸方向毎に複数の検出点で検出し、
    前記モーメント演算部は、前記力検出部が検出する前記複数の検出点における検出値に基づいて、前記残りの1軸又は2軸回りのモーメント成分を演算すること、
    を特徴とする分力測定装置。
  4. 請求項3に記載の分力測定装置において、
    前記モーメント演算部は、前記複数の検出点における検出値と、前記荷重の荷重作用点から前記力成分の作用線までの垂直距離とに基づいて、前記残りの1軸又は2軸回りのモーメント成分を演算すること、
    を特徴とする分力測定装置。
  5. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記3軸方向の力成分が作用する力作用部を備え、
    前記力検出部は、前記力作用部に作用する前記3軸方向の力成分を検出すること、
    を特徴とする分力測定装置。
  6. 請求項5に記載の分力測定装置において、
    前記力作用部は、前記3軸方向の力成分のうち少なくとも2軸方向の力成分に対する検出感度及び/又は許容荷重が同じであること、
    を特徴とする分力測定装置。
  7. 請求項6に記載の分力測定装置において、
    前記力作用部は、前記力成分の作用方向毎の断面係数が同じであること、
    を特徴とする分力測定装置。
  8. 請求項5に記載の分力測定装置において、
    前記力作用部は、前記3軸方向の力成分のうち少なくとも2軸方向の力成分に対する検出感度及び/又は許容荷重が異なること、
    を特徴とする分力測定装置。
  9. 請求項8に記載の分力測定装置において、
    前記力作用部は、前記力成分の作用方向毎に断面係数が異なること、
    を特徴とする分力測定装置。
  10. 請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記力作用部は、前記力成分の作用方向に対して前記検出感度及び/又は前記許容荷重が異なるものが着脱自在に交換可能なように複数存在すること、
    を特徴とする分力測定装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記1軸回りのモーメント成分が作用するモーメント作用部を備え、
    前記モーメント検出部は、前記モーメント作用部に作用する前記1軸回りのモーメント成分を発生させるモーメント荷重を検出すること、
    を特徴とする分力測定装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記力検出部は、
    前記3軸方向の力成分のうち2軸方向の力成分を検出する歪みゲージと、
    前記3軸方向の力成分のうち残りの1軸方向の力成分を検出するロードセルとを備えること、
    を特徴とする分力測定装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記モーメント検出部は、前記1軸回りのモーメント成分を発生させるモーメント荷重を検出するロードセルを備えること、
    を特徴とする分力測定装置。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記力検出部は、
    前記測定対象物の中心軸と直交するX軸方向の力成分を検出するX軸力検出部と、
    前記測定対象物の中心軸及び前記X軸方向と直交するY軸方向の力成分を検出するY軸力検出部と、
    前記測定対象物の中心軸であるZ軸方向の力成分を検出するZ軸力検出部とを備えること、
    を特徴とする分力測定装置。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記モーメント検出部は、前記測定対象物の中心軸であるZ軸回りのモーメント成分を発生させるモーメント荷重を検出するZ軸モーメント荷重検出部を備えること、
    を特徴とする分力測定装置。
  16. 請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の分力測定装置において、
    前記測定対象物の一端側を回転自在に片持ち支持する第1の支持部と、
    前記第1の支持部と同じ長さであり、前記測定対象物の他端側を回転自在に片持ち支持する第2の支持部とを備えること、
    を特徴する分力測定装置。
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