JP2010216450A - 過給機付き内燃機関の制御装置 - Google Patents

過給機付き内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第2過給機のみの過給効果を利用する領域から第1、第2過給機の過給効果を利用する領域への移行後の再加速の際、再加速開始の直後から所期の加速を得ること。
【解決手段】第1過給機と第1過給機より大型の第2過給機が吸排気通路に対して直列に介装される。第1、第2過給機の両方の過給効果を利用する領域(B領域)では、第1過給機のタービンを迂回する通路に介装された排気制御弁の開度を最大と最小の間の中間とし、第1過給機のコンプレッサを迂回する通路に介装された吸気制御弁の開度を最小とする。第2過給機のみの過給効果を利用する領域(C領域)では、排気制御弁及び吸気制御弁の開度を共に最大とする。C領域において、現在運転状態が特殊C領域にあり且つ減速状態が検出されている場合にのみ、排気制御弁の開度を最大に代えて中間に調整する。第1過給機のタービンが十分に回転している状態をもってC領域からB領域に移行し得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の排ガスのエネルギーによって駆動される過給機(ターボチャージャ)付き内燃機関の制御装置に関する。
従来より、過給機付き内燃機関の制御装置として、2つのターボチャージャが排気通路及び吸気通路に対して直列に介装されたものが広く知られている(例えば、特許文献1を参照)。具体的には、この文献に記載の装置では、第1ターボチャージャと、第1ターボチャージャよりも大型の第2ターボチャージャが備えられている。第1ターボチャージャは、排気通路に介装されて排ガスのエネルギーにより駆動される第1タービンと、吸気通路に介装されて第1タービンの駆動により駆動される第1コンプレッサと、を備えている。第2ターボチャージャは、第1タービンよりも下流の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーにより駆動される第1タービンよりも大型の(容量が大きい、外径が大きい)第2タービンと、第1コンプレッサよりも上流の前記吸気通路に介装されて第2タービンの駆動により駆動される第1コンプレッサよりも大型の(容量が大きい、外径が大きい)第2コンプレッサと、を備えている。
上記文献に記載の装置では、第1タービンよりも上流の排気通路と第1、第2タービンの間の排気通路とをバイパスする第1排気バイパス通路と、第1、第2コンプレッサの間の吸気通路と第1コンプレッサよりも下流の前記吸気通路とをバイパスする第1吸気バイパス通路とが備えられている。第1排気バイパス通路には、第1排気バイパス通路の最小開口断面積(第1排気バイパス面積)を調整する第1排気制御弁が介装され、第1吸気バイパス通路には、第1吸気バイパス通路の最小開口断面積(第1吸気バイパス面積)を調整する第1吸気制御弁が介装されている。
特開2007−263033号公報
ところで、上記文献に記載の装置では、通常、図7に示すように、吸入空気流量と過給圧力比との組み合わせに対して、第1ターボチャージャのみの過給効果を利用する領域(第1ターボ利用領域)と、第1、第2ターボチャージャの両方の過給効果を利用する領域(両ターボ利用領域)と、第2ターボチャージャのみの過給効果を利用する領域(第2ターボ利用領域)と、の3つの制御領域が設定される。過給圧力比とは、第2コンプレッサよりも上流の吸気通路の圧力に対する、第1コンプレッサよりも下流の吸気通路の圧力の割合である。吸入空気流量とは、吸気通路を通過する空気の流量(単位時間当たりの空気の量)である。
図7に示す曲線L1、L2はそれぞれ、第1、第2ターボチャージャの所謂サージライン及びチョークラインに基づいて描かれる線であり、曲線L1,L2で囲まれた領域はそれぞれ、第1、第2ターボチャージャの過給効果が発揮され得る領域(第1、第2ターボチャージャの使用可能領域)を示している。第1ターボ利用領域は、曲線L1で囲まれた領域のうち曲線S1に対して吸入空気流量が小さい側に対応し、両ターボ利用領域は、曲線L1で囲まれた領域のうち曲線S1に対して吸入空気流量が大きい側に対応する。第2ターボ利用領域は、曲線L2で囲まれた領域のうち曲線L1に対して吸入空気流量が大きい側に対応する。
第1ターボ利用領域では、第1排気バイパス面積がその最小値(例えば、ゼロ)とされ、且つ第1吸気バイパス面積がその最小値(例えば、ゼロ)とされる。即ち、全ての排ガスが第1タービンを通過するとともに全ての吸気が第1コンプレッサを通過する。これにより、第1タービンを通過する全ての排ガスのエネルギーにより第1タービンが回転駆動されるとともに第1コンプレッサが回転駆動され、第1ターボチャージャの過給効果が発揮される。他方、第2タービンに流入する排ガスの全ては、第1タービンを既に通過している。排ガスが第1タービンを通過する際、その排ガスのエネルギーは第1タービンの駆動のために消費される。従って、第2タービンに流入する排ガスのエネルギーは十分に小さくなっている。このため、第2タービン(従って、第2コンプレッサ)が回転駆動されないか又は十分に回転駆動されず、第2ターボチャージャの過給効果が発揮されない。以上、第1ターボ利用領域では、第1タービンが回転する一方で第2タービンが回転しないか又は十分に回転しない状態が得られ、第1ターボチャージャのみの過給効果が発揮される。
両ターボ利用領域では、第1ターボ利用領域と同様に第1吸気バイパス面積がその最小値(例えば、ゼロ)とされる一方で、第1排気バイパス面積がその最小値と最大値の間の中間値に調整される。即ち、全ての吸気が第1コンプレッサを通過する一方で、一部の排ガスが第1タービンを通過するとともに残りの排ガスが第1タービンを通過することなく(第1排気バイパス通路を通過して)第2タービンに直接流入する。これにより、第1タービンを通過する「一部の排ガス」のエネルギーにより第1タービン(従って、第1コンプレッサ)が回転駆動され、第1ターボチャージャの過給効果が発揮される。他方、「残りの排ガス」は、第1タービンの駆動のためにエネルギーを消費されることなく第2タービンに流入する。従って、第2タービンに流入する排ガスのエネルギーはある程度大きい値となる。このため、第2タービン(従って、第2コンプレッサ)が回転駆動され、第2ターボチャージャの過給効果が発揮される。以上、両ターボ利用領域では、第1、第2タービンが共に回転する状態が得られ、第1、第2ターボチャージャの両方の過給効果が発揮される。
第2ターボ利用領域では、第1排気バイパス面積がその最大値とされ、且つ第1吸気バイパス面積がその最大値とされる。即ち、全ての(殆どの)排ガスが第1タービンを通過することなく(第1排気バイパス通路を通過して)第2タービンに直接流入するとともに全ての(殆どの)吸気が第1コンプレッサを通過しない(第1吸気バイパス通路を通過する)。これにより、第1タービン(従って、第1コンプレッサ)が回転駆動されないか又は十分に回転駆動されず、第1ターボチャージャの過給効果が発揮されない。他方、全ての(殆どの)の排ガスは、第1タービンの駆動のためにエネルギーを消費されることなく第2タービンに流入する。従って、第2タービンに流入する排ガスのエネルギーは十分に大きい。このため、第2タービン(従って、第2コンプレッサ)が回転駆動され、第2ターボチャージャの過給効果が発揮される。以上、第2ターボ利用領域では、第1タービンが回転しないか又は十分に回転しない一方で第2タービンが回転する状態が得られ、第2ターボチャージャのみの過給効果が発揮される。
ところで、吸入空気流量は、内燃機関の運転速度と強く依存し、運転速度の増大(減少)につれて吸入空気流量が増大(減少)する(後述する図5を参照)。従って、上述した過給機付きの内燃機関を搭載した車両が加速していく過程では、運転速度が増大していくことで吸入空気流量が増大していく。この過程は、図7において、制御領域が第1ターボ利用領域→両ターボ利用領域→第2ターボ利用領域へ移行することに対応する。一方、車両が減速していく過程では、運転速度が減少していくことで吸入空気流量が減少していく。この過程は、図7において、制御領域が第2ターボ利用領域→両ターボ利用領域→第1ターボ利用領域へ移行することに対応する。
いま、吸入空気流量と過給圧力比との組み合わせ(以下、「運転状態)とも呼ぶ。)が第2ターボ利用領域における両ターボ利用領域との境界(図7の曲線L1を参照)に近い部分にある状態(図7の点aを参照)にて車両が走行(加速)している場合を想定する。この状態では、上述したように、第1タービンが回転していないか又は十分に回転していない一方で第2タービンが回転している状態が得られていて、第2ターボチャージャのみの過給効果が発揮されている。この状態において、車両が減速することで、運転状態が前記境界を跨いで両ターボ利用領域に移行し(図7の点aから点bへの移行を参照)、その直後に車両が加速(即ち、再加速)する場合を考える。
この場合、第1タービンが回転していないか又は十分に回転していない状態をもって運転状態が両ターボ利用領域に移行する(即ち、第1排気バイパス面積がその最大値から中間値に、第1吸気バイパス面積がその最大値から最小値に切り替えられる)。この移行により、第1ターボの過給効果が発揮され得る状態が開始される。しかしながら、運転状態が両ターボ利用領域に移行した直後では、第1タービンが未だ十分に回転しておらず、実際には第1ターボの過給効果が十分に発揮されない。従って、運転状態が両ターボ利用領域に移行した直後にて車両が再加速する場合、再加速開始の直後の短期間において第1ターボの十分な過給効果が直ちに発揮され得ず、所期の加速が得られないという問題が発生し得る。
特に、車両が市街地等を走行中において加減速を頻繁に繰り返す場合、運転状態が第2ターボ利用領域と両ターボ利用領域との境界(図7の曲線L1を参照)を頻繁に跨ぐことが非常に多い。従って、車両が市街地等を走行中において車両が減速後に再加速する場合において、上記の問題が頻繁に発生し得る。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、第2ターボ利用領域から両ターボ利用領域への移行後の再加速の際、再加速開始の直後から所期の加速を得ることができる過給機付き内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明に係る制御装置は、機械的な構成については、上述した制御装置と同じ構成を有する。本発明に係る制御装置では、判定手段において、過給圧力比と吸入空気流量との組み合わせ(即ち、上記運転状態)が、両ターボ利用領域にあるか、第2ターボ利用領域(両ターボ利用領域に対して吸入空気流量が大きい側に隣接する領域)にあるかが少なくとも判定される。ここにおいて、判定手段が、運転状態が第1ターボ利用領域(両ターボ利用領域に対して吸入空気流量が小さい側に隣接する領域)にあるかをも判定するように構成されてもよい。
本発明に係る制御装置では、制御手段において、上述した制御装置と同様、運転状態が両ターボ利用領域にあると判定された場合、第1排気バイパス面積がその最小値と最大値の間の中間の値に調整され且つ第1吸気バイパス面積がその最小値とされる(両ターボ利用領域対応制御)。運転状態が第2ターボ利用領域にあると判定された場合、第1排気バイパス面積がその最大値とされ且つ第1吸気バイパス面積がその最大値とされる(第2ターボ利用領域対応制御)。また、運転状態が第1ターボ利用領域にあると判定された場合、第1排気バイパス面積がその最小値とされ且つ第1吸気バイパス面積がその最小値とされる(第1ターボ利用領域対応制御)。ここにおいて、第1排気バイパス面積の最小値、及び、第1吸気バイパス面積の最小値は、例えば、ゼロ、又は、ゼロ近傍の微小値である。
本発明に係る制御装置の特徴は、運転状態が第2ターボ利用領域にあると判定されている場合において、運転状態が第2ターボ利用領域における吸入空気流量が小さい側の一部であって両ターボ利用領域に隣接する特殊第2ターボ利用領域にあり、且つ、減速状態が検出されている場合、第1排気バイパス面積がその最大値に代えてその最小値と最大値の間の中間の値に調整されることにある(特殊制御)。ここにおいて、減速状態とは、内燃機関の運転速度が減少する状態、又は内燃機関の燃料噴射量が減少する状態を指す。
これによれば、運転状態が第2ターボ利用領域における両ターボ利用領域との境界に近い部分(即ち、特殊第2ターボ利用領域)にある状態において車両が減速する場合、第1排気バイパス面積がその最大値に代えてその最小値と最大値の間の中間の値に調整される。この結果、運転状態が第2ターボ利用領域にあるにもかかわらず、一部の排ガスが第1タービンを通過することで第1タービン(従って、第1コンプレッサ)が回転駆動されるようになる。他方、第1吸気バイパス面積がその最大値に維持されていることで全ての(殆どの)吸気が第1コンプレッサを通過しない。従って、第1タービン(従って、第1コンプレッサ)が回転駆動されても、第1ターボチャージャの過給効果は発揮されない。即ち、第1ターボチャージャの過給効果が発揮されずに第1タービン(従って、第1コンプレッサ)が回転する状態が得られる。
この状態にて車両の減速が更に継続して運転状態が両ターボ利用領域に移行した場合、第1タービン(従って、第1コンプレッサ)が十分に回転している状態をもって運転状態が両ターボ利用領域に移行し得る。この結果、運転状態が両ターボ利用領域に移行した直後において車両が加速(即ち、再加速)しても、再加速開始の直後から第1ターボの十分な過給効果が発揮され得、(第2ターボの過給効果と相まって)所期の加速を得ることができる。
上述した本発明に係る制御装置では、運転状態が第2ターボ利用領域にあると判定されている場合において、通常は「第2ターボ利用領域対応制御」が実行される一方で、「特殊第2ターボ利用領域+減速状態」の条件が成立している場合にのみ、「第2ターボ利用領域対応制御」に代えて「特殊制御」が実行されている。
これに対し、第2ターボ利用領域が、特殊第2ターボ利用領域と、特殊第2ターボ利用領域を除いた通常第2ターボ利用領域とに予め分けて扱われてもよい。この場合、運転状態が通常第2ターボ利用領域にあると判定されている場合、並びに、運転状態が特殊第2ターボ利用領域にあると判定されていて且つ減速状態が検出されていない場合には、「第2ターボ利用領域対応制御」が実行される。一方、運転状態が特殊第2ターボ利用領域にあると判定されていて且つ減速状態が検出されている場合にのみ、「特殊制御」が実行される。これによっても、上記と同じ作用・効果が得られる。
上記本発明に係る制御装置において、第1、第2タービンの間の排気通路と第2タービンよりも下流の前記排気通路とをバイパスする第2排気バイパス通路と、第2排気バイパス通路に介装されて第2排気バイパス通路の最小開口断面積(第2排気バイパス面積)を調整する第2排気制御弁とが備えられてもよい。この場合、通常、第2排気バイパス面積はその最小値(例えば、ゼロ)とされる。一方、運転状態が第2ターボ利用領域における吸入空気流量が大きい側の一部(バイパス領域)にある場合にのみ、第2排気バイパス面積がその最大値とされ得る。
これによれば、運転速度が大きい運転領域において、排ガスの一部が第2排気バイパス通路を通過することで、第2タービンに流入する排ガスの流量の増加を抑制できる。この結果、運転速度の増大に伴う過剰な過給効果の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る制御装置を過給機付き内燃機関に適用したシステム全体の概略構成図である。 図1に示した装置に適用される、過給圧力比と吸入空気流量との組み合わせと、選択される制御領域との関係を規定するマップを示したグラフである。 図1に示した装置により実行される、過給制御の実行のためのプログラムを示したフローチャートである。 図1に示した装置により実行される、各制御領域についての過給制御の内容を示した図である。 エンジン回転速度及び噴射量と、吸入空気流量との関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係る制御装置により実行される、過給制御の実行のためのプログラムを示したフローチャートである。 従来の装置に適用される、過給圧力比と吸入空気流量との組み合わせと、選択される制御領域との関係を規定するマップを示したグラフである。
以下、本発明による過給機付き内燃機関の制御装置の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る過給機付き内燃機関の制御装置10の概略構成を示している。この制御装置10は、エンジン(ディーゼル機関)本体20と、吸気系統30と、排気系統40と、第1ターボチャージャ50と、第2ターボチャージャ60とを備えている。
エンジン本体20には、4つの気筒21が直列に配置されている。各気筒21の上部には、各気筒21に向けて燃料を噴射する筒内噴射弁22が配設されている。各気筒21における圧縮行程後半(圧縮上死点近傍)にて、各筒内噴射弁22から燃料が噴射され、ディーゼル燃焼が達成されるようになっている。
吸気系統30は、吸気通路31と、吸気通路31に連通したインテークマニホールド32とを備えている。吸気通路31には、上流から下流に向けて順にエアクリーナ33と、スロットル弁34と、インタークーラ35とが配設されている。この吸気系統30により、エンジン本体20に空気が供給されるようになっている。
排気系統40は、排気通路41と、排気通路41に連通したエキゾーストマニホールド42とを備えている。排気系統40には、EGRガス通路43と、触媒44とが備えられている。EGRガス通路43は、第1タービン51よりも上流の排気通路41とスロットル弁34よりも下流の吸気通路31とを結んでいて、EGRガス通路43にはEGR制御弁が介装されている。触媒44は、所謂NOx吸蔵触媒である。この排気系統40により、エンジン本体20からの排ガスが外部に放出されるようになっている。
第1ターボチャージャ50は、第1タービン51と、第1コンプレッサ52とを備えている。第1タービン51と、第1コンプレッサ52とは、タービンシャフト53により同軸的、且つ、一体回転可能に接続されている。第1タービン51は、排気通路41に介装されていて、排ガスのエネルギーにより回転駆動されるようになっている。第1コンプレッサ52は、吸気通路31に介装されていて、第1タービン51により回転駆動されるようになっている。また、第1ターボチャージャ50には、第1タービン51のまわりを囲むように複数のノズルNhが備えられており、排ガスが第1タービン51に向けて流れる際に通過するノズルNhの開口の面積(第1排気流入面積)が可変となっている。このノズルNhは、「第1ターボチャージャ50における、入力される排ガスのエネルギーに対する出力される第1タービン51の回転エネルギーの特性を変更可能な機構」ということもできる。ノズルNhは、図示しないアクチュエータにより駆動される。
第2ターボチャージャ60は、第2タービン61と、第2コンプレッサ62とを備えている。第2タービン61と、第2コンプレッサ62とは、タービンシャフト63により同軸的、且つ、一体回転可能に接続されている。第2タービン61は、第1タービン51よりも下流の排気通路41に介装されていて、排ガスのエネルギーにより回転駆動されるようになっている。第2コンプレッサ62は、第1コンプレッサ52よりも上流の吸気通路31に配設されていて、第2タービン61により回転駆動されるようになっている。
第2タービン61の外径は、第1タービン51に比してより大きい。即ち、第2タービン61は第1タービン51よりも大型である(容量が大きい)。同様に、第2コンプレッサ62の外径は、第1コンプレッサ52に比してより大きい。即ち、第2コンプレッサ62は第1コンプレッサ52よりも大型である(容量が大きい)。
吸気系統30には、第1吸入バイパス通路36が備えられている。第1吸入バイパス通路36は、第1コンプレッサ52よりも下流且つスロットル弁34よりも上流の吸気通路31と第1、第2コンプレッサ52,62の間の吸気通路31とをバイパスする。第1吸入バイパス通路36には、制御弁Vhiが介装されている。制御弁Vhiにより、第1吸気バイパス通路36の最小開口断面積(第1吸気バイパス面積)が調整されるようになっている。制御弁Vhiは、図示しないアクチュエータにより駆動される。
排気系統40には、第1排気バイパス通路46と、第2排気バイパス通路47とが備えられている。第1排気バイパス通路46は、第1タービン51よりも上流の排気通路41と第1、第2タービン51,61の間の排気通路41とをバイパスする。第2排気バイパス通路47は、第1、第2タービン51,61の間の排気通路41と、第2タービン61よりも下流であって触媒44よりも上流の排気通路41とをバイパスする。
第1、第2排気バイパス通路46,47には、制御弁Vhe,Vleがそれぞれ介装されている。制御弁Vhe,Vleにより、第1、第2排気バイパス通路46,47の最小開口断面積(第1、第2排気バイパス面積)がそれぞれ調整されるようになっている。制御弁Vhe,Vleは、図示しないアクチュエータによりそれぞれ駆動される。
一方、この制御装置10は、熱線式エアフローメータ81と、圧力センサ82,83と、回転速度センサ84と、を備えている。エアフローメータ81は、第2コンプレッサ62よりも上流の吸気通路31内を流れる吸入空気の空気流量(吸入空気流量)Ga(質量流量、単位時間あたりの質量)を検出するようになっている。圧力センサ82,83はそれぞれ、第2コンプレッサ62よりも上流の吸気通路31の圧力、及び、第1コンプレッサ52よりも下流の吸気通路31の圧力を検出するようになっている。回転速度センサ84は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)の回転速度(エンジン回転速度)NEを検出するようになっている。
更に、この制御装置10は、CPU等から構成されるECU(電気制御装置)91を備えている。ECU91は、上記センサ81〜84と電気的に接続されている。また、ECU91は、CPUにセンサ81〜84からの信号を供給するとともに、CPUの指示に応じて、ノズルNhのアクチュエータ、制御弁Vhi,Vhe,Vleのアクチュエータ等にそれぞれ駆動信号を送出するようになっている。
(過給制御)
次に、上述のように構成された過給機付き内燃機関の制御装置が実行する、制御弁Vhi,Vhe,Vle、及びノズルNhの制御(過給制御)について、図2〜図5を参照しながら説明する。
本例では、図2に示すように、吸入空気流量Gaと過給圧力比Rとの組み合わせに対して、第1ターボチャージャ50のみの過給効果を利用する領域(A領域)と、第1、第2ターボチャージャ50,60の両方の過給効果を利用する領域(B領域)と、第2ターボチャージャ60のみの過給効果を利用する領域(C領域)と、第2ターボチャージャ60のみの過給効果を利用するとともにその過給効果の一部を制限する領域(D領域)と、の4つの制御領域が設定される。
過給圧力比Rとは、第2コンプレッサ62よりも上流の吸気通路31の圧力P1に対する、第1コンプレッサ52よりも下流(且つスロットル弁34よりも上流)の吸気通路31の圧力P3の割合(P3/P1)である。圧力P1,P3としては、圧力センサ82,83から検出される値がそれぞれ使用されてもよいし、公知の手法の一つに従って推定された値がそれぞれ使用されてもよい。
図2に示す曲線L1、L2(実線)はそれぞれ、第1、第2ターボチャージャ50,60の所謂サージライン及びチョークラインに基づいて描かれる線である。即ち、曲線L1,L2で囲まれた領域はそれぞれ、第1、第2ターボチャージャ50,60の過給効果が発揮され得る領域(換言すれば、第1、第2ターボチャージャ50,60の使用可能領域)を示している。第1ターボチャージャ50の使用可能領域における吸入空気流量Gaの最小値は「0」で最大値はG1である。第1ターボチャージャ50の使用可能領域における過給圧力比Rの最大値はR1である。第2ターボチャージャ60の使用可能領域における吸入空気流量Gaの最小値はG3(<G1)で最大値はG4(>G1)である。第2ターボチャージャ60の使用可能領域における過給圧力比Rの最大値はR2(>R1)である。
A領域は、第1ターボチャージャ50の使用可能領域のうち曲線S1(破線)に対して吸入空気流量Gaが小さい側の領域である。従って、A領域における吸入空気流量Gaの最大値はG2である。B領域は、第1ターボチャージャ50の使用可能領域のうち曲線S1に対して吸入空気流量Gaが大きい側の領域である。従って、B領域における吸入空気流量Gaの最大値はG1である。
C領域は、曲線L2で囲まれた領域のうち曲線L1に対して吸入空気流量Gaが大きい側且つ曲線S2(破線)に対して吸入空気流量Gaが小さい側の領域である。従って、C領域における吸入空気流量Gaの最大値はG5である。このC領域は、特殊C領域(図2に微細なドットで示した領域)を含んでいる。特殊C領域は、C領域における吸入空気流量Gaが小さい側の一部であってB領域に隣接する領域(GaがG6以下の領域)である。特殊C領域については後述する。D領域は、曲線L2で囲まれた領域のうち曲線S2に対して吸入空気流量Gaが大きい側の領域である。従って、D領域における吸入空気流量Gaの最大値はG4である。
以下、図3に示すフローチャートを参照しながら、本装置による過給制御についての実際の作動について説明する。このフローチャートで示されるプログラムは、ECU91内のCPUにより実行される。
先ず、ステップ305では、過給圧力比Rと吸入空気流量Gaの現在値が取得されるとともに、取得されたRとGaの組み合わせ(以下、「現在運転状態」とも呼ぶ。)と、図2に示したマップとに基づいて、A領域、B領域、C領域、及びD領域の中から1つの制御領域が選択される。
ステップ310では、選択された制御領域がC領域であるか否かが判定され、「No」と判定された場合(即ち、A領域、B領域、及びD領域の何れかが選択された場合)、ステップ315にて、選択された制御領域に対応する過給制御が実行される。
一方、ステップ310にて「Yes」と判定された場合(即ち、C領域が選択された場合)、ステップ320にて、現在運転状態が特殊C領域にあるか否かが判定され、「Yes」と判定された場合、エンジンが減速状態にあるか否かが判定される。減速状態とは、回転速度センサ84から得られるエンジン回転速度NEが減少している状態、又は、筒内噴射弁22から噴射される燃料の量が減少している状態を指す。
そして、ステップ320,330の何れかで「No」と判定された場合、ステップ325にてC領域に対応する過給制御が実行される。一方、ステップ320,330で共に「Yes」と判定された場合のみ、ステップ335にて特殊C領域に対応する過給制御が実行される。即ち、C領域が選択された場合において、現在運転状態が特殊C領域にあり且つエンジンが減速状態にある場合のみ、C領域に対応する過給制御に代えて、特殊C領域に対応する過給制御が実行される。
以下、各領域に対応する過給制御について、図4を参照しながら説明する。図4において、「閉」は、開口面積(開度)が最小値(本例では、「0」)で一定に調整される状態を示す。「開」は、開口面積(開度)が最大値で一定に調整される状態を示す。「中間」は、開口面積(開度)が最小値と最大値の間の中間値(変動し得る値)に調整される状態を示す。「任意」は、開口面積(開度)が調整されない状態(いくつであってもよい状態)を示す。
図4に示すように、A領域に対応する制御では、制御弁Vheが「閉」とされ、制御弁Vhiが「閉」とされ、制御弁Vleが「閉」とされ、ノズルNhが「中間」とされる。即ち、制御弁Vheが「閉」であることから全ての排ガスが第1タービン51を通過するとともに、制御弁Vhiが「閉」であることから全ての吸気が第1コンプレッサ52を通過する。第1タービン51を通過する全ての排ガスのエネルギーにより第1タービン51が回転駆動され、この結果、第1コンプレッサ52が回転駆動される。これにより、第1ターボチャージャ50の過給効果が発揮される。この第1ターボチャージャ50の過給効果は、ノズルNhの開度(中間値)の調整により調整され得る。
他方、制御弁Vleが「閉」であることから、第1タービン51を通過した全ての排ガスが第2タービン61に流入する。ここで、排ガスが第1タービン51を通過する際、その排ガスのエネルギーは第1タービン51の駆動のために消費される。従って、第2タービン61に流入する排ガスのエネルギーは十分に小さくなっている。このため、第2タービン61(従って、第2コンプレッサ62)は回転駆動されないか又は十分に回転駆動されない。この結果、第2ターボチャージャの過給効果が発揮されない。以上、A領域に対応する制御では、第1タービン51が回転する一方で第2タービン61が回転しないか又は十分に回転しない状態が得られ、第1ターボチャージャ50のみの過給効果が発揮される。
図4に示すように、B領域に対応する制御では、A領域に対応する制御に対して、制御弁Vheが「閉」から「中間」に変更される点のみが異なる。即ち、制御弁Vheが「中間」であることから、一部の排ガスが第1タービン51を通過するとともに、残りの排ガスが(第1タービン51を通過することなく)第1排気バイパス通路46を通過して第2タービン61に直接流入する。これにより、第1タービン51を通過する「一部の排ガス」のエネルギーにより第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が回転駆動され、第1ターボチャージャの過給効果が発揮される。
他方、「残りの排ガス」は、第1タービン51の駆動のためにエネルギーを消費されることなく第2タービン61に流入する。従って、第2タービン61に流入する排ガスのエネルギーはある程度大きい値となる。このため、第2タービン61(従って、第2コンプレッサ62)が回転駆動され、第2ターボチャージャ60の過給効果が発揮される。以上、B領域に対応する制御では、第1、第2タービン51,61が共に回転する状態が得られ、第1、第2ターボチャージャ50,60の両方の過給効果が発揮される。
図4に示すように、C領域に対応する制御では、B領域に対応する制御に対して、制御弁Vheが「中間」から「開」に変更され、制御弁Vhiが「閉」から「開」に変更され、ノズルNhが「中間」から「任意」に変更される点が異なる。即ち、制御弁Vheが「開」であることから、全ての(殆どの)排ガスが(第1タービン51を通過することなく)第1排気バイパス通路46を通過して第2タービン61に直接流入する。このため、ノズルNhを制御する必要がなく、ノズルNhが「任意」となっている。これにより、第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が回転駆動されないか又は十分に回転駆動されず、第1ターボチャージャ50の過給効果が発揮されない。また、制御弁Vhiが「開」であることから、全ての(殆どの)吸気が第1コンプレッサ52を通過しない(第1吸気バイパス通路36を通過する)。従って、仮に、第1コンプレッサ52が回転駆動されることがあっても、第1ターボチャージャ50の過給効果が発揮されない。
他方、全ての(殆どの)の排ガスは、第1タービン51の駆動のためにエネルギーを消費されることなく第2タービン61に流入する。従って、第2タービン61に流入する排ガスのエネルギーは十分に大きい。このため、第2タービン61(従って、第2コンプレッサ62)が回転駆動され、第2ターボチャージャ60の過給効果が発揮される。以上、C領域に対応する制御では、第1タービン51が回転しないか又は十分に回転しない一方で第2タービン61が回転する状態が得られ、第2ターボチャージャ60のみの過給効果が発揮される。
図4に示すように、D領域に対応する制御では、C領域に対応する制御に対して、制御弁Vleが「閉」から「開」に変更される点のみが異なる。即ち、D領域では、C領域と同様、第2ターボチャージャ60のみの過給効果が発揮される一方で、第1排気バイパス通路46を通過した排ガスの一部が(第2タービン61を通過することなく)第2排気バイパス通路47を通過する。これにより、第2タービン61に流入する排ガスの流量の増加が抑制され得る。この結果、エンジン回転速度の増大に伴う過剰な過給効果の一部が制限され得る。
図4に示すように、特殊C領域に対応する制御では、C領域に対応する制御に対して、制御弁Vheが「開」から「中間」に変更される点のみが異なる。この結果、現在運転状態がC領域にあるにもかかわらず、一部の排ガスが第1タービン51を通過することで第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が回転駆動されるようになる。しかしながら、制御弁Vhiが「開」に維持されていることで全ての(殆どの)吸気が第1コンプレッサ52を通過しない。従って、第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が回転駆動されても、第1ターボチャージャ50の過給効果は発揮されない。以上、特殊C領域に対応する制御では、第1ターボチャージャ50の過給効果が発揮されずに第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が回転する状態が得られる。
以上、図4を参照しながら、各領域に対応する過給制御について説明した。ここで、本例において注目すべき点は、「C領域が選択された場合において、現在運転状態が特殊C領域にあり且つエンジンが減速状態にある場合のみ、C領域に対応する過給制御に代えて、特殊C領域に対応する過給制御が実行されること」にある。以下、この点について説明する。
図5に示すように、吸入空気流量Gaは、エンジン回転速度NEと強く依存し、エンジン回転速度NEの増大(減少)につれて吸入空気流量Gaが増大(減少)する。従って、このエンジン10を搭載した車両が加速していく過程では、NEが増大していくことでGaが増大していく。この過程は、図2において、制御領域がA領域→B領域→C領域→D領域へ移行することに対応する。一方、車両が減速していく過程では、NEが減少していくことでGaが減少していく。この過程は、図2において、制御領域がD領域→C領域→B領域→A領域へ移行することに対応する。
現在運転状態が、特殊C領域(即ち、C領域におけるB領域との境界に近い部分)にある状態(図2の点aを参照)にて、車両が走行(加速)している場合を想定する。この状態において、先ず、本例とは異なり、C領域が選択されている場合においてC領域に対応する過給制御が常に実行される場合について説明する。
この場合、制御弁Vheが「開」であることから、上述したように、第1タービン51が回転していないか又は十分に回転していない一方で第2タービン61が回転している状態が得られている。この結果、第2ターボチャージャ60のみの過給効果が発揮されている。この状態において、車両が減速することで、現在運転状態がB領域に移行し(図2の点aから点bへの移行を参照)、その直後に車両が加速(即ち、再加速)する場合を考える。
この場合、第1タービン51が回転していないか又は十分に回転していない状態をもって現在運転状態がB領域に移行することになる。この移行により、制御弁Vheが「開」から「中間」に変更され、制御弁Vhiが「開」から「閉」に変更されることで、第1ターボチャージャ50の過給効果が発揮され得る状態が開始される。しかしながら、現在運転状態がB領域に移行した直後では、第1タービン51が未だ十分に回転しておらず、実際には第1ターボチャージャ50の過給効果が十分に発揮されない。従って、現在運転状態がB領域に移行した直後にて車両が再加速する場合、再加速開始の直後の短期間において第1ターボチャージャ50の十分な過給効果が直ちに発揮され得ず、従って、所期の加速が得られない。
特に、車両が市街地等を走行中において加減速を頻繁に繰り返す場合、現在運転状態がB領域とC領域との境界(図2の曲線L1を参照)を頻繁に跨ぐことが非常に多い。従って、車両が市街地等を走行中において車両が減速後に再加速する場合、上述のように所期の加速が得られない事態が頻繁に発生し得る。
これに対し、本例では、C領域が選択された場合において、現在運転状態が特殊C領域にあり且つエンジンが減速状態にある場合のみ、C領域に対応する過給制御に代えて、特殊C領域に対応する過給制御が実行される。
より具体的に述べると、本例では、現在運転状態が特殊C領域にある状態において車両が減速する場合、C領域に対応する過給制御に代えて、特殊C領域に対応する過給制御が実行される。即ち、上述のように、第1ターボチャージャ50の過給効果が発揮されずに第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が回転する状態が得られる。
従って、このように特殊C領域に対応する過給制御が実行されている状態にて、車両の減速が更に継続して現在運転状態がB領域に移行した場合(図2の点aから点bへの移行を参照)、第1タービン51(従って、第1コンプレッサ52)が十分に回転している状態をもって現在運転状態がB領域に移行し得る。この結果、現在運転状態がB領域に移行した直後において車両が加速(即ち、再加速)しても、再加速開始の直後から第1ターボチャージャ50の十分な過給効果が発揮され得る。この結果、第2ターボチャージャ60の過給効果と相まって、所期の加速を得ることができる。
以上説明したように、本発明に係る過給機付き内燃機関の制御装置の第1実施形態によれば、現在運転状態がC領域(特殊C領域)からB領域に移行した直後において車両が加速(即ち、再加速)しても、再加速開始の直後から第1、第2ターボチャージャ50,60の十分な過給効果が共に発揮され得、所期の加速を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明による過給機付き内燃機関の制御装置の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、現在運転状態がC領域にあると判定されている場合において(図3のステップ310にて「Yes」)、通常はC領域に対応する制御が実行される一方(図3のステップ325)、「特殊C領域+減速状態」の条件が成立している場合にのみ(図3のステップ320,330にて「Yes」)、C領域に対応する制御に代えて特殊C領域に対応する制御が実行される(図3のステップ335)。
これに対し、第2実施形態では、図3に対応する図6に示すように、ステップ605にて、C領域が、特殊C領域と、特殊C領域を除いた通常C領域(図2を参照)とに予め分けて扱われる。即ち、ステップ605では、現在運転状態と、図2に示したマップとに基づいて、A領域、B領域、通常C領域、特殊C領域、及びD領域の中から1つの制御領域が選択される。
そして、ステップ610では、選択された制御領域が特殊C領域であるか否かが判定され、「No」と判定された場合(即ち、A領域、B領域、通常C領域、及びD領域の何れかが選択された場合)、ステップ315にて、選択された制御領域に対応する過給制御が実行される。ここで、通常C領域に対応する過給制御は、上記第1実施形態におけるC領域に対応する制御と同じである。
一方、ステップ610にて「Yes」と判定された場合(即ち、特殊C領域が選択された場合)、ステップ330にて、エンジンが減速状態にあるか否かが判定される。ステップ330で「No」と判定された場合、ステップ615にて通常C領域に対応する過給制御が実行される。一方、ステップ330で「Yes」と判定された場合のみ、ステップ335にて特殊C領域に対応する過給制御が実行される。
即ち、第2実施形態では、現在運転状態が通常C領域にあると判定されている場合、並びに、現在運転状態が特殊C領域にあると判定されていて且つ減速状態が検出されていない場合に、通常C領域に対応する過給制御が実行される。一方、現在運転状態が特殊C領域にあると判定されていて且つ減速状態が検出されている場合にのみ、特殊C領域に対応する過給制御が実行される。これによっても、上記第1実施形態と実質的に全く同じ作動が得られ、上記第1実施形態と同じ作用・効果が得られる。
本発明は、上記第1、第2実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1、第2実施形態においては、第2排気バイパス通路47、及び制御弁Vleが設けられているが、これらが省略されていてもよい。また、ノズルNhが省略されていてもよい。
また、上記第1、第2実施形態においては、図2において曲線L2で囲まれた領域のうち曲線L1に対して吸入空気流量Gaが大きい側の領域がC領域とD領域とに区分されているが、C領域とD領域とが1つのC領域に統合されていてもよい。
また、上記第1、第2実施形態において、第2コンプレッサ62よりも上流の吸気通路31と第1、第2コンプレッサ52,62の間の吸気通路31とをバイパスする第2吸入バイパス通路と、第2吸入バイパス通路に介装された制御弁Vliが設けられていてもよい。この場合、制御弁Vliは、制御弁Vleの開閉パターンと同じパターンで開閉される。
また、上記第1、第2実施形態において、第1タービン51のノズルNhと同様、第2タービン61のまわりを囲むように複数のノズルNlが備えられていてもよい。
加えて、上記第1、第2実施形態においては、特殊C領域に対応する制御において、制御弁Vheの開度が小さ過ぎると、又は、ノズルNhの開度が大き過ぎると、第1タービン51を通過する排ガスの割合が大きくなって第2タービン61に流入する排ガスのエネルギーが小さくなり、第2ターボチャージャ60の過給効果が十分に得られ難くなる。従って、例えば、第1タービン51を通過する排ガスの流量を第2タービン61を通過する排ガスの流量に対して小さくすることが好適である。このため、制御弁Vheの開度が所定値以上に、且つ、ノズルNhの開度が所定値以下となるよう制御弁Vhe及びノズルNhを制御することが好適である。
31…吸気通路、36…第1吸気バイパス通路、41…排気通路、46…第1排気バイパス通路、47…第2排気バイパス通路、50…第1ターボチャージャ、51…第1タービン、52…第1コンプレッサ、60…第2ターボチャージャ、61…第2タービン、62…第2コンプレッサ、81…エアフローメータ、82,83…圧力センサ、84…回転速度センサ、91…ECU、Nh…ノズル、Vhe,Vhi,Vle…制御弁

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーにより駆動される第1タービンと、前記内燃機関の吸気通路に介装されて前記第1タービンの駆動により駆動される第1コンプレッサと、を備えた第1ターボチャージャと、
    前記第1タービンよりも下流の前記排気通路に介装されて前記内燃機関の排ガスのエネルギーにより駆動される前記第1タービンよりも大型の第2タービンと、前記第1コンプレッサよりも上流の前記吸気通路に介装されて前記第2タービンの駆動により駆動される前記第1コンプレッサよりも大型の第2コンプレッサと、を備えた第2ターボチャージャと、
    前記第1タービンよりも上流の前記排気通路と前記第1、第2タービンの間の前記排気通路とをバイパスする第1排気バイパス通路と、
    前記第1、第2コンプレッサの間の前記吸気通路と前記第1コンプレッサよりも下流の前記吸気通路とをバイパスする第1吸気バイパス通路と、
    前記第1排気バイパス通路に介装されて前記第1排気バイパス通路の最小開口断面積である第1排気バイパス面積を調整する第1排気制御弁と、
    前記第1吸気バイパス通路に介装されて前記第1吸気バイパス通路の最小開口断面積である第1吸気バイパス面積を調整する第1吸気制御弁と、
    前記第2コンプレッサよりも上流の前記吸気通路の圧力に対する、前記第1コンプレッサよりも下流の前記吸気通路の圧力の割合である過給圧力比を取得する圧力比取得手段と、
    前記吸気通路を通過する空気の流量を取得する流量取得手段と、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが、前記第1、第2ターボチャージャの両方の過給効果を利用するための両ターボ利用領域にあるか、前記両ターボ利用領域に対して前記空気流量が大きい側に隣接する前記第2ターボチャージャのみの過給効果を利用するための第2ターボ利用領域にあるかを判定する判定手段と、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記両ターボ利用領域にあると判定された場合、前記第1排気バイパス面積がその最小値と最大値の間の中間の値になり且つ前記第1吸気バイパス面積がその最小値になるように前記第1排気制御弁及び前記第1吸気制御弁を制御し、前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記第2ターボ利用領域にあると判定された場合、前記第1排気バイパス面積がその最大値になり且つ前記第1吸気バイパス面積がその最大値になるように前記第1排気制御弁及び前記第1吸気制御弁を制御する制御手段と、
    を備えた過給機付き内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の運転速度が減少する状態、又は前記内燃機関の燃料噴射量が減少する状態である減速状態を検出する検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記第2ターボ利用領域にあると判定されている場合であって、前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記第2ターボ利用領域における前記空気流量が小さい側の一部であって前記両ターボ利用領域に隣接する特殊第2ターボ利用領域にあり、且つ、前記減速状態が検出されている場合、前記第1排気バイパス面積がその最大値に代えてその最小値と最大値の間の中間の値になるように前記第1排気制御弁を制御するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーにより駆動される第1タービンと、前記内燃機関の吸気通路に介装されて前記第1タービンの駆動により駆動される第1コンプレッサと、を備えた第1ターボチャージャと、
    前記第1タービンよりも下流の前記排気通路に介装されて前記内燃機関の排ガスのエネルギーにより駆動される前記第1タービンよりも大型の第2タービンと、前記第1コンプレッサよりも上流の前記吸気通路に介装されて前記第2タービンの駆動により駆動される前記第1コンプレッサよりも大型の第2コンプレッサと、を備えた第2ターボチャージャと、
    前記第1タービンよりも上流の前記排気通路と前記第1、第2タービンの間の前記排気通路とをバイパスする第1排気バイパス通路と、
    前記第1、第2コンプレッサの間の前記吸気通路と前記第1コンプレッサよりも下流の前記吸気通路とをバイパスする第1吸気バイパス通路と、
    前記第1排気バイパス通路に介装されて前記第1排気バイパス通路の最小開口断面積である第1排気バイパス面積を調整する第1排気制御弁と、
    前記第1吸気バイパス通路に介装されて前記第1吸気バイパス通路の最小開口断面積である第1吸気バイパス面積を調整する第1吸気制御弁と、
    前記第2コンプレッサよりも上流の前記吸気通路の圧力に対する、前記第1コンプレッサよりも下流の前記吸気通路の圧力の割合である過給圧力比を取得する圧力比取得手段と、
    前記吸気通路を通過する空気の流量を取得する流量取得手段と、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが、前記第1、第2ターボチャージャの両方の過給効果を利用するための両ターボ利用領域にあるか、前記両ターボ利用領域に対して前記空気流量が大きい側に隣接する前記第2ターボチャージャのみの過給効果を利用するための第2ターボ利用領域における前記空気流量が小さい側の一部であって前記両ターボ利用領域に隣接する特殊第2ターボ利用領域にあるか、前記第2ターボ利用領域における前記特殊第2ターボ利用領域を除いた通常第2ターボ利用領域にあるかを判定する判定手段と、
    前記内燃機関の運転速度が減少する状態、又は前記内燃機関の燃料噴射量が減少する状態である減速状態を検出する検出手段と、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記両ターボ利用領域にあると判定された場合、前記第1排気バイパス面積がその最小値と最大値の間の中間の値になり且つ前記第1吸気バイパス面積がその最小値になるように前記第1排気制御弁及び前記第1吸気制御弁を制御し、前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記通常第2ターボ利用領域にあると判定された場合、並びに、前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記特殊第2ターボ利用領域にあると判定され且つ前記減速状態が検出されていない場合、前記第1排気バイパス面積がその最大値になり且つ前記第1吸気バイパス面積がその最大値になるように前記第1排気制御弁及び前記第1吸気制御弁を制御し、前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記特殊第2ターボ利用領域にあると判定され且つ前記減速状態が検出されている場合、前記第1排気バイパス面積がその最大値と最小値の間の中間の値になり且つ前記第1吸気バイパス面積がその最大値になるように前記第1排気制御弁及び前記第1吸気制御弁を制御する制御手段と、
    を備えた過給機付き内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記判定手段は、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが、前記両ターボ利用領域に対して前記空気流量が小さい側に隣接する前記第1ターボチャージャのみの過給効果を利用するための第1ターボ利用領域にあるかをも判定するように構成され、
    前記制御手段は、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記第1ターボ利用領域にあると判定された場合、前記第1排気バイパス面積がその最小値になり且つ前記第1吸気バイパス面積がその最小値になるように前記第1排気制御弁及び前記第1吸気制御弁を制御するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の過給機付き内燃機関の制御装置であって、
    前記第1、第2タービンの間の前記排気通路と前記第2タービンよりも下流の前記排気通路とをバイパスする第2排気バイパス通路と、
    前記第2排気バイパス通路に介装されて前記第2排気バイパス通路の最小開口断面積である第2排気バイパス面積を調整する第2排気制御弁と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記過給圧力比と前記空気流量との組み合わせが前記第2ターボ利用領域における前記空気流量が大きい側の一部であるバイパス領域にある場合にのみ前記第2排気バイパス面積がその最大値になり、それ以外の場合には前記第2排気バイパス面積がその最小値になるように前記第2排気制御弁を制御するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
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