JP2010216407A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の停止時又は始動時に、内燃機関の始動に適した所定位相に相対回転位相を確実に拘束できる弁開閉時期制御装置を提供する。
【解決手段】駆動側回転体2と、従動側回転体3と、流体圧室4と、流体圧室4を進角室41と遅角室42とに仕切る仕切部32と、流体圧室4に対して作動流体を供給及び排出する作動流体給排機構7と、駆動側回転体2と従動側回転体3との相対回転位相を、最進角位相と最遅角位相との間の内燃機関の始動に適した所定位相に拘束可能なロック機構6と、ロック機構6とは独立して駆動側回転体2及び従動側回転体3の少なくとも一方に設けられ、所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか一方側から他方側への相対回転位相の変位を規制可能である位相変位規制機構5、とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のクランクシャフトと同期して回転する駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相を制御する弁開閉時期制御装置に関する。
従来、特許文献1に示すごとく、相対回転位相を内燃機関の始動に適した最進角位相と最遅角位相との間の所定位相に固定可能なロック機構と、相対回転位相を所定位相と最進角位相との間に規制する相対回転規制手段とを備えた弁開閉時期制御装置があった。上述の相対回転規制手段は、駆動側回転体又は従動側回転体の一方に配設された係止部材と、他方の回転体に形成され、相対回転位相が所定位相と最進角位相との間にあるときに、係止部材が係入可能な係合溝とを備えている。
この技術では、駆動側回転体から従動側回転体への回転伝達経路に流体圧室及び仕切部が介在しているため、従動側回転体には常に遅角側への力が作用する。内燃機関停止直前に相対回転位相が所定位相よりも進角側にある場合は、係止部材が係合溝に係入しており、この状態で内燃機関を停止すると、上述の遅角側への力により相対回転位相は所定位相となる。結果、ロック機構によって、相対回転位相は所定位相に拘束される。
一方、内燃機関停止直前に相対回転位相が所定位相よりも遅角側にある場合は、係止部材が係合溝に係入しないため、相対回転位相は所定位相に拘束されない。しかし、この技術では、内燃機関始動時に進角室と遅角室とが共にドレインに連通されるため、カム変動トルクにより従動側回転体が駆動側回転体に対して大きくバタつく。このバタつきによって係止部材が係止溝に係入し、相対回転位相が所定位相よりも遅角側へ変位するのが規制される。その結果、ロック機構によって相対回転位相が所定位相に拘束され、内燃機関の始動を所定位相で行うことができるとされていた。
また、特許文献2のごとく、相対回転位相を所定位相に固定可能なロック機構と、相対回転位相が所定位相に対して進角側及び遅角側の何れの側にあるのかを判定する位相判定機構とを備え、内燃機関の停止時又は始動時に位相判定機構による判定結果と反対の側に相対回転位相を変位させる能動ロック操作を実施する弁開閉時期制御装置があった。このロック機構は、駆動側回転体又は従動側回転体の一方に配設されたロック片と、他方の回転体上に形成され、ロック片が係止可能な係止溝とを有している。さらに、ロック片による係止深度が係止溝よりも浅い係止補助溝が、係止溝の進角側及び遅角側の端部から、各々進角側及び遅角側向かって延設されている。
この技術によると、能動ロック操作の実施にも拘らず、機械的な誤差等によってロック片と係止溝とが僅かに位置ずれした場合でも、補助係止溝の何れか一方にロック片が係止されることが十分期待できる。即ち、相対回転位相を所定位相に近似した位相範囲内に保持できる。結果、内燃機関始動時に生じる振動等によって相対回転位相が変動し、ロック片は自然と補助係止溝に隣接する係止溝に係止される。
特開平11−311107(0025及び0027〜0029段落、図2から5) 特開2007−132272(0009及び0010段落、図3及び6)
しかし、特許文献1の技術では、相対回転位相が所定位相よりも遅角側にある状態で内燃機関が停止してしまうと、上述の遅角側への力が働いているため、カム変動トルクに基づくバタつきによって相対回転位相が所定位相よりも進角側に変位せず、係止部材が係止溝に係入しない虞がある。これでは、ロック機構は相対回転位相を所定位相に拘束できない。また、特に内燃機関低温時は、カム変動トルクに基づく遅角側への変位力が大きいため、係止部材が係止溝に係入しない可能性が高まってしまう。さらに、係止部材の突出部分に係止溝の周方向の端面が当接する構成であるため、両者の衝突時に、突出部分には剪断応力・曲げ応力が掛かる。これにより、係止部材が変形・損耗すると、係止部材と係止溝の端面が当接したときの位相が、所定位相から位置ずれしてしまう虞がある。
特許文献2の技術では、補助係止溝によって段階的に相対回転位相を拘束する構成であるため、拘束が成されるまでに時間がかかる虞がある。また、補助係止溝は径方向に深度を有するため、その深度が、例えば、1mm程度になる等の制約がある。このため、ロック片と補助係止溝との係止の信頼性が低くなる虞がある。
本発明は上記実情に鑑み、内燃機関の停止時又は始動時に、駆動側回転体と従動側回転体とを内燃機関の始動に適した相対回転位相で確実に拘束できる弁開閉時期制御装置を提供することを目的としている。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第1特徴構成は、内燃機関のクランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転体と、前記駆動側回転体に対して同軸上に配置され、前記内燃機関の吸気弁及び排気弁の何れかを開閉するカムシャフトと同期回転する従動側回転体と、前記駆動側回転体と前記従動側回転体とで形成された流体圧室と、前記流体圧室を進角室と遅角室とに仕切るよう前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の何れかに設けられた仕切部と、前記流体圧室に対して作動流体を供給及び排出する作動流体給排機構と、前記駆動側回転体と前記従動側回転体との相対回転位相を、最進角位相と最遅角位相との間の前記内燃機関の始動に適した所定位相に拘束可能なロック機構と、前記ロック機構とは独立して前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の少なくとも一方に設けられ、前記所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか一方側から前記所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか他方側への前記相対回転位相の変位を規制可能である位相変位規制機構、とを備えた点にある。
本構成のように、ロック機構とは独立して駆動側回転体及び従動側回転体の少なくとも一方に設けられ、所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか一方側から所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか他方側への相対回転位相の変位を規制可能である位相変位規制機構を備えれば、所定位相での相対回転位相がなされずに内燃機関が停止した場合であっても、次回の内燃機関の始動時に、例えば、所定位相よりも進角側から所定位相よりも遅角側の何れか他方側へ相対回転位相が変位しようとしたとき、瞬間的であっても相対回転位相は所定位相で確実に一旦停止する。このように、相対回転位相が所定位相に位置決めされた状態でロック機構が作動でき、相対回転位相の所定位相への拘束の確実性が向上する。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第2特徴構成は、前記作動流体給排機構による前記位相変位規制機構に対する作動流体の供給及び排出の少なくとも何れかによって、前記位相変位規制機構が規制及びその解除の少なくとも何れかを行う点にある。
本構成であれば、位相変位規制機構専用の規制・解除機構を別途に備える必要がない。また、位相変位規制機構が相対回転位相の制御に連係するため、信頼性の高い弁開閉時期制御装置とすることができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第3特徴構成は、前記位相変位規制機構が、前記駆動側回転体の側の第一部位と前記従動側回転体の側の第二部位との間に出退すると共に、突出して前記第一部位と前記第二部位とで挟持されたとき、前記相対回転位相が前記所定位相となる厚みを有する変位規制部材と、を備えた点にある。
本構成のように、第一部位と第二部位とで変位規制部材が挟持される構成であれば、変位規制部材には圧縮応力のみが発生し、剪断応力・曲げ応力は発生しない。このため、変位規制部材の耐久性が向上すると共に、第二部位が変位規制部材に当接したとき、相対回転位相は確実に所定位相となる。結果、ロック機構による拘束の確実性がより向上する。また、一回の当接で相対回転位相の拘束が可能であるため、段階的に拘束を行うロック機構と比べて、迅速な拘束が可能となる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第4特徴構成は、前記変位規制部材が前記カムシャフトの径方向に出退する点にある。
第一部材と第二部材とはカムシャフトの周方向に相対移動するため、両部材はカムシャフトの軸方向に長く延在させた方が部材の剛性が高い。変位規制部材がカムシャフトの軸方向に出退する構成であると、駆動側回転体及び従動側回転体を軸方向に大きくせざるを得ない。本構成であれば、第一部位と第二部位と変位規制部材とを、駆動側回転体と従動側回転体との径方向のスペースに効率良く配置することができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第5特徴構成は、前記変位規制部材が、前記カムシャフトの径方向内側に突出するよう付勢されつつ、前記駆動側回転体に配設されている点にある。
本構成のように、変位規制部材が、径方向の内側に突出するよう付勢されつつ、駆動側回転体に配設されていると、駆動側回転体の回転に基づく遠心力を利用して、変位規制部材を引退した状態を保持させることができる。即ち、変位規制部材は、一旦作動流体給排機構からの作動流体供給により引退させれば、遠心力により引退した状態を保持する。このように、引退状態を保持させるための制御が必要ないため、位相変位規制機構が簡易な構成となる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第6特徴構成は、前記相対回転位相を進角側へ付勢する付勢機構を備えると共に、前記変位規制部材は前記相対回転位相の遅角側への変位を規制する点にある。
本構成であれば、相対回転位相が所定位相よりも遅角側にある状態で内燃機関が停止されても、相対回転位相は少なくとも所定位相を超えて進角側へ変位する。その結果、相対回転位相が所定位相となったときに、ロック機構による拘束が可能となる。したがって、相対回転位相が所定位相よりも遅角側にあってロック機構による拘束ができない、といった問題は生じない。また、駆動側回転体の回転が低下すれば、変位規制部材が径方向内側に突出し、相対回転位相は少なくとも所定位相よりも進角側にある。このため、仮に、ロック機構による拘束がなされなくとも、次の内燃機関の始動を相対回転位相が所定位相よりも進角側にある状態で行える。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第7特徴構成は、前記付勢機構による付勢力が、前記カムシャフトの回転時のカム変動トルクに基づく遅角側への変位力よりも大きい点にある。
通常、例えば、内燃機関の吸気弁は閉弁するように常時スプリング等によって付勢されており、カムが吸気弁を押し下げる最中には、カムシャフトは遅角側へ付勢される。また、カムが吸気弁を押し下げきった後には、カムシャフトは進角側へ付勢される。即ち、カム変動トルクによって、カムシャフトは進角側と遅角側とにバタつく。ただし、カムと吸気弁との間、及び、吸気弁とスプリングとの間には摺動摩擦抵抗があるため、遅角側へのバタつきの方が大きい。よって、カム変動トルクに基づく変位力は、相対回転位相を遅角側へ変位させるよう、カムシャフト及び従動側回転体に作用する。
本構成のように、付勢機構による付勢力が、カム変動トルクに基づく遅角側への変位力よりも大きいと、内燃機関停止時に、相対回転位相を確実に所定位相よりも進角側にすることができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第8特徴構成は、最進角位相から最遅角位相の範囲に対応する周長を有する凹部を前記駆動側回転体の内周面に沿って形成し、前記第二部位が前記凹部に沿って摺動するよう構成してある点にある。
本構成であれば、凹部の形成が容易であり、位相変位規制機構の構成が簡易となる。また、凹部を構成する面を、変位規制部材が出退するのを案内する面として利用できる。このとき、凹部は第一部材として機能する。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第9特徴構成は、隣り合う前記流体圧室の間に前記凹部が形成され、前記カムシャフトの径方向における前記凹部の高さが、前記カムシャフトの径方向における前記流体圧室の高さよりも低くなるように設定されている点にある。
本構成であれば、凹部の径方向外側にスペースができるので、そのスペースに位相変位規制機構を配設可能である。即ち、位相変位規制機構を備えても、不要に弁開閉時期制御装置が大きくならない。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第10特徴構成は、前記第二部位によって隔てられた前記凹部の進角側の第一空間と、遅角側の第二空間とを連通するリーク路を備えた点にある。
上述したように、変位規制部材は作動流体の供給によって引退する。凹部と第二部位とは相対回転するため、作動流体が第一空間に滞留すると従動側回転体の回転が阻害される。本構成のようにリーク路を備えると、相対回転位相が第一空間側、即ち進角側へ変位するとき、凹部の進角側と第二部材との圧力により第一空間に滞留した作動流体は第二空間に戻される。よって、相対回転位相の進角側への変位が阻害されることがない。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の第11特徴構成は、前記リーク路を、前記カムシャフトの径方向における前記凹部の外周面、及び、前記カムシャフトの径方向における前記第二部位の外周面の少なくとも何れか一方に備えた点にある。
内燃機関運転時に駆動側回転体は回転しているため、遠心力によって、第一空間に残留した作動流体は凹部の外周面に押し遣られる。本構成であれば、作動流体がリーク路に流入し易い。
弁開閉時期制御装置の縦断側面図である。 弁開閉時期制御装置の縦断正面図である。 位相変位規制機構周辺の分解斜視図である。 突起部周辺を示す斜視図である。 エンジン通常運転時の弁開閉時期制御装置を示す図である。 エンジン通常運転時の弁開閉時期制御装置を示す図である。 エンジン停止時の弁開閉時期制御装置を示す図である。 エンジン停止時の弁開閉時期制御装置を示す図である。 図7から遅角制御した弁開閉時期制御装置を示す図である。 図9から進角制御した弁開閉時期制御装置を示す図である。 別実施形態の突起部周辺を示す斜視図である。 別実施形態の突起部周辺を示す斜視図である。
以下、本発明に係る弁開閉時期制御装置を自動車のエンジンの吸気弁用として適用した例を図面に基づいて説明する。
(全体構成)
この弁開閉時期制御装置1は、図1、2に示すごとく、エンジンの不図示のクランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転部材としてのハウジング2と、ハウジング2に対して同軸上に配置され、カムシャフト101と同期回転する従動側回転部材としての内部ロータ3とを備えている。また、弁開閉時期制御装置1は、相対回転位相をエンジン始動に適した所定位相(以下、「中間ロック位相」と称する)にロックするロック機構6と、ハウジング2と内部ロータ3とに挟持されることにより、相対回転位相が中間ロック位相よりも遅角側に変位するのを規制する変位規制部材を有する位相変位規制機構5とを備えている。
中間ロック位相は、最進角位相と最遅角位相との間の位相であって、エンジンを始動することが可能な限界位相である。エンジンの始動が中間ロック位相で行い、エンジン始動後のアイドリング時に中間ロック位相よりも遅角側に相対回転位相を変位させると、排気ガスの排出抑制、エンジンの燃費や出力の向上等を図ることができる。
内部ロータ3は、カムシャフト101の先端部に一体的に組付けられており、カムシャフト101と同一軸心で同期回転する。即ち、内部ロータ3の径方向・周方向・軸方向は、カムシャフト101の径方向・周方向・軸方向と一致する。なお、図示はしないが、カムシャフト101は、エンジンのシリンダヘッドに回転自在に組み付けられている。
ハウジング2は、カムシャフト101が接続される側のリアプレート22と、カムシャフト101が接続される側とは反対側のフロントプレート23と、タイミングスプロケット24が外周に形成された外部ロータ21とを備えている。外部ロータ21を内部ロータ3に外装し、外部ロータ21をフロントプレート23とリアプレート22で挟み込んである。そして、ボルト25でフロントプレート23と外部ロータ21とリアプレート22とを締結してある。ハウジング2は、内部ロータ3に対して一定の範囲内で相対回転可能である。
また、ハウジング2の径方向・周方向・軸方向は、内部ロータ3の径方向・周方向・軸方向と一致する。よって、以降の記載において、「径方向」と「周方向」と「軸方向」との語句は、カムシャフト101とハウジング2と内部ロータ3とに共通するものとして使用する。
タイミングスプロケット24とクランクシャフトに取付けたギアとの間には、動力伝達部材102が架設されている。動力伝達部材102は、例えば、タイミングチェーンやタイミングベルトである。クランクシャフトが回転駆動すると、動力伝達部材102を介してタイミングスプロケット24にその回転駆動力が伝達され、ハウジング2が図2に示す駆動方向Sに回転駆動する。ハウジング2の回転駆動に伴い、内部ロータ3が回転駆動してカムシャフト101が回転する。結果、カムシャフト101に設けられたカムがエンジンの吸気弁を押し下げて開弁させる。
図示はしないが、上述したように、通常、相対回転位相を遅角側へ変位させるよう、カム変動トルクに基づく変位力が作カムシャフト101及び内部ロータ3に作用する。
図2に示すごとく、径方向内側に突出する複数個の突出部21bを、外部ロータ21に周方向に沿って互いに離間させて形成してある。突出部21bと内部ロータ3とにより流体圧室4が形成されている。本実施形態では、流体圧室4を三箇所形成してあるが、これに限られるものではない。
流体圧室4に面する内部ロータ3の外周面3aには、径方向に沿ってベーン溝31が形成されている。ベーン溝31に、仕切部としてのベーン32が挿入されている。ベーン32によって、流体圧室4は駆動方向Sに沿って進角室41と遅角室42とに仕切られている。ベーン32は、図1に示すごとく、スプリング33によって、径方向外側に付勢されている。
図1、2に示すごとく、進角油路43を内部ロータ3に形成し、進角室41に連通してある。また、遅角油路44を内部ロータ3に形成し、遅角室42に連通してある。図1に示すごとく、進角油路43及び遅角油路44は、後述する作動流体給排機構7に接続されている。
作動流体給排機構7によって、進角室41及び遅角室42に作動流体を供給又は排出し、ハウジング2と内部ロータ3との相対回転位相を、進角方向S1又は遅角方向S2へ変位させ、或いは、任意の位相で保持する。この作動流体が、いわゆる作動油に相当する。進角方向S1とは、ベーン32が外部ロータ21に対して相対移動し、進角室41の容積が大きくなる方向であり、図中に矢印S1で示してある。遅角方向S2とは、遅角室42の容積が大きくなる方向であり、図中に矢印S2で示してある。
ハウジング2と内部ロータ3とが相対回転可能な一定の範囲は、流体圧室4の内部でベーン32が変位可能な範囲に対応する。遅角室42の容積が最大となるのが最遅角位相であり、進角室41の容積が最大となるのが最進角位相である。即ち、相対回転位相は最進角位相と最遅角位相との間で変位可能である。
図1に示すごとく、内部ロータ3とフロントプレート23とに亘ってトーションスプリング26を設けてある。内部ロータ3及びハウジング2は、トーションスプリング26により、相対回転位相が進角方向S1に変位するよう付勢される。トーションスプリング26の不勢力は、少なくとも相対回転位相が最遅角位相と中間ロック位相との間にあるときは、上述のカム変動トルクに基づく遅角側への変位力よりも大きくなるよう設定してある。このため、エンジン停止直後に、相対回転位相が最遅角位相と中間ロック位相との間にある場合、弁開閉時期制御装置1は、相対回転位相が少なくとも中間ロック位相よりも進角側の位相となるよう動作する。
(作動流体給排機構)
作動流体給排機構7の構成について簡単に説明する。作動流体給排機構7は、図1に示すごとく、エンジンにより駆動されて作動油の供給を行うポンプ71と、進角油路43及び遅角油路44に対する作動油の供給及び排出を制御する流路切換弁72と、作動油を貯留するオイルパン73とを備えている。
ポンプ71は、クランクシャフトの駆動力が伝達されることにより駆動する機械式の油圧ポンプである。ポンプ71は、オイルパン73に貯留された作動油を吸入し、その作動油を下流側へ吐出する。
流路切換弁72は、ECU8(エンジンコントロールユニット)による給電量制御に基づいて動作する。流路切換弁72の切換えとポンプ71の制御とによって、進角室41への作動油供給・遅角室42からの作動油排出、進角室41からの作動油排出・遅角室42かへの作動油供給、進角室41及び遅角室42への作動油給排遮断の三種類の制御が可能である。進角室41への作動油供給・遅角室42からの作動油排出を行う制御が「進角制御」である。進角制御を行うと、ベーン32は外部ロータ21に対して進角方向S1に相対移動し、相対回転位相は進角側へ変位する。進角室41からの作動油排出・遅角室42かへの作動油供給を行う制御が「遅角制御」である。遅角制御を行うと、ベーン32は外部ロータ21に対して遅角方向S2に相対移動し、相対回転位相は遅角側へ変位する。進角室41及び遅角室42への作動油の給排を遮断する制御を行うと、ベーン32は相対移動せず、相対回転位相をある任意の位相で保持できる。
(ロック機構)
ロック機構6は、図2に示すごとく、外部ロータ21に配設され、径方向に出退可能なロック部材63と、内部ロータ3の外周面3aに形成され、ロック部材63が突入可能なロック溝62とを備えている。ロック部材63は、スプリング64によって径方向内側に付勢されている。ロック溝62は、ロック部材63が突入できるようロック部材63よりも僅かに大きい。ロック部材63がロック溝62に突入すると、相対回転位相は中間ロック位相に拘束され、ロック部材63がロック溝62から引退すると、拘束が解除されて相対回転位相の変位が許容される。
ロック溝62には、内部ロータ3に形成したロック油路61が接続されている。ロック機構6と隣り合う進角室41とロック油路61とは、内部ロータ3の外周面3aに形成した溝である進角室連通路65によって連通されている。ロック部材63がロック溝62に突入すると、ロック溝62と進角室連通路65とは遮断される。ロック部材63が引退すると、ロック溝62と進角室連通路65とは連通する。
ロック油路61は、上述の隣り合う進角室41への進角油路43を兼ねており、進角制御を行うとロック油路61には作動油が供給される。この作動油の油圧によって、ロック部材63が径方向外側に押圧され、その押圧力がスプリング64の付勢力より大きくなったとき、ロック部材63はロック溝62から引退し、中間ロック位相への拘束が解除される。拘束解除後は、ロック油路61と進角室連通路65とが連通し、進角制御を行えば上述の隣接する進角室41に対して作動油が供給される。
(位相変位規制機構)
位相変位規制機構5は、図2に示すごとく、外部ロータ21に形成された第一部位としての凹部52と、内部ロータ3に形成された第二部位としての突起部53と、外部ロータ21に配設された変位規制部材51と、外部ロータ21に形成され、変位規制部材51を収容する収容部54とを備えている。
凹部52は、図2に示すごとく、外部ロータ21の内周面21aに沿いつつ、軸方向全域に亘って形成されている。凹部は、図3に示すごとく、進角側の端面52aと、遅角側の端面52bと、外周面52cとを備えている。
突起部53は、図4に示すごとく、内部ロータ3の外周面3aに沿いつつ、径方向外側に板状に突起するよう形成してある。突起部53は、外部ロータ21と接する部分(図1参照)の軸方向全域に亘って形成してある。突起部53は、進角側の側面53aと、遅角側の側面53bと、外周面53cとを備えている。
図2に示すごとく、径方向における突起部53の突出高さは、凹部52の高さH2よりも僅かに低く設定してある。外部ロータ21と内部ロータ3とは、突起部53が凹部52の内部に位置するよう組み付けてある。内部ロータ3が外部ロータ21に対して相対回転すれば、突起部53の外周面53cと凹部52の外周面52cとは互いに摺動する。また、凹部52と内部ロータ3の外周面3aとによって形成される空間は、例えば、図6に示すごとく、突起部53によって進角側の第一空間57と遅角側の第二空間58とに隔てられている。
相対回転位相が最進角位相となったとき、突起部53の側面53aが凹部52の端面52aに到達し、相対回転位相が最遅角位相となったとき、側面53bが端面52bに到達するよう、凹部52の周方向の周長を設定してある。即ち、凹部52の周長は最進角位相から最遅角位相の範囲に対応している。ただし、側面53aと端面52a、及び、側面53bと端面52bとは接触する必要はない。
凹部52の径方向の高さH2は、全域に亘って一定の高さであり、流体圧室4の径方向の高さH1よりも低く設定してある。収容部54は、外部ロータ21において凹部52の径方向外側に形成してある。収容部54は、外部ロータ21の軸方向全域に亘って形成されている。収容部54の側面54aは、凹部52の端面52bを径方向外側に延長して形成してある。このように、凹部52よりも径方向外側のスペースを有効に利用し、収容部54を形成してある。したがって、位相変位規制機構5が周方向に不要に大きくならず、流体圧室4やロック機構6の周方向の配置に与える影響を軽減できる。
変位規制部材51は、図3に示すごとく、収容部54の内部空間よりも僅かに小さい板状の部材であり、収容部54に配設されている。変位規制部材51は、その側面51bを収容部54の側面54a及び凹部52の端面52bに沿わせて径方向に出退可能である。変位規制部材51はスプリング59によって、径方向内側へ突出するよう付勢されている。変位規制部材51は、先端部51cが内部ロータ3の外周面3aに当接するまで突出する。変位規制部材51の径方向外側には、スプリング59を係合させるための切欠部51dを形成してあるが、変位規制部材51が突出したときでも切欠部51dは収容部54に収まっている。
変位規制部材51は、作動流体給排機構7からの作動流体の供給により収容部54に引退する。図4に示すごとく、作動流体給排機構7からの作動流体を給排するための規制油路55を内部ロータ3に形成している。内部ロータ3の外周面3aにおいて、規制解除溝56を突起部53よりも遅角側に周方向に沿って形成してある。規制解除溝56の幅は規制油路55の外径よりも僅かに広く設定し、規制解除溝56に規制油路55を開放してある。
図1に示すごとく、規制油路55は遅角油路44から分岐しており、遅角制御が行われると規制油路55にも作動油が供給される。結果、規制解除溝56にも作動油が供給される。規制解除溝56が作動油で満たされ、その作動油の油圧がスプリング59の付勢力よりも大きくなると、図7から図9のように、変位規制部材51は収容部54に引退する。また、作動油が排出されると、変位規制部材51はスプリング59の付勢力によって突出する。図4に示すごとく、規制解除溝56は外周面3aにおいて軸方向中央付近に形成されており、変位規制部材51にはバランス良く油圧が掛かる。
変位規制部材51が一旦引退し、ハウジング2の回転数が高まると、径方向外側への遠心力が作用し、変位規制部材51は引退した状態を保持する。ただし、ハウジング2がどの程度の速度で回転すればこのような遠心力が発生するかは、スプリング59の付勢力の強弱や変位規制部材51の重さを調整して決定する。
変位規制部材51が突出していると、変位規制部材51が障害となり、内部ロータ3はそれ以上遅角方向S2に相対回転できない。このとき、変位規制部材51は、凹部52の端面52bと突起部53の側面53bとに挟持されている。この状態において相対回転位相が中間ロック位相と一致するように、変位規制部材51の周方向の厚みtを設定してある。即ち、変位規制部材51の周方向の厚みtは、最遅角位相と中間ロック位相との位相差に対応している。
このように、位相変位規制機構5は、ロック機構6とは独立して駆動側回転体に設けられ、中間ロック位相よりも進角側から中間ロック位相よりも遅角側への相対回転位相の変位を規制する。変位規制部材51が挟持されて変位規制を行う構成であるため、突起部53が勢い良く変位規制部材51に衝突しても、変位規制部材51には圧縮応力のみが作用し、剪断応力・曲げ応力は作用しない。よって、変位規制部材51の耐久性が向上すると共に、突起部53が変位規制部材51に当接したとき、相対回転位相は確実に中間ロック位相となる。また、側面51a及び側面53bといった広い面同士での当接で変位規制がなされるため、位相規制の信頼性が高い。
図2に示すごとく、位相変位規制機構5はボルト25の近傍に、ボルト25と略同心円上に形成されている。このため、変位規制部材51が突出しているときの突起部53と側面51aとの衝突による衝撃、及び、変位規制部材51が引退しているときの突起部53と端面52bとの衝突による衝撃によって、突出部21bのうちボルト25と位相変位規制機構5との間の部分が損傷することを軽減できる。
規制解除溝56は、突起部53の側面53bから周方向遅角側に、ある程度の周長を有して延在している。このため、図8に示す状態から遅角制御が行われると、規制解除溝56と第二空間58とが作動油で満たされる。その油圧が上昇すると、図6に示すごとく変位規制部材51は引退する。即ち、手前の段階から前もって変位規制部材51を引退させられる。よって、突起部53が変位規制部材51に干渉せず、相対回転位相は円滑に中間ロック位相を超えて遅角側へ変位する。この場合においては、遅角制御を行っている一方で、第二空間58の作動油の油圧は突起部53に対して進角側に作用する。しかし、凹部52が一つであるのに対して流体圧室4は三箇所存在する。しかも、凹部52の高さH2よりも流体圧室4の高さH1の方が高い。よって、ベーン32三箇所に作用する遅角側への力の方が、突起部53に作用する進角側への力よりも各段に大きい。結果、突起部53に進角側への力が作用しても、遅角制御に支障はない。
(リーク路)
ハウジング2と内部ロータ3とは、互いに相対回転するため、凹部52と突起部53とには多少の隙間がある。このため、第二空間58に供給された作動油が第一空間57に漏洩する可能性がある。漏洩した作動油が第一空間57に残留すると、進角制御がされたときに、漏洩した作動油が側面53aと端面52aとに挟持され、最進角位相付近への変位が阻害される。そこで、図4に示すごとく、突起部53の外周面53cの中央付近には、第一空間57と第二空間58とを連通するリーク路としての溝53dを形成してある。このため、第一空間57に漏洩した作動油は、進角制御に基づき、突起部53の側面53aと凹部52の端面52aとに挟持・押圧されて、リーク路を介して第二空間58に漏れ戻ることができる。したがって、最進角位相付近への進角制御を適正に行うことができる。ただし、溝53dは、変位規制部材51を引退させるための油圧を確保できる程度の小さな溝である。
カムシャフト101回転時には、遠心力によって漏洩した作動油は凹部52の外周面52cに押し遣られる。リーク路を径方向外側に形成しているので、作動油は溝53dに流入し易い。
(弁開閉時期制御装置の動作)
以下に、弁開閉時期制御装置1に動作を説明する。
エンジン通常運転中は、図5、6に示すごとく、ロック部材63はロック溝62から引退しており、相対回転位相は自在に変位可能である。エンジンの運転状態に応じて、進角制御と遅角制御と位相を保持する制御とを行っている。この間、変位規制部材51は通常は遠心力により引退している。仮に、遠心力によって変位規制部材が引退状態に保持されなくても、進角側への変位である進角制御時に変位規制部材51が突出しても支障はない。また、遅角側への変位である遅角制時には、その遅角制御によって変位規制部材51が引退するため支障はない。
エンジンを停止するときの動作は、エンジン停止直前の相対回転位相の状態により場合分けして説明する。エンジンを停止すると、進角室41、遅角室42、第二空間58から作動油が排出され、作動油の油圧は作用しない。ただし、カムシャフト101の回転が完全に停止するまでは、上述のカム変動トルクに基づく遅角側への変位力が作用する。
エンジン停止直前に、図5に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相よりも遅角側にある場合、エンジンを停止すると、カム変動トルクに基づく遅角側への変位力に勝るトーションスプリング26の付勢力により、相対回転位相は中間ロック位相を越えて進角側へ変位する。このとき、変位規制部材51は突起部53に阻害されて、凹部52に突出できていない。その後中間ロック位相となったときに、ロック部材63がロック溝62に突入し、相対回転位相が中間ロック位相に拘束される。同時に、突起部53が収容部54から位置ずれし、規制部材も突出する。即ち、弁開閉時期制御装置1は図7に示す状態で停止する。
仮に、カム変動トルクに基づくバタつき等によって、中間ロック位相時にロック部材63がロック溝62に突入できなかった場合は、図8に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相よりも進角側の状態で弁開閉時期制御装置1は停止する。
エンジン停止直前に、図6に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相よりも進角側にある場合、エンジンを停止すると、図8に示すごとく、先ず変位規制部材51が凹部52に突出する。中間ロック位相よりも進角側において、トーションスプリング26の付勢力がカム変動トルクに基づく遅角側への変位力よりも大きいときは、そのまま、相対回転位相は中間ロック位相よりも進角側で停止し、ロック機構6による拘束はされない。
中間ロック位相よりも進角側において、カム変動トルクに基づく遅角側への変位力がトーションスプリング26の付勢力よりも大きいときは、カムが完全停止するまでの間に、相対回転位相は遅角側へ変位する。突起部53が変位規制部材51に当接するに至ると、カム変動トルクに基づく変位力によって、突起部53が変位規制部材51の側面51aに押付けられる。相対回転位相が中間ロック位相に位置決めされ、ロッ部材がロック溝62に突入し、相対回転位相が中間ロック位相に拘束される。即ち、弁開閉時期制御装置1は図7に示す状態で停止する。
以上より、エンジンが完全に停止すると、図7に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相に拘束されつつ変位規制部材51も突出している状態か、図8に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相よりも進角側でありつつ変位規制部材51が突出している状態かの何れの状態で弁開閉時期制御装置1は停止する。何れにせよ、変位規制部材51が突出する。
エンジン再始動時の動作を説明する。図7に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相に拘束されつつ変位規制部材51も突出している状態でエンジンが再始動された場合は、エンジンは中間ロック位相で適切に始動できる。
その後、遅角制御を行い、図9に示すごとく、変位規制部材51を引退させる。しばらくすると、カムシャフト101の回転数が高まり、変位規制部材51は遠心力によって引退した状態に保持されるようになる。さらに、進角制御を行い、図10に示すごとく、ロック部材63をロック溝62から引退させ、相対回転位相の拘束を解除する。その後は、エンジンの運転状態に応じて、進角制御と遅角制御と位相を保持する制御とを行って、相対回転位相をエンジンの運転状態に応じた位相に変位させる。
図8に示すごとく、相対回転位相が中間ロック位相よりも進角側でありつつ変位規制部材51が突出している状態でエンジンが再始動された場合は、カム変動トルクに基づく変位力により、相対回転位相は遅角側へ変位し、突起部53が変位規制部材51の側面51aに当接する。相対回転位相は中間ロック位相よりも遅角側へは変位しない。このとき、多少のバタつきはあるものの、突起部53が変位規制部材51の側面51aに衝突した瞬間に相対回転位相が中間ロック位相で停止するため、従来技術のように相対回転位相が中間ロック位相を挟んで遅角側及び進角側にバタつく場合よりも、ロック機構6による拘束がなされやすい。よって、図7に示すごとく、ロック部材63はロック溝62に突入し、相対回転位相が中間ロック位相に拘束される。さらに、仮に、ロック機構6による拘束がなされなかったとしても、少なくとも相対回転位相が中間ロック位相よりも進角側にあるため、エンジンの始動自体に支障はない。その後の動作は、上述した動作と同様であるため説明を省略する。
本実施形態において、ロック機構6のスプリング64の付勢力が位相変位規制機構5のスプリング59の付勢力よりも大きくなるよう、スプリング64及びスプリング59を設定してある。例えば、作動油が高温であり、その粘性が低い状態においてエンジンを始動すると、位相変位規制機構5及びロック機構6とを解除する油圧が確保し難い。したがって、変位規制部材51とロック63とがカムシャフト101の回転による遠心力によって引退することがある。この場合、本構成によると、ロック機構6が解除される前に位相変位規制機構5が解除される。よって、ロック部材63が引退すれば、位相変位規制機構5による規制がされないため、相対回転位相を中間ロック位相よりも遅角側に変位させることができる。その結果、例えば、エンジンアイドリング時における排気ガスの排出抑制や燃費改善を速やかに行うことができる。
上述の実施形態においては、流体圧室4とは別途に凹部52を形成して位相変位規制機構5を構成したが、これに限られるものではない。例えば、図示はしないが、ある流体圧室4を凹部52に、及び、ベーン32を突起部53に見立てて位相変位規制機構5を構成しても良い。この場合は、流体圧室4の径方向の高さH1を低くするか、もしくは、外部ロータ21を径方向外側に拡張する等して、収容部54を形成するスペースを確保する。あるいは、位相変位規制機構5の配置や変位規制部材51の突出方向等を変更して備えても良い。
本実施形態においては、規制油路55を遅角油路44から分岐して備えたが、進角油路43及び遅角油路44から独立した油路としても良い。少なくとも、ロック機構6に連通する油路と異なる油路であれば、弁開閉時期制御装置1を適切に動作させることができる。
本実施形態においては、一つのポンプ71のみを備えたが、内燃機関とは異なる動力により駆動されて位相変換機構に作動流体を供給する第二ポンプを備えても良い。第二ポンプを備えると、ポンプ71からの作動油供給量が不足したとき、その不足を補うことができる。
(別実施形態)
上述の実施形態では、リーク路は突起部53の外周面53cに形成したが、これに限られるものではない。例えば、図11に示すごとく、リーク路を凹部52の外周面52cに形成しても良い。この場合、リーク路としての溝52dは、外周面52cの周方向全域に亘って形成する。
また、図12に示すごとく、突起部53の外周面53cの出隅を面取りしてリーク路としての面取部53eを形成しても良い。図示はしないが、凹部52の外周面52cの出隅を面取りしても良い。これらの場合は、リーク路の位置に応じて規制解除溝56の位置を外部ロータ21の出隅付近に変更すると加工が容易である。
上述の実施形態においては、弁開閉時期制御装置1を吸気弁用として適用した例を示したが、排気弁用の弁開閉時期制御装置1であっても良い。ただし、この場合、吸気弁と排気弁とに必要とされる弁開閉時期が異なるため、油圧の制御や油路の構成を変更する必要がある。
本発明は、内燃機関の停止時又は始動時に、内燃機関の始動に適した所定位相に相対回転位相を確実に拘束でき、自動車等のエンジンの吸気弁及び排気弁の開閉時期の制御を行う弁開閉時期制御装置に適用することができる。
1 弁開閉時期制御装置
2 ハウジング(駆動側回転体)
3 内部ロータ(従動側回転体)
4 流体圧室
5 位相変位規制機構
6 ロック機構
7 作動流体給排機構
21a 内周面
26 トーションスプリング(付勢機構)
32 ベーン(仕切部)
41 進角室
42 遅角室
51 変位規制部材
52 凹部(第一部位)
52c 外周面
53 突起部(第二部位)
53c 外周面
53d 溝(リーク路)
57 第一空間
58 第二空間
101 カムシャフト
t 厚み
H1 高さ
H2 高さ

Claims (11)

  1. 内燃機関のクランクシャフトに対して同期回転する駆動側回転体と、
    前記駆動側回転体に対して同軸上に配置され、前記内燃機関の吸気弁及び排気弁の何れかを開閉するカムシャフトと同期回転する従動側回転体と、
    前記駆動側回転体と前記従動側回転体とで形成された流体圧室と、
    前記流体圧室を進角室と遅角室とに仕切るよう前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の何れかに設けられた仕切部と、
    前記流体圧室に対して作動流体を供給及び排出する作動流体給排機構と、
    前記駆動側回転体と前記従動側回転体との相対回転位相を、最進角位相と最遅角位相との間の前記内燃機関の始動に適した所定位相に拘束可能なロック機構と、
    前記ロック機構とは独立して前記駆動側回転体及び前記従動側回転体の少なくとも一方に設けられ、前記所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか一方側から前記所定位相よりも進角側又は遅角側の何れか他方側への前記相対回転位相の変位を規制可能である位相変位規制機構、とを備えた弁開閉時期制御装置。
  2. 前記作動流体給排機構による前記位相変位規制機構に対する作動流体の供給及び排出の少なくとも何れかによって、前記位相変位規制機構が規制及びその解除の少なくとも何れかを行う請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記位相変位規制機構が、前記駆動側回転体の側の第一部位と前記従動側回転体の側の第二部位との間に出退すると共に、突出して前記第一部位と前記第二部位とで挟持されたとき、前記相対回転位相が前記所定位相となる厚みを有する変位規制部材と、を備えた請求項1又は2に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 前記変位規制部材が前記カムシャフトの径方向に出退する請求項3に記載の弁開閉時期制御装置。
  5. 前記変位規制部材が、前記カムシャフトの径方向内側に突出するよう付勢されつつ、前記駆動側回転体に配設されている請求項4に記載の弁開閉時期制御装置。
  6. 前記相対回転位相を進角側へ付勢する付勢機構を備えると共に、前記変位規制部材は前記相対回転位相の遅角側への変位を規制する請求項3から5の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
  7. 前記付勢機構による付勢力が、前記カムシャフトの回転時のカム変動トルクに基づく遅角側への変位力よりも大きい請求項6に記載の弁開閉時期制御装置。
  8. 最進角位相から最遅角位相の範囲に対応する周長を有する凹部を前記駆動側回転体の内周面に沿って形成し、
    前記第二部位が前記凹部に沿って摺動するよう構成してある請求項3から7の何れか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
  9. 隣り合う前記流体圧室の間に前記凹部が形成され、
    前記カムシャフトの径方向における前記凹部の高さが、前記カムシャフトの径方向における前記流体圧室の高さよりも低くなるように設定されている請求項8に記載の弁開閉時期制御装置。
  10. 前記第二部位によって隔てられた前記凹部の進角側の第一空間と、遅角側の第二空間とを連通するリーク路を備えた請求項8又は9に記載の弁開閉時期制御装置。
  11. 前記リーク路を、前記カムシャフトの径方向における前記凹部の外周面、及び、前記カムシャフトの径方向における前記第二部位の外周面の少なくとも何れか一方に備えた請求項10に記載の弁開閉時期制御装置。
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