JP2010215737A - 炭化水素油の脱硫もしくは脱窒素精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温高圧装置を用いずに、温和な条件で、かつ水素を消費せずに効率よく炭化水素油の硫黄化合物及び/又は窒素化合物を除去できる脱硫及び/又は脱窒素精製方法を提供する。
【解決手段】炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程を含むことを特徴とする炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。前記イオン液体が、特定のイミダゾリウム系カチオン、特定のピリジニウム系カチオン、及び、特定のピロリジニウム系カチオンの中から選ばれる一種又は二種以上のカチオンとビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、Cl-、Br-、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CF3SO3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成される。
【選択図】なし
【解決手段】炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程を含むことを特徴とする炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。前記イオン液体が、特定のイミダゾリウム系カチオン、特定のピリジニウム系カチオン、及び、特定のピロリジニウム系カチオンの中から選ばれる一種又は二種以上のカチオンとビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、Cl-、Br-、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CF3SO3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成される。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭化水素油の脱硫もしくは脱窒素精製方法に関する。
燃料油中に含まれる硫黄化合物及び/又は窒素化合物は、自動車の排気ガス浄化触媒の被毒原因や燃焼時のSOx源やNOx源になるため、サルファーフリー化(硫黄分の低減)や窒素分の低減をする必要がある。一般に触媒反応による水素化脱硫処理や水素化脱窒素理が行われるが、高温高圧条件で水素を消費する上、脱硫反応性が極めて低い成分も含まれる場合もある。
そのため、高温高圧装置を用いずに温和な条件で、水素を消費せずに効率よく硫黄化合物や窒素化合物を除去できる方法が求められている。
従来、各種炭化水素化合物の混合物から、硫黄化合物や窒素化合物を分離する技術が開示されている。
例えば、特許文献1、2では、1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート(1-n-Butyl-3-methylimidazolium Hexafluorophosphate;[BMIM][PF6 -])や、1−ブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレエート(1-Butyl-methylimidazolium Tetrafluoroborate;[BMIM][BF4 -])などのイオン液体を用いて、灯軽油留分中の硫黄化合物の抽出する方法を開示している。しかし、この方法では、その抽出効果は必ずしも充分ではなく、例えば、ジベンゾチオフェンなど通常分離が困難とされている硫黄化合物については問題を残している。したがって、さらなる改良が望まれている。
そのため、高温高圧装置を用いずに温和な条件で、水素を消費せずに効率よく硫黄化合物や窒素化合物を除去できる方法が求められている。
従来、各種炭化水素化合物の混合物から、硫黄化合物や窒素化合物を分離する技術が開示されている。
例えば、特許文献1、2では、1-n-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェート(1-n-Butyl-3-methylimidazolium Hexafluorophosphate;[BMIM][PF6 -])や、1−ブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレエート(1-Butyl-methylimidazolium Tetrafluoroborate;[BMIM][BF4 -])などのイオン液体を用いて、灯軽油留分中の硫黄化合物の抽出する方法を開示している。しかし、この方法では、その抽出効果は必ずしも充分ではなく、例えば、ジベンゾチオフェンなど通常分離が困難とされている硫黄化合物については問題を残している。したがって、さらなる改良が望まれている。
このような状況下で、本発明は、高温高圧装置を用いずに、温和な条件で、かつ水素を消費せずに、効率よく炭化水素油の硫黄化合物や窒素化合物を除去できる脱硫及び/又は脱窒素精製方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記好ましい炭化水素油の脱硫もしくは脱窒素精製方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、炭化水素油を特定のイオン液体と接触させることにより、前記目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
[1]炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程を含むことを特徴とする、炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法であって、前記イオン液体が、下記の一般式(1)
(式中、R1,R3,R4は、水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、R2、R5の一方が炭素数2〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基を示す。)
で表されるイミダゾリウム系カチオン、下記の一般式(2)
[R6R7−NC5H4]+ ・・・(2)
(式中、R6、R7は、炭素数1〜10のアルキル基を示す)
で表されるピリジニウム系カチオン、及び、下記の一般式(3)
[R8R9−NC4H7]+ ・・・(3)
(式中、R8、R9は、炭素数1〜10のアルキル基を示す)、
で表されるピロリジニウム系カチオンの中から選ばれる一種又は二種以上のカチオンと
ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、Cl-、Br-、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体である、
炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法、
[2]前記アニオンがビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、もしくはAlCl4 -である、前記[1]に記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法、
[3]前記カチオンが、1−(炭素数3〜10のアルキル)−3−メチルイミダゾリウムである、前記[1]又は[2]に記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法、
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法において、下記の二段抽出工程を含むことを特徴とする、炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。
第一段;炭化水素油を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオンと、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体と接触させ、2相に分離する工程、
第二段;第一段で得られたイオン液体を含まない相を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数6〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオン、及び、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体接触させ、2相に分離する工程,
を提供するものである。
で表されるイミダゾリウム系カチオン、下記の一般式(2)
[R6R7−NC5H4]+ ・・・(2)
(式中、R6、R7は、炭素数1〜10のアルキル基を示す)
で表されるピリジニウム系カチオン、及び、下記の一般式(3)
[R8R9−NC4H7]+ ・・・(3)
(式中、R8、R9は、炭素数1〜10のアルキル基を示す)、
で表されるピロリジニウム系カチオンの中から選ばれる一種又は二種以上のカチオンと
ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、Cl-、Br-、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体である、
炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法、
[2]前記アニオンがビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、もしくはAlCl4 -である、前記[1]に記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法、
[3]前記カチオンが、1−(炭素数3〜10のアルキル)−3−メチルイミダゾリウムである、前記[1]又は[2]に記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法、
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法において、下記の二段抽出工程を含むことを特徴とする、炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。
第一段;炭化水素油を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオンと、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体と接触させ、2相に分離する工程、
第二段;第一段で得られたイオン液体を含まない相を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数6〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオン、及び、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体接触させ、2相に分離する工程,
を提供するものである。
本発明によれば、高温高圧装置を用いずに、温和な条件で、かつ水素を消費せずに効率よく炭化水素油の硫黄化合物や窒素化合物を除去できる脱硫及び/又は脱窒素精製方法を提供することができる。
本発明は、炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程を含むことを特徴とする。
<炭化水素油>
本発明における前記炭化水素油としては、特に制限はなく、硫黄化合物や窒素化合物を含有する炭化水素類を広く包含するものであり、例えば、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分、接触分解軽油留分(LCO留分)、重油留分などの石油留分、さらに常圧蒸留残渣、減圧蒸留残渣などの残渣類が挙げられる。中でも、LGO留分、LCO留分、軽油留分など、沸点が200℃以上の炭化水素油が好ましく、沸点が240〜400℃の重質油がより好ましい。
<炭化水素油>
本発明における前記炭化水素油としては、特に制限はなく、硫黄化合物や窒素化合物を含有する炭化水素類を広く包含するものであり、例えば、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分、接触分解軽油留分(LCO留分)、重油留分などの石油留分、さらに常圧蒸留残渣、減圧蒸留残渣などの残渣類が挙げられる。中でも、LGO留分、LCO留分、軽油留分など、沸点が200℃以上の炭化水素油が好ましく、沸点が240〜400℃の重質油がより好ましい。
<イオン液体>
前記イオン液体は、一般式(1)で表されるイミダゾリウム系カチオン、一般式(2)で表されるピリジニウム系カチオン、及び、一般式(3)で表されるピロリジニウム系カチオンの中から選ばれるから一種又は二種以上のカチオンと以下示すアニオンとから構成されるイオン液体である。
前記イオン液体は、一般式(1)で表されるイミダゾリウム系カチオン、一般式(2)で表されるピリジニウム系カチオン、及び、一般式(3)で表されるピロリジニウム系カチオンの中から選ばれるから一種又は二種以上のカチオンと以下示すアニオンとから構成されるイオン液体である。
一般式(1)における、R1,R3,R4は、水素原子、炭素数1〜25のアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、R2、R5の一方が炭素数2〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基を示す。
前記R1,R3,R4については、製造原料の入手容易性の観点から水素原子であるものが好ましい。また、R2、R5は、一方が炭素数2〜10のアルキル基であり、他方がメチル基であることが好ましい。
このようなイミダゾリウム系カチオンの好ましい具体例としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(1-n-Butyl-3-methylimidazolium;[BMIM])、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム(1-Hexyl-3-methylimidazolium;[HMIM])、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム(1-Octyl-3-methylimidazolium;[OMIM]]) 、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム(1-Decyl-3-methylimidazolium;[DMIM])などが挙げられる([ ]内は、略号を示す。以下同様)。
前記R1,R3,R4については、製造原料の入手容易性の観点から水素原子であるものが好ましい。また、R2、R5は、一方が炭素数2〜10のアルキル基であり、他方がメチル基であることが好ましい。
このようなイミダゾリウム系カチオンの好ましい具体例としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(1-n-Butyl-3-methylimidazolium;[BMIM])、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム(1-Hexyl-3-methylimidazolium;[HMIM])、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム(1-Octyl-3-methylimidazolium;[OMIM]]) 、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム(1-Decyl-3-methylimidazolium;[DMIM])などが挙げられる([ ]内は、略号を示す。以下同様)。
また、一般式(2)における、R6、R7は、炭素数1〜10のアルキル基を示す。当該R6、R7としては、一方が炭素数3〜10のアルキル基であり、他方がメチル基であるもの〔1−(炭素数3〜10のアルキル)−3−メチルピリジニウムカチオン〕が好ましい。
また、一般式(3)のおける、R8、R9は、炭素数1〜10のアルキル基を示す。当該R8、R9としては、一方が、炭素数3〜10のアルキル基であり、他方がメチル基であるもの〔1−(炭素数3〜10のアルキル)−3−メチルピロリジニウムカチオン〕が好ましい。
このような、ピリジニウムカチオンやピロリジニウムカチオンの具体例としては、1−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムなどが挙げられる。
また、一般式(3)のおける、R8、R9は、炭素数1〜10のアルキル基を示す。当該R8、R9としては、一方が、炭素数3〜10のアルキル基であり、他方がメチル基であるもの〔1−(炭素数3〜10のアルキル)−3−メチルピロリジニウムカチオン〕が好ましい。
このような、ピリジニウムカチオンやピロリジニウムカチオンの具体例としては、1−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムなどが挙げられる。
一方、本発明でイオン液体を構成するアニオンとしては、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド[TFSA-]、トリフルオロメタンスルフォネート[TfO-]、Cl-、Br-、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CF3SO3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンであり、好ましくは、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、である。中でも多環芳香族炭化水素の抽出率が高い点で、[TFSA-]、AlCl4 -が好ましい。
なお、イオン液体は、取扱いを容易にするために、溶剤、例えば、水、アルコール類、エーテル類、フェノール類等を配合しても良い。このような溶剤の配合量は、特に制限はないが、イオン液体と溶剤の混合物を規準で、通常20〜90質量%、好ましくは30〜80質量%の範囲で配合する。
<2相分離>
当該工程においては、前記炭化水素油と前記イオン液体を接触させて、2相に分離する。2相に分離する方法は、抽出処理によって行うのが好ましい。これによって、主として炭化水素油中の硫黄化合物や窒素化合物がイオン液体に抽出され、イオン液体相に移行し、その結果、硫黄化合物や窒素化合物とイオン液体を含む相と、それらを含まない相の2相に分離される。
当該工程においては、前記炭化水素油と前記イオン液体を接触させて、2相に分離する。2相に分離する方法は、抽出処理によって行うのが好ましい。これによって、主として炭化水素油中の硫黄化合物や窒素化合物がイオン液体に抽出され、イオン液体相に移行し、その結果、硫黄化合物や窒素化合物とイオン液体を含む相と、それらを含まない相の2相に分離される。
抽出処理の方法は、特に制限はないが、例えば以下の方法で行うことができる。
抽出塔等内に炭化水素油とイオン液体を導入し向流接触させることにより抽出対象物である硫黄化合物や窒素化合物を炭化水素油相からイオン液体相に移行させ、炭化水素油とイオン液体の密度差により、炭化水素油は塔頂からイオン液体を含む相は塔底から抜き出される。これによりイオン液体相に抽出されて存在していた硫黄化合物や窒素化合物を低減した炭化水素油(イオン液体を含まない相)を得ことができる。
なお、抽出処理は、バッチ処理で行うこともできる。例えば、まず、炭化水素油とイオン液体をほぼ同量容器に封入する。次いで、該容器を振動させて炭化水素油とイオン液体Bを混合した後、炭化水素油層とイオン液体相が分離して界面を形成するまで静置する。次いでイオン液体層相を吸引除去する。これによりイオン液体相に抽出されて存在していた硫黄化合物や窒素化合物を低減した炭化水素油(イオン液体を含まない相)を得ことができる。
上記2相分離処理(抽出処理)は、2回以上繰り返して行っても良い。すなわち多段抽出処理を行っても良い。これによって、さらに抽出率を高めることができる。
このようにして、炭化水素油から、硫黄化合物や窒素化合物を含んだイオン液体を分離することができる。
抽出塔等内に炭化水素油とイオン液体を導入し向流接触させることにより抽出対象物である硫黄化合物や窒素化合物を炭化水素油相からイオン液体相に移行させ、炭化水素油とイオン液体の密度差により、炭化水素油は塔頂からイオン液体を含む相は塔底から抜き出される。これによりイオン液体相に抽出されて存在していた硫黄化合物や窒素化合物を低減した炭化水素油(イオン液体を含まない相)を得ことができる。
なお、抽出処理は、バッチ処理で行うこともできる。例えば、まず、炭化水素油とイオン液体をほぼ同量容器に封入する。次いで、該容器を振動させて炭化水素油とイオン液体Bを混合した後、炭化水素油層とイオン液体相が分離して界面を形成するまで静置する。次いでイオン液体層相を吸引除去する。これによりイオン液体相に抽出されて存在していた硫黄化合物や窒素化合物を低減した炭化水素油(イオン液体を含まない相)を得ことができる。
上記2相分離処理(抽出処理)は、2回以上繰り返して行っても良い。すなわち多段抽出処理を行っても良い。これによって、さらに抽出率を高めることができる。
このようにして、炭化水素油から、硫黄化合物や窒素化合物を含んだイオン液体を分離することができる。
抽出対象物である硫黄化合物や窒素化合物を含んだイオン液体から、抽出対象物を取り除くには通常蒸留処理を行う。
また、イオン液体が磁性体を含む場合は、磁力を利用してイオン液体を含む相を吸引しても良い。
抽出対象物を取り除いたイオン液体は、抽出工程で再利用することができる。
また、イオン液体が磁性体を含む場合は、磁力を利用してイオン液体を含む相を吸引しても良い。
抽出対象物を取り除いたイオン液体は、抽出工程で再利用することができる。
本発明においては、抽出対象の硫黄化合物や窒素化合物をさらに選択して分離除去することができる。
炭化水素油から、硫黄化合物であるベンゾチオフェンやジベンゾチオフェンを選択して分離する方法について述べると、以下のとおりである。
炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程で、前記一般式(1)のR2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基にしたイミダゾリウム系カチオンと、前述したアニオンとの組み合わせたイオン液体Iを用いることで、ベンゾチオフェンの抽出効率を高めることができる。
また、イオン液体Iの炭素数2〜5のアルキル基を炭素数6〜10のアルキル基に置換えたイオン液体IIを用いると、ジベンゾチオフェンの抽出効率を高めることができる。
上記の現象は、イオン液体が、抽出対象の硫黄化合物が有する基と同一もしくは類似の官能基(アルキル基等)を持つことが好ましく、例えば、イオン液体が持つ官能基の長さが、抽出対象の硫黄化合物が持つ官能基より長い場合は、イオン液体で硫黄化合物を捕らえやすいことを示している。したがって、カチオンのアルキル基が長くなると、硫黄化合物の抽出率、特に芳香族系硫黄化合物の抽出率が向上する。
このような事実は、カチオンのアルキル基が長くなる事で、アニオンとカチオンで挟まれ(もしくは包接され)易くなる硫黄化合物の割合も多くなるためと考える。
したがって、官能基(アルキル基等)が異なるイオン液体を2種以上用いることにより、複数種の硫黄含有化合物を分離しつつ、炭化水素油から除去できることになる。
炭化水素油から、硫黄化合物であるベンゾチオフェンやジベンゾチオフェンを選択して分離する方法について述べると、以下のとおりである。
炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程で、前記一般式(1)のR2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基にしたイミダゾリウム系カチオンと、前述したアニオンとの組み合わせたイオン液体Iを用いることで、ベンゾチオフェンの抽出効率を高めることができる。
また、イオン液体Iの炭素数2〜5のアルキル基を炭素数6〜10のアルキル基に置換えたイオン液体IIを用いると、ジベンゾチオフェンの抽出効率を高めることができる。
上記の現象は、イオン液体が、抽出対象の硫黄化合物が有する基と同一もしくは類似の官能基(アルキル基等)を持つことが好ましく、例えば、イオン液体が持つ官能基の長さが、抽出対象の硫黄化合物が持つ官能基より長い場合は、イオン液体で硫黄化合物を捕らえやすいことを示している。したがって、カチオンのアルキル基が長くなると、硫黄化合物の抽出率、特に芳香族系硫黄化合物の抽出率が向上する。
このような事実は、カチオンのアルキル基が長くなる事で、アニオンとカチオンで挟まれ(もしくは包接され)易くなる硫黄化合物の割合も多くなるためと考える。
したがって、官能基(アルキル基等)が異なるイオン液体を2種以上用いることにより、複数種の硫黄含有化合物を分離しつつ、炭化水素油から除去できることになる。
難脱硫化合物であるベンゾチオフェン(BT)、ジベンゾチオフェン(DBT)を含む炭化水素油中から、それらを分離して抽出する方法としては、例えば、以下の方法が好ましい。すなわち、前記炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法において、下記の二段抽出工程を含むことを特徴とする、炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法である。
第一段;炭化水素油を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオンと、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体と接触させ、2相に分離する工程、
第二段;第一段で得られたイオン液体を含まない相を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数6〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオン、及び、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体接触させ、2相に分離する工程
第一段;炭化水素油を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオンと、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体と接触させ、2相に分離する工程、
第二段;第一段で得られたイオン液体を含まない相を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数6〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオン、及び、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体接触させ、2相に分離する工程
上記脱硫及び/又は脱窒素精製方法の具体例としては、以下の方法が挙げられる。
(1)[EMIM]/[TFSA-]をイオン液体Iとして使用し、まず炭化水素油と抽出操作を行い、通常の液液分離方法でイオン液体Iを分離する。もちろん、この操作は、分離して残った残液に再度イオン液体Iを加えて繰り返しても良い。
(2)前記(1)イオン液体Iを分離した後の残液に、[DMIM]/[TFSA-]であるイオン液体IIを加えて抽出操作を行い、イオン液体2を分離する。前記液液分離して残った残液に再度イオン液体IIを入れて操作を繰り返しても良い。
(3)前記(1)で分離したイオン液体Iを250〜300℃で蒸留することによって、主にBTを含む硫黄化合物が得られる。蒸留により回収されたイオン液体Iは再度、前記(1)の工程に用いてよい。
(4)前記(2)で分離したイオン液体IIを300〜400℃で蒸留することによって、主にDBTを含む硫黄化合物が得られる。蒸留により回収されたイオン液体は再度、前記(2)の工程に用いてもよい。
(1)[EMIM]/[TFSA-]をイオン液体Iとして使用し、まず炭化水素油と抽出操作を行い、通常の液液分離方法でイオン液体Iを分離する。もちろん、この操作は、分離して残った残液に再度イオン液体Iを加えて繰り返しても良い。
(2)前記(1)イオン液体Iを分離した後の残液に、[DMIM]/[TFSA-]であるイオン液体IIを加えて抽出操作を行い、イオン液体2を分離する。前記液液分離して残った残液に再度イオン液体IIを入れて操作を繰り返しても良い。
(3)前記(1)で分離したイオン液体Iを250〜300℃で蒸留することによって、主にBTを含む硫黄化合物が得られる。蒸留により回収されたイオン液体Iは再度、前記(1)の工程に用いてよい。
(4)前記(2)で分離したイオン液体IIを300〜400℃で蒸留することによって、主にDBTを含む硫黄化合物が得られる。蒸留により回収されたイオン液体は再度、前記(2)の工程に用いてもよい。
前記(1)でイオン液体Iを、[BMIM]/[TFSA-]や、[BMPYRR]/[TFSA-]に置換えると、[EMIM]/[TFSA-]を用いた場合に比べ、BTとDBTの抽出率がやや悪くなることもあるが、1回の抽出で脱硫できる硫黄量が多いため、抽出回数が少なくてすみ、経済的に有利である。
前記(2)でイオン液体IIを、[HMIM](一般式(1)のR2、R5の一方のアルキル基が炭素数6)〜[NMIM](同炭素数9)から選ばれる一種と[TFSA-]の組み合わせや、[BMPY]/[TFSA-]に置換えても良い。
したがって、BTとDBTを分離する場合は、イオン液体Iとイオン液体IIに用いるカチオンとしてのアルキルメチルイミダゾリウムのアルキル基の長さに差があり、前者が後者より長く、その差が、例えば、3以上、さらには5以上となるイオン液体IとIIを選択することが好ましい。
前記(2)でイオン液体IIを、[HMIM](一般式(1)のR2、R5の一方のアルキル基が炭素数6)〜[NMIM](同炭素数9)から選ばれる一種と[TFSA-]の組み合わせや、[BMPY]/[TFSA-]に置換えても良い。
したがって、BTとDBTを分離する場合は、イオン液体Iとイオン液体IIに用いるカチオンとしてのアルキルメチルイミダゾリウムのアルキル基の長さに差があり、前者が後者より長く、その差が、例えば、3以上、さらには5以上となるイオン液体IとIIを選択することが好ましい。
以下に本発明の実施例及び比較例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.実験に用いた炭化水素油
炭化水素油として、精製軽油(LGO)、接触分解軽油(LCO)及びモデル油を用いた。LGOとLCOの性状は、第1表に示す。また、モデル油は、二硫化炭素に第2表に示す溶質を各1000質量ppm溶解したものを用いた。
1.実験に用いた炭化水素油
炭化水素油として、精製軽油(LGO)、接触分解軽油(LCO)及びモデル油を用いた。LGOとLCOの性状は、第1表に示す。また、モデル油は、二硫化炭素に第2表に示す溶質を各1000質量ppm溶解したものを用いた。
〔注〕
第1表左欄の分析方法は以下の方法で測定したものである。
窒素量:JIS K 2609 化学発光法(三菱化学アナリテックTN−100)
硫黄量:JIS K 2541−6 紫外蛍光法(三菱化学アナリテックTS−100)
密度:JIS K 2249 振動式法(測定温度15℃)(DMA−45)
炭化水素タイプ分析:JPI−5S−49−07 HPLC(Agilen 1100)
第1表左欄の分析方法は以下の方法で測定したものである。
窒素量:JIS K 2609 化学発光法(三菱化学アナリテックTN−100)
硫黄量:JIS K 2541−6 紫外蛍光法(三菱化学アナリテックTS−100)
密度:JIS K 2249 振動式法(測定温度15℃)(DMA−45)
炭化水素タイプ分析:JPI−5S−49−07 HPLC(Agilen 1100)
2 用いたイオン液体
以下に示すカチオンとアニオンを第3表に示す組み合わせで用いたイオン液体を用いた。これらのイオン液体は、いずれも、アルドリッチ社製試薬を用いた。
カチオン
1−Ethyl−3−methylimidazolium;[EMIM]
1−n−Butyl−3−methylimidazolium;[BMIM]
1−Hexyl−3−methylimidazolium;[HMIM]
1−Octyl−3−methylimidazolium;[OMIM]
1−Dectyl−3−methylimidazolium;[DMIM]
1−Butyl−1−methylpyrrolidinium;[BMPYRR]
1−Butyl−3−methylpyridinium;[BMPY]
アニオン
bis(trifluoromethylsulfonyl)imide;[TFSA-]
tetrachloroaluminate;[AlCl4 -]
trifluoromethansulfonate;[TfO-]
以下に示すカチオンとアニオンを第3表に示す組み合わせで用いたイオン液体を用いた。これらのイオン液体は、いずれも、アルドリッチ社製試薬を用いた。
カチオン
1−Ethyl−3−methylimidazolium;[EMIM]
1−n−Butyl−3−methylimidazolium;[BMIM]
1−Hexyl−3−methylimidazolium;[HMIM]
1−Octyl−3−methylimidazolium;[OMIM]
1−Dectyl−3−methylimidazolium;[DMIM]
1−Butyl−1−methylpyrrolidinium;[BMPYRR]
1−Butyl−3−methylpyridinium;[BMPY]
アニオン
bis(trifluoromethylsulfonyl)imide;[TFSA-]
tetrachloroaluminate;[AlCl4 -]
trifluoromethansulfonate;[TfO-]
実施例1〜8、比較例1,2
表3に示すイオン液体(カチオンとアニオンの組合せ)を用い、炭化水素油としてのモデル油、LGO、及びLCOについてそれぞれ硫黄化合物と窒素化合物の抽出実験を行いそれぞれの抽出率(質量%)を測定した。
抽出実験は以下のように行った。
表3に示したイオン液体と炭化水素油またはモデル油を約0.3gずつ小型ポリ容器に入れ、ミキサーにて1分攪拌した。その後、遠心分離機にて抽出液と抽出残液を分離した。
但し、炭化水素油としてLGOを用いた場合は、前記抽出残液にフレッシュなイオン液体を質量比1:1で混合し、同様の抽出操作を4回繰返した。
得られた抽出残液について、各硫黄化合物と窒素化合物の分離定量を行い、それぞれについて抽出率を求めた。
モデル油の場合は、中に配合した各硫黄化合物と窒素化合物の量(各1000ppm)から、「抽出残液中の各硫黄化合物と窒素化合物の量」を差し引いて、イオン液体で抽出された各硫黄化合物と窒素化合物の抽出率(質量%)を求めた。
なお、各硫黄化合物と窒素化合物の分離定量は、ガスクロマトグラフィー−化学発光検出器(GC−CLD)を用いて測定した。
表3に示すイオン液体(カチオンとアニオンの組合せ)を用い、炭化水素油としてのモデル油、LGO、及びLCOについてそれぞれ硫黄化合物と窒素化合物の抽出実験を行いそれぞれの抽出率(質量%)を測定した。
抽出実験は以下のように行った。
表3に示したイオン液体と炭化水素油またはモデル油を約0.3gずつ小型ポリ容器に入れ、ミキサーにて1分攪拌した。その後、遠心分離機にて抽出液と抽出残液を分離した。
但し、炭化水素油としてLGOを用いた場合は、前記抽出残液にフレッシュなイオン液体を質量比1:1で混合し、同様の抽出操作を4回繰返した。
得られた抽出残液について、各硫黄化合物と窒素化合物の分離定量を行い、それぞれについて抽出率を求めた。
モデル油の場合は、中に配合した各硫黄化合物と窒素化合物の量(各1000ppm)から、「抽出残液中の各硫黄化合物と窒素化合物の量」を差し引いて、イオン液体で抽出された各硫黄化合物と窒素化合物の抽出率(質量%)を求めた。
なお、各硫黄化合物と窒素化合物の分離定量は、ガスクロマトグラフィー−化学発光検出器(GC−CLD)を用いて測定した。
[注]
BT :ベンゾチオフェン
BTx :炭素数xのアルキル基を持つベンゾチオフェン。x=2,3,4,5,6
DBT :ジベンゾチオフェン
DBTy :炭素数yのアルキル基を持つベンゾチオフェン。y=0, 1,2,3,4
BT :ベンゾチオフェン
BTx :炭素数xのアルキル基を持つベンゾチオフェン。x=2,3,4,5,6
DBT :ジベンゾチオフェン
DBTy :炭素数yのアルキル基を持つベンゾチオフェン。y=0, 1,2,3,4
[注]
アニリンx :炭素数xのアルキル基を持つアニリン。x=0,1,2
インドールy :炭素数yのアルキル基を持つインドール。y=0,1,2,3
カルバゾールz:炭素数zのアルキル基を持つカルバゾール。z=0,1,2,3+(3+は、炭素数3以上を示す。)
アニリンx :炭素数xのアルキル基を持つアニリン。x=0,1,2
インドールy :炭素数yのアルキル基を持つインドール。y=0,1,2,3
カルバゾールz:炭素数zのアルキル基を持つカルバゾール。z=0,1,2,3+(3+は、炭素数3以上を示す。)
表3より、本発明の実施例1〜9は、比較例1,2に比べ、硫黄化合物、窒素化合物の一方もしくは、その両方について抽出率が高いことが分る。また、本発明の実施例1〜9は、ジベンゾチオフェンの抽出率が高く、特に、硫黄化合物の抽出率については、イオン液体として、[DMIM]/[TFSA-]や[OMIM]/[TFSA-]、[BMIM]/[AlCl4 -]など炭素数4〜10のアルキル基を有するイミダゾリウム系カチオンを用いた場合、その効果は顕著である(第3表‐1実施例4、5,8)。
モデル油とLCOを用いた実施例1〜5を比較すると、カチオンのアルキル基が長くなると、硫黄化合物の抽出率が漸増することが判る。
LGOを用いた実施例1〜5を比較すると、同じイオン液体であれば、硫黄化合物に付くアルキル基が長くなる程、抽出効率が漸減している。これは、硫黄化合物が大きくなるにつれ、イオン液体の大きさが変わらないため、イオン液体が硫黄化合物を捕らえ難くなったと考えられる。この事は、LGOを用いた実施例1〜5で、硫黄化合物を同じにして、イオン液体同士で抽出率を比較すると、イオン液体の持つアルキル基が大きくなる程、硫黄化合物の抽出率が高くなることと符合する。
LGOを用いた実施例1〜5を比較すると、同じイオン液体であれば、硫黄化合物に付くアルキル基が長くなる程、抽出効率が漸減している。これは、硫黄化合物が大きくなるにつれ、イオン液体の大きさが変わらないため、イオン液体が硫黄化合物を捕らえ難くなったと考えられる。この事は、LGOを用いた実施例1〜5で、硫黄化合物を同じにして、イオン液体同士で抽出率を比較すると、イオン液体の持つアルキル基が大きくなる程、硫黄化合物の抽出率が高くなることと符合する。
本発明によれば、高温高圧装置を用いずに、温和な条件で、かつ水素を消費せずに効率よく炭化水素油の硫黄化合物及び/又は窒素化合物を除去できる脱硫及び/又は脱窒素精製方法を提供することができる。したがって、石油留分など精製工程の省エネ技術として有効に利用することができる。
Claims (4)
- 炭化水素油をイオン液体と接触させ、2相に分離する工程を含むことを特徴とする、炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法であって、前記イオン液体が、下記の一般式(1)
で表されるイミダゾリウム系カチオン、下記の一般式(2)
[R6R7−NC5H4]+ ・・・(2)
(式中、R6、R7は、炭素数1〜10のアルキル基を示す)
で表されるピリジニウム系カチオン、及び、下記の一般式(3)
[R8R9−NC4H7]+ ・・・(3)
(式中、R8、R9は、炭素数1〜10のアルキル基を示す)、
で表されるピロリジニウム系カチオンの中から選ばれるから一種又は二種以上のカチオンと
ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、Cl-、Br-、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体である、
炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。 - 前記アニオンがビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、もしくはAlCl4 -である、請求項1に記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。
- 前記カチオンが、1−(炭素数3〜10のアルキル)−3−メチルイミダゾリウムである、請求項1又は2に記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法において、下記の二段抽出工程を含むことを特徴とする、炭化水素油の脱硫及び/又は脱窒素精製方法。
第一段;炭化水素油を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数2〜5のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオンと、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体と接触させ、2相に分離する工程、
第二段;第一段で得られたイオン液体を含まない相を、前記一般式(1)において、R2、R5の一方が炭素数6〜10のアルキル基であり、他方が水素原子若しくはメチル基であるイミダゾリウム系カチオン、及び、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド、トリフルオロメタンスルフォネート、AlCl4 -、AlBr4 -、FeCl4 -、CuCl3 -、CH3SO4 -、CH3SO3 -及びC8H17SO3 -の中から選ばれる一種又は二種以上のアニオンから構成されるイオン液体接触させ、2相に分離する工程
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JP2009062124A JP2010215737A (ja) | 2009-03-13 | 2009-03-13 | 炭化水素油の脱硫もしくは脱窒素精製方法 |
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CN102212383A (zh) * | 2010-12-13 | 2011-10-12 | 扬州大学 | 离子液体用于油品脱硫的方法 |
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-
2009
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