JP2010215606A - 光学活性アミノアルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アミノアルコールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコールのより実用的な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態では、下記式(1)で表される化合物のオキサゾール部位を還元し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(2)で表される化合物を得る。
[式中、Rは一価の有機基を示し、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。]
Figure 2010215606

【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性アミノアルコールの製造方法に関し、より詳細には、末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコールの製造方法に関する。
光学活性1,2−アミノアルコールは、医薬品、キラルビルディングブロック、光学活性配位子、生化学研究試料等として幅広く利用される最も有用な有機分子の1つである。したがって、これらの化合物を迅速かつ簡便に供給する不斉合成法の開発は、非常に重要な研究課題である。
従来、末端水酸基を有する光学活性1,2−アミノアルコール(光学活性な2−アミノ−1−プロパノール型第1級アルコール)の製造方法としては、光学活性なアミノ酸を利用する方法が知られている。すなわち、光学活性な天然型構造を有する2−アミノ酸は入手が容易であるため、これら約20種類のカルボン酸の還元体である光学活性1,2−アミノアルコールを容易に得ることができる。
一方、末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコール(光学活性な1−アミノ−2−プロパノール型第2級アルコール)の効率的な製造方法は少なく、有効な製造方法の確立が求められている。
Tetrahedron:Asymmetry, 2003, 14, p.3297−3300 Org. Lett., 2004, 6, p.3973−3975
これまで、末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコールの製造方法としては、キラルなカルボン酸とのジアステレオマー塩形成による分割(非特許文献1)、あるいはラセミ型エポキシド/メソ型エポキシドのアンモノリシスによる不斉開環(非特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、非特許文献1の方法は基質一般性が低いという課題があった。また、非特許文献2の方法は、(1)窒素求核剤がエポキシドに攻撃する際の位置選択性が低い、(2)生成したアミノアルコールが再びエポキシドと反応して第2級アミンを生成する副反応が起こり得る、(3)反応性が一般に低く、目的物の収率が不十分である、といった課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコールのより実用的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、アミノ基に変換可能なベンゾオキサゾールをC−1位に有するラセミのカルビノール、あるいはラセミ第2級アルコール構造を有する乳酸誘導体を基質として速度論的光学分割を行い、得られた両エナンチオマーを適切に構造変換することで、末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコールへと誘導可能であることを見出した。そして、そのような知見から基質を一般化することにより、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のとおりである。
[1] 下記式(1)
Figure 2010215606
[式中、Rは一価の有機基を示し、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。]
で表される化合物のオキサゾール部位を還元し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(2)
Figure 2010215606
[式中、Rは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性アミノアルコールの製造方法。
[2] 下記式(1)
Figure 2010215606
[式中、Rは一価の有機基を示し、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。]
で表される化合物の水酸基を保護することにより下記式(3)
Figure 2010215606
[式中、Rは水酸基の保護基を示し、R、Arは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製し、次いでオキサゾール部位を還元することにより下記式(4)
Figure 2010215606
[式中、R、R、Arは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(5)
Figure 2010215606
[式中、R、Rは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製し、次いで水酸基の保護基を脱保護することにより下記式(2)
Figure 2010215606
[式中、Rは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性アミノアルコールの製造方法。
[3] 下記式(6)
Figure 2010215606
[式中、R、Arは上記式(1)と同じである。]
で表されるラセミ体の化合物を速度論的光学分割することにより上記式(1)で表される化合物を調製することを特徴とする上記[1]又は[2]記載の光学活性アミノアルコールの製造方法。
[4] 下記式(7)
Figure 2010215606
[式中、R、Rは一価の有機基を示す。]
で表される化合物のエステル基をアミド基に変換することにより下記式(8)
Figure 2010215606
[式中、Rは上記式(7)と同じである。]
で表される化合物を調製し、次いでアミド基を還元することにより下記式(2)
Figure 2010215606
[式中、Rは上記式(7)と同じである。]
で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性アミノアルコールの製造方法。
[5] 下記式(9)
Figure 2010215606
[式中、R、Rは上記式(7)と同じである。]
で表されるラセミ体の化合物を速度論的光学分割することにより上記式(7)で表される化合物を調製することを特徴とする上記[4]記載の光学活性アミノアルコールの製造方法。
本発明によれば、末端アミノ基を有する光学活性1,2−アミノアルコールをより実用的な方法で製造することができる。
≪第1の実施形態≫
本発明の第1の実施形態では、下記式(1)
Figure 2010215606
[式中、Rは一価の有機基を示し、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。]
で表される化合物のオキサゾール部位を還元し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(2)
Figure 2010215606
[式中、Rは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を得る。
上記式(1)で表される化合物は光学活性な第2級アルコールであり、ラセミ体の第2級アルコールを後述の方法で速度論的光学分割することにより調製することができる。
上記式(1)中、Rは一価の有機基を示す。一価の有機基としては、特に限定されず、任意のものを用いることができる。具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
ここで、上記式(1)で表される化合物を後述の方法により調製する場合、Rとしては、不斉炭素原子に隣接する原子が飽和炭素原子であるものが好ましい。これにより、上記式(1)で表される化合物を高いエナンチオ過剰率ee及び高い反応速度比sで調製することができる。これは、不斉炭素原子に隣接する炭素原子の有する多重結合がエステル生成反応の立体選択性に寄与しているところ、不斉炭素原子の両隣の原子が不飽和炭素原子である場合には、立体選択性が低下するためである。
なお、Rのうち、不斉炭素原子に隣接する原子が3重結合により他の原子と結合している場合、この3重結合をコバルト錯体で保護することにより、立体選択性を高めることができる。コバルト錯体としては、一酸化炭素を配位子とするコバルト錯体、トリフェニルホスフィンを配位子とするコバルト錯体等が挙げられる。
上記式(1)中、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。Arの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物のオキサゾール部位を還元するには、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の還元剤を好ましく用いることができる。還元剤の添加量は、特に限定されるものではないが、上記式(1)で表される化合物1当量に対して1〜5当量が用いられる。還元の際に用いる溶媒は、還元剤を不活化させないものであれば特に限定されない。具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられる。
オキサゾール部位の還元後、アミノ基の保護基を脱保護するには、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン等の酸化剤を好ましく用いることができる。酸化剤の添加量は、特に限定されるものではないが、上記式(1)で表される化合物1当量に対して1〜5当量が用いられる。脱保護の際に用いる溶媒は、酸化剤を不活化させないものであれば特に限定されない。具体的には、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、メタノール等の水と混ざり合う溶媒が挙げられる。
このようにしてアミノ基の保護基を脱保護した後は、一般的な単離精製法を用いて、上記式(2)で表される化合物を単離すればよい。具体的には、処理液を塩基性にしてから目的の化合物を有機溶媒で抽出し、濃縮・クロマト精製・晶析等の一般的な精製法を組み合わせて単離することができる。
以下、上記式(1)で表される化合物の調製方法について説明する。
上記式(1)で表される化合物は、本発明者らによる文献(I. Shiina, K. Nakata, Tetrahedron Lett., 2007, 48, p.8314)を参考に、下記式(6)で表されるラセミ体の化合物(上記式(1)で表される化合物のラセミ体)を速度論的光学分割することにより調製することができる。具体的には、下記式(6)で表されるラセミ体の化合物とカルボン酸とを、不斉エステル化触媒及びカルボン酸無水物の存在下で反応させ、ラセミ体の化合物のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することにより、他方のエナンチオマーとして得ることができる。
Figure 2010215606
[式中、R、Arは上記式(1)と同じである。]
上記カルボン酸としては、特に限定されず、任意のものを用いることができる。例えば、RCOOHで表されるカルボン酸において、Rがアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基等であるものが挙げられる。
上記不斉エステル化触媒としては、下記式(a)〜(d)のいずれかで表されるものを好適に用いることができる。
Figure 2010215606
上記式(a)〜(d)中、Xは下記の置換基のいずれかを示す。Rはアルキル基、アシル基、シリル基等の保護基である。
Figure 2010215606
上記式(a)〜(d)で表される不斉エステル化触媒のうち、上記式(a)、(b)で表され、Xがフェニル基である触媒は、それぞれ(+)−テトラミソール、(−)−テトラミソールと称される。また、上記式(c)、(d)で表され、Xがフェニル基である触媒は、それぞれ(+)−ベンゾテトラミソール、(−)−ベンゾテトラミソールと称される。これらの触媒は、市販品として入手することもでき、Xで表される置換基を側鎖として有するアミノ酸を用いて合成することもできる。
上記カルボン酸無水物は、脱水縮合剤として作用する。カルボン酸無水物としては、安息香酸、フェニル基にアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシアルキル基等の電子供与性基が結合した安息香酸、又はα位が4級炭素である多置換カルボン酸から得られるものが好ましく、安息香酸、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が結合した1〜3置換の安息香酸、ピバル酸、1−フェニル−1−シクロペンタンカルボン酸、2−メチル−2−フェニルプロピオン酸、又は2,2−ジフェニルプロピオン酸から得られるものがより好ましい。
上記式(1)で表される化合物の調製は、溶媒中に、上記式(6)で表される化合物、カルボン酸、不斉エステル化触媒、及びカルボン酸無水物を添加することによって行われる。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルキル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン(ベンゾトリフルオライド)、ベンゼン等の芳香族化合物が挙げられる。また、反応進行に伴って生成するカルボン酸無水物由来の酸を中和するため、反応系内に塩基を添加することが好ましい。この塩基としては、求核性を有さない有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)が好ましい。
溶媒中への添加順序は任意であるが、カルボン酸を含む溶液中に、カルボン酸無水物、塩基、不斉エステル化触媒、上記式(6)で表される化合物を順次加えることが好ましい。
それぞれの添加量は、特に限定されるものではないが、上記式(6)で表される化合物1当量に対して、カルボン酸0.5〜0.75当量、不斉エステル化触媒1〜10モル%、カルボン酸無水物0.6〜1.2当量、塩基1.2〜2.4当量が用いられる。
反応温度は−23〜30℃が好ましく、反応時間は10分間〜48時間が好ましい。
このようにして上記式(6)で表される化合物を速度論的光学分割した後は、必要に応じて上記式(1)で表される化合物の濃縮処理を行い、エナンチオ過剰率eeをさらに高めてもよい。具体的には、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒、石油エーテル/ジクロロメタン混合溶媒、あるいは石油エーテル/ジエチルエーテル混合溶媒より再結晶することで、光学的に純粋な化合物を得ることができる。
≪第2の実施形態≫
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態で説明した製造方法の迂回ルートに相当する。この実施形態では、まず上記式(1)で表される化合物の水酸基を保護することにより下記式(3)
Figure 2010215606
[式中、Rは水酸基の保護基を示し、R、Arは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製する。
この水酸基の保護は、一般的な方法で行えばよい。保護基としては、ベンジル基、アルキル基、アセタール基、シリル基等が挙げられる。
次いで上記式(3)で表される化合物のオキサゾール部位を還元することにより下記式(4)
Figure 2010215606
[式中、R、R、Arは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(5)
Figure 2010215606
[式中、R、Rは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製する。
オキサゾール部位の還元やアミノ基の保護基の脱保護は、第1の実施形態と同様にして行うことができる。
次いで上記式(5)で表される化合物の水酸基の保護基を脱保護することにより上記式(2)で表される化合物を得る。この水酸基の脱保護は、一般的な方法で行えばよい。具体的には、パラジウムを触媒とした水素添加反応等を利用することができる。
このようにして水酸基の保護基を脱保護した後は、一般的な単離精製法を用いて、上記式(2)で表される化合物を単離すればよい。具体的には、処理液を塩基性にしてから目的の化合物を有機溶媒で抽出し、濃縮・クロマト精製・晶析等の一般的な精製法を組み合わせて単離することができる。
なお、上記式(5)で表される化合物は水酸基が保護されたアミノアルコールであるが、アミノ基が保護されたアミノアルコールも容易に調製することができる。
具体的には、上記式(5)で表される化合物のアミノ基を保護することにより下記式(10)
Figure 2010215606
[式中、Rはアミノ基の保護基を示し、R、Rは上記式(1)と同じである。]
で表される化合物を調製し、次いで上記式(10)で表される化合物の水酸基の保護基を脱保護することにより下記式(11)
Figure 2010215606
[式中、R、Rは上記式(10)と同じである。]
で表される化合物を得ることができる。このアミノ基の保護は、一般的な方法で行えばよい。保護基としては、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。水酸基の脱保護については上述と同様である。
≪第3の実施形態≫
本発明の第3の実施形態では、まず下記式(7)
Figure 2010215606
[式中、R、Rは一価の有機基を示す。]
で表される化合物のエステル基をアミド基に変換することにより下記式(8)
Figure 2010215606
[式中、Rは上記式(7)と同じである。]
で表される化合物を調製する。
上記式(7)で表される化合物は光学活性な2−ヒドロキシエステルであり、ラセミ体の2−ヒドロキシエステルを後述の方法で速度論的光学分割することにより調製することができる。
上記式(7)中、R、Rは一価の有機基を示す。一価の有機基としては、特に限定されず、任意のものを用いることができる。具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
ここで、上記式(7)で表される化合物を後述の方法により調製する場合、上記式(1)で表される化合物と同様に、Rとしては、不斉炭素原子に隣接する原子が飽和炭素原子であるものが好ましい。これにより、上記式(7)で表される化合物を高いエナンチオ過剰率ee及び高い反応速度比sで調製することができる。また、上述したように、Rのうち、不斉炭素原子に隣接する原子が3重結合により他の原子と結合している場合、この3重結合をコバルト錯体で保護することにより、立体選択性を高めることができる。
上記式(7)で表される化合物のエステル基をアミド基に変換するには、例えばアンモニアを作用させればよい。
次いで上記式(8)で表される化合物のアミド基を還元することにより上記式(2)で表される化合物を得る。このアミド基の還元は、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の還元剤を好ましく用いることができる。
このようにしてアミド基を還元した後は、一般的な単離精製法を用いて、上記式(2)で表される化合物を単離すればよい。具体的には、処理液を塩基性にしてから目的の化合物を有機溶媒で抽出し、濃縮・クロマト精製・晶析等の一般的な精製法を組み合わせて単離することができる。
以下、上記式(7)で表される化合物の調製方法について説明する。
上記式(7)で表される化合物は、下記式(9)で表されるラセミ体の化合物(上記式(7)で表される化合物のラセミ体)を速度論的光学分割することにより調製することができる。具体的には、下記式(9)で表されるラセミ体の化合物とカルボン酸とを、不斉エステル化触媒及びカルボン酸無水物の存在下で反応させ、ラセミ体の化合物のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することにより、他方のエナンチオマーとして得ることができる。
Figure 2010215606
[式中、R、Rは上記式(7)と同じである。]
カルボン酸、不斉エステル化触媒、及びカルボン酸無水物については第1の実施形態と同様である。
上記式(7)で表される化合物の調製は、溶媒中に、上記式(9)で表される化合物、カルボン酸、不斉エステル化触媒、及びカルボン酸無水物を添加することによって行われる。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルキル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン(ベンゾトリフルオライド)、ベンゼン等の芳香族化合物が挙げられる。また、反応進行に伴って生成するカルボン酸無水物由来の酸を中和するため、反応系内に塩基を添加することが好ましい。この塩基としては、求核性を有さない有機塩基(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)が好ましい。
溶媒中への添加順序は任意であるが、カルボン酸及びカルボン酸無水物を含む溶液中に、塩基、不斉エステル化触媒、上記式(9)で表される化合物を順次加えることが好ましい。
それぞれの添加量は、特に限定されるものではないが、上記式(9)で表される化合物1当量に対して、カルボン酸0.5〜0.75当量、不斉エステル化触媒1〜10モル%、カルボン酸無水物0.6〜1.2当量、塩基1.2〜2.4当量が用いられる。
反応温度は−23〜30℃が好ましく、反応時間は10分間〜48時間が好ましい。
このようにして上記式(9)で表される化合物を速度論的光学分割した後は、必要に応じて上記式(7)で表される化合物の濃縮処理を行い、エナンチオ過剰率eeをさらに高めてもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
≪ラセミ体の第2級アルコールの速度論的光学分割(1)≫
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、ラセミ体の第2級アルコールを含むジクロロメタン溶液に対して、0.50当量の3−フェニルプロピオン酸、1.2当量のジイソプロピルエチルアミン、5モル%の(+)−ベンゾテトラミソール((+)−BTM)、及び0.60当量のカルボン酸無水物を室温で順次添加した。カルボン酸無水物としては、安息香酸無水物(BzO)、p−メトキシ安息香酸無水物(PMBA)、ピバル酸無水物(PivO)のいずれかを用いた。そして、反応混合液を室温で12時間反応させることにより、対応する光学活性なエステル及び未反応の第2級アルコールを得た。結果を表1に示す。
なお、エナンチオ過剰率eeはキラルカラムによるHPLC分析法により決定した。また、反応速度比sは、Kaganらの方法(Top. Stereochem., 1988, 18, p.249−330)に従い、s=[ln(1−C)(1−生成物のee)]/[ln(1−C)(1+生成物のee)]として算出した。
Figure 2010215606
表1から分かるように、上記反応式におけるArの種類、縮合位置やカルボン酸無水物の種類によらず、比較的高いエナンチオ過剰率ee及び反応速度比sで、ラセミ体の第2級アルコールを速度論的光学分割し、対応する光学活性なエステル及び未反応の第2級アルコールを得ることができた。
以下、表1における光学分割方法、並びに光学活性なエステル及び第2級アルコールの物性値を示す。
<1−(ベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)エタノールの速度論的光学分割(エントリー3)>
ラセミ体の1−(ベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)エタノール(44.1mg,0.270mmol)のジクロロメタン溶液(1.40mL)に対して、3−フェニルプロピオン酸(20.4mg,0.135mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(57.0μL,0.327mmol)、(+)−ベンゾテトラミソール(3.4mg,0.0135 mmol)、及びピバル酸無水物(33.0μL,0.162mmol)、を室温で順次加えた。反応混合液を室温で12時間撹拌した後、飽和重曹水で反応を停止した。酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を用いて分取することにより、対応する光学活性なエステル(24.0mg,29%,88%ee)及び未反応の第2級アルコール(32.1mg,72%,38%ee)を得た。反応速度比sは21.8であった。
[(R)−1−(ベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)エチル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=30.0min(93.8%),t=36.5min(6.2%);
H NMR(CDCl):δ
7.72−7.62(m,1H,Ph),
7.50−7.40(m,1H,Ph),
7.35−7.06(m,7H,Ph),
6.04(q,J=6.6Hz,1H,1−H),
2.93(t,J=7.8Hz,2H,2’−H),
2.84−2.66(m,2H,3’−H),
1.65(d,J=6.6Hz,3H,2−H).
[(S)−1−(ベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)エタノール]
HPLC(CHIRALPAK IC,i−PrOH/hexane=1/100,flow rate=0.5mL/min):t=114.0min(69.0%),t=132.9min(31.0%).
<1−(ナフト[2,1−d]オキサゾル−2−イル)エタノールの速度論的光学分割(エントリー6)>
ラセミ体の1−(ナフト[2,1−d]オキサゾル−2−イル)エタノールを用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(R)−1−(ナフト[2,1−d]オキサゾル−2−イル)エチル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=36.0min(91.4%),t=44.3min(8.6%);
H NMR(CDCl):δ
8.10(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.87(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.69(dd,J=16,9.0Hz,2H,Ph),
7.56−7.49(m,1H,Ph),
7.48−7.41(m,1H,Ph),
7.22−7.00(m,5H,Ph),
6.15(q,J=7.0Hz,1H,1−H),
2.93(t,J=8.0Hz,2H,2’−H),
2.68(ddd,J=17,8.0,8.0Hz,2H,3’−H),
1.70(d,J=6.5Hz,3H,2−H).
[(S)−1−(ナフト[2,1−d]オキサゾル−2−イル)エタノール]
HPLC(CHIRALPAK AS−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min):t=47.6min(79.0%),t=57.1min(21.0%).
<1−(ナフト[2,3−d]オキサゾル−2−イル)エタノールの速度論的光学分割(エントリー9)>
ラセミ体の1−(ナフト[2,3−d]オキサゾル−2−イル)エタノールを用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(R)−1−(ナフト[2,3−d]オキサゾル−2−イル)エチル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK AD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min):t=24.0min(92.8%),t=36.7min(7.2%);
H NMR(CDCl):δ
8.10(s,1H,Ph),
7.98−7.78(m,3H,Ph),
7.50−7.35(m,2H,Ph),
7.27−7.08(m,5H,Ph),
6.08(q,J=6.9Hz,1H,1−H),
2.95(t,J=7.8Hz,2H,2’−H),
2.81−2.62(m,2H,3’−H),
1.69(d,J=6.9Hz,3H,2−H).
[(S)−1−(ナフト[2,3−d]オキサゾル−2−イル)エタノール]
HPLC(CHIRALPAK AS−H,i−PrOH/hexane=1/20,flow rate=1.0mL/min):t=26.1min(26.5%),t=30.0min(73.5%).
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)エタノールの速度論的光学分割(エントリー12)>
ラセミ体の1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)エタノールを用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(R)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)エチル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK OJ−H,i−PrOH/hexane=1/4,flow rate=1.0mL/min):t=20.2min(6.7%),t=29.8min(93.3%);
H NMR(CDCl):δ
8.41(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.87(d,J=8.5Hz,1H,Ph),
7.72(d,J=8.5Hz,1H,Ph),
7.63−7.53(m,2H,Ph),
7.46(t,J=7.5Hz,1H,Ph),
7.23−7.02(m,5H,Ph),
6.15(q,J=7.0Hz,1H,1−H),
2.93(t,J=8.0Hz,2H,2’−H),
2.68(ddd,J=17,8.0,8.0Hz,2H,3’−H),
1.71(d,J=7.0Hz,3H,2−H).
[(S)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)エタノール]
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min):t=47.0min(86.4%),t=72.4min(13.6%).
以下、表1におけるラセミ体の第2級アルコールの調製方法及び物性値を示す。
<1−(ベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)エタノールの調製(エントリー1〜3)>
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、乳酸(純度90%)(2.00g,20.0mmol)及びアミノフェノール(2.29g,21.0mmol)を含むキシレン溶液(30.0mL)を165℃で14時間加熱還流した。室温まで冷却後、アルミナシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1から開始し、途中でクロロホルム/メタノール=9/1に変更)を用いて分取し、次いで減圧蒸留することにより、対応する第2級アルコール(493mg,15%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
7.64−7.57(m,1H,Ph),
7.43−7.37(m,1H,Ph),
7.27−7.19(m,2H,Ph),
5.06(qd,J=6.5,6.3Hz,1H,1−H),
4.53(brs,1H,OH),
1.63(d,J=6.5Hz,3H,2−H).
<1−(ナフト[2,1−d]オキサゾル−2−イル)エタノールの調製(エントリー4〜6)>
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、エントリー1〜3と同様にして、1−(ナフト[2,1−d]オキサゾル−2−イル)エタノールを調製した。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.09(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.85(d,J=8.4Hz,1H,Ph),
7.74−7.36(m,4H,Ph),
5.17(qd,J=6.9,6.3Hz,1H,1−H),
4.18−3.85(m,1H,OH),
1.73(d,J=6.9Hz,3H,2−H).
<1−(ナフト[2,3−d]オキサゾル−2−イル)エタノールの調製(エントリー7〜9)>
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、エントリー1〜3と同様にして、1−(ナフト[2,3−d]オキサゾル−2−イル)エタノールを調製した。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.07(s,1H,Ph),
7.98−7.77(m,3H,Ph),
7.51−7.35(m,2H,Ph),
5.25−5.00(m,1H,1−H),
3.51−3.25(m,1H,OH),
1.70(d,J=6.9Hz,3H,2−H).
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)エタノールの調製(エントリー10〜12)>
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、エントリー1〜3と同様にして、1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)エタノールを調製した。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.48(dt,J=8.4,0.6Hz,1H,Ph),
7.95(d,J=8.4Hz,1H,Ph),
7.77(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.72−7.57(m,2H,Ph),
7.53(ddd,J=8.0,6.9,1.5Hz,1H,Ph),
5.26(qd,J=6.6,6.0Hz,1H,1−H).
4.18−3.82(m,1H,OH),
1.79(d,J=6.6Hz,3H,2−H).
≪ラセミ体の第2級アルコールの速度論的光学分割(2)≫
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、0.50当量の3−フェニルプロピオン酸を含むジクロロメタン溶液に対して、0.60当量のカルボン酸無水物、1.2当量のジイソプロピルエチルアミン、5モル%の(+)−ベンゾテトラミソール((+)−BTM)、及びラセミ体の第2級アルコールを室温で順次加えた。そして、反応混合液を室温で12時間反応させることにより、対応する光学活性なエステル及び未反応の第2級アルコールを得た。結果を表2に示す。
Figure 2010215606
表2から分かるように、上記反応式におけるRの種類によらず、比較的高いエナンチオ過剰率ee及び反応速度比sで、ラセミ体の第2級アルコールを速度論的光学分割し、対応する光学活性なエステル及び未反応の第2級アルコールを得ることができた。
以下、表2における速度論的光学分割方法、並びに光学活性なエステル及び第2級アルコールの物性値を示す。
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オールの速度論的光学分割(エントリー14)>
3−フェニルプロピオン酸(15.1mg,0.100mmol)のジクロロメタン溶液(1.0mL)に対して、ピバル酸無水物(24.0μL,0.180mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(42.0μL,0.241mmol)、(+)−ベンゾテトラミソール(2.5mg,9.91μmol)、及び1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オール(60.7mg,0.200mmol)を室温で順次加えた。反応混合液を室温で12時間撹拌した後、飽和重曹水で反応を停止した。酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いて分取することにより、対応する光学活性なエステル(38.8mg,45%,86%ee)及び未反応の第2級アルコール(33.5mg,55%,75%ee)を得た。反応速度比sは29.8であった。
[(R)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロピル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK AS−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=24.1min(7.1%),t=28.3min(92.9%);
H NMR(CDCl):δ
8.41(d,J=8.5Hz,1H,Ph),
7.86(d,J=8.5Hz,1H,Ph),
7.70(d,J=9.5Hz,1H,Ph),
7.60−7.52(m,2H,Ph),
7.48−7.38(m,1H,Ph),
7.23−7.00(m,10H,Ph),
6.03(t,J=7.0Hz,1H,1−H),
2.92(t,J=8.0Hz,2H,2’−H),
2.76−2.57(m,2H,2,3’−H),
2.39(dd,J=15,7.5Hz,2H,3−H).
[(S)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オール]
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min):t=28.9min(87.8%),t=37.6min(12.3%).
<2−メチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オールの速度論的光学分割(エントリー15)>
ラセミ体の2−メチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オールを用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(R)−2−メチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロピル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK AS−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=16.3min(8.7%),t=28.0min(91.3%);
H NMR(CDCl):δ
8.43(d,J=8.4Hz,1H,Ph),
7.88(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.73(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.65−7.53(m,2H,Ph),
7.52−7.42(m,1H,Ph),
7.23−7.03(m,5H,Ph),
5.77(d,J=6.9Hz,1H,1−H),
2.94(t,J=7.8Hz,2H,2’−H),
2.82−2.65(m,2H,3’−H),
2.43(qd,J=6.8,6.8Hz,1H,2−H),
0.98(d,J=6.8Hz,3H,3−H),
0.91(d,J=6.8Hz,3H,3−H).
[(S)−2−メチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オール]
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/20,flow rate=0.5mL/min):t=29.8min(85.5%),t=38.4min(14.5%).
<2,2−ジメチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オールの速度論的光学分割(エントリー16)>
ラセミ体の2,2−ジメチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オールを用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(R)−2,2−ジメチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロピル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK AS−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=13.5min(6.0%),t=18.5min(94.0%);
H NMR(CDCl):δ
8.47(dd,J=8.7,0.6Hz,1H,Ph),
7.94(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.73(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.66−7.54(m,2H,Ph),
7.53−7.43(m,1H,Ph),
7.25−7.04(m,5H,Ph),
5.70(s,1H,1−H),
3.02−2.88(m,2H,2’−H),
2.85−2.65(m,2H,3’−H),
1.04(s,9H,Bu)
[(S)−2,2−ジメチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オール]
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/20,flow rate=0.5mL/min):t=27.8min(86.6%),t=34.9min(13.4%).
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ブチ−3−エン−1−オールの速度論的光学分割(エントリー17)>
ラセミ体の1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ブチ−3−エン−1−オールを用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(R)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ブチ−3−エニル 3−フェニルプロパノエート]
HPLC(CHIRALPAK AS−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=21.9min(9.7%),t=38.4min(90.3%);
H NMR(CDCl):δ
8.42(d,J=8.5Hz,1H,Ph),
7.87(d,J=8.5Hz,1H,Ph),
7.72(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.62−7.53(m,2H,Ph),
7.46−7.43(m,1H,Ph),
7.20−7.05(m,5H,Ph),
6.10(t,J=7.0Hz,1H,1−H),
5.71(tdd,J=8.5,14.0,10.0Hz,1H,3−H),
5.84(d,J=14.0Hz,1H,4−H),
5.01(d,J=10.0Hz,1H,4−H),
2.99−2.76(m,4H,2,2’−H),
2.74−2.62(m,2H,3’−H).
[(S)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ブチ−3−エン−1−オール]
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/9,flow rate=0.5mL/min):t=17.1min(86.4%),t=21.2min(13.6%).
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ヘプト−2−イン−1−オール コバルト化錯体の速度論的光学分割(エントリー18)>
ラセミ体の1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ヘプト−2−イン−1−オールのコバルト化錯体を用いて、上述と同様にして速度論的光学分割を行った。
[(S)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ヘプト−2−イニル 3−フェニルプロパノエート コバルト化錯体]
H NMR(CDCl):δ
8.48(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
8.08−7.00(m,11H,1−H,Ph),
3.18−2.72(m,6H,4,2’,3’−H),
1.80−1.33(m,4H,5,6−H),
0.92(brs,3H,7−H).
[(R)−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ヘプト−2−イン−1−オール コバルト化錯体]
HPLC(CHIRALPAK IC,i−PrOH/hexane=1/100,flow rate=0.5mL/min):t=19.8min(47.7%),t=76.4min(52.3%).
得られたコバルト錯体化第2級アルコールは、以下のようにして脱錯体化した。
すなわち、コバルト錯体化第2級アルコール(47.8mg,0.0685mmol)のアセトン溶液(1.4mL)に対して、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(188mg,0.343mmol)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で1時間撹拌し、水を0℃で加えて反応を停止した。酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、対応するアルコール(27.2mg,97%,88%ee)を得た。物性値は以下のとおりである。
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=34.4min(6.1%),t=54.2min(93.9%).
以下、表2におけるラセミ体の第2級アルコールの調製方法及び物性値を示す。
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オールの調製(エントリー14)>
Figure 2010215606
まず上記反応式に示すように、1−アミノ−2−ナフトール塩酸塩(4.92g,25.0mmol)のジメチルホルムアミド溶液(25.0mL)に対して、オルトギ酸トリメチル(3.30mL,30.2mmol)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(23.8mg,0.125mmol)を0℃で加えた。反応混合液を室温で17.5時間撹拌した後、0℃で水を加えて反応を停止した。ジクロロメタンを加えて有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を混合し、水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)を用いて分取することにより、対応するナフトオキサゾール(3.83g,91%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.53(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
8.23(s,1H,2−H)
7.96(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.82(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.76−7.63(m,2H,Ph),
7.55(ddd,J=8.3,6.9,1.3Hz,1H,Ph).
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、マグネシウム(58.4mg,2.40mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10.0mL)に対して、1,2−ジブロモエタン(0.070mL,0.812mmol)を室温で加えた。反応混合液に0℃でテトラヒドロフラン(20.0mL)及びn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.64M,1.82mL,4.80mmol)を加えた。反応混合液を0℃で1時間撹拌した後、ナフト[1,2−d]オキサゾール(814mg,4.81mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4.0mL)を加えた。反応混合液を0℃で1時間撹拌した後、3−フェニルプロピオンアルデヒド(0.633mL,4.81mmol)を加えた。反応混合液を0℃で15.5時間撹拌した後、0℃で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて分取することにより、対応する第2級アルコール(432mg,44%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.50(d,J=8.4Hz,1H,Ph),
7.95(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.76(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.70−7.48(m,3H,Ph),
7.37−7.13(m,5H,Ph),
5.12(t,J=6.3Hz,1H,1−H),
4.39(brs,1H,OH),
3.02−2.77(m,2H,2−H),
2.55−2.30(m,2H,3−H).
<2−メチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オールの調製(エントリー15)>
Figure 2010215606
まず上記反応式に示すように、シュウ酸ジメチル(25.0g,0.212mol)及び五塩化リン(48.5g,0.233mol)の混合物を135℃で32時間撹拌した後、室温に冷却した。反応混合液から副成した塩化ホスホリルを加熱減圧下(40℃,12mmHg)で除去することにより、対応する塩化物の粗製体を得た。
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、粗製体のメチル2,2−ジクロロ−2−メトキシアセテートのジエチルエーテル溶液(100mL)に対して、0℃でメタノール(30.0mL)、次いでピリジン(30.0 mL)をそれぞれ30分間かけて滴下した。反応混合液を室温で15.5時間撹拌した後、さらに45℃で6.5時間撹拌した。反応混合液を室温に冷却した後、セライト濾過し、得られた混合液を3N硫酸で洗浄し、ジエチルエーテルを加えて有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物を減圧蒸留(18mmHg,70℃)することにより、対応するメチルトリメトキシアセテート(19.4g,56%)を得た。
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、1−アミノ−2−ナフトール塩酸塩(2.51g,12.8mmol)のジメチルホルムアミド溶液(10.0mL)に対して、メチルトリメトキシアセテート(3.23g,19.2mmol)のジメチルホルムアミド溶液(2.80mL)、及びp−トルエンスルホン酸一水和物(48.5mg,0.255mmol)を室温で加えた。反応混合液を50℃で4.5時間撹拌した後、0℃で水を加えて反応を停止した。酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合し、水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて分取することにより、対応するナフトオキサゾールのメチルエステル(1.88g,65%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.60(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
8.05−7.85(m,2H,Ph),
7.82−7.51(m,3H,Ph),
4.12(s,3H,Me).
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、メチルナフト[1,2−d]オキサゾル−2−カルボキシレート(2.44g,10.7mmol)のジクロロメタン溶液(71.7mL)に対して、水素化ジイソブチルアルミニウムのジクロロメタン溶液(1.0M,11.8mL,11.8mmol)を−78℃で10分間かけて滴下した。反応混合液を−78℃で10分間撹拌した後、−45℃で5.5時間撹拌した。この間、原料の消失を確認するまで水素化ジイソブチルアルミニウムのジクロロメタン溶液(1.0M,5.40mL,5.40mmol)をさらに加えた。反応混合液にメタノールを加えて反応を停止し、飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液及びジクロロメタンを加えて室温に昇温し、有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで3回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)を用いて分取することにより、対応するアルデヒド(1.37g,65%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
9.64(s,1H,CHO)
8.70(dd,J=8.1,0.6Hz,1H,Ph),
7.63(d,J=8.4Hz,1H,Ph),
7.54−7.37(m,2H,Ph),
7.32(ddd,J=8.1,7.1,1.3Hz,1H,Ph),
7.16(d,J=9.0Hz,1H,Ph).
Figure 2010215606
塩化セリウム七水和物(3.76g,10.1mmol)を90℃で1時間、次いで140℃で2時間減圧(<0.4mmHg)乾燥し、0℃に冷却後、テトラヒドロフラン(33.7mL)を加えて19時間室温で撹拌したものを無水塩化セリウムのテトラヒドロフラン溶液として用いた。上記反応式に示すように、この無水塩化セリウム(2.49g,10.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(33.7mL)に対して、イソプロピルマグネシウムクロライドのジエチルエーテル溶液(2.0M,5.00mL,10.0mmol)を−78℃で加えた。反応混合液を−78℃で1時間撹拌した後、ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−カルボアルデヒド(664mg,3.37mmol)を加えた。反応混合液を−78℃で4時間撹拌した後、10%酢酸水溶液を−78℃で加えて、室温まで昇温して反応を停止した。酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合し、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて分取することにより、対応する第2級アルコール(230mg,28%)を得た。さらに、石油エーテル/ジクロロメタン混合溶媒(3/1)より再結晶を行い、第2級アルコール(149mg,18%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.41(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.88(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.71(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.63−7.53(m,2H,Ph),
7.51−7.42(m,1H,Ph),
4.77(d,J=4.0Hz,1H,1−H),
2.94(brs,1H,OH),
2.40−2.20(m,1H,2−H),
0.99(d,J=7.0Hz,3H,3−H),
0.98(d,J=7.0Hz,3H,3−H).
<2,2−ジメチル−1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)プロパン−1−オールの調製(エントリー16)>
Figure 2010215606
塩化セリウム七水和物(5.67g,15.2mmol)を90℃で1時間、次いで140℃で2時間減圧(0.3mmHg)乾燥し、0℃に冷却後、テトラヒドロフラン(50.7mL)を加えて13時間室温で撹拌したものを無水塩化セリウムのテトラヒドロフラン溶液として用いた。上記反応式に示すように、この無水塩化セリウム(3.75g,15.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(50.7mL)に対して、t−ブチルリチウムのn−ペンタン溶液(1.59M,9.60mL,15.3mmol)を−78℃で加えた。反応混合液を−78℃で5時間撹拌した後、ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−カルボアルデヒド(1.00g,5.67mmol)を加えた。反応混合液を−78℃で3時間撹拌した後、10%酢酸水溶液を−78℃で加えて、室温まで昇温して反応を停止した。酢酸エチルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合し、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)次いでシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=50/1)を用いて分取することにより、対応する第2級アルコール(391mg、30%)を得た。さらに、石油エーテル/ジクロロメタン混合溶媒(3/2)より再結晶を行い、第2級アルコール(307mg,24%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.47−8.38(m,1H,Ph),
7.90(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.73(d,J=8.7Hz,1H,Ph),
7.67−7.54(m,2H,Ph),
7.47(ddd,J=8.2,6.9,1.3Hz,1H,Ph),
7.67−7.41(m,3H,Ph),
4.64(s,1H,1−H),
1.60(brs,1H,OH),
1.03(s,9H,Bu)
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ブチ−3−エン−1−オールの調製(エントリー17)>
Figure 2010215606
塩化セリウム七水和物(1.90g,5.10mmol)を90℃で1時間、次いで140℃で2時間減圧(0.6mmHg)乾燥し、0℃に冷却後、テトラヒドロフラン(25.5mL)を加えて12時間室温で撹拌したものを無水塩化セリウムのテトラヒドロフラン溶液として用いた。上記反応式に示すように、この無水塩化セリウム(1.26g,5.10mmol)のテトラヒドロフラン溶液(25.5mL)に対して、アリルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテル溶液(1.0M,5.10mL,5.10mmol)を−78℃で加えた。反応混合液を−78℃で1時間撹拌した後、ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−カルボアルデヒド(503mg,2.55mmol)を加えた。反応混合液を−78℃で1時間撹拌した後、10%酢酸水溶液を−78℃で加えて反応を停止した。ジエチルエーテルを加えて有機層を分取した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を混合し、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)を用いて粗精製し、次いでシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を用いて分取することにより、対応する第2級アルコール(284mg,47%)を得た。さらに、石油エーテル/ジクロロメタン混合溶媒(1/1)より再結晶を行い、第2級アルコール(150mg,25%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.49(td,J=8.1,0.6Hz,1H,Ph),
7.97(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.80(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.75−7.62(m,2H,Ph),
7.55(ddd,J=8.3,6.9,1.4Hz,1H,Ph),
5.91(tdd,J=8.6,14.1,9.9Hz,1H,3−H),
5.37−5.06(m,3H,1,4−H),
3.02−2.75(m,2H,2−H),
1.69(brs,1H,OH).
<1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ヘプト−2−イン−1−オール コバルト化錯体の調製(エントリー18)>
Figure 2010215606
塩化セリウム七水和物(2.36g,6.34mmol)を90℃で1時間、次いで140℃で2時間減圧(<0.4mmHg)乾燥し、0℃に冷却後、テトラヒドロフラン(15.0mL)を加えて12時間室温で撹拌したものを無水塩化セリウムのテトラヒドロフラン溶液として用いた。まず上記反応式に示すように、1−ヘキシン(0.723mL,6.34mmol)のテトラヒドロフラン溶液(16.7mL)に対して、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.64M,2.40mL,6.34mmol)を−78℃で加えた。反応混合液を−78℃で1.5時間撹拌した後、−78℃に冷却した無水塩化セリウム(1.56g,6.34mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15.0mL)中に加えた。反応混合液を−78℃で1.5時間撹拌した後、ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−カルボアルデヒド(625mg,3.17mmol)を加えた。反応混合液を−78℃で2.5時間撹拌した後、10%酢酸水溶液を−78℃で加えて、室温まで昇温して反応を停止した。ジエチルエーテルを加えて有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を混合し、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて分取することにより、対応する第2級アルコール(801mg,91%)を得た。さらに、石油エーテル/ジエチルエーテル混合溶媒(3/1)より再結晶を行い、第2級アルコール(688mg,78%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.53(d,J=8.4Hz,1H,Ph),
7.96(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.82(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.74−7.62(m,2H,Ph),
7.55(ddd,J=8.1,6.9,1.5Hz,1H,Ph),
5.92−5.82(m,1H,1−H),
2.90(brs,1H,OH),
2.32−2.13(m,2H,4−H),
1.57−1.28(m,4H,5,6−H),
0.97−0.79(m,3H,7−H).
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)ヘプト−2−イン−1−オール(40.0mg,0.143mmol)のジクロロメタン溶液(1.40mL)に対して、コバルトオクタカルボニル(53.9mg,0.158mmol)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した後に減圧濃縮し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/1)を用いて分取することにより、対応するコバルト錯体化第2級アルコール(79.3mg,98%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(CDCl):δ
8.40(d,J=7.8Hz,1H,Ph),
7.87(d,J=8.1Hz,1H,Ph),
7.70(d,J=9.0Hz,1H,Ph),
7.64−7.35(m,3H,Ph),
6.18(d,J=5.7Hz,1H,1−H),
3.97(brs,1H,OH),
2.82(dd,J=9.0,7.5Hz,2H,4−H),
1.72−1.28(m,4H,5,6−H),
0.87(t,J=7.2Hz,3H,7−H).
≪光学活性アミノアルコールの製造(1)≫
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、光学活性な1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オール(34.9mg,0.0887mmol)のテトラヒドロフラン溶液(0.440mL)に対して、水素化アルミニウムリチウム(10.1mg,0.266mmol)を0℃で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌し、0℃で水を加えて反応を停止した。反応混合液をセライト濾過し、減圧濃縮することにより、粗製体の第2級アミンを得た。
引き続き、得られた粗製体の第2級アミンのテトラヒドロフラン/水(1.80mL/0.35mL)の混合溶液に対して、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(146mg,0.266mmol)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌し、さらに硝酸セリウム(IV)アンモニウム(49.0mg,0.0894mmol)を0℃で加え、1時間撹拌した後、反応混合液に水、炭酸カリウム、及び亜硫酸ナトリウムを加えて水層のpHを8以上に調整し、反応を停止した。セライト濾過を行い、ジクロロメタンを加えて有機層を分取した後、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:アンモニア水抽出によりアンモニアを飽和させたクロロホルム/メタノール=20/1)を用いて分取することにより、対応する光学活性アミノアルコール(6.4mg,44%)を得た。物性値は以下のとおりである。
[α] 27=−0.15(c 1.00,MeOH);
H NMR(CDCl):δ
7.50−6.95(m,5H,Ph),
3.71(brs,1H,2−H)
3.05−2.37(m,4H,1,4−H),
2.10−1.46(m,5H,3−H,NH,OH).
≪光学活性アミノアルコールの製造(2)≫
Figure 2010215606
まず上記反応式に示すように、光学活性な1−(ナフト[1,2−d]オキサゾル−2−イル)−3−フェニルプロパン−1−オール(16.7mg,0.0551mmol)のジクロロメタン溶液0.550mL)に対して、臭化ベンジル(19.6μL,0.170mmol)、酸化銀(I)(38.3mg,0.165mmol)、及びテトラブチルアンモニウムアイオダイド(2.0mg,5.4μmol)を室温で順次加えた。反応混合物を室温で11時間撹拌し、溶液をセライト濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて分取することにより、対応するベンジルエーテル(19.8mg,91%)を得た。物性値は以下のとおりである。
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=0.5mL/min):t=19.2min(>99.9%),t=23.9min(<0.1%).
H NMR(C):δ
8.51(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.39(d,J=8.0Hz,1H,Ph),
7.16−6.94(m,6H,Ph),
6.89−6.67(m,8H,Ph),
4.46(dd,J=8.0,5.0Hz,1H,1−H),
4.10(d,J=12Hz,1H,Bn),
4.05(d,J=12Hz,1H,Bn),
2.47(ddd,J=13.9,9.0,5.5Hz,1H,3−H),
2.40−2.28(m,1H,3−H),
2.27−2.16(m,1H,2−H),
2.05−1.93(m,1H,2−H).
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、光学活性なベンジルエーテル(26.7mg,0.0679mmol)のテトラヒドロフラン溶液(1.40mL)に対して、水素化アルミニウムリチウム(7.7mg,0.203mmol)を0℃で加えた。反応混合液を50℃で2時間撹拌し、0℃で水を加えて反応を停止した。反応混合液をセライト濾過した後、減圧濃縮を行い、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用いて分取することにより、対応する第2級アミン(25.3mg,94%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(C):δ
7.42−7.26(m,2H,Ph),
7.20−6.62(m,16H,Ph,OH,NH),
4.04(s,2H,Bn),
3.03−2.77(m,1H,2−H),
2.53(d,J=5.1Hz,2H,1−H),
2.14(t,J=7.8Hz,2H,4−H),
1.58−1.20(m,2H,3−H).
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、光学活性な第2級アミン(59.6mg,0.150mmol)のアセトニトリル溶液(3.0mL)に対して、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(247mg,0.450mmol)の水溶液(0.60mL)を0℃で10分間かけて加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌し、反応混合液に水、炭酸カリウム、及び亜硫酸ナトリウムを加えて水層のpHを8以上に調整し、反応を停止した。溶液をセライト濾過した後、ジクロロメタンを加えて有機層を分取し、水層をジクロロメタンで2回抽出した。有機層を混合した後、亜硫酸ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:アンモニア水抽出によりアンモニアを飽和させたクロロホルム/メタノール=50/1)を用いて分取することにより、対応する第1級アミン(33.3mg,87%)を得た。物性値は以下のとおりである。
H NMR(C):δ
7.10−6.70(m,10H,Ph),
4.03(s,2H,Bn),
2.95−2.77(m,1H,2−H),
2.50−2.15(m,4H,1,4−H),
1.65−1.28(m,2H,3−H),
0.63(brs,2H,NH).
Figure 2010215606
次いで上記反応式に示すように、光学活性な第1級アミン(36.4mg,0.143mmol)のメタノール/酢酸(1.40mL/1.40mL)の混合溶液に対して、10%パラジウム炭素(75.9mg,0.0713mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で水素雰囲気のもと10時間撹拌した後、セライト濾過し、減圧濃縮することにより、対応する光学活性アミノアルコール(23.6mg,100%)を得た。
≪ラセミ体の2−ヒドロキシエステルの速度論的光学分割≫
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、0.50当量のジフェニル酢酸及び0.60当量の1−フェニル−1−シクロペンタンカルボン酸無水物を含むジクロロメタン溶液に対して、1.2当量のジイソプロピルエチルアミン、5モル%の(+)−ベンゾテトラミソール((+)−BTM)、及びラセミ体の2−ヒドロキシエステルを室温で順次加えた。そして、反応混合液を室温で12時間反応させることにより、対応する光学活性なエステル及び未反応の2−ヒドロキシエステルを得た。結果を表3に示す。
Figure 2010215606
表3から分かるように、上記反応式におけるRの種類によらず、非常に高いエナンチオ過剰率ee及び反応速度比sで、ラセミ体の2−ヒドロキシエステルを速度論的光学分割し、対応する光学活性なエステル及び未反応の2−ヒドロキシエステルを得ることができた。
以下、表3における速度論的光学分割方法、並びに光学活性なエステル及び2−ヒドロキシエステルの物性値を示す。
<乳酸ベンジルエステルの速度論的光学分割(エントリー19)>
ジフェニル酢酸(23.6mg,0.111mmol)及び1−フェニル−1−シクロペンタンカルボン酸無水物(48.3mg,0.133mmol)を含むジクロロメタン溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(46.4μL,0.266mmol)を室温で加えた。反応混合液を10分間撹拌した後、(+)−ベンゾテトラミソール(2.8mg,0.0111mmol)及び乳酸ベンジルエステル(35.7μL,0.222mmol)を室温で加えた。反応混合液を室温で12時間撹拌した後、飽和重曹水を室温で加えて反応を停止した。有機層を分取した後、水層をジエチルエーテルで5回抽出した。有機層を混合した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた混合物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)を用いて分取し、高極性区画を再度シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ベンゼン/酢酸エチル=9/1)を用いて分取することにより、対応する光学活性なエステル(23.0mg,58%,50%ee)及び未反応の2−ヒドロキシエステルを得た。また、低極性区画もシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/ジエチルエーテル=5/1)を用いて分取することにより、対応する光学活性なエステル(7.6mg,33%,97%ee)及び未反応の2−ヒドロキシエステルを得た。反応速度比sは107であった。
[ベンジル (R)−2−(2,2−ジフェニルアセトキシ)プロパノエート]
[α] 28=+34.6(c 1.43,CHCl);
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=2/3,flow rate=1.0mL/min):t=30.6min(1.5%),t=46.3min(98.5%);
H NMR(CDCl):δ
7.41−7.20(m,15H,Ph),
5.24−5.13(m,3H,2−H,Bn),
5.10(s,1H,2’−H),
1.49(d,J=7.2Hz,3H,3−H).
[(S)−乳酸ベンジルエステル]
[α] 28=−10.0(c 1.10,acetone);
HPLC(CHIRALPAK OD−H,i−PrOH/hexane=1/50,flow rate=1.0mL/min):t=16.7min(75.2%),t=18.7min(24.8%);
H NMR(CDCl):δ
7.42−7.31(m,5H,Ph),
5.22(s,2H,Bn),
4.33(ddd,J=13.4,6.9,5.4Hz,1H,2−H),
2.81(d,J=5.4Hz,1H,OH),
1.44(d,J=6.9Hz,3H,3−H).
≪光学活性アミノアルコールの製造(3)≫
Figure 2010215606
上記反応式に示すように、乳酸ベンジルエステル(45.2mg,0.251mmol)のメタノール溶液(2.50mL)に対して、アンモニアガスを0℃で70分間通じた。反応混合物を室温で11時間撹拌後、濃縮することにより、対応するアミドの粗製体を得た。
引き続き、得られた粗製体のアミドのテトラヒドロフラン溶液(2.50mL)に対して水素化アルミニウムリチウム(92.6mg,2.47mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、55℃に昇温して18時間撹拌した後、0℃で水(200μL)を加えて反応を停止した。反応混合物をセライト濾過し、減圧濃縮後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:アンモニア水抽出によりアンモニアを飽和させたクロロホルム/メタノール=50/1)を用いて分取することにより、対応する光学活性アミノアルコール(14.5mg,65%)を得た。物性値は以下のとおりである。
[α] 22=+44.4(c 1.0,methanol);
H NMR(CDCl):δ
3.65−2.55(m,1H),
3.80−2.40(br m,3H),
2.65(dd,J=12.7,2.7Hz,1H),
2.44(dd,J=12.7,8.1Hz,1H),
1.06(d,J=6.3Hz,3H).

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは一価の有機基を示し、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。]
    で表される化合物のオキサゾール部位を還元し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(2)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは前記式(1)と同じである。]
    で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性アミノアルコールの製造方法。
  2. 下記式(1)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは一価の有機基を示し、Arは置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環を示す。]
    で表される化合物の水酸基を保護することにより下記式(3)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは水酸基の保護基を示し、R、Arは前記式(1)と同じである。]
    で表される化合物を調製し、次いでオキサゾール部位を還元することにより下記式(4)
    Figure 2010215606
    [式中、R、R、Arは前記式(1)と同じである。]
    で表される化合物を調製し、次いでアミノ基の保護基を脱保護することにより下記式(5)
    Figure 2010215606
    [式中、R、Rは前記式(1)と同じである。]
    で表される化合物を調製し、次いで水酸基の保護基を脱保護することにより下記式(2)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは前記式(1)と同じである。]
    で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性アミノアルコールの製造方法。
  3. 下記式(6)
    Figure 2010215606
    [式中、R、Arは前記式(1)と同じである。]
    で表されるラセミ体の化合物を速度論的光学分割することにより前記式(1)で表される化合物を調製することを特徴とする請求項1又は2記載の光学活性アミノアルコールの製造方法。
  4. 下記式(7)
    Figure 2010215606
    [式中、R、Rは一価の有機基を示す。]
    で表される化合物のエステル基をアミド基に変換することにより下記式(8)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは前記式(7)と同じである。]
    で表される化合物を調製し、次いでアミド基を還元することにより下記式(2)
    Figure 2010215606
    [式中、Rは前記式(7)と同じである。]
    で表される化合物を得ることを特徴とする光学活性アミノアルコールの製造方法。
  5. 下記式(9)
    Figure 2010215606
    [式中、R、Rは前記式(7)と同じである。]
    で表されるラセミ体の化合物を速度論的光学分割することにより前記式(7)で表される化合物を調製することを特徴とする請求項4記載の光学活性アミノアルコールの製造方法。
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