JP2010214976A - 車両用パーキング機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 運転者の操作によりパーキング指示が出されたときの車速が所定車速以上の場合には、ブレーキ手段(ブレーキアクチュエータ6及びブレーキ機構7)による制動力によって所定車速以下まで減速した後、パーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)を作動させるパーキングロック制御手段(パーキングコントローラ8)と、を備えたこととした。
【選択図】 図1
Description
[パーキング制御処理について]
ここで、車速が中間以上の場合には比較的高い車速状況下でパーキング機構が作動することになるため、急停車による衝撃がパーキング機構に掛かって負担が大きいという問題点があった。この結果、パーキング機構の強度を上げる設計変更が必要となり大型化・重量増を招いてしまう。そこで、実施例1では、車両走行中においてパーキングコントローラ8が図3のフローチャート図を用いて説明するパーキング制御処理を行うようになっている。
図4のタイムチャート図に示すように、実施例1のパーキング制御処理によれば、車両1が所定車速以上で走行中に運転者によってパーキング指示が出された時点t1でブレーキの制動が開始され、車両1が減速し始める(図3のステップS1→ステップS2→ステップS3)。続いて、車速が所定車速に低下した時点t2で、ブレーキの制動力が増大することにより車両1がさらに減速し、その直後にパーキングが開始される(図3のステップS4→ステップS5)。続いて、車速が略0km/hになった時点t3でブレーキの制動が解除される(図3のステップS6→ステップS7)。これに伴い車両1は慣性力による惰性で僅かに移動して車速が僅かに上昇した後(時点t4)、停止することとなる(時点t5)。
このように、実施例1では、パーキングに合わせてブレーキの制動を実施する構成としているため、車速を低くした状態(車両1の運動エネルギーを減少させた状態)でパーキング機構10を作動させることが可能となる。この結果、高い車速でパーキング指示が出された場合であっても、パーキング機構10に掛かる負担を低減でき、損傷を防止できる。加えて、運転者や同乗者に作用する車両急停止時の衝撃緩和効果が得られる。さらに、パーキング機構10の負担が減ることで必要強度を下げる設計が可能となり、小型化・軽量化を図れる。
また、ブレーキの制動開始時からの減速度をエンジンブレーキにおける減速度よりも大きな減速度としている。この結果、例えば運転者が誤操作によりPレンジに操作してしまった場合に、通常の減速度とは異なるフィーリングを与えることで、運転者に注意喚起できる。なお、エンジンブレーキにおける減速度よりも大きな減速度は、運転者に不快感を与えない程度に適宜設定される。
また、車速が所定車速以下に低下した場合には、ブレーキの制動力はそのままで、パーキング機構10を作動させるのではなく、ブレーキの制動力を増大すると同時にパーキング機構10を作動させている。この結果、ブレーキの制動力を車両1の運動エネルギーの吸収に利用でき、パーキング機構10の負担を更に減らすことができる。さらに、実施例1では車速が所定車速以下になったとき、先ず、ブレーキの制動力を増大し、その直後にパーキング機構10の作動を共に行うようにしている。この結果、ブレーキの制動力による効果を特に得られる。
また、パーキングが開始されて車速が略0km/hになったときにブレーキの制動を解除するようにしている。この結果、ブレーキの制動が解除された車両1は慣性力による惰性で僅かに移動してパーキングギヤ10eが僅かに回転するため、パーキングギヤ10eとパーキングポール10dの凸部10fの位相を比較的低い回転で合わせて良好に噛合させることができ、パーキング機構10の作動信頼性を向上できる。
(1)運転者により操作されるレンジセレクタ12と独立して電気信号により作動するパーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)と、運転者により操作されるブレーキペダルBPと独立して電気信号により作動するブレーキ手段(ブレーキアクチュエータ6及びブレーキ機構7)と、車速を検出可能な車速検出手段(車速センサS1)と、運転者の操作によりパーキング指示が出されたときの車速が所定車速以上の場合には、ブレーキ手段(ブレーキアクチュエータ6及びブレーキ機構7)による制動力によって所定車速以下まで減速した後、パーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)を作動させるパーキングロック制御手段(パーキングコントローラ8)と、を備えたこととした。これにより、車両走行中にPレンジへの切り換え操作が行われた場合であってもパーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)の負担を低減できると同時に、小型・軽量化を実現できる。
(5)ブレーキ手段(ブレーキアクチュエータ6及びブレーキ機構7)は、駐車用ブレーキ装置(駐車ブレーキ機構20及び駐車ブレーキ用アクチュエータ21)であることとした。これにより、車両走行中に使用される主ブレーキの操作性に悪影響を与えず、且つ、操作系(ブレーキペダルBP等)と切り離して操作できるバイワイヤ方式に変更しても走行中に制動機能が失陥する虞がない。また、車両1全体としての信頼性を確保しながらパーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)の小型・軽量化を図ることができる。
このように構成された車両1では、駆動輪としての左右の後輪2c,2dにそれぞれパーキング機構10を備える必要があるため、パーキング制御処理時においてブレーキ機構7として左右の後輪2c,2dの制動力を独立して調整可能な構成となる。従って、例えば、ブレーキの制動中に左右の後輪2c,2dのうちの一方のみが低μ路等に乗り上げて車速と一致しない回転数となった場合、左右のブレーキ機構7により左右独立して制動力を調整でき、常時最適な車輪速を保つことができる。この結果、左右同時にパーキング機構10を作動させた場合に、車両挙動が乱れる等の不具合を防止できる。或いは、パーキング指示が出され、左右の車輪速が同一車輪速に制御されている条件を満たしたときに、左右のパーキング機構10を同時に作動させる構成にすることで、パーキング機構10の作動に伴う急制動時においても車両挙動の乱れを小さく留めることができる。
また、強調作動するブレーキ機構7及びパーキング機構10を同一の車輪2に作用するよう構成されるため、制御される車輪速を車両速度として制御できる。この結果、パーキング機構10の作動許可車速である所定車速をより正確に把握することができ、パーキング機構10の強度保証信頼性を更に向上できる。
また、実施例1の図3のステップS3で説明した通常のエンジンブレーキ相当の減速度よりも大きな制動力を得る手段として、モータジェネレータ33による駆動モータ30の回生制動を利用することができる。この場合、車両運動エネルギーを有効なエネルギーとして回収しつつ、酷使されることがあるブレーキ機構7を含む機械部品の損傷を低減でき、耐久性を向上できる。
(6)ブレーキ手段(ブレーキアクチュエータ6及びブレーキ機構7)は、左右の車輪2の制動力を独立して調整可能な構成であることとした。これにより、常時最適な車輪速を保つことができ、左右同時にパーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)を作動させた場合に、車両挙動が乱れる等の不具合を防止できる。
(10)所定車速は、略0km/hであることとした。これにより、パーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)の強度を車両1を停止させ続ける静的強度保証に限定でき、パーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)を大幅に小型・軽量化できる。
例えば、車輪、パーキング手段(パーキングアクチュエータ9及びパーキング機構10)、ブレーキ手段(ブレーキアクチュエータ6及びブレーキ機構7)等の設置数、設置位置、及び具体的な機械的構造及び機械的動作はこの実施例に限定されるものではなく、適宜設定できる。勿論、ブレーキコントローラ5とパーキングコントローラ8を同一のコントローラで構成することもできる。また、実施例3の駆動モータを車輪の内側に配置された所謂インホイールモータに適用しても良い。同様に、この発明をエンジンと駆動モータが協働するハイブリッド型電気自動車に適用しても良い。
7 ブレーキ機構
8 パーキングコントローラ
9 パーキングアクチュエータ
10 パーキング機構
Claims (10)
- 運転者により操作されるレンジセレクタと独立して電気信号により作動するパーキング手段と、
運転者により操作されるブレーキペダルと独立して電気信号により作動するブレーキ手段と、
車速を検出可能な車速検出手段と、
前記運転者の操作によりパーキング指示が出されたときの車速が所定車速以上の場合には、前記ブレーキ手段による制動力によって前記所定車速以下まで減速した後、前記パーキング手段を作動させるパーキングロック制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1に記載の車両用パーキング機構において、
前記所定車速以下に達するまでの前記ブレーキ手段による制動力は、通常のエンジンブレーキ相当の減速度よりも大きな減速度となる制動力であることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1または2に記載の車両用パーキング機構において、
前記パーキングロック制御手段は、前記所定車速以下となったときは前記ブレーキ手段による制動力を増大させることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし3いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
前記パーキングロック制御手段は、前記ブレーキ手段の作動を、車速が略0km/hになった時点で停止させることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし4いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
前記ブレーキ手段は、駐車用ブレーキ装置であることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし5いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
前記ブレーキ手段は、左右の車輪の制動力を独立して調整可能な構成であることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし6いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
前記ブレーキ手段及びパーキング手段は、同一車輪に作用するように設けられることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし7いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
車輪との間でトルク授受を行うモータジェネレータを有し、
前記ブレーキ手段は、前記モータジェネレータの回生トルクによる制動力を含むことを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし8いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
左右の車輪それぞれに前記ブレーキ手段及びパーキング手段を有し、
前記左右の車輪それぞれの車輪速を検出する車輪速検出手段を設け、
前記パーキングロック制御手段は、前記左右の車輪速が略同一車輪速に制御されている条件を満たしたときに、前記左右のパーキング手段を同時に作動させることを特徴とする車両用パーキング機構。 - 請求項1ないし9いずれか1つに記載の車両用パーキング機構において、
前記所定車速は、略0km/hであることを特徴とする車両用パーキング機構。
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