JP2010214383A - 鋳造用鋳抜きピン構造 - Google Patents

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宏和 大石
Hideaki Kokuni
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Abstract

【課題】メインテナンス性を確保しつつ、耐久信頼性を向上可能な鋳造用鋳抜きピン構造を提供する。
【解決手段】キャビティC側のキャビティ壁面17aに第1凹部20を備えるため、第1鋳抜きピン18をキャビティC側から挿入可能とでき、金型装置1を分解することなく、第1鋳抜きピン18の交換が容易になる。挿入用の第1凹部20と第1ピン部34との空間にブッシュ40を配置したため、第1ピン部34と位置決め面38との接続部分に到達する溶湯の応力を事前にブッシュ40から第1凹部20周辺に分散することができ、ピン付け根部に加わるラジアル荷重を軽減できる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ダイカスト金型装置を用いて鋳造成形する際、鋳造品の穴形状を成形する鋳抜きピン構造に関するものである。
従来より、成形品形状に空間が形成されたキャビティを有する鋳型を設け、このキャビティに金属溶湯を注入して凝固させることにより部品等を得るダイカスト金型装置は知られている。このような金型装置では、固定型と、アクチュエータ等を介して固定型に対して進退可能な可動型とを備え、特に、複雑な形状の鋳造品を成形する場合は、可動型に対して進退可能なスライドコアを用いている。
一方、成形品に細穴や深穴等の穴形状を形成する場合は、中子、或いは金型のキャビティ側成形面に突起部を形成し、キャビティに溶湯を注入後、突起部を鋳放しすることで鋳抜き穴を成形している。この突起部を用いた鋳抜き穴成形方法は、後工程となる機械加工を省略することができ、生産工程の効率化を図ることができる。
図8に示すように、鋳抜き穴を成形する突起部は、キャビティ側から金型に装着可能なネジ込み式鋳抜きピンPが用いられる。この鋳抜きピンPは、キャビティ内に突出すると共に略同一径で延びるピン部P1と、ピン部P1の付け根部P2でピン部P1に一体的に連続すると共にピン部P1よりも大径とされる中間固定部D1に嵌合可能な中間部P3と、外周にネジ部を備え且つ中間固定部D1よりも金型Dの奥側に位置するピン固定部D2とネジ結合可能な固定部P4から構成している。
キャビティに溶湯を射出したとき、キャビティ内を進行する溶湯がピン部P1に直撃するため、ピン部P1に発生したラジアル荷重によって一体角部とされる付け根部P2に応力が集中し、鋳抜きピンPの折損頻度が高いという問題が存在する。このラジアル荷重は、溶湯射出時に限らず、素材の凝固収縮時、及び素材離型時等にも発生する。
特許文献1は、金型の裏面から装着される差し込み式鋳抜きピンであって、鋳ぐるみ部材で被覆されたピン部をキャビティ内に設置し、その後、キャビティに溶湯を射出充填する技術を提案している。特許文献1では、溶湯が鋳ぐるみ部材に衝突しても、鋳抜きピンは鋳ぐるみ部材によって溶湯の流れから保護されるため、焼き付きや折損等の発生を阻止することができる。
特開2000−167654号公報
特許文献1では、成形面端部、所謂キャビティ側金型壁部とピン部との当接部分の折損を防止できるものの、生産数量分の鋳ぐるみ部材が必要となる。更に、1つの成形品に複数の鋳抜きピンを用いる場合、鋳抜きピンの数を生産数量に積算した数量の鋳ぐるみ部材が必要とされる。しかも、鋳ぐるみ部材は夫々の鋳抜きピンに予め装着されることから、別途装着工程も増加し、生産効率の面で不利となる。
また、差し込み式鋳抜きピンは、ネジ込み式鋳抜きピンに比べてメインテナンス性が劣る。つまり、鋳抜きピンの定期交換時、差し込み式鋳抜きピンは、金型装置を一旦停止し、更に、金型装置を分解した後、金型裏面から鋳抜きピンを交換しなければならない。
一方、鋳抜きピンの信頼性を向上するために、ピン自体を強度の高い素材で成形することも考えられるが、鋳抜きピンには既に高温強度の高い熱間工具鋼が用いられており、コスト等を考慮すると、更なる素材変更による信頼性向上は困難である。
本発明の目的は、メインテナンス性を確保しつつ、耐久信頼性を向上可能な鋳造用鋳抜きピンを提供することである。
本発明の鋳造用鋳抜きピン構造は、鋳造用金型に形成されたキャビティ内に突出するものであって、前記鋳造用金型は、前記鋳抜きピンをキャビティ側から挿入可能な凹部を有し、前記鋳抜きピンは、少なくとも前記凹部内からキャビティ内に亙って同一径で延びるピン部を有すると共に、前記凹部内壁面と前記鋳抜きピンのピン部外周面との間に装着されたブッシュを備えたことを特徴とする。
請求項1の発明では、キャビティ側から挿入可能な凹部を利用してブッシュを配置し、ピン部に掛る溶湯からの応力をブッシュを介して金型に分散することにより、付け根を含むピン部に加わるラジアル荷重を軽減する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ブッシュはキャビティの壁面の一部を形成する成形面部を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記鋳造用金型は、前記凹部の奥端から凹設された前記鋳抜きピンを固定可能なピン固定部を備え、前記鋳抜きピンは、この鋳抜きピンの端部を前記ピン固定部に固定する第1固定部と、この第1固定部と前記ピン部の間に設けられると共に前記ブッシュを固定する第2固定部とを備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ピン固定部はネジ穴からなり、前記第1,第2固定部は夫々雄ネジ部からなり、前記ブッシュの一部には雌ネジ部が形成され、前記鋳抜きピンは、前記ブッシュを前記第2固定部にネジ結合すると共に、前記第1固定部を前記ピン固定部にネジ結合したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記第1固定部の雄ネジ部と前記第2固定部の雄ネジ部とは、ネジ切り方向が互いに異なる逆ネジに形成されたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、メインテナンス性を確保しつつ、耐久信頼性を向上可能な鋳造用鋳抜きピン構造を得ることができる。つまり、キャビティ側の壁部に凹部を備えるため、鋳抜きピンをキャビティ側から挿入可能とでき、金型装置を分解することなく、鋳抜きピン交換が容易になる。
しかも、凹部を利用してブッシュを配置したため、ピン付け根部に到達する溶湯の応力を事前に分散することができ、ピン付け根部に加わるラジアル荷重を軽減できる。また、ピン部の成形面端部、所謂ブッシュとピン部とが形成する角部を一体的ではなく、別部材で形成するため、ピン部に係る応力集中を軽減でき、鋳抜きピンの耐久信頼性を向上することができる。
請求項2の発明によれば、前記ブッシュはキャビティの壁面の一部を形成する成形面部を備えるため、ブッシュを応力分散用部材とキャビティの壁面とに兼用することができる。
請求項3の発明によれば、鋳抜きピンは、この鋳抜きピンの端部を前記ピン固定部に固定する第1固定部と、この第1固定部と前記ピン部の間に設けられると共に前記ブッシュを固定する第2固定部とを備えるため、簡易な構造でメインテナンス性を確保しつつ、耐久信頼性を向上できる。
請求項4の発明によれば、前記鋳抜きピンは、前記ブッシュを前記第2固定部にネジ結合すると共に、前記第1固定部を前記ピン固定部にネジ結合したため、ブッシュの鋳抜きピンへの装着及び鋳抜きピンのピン固定部への固定が容易に行うことができる。また、鋳抜きピンの交換時、ブッシュを再利用できる。しかも、溶接、焼き嵌めのように熱影響を受ける接合方法に比べて、鋳抜きピンの脆化を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、前記第1固定部の雄ネジ部と前記第2固定部の雄ネジ部とは、ネジ切り方向が互いに異なる逆ネジに形成されるため、鋳抜きピン取付時、過剰締付けによって鋳抜きピンが深く入り込みすぎ、正規の位置からずれることを防止できると共に、鋳抜きピンとブッシュの締付けに際し、増締め効果を得ることができる。
実施例に係る金型装置を型閉めしたときの縦断面説明図である。 実施例に係る金型装置を型開きしたときの縦断面説明図である。 実施例に係る金型装置の固定型をキャビティ側から見た斜視図である。 実施例に係るネジ込み式鋳抜きピンの説明図である。 実施例に係るネジ込み式鋳抜きピンを金型装置に装着したときの図である。 実施例に係る差し込み式鋳抜きピンを金型装置に装着したときの図である。 本発明の実施例に係る鋳抜きピンを用いて成形したミッションケースの斜視図である。 従来のネジ込み式鋳抜きピンの説明図である。
以下、本発明を実施する為の最良の形態について説明する。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
本実施例に係るダイカスト金型装置1は、自動車等の車両におけるアルミニウム合金製のミッションケースM(図7参照)をアルミダイカストによって成形するダイカスト金型装置である。
図1に示すように、金型装置1は、基台上に設けられる固定盤2と、この固定盤2に対して図示しないタイバーを介して進退可能な可動盤3とを有している。
可動盤3は、図示しない開閉シリンダと、この開閉シリンダから延設される複数のロッドと、先端に押出し板5を有する型閉めシリンダ4と、ダイベース6と、可動母型7が設けられている。
可動母型7は、固定盤2側壁面に、キャビティCを形成する第1可動入子8aと、キャビティCを形成する第2可動入子8bと、溶湯の湯道の一部を形成する分流子9とを有している。また、可動母型7は、先端に第2可動入子8b方向に向かって進退可能なスライドコア10と、スライドコア10に連結されると共にスライドコア10を進退移動させる油圧シリンダ11を備えている。
固定盤2は、アルミニウム合金を溶解した溶湯を湯道を介してキャビティCに射出するプランジャ機構12と、固定母型13とが設けられている。プランジャ機構12は、固定盤2を貫通するパイプ状の溶湯通路14と、溶湯通路14の一端部とに接続されると共に固定母型13を貫通する鋳込口ブッシュ15と、溶湯通路14の他端部に進退可能に挿入されるプランジャロッド16とから構成している。
溶湯通路14は、その内部に溶湯を供給するための供給口14aを固定盤2の外側領域に有している。鋳込口ブッシュ15の可動盤3側端部は、分流子9と協働してキャビティCに接続する湯道を形成している。この構成により、溶湯通路14内部に供給された溶湯は、プランジャロッド16が前進移動した際、プランジャロッド16先端のプランジャチップ16aに押され、分流子9と鋳込口ブッシュ15とから形成される湯道を通過してキャビティCに噴射される。
固定母型13は、可動盤3側壁面に、キャビティCを形成する固定入子17と、複数のネジ込み式鋳抜きピン18(以下、第1鋳抜きピンと略す)と、複数の差し込み式鋳抜きピン19(図5参照。以下、第2鋳抜きピンと略す)を備えている。
次に、金型装置1の動作について説明する。
図2は、金型装置1が、開閉シリンダ及び型閉めシリンダ4の両シリンダが退避動作している状態を示す。可動母型7と固定母型13とが型開き状態、所謂開状態とされるため、第1,第2可動入子8a,8bの夫々のキャビティ壁面8c,8dと固定入子17のキャビティ壁面17aは夫々離間している。
固定入子17の背面側から第2鋳抜きピン19を装着する。第2鋳抜きピン19は、成形領域がキャビティ壁面17aから突出するように固定入子17に固定される。第1鋳抜きピン18は、キャビティC側から固定入子17に固定される。
次に、開閉シリンダを進行動作させ、可動盤3を進行位置に移動させる。可動盤3の移動後、油圧シリンダ11を矢印A方向に下降動作させて、スライドコア10を退避位置から進行位置に位置決め移動させて、第2可動入子8bを押圧固定する。スライドコア10の移動後、型閉めシリンダ4が矢印B方向に進行動作を開始し、可動母型7を固定母型13に当接させて、型閉め状態、所謂図1に示す閉状態とする。
固定入子17と第1可動入子8aと第2可動入子8bとが協働してキャビティCを形成している。プランジャ機構12の供給口14aから供給された溶湯は、プランジャロッド16の前進移動によってキャビティC内に射出充填される。この溶湯を冷却して固化することにより、ダイカスト製ミッションケースMを得る。
図7に示すように、ミッションケースMは、ボルト締結穴M1、シャフト挿入口M2、オイル通路M3等の直線状開口部位を夫々複数有している。本金型装置1は、前記ボルト締結穴M1、シャフト挿入口M2、オイル通路M3を第1鋳抜きピン18と第2鋳抜きピン19とを用いて、鋳造工程によって同時形成する。
第1鋳抜きピン18は、ミッションケースMのボルト締結穴M1やシャフト挿入口M2等比較的大径とされ、基本的に軸状部材が挿入配置される直線状開口部位の形成に用いている。図3に示すように、第1鋳抜きピン18は、固定入子17のキャビティ壁面17aに形成された円柱状第1凹部20にキャビティC側からネジ結合により固定される。尚、符号21は、第2鋳抜きピン19が装着される円柱状第2凹部である。
図4に示すように、第1鋳抜きピン18は、軸状のピン本体30と、ピン本体30の外周面に装着される筒状のブッシュ40とから構成している。ピン本体30とブッシュ40は、両者共にSKD61(JIS規格)を素材とし、これに焼入れ、焼戻しを行った熱間工具鋼から構成され、常温での引張り強度が約1500MPa、鋳造時使用温度(400℃)での引張り強度が約1200MPaの特性を有している。
ピン本体30は、後端部から順に、第1固定部31、第1固定部31よりも小径の逃し部32、第1固定部31と同一径の第2固定部33、第1凹部20よりも小径とされ且つ同一径で延びる第1ピン部34、先端に向かう程小径となるようテーパ形状とされる第2ピン部35から構成され、夫々の軸心が同一軸心となるよう構成している。
第1固定部31は、円柱状とされると共に、外周面には右方向の雄ネジが形成された第1ネジ部36が設けられている。第1鋳抜きピン18は、この第1固定部31によって固定入子17に着脱可能にネジ結合される。
第2固定部33は、第1固定部31よりも長さが短い円柱状とされると共に、外周面には左方向の細目の雄ネジが形成された第2ネジ部37が設けられている。また、第2固定部33の先端部には、軸心に対して垂直な円環状のピン位置決め面38が形成される。位置決め面38は、ブッシュ40の装着に当たり、ブッシュ40の軸方向の位置決めを行っている。
第1ピン部34の外周は、円柱状とされると共に、後述するブッシュ40の嵌合部43と嵌合可能に構成されている。尚、離型性向上を考慮して第2ピン部35をテーパ形状としているが、第1ピン部34と同様に同一径とすることも可能である。第1ピン部34と第2ピン部35が本発明のピン部に相当している。
ブッシュ40は、ブッシュ位置決め面41、後端側内周面に設けられた第3ネジ部42、第3ネジ部42の先端側に形成された嵌合部43、先端部には軸心に対して垂直な成形面部44から構成され、夫々の軸心が同一軸心となるよう構成している。また、ブッシュ40は、第1凹部20に嵌合可能な外周面を有する円筒状とされ、この外周面で第1鋳抜きピン18の固定入子17に対する径方向の位置決めを行っている。
第3ネジ部42の内周面には、第2ネジ部37の左方向の細目の雄ネジが螺合可能な雌ネジが形成されると共に、第3ネジ部42の先端部には、ネジ結合終了時、ピン位置決め面38と当接してブッシュ40の軸方向の位置決めを行うブッシュ位置決め部45が形成されている。
嵌合部43は、ネジ結合終了時、第1ピン部34と全周で面接触するため、第1凹部20とブッシュ40とピン本体30とを同軸心状に配置でき、径方向の位置決めが可能にできる。
成形面部44は、キャビティ壁面17aの一部、所謂第1凹部20の内周縁から第1ピン部34までの成形面を形成している。尚、本実施例では、軸心に対して垂直な面としているが、成形品形状に応じて変更することも可能である。
図5に示すように、第1凹部20は、キャビティ壁面17aから固定入子17の奥に向かって同一径とされる円柱状に構成している。第1凹部20の奥端には、軸心に対して垂直な円環状位置決め面22が設けられている。
第1凹部20の奥端に形成された円環状位置決め面22から、第1凹部20と同軸状で且つ第1凹部20よりも小径とされた円柱状の第1ピン固定部23が凹設される。第1ピン固定部23の内周面には、第1ネジ部36の右方向の雄ネジが螺合可能な雌ネジが形成される第4ネジ部24が形成されている。
第2鋳抜きピン19は、ミッションケースMのオイル通路等、基本的に液漏れの防止が要求される直線状開口部位の形成に用いている。図6に示すように、第2鋳抜きピン19は、固定入子17のキャビティ壁面17aに形成された円柱状第2凹部21に固定入子17の裏面から装着される。
第2鋳抜きピン19は、略同一径で延びる第3ピン部25と、第3ピン部25と一体形成されると共に第3ピン部25よりも大径とされた第3固定部26とから構成される。第3ピン部25と第3固定部26の内部には、固定入子17の背面に開口すると共に両者間に亙って延設される冷却水通路27が形成されている。冷却水通路27の開口端部には、図示しない冷却水供給管が接続されている。
第2凹部21は、キャビティ壁面17aから固定入子17の奥に向かって同一径とされる円柱状に構成している。第2凹部21の奥端から、第2凹部21と同軸状で且つ第2凹部21よりも大径とされた円柱状の第2ピン固定部28が凹設される。
固定入子17の裏面から装着された夫々の第2鋳抜きピン19は、図示しないセットボルト、或いは押え板等の別部材によって固定入子17の裏面に固定される。
第2鋳抜きピン19によれば、冷却水によって溶湯を強制冷却することが可能であるため、溶湯の冷却を第3ピン部25周辺から外方に向かって低下する指向性凝固にすることができ、第3ピン部25周辺の溶湯に含まれる気泡を強制的に低減することが可能となる。また、第3ピン部25に接触する領域にチル層を形成することができるため、気泡による成形不良を防止しつつ、寸法精度を向上することが可能となる。
次に、本実施例に係る鋳造用鋳抜きピンの作用、効果を説明する。
キャビティC側のキャビティ壁面17aに第1凹部20を備えるため、第1鋳抜きピン18をキャビティC側から挿入可能とでき、金型装置1を分解することなく、第1鋳抜きピン18の交換が容易になる。
しかも、挿入用の第1凹部20と第1ピン部34との空間を利用してブッシュ40を配置したため、ピン付け根部、所謂第1ピン部34と位置決め面38との接続部分に到達する溶湯の応力を事前にブッシュ40から第1凹部20周辺に分散することができ、ピン付け根部に加わるラジアル荷重を軽減できる。
また、ピン本体30とブッシュ40とが別部材とされるため、ピン部の成形面端部、所謂第1ピン部34とブッシュ40の成形面部44とが形成する角部に係る応力集中を低減でき、第1鋳抜きピン18の耐久信頼性を向上することができる。
更に、ブッシュ40はキャビティ壁面17aの一部を形成する成形面部44を備えるため、ブッシュ40を応力分散用部材とキャビティの壁面17aとに兼用することができる。
第1鋳抜きピン18は、この鋳抜きピン18の後端部を第1ピン固定部23に固定する第1固定部31と、ブッシュ40を固定する第2固定部33とを備えるため、第1鋳抜きピン18の定期交換のとき、キャビティC側から容易に着脱可能となる。
ブッシュ40を第2固定部33にネジ結合可能とすると共に、第1固定部31を第1ピン固定部23にネジ結合可能としたため、ブッシュ40の着脱及び第1鋳抜きピン18の着脱が容易になる。また、第1鋳抜きピン18の交換時、溶接や焼き嵌め等熱の発生がないため、ピン18の脆化を抑制しつつ、ブッシュ40を再利用できる。
第1固定部31の雄ネジ部と第2固定部33の雄ネジ部とは、ネジ切り方向が互いに異なる逆ネジに形成されるため、第1鋳抜きピン18の取付時、ブッシュ40のブッシュ位置決め面41が円環状位置決め面22に着座すると、第1鋳抜きピン18とブッシュ40の軸方向の位置決めがなされ、更に、第1鋳抜きピン18の軸方向の位置決めがなされることから、過剰締付けによる位置ずれを防止できる。また、鋳抜きピンとブッシュの締付けに際し、増締め効果を得ることができる
しかも、第2ネジ部37の雄ネジは第1ネジ部36の雄ネジよりも細目の雄ネジとされるため、ブッシュ40の弛み防止を図ることができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、アルミニウム合金製のミッションケースの金型装置に関する例を説明したが、キャビティに装着される鋳抜きピンを用いるものであれば良く、金属の種類や成形品の種類に拘わらず適用可能であり、同様の効果を奏することができる。
2〕前記実施例においては、ピン部が同一径の第1ピン部とテーパ状の第2ピン部とから形成された例を説明したが、全体的に同一径とされるもの、或いは全体的にテーパ状とされる略同一径等鋳造品の穴形状を成形可能な径範囲であれば適用可能であり、同様の効果を奏することができる。
3〕前記実施例においては、ピン本体とブッシュ共に焼入れ、焼戻しを行った例を説明したが、劣化防止を目的として、窒化、化学的蒸着法(Chemical Vapor Deposition)、或いは物理的蒸着法(Physical Vapor Deposition)等の表面処理を行うことも可能であり、部位毎に異なる表面処理を組合せることも可能である。
4〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、ダイカスト金型装置を用いて鋳造成形する際、鋳造品の穴形状を成形する鋳抜きピン全般に利用することができ、特に、耐久信頼性向上が要求される鋳抜きピンに利用することができる。
1 金型装置
17 固定入子
17a キャビティ壁面17a
18 第1鋳抜きピン
20 第1凹部
23 第1ピン固定部
24 第4ネジ部
31 第1固定部
33 第2固定部
34 第1ピン部
35 第2ピン部
36 第1ネジ部
37 第2ネジ部
40 ブッシュ
42 第3ネジ部
44 成形面部
C キャビティ

Claims (5)

  1. 鋳造用金型に形成されたキャビティ内に突出する鋳造用鋳抜きピン構造において、
    前記鋳造用金型は、前記鋳抜きピンをキャビティ側から挿入可能な凹部を有し、
    前記鋳抜きピンは、少なくとも前記凹部内からキャビティ内に亙って同一径で延びるピン部を有すると共に、前記凹部内壁面と前記鋳抜きピンのピン部外周面との間に装着されたブッシュを備えたことを特徴とする鋳造用鋳抜きピン構造。
  2. 前記ブッシュはキャビティの壁面の一部を形成する成形面部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鋳造用鋳抜きピン構造。
  3. 前記鋳造用金型は、前記凹部の奥端から凹設された前記鋳抜きピンを固定可能なピン固定部を備え、
    前記鋳抜きピンは、この鋳抜きピンの端部を前記ピン固定部に固定する第1固定部と、この第1固定部と前記ピン部の間に設けられると共に前記ブッシュを固定する第2固定部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の鋳造用鋳抜きピン構造。
  4. 前記ピン固定部はネジ穴からなり、前記第1,第2固定部は夫々雄ネジ部からなり、前記ブッシュの一部には雌ネジ部が形成され、
    前記鋳抜きピンは、前記ブッシュを前記第2固定部にネジ結合すると共に、前記第1固定部を前記ピン固定部にネジ結合したことを特徴とする請求項3に記載の鋳造用鋳抜きピン構造。
  5. 前記第1固定部の雄ネジ部と前記第2固定部の雄ネジ部とは、ネジ切り方向が互いに異なる逆ネジに形成されたことを特徴とする請求項4に記載の鋳造用鋳抜きピン構造。
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