JP2009166057A - ダイカスト鋳造装置用分割型リサイクルプランジャチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイカスト鋳造装置用リサイクルプランジャチップにおいて、冷却効率向上のためにプランジャチップを薄肉に加工し、さらに、プランジャチップに使用されている高価な材料の使用量を減らすことで、プランジャチップ交換に伴うコストを削減し、その結果としてダイカスト鋳造品製造コストの大幅削減を実現させる。
【解決手段】チップ先端部11とチップ後部12からなるダイカスト鋳造装置用リサイクルプランジャチップであって、その連結を弾性力のあるバネ鋼等で構成されたピストンリングの拡開を利用して行う。
【選択図】図1

Description

本発明はダイカスト鋳造装置用リサイクルプランジャチップの改良に関する。
自動車、通信機器、日用品、カメラなどの部品製造に用いられるダイカスト鋳造装置の一つである横鋳込み型コールドチャンバーダイカスト鋳造装置3は、図9に示すように、ヘッド35上に設けた固定盤(固定プラテン)31で円筒状のスリーブ36を支持し、このスリーブ36の矢印A側で、固定型33とその前方から可動盤(可動プラテン)32に固定された可動型(可動ダイス)34を衝合させて、これらの金型33及び34の合面に鋳造品の原型であるキャビティを形成している。
そして、ダイカスト鋳造の原料である溶湯43を供給するための給湯口38を、スリーブ36の固定盤31より突出した後方部分(矢印B側)に開口し、この給湯口38から供給された溶湯43をプランジャ穴39に挿入したプランジャ37の先端側に設けたプランジャチップで押圧して、湯口ブッシュ41のプランジャ穴39を経由して、前記キャビティ内に溶湯43を高速・高圧で射出して鋳造している。
前記プランジャチップはチップジョイント47と、プランジャロッド45を介してシリンダ装置46の動力により、スリーブ36内を摺動している。
図10に示すように、押圧面18はスリーブ36内の高温・高圧の溶湯43に接しながら摺動するが、型成形時にスリーブ36や湯口ブッシュ41の通路内で、プランジャチップの先端の押圧面18とキャビティFの壁面との間に残された溶湯43が固まってできる所謂「ビスケット」を、冷却するための冷却機構を具備している。
このビスケットは金型から型成形品と共に取り出され、その後カットされるが、このビスケット部分は肉厚が他の部分よりも厚くなる上に、押湯の最後尾であるので、冷却されるのが最後になる。そのため、ビスケット部分の冷却時間がショットサイクル(成形サイクル)の大部分を占める。このビスケットの冷却を迅速にしてショットサイクルを早め、ダイカスト鋳造装置3の稼働率を上げるために、プランジャチップの前端部外径は可能な限り薄く成形し、冷却効率を上げることと共にチップ外径の先端部のふくらみを最小限に抑えることが求められている。
図8は多くのダイカスト鋳造装置3で使用されている削り出しプランジャチップ8の断面図を示している。この削り出しプランジャチップ8はスリーブ36内を摺動し、高温の溶湯43を高圧で金型に押し込むため、大きな負担がかかる。そのため、削り出しプランジャチップ8は消耗品であり、約3万ショットごとに交換する必要ある。
また、前述のようにダイカスト鋳造装置3のショットサイクルを上げるために、削り出しプランジャチップ8は冷却水室19を備えており、冷却効率を上げるためには、押圧面18が薄くなるように加工する必要がある。そもそも、削り出しプランジャチップ8は略円筒形の材料を中ぐり加工等を行うことで成形しているが、この中ぐり加工は時間がかかり、精度が低いなど、製造が困難である。その上で、冷却効率を上げるために冷却水室19を大きく中ぐり加工することは、さらに困難な加工となる。
例えば、全長が100mmで押圧面18の厚さを15mmとした削り出しプランジャチップ8を旋盤により加工する場合、中ぐりバイト81をバイト支持部より85mm以上突出させる必要があり、且つ使用している材料の硬度が比較的高いため、中ぐりバイト81にブレが生じ、加工効率及び加工精度に問題が発生している。従って、削り出しプランジャチップ8を薄く加工することは極めて困難な作業となる。
また、削り出しプランジャチップ8には耐熱性、耐摩耗性に富み、熱伝導率の良い金属材料、例えば、ベリリウム銅合金やSKD61(熱間成形用型鋼鋼材)又は、S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)の表面に、クロム、モリブデン、カーボン、ボロン、シリコン等を添加して構成したニッケル自溶合金を肉盛り溶射したもの等の高価な材料が使用されている。
上記のような技術的背景の下、ダイカスト用プランジャスリープに挿入され、前端側が溶湯を圧入する押圧面で塞がれ、内部に冷却水室を、後端側にチップジョイントとの接続部を有する筒形状に形成されたプランジャチップを前記冷却水室の部分で、チップ先端部とチップ後部の2つに分割して、螺合により着脱自在に構成したものが提案されている。(例えば特許文献1参照。)プランジャチップを分割することで、バイトを長く突出させずに加工することが可能となり、加工性が上昇した。また、チップ先端部のみを消耗品として交換し、チップ後部は再利用を可能としているため、プランジャチップ自体の調達コストも低下する。
特開2000−158114
プランジャチップを冷却水室でチップ先端部とチップ後部の2つに分割して、部品交換部をチップ先端部のみとし、その他の部分を再使用する機構が提案されている。これにより交換時に必要となる部材料は少なくなったが、この機構はチップ先端部とチップ後部を螺合しているため、ネジ切り加工のための加工コストが必要となる。さらに、螺合部は強度を必要とするため肉厚にならざるを得ず、そのためプランジャチップ前端の押圧面18における冷却効率が上がらない。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ダイカスト鋳造装置用プランジャにおいて、プランジャチップを薄肉に加工することが可能な構造を提案することである。更に、プランジャチップに使用されている、耐熱性、耐摩耗性に富み、熱伝導率の良い金属、例えばベリリウム銅合金やSKD61(熱間成形用型鋼鋼材)又はS45C(機械構造用炭素鋼鋼材)の表面にクロム、モリブデン、カーボン、ボロン、シリコン等を添加して構成したニッケル自溶合金を肉盛り溶射したもの等の高価な材料の使用量を極力減らすことでプランジャチップ交換に伴うコストの削減を実現させる。
結果としてダイカスト鋳造品製造コストの大幅削減を実現させる。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、チップ先端部11と前記チップ先端部11に装着自在のチップ後部12とからなる、ダイカスト鋳造原料の溶湯43を金型内に押圧するためのダイカスト鋳造装置用リサイクルプランジャチップであって、チップ先端部11は、略カップ型で、前記溶湯43を押圧する押圧面18と、前記チップ後部12と連結するための連結雌部51と、前記連結雌部51に形成されたピストンリング係止溝11bを具備し、チップ後部12は、略中空円筒形であり、前記チップ先端部11と連結するための連結雄部52と、前記連結雄部52に巻装し、且つ没入させたピストンリング14と、前記ダイカスト鋳造装置用プランジャと接続するための雌ネジ部48を具備し、前記チップ先端部11とチップ後部12を嵌合した後、前記ピストンリング14を拡開し、前記ピストンリング係止溝11bに嵌入することで前記チップ先端部11とチップ後部12を連結することを特徴とする。
請求項2に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記チップ後部12に、ピストンリング拡開ネジ16を挿入するための少なくとも3つのネジ穴15を、前記雌ネジ部48のある端面から連結雄部52のある面に向けて、円形に均等に配列して設け、前記ネジ穴15に前記ピストンリング拡開ネジ16を挿入することで、ピストンリング14を拡開させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記ピストンリング14がピストンリング拡開ネジ16をネジ穴15に挿入した時には外周方向に拡開し、ピストンリング拡開ネジ16をネジ穴15から除いた時には円中心方向に縮み元の大きさに戻る弾性力を持つバネ鋼等で形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記連結雄部52にプランジャチップ内部を循環する冷却水の、漏洩を防止するためのOリング13を巻装したことを特長とする。
請求項5に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記チップ先端部11の外径が、チップ後部12に比べ大きくしたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記ピストンリング拡開ネジ16をネジ穴15に挿入した後部から、ピストンリング拡開ネジ16が緩むのを防止するための止めネジ17を螺合したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、冷却水の漏洩防止のため、前記チップ先端部11が、チップ後部12に押し付けられる方向に力が発生し、隙間をなくすために、ピストンリング14の外縁でチップ先端部12側に傾斜をつけるよう形成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記チップ先端部11を熱間成形用型鋼鋼材又は、機械構造用炭素鋼鋼材の表面にニッケル合金又はリン青銅等を肉盛り溶射したもので形成し、前記チップ後部12を機械構造用炭素鋼鋼材等で形成することを特徴とする。
請求項9に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記ピストンリング14が略薄肉円盤形であり、分断されている箇所があることを特徴とする。
請求項10に記載の発明に係る分割型リサイクルプランジャチップ1は、前記チップ先端部11とチップ後部12の連結部外周に、溶接による補強が行われたことを特徴とする。
プランジャチップをチップ先端部11とチップ後部12の2つに分割し、その連結をピストンリング14の利用により行うことで、プランジャチップの加工が単純且つ容易となった。螺合により連結していた従来のプランジャチップはネジ部を加工する必要があったが、本発明の分割型リサイクルプランジャチップ1はその必要がない。そのため、従来は約1時間かかった加工時間が10分程度まで短縮され、加工費のコストダウンが実現された。
ピストンリング14を利用してチップ先端部11とチップ後部12の連結を行うため、プランジャチップ自体の加工が単純且つ容易となったため、プランジャチップの肉厚を薄く加工することが可能となり、冷却効率の高いプランジャチップを生産することを可能とした。
冷却効率の上昇により、ショットサイクルが早まり、ダイカスト鋳造装置3の稼働率が上がるとともに、プランジャチップが冷却不足により膨張し、スリーブ内で詰まってしまう所謂「かじりつき」の発生が抑制され、さらにダイカスト鋳造装置3の稼働率の上昇が期待できる。また、「かじりつき」の発生が抑制されることで、ダイカスト鋳造装置3全体への負担が減り、装置の寿命が延びる。
弾性力を持つピストンリング14によって、チップ先端部11とチップ後部12を連結するため、着脱自在となり、且つチップ先端部11を迅速に交換することが可能となった。
チップ先端部11の外径をチップ後部12の外径より大きく成形することで、プランジャチップがスリーブ36内を摺動する際の、チップ後部12における摩擦等の負荷が低減する。そのため、消耗品であるプランジャチップ交換時に、チップ先端部11のみ交換し、チップ後部12は繰り返し使用することが可能となっている。
チップ先端部11とチップ後部12の連結時に使用するピストンリング拡開ネジ16に、止めネジ17を加えることで、ピストンリング拡開ネジ16が緩み、脱落すること防止している。
ピストンリング外縁のチップ後部12側に傾斜をつけることで、チップ先端部11がチップ後部12に押し付けられる方向に力を発生させ、密着度を上げることで、冷却水室内19の冷却水の漏洩を防止している。
ピストンリング14を拡開するため、ピストンリング14の円周上で一部分断している。
チップ先端部11とチップ後部12の連結部外周を溶接することで、チップ先端部11とチップ後部12における連結部の補強を可能としている。
プランジャチップ交換時には、チップ先端部11のみ交換するため、従来の削り出しプランジャチップ8と比べ高価な材料の使用量が減り、さらに、チップ先端部11のみ回収し、溶解したのち再成形することでリサイクルが可能となるため、付加価値の高い材料の効率的な使用が可能となり、省資源型、循環社会型の社会形成の一助となる。
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の分割型リサイクルプランジャチップ1を示す側断面図である。チップ先端部11は略カップ型となっており、ダイカスト鋳造装置3において溶湯43を押圧する押圧面18により一方を閉塞し、他方は開口され、内部は刳り貫き加工により形成された冷却水室19となっている。
チップ後部12は略中空円筒形となっており、チップ先端部11と比べ直径は若干小さくなっている。チップ後部12はOリング13とピストンリング14を介在して、チップ先端部11と嵌合しており、略中空円筒形の内側にはチップジョイント47と接続するための雌ネジ部48を設けている。さらに中空部は冷却水の流路となっている。また、ネジ穴15を備えており、前記ネジ穴15にピストンリング拡開ネジ16及び止めネジ17を挿入することで、チップ先端部11との連結を行う。
また押圧面18の肉厚t1とプランジャチップ側面の肉厚d1は、図8に示す削り出しプランジャチップ8の肉厚t2及びd2と比べ、それぞれ薄く加工することが可能となっている。
図2はチップ先端部11とチップ後部12を分割した状態を示している。チップ後部12にはOリング13が設置してあり、これは、分割型リサイクルプランジャチップ1内部を循環している冷却水が、チップ先端部11との連結部から外部へ漏洩することを防止するためである。ダイカスト鋳造装置3の稼働時における溶湯43は280℃から350℃、場合によっては700℃を超えることがあり、この高温であるスリーブ36等に冷却水が漏洩すると大きな事故につながる可能性があるため、Oリング13により冷却水の漏洩を防止している。
加えてチップ後部12には、バネ鋼等の弾性力のある材料で成形されたピストンリング14が設置してあり、チップ先端部11にチップ後部12を嵌合させた後、チップ後部12の後部からネジ穴15にピストンリング拡開ネジ16を挿入することで、ピストンリング14が拡開し、チップ先端部11とチップ後部12が強固に連結される。
図3はチップ後部12からOリング13及びピストンリング14を離脱した状態を示している。ピストンリング14の装着されていた部分に、ネジ穴15を見通すことができる。
図4はチップ後部12に搭載したピストンリング14とネジ穴15の位置関係を、チップ後部12の後方から見通したときの概略図である。ピストンリング14は切断部14aで切断されている薄肉円盤形であり、チップ後部12を刳り貫いて作成したネジ穴15を半分ほど塞ぐように設置されている。この状態ではチップ後部12をチップ先端部11に嵌入することができる。
チップ先端部11及びチップ後部12を嵌合させた後、チップ後部12の後方より、ネジ穴15にピストンリング拡開ネジ16を挿入していくと、ピストンリング拡開ネジ16に押されて、ピストンリング14が広げられていき、チップ先端部11のピストンリング係止溝11bに係止されることで、チップ先端部11とチップ後部12は強固に連結される。その際のピストンリング14とネジ穴15の位置関係を図5に示す。
また、チップ先端部11とチップ後部12を分離する際は、ピストンリング拡開ネジ16を抜き取ることで、ピストンリング14はバネ鋼等の材料の持つ復元力で図4に示した元の状態に戻り、分離を可能とする。
ちなみに、図4及び図5にはネジ穴15を3つ示しているが、これはピストンリング14を均等に拡開させるためであり、例えばネジ穴15を6つにする等、3つ以上のネジ穴15及びピストンリング拡開ネジ16を用いることも可能である。ここで、ピストンリング14を均等に拡開させることで、チップ先端部11とチップ後部12の連結部に係る力を均等に分散させており、さらに、冷却水の漏洩防止に用いているOリングの補助的な漏洩防止機構として機能させることも可能である。
図6にチップ先端部11とチップ後部12の連結機構の詳細を示す。図6(A)はチップ先端部11とチップ後部12の連結前の状態を示している。図6(B)及び(C)はチップ先端部11とチップ後部12を嵌合し、ピストンリング拡開ネジ16をネジ穴15に挿入していく状態を示している。ピストンリング拡開ネジ16を押し込むと、ピストンリング14が図の下方に押されていき、チップ先端部11及びピストンリング14にそれぞれ設けたテーパ11a及びテーパ14bの作用により、チップ先端部11はチップ後部12の方向に力が働き、図6(D)に示すように確実に連結される。この時ピストンリング14とネジ穴15の位置関係は、図6(A)に示した状態が図4と対応し、図6(D)に示した状態が図5に対応している。
また、ピストンリング14はピストンリング拡開ネジ16をネジ穴15に挿入した際、拡開しやすいようにピストンリング拡開ネジ16と接触する面に角度をつけてもよい。
図7はピストンリング拡開ネジ16をネジ穴15に挿入したのち、止めネジ17をさらに挿入している状態を示している。ダイカスト鋳造装置3運転時に万が一、ピストンリング拡開ネジ16が緩み、冷却水が外部に漏れたり、チップ先端部11とチップ後部12が分離したりすることがないように、ピストンリング拡開ネジ16挿入後、さらにピストンリング拡開ネジ16が緩まないように止めネジ17を用いている。
また、チップ先端部11には耐熱性、耐摩耗性に富み、熱伝導率の良い金属材料、例えば、ベリリウム銅合金やSKD61(熱間成形用型鋼鋼材)又は、S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)の表面にクロム、モリブデン、カーボン、ボロン、シリコン等を添加して構成したニッケル自溶合金を肉盛り溶射したもの等の高価な材料が使用され、チップ後部12には特に高性能な金属材料は必要なく、例えば、S45C(機械構造用炭素鋼鋼材)又はクロムモリブデン鋼が使用される。
チップ先端部11は使用後に回収し、素材メーカとタイアップして溶解、再生産をし、再利用することが可能となっている。チップ先端部11のみを集めて溶解するため、不純物等が混ざることもなく、チップ先端部11の製造過程が大幅に簡略化される。高級材料の新たな投入を殆ど必要とせずに、チップ先端部11の生産と回収を循環させることが可能であり、付加価値の高い材料の効率的な使用が実現し、省資源型、循環社会型の社会形成の一助となる。
また、チップ後部12は摩耗等の消耗が少ないので、チップ先端部11と異なり、そのままで繰り返し使用することが可能となっている。
以上、本発明の分割型リサイクルプランジャチップ1により冷却効率の上昇、材料費、加工費の抑制、さらには省資源化を実現したプランジャチップを提供を実現した。
異なる実施例として図1に示す溶接部Xに溶接を施す方法がある。ダイカスト鋳造装置3運転時に摺動する分割型リサイクルプランジャチップ1には多大な負荷がかかる。特に溶湯43を押圧する際よりも、押圧後にスリーブ36から引き抜く方向に力がかかる際に、分割型リサイクルプランジャチップ1の連結部には11トン近い力となる。
また、冷却の効率が悪く、分割型リサイクルプランジャチップ1の温度が想定されている以上に上昇した際、分割型リサイクルプランジャチップ1が膨張してしまい、スリーブ36内で詰まってしまう所謂「かじりつき」が発生する。その際、スリーブ36から分割型リサイクルプランジャチップ1を引き抜くのに、連結部に大きな力がかかる。
これらのときも含め、ダイカスト鋳造装置3運転時に分割型リサイクルプランジャチップ1の連結部に係る負荷は大きなものとなるため、図1の溶接部Xに溶接を行うことで、チップ先端部11とチップ後部12の連結を強化することが可能である。
本発明の分割型リサイクルプランジャチップの断面図である。 本発明の分割型リサイクルプランジャチップの分割状態を示した概略図である。 本発明の分割型リサイクルプランジャチップのチップ後部を分解した状態を示した概略図である。 本発明の分割型リサイクルプランジャチップのピストンリングとネジ穴の位置関係を示した概略図である。 本発明の分割型リサイクルプランジャチップのピストンリングとネジ穴の位置関係を示した概略図である。 本発明の分割型リサイクルプランジャチップの連結機構を示した概略図である。 本発明の分割型リサイクルプランジャチップの連結機構を示した概略図である。 従来のプランジャチップである削り出しプランジャチップの断面図である。 ダイカスト鋳造装置の概略図である。 ダイカスト鋳造装置の稼働時の概略図である。
符号の説明
1 分割型リサイクルプランジャチップ
11 チップ先端部
11b ピストンリング係止溝
12 チップ後部
14 ピストンリング
15 ネジ穴
16 ピストンリング拡開ネジ
3 ダイカスト鋳造装置

Claims (10)

  1. チップ先端部と前記チップ先端部に装着自在のチップ後部とからなる、ダイカスト鋳造原料の溶湯を金型内に押圧するためのダイカスト鋳造装置用リサイクルプランジャチップであって、
    チップ先端部は、略カップ型で、前記溶湯を押圧する押圧面と、前記チップ後部と連結するための連結雌部と、前記連結雌部に形成されたピストンリング係止溝を具備し、チップ後部は、略中空円筒形であり、前記チップ先端部と連結するための連結雄部と、前記連結雄部に巻装し、且つ没入させたピストンリングと、前記ダイカスト鋳造装置用プランジャと接続するための雌ネジ部を具備し、
    前記チップ先端部とチップ後部を嵌合した後、前記ピストンリングを拡開し、前記ピストンリング係止溝に嵌入することで前記チップ先端部とチップ後部を連結することを特徴とする分割型リサイクルプランジャチップ。
  2. 前記チップ後部に、ピストンリング拡開ネジを挿入するための少なくとも3つのネジ穴を、前記雌ネジ部のある端面から連結雄部のある面に向けて、均等に配列して設け、前記ネジ穴に前記ピストンリング拡開ネジを挿入することで、ピストンリングを拡開させることを特徴とする請求項1に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  3. 前記ピストンリングがピストンリング拡開ネジをネジ穴に挿入した時には外周方向に拡開し、ピストンリング拡開ネジをネジ穴から除いた時には円中心方向に縮み元の大きさに戻る弾性力を持つバネ鋼等で形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  4. 前記連結雄部にプランジャチップ内部を循環する冷却水の、漏洩を防止するためのOリングを巻装したことを特長とする請求項1乃至3に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  5. 前記チップ先端部の外径が、チップ後部に比べ大きくしたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  6. 前記ピストンリング拡開ネジをネジ穴に挿入した後部から、ピストンリング拡開ネジが緩むのを防止するための止めネジを螺合したことを特徴とする請求項1乃至5に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  7. 冷却水の漏洩防止のため、前記チップ先端部が、チップ後部に押し付けられる方向に力が発生し、隙間をなくすために、ピストンリングの外縁でチップ先端部側に傾斜をつけるよう形成したことを特徴とする請求項1乃至6に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  8. 前記チップ先端部を熱間成形用型鋼鋼材又は、機械構造用炭素鋼鋼材の表面にニッケル自溶合金を肉盛り溶射したもので形成し、前記チップ後部を機械構造用炭素鋼鋼材等で形成することを特徴とする請求項1乃至7に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  9. 前記ピストンリングが略薄肉円盤形であり、分断されている箇所があることを特徴とする請求項1乃至8に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
  10. 前記チップ先端部とチップ後部の連結部外周に、溶接による補強が行われたことを特徴とする請求項1乃至9に記載の分割型リサイクルプランジャチップ。
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