JP2010214222A - 液体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤や油分などが混入した廃液を比較的容易に浄化処理することのできる液体処理装置を提供する。
【解決手段】液体処理装置10は、一次処理装置11と、二次処理装置12と、を備えている。一次処理装置11は、処理対象である液体を収容する一次処理槽13と、一次処理槽13内の液体とオゾンとを混合させて一次処理槽13内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体BR1を放出する微細気泡発生器15と、一次処理槽13内の液体を吸引して微細気泡発生器15へ送給するポンプP1と、微細気泡発生器15へオゾンを送給するオゾン供給手段28と、ポンプP1から微細気泡発生器15へ送給される液体に圧力を加えるための加圧処理容器24と、を備えている。二次処理装置12は、二次処理槽18内に配置された微細気泡発生器19、ポンプP2、塊状多孔体23などを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、洗浄廃液などを清浄化する機能を有する液体処理装置に関する。
処理対象である廃液などへオゾンを含む微細気泡を送り込むことによって廃液を清浄化したり、飲料水を殺菌清浄化したりする技術は、従来、様々な方式が提案されているが、本願発明と関連するものとして、例えば、特許文献1記載の「廃液の処理装置」や特許文献2記載の「流体浄化装置」がある。
特許文献1記載の「廃液の処理装置」は、オゾン発生装置で生成されたオゾンと、処理槽内からポンプで抜き出された廃液と、をマイクロバブル発生装置へ供給して生成されたオゾンマイクロバブルを、当該処理槽内に配置されたガス吹き出しパイプの開口部から廃液中へ通気することによって廃液中の有機物を酸化分解するものである。
特許文献2記載の「流体浄化装置」は、反応容器を構成する外筒と内筒との間の密閉空間に酸素を供給するとともに、外筒と内筒との間で放電するによって発生させたオゾンを、内筒に流入する流体に混合させるものである。
特開2004−321959号公報 特開2004−223345号公報
特許文献1記載の「廃液の処理装置」は、一般家庭や食品製造業などから排出される排出される廃液中の有機物を比較的効率良く酸化分解することができる点において優れているが、例えば、レンタル方式の化学ぞうきんや化モップの洗浄廃液などのように溶剤や油分などが混入した汚染度の高い廃液は浄化処理することが困難である。
即ち、特許文献1記載の「廃液の処理装置」の場合、廃液中に供給されたオゾンマイクロバブルが比較的短時間のうちに消失し、オゾンが大気中へ散逸し易いので、オゾンによる酸化分解能力が不十分である。このため、溶剤や油分などが混入した汚染度の高い廃液を浄化処理することが困難である。また、特許文献2記載の流体浄化装置も同様に流体中に供給されたオゾンが比較的短時間のうちに消失するという問題がある。
本発明が解決しようとする第一の課題は、溶剤や油分などが混入した廃液を比較的容易に浄化処理することのできる液体処理装置を提供することにあり、第二の課題は溶存オゾンが散逸し難い液体を生成することのできる液体処理装置を提供することにある。
本発明の液体処理装置は、処理対象である液体を収容する一次処理槽と、前記一次処理槽内の液体とオゾンとを混合させて前記一次処理槽内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体を放出する微細気泡発生器と、前記一次処理槽内の液体を吸引して前記微細気泡発生器へ送給するポンプと、前記微細気泡発生器へオゾンを送給するオゾン供給手段と、前記ポンプから前記微細気泡発生器へ送給される液体に圧力を加えるための加圧処理容器と、を備えたことを特徴とする。
このような構成において、ポンプを作動させると、一次処理槽内の液体はポンプで吸引されて加圧処理容器を経由して微細気泡発生器へ送給され、当該微細気泡発生器にてオゾンを含む微細気泡混じりの液体に変化した後、一次処理槽内へ放出され、再びポンプで吸引された後、加圧処理容器を経由して微細気泡発生器へ送給される。即ち、一次処理槽内の液体はポンプから加圧処理容器及び微細気泡発生器を経て一次処理槽へ戻る経路を循環しながら、当該液体中へオゾンが連続的に供給されるため、液体中に溶け込んだオゾンの酸化分解作用により、液体中に含まれる有機物などを分解、除去することができる。従って、一次処理槽内の液体が溶剤や油分などが混入した廃液であっても比較的容易に浄化処理することができる。
ここで、前記一次処理槽内で処理された液体を導入して貯留する二次処理槽と、前記二次処理槽内の液体と空気とを混合して前記二次処理槽内へ微細気泡混じりの液体を放出する微細気泡発生器と、前記二次処理槽内の液体を吸引して前記微細気泡発生器へ送給するポンプと、前記二次処理槽内の液体中に浸漬された微生物担持機能を有する多孔体と、を備えた二次反応装置を設けることが望ましい。
このような構成において、ポンプを作動させると、一次処理槽内で処理された後、二次処理槽内に貯留された液体はポンプで吸引されて微細気泡発生器へ送給され、当該微細気泡発生器にて微細気泡混じりの液体に変化した後、二次処理槽内へ放出されるため、二次処理槽内の液体はポンプから微細気泡発生器を経て二次処理槽へ戻る経路を循環しながら、溶存酸素量が高まっていく。このような循環処理を継続すると、二次処理槽内の液体中に浸漬された多孔体中に生息する微生物は十分な酸素を得て活性化され、有機物分解作用が高まるため、前記一次処理槽における処理によって分解除去されなかった液体中の有機物などを分解除去することができる。また、二次処理槽内の液体に存在する有機物などの一部は多孔体自体の吸着作用によっても除去されるので、高度の浄化処理を行うことができる。
また、前記二次処理槽内の液体表面に油分吸着材を配備することもできる。このような構成とすれば、オゾン、多孔体中の微生物などによって分解、除去されずに液体表面に浮遊している油分を油分吸着材で吸着除去することができるため、浮遊油分の除去機能が向上する。
次に、本発明の液体処理装置は、処理対象である液体を収容する気密性の処理槽と、前記処理槽内の液体とオゾンと混合して前記処理槽内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体を放出する微細気泡発生器と、前記処理槽内の液体を吸引して前記微細気泡発生器へ送給するポンプと、前記微細気泡発生器へオゾンを送給するオゾン供給手段と、を備えたことを特徴とする。
このような構成において、ポンプを作動させると、処理槽内の液体はポンプで吸引されて微細気泡発生器へ送給され、当該微細気泡発生器にてオゾンを含む微細気泡混じりの液体に変化した後、処理槽内へ放出され、再びポンプで吸引された後、微細気泡発生器を経由して処理槽内へ放出される。即ち、処理槽内の液体はポンプから微細気泡発生器を経て処理槽へ戻る経路を循環しながら、気密状態が保たれた処理槽内にてオゾンが連続的に溶け込んでいくため、溶存オゾンが散逸し難い液体を生成することができる。
ここで、前記ポンプから前記微細気泡発生器へ送給される液体の温度を下げる冷却手段を設ければ、液体の温度上昇に伴うオゾン溶解度の低下を抑制することができるため、液体中の溶存オゾンの維持に有効である。
一方、前記微細気泡発生器が、流体が軸心の周りを旋回可能な筒状若しくは回転体状の流体旋回室と、前記軸心とねじれの位置をなす方向に沿って前記流体旋回室内へ液体を供給するように配置された液体導入経路と、前記流体旋回室内へ気体を供給するため前記流体旋回室に連通された気体導入経路と、前記流体旋回室内に形成される微細気泡混じりの液体を排出するため前記流体旋回室の前記軸心の延長線上に開設された吐出口と、を備えることが望ましい。
このような構成において、ポンプで吸引した液体を液体導入経路へ送給しながら、気体導入経路へオゾンや空気などの気体を供給すると、流体旋回室内に軸心周りの流体旋回流が発生するとともに、軸心付近に負圧空洞部が形成される。この負圧空洞部は渦キャビテーションとも呼ばれ、その端部の気体は瞬時に液体中へ溶解し、未溶解の気体は流体旋回流によって引き千切られて大量の微細気泡となり、これらの微細気泡が混じった液体が吐出口から処理槽内の液体中へ放出される。微細気泡発生器の液体導入経路へ供給される気体の種類に応じて、これらの微細気泡はオゾンや酸素を含有しているため、処理槽内の液体へのオゾン供給源や酸素供給源となる。
本発明により、溶剤や油分などが混入した廃液を比較的容易に浄化処理することのできる液体処理装置と、オゾン溶存度が高く、溶存オゾンが散逸し難い液体を生成することのできる液体処理装置と、を提供することができる。
本発明の第一実施形態である液体処理装置を示す概略構成図である。 図1に示す液体処理装置を構成する微細気泡発生器の斜視図である。 図2に示す微細気泡発生器の軸心方向の断面図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図2におけるB−B線断面図である。 本発明の第二実施形態である液体処理装置を示す概略構成図である。 微細気泡発生器に関するその他の実施形態を示す斜視図である。 微細気泡発生器に関するその他の実施形態を示す図である。 微細気泡発生器に関するその他の実施形態を示す図である。 微細気泡発生器に関するその他の実施形態を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第一実施形態である液体処理装置を示す概略構成図、図2は図1に示す液体処理装置を構成する微細気泡発生器の斜視図、図3は図2に示す微細気泡発生器の軸心方向の断面図、図4は図2におけるA−A線断面図、図5は図2におけるB−B線断面図である。
図1に示すように、本実施形態の液体処理装置10は、一次処理装置11と、二次処理装置12と、を備えている。一次処理装置11は、処理対象である液体を収容する一次処理槽13と、一次処理槽13内の液体とオゾンとを混合させて一次処理槽13内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体BR1を放出する微細気泡発生器15と、一次処理槽13内の液体を吸引して微細気泡発生器15へ送給するポンプP1と、微細気泡発生器15へオゾンを送給するオゾン供給手段28と、ポンプP1から微細気泡発生器15へ送給される液体に圧力を加えるための加圧処理容器24と、を備えている。
一次処理槽13は、上端開口部17aと底部17bを有する筒状の内槽17と、上端開口部16aと底部16bとを有し、内槽17の周壁17cの上方部分を包囲するように取り付けられた筒状の外槽16と、で形成されている。内槽17の上端開口部17aは外槽16の上端開口部16aより低い位置に配置され、内槽17の底部17bは外槽16の底部16bより低い位置に配置されている。内槽17内の外槽16底部16bより低い位置に微細気泡発生器15が配置され、その上方に、網状部材Mが内槽17内を横断する状態で配置され、オゾン供給手段28から微細気泡発生器15へオゾンを送給するための送気管G1が配管されている。
図1に示すように、外槽16の底部16bに開閉バルブV1が接続され、内槽17の底部17bに開閉バルブV3が接続され、開閉バルブV1とポンプP1との間に送液管L1が配管され、開閉バルブV3と二次処理装置12の二次処理槽18との間に送液管L4が配管されている。また、ポンプP1と加圧処理容器24との間に送液管L2が配管されている。
加圧処理容器24は、上下端がそれぞれ天井部14a及び底部14bによって閉塞された気密性を有する筒状の外容器14と、外容器14内の底部14b上に立設された筒状の内容器27と、で構成されている。内容器27の下端部27bは、外容器14内の底部14b上に固着され、内容器27の上端開口部27aは、外容器14の天井部14aより低い位置に配置されている。ポンプP1から配管された送液管L2は外容器14及び内容器27の周壁14c,27cを貫通して内容器27内に連通している。外容器14の周壁14cの下方には開閉バルブV2が取り付けられ、開閉バルブL3と微細気泡発生器15との間に送液管L3が配管されている。
二次処理装置12は、一次処理槽13内の液体を導入して貯留する二次処理槽18と、二次処理槽18内の液体と大気中の空気とを混合して二次処理槽18内へ微細気泡混じりの液体BR2を放出する微細気泡発生器19と、二次処理槽18内の液体を吸引して微細気泡発生器19へ送給するポンプP2と、二次処理槽18内の液体中に浸漬された塊状多孔体23と、二次処理槽18内の液体表面に散在する小球状の油分吸着材21と、を備えている。塊状多孔体23は発泡ガラスで形成された微生物担持機能を有する物質であり、透水性を有する袋体22内に複数の塊状多孔体23が充填され、液体W中に浮いた状態で二次処理槽18内に収容されている。
また、液体W5中に配置されたポンプP2で吸引した当該液体W5を微細気泡発生器19へ送給するための送給管L5がポンプP2と微細気泡発生器19との間に配管され、大気中の空気をポンプP2に導入するための吸気管G2がポンプP2から大気中に向かって配管され、その先端部にエアフィルタ20が取り付けられている。
ここで、図1に基づいて液体処理装置10を使用した液体処理工程について説明する。液体処理装置10を構成する一次処理装置11の開閉バルブV3,V5を閉止し、開閉バルブV1,V2を開放状態にした後、処理対象である液体を一次処理槽13の外槽16及び内槽17内に収容する。この後、ポンプP1及びオゾン供給手段28を作動させると、一次処理槽13の内槽17の周壁17cと外槽16との間に収容された液体W2が開閉バルブV1及び送液管L1を経由して吸引され、送液管L2を経由して加圧処理容器24の内容器27内へ送り込まれる。
これにより、内容器27内に液体W3が溜まっていき、上端開口部27aから溢れた液体W3が、内容器27の周壁27cと外容器14の周壁14cとの間の空間に流れ込む。前記空間に収容された液体W4は、外容器14の底部14bに設置された開閉バルブV2及び送液管L3を通過して、一次処理槽13の内槽17内の微細気泡発生器15へ送給される。
加圧処理容器24内から微細気泡発生器15へ送給される液体W4と、オゾン供給手段28から微細気泡発生器15へ送給されるオゾンにより、微細気泡発生器15において形成されたオゾンを含む微細気泡MB混じりの液体BR1が内槽17内の液体W1中へ放出される。液体W1へ吐出された微細気泡MB混じりの液体BR1は、その中を拡散しながら、微細気泡MB中のオゾンが液体W1中へ溶け込んでいくため、液体W1中に溶け込んだオゾンの酸化分解作用により、液体W1中に含まれる有機物などが分解される。
微細気泡発生器15から内槽17内の液体W1中へ吐出される微細気泡MB混じりの液体BR1により、内槽17内の液体W1は増加して上端開口部17aから溢れ、内槽17の周壁17cと外槽16との間の空間に流入する。前記空間内に収容された液体W2は、開閉バルブV1及び送液管L1を経由してポンプP1によって吸引され、送液管L2を経由して、加圧処理容器24の内容器27内へ送り込まれる。
ポンプP1によって液体W2が気密性の加圧処理容器24内へ連続的に圧送されることにより、当該加圧処理容器24内の液体W3,W4は大気圧より高い加圧状態に保たれるため、液体W3,W4中へのオゾン溶解が促進される。加圧処理容器24を通過することによってオゾン溶解度が高まった液体は、送液管L3を経由して再び微細気泡発生器15へ送給され、前述した工程が繰り返される。
このように、一次処理槽13内の液体W1,W2はポンプP1から加圧処理容器24及び微細気泡発生器15を経て一次処理槽13へ戻る経路を連続的に循環することにより、当該液体中へオゾンが連続的に供給されるため、液体中に溶け込んだオゾンの酸化分解作用により、液体中に含まれる有機物などを分解、除去することができる。従って、溶剤や油分などが混入した廃液を一次処理槽13内に収容して、前記循環工程を実行すれば、廃液中に含まれる溶剤や油分を分解除去することができる。
一次処理装置11における分解処理よりも高度の清浄化処理が必要なときは、前述した処理工程を終えた一次処理槽13内及び加圧処理容器24内の液体を二次処理装置12へ移送して処理を行うことができる。即ち、一次処理装置11における分解処理が終わったら、開閉バルブV1,V2,V3,V5を開放状態にして、ポンプP1を作動させると、一次処理槽13内の液体W1,W2及び加圧処理容器24内の液体W3,W4は送液管L4を経由して二次処理装置12の二次処理槽18内へ送り込まれる。二次処理槽18内の液体W5が所定量に達したら、開閉バルブV3を閉じて一次処理装置11からの送液を停止する。
この後、ポンプP2を作動させると、二次処理槽18内の液体はポンプP2で吸引されて微細気泡発生器19へ送給され、吸気管G2を経由して微細気泡発生器19に導入される空気と混合されて微細気泡混じりの液体BR2に変化した後、二次処理槽18内の液体W5中へ放出される。従って、二次処理槽18内の液体W5はポンプから微細気泡発生器19を経て二次処理槽18へ戻る経路を循環しながら、溶存酸素量が高まっていく。
このような工程が継続されることにより、二次処理槽18内の液体W5中に浸漬された複数の塊状多孔体23中に生息する微生物は十分な酸素を得て活性化され、有機物分解作用が高まるため、一次処理装置11での清浄化処理によって分解除去されなかった液体W5中の有機物などを分解除去することができる。また、二次処理槽18内の液体W5中の有機物などは塊状多孔体23自体の吸着作用によっても除去されるので、高い浄化機能を得ることができる。
また、二次処理槽18内の液体W5表面に、小球状をした多数の油分吸着材21を浮かべて配備したことにより、一次処理装置11におけるオゾン分解作用や塊状多孔体23中の微生物の分解作用などによって分解、除去されずに液体W5表面に浮遊している油分を吸着除去することができるため、浮遊油分の除去機能も優れている。二次処理装置12における清浄化処理が終わったら、ポンプP2を停止して、開閉バルブV4を開くと、清浄化された液体Wを二次処理槽18から排出することができる。
次に、図2〜図5に基づいて、前述した液体処理装置10を構成する微細気泡発生器15の構造、機能などについて説明する。図2は図1に示す液体処理装置を構成する微細気泡発生器の斜視図、図3は図2に示す微細気泡発生器の軸心方向の断面図、図4は図2におけるA−A線断面図、図5は図2におけるB−B線断面図である。なお、微細気泡発生器15と微細気泡発生器19とは稼働時に導入する気体が異なるだけであって、互いに同じ構造、機能であるため、微細気泡発生器19の説明は省略する。
図2〜図5に示すように、微細気泡発生器15は、流体が軸心Cの周りを旋回可能な略円筒状の流体旋回室25と、軸心Cとねじれの位置をなす方向に沿って流体旋回室25内へ液体を供給するように配置された液体導入経路である送液管L3及び液体導入口15fと、流体旋回室25内へ気体(オゾン)を供給するため流体旋回室25に連通された気体導入経路である送気管G1及び気体導入口15gと、流体旋回室25で形成された微細気泡MB混じりの液体BR1を排出するため流体旋回室25の軸心Cの延長線上に開設された吐出口26と、を備えている。本実施形態の液体導入口15fは微細気泡発生器15の周壁15aの接線方向に沿って形成されているため、その軸心Cとねじれの位置をなす方向に沿って液体を流体旋回室25内に向かって送り込むことができる。
送液管L3を経由して微細気泡発生器15へ送給された液体は液体導入口15fから流体旋回室25内へ流入し、これにより流体旋回室25内には、図3に示すように、軸心Cを中心とする流体旋回流Rが発生すると同時に、ほぼ軸心Cに沿って筒状の負圧空洞部Vが出現する。この負圧空洞部Vの一方の端部は流体旋回室25の気体導入口15g付近に位置するとともに、他端部は流体旋回室25の吐出口26付近に位置し、吐出口26付近においては、負圧空洞部Vの端部が括れた状態となる。
流体旋回室25内に流体旋回流Rとともに出現する負圧空洞部Vの負圧によって気体導入口15g付近に負圧が生じるため、この負圧に起因する吸引力により、オゾン供給手段28のオゾンが送気管G1を経由して気体導入口15gへ吸い込まれ、このオゾンが流体旋回室25内の負圧空洞部V内へ連続的に流入し、流体旋回室25内へ流入する液体とともに流体旋回流Rを形成する。
一方、気体導入口15gから負圧空洞部V内へ流入したオゾンは、流体旋回室25内に発生している流体旋回流Rに連行されながら吐出口26から液体とともに放出されるが、このとき、負圧空洞部Vの吐出口26側の端部において、流体旋回流Rによってねじ切られて微細気泡MBとなり、流体旋回流Rを形成する液体に混入して、微細気泡MB混じりの流体BR1となって吐出口26から一次処理槽13の内槽17内の液体W1中へ吐出される。
図3に示すように、微細気泡発生器15内においては、流体旋回室25内に出現する負圧空洞部Vの一方の端部(気体導入口15g側)からオゾンを導入しながら、他方の端部(吐出口26側)の延長方向に向かって微細気泡NB混じりの液体BR1を吐出する。このとき、負圧空洞部Vは、流体旋回室25軸心C付近に安定的に存在し続け、その両端部もそれぞれ気体導入口15g付近、吐出口26付近に安定的に位置するため、負圧空洞部Vが流体旋回室25の内面に接触することがなく、キャビテーション・エロージョンの発生を回避することができる。
また、微細気泡発生器15自体も、略円筒状の周壁15aに気体導入口15gを設け、隔壁15cに液体導入口15fを設け、隔壁15bに吐出口26を設けた簡素な構造であるため、取り扱いは容易であり、液体やオゾンに伴って流入した異物が詰まり易い狭隘な流路もないので、定期的なメンテナンスも不要である。
さらに、図3に示すように、流体旋回室25の隔壁15cに開設された気体導入口15gを、流体旋回室25の軸心Cに沿って内側へ突出させて配置するとともに、流体旋回室25の内周面15jと気体導入口15gとの間に、滑らかに連続した凹曲面15dを設けている。このような形状とすることにより、負圧空洞部Vの気体導入口15g側の端部が不規則に移動するのを防止することができるため、負圧空洞部Vは軸心C付近に安定的に存在し続けることができる。
一方、図3に示すように、流体旋回室25の隔壁15b寄りの領域には、他の領域より内径の大きな予備旋回部15hを設けているため、液体導入口15fから流入する液体は予備旋回部15hにおいて一旦整流された後、傾斜内周面15kを経て流体旋回室25全体へ流動する。これにより、液体導入口15fから流入する液体の圧力変動が緩和されるため、圧力変動に起因する負圧空洞部Vのふらつきや移動を回避することができ、キャビテーション・エロージョンの防止に有効である。
微細気泡発生器15においては、図4,図5に示すように、液体導入口15fの開口面積を吐出口26の開口面積より大としているため、P1によって流体旋回室25内へ送給される液体の圧力により流体旋回室25内の流体圧力が高まり、吐出口26から吐出される微細気泡NB混じりの液体BR1の吐出速度も高まる。このため、図1に示す内槽17内の液体W1に対する撹拌作用も得ることができる。また、図1に示すように、微細気泡発生器15は、その吐出口26を内槽17の底部17bに向けて配置し、微細気泡NB混じりの液体BR1を底部17bに向けて吐出しているため、このときに生じる液流による撹拌作用も得ることができる。
一方、前述とは逆に、吐出口26の開口面積を液体導入口15fの開口面積より大とすれば、液体導入口15fを経由して流体旋回室25内へ入った固形状の異物などは吐出口26から速やかに排出されるため、流体旋回室25内の異物滞留を防ぐことができる。また、吐出口26の開口面積を液体導入口15fの開口面積より大とした場合、流体旋回室25内に入った異物などの清掃除去も容易となる。
次に、図6に基づいて、本発明の第二実施形態である液体処理装置について説明する。図6は本発明の第二実施形態である液体処理装置を示す概略構成図である。なお、図6において図1〜図5と同符号を付している部分は液体処理装置10の構成部分と同じ構造、機能を有する部分であり、説明を省略する。
図6に示す液体処理装置30は、処理対象である液体を収容する気密性の処理槽39と、処理槽39内の液体とオゾンとを混合して処理槽39内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体BR3を放出する微細気泡発生器15と、処理槽39内の液体を吸引して微細気泡発生器15へ送給するポンプP3と、微細気泡発生器15へオゾンを送給するオゾン供給手段28と、を備えている。
処理槽39は、上下端がそれぞれ天井部31a及び底部31bによって閉塞された気密性を有する筒状の外槽31と、外槽31内の底部31bを貫通して外容器31内に立設された筒状の内槽32と、で構成されている。内槽32の底部32bは、外槽31の底部31bより下方に突出し、内槽32の上端開口部32aは、外槽31の天井部31aより低い位置に配置されている。内槽32の底部32bは、内槽32の周壁32cの外径より拡径した形状であり、処理槽39を設置面(図示せず)上で起立させるための支持板としての機能も有している。
外槽31の底部31bからポンプに向かって送液管L6が配管され、ポンプP3と冷却手段34との間及び冷却手段34と微細気泡発生器15との間にはそれぞれ送液管L7,L8が配管されている。外槽31の天井部31aには、開閉バルブV8と、処理槽39の過昇圧を回避するための安全バルブ33とが設けられ、外槽31の周壁31cの下端付近には開閉バルブV6が取り付けられ、内槽32の周壁32cの下端付近には開閉バルブV7が設けられている。
開閉バルブV6,V7を閉じた状態にして、処理対象である液体(例えば、飲料水)を開閉バルブV8から処理槽39内に充填し、開閉バルブV8を閉じた後、ポンプP3を作動させると、内槽32の周壁32cと外槽31の周壁31cとの間の空間内の液体DW2は、送液管L6、ポンプP3、送液管L7、冷却手段34及び送液管L8を経由して微細気泡発生器15へ送給される。微細気泡発生器15へ送給された液体は、オゾン供給手段28から送気管G1を経由して微細気泡発生器15へ導入されるオゾンと混合されて、オゾンを含む微細気泡混じりの液体BR3に変化した後、内槽32内の液体DW1中へ放出される。
これにより、内槽32内の液体DW1は増加して上端開口部32aから溢れ、内槽32の周壁32cと外槽31の周壁31cとの間の空間内へ流入する。前記空間に収容された液体DW2はポンプP3で吸引された後、冷却手段34及び微細気泡発生器15を経由して再び微細気泡混じりの液体BR3となって内槽32内へ放出される。即ち、処理槽39内の液体はポンプP3から冷却手段34及び微細気泡発生器15を経て処理槽39へ戻る経路を連続的に循環する。このような循環処理が継続されると、気密状態が保たれた処理槽39内においてオゾンが連続的に液体DW1,DW2に溶け込んでいくため、溶存オゾンが散逸し難い液体を生成することができる
液体処理装置30においては、ポンプP3から微細気泡発生器15へ送給される液体の温度を下げる冷却手段を設けたことにより、液体の温度上昇に伴うオゾン溶解度の低下を抑制することができるため、液体DW1,DW2中の溶存オゾンは比較的長時間に渡って維持される。液体処理装置30における処理が完了したら、ポンプP3を停止して、開閉バルブV6,V7を開けば処理済みの液体を排出することができる。
液体処理装置30を用いて処理した飲料水は溶存オゾンが散逸し難い状態となるため、当該飲料水を飲むときに脱気オゾンガスを直接吸い込むようなことがない。なお、液体処理装置30の用途は飲料水の処理に限定しないので、その他の用途、例えば、食品の殺菌、排水処理あるいは調理場の洗浄などにも使用することができる。
次に、図7〜図10に基づいて、微細気泡発生器に関するその他の実施の形態について説明する。図7〜図10はいずれも微細気泡発生器に関するその他の実施形態を示す斜視図である。なお、図7〜図10において図1〜図6と同符号を付している部分は液体処理装置10,30の構成部分と同じ構造、機能を有する部分であり、説明を省略する。
液体処理装置10,30を構成する微細気泡発生器15,19の配置個数は限定しないので、図7に示すように、微細気泡発生器15と、当該微細気泡発生器15と鏡面対称の構造を有する微細気泡発生器35と、をそれぞれの吐出口26同士が対向するように配置して使用することもできる。この場合、図8に示すように、微細気泡発生器15,35を対向状態に保持するケーシング36と、送液管L3から分岐してそれぞれ微細気泡発生器15,35に配管された送液管L31,L32と、送気管G1から分岐してそれぞれ微細気泡発生器15,35に配管された送気管G11,G12と、を設ければ処理槽内へ容易に配備することができる。
一方、図9,図10に示すように、二つの微細気泡発生器15,35をそれぞれの吐出口26が同じ方向を向くように配置することもできる。この場合、図9に示すように、送液管L31,L32が互いに内側に位置するように形成されたケーシング37内に二つの微細気泡発生器15,35を配置したり、図10に示すように、送液管L31,L32が互いに外側に位置するように形成されたケーシング38内に二つの微細気泡発生器15,35を配置したりすることができる。
本発明の液体処理装置は、溶剤や油分などが混入した廃液を清浄化する手段あるいはオゾン溶存度が高く、溶存オゾンが散逸し難い液体を生成する手段として、廃水処理業や飲料水製造業などの分野において広く利用することができる。
10,30 液体処理装置
11 一次処理装置
12 二次処理装置
13 一次処理槽
14 外容器
14a,31a 天井部
14b,16b,17b,31b 底部
14c,15a,27c,31c,32c 周壁
15,19,35 微細気泡発生器
15b,15c 隔壁
15d 凹曲面
15f 液体導入口
15g 気体導入口
15h 予備旋回部
15j 内周面
15k 傾斜内周面
16,31 外槽
16a,17a,27a,32a 上端開口部
17,32 内槽
18 二次処理槽
20 エアフィルタ
21 油分吸着材
22 袋体
23 塊状多孔体
24 加圧処理容器
25 流体旋回室
26 吐出口
27 外容器
27b 下端部
28 オゾン供給手段
33 安全バルブ
36,37,38 ケーシング
39 処理槽
BR1,BR2,BR3 微細気泡混じりの液体
C 軸心
G1,G11,G12 送気管
G2 吸気管
M 網状部材
MB 微細気泡
P1,P2,P3 ポンプ
R 流体旋回流
V 負圧空洞部
L1〜L8,L31,L32 送液管
V1〜V8 開閉バルブ
W1〜W5,DW1,DW2 液体

Claims (6)

  1. 処理対象である液体を収容する一次処理槽と、前記一次処理槽内の液体とオゾンとを混合させて前記一次処理槽内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体を放出する微細気泡発生器と、前記一次処理槽内の液体を吸引して前記微細気泡発生器へ送給するポンプと、前記微細気泡発生器へオゾンを送給するオゾン供給手段と、前記ポンプから前記微細気泡発生器へ送給される液体に圧力を加えるための加圧処理容器と、を備えたことを特徴とする液体処理装置。
  2. 前記一次処理槽内で処理された液体を導入して貯留する二次処理槽と、前記二次処理槽内の液体と空気とを混合して前記二次処理槽内へ微細気泡混じりの液体を放出する微細気泡発生器と、前記二次処理槽内の液体を吸引して前記微細気泡発生器へ送給するポンプと、前記二次処理槽内の液体中に浸漬された微生物担持機能を有する多孔体と、を備えた二次処理装置を設けた請求項1記載の液体処理装置。
  3. 前記二次処理槽内の液体表面に油分吸着材を配備した請求項2記載の液体処理装置。
  4. 処理対象である液体を収容する気密性の処理槽と、前記処理槽内の液体とオゾンと混合して前記処理槽内へオゾンを含む微細気泡混じりの液体を放出する微細気泡発生器と、前記処理槽内の液体を吸引して前記微細気泡発生器へ送給するポンプと、前記微細気泡発生器へオゾンを送給するオゾン供給手段と、を備えたことを特徴とする液体処理装置。
  5. 前記ポンプから前記微細気泡発生器へ送給される液体の温度を下げる冷却手段を設けた請求項4記載の液体処理装置。
  6. 前記微細気泡発生器が、流体が軸心の周りを旋回可能な筒状若しくは回転体状の流体旋回室と、前記軸心とねじれの位置をなす方向に沿って前記流体旋回室内へ液体を供給するように配置された液体導入経路と、前記流体旋回室内へ気体を供給するため前記流体旋回室に連通された気体導入経路と、前記流体旋回室内に形成される微細気泡混じりの液体を排出するため流体旋回室の前記軸心の延長線上に開設された吐出口と、を備えた請求項1〜5のいずれかに記載の液体処理装置。
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