JP2010210707A - 偏光素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも均一な光学物性を発現する偏光素子を製造することができる偏光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】基板(被処理基板X)の一面(成膜面Xa)に第1の方向(矢印D1)から第1の膜材料を堆積させ、凸部13に第1の膜14aを形成する工程と、第1の方向と異なる第2の方向(矢印D2)から第2の膜材料を堆積させ、凸部13に第2の膜14bを形成する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、偏光素子の製造方法に関するものである。
様々な電気光学装置の光変調装置として、液晶装置が用いられている。液晶装置の構造として、対向配置された一対の基板間に液晶層が挟持されているものが広く知られ、所定の偏光された光を液晶層に入射するための偏光素子や、電圧無印加時に液晶分子の配列を制御する配向膜が備えられる構成が一般的である。
偏光素子としては、ヨウ素や二色性染料を含む樹脂フィルムを一方向に延伸することで、ヨウ素や二色性染料を延伸方向に配向させて製造するフィルム型の偏光素子や、透明な基板上にナノスケールの細線を敷き詰めて形成されるワイヤーグリッド型の偏光素子が知られている。
ワイヤーグリッド型偏光素子は、無機材料から構成するため、耐熱性に優れているという特長を有しており、特に耐熱性が要求される箇所に好適に使用される。例えば、液晶プロジェクタのライトバルブ用の偏光素子として好適に用いられる。このようなワイヤーグリッド型の偏光素子としては、例えば特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1では、金属膜をエッチングしてパターニングし細線を形成する従来の方法に代え、基板上に形成した凹凸部に対して斜め方向からの斜方スパッタ法で金属材料を堆積させ、堆積した金属微粒子層を細線としている。この方法によると、可視光領域で所望の消光比をもち、強い光に対する耐光特性のある偏光板が提供できるとしている。
特開2008−216957号公報
しかしながら、上記従来の偏光素子の製造方法においては、斜方スパッタを行って基板上の凸部に細線を形成すると、基板の面内の位置によって細線の材料である金属粒子の堆積量に偏りが生じるという課題がある。すなわち、特許文献1に示された方法では、基板の表面において金属材料の材料源からの距離が様々に異なる。そのため、堆積される各金属材料は基板の表面の位置によって目標の大きさに対して例えば±50%程度の偏りができてしまう。金属材料の大きさに偏りが生じると、隣り合う細線間の距離や、細線の幅・高さなど、偏光素子の光学物性に密接な関係のあるパラメータが変わってしまうため、偏光素子全体で均一な光学物性を発現することができない。
そこで、本発明は、従来よりも均一な光学物性を発現する偏光素子を製造することができる偏光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の偏光素子の製造方法は、基板の少なくとも一面に設けられた複数の凸部の表面の少なくとも一部に膜を形成する偏光素子の製造方法であって、前記基板の前記一面に第1の方向から第1の膜材料を堆積させ、前記凸部に第1の膜を形成する工程と、前記第1の方向と異なる第2の方向から第2の膜材料を堆積させ、前記凸部に第2の膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1の膜の膜厚の偏りと第2の膜の膜厚の偏りとを異ならせ、第1の膜厚の偏りを第2の膜の膜厚の偏りによって相殺させることができる。
すなわち、第1の膜を形成する際には、基板の一面内における凸部の位置によって各々の凸部に堆積する第1の膜材料の堆積量に偏りが生じる。それにより、各々の凸部の表面に形成される各々の第1の膜の膜厚に偏りが生じる。しかし、第1の膜の形成後、凸部に第1の膜材料を堆積させた第1の方向と異なる第2の方向から第2の膜材料を堆積させることで、各々の凸部の表面に第1の膜の膜厚の偏りと異なる膜厚の偏りの第2の膜が形成される。そのため、第1の膜の膜厚の偏りを第2の膜の膜厚の偏りによって相殺させ、第1の膜と第2の膜からなる膜の膜厚を均一化することが可能になる。
したがって、各々の凸部の表面に第1の膜と第2の膜とからなる均一な膜厚の膜を形成し、従来よりも均一な光学物性を発現する偏光素子を製造することができる。
また、本発明の偏光素子の製造方向は、前記複数の凸部はストライプ状に設けられ、前記第1の方向及び前記第2の方向は前記凸部の延在方向と交差することを特徴とする。
本発明によれば、ストライプ状に設けられた凸部の短手方向の両側面のいずれかの側から第1の膜材料及び第2の膜材料を堆積させることができる。これにより、ストライプ状の凸部の表面に第1の膜及び第2の膜からなる細線状の膜を形成することができる。
また、本発明の偏光素子の製造方向は、前記第1の方向は前記凸部の短手方向の両側面の一方の側面側から他方の側面側へ前記凸部を横断する方向であり、前記第2の方向は前記他方の側面側から前記一方の側面側へ前記凸部を横断する方向であることを特徴とする。
本発明によれば、凸部の短手方向の両側面のそれぞれに第1の膜と第2の膜を形成することができる。また、凸部の延在方向に交差する方向において、基板上の各位置における第1の膜の膜厚の変化の傾きが、基板上の各位置における第2の膜の膜厚の変化の傾きと逆の傾きになる。
また、本発明の偏光素子の製造方向は、前記第1の膜を形成した後、前記基板を反転させて前記第2の膜を形成することを特徴とする。
本発明によれば、第1の膜材料の材料源と第2の膜材料の材料源とを基板に対して同じ側(略同一の方向)に配置し、第1の膜材料と第2の膜材料とを凸部に対して逆の方向から堆積させ、第1の膜と第2の膜とを異なる方向から形成することができる。
本発明の実施形態に係る成膜装置の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る偏光素子の製造工程を示す工程断面図である。 同、工程断面図である。 本発明の実施形態に係る偏光素子の一例を示す概略図である。 偏光素子に形成する膜の膜厚均一化についての説明図である。 同、説明図である。 同、説明図である。 同、説明図である。 同、説明図である。 同、説明図である。 同、説明図である。 同、説明図である。 偏光素子に形成する膜の膜厚のばらつきを示すグラフである。 基板と膜材料の材料源との位置関係を示す図である。 膜厚の測定箇所の説明図である。 膜厚の測定結果を示すグラフである。 膜厚の測定結果を規格化して示すグラフである。 膜厚のばらつきと基板の角度及び成膜速度との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る偏光素子の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態の偏光素子の製造方法に用いられる製造装置の一例である蒸着装置の概略図である。
図1に示すように、蒸着装置100は、チャンバー110と、チャンバー110内に配置されて被処理基板Xを載置する載置台120と、載置台120に対向して配置されたるつぼ130と、るつぼ130内に配置された膜材料140と、を備えている。蒸着装置100内では、被処理基板Xを載置台120の表面法線方向(膜材料140の中心を通る法線)に対して角度θ傾けた状態で載置台120に載置し、るつぼ130内の膜材料140を蒸発させて被処理基板Xに対して蒸着を行う。被処理基板Xは、載置台120に載置される前に、成膜面Xaに予め複数の凸部が形成される。被処理基板Xの成膜面Xaは、被処理基板Xの片面であってもよく、被処理基板Xの両面であってもよい。
次に、被処理基板Xの成膜面Xaに凸部を形成する工程について説明する。図2(a)〜図2(c)は、被処理基板Xに複数の凸部を形成する工程を示す説明図である。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板等の基板1Aを用意する。そして、基板1Aの一面側にレジスト材料をスピンコートにより塗布し、これをプリベークすることでレジスト層2aを形成する。レジスト材料としては、例えば、化学増幅型のポジ型フォトレジストTDUR−P338EM(東京応化工業(株)社製)を用いる。本実施形態では、レジスト層2aを200nmに形成する。
次いで、図2(b)に示すように、例えば波長が266nmのレーザ光を露光光として用いた二光束干渉露光法によりレジスト層2aを露光する。更にレジスト層2aをベーク(PEB)した後、レジスト層2aを現像する。これにより、縞状のパターンを有するレジスト2を形成する。本実施形態のレジスト2の高さは200nmである。
次に、図2(c)に示すように、レジスト2を介してドライエッチング処理を行い、基板1Aを50〜300nm程度掘り下げる。これにより、基板1Aをパターニングして、凹部12、凸部13を有する被処理基板Xを形成する。本実施形態では、凹部12が100nmの深さとなるまでエッチングを行う。また、エッチングガスとしてC,CF,CHFの混合ガスを用いる。その際の反応条件として、ガス流量:C/CF/CHF=20/30/30sccm、放電出力:300W、圧力:5Pa、反応時間:30〜40secでエッチングを行う。
以上の工程により、被処理基板Xの成膜面Xaに複数の凹部12と凸部13が形成される。
被処理基板Xの成膜面Xaに形成する凸部13は、製造する偏光素子に対応して種々の形状に形成することができる。例えば、図2(c)に示す三角形の断面形状以外にも、矩形状、半円状、半楕円状、放物線形状等の断面形状に形成してもよい。また、凸部13の形状は、円柱状、直方体状、立方体状、円錐状、多角錐状、半球状、半楕円球状、すり鉢状等の形状に形成することができる。また、これらの凸部13を被処理基板Xの成膜面Xaに千鳥状に配置したり、最密充填の配置としたり、所定の方向に所定の間隔で配列させたりしてもよい。また、上記の断面形状を有する凸部13を一方向に延在させて凸条部を形成し、凸条部を所定の間隔でストライプ状に配列させてもよい。
本実施形態では、図2(c)に示すように、凸部13は三角形の断面形状に形成され、図示の断面と垂直な方向に延在する凸条に形成されている。また、凹部12も断面と垂直な方向に延在する凹条に形成されている。また、凸部13は、断面方向に所定の間隔でストライプ状に配列されている。凸部13の延在方向と略垂直な断面における凸部13及び凹部12の寸法は、例えば、凸部13の高さh:100nm、幅W1:70nm、底面12aの幅W2:70nm、周期(ピッチ)p:140nm、である。
次に、被処理基板Xの成膜面Xaに膜材料140の粒子を堆積させて、成膜面Xaの凸部13に膜14を形成する工程について説明する。図3(a)及び図3(b)は、被処理基板Xの凸部13に膜14を形成する工程を示す工程図である。
まず、図1に示すように、蒸着装置100の載置台120に、被処理基板Xを載置台120の垂線に対して所定の角度θ傾けた状態で載置する。このとき、載置台120とるつぼ130を結ぶ直線と凸部13の延在方向とが交差するように被処理基板Xを配置する。本実施形態では、被処理基板Xは、載置台120とるつぼ130を結ぶ直線と凸部13の延在方向とが略直交するように配置されている。
次に、るつぼ130によって第1の膜材料140を蒸発させ、図3(a)に示すように膜材料140の粒子を凸部13の一方の側面13aに堆積させて第1の膜14aを形成する。
図3(a)では、第1の膜材料140の粒子が飛来する方向(第1の方向)を矢印D1で示している。第1の方向は、凸部13の延在方向と交差する方向であることが望ましい。本実施形態では第1の膜材料140の粒子が飛来する第1の方向は、凸部13の延在方向と略直交している。また、第1の方向は、凸部13の短手方向の両側面13a,13bのうち、被処理基板Xの一端X1側の側面13a側から他端X2側の側面13b側へ凸部13を横断する方向となっている。
ここで、被処理基板Xの成膜面Xaの各々の凸部13では、図1に示すように、第1の膜材料140からの離間距離(例えば、距離L1と距離L2)に差がある。この第1の膜材料140からの距離の差、すなわち被処理基板Xの成膜面Xa内における凸部13の位置の差異によって第1の膜材料140の粒子の堆積量に偏りが生じる。すなわち、凸部13への第1の膜材料140の粒子の堆積量は、第1の膜材料140からの距離が近い被処理基板Xの一端X1側ほど多くなり、距離が遠い他端X2側ほど少くなる。
そのため、図3(a)に示すように、各々の凸部13の表面に形成される各々の第1の膜14aの体積は、被処理基板Xの一端X1側ほど大きく、他端X2側ほど小さくなる。したがって、第1の膜14aの膜厚は、被処理基板Xの一端X1側ほど厚く、他端X2側ほど薄くなり、第1の膜14aの膜厚に偏りが生じる。
本実施形態では、第1の膜14aの形成後、被処理基板Xを反転させ、図1に示すように被処理基板Xの一端X1側が載置台120側に、他端X2側が第1の膜材料140側に位置するように、被処理基板Xを載置台120に配置しなおす。また、るつぼ130上に第2の膜材料150を配置する。
次に、るつぼ130によって第2の膜材料150を蒸発させ、図3(b)に示すように、凸部13の他方の側面13bに第2の膜材料150の粒子を堆積させて第2の膜14bを形成する。
図3(b)では、第2の膜材料150の粒子が飛来する方向(第2の方向)を矢印D2で示している。第2の方向は、凸部13の延在方向と交差する方向であることが望ましい。本実施形態では第2の膜材料150の粒子が飛来する第2の方向は、凸部13の延在方向と略直交している。また、第2の方向は、凸部13の短手方向の両側面13a,13bのうち、被処理基板Xの他端X2側の側面13b側から一端X1側の側面13a側へ凸部13を横断する方向となっている。
ここで、被処理基板Xの成膜面Xaの各々の凸部13では、第1の膜14aの形成時と同様に、第2の膜材料150からの離間距離に差がある(図1参照)。したがって、第1の膜14aと同様に、凸部13の他方の側面13bへの第2の膜材料150の粒子の堆積量は、第2の膜材料150からの距離が近い被処理基板Xの他端X2側ほど多くなり、距離が遠い一端X1側ほど少くなる。
そのため、図3(b)に示すように、各々の凸部13の表面に形成される各々の第2の膜14bの体積は、被処理基板Xの他端X2側ほど大きく、一端X1側ほど小さくなる。したがって、第2の膜14bの膜厚は、被処理基板Xの他端X2側ほど厚く、一端X1側ほど薄くなり、第2の膜14bの膜厚に偏りが生じる。
すなわち、第1の膜14aの形成後、各々の凸部13に第1の膜材料140を堆積させた第1の方向と異なる第2の方向から第2の膜材料150を堆積させることで、各々の凸部13の表面に第1の膜14aの膜厚の偏りと異なる膜厚の偏りの第2の膜14bが形成される。以上の工程により、図4に示すように、ストライプ状の凸部13と細線状の膜14を備えた偏光素子10を形成することができる。
膜14は、少なくとも被処理基板Xにおいて偏光素子10が形成される領域の全面に形成する。本実施形態では、チャンバー110内を6.7×10−3Paに減圧し、824nm/minの成膜速度でアルミニウムの蒸着を行った。膜14を形成する方法としては、蒸着以外にも被処理基板Xの成膜面Xaに対して斜め方向から成膜可能であれば適用でき、他にもマグネトロンスパッタやイオンビームスパッタ、対向ターゲット型のスパッタ等の斜方成膜方法を適用することが可能である。
本実施形態では膜14の形成材料である第1の膜材料140及び第2の膜材料150としてアルミニウムを用いる。したがって、実際には第1の膜材料140と第2の膜材料150を置き換える必要はない。第1の膜材料140及び第2の膜材料150としては、アルミニウム以外にも、シリコン、ゲルマニウム、モリブデン、を好適に用いることができる。膜14の形成材料としてアルミニウムを用いると、加工がしやすい反面、アルミニウムが酸化しやすい金属材料であるため劣化のおそれがある。
そのため、上述した金属材料及び半金属材料のうち酸化し難いシリコン、ゲルマニウム、モリブデンを用いると、劣化し難い膜14とすることができ好ましい。例えば、偏光素子が高温となる用途に用いる場合、高温環境下では酸化反応が促進されるが、上記材料を用いて膜14を形成すると、耐久性の高い偏光素子とすることが可能となる。また、必要に応じて、これらの材料を主として含む合金を形成材料として用いることとしても構わない。
本実施形態では、第1の膜材料140を堆積させる第1の方向と第2の膜材料を堆積させる第2の方向を異ならせることで、第2の膜14bの膜厚の偏りが、第1の膜14aの膜厚の偏りと逆の偏りになる。そのため、第1の膜14aの膜厚の偏りを第2の膜14bの膜厚の偏りによって相殺させ、第1の膜14aと第2の膜14bからなる膜14の膜厚を均一化することが可能になる。
したがって、本実施形態の偏光素子の製造方法によれば、各々の凸部13の表面に第1の膜14aと第2の膜14bとからなる均一な膜厚の膜14を形成し、従来よりも均一な光学物性を発現する偏光素子を製造することができる。
また、本実施形態では、複数の凸部13がストライプ状に設けられ、第1の方向は、凸部13の短手方向の一方の側面13a側から他方の側面13b側へ凸部13を横断するように凸部13の延在方向と交差している。また、第2の方向は、他方の側面13b側から一方の側面13a側へ凸部13を横断するように凸部13の延在方向と交差している。
したがって、凸部13の短手方向の側面13aに第1の膜材料140を堆積させることができる。また、凸部13の短手方向の側面13bに第2の膜材料150を堆積させることができる。これにより、図4に示すように、ストライプ状の凸部13の両側面13a,13bに跨って第1の膜14a及び第2の膜14bからなる細線状の膜14を形成することができる。
また、凸部13の延在方向に交差する方向において、成膜面Xa上の各位置における第1の膜14aの膜厚の変化の傾きが、成膜面Xa上の各位置における第2の膜14bの膜厚の変化の傾きと逆の傾きになる。これにより、各々の凸部13の表面に第1の膜14aと第2の膜14bとからなる均一な膜厚の膜14を形成することができる。
また、本実施形態では、第1の膜14aを形成した後、被処理基板Xを反転させて第2の膜14bを形成している。そのため、図1に示すように、第1の膜材料140と第2の膜材料150とを被処理基板Xに対して同じ側(略同一の方向)に配置し、第1の膜材料140と第2の膜材料150とを凸部13に対して逆の方向から堆積させ、第1の膜14aと第2の膜14bとを異なる方向から形成することができる。
以下、膜14の膜厚の均一化について、図5〜図12を用いてさらに詳しく説明する。
図5に示すように、膜材料の材料源をS、基板の成膜面をP、材料源Sと成膜面Pとの距離をR、成膜面Pの法線方向に材料源Sを配置した場合の法線の原点をO、原点Oから距離xだけ離れた成膜面P上の点Qにおける微小面積要素をdσ、材料源Sから点Qまでの距離をRとする。材料源Sより微小面積要素dσを望む立体角dωは、下記の式(1)によって表される。
dω=dσ・cosθ/R …(1)
材料源Sから蒸発した膜材料の全質量mのうち立体角dωの範囲に含まれる質量をdmとすると、質量dmは下記の式(2)によって表される。すなわち、質量dmは、図6に示すように、距離Rの二乗に反比例する。質量dmは成膜量(膜厚)又は成膜速度と言い換えることもできる。したがって、質量dmは成膜面Pでの成膜速度が材料源Sからの距離Rの二乗に反比例するということもできる。
dm=m・dσ・cosθ/4πR …(2)
材料源Sが微小平面である場合は、余弦定理に従う角度分布を考慮することで次のように考えることができる。図7において、微小平面dsを中心とする十分大きな半径の球面上の任意の点pを考える。点pを中心として微小平面dsを含む立体角をdωとすると、微小平面ds上の各点からの放射はランダムな角度分布を持つので、微小平面dsを出発して点pに向かう分子数は立体角dωに比例する。微小平面dsの垂線と点p方向とのなす角をθとすると、立体角dωは下記の式(3)によって表される。
dω=ds・cosθ/R …(3)
したがって、微小平面dsからの蒸発は、微小平面dsの法線と角度θをなす方向に対してcosθの角度分布を示す。蒸発源である微小平面dsと平行に配置された成膜面P上の膜厚分布は、図5において材料源Sの位置に垂線OSに垂直な微小平面dsがあるとすると、点源である材料源Sと同様に求められる。すなわち、質量dmは下記の式(4)によって表される。実際には、蒸着における膜材料やスパッタにおけるターゲットは、共に微小平面dsとみなすことができる。
dm=m・ds・cosθ/πR …(4)
すなわち、材料源Sが微小平面である場合であっても、質量dmは距離Rの二乗に反比例する。
次に、図8に示すように、材料源Sを通る法線上の成膜面P1,P2における成膜量を比較する。上述したように、蒸着量は材料源からの距離の二乗に反比例する。しかし、材料源Sと成膜面P1との距離R1に対し、成膜面P1と成膜面P2との距離が極めて小さい場合、蒸着後の成膜面P1と成膜面P2のとの間の膜厚分布は、図9に示すように一次関数に近似することができる。この場合、材料源Sに近い成膜面P2の成膜量が多く、材料源Sから遠い成膜面P1の成膜量は少ない。
例えば、12インチ角のシリコンウェハの一面を成膜面とし、膜材料としてSiOを蒸着させる場合には、蒸発源から成膜面までの距離200cmに対し、成膜面の一辺の長さ(一端から他端までの距離)は10cm以下である。したがって、蒸発源から成膜面までの距離に対して、成膜面の各点から蒸発源までの距離の差は極めて小さくなる。そのため、基板の成膜面内の膜厚分布においては、図9に示すような一次関数への近似が成立する。
ここで、図10に示すように、成膜面P1,P2間に長さdの基板を配置した場合、基板の成膜面内の膜厚のばらつきは、図9に示す膜厚分布と同等に考えることができる。
上記のように配置した基板の成膜面に一回目の蒸着を行った結果、成膜面P1,P2間に図9に示すような膜厚分布が生じているとする。この膜厚分布を均一化させるためには、一回目に蒸着を行った第1の方向と異なる第2の方向から二回目の蒸着を行う必要がある。より具体的には、第2の方向は、基板の成膜面から見て第1の方向と逆方向であることが望ましい。すなわち、第1の方向と第2の方向は基板の成膜面の法線に対して対象であることが好ましい。また、第1の方向と第2の方向は、それぞれ成膜面に対する角度が等しく、それぞれの方向を基板の成膜面に投影したときに正対する方向であることが好ましい。
このように、一回目に蒸着を行った第1の方向と異なる第2の方向、より好ましくは第1の方向と逆方向である第2の方向から二回目の蒸着を行うことで、図11に示すように、一回目の蒸着の膜厚分布(近似式:y=−mx+n)と、二回目の蒸着の膜厚分布(近似式:y=mx+p)とを逆の傾きにすることができる。そして、一回目の蒸着により形成された第1の膜と、二回目の蒸着により形成された第2の膜と、により形成された膜の膜厚分布は、図12に示すように、第1の膜と第2の膜の膜厚分布が足し合わされて均一化される。
次に、蒸着源からの成膜面までの距離の変化に伴う成膜面内の膜の膜厚のばらつきについて詳しく説明する。
上述のように、図5に示すような材料源Sから成膜面Pに飛来する粒子の質量dm(成膜面Pにおける成膜量、膜厚、又は成膜速度)は上記の式(2)で表される。この式(2)から、図10に示す材料源Sと成膜面P1との距離R1に対し成膜面P1と成膜面P2との間隔が十分に小さい場合、図13に示すように、材料源Sからの距離Rが遠い領域A1の方が、距離Rが近い領域A2よりも成膜面P内における膜厚(質量dm)のばらつきは小さくなる。
すなわち、図13に示すように、質量dmは距離Rの二乗に反比例しており、質量dm/距離Rの傾きの絶対値が小さくなる材料源Sから遠い側ほど質量dmのばらつきは小さくなる。ただし、材料源Sからの距離Rが遠くなるほど成膜速度も指数関数的に減少する。そのため、蒸着(蒸着圧:1.0×10−3Pa)であれば、距離Rは300cm以下であることが望ましい。また、例えば対向ターゲット型のスパッタ装置等を用いてスパッタ法(スパッタ圧:1.0×10−1Pa)により膜を形成する場合には、距離Rは30cm以下であることが望ましい。
次に、蒸発源の法線方向に対する基板の成膜面の角度と成膜量のばらつきとの関係について、詳しく説明する。
まず、30mm角の基板S1〜S6を用意し、図14に示す材料源Sの法線方向に対する成膜面の角度θと成膜速度とを基板S1〜S6毎に異ならせ、第1の方向から第1の膜材料を堆積させて成膜面の凸部に第1の膜を成膜した。それぞれの基板S1〜S6に対する成膜条件を表1に示す。
Figure 2010210707
そして、図15に示すように、各基板S1〜S6において第1の膜の延在方向と交差する第1の方向に沿った5箇所(符号D1〜D5)でSEM観察による断面積測定を行い、各測定箇所での第1の膜の成膜量(膜厚)を計測した。測定箇所間は等間隔で5mmずつ離間している。ここで、測定箇所D1が材料源Sからの距離Lが最も遠く、測定箇所D5が材料源Sからの距離Lが最も近くなっている。
図16は、成膜量の測定結果を示すグラフである。図17は、各基板S1〜S6の測定箇所D1における成膜量を100%として、各測定箇所D1〜D5の成膜量を規格化して表したグラフである。図18は、各基板S1〜S6の膜厚のばらつきを示すグラフである。
図16〜図18に示すように、角度θが大きく成膜速度が大きいほど、測定箇所D1〜D5における膜厚のばらつきが大きくなる傾向がある。したがって、基板の成膜面の膜をより均一に形成するためには、基板の角度θは0°であることが望ましい。
ここで、基板の角度θが0°である場合に、材料源Sの半径をrとし、材料源Sの外縁と基板の一端X1を結ぶ直線と材料源Sの中心を通る方線とのなす角度をθ1、材料源Sの外縁と基板の他端X2とを結ぶ直線と材料源Sの中心を通る方線とのなす角度をθ2とする。この場合に、角度θ2が5°未満、好ましくは2°以上3°以下となるように、材料源Sと基板との距離L及び材料源の半径rを選択する。このように構成することで、基板の一端X1の角度θ1と他端X2の角度θ2との角度差を無視することができるようになる。これにより、基板に対してより均一な膜厚の膜を形成することが可能になる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施形態で説明した偏光素子の製造方法では、偏光素子の製造装置として蒸着装置を用いたが、蒸着装置の代わりに通常のスパッタ装置や対向ターゲット型のスパッタ装置を用いてもよい。また、対向ターゲット型のスパッタ装置を用いる場合には、基板を膜材料粒子の飛来方向と交差する方向に搬送しながら成膜を行ってもよい。これにより基板の搬送方向の膜厚を均一化させることができる。
また、スパッタ装置を用いる場合には、プラズマ流の流れ方向と基板の成膜面との角度を5°未満、好ましくは2°以上3°以下となるように、基板とスパッタ装置を配置することが望ましい。このような配置とすることで、基板の一端側のプラズマ流と成膜面の角度と、基板の他端側のプラズマ流と成膜面の角度との角度差を無視することができるようになる。これにより、基板に対してより均一な膜厚の膜を形成することが可能になる。
13 凸部、13a 側面、13b 側面、14a 第1の膜、14b 第2の膜、14 膜、D1 矢印(第1の方向)、D2 矢印(第2の方向)、X 被処理基板(基板)、Xa 成膜面(一面)

Claims (4)

  1. 基板の少なくとも一面に設けられた複数の凸部の表面の少なくとも一部に膜を形成する偏光素子の製造方法であって、
    前記基板の前記一面に第1の方向から第1の膜材料を堆積させ、前記凸部に第1の膜を形成する工程と、
    前記第1の方向と異なる第2の方向から第2の膜材料を堆積させ、前記凸部に第2の膜を形成する工程と、を有する
    ことを特徴とする偏光素子の製造方法。
  2. 前記複数の凸部はストライプ状に設けられ、前記第1の方向及び前記第2の方向は前記凸部の延在方向と交差する
    ことを特徴とする請求項1に記載の偏光素子の製造方法。
  3. 前記第1の方向は前記凸部の短手方向の両側面の一方の側面側から他方の側面側へ前記凸部を横断する方向であり、
    前記第2の方向は前記他方の側面側から前記一方の側面側へ前記凸部を横断する方向である
    ことを特徴とする請求項2に記載の偏光素子の製造方法。
  4. 前記第1の膜を形成した後、前記基板を反転させて前記第2の膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
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