JP2010210249A - 生化学自動分析装置のための分注方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体の吸引量が少ない希釈倍率の場合にも高精度の測定が可能な生化学自動分析装置を提供する。
【解決手段】検体の吸引量が少ない希釈倍率の場合にも高精度の測定が可能な生化学自動分析装置を提供する。そのために、(1)ピペット内部から希釈容器に向けて所定量の希釈液を吐出する第1の工程、(2)ピペット内部の先端に少量のエアを吸引して、内部の希釈液の先端部にエアギャップを作る第2の工程、(3)ピペットを希釈容器からサンプル容器に移動させて、ピペットでサンプル容器からエアギャップを介して所定量の検体を吸引する第3の工程、(4)ピペットをサンプル容器から希釈容器に移動させて、所定量の検体を希釈容器に向けて吐出する第4の工程、(5)希釈された検体の入った容器を光源ランプと受光部との間に移動させて、検体の分析を行なう第5の工程、から成る方法で検体の希釈と分析を行なう。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば血液や尿のような生体試料について、複数項目についての分析を行うようにした生化学自動分析装置の技術分野に属するものである。
図1は、従来の生化学自動分析装置の全体構成を示す図である。従来の生化学自動分析装置1は、生体試料を入れた所定数のサンプル容器2、2、…および通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液を入れた希釈液容器3、3、…がセットされるサンプルターンテーブル4、サンプル容器2から吸引され、希釈されたサンプルを入れる希釈容器5、5、…がセットされる希釈ターンテーブル6、第1試薬を入れた所定数の第1試薬容器7、7、…がセットされる第1試薬ターンテーブル8、第2試薬を入れた所定数の第2試薬容器9、9、…がセットされる第2試薬ターンテーブル10、希釈ターンテーブル6の希釈容器5からサンプリングした希釈サンプルと、第1試薬ターンテーブル8の第1試薬容器7からサンプリングした第1試薬および第2試薬ターンテーブル10の第2試薬容器9からサンプリングした第2試薬をそれぞれ入れて反応させる所定数の反応容器11、11、…がセットされる反応ターンテーブル(以下、回転反応器と呼ぶ)12からなっている。
サンプルターンテーブル4においては、外側にサンプル容器2、2、…が2列配置されているとともに、内側に希釈液容器3、3、…が2列配置され、これらの容器2、2、…;3、3、・・・はそれぞれ所定本数セットされている。そして、このサンプルターンテーブル4は所定速度でステップ送りされている。
サンプルターンテーブル4の周囲には、サンプル希釈ピペット13が配置されている。このサンプル希釈ピペット13は、図示しないサンプル希釈ピペット左右・上下駆動機構により左右、上下に駆動されて、サンプルターンテーブル4と希釈ターンテーブル6との間で、図示しない洗浄装置を通って左右の回動により往復動する。そして、サンプル希釈ピペット13がサンプルターンテーブル4の所定位置においてサンプル容器2に上下動によるアクセスしたとき、図示しないサンプル用ポンプが作動してサンプルを所定量吸引し、希釈ターンテーブル6の所定位置において希釈容器5にアクセスしたとき、このサンプルとともにサンプル希釈ピペット13自体から供給される所定量の希釈液(通常は生理食塩水)を注入し、その結果、サンプルが希釈容器5内で所定倍数に希釈されるようにしている。その後、サンプル希釈ピペット13は図示しない希釈洗浄装置により洗浄されるようになっている。
希釈ターンテーブル6の周囲には、サンプル希釈ピペット13の他に、サンプリングピペット14、希釈撹拌装置15、洗い壷と呼ばれている希釈洗浄装置16が配置されている。希釈容器5内の希釈サンプルは、希釈撹拌装置15により撹拌されて、試料が均一に希釈される。これらの各装置13、14、15、16の配置の自由度を確保するために、希釈ターンテーブル6は、この希釈ターンテーブル6上の円周上に配置された希釈容器5の総数と共通の因数を持たない数を1ステップの送り数としてステップ送りされるようになっている。
サンプリングピペット14は、図示しないサンプリングピペット左右・上下駆動機構により左右、上下に駆動されて、希釈ターンテーブル6と回転反応器12との間で希釈洗浄装置16を通って左右の回動により往復動するようになっている。そして、サンプリングピペット14は、希釈ターンテーブル6の所定位置において上下動により希釈容器5にアクセスしたとき、図示しない希釈サンプル用ポンプが作動して、所定量の希釈サンプルを吸引し、回転反応器12の所定位置において、上下動により、反応容器11にアクセスしたとき、吸引した希釈サンプルをその反応容器11に注入するようにしている。
希釈撹拌装置15は、図示しない撹拌装置上下駆動機構により上下に駆動されるとともに、図示しない撹拌棒が前後運動(希釈ターンテーブル6の径に沿う方向の直進往復運動)されるようになっている。そして、希釈ターンテーブル6の所定の希釈容器5の希釈サンプル内に撹拌棒が進入しかつ前後運動することによりサンプルの希釈が均一に行われるようにしている。希釈洗浄装置16は、希釈サンプルを反応容器11に注入した後、サンプリングピペット14を洗浄するようになっている。
回転反応器12の周囲には、サンプリングサンプルピペット14の他に、第1試薬ピペット17、第2試薬ピペット18、第1反応撹拌装置19、第2反応撹拌装置20、検出器である多波長光度計21、恒温槽22および反応容器洗浄装置23が配置されている。
第1試薬ピペット17は、図示しない第1試薬ピペット左右・上下駆動機構により左右、上下に駆動されて、回転反応器12と第1試薬ターンテーブル8との間で、左右の回動による往復動するようになっている。そして、第1試薬ピペット17は、第1試薬ターンテーブル8の所定位置において、上下動により第1試薬容器7にアクセスしたとき、図示しない第1試薬用ポンプが作動して、所定量の第1試薬を吸引し、回転反応器12の所定位置において、上下動により反応容器11にアクセスしたとき、吸引した第1試薬をその反応容器11に注入するようにしている。
第1反応撹拌装置19は、図示しない撹拌装置上下駆動機構により上下に駆動されるとともに、図示しない撹拌棒が、回転運動かつ前後方向の往復動をされるようになっている。そして、回転反応器12の所定の反応容器11の希釈サンプルと第1試薬内に撹拌棒が進入した後、回転かつ前後運動(回転反応器12の径に沿う方向の直進往復運動)することにより、希釈サンプルの反応が均一に、かつ、確実に行われるようにしている。
第2試薬ピペット18は、図示しない第2試薬ピペット左右・上下駆動機構により左右、上下に駆動されて、回転反応器12と第2試薬ターンテーブル10との間で、左右の回動による往復動するようになっている。そして、第2試薬ピペット18は、第2試薬ターンテーブル10の所定位置において、上下動により第2試薬容器9にアクセスしたとき、図示しない第2試薬用ポンプが作動して、所定量の第2試薬を吸引し、回転反応器12の所定位置において、上下動により反応容器11にアクセスしたとき、吸引した第2試薬をその反応容器11に注入するようにしている。
第2反応撹拌装置20は、第1反応撹拌装置19とまったく同じ構成を有しており、図示しない撹拌装置上下駆動機構により、上下に駆動されるとともに、後述する撹拌棒が、回転運動かつ前後方向の往復動をされるようになっている。そして、回転反応器12の所定の反応容器11の希釈サンプルと第2試薬内に撹拌棒が進入した後、回転かつ前後運動することにより、希釈サンプルの反応が、均一にかつ確実に行われるようにしている。
多波長光度計21は、反応容器11内の希釈サンプルの吸光度等を測定して、反応容器11内での希釈サンプルの反応状態を検出するようにしている。恒温槽22は、回転反応器12の反応容器11を、常時一定の温度に保持するようになっている。
反応容器洗浄装置23は、図示しない廃液ポンプにより、反応容器11に入っている検出の終了した希釈サンプルを吸入し、かつ、これを廃液タンクに排出した後、図示しない洗浄液ポンプにより、洗浄液をこの反応容器11内に供給して、この洗浄液により反応容器11内を洗浄し、その後洗浄液を廃液タンクに排出するようになっている。
これらの各装置14、17、18、19、20、21、22、23の配置の自由度を確保するために、回転反応器12も、この回転反応器12上の周縁部に全周に渡って配置された反応容器11の総数と共通の因数を持たない数を1ステップ当たりの反応容器の送り数として、ステップ送りされるようになっている。その場合、回転反応器12は、1ステップにつき半周以上回転するようにされている。
このような生化学自動分析装置においては、検体を生理食塩水で希釈して分析に供することがしばしば行なわれている。従来の検体希釈方法には、次の3通りの方法がある。
(1)標準希釈(5倍希釈)。
(2)内部希釈液による特殊希釈(2〜75倍希釈)。
(3)外部希釈液による特殊希釈(2〜75倍希釈)。
標準希釈の動作は、検体の入ったサンプル容器から検体を30μL吸引した後、続いて分注ピペットの内部から供給される内部希釈液を120μL吐出することによって、検体と希釈液を同時に希釈容器内に分注する検体希釈方式である。
内部希釈液による特殊希釈は、検体の入ったサンプル容器から検体を2〜25μL吸引した後、続いて分注ピペットの内部から供給される内部希釈液を15〜150μL吐出することによって、検体と希釈液を同時に希釈容器内に分注する検体希釈方式である。
外部希釈液による特殊希釈は、始めに希釈液の入ったサンプル容器から15〜150μLの希釈液を吸引した後、続いて検体の入ったサンプル容器から2〜25μLの検体を吸引して、希釈液と検体を同時に希釈容器に吐出する検体希釈方式である。
特開平10−096735号公報 特許第3419431号公報
従来の検体希釈方式では、内部に希釈液の入ったピペットで少量のエアを吸引した後、検体を所定量吸引し、検体、エア、内部希釈液の順番で一気に希釈容器に向けて吐出させていた。
このような方法では、検体と希釈液の間にエアギャップを作っているだけなので、本来ならば吸引される検体量と吐出される検体量は等しいはずであるが、検体を吸引しようとしてピペットがサンプル容器に向かって降下した際に、予め吸引しておいたエアギャップの一部が降下のショックで吐出されてしまい、その吐出されたエアギャップの分だけ余計に検体を吸引するという不測の問題が発生することがあった。
そのため、その後検体を希釈液と一緒に吐出すると、余計に吸引された検体までが一緒に吐出されて吐出精度が悪くなり、余計に検体を吸引した分、測定値が高い値を示してしまうという問題があった。この余計に吸引された検体量は微量のため、検体の吸引量が少ない希釈倍率の場合に、特に顕著な分析誤差となって表われていた。
本発明は、上述した点に鑑み、検体の吸引量が少ない希釈倍率の場合にも高精度の測定が可能な生化学自動分析装置を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかる生化学自動分析装置のための分注方法および装置は、
(1)ピペット内部から希釈容器に向けて所定量の希釈液を吐出する第1の工程、
(2)ピペット内部の先端に少量のエアを吸引して、内部の希釈液の先端部にエアギャップを作る第2の工程、
(3)ピペットを希釈容器からサンプル容器に移動させて、ピペットでサンプル容器からエアギャップを介して所定量の検体を吸引する第3の工程、
(4)ピペットをサンプル容器から希釈容器に移動させて、所定量の検体を希釈容器に向けて吐出する第4の工程、
(5)希釈された検体の入った容器を光源ランプと受光部との間に移動させて、検体の分析を行なう第5の工程、
から成る方法で検体の希釈と分析を行なうことを特徴としている。
本発明の生化学自動分析装置のための分注方法および装置によれば、
(1)ピペット内部から希釈容器に向けて所定量の希釈液を吐出する第1の工程、
(2)ピペット内部の先端に少量のエアを吸引して、内部の希釈液の先端部にエアギャップを作る第2の工程、
(3)ピペットを希釈容器からサンプル容器に移動させて、ピペットでサンプル容器からエアギャップを介して所定量の検体を吸引する第3の工程、
(4)ピペットをサンプル容器から希釈容器に移動させて、所定量の検体を希釈容器に向けて吐出する第4の工程、
(5)希釈された検体の入った容器を光源ランプと受光部との間に移動させて、検体の分析を行なう第5の工程、
から成る方法で検体の希釈と分析を行なうので、
検体の吸引量が少ない希釈倍率の場合にも高精度の測定が可能な生化学自動分析装置を提供することができる。
従来の生化学自動分析装置の一例を示す図である。 本発明にかかる検体希釈方法の一段階を示す図である。 本発明にかかる検体希釈方法の一段階を示す図である。 本発明にかかる検体希釈方法の一段階を示す図である。 本発明にかかる検体希釈方法の一段階を示す図である。 本発明にかかる検体希釈方法の一段階を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図2〜6に本発明にかかる生化学自動分析装置の希釈分析方法の一実施例を示す。本発明では、まず図2に示すように、ピペット内部から希釈容器に向けて所定量の内部希釈液を吐出する。これが第1ステップである。
次に、図3に示すように、ピペット内部の先端に少量のエアを吸引して、ピペット内部の内部希釈液の先端部にエアギャップを作る。これが第2ステップである。
次に、図4に示すように、ピペットを希釈容器からサンプル容器に移動させた後、サンプル容器の液面に向けてピペットを降下させ、サンプル容器からエアギャップを介して所定量の検体を吸引する。これが第3ステップである。
次に、図5に示すように、ピペットをサンプル容器から希釈容器に移動させて、所定量の検体を希釈容器に向けて吐出する。これが第4ステップである。
最後に、図6に示すように、希釈された検体の入った容器を光源ランプと受光部との間に移動させて、検体の分析を行なう。これが第5ステップである。
第4ステップでは、シリンジポンプは、所定量の検体だけを吐出させるように動作するため、仮に第2ステップから第3ステップに移行する際に、エアギャップの一部をピペット降下のショックで吐出してしまっていて、その結果として第3ステップで検体を余計に吸引するようなことが起きたとしても、第4ステップで吐出する際に余分の検体を吐出することがない。
検体を吸引する際にピペットが降下したショックでエアギャップの一部を吐出してしまう点では、従来の方法と同様であるが、余分に吸引した検体を内部希釈液と同時に吐出することがないため、余計に検体を吸引しても、検体の最終的な吐出量は増えない。これにより、検体の吸引量が少ない希釈倍率の場合にも、高精度の測定が可能となる。
生化学自動分析装置に広く利用できる。
1:生化学自動分析装置、2:サンプル容器、3:希釈液容器、4:サンプルターンテーブル、5:希釈容器、6:希釈ターンテーブル、7:第1試薬容器、8:第1試薬ターンテーブル、9:第2試薬容器、10:第2試薬ターンテーブル、11:反応容器、12:反応ターンテーブル(回転反応器)、13:サンプル希釈ピペット、14:サンプリングピペット、15:希釈攪拌装置、16:希釈洗浄装置、17:第1試薬ピペット、18:第2試薬ピペット、19:第1反応攪拌装置、20:第2反応攪拌装置、21:多波長光度計、22:高温槽、23:反応容器洗浄装置

Claims (2)

  1. (1)ピペット内部から希釈容器に向けて所定量の希釈液を吐出する第1の工程、
    (2)ピペット内部の先端に少量のエアを吸引して、内部の希釈液の先端部にエアギャップを作る第2の工程、
    (3)ピペットを希釈容器からサンプル容器に移動させて、ピペットでサンプル容器からエアギャップを介して所定量の検体を吸引する第3の工程、
    (4)ピペットをサンプル容器から希釈容器に移動させて、所定量の検体を希釈容器に向けて吐出する第4の工程、
    (5)希釈された検体の入った容器を光源ランプと受光部との間に移動させて、検体の分析を行なう第5の工程、
    から成る生化学自動分析装置のための分注方法。
  2. 請求項1記載の分注方法で検体の希釈と分析を行なう生化学自動分析装置。
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