JP2010210006A - 液圧式クラッチレリーズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンとシール部材との軸方向の隙間の設定が容易かつ精度よくできる液圧式クラッチレリーズ装置を提供すること。
【解決手段】第2ピストン37は、第1ピストン36に向かって延在する延在部37bを有し、第1ピストン36は、第2ピストン37に向かって延在する他の延在部36bを有し、延在部37b及び他の延在部36bは、第2ピストン37と第1ピストン36とが軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液圧によってクラッチを遮断状態にする液圧式クラッチレリーズ装置に関する。
液圧式クラッチレリーズ装置は、変速機の入力軸の外周に配置された内側ハウジング及び外周側ハウジングを有し、内側ハウジングと外周側ハウジングの間にて摺動可能に配された環状ピストンを有し、内側ハウジングと外周側ハウジングの間の環状ピストンの先端に装着されたシール部材を有し、外周側ハウジングに覆われていない箇所にて環状ピストンに固定されたレリーズベアリングを有し、内側ハウジングと外側ハウジングとシール部材とによって囲まれた液室を有する。液圧式クラッチレリーズ装置は、液室内の液圧(例えば、油圧)によって環状ピストン及びレリーズベアリングを軸方向へ移動させてクラッチのダイヤフラムスプリングを押圧することにより、クラッチを遮断状態にする。この種の液圧式クラッチレリーズ装置において、レリーズベアリングは、コイルスプリングによってダイヤフラムスプリング側に付勢されるとともに、ダイヤフラムスプリングによってコイルスプリング側に付勢されることで、ダイヤフラムスプリングと常時接触しているのが一般的である。
このような液圧式クラッチレリーズ装置では、液室内に作動液を注入する方法として、近年、真空ポンプで配管及び液室内の空気を抜き取り(いわゆる真空引き)、その後、作動油を配管及び液室内に注入することが行われている。
独国特許第19681324号明細書 米国特許第6273231号明細書 仏国特許出願公開第2745617号明細書
このような液圧式クラッチレリーズ装置において、以下のような現象が確認されている。
例えば、エンジンの爆発に起因してクランクシャフトの撓みによってもたらされるクランクシャフトの軸方向の振動は、クラッチ(フライホイール、摩擦材、プレッシャプレート、ダイヤフラムスプリング)に伝達され、ダイヤフラムスプリングから液圧式クラッチレリーズ装置におけるレリーズベアリングを介して環状ピストンに伝達される。エンジンの軸方向の振動が環状ピストンに伝播されると、環状ピストンに装着されたシール部材が液室内で微小に摺動変位し、その結果、シール部材が摩耗する。シール部材の摩耗を回避するためには、環状ピストンに伝播された振動をシール部材に直接伝達しないようにするため、環状ピストンとシール部材が離れるように構成すればよいとも考えられる。
ところが、このように環状ピストンとシール部材が離れるように構成すると、真空引きの際に、シール部材が環状ピストンから大きく引き離されて、作動液を注入した後に環状ピストンとシール部材との間の隙間が残ったままとなることがある。この場合、最初のペダル操作時に無効ストロークとなって現れる。また、クラッチペダルの頻繁な踏み込みと戻しの繰り返しによっても、環状ピストンとシール部材との間に隙間が残ったままとなることがある。
このような環状ピストンとシール部材の間の隙間が残ったままとなる状態を回避するためには、シール部材と環状ピストンの分離を防止するとともに、シール部材と環状ピストンを軸方向に所定の隙間をもって連結する構成とすればよいことになる。このような構成の液圧式クラッチレリーズ装置は、特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1では、シール部材が軸方向および半径方向の隙間を持って、シール部材に備わる突起、又は補強物に形成された突起によって環状ピストンと連結されたものが開示されている。特許文献1のFig.2では、シール部材の補強物に形成された球状の突起と、環状ピストンに形成された溝部との間に隙間αを規定しているが、球状の突起部を精度よく形成するのは難しく、また、突起部の球部分で環状ピストンの溝部と当接するので隙間αを必要な寸法範囲(1/10mm以下の寸法差)に納めるのは困難である。また、特許文献1のFig.5のようにシール部材に一体的に突起を設ける場合、成型時の成型精度には限界があり、隙間αを必要な寸法範囲に納めるのは困難である。
特許文献2では、シール部材が液室の側面上にて円環形を呈するシールキャリアに隙間がないように嵌め込まれており、シールキャリアが軸方向および半径方向の隙間を持って環状ピストンに固定されている。シールキャリアは、薄板からプレス成型されており、円筒部の先を環状ピストンの肩部にて絞り曲げて環状ピストンと連結された構成となっている。シールキャリアの絞り成型時の成型精度には限界があり、隙間Xを必要な寸法範囲(1/10mm以下の寸法差)に納めるのは困難である。
特許文献3では、シール部材が軸方向の隙間を持ってシール部材に形成された突起部で環状ピストンと連結されている。突起部はシール部材と一体的に設けられているため、成型時の成型精度には限界があり、突起部と環状ピストンの溝部との隙間を必要な寸法範囲(1/10mm以下の寸法差)に納めるのは困難である。また、突起部には補強部材がないため、弾性変形は免れず、隙間が変化してしまうことがある。
ここで、エンジンの爆発に起因するクランクシャフトの軸方向の振動のシール部材への伝達を確実に遮断し、かつ、シール部材の摩耗を防止するためには、環状ピストンとシール部材との軸方向の隙間を適切に設定しなければならない。環状ピストンとシール部材との軸方向の隙間の設定量はエンジン振動に依存し、振動の大きいエンジンほど振動伝達遮断のために設定量を大きくする必要がある。一方、環状ピストンとシール部材との軸方向の隙間の設定量がエンジン振動より大きいと、結果として、必要以上の隙間が生ずることとなり、ペダルの無効ストロークとなって不快感が生ずるばかりでなく、隙間の大きさによっては作動不良をきたす。このようなことから、環状ピストンとシール部材との軸方向の隙間は寸法精度が要求されるところ、特許文献1−3で示された構成では、上記の通り、寸法精度を出すのが困難である。なお、エンジン振動は、エンジン形式(レシプロ式、ロータリ式)、気筒の配列(直列型、V型、水平対向型など)、気筒数、排気量、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等によって大きさや振動状態が異なってくる。また、同一形式、同一排気量でもエンジン固体として振動が異なるものである。
本発明の主な課題は、環状ピストンとシール部材との軸方向の隙間の設定が容易かつ精度よくできる液圧式クラッチレリーズ装置を提供することである。
本発明の一視点においては、液圧式クラッチレリーズ装置においては、変速機の入力軸の外周に所定間隔をおいて配された内側ハウジングと、前記内側ハウジングの外周に所定間隔をおいて配された外側ハウジングと、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングの間にて区画形成される液室と、前記液室内において前記入力軸の軸方向に沿って摺動可能に収容された第1ピストン及び第2ピストンと、前記第1ピストンの摺動に伴って移動可能であるとともにクラッチ装置の遮断操作を行うレリーズベアリングと、前記第2ピストンの受圧部に装着されたシールと、を備え、前記第1ピストン及び第2ピストンのうち一方のピストンは、他方のピストンに向かって延在する延在部を有し、前記他方のピストンは、前記一方のピストンに向かって延在する他の延在部を有し、前記延在部及び前記他の延在部は、前記一方のピストンと前記他方のピストンとが前記入力軸の軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合することを特徴とする。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記第1ピストン及び前記第2ピストンは、環状に構成されることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部は、周方向に沿って延在する円周方向凸部を有し、前記他の延在部は、周方向に沿って凹んだ円周方向凹部を有し、前記円周方向凸部及び前記円周方向凹部は、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが前記入力軸の軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合することが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部及び前記他の延在部は、矩形状を組み合わせた形状に形成されていることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部及び前記他の延在部は、外周側から見て略T字状に構成されていることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記一方のピストンは、前記他方のピストンの前記他の延在部と対向する端面と前記延在部との間の部位に段差凸部を有し、前記他方のピストンは、前記一方のピストンと対向する前記他の延在部の端面に前記段差凸部が挿入可能な段差凹部を有し、前記段差凸部の高さは、前記段差凹部の深さよりも小さくなるように設定されていることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記他方のピストンは、前記円周方向凹部の周方向に曲面を有することが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部は、外周側から見て、先端に行くに従い広くなった略三角形状に構成され、前記他の延在部は、外周側から見て、先端に行くに従い広くなった略三角形状に構成されていることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部及び前記他の延在部は、前記入力軸の軸芯を中心点に対称な位置に配置されていることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部は、略半円筒状に構成されていることが好ましい。
本発明の前記液圧式クラッチレリーズ装置において、前記延在部及び前記他の延在部の一方の延在部は、凸部を有し、前記延在部及び前記他の延在部の他方の延在部は、凹部を有し、前記凸部は、周方向に弾性的に可撓であり、前記凹部の側壁面に向かって突出する第1爪部を有し、前記凹部の側壁面は、前記凸部に向かって突出する第2爪部を有し、前記第1爪部は、前記第2爪部に係合することが好ましい。
本発明によれば、延在部と他の延在部とが第1ピストンと第2ピストンとが軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合することで、構成が簡単であり、延在部及び凹部の加工が精度よくできるので、第1ピストンと第2ピストンとの軸方向相対変位量の設定が容易である。
本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置を含む動力伝達装置の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストン及び第2環状ピストンの構成を模式的に示した(A)斜視図、及び(B)組合せ断面図である。 エンジン(クランクシャフト)からの軸方向の振動の時間変位を模式的に示したグラフである。 本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンの構成を模式的に示した平面図および断面図である。 本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第2環状ピストンの構成を模式的に示した平面図および断面図である。 本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストン及び第2環状ピストンの構成を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置の変形例の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストン及び第2環状ピストンの構成を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置の変形例の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例5に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の実施例5に係る液圧式クラッチレリーズ装置の変形例の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した部分平面図である。
本発明の実施形態に係る液圧式クラッチレリーズ装置では、変速機の入力軸(図1の2)の外周に所定間隔をおいて配された内側ハウジング(図1の31)と、前記内側ハウジングの外周に所定間隔をおいて配された外側ハウジング(図1の32)と、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングの間にて区画形成される液室(図1の34)と、前記液室内において前記入力軸の軸方向に沿って摺動可能に収容された第1ピストン(図1の36)及び第2ピストン(図1の37)と、前記第1ピストンの摺動に伴って移動可能であるとともにクラッチ装置の遮断操作を行うレリーズベアリング(図1の35)と、前記第2ピストンの受圧部に装着されたシール(図1の33)と、を備え、前記第1ピストン及び第2ピストンのうち一方のピストン(図3の37)は、他方のピストン(図3の36)に向かって延在する延在部(図3の37b)を有し、前記他方のピストン(図3の36)は、前記一方のピストン(図3の37)に向かって延在する他の延在部(図3の36b)を有し、前記延在部(図3の37b)及び前記他の延在部(図3の36b)は、前記一方のピストン(図3の37)と前記他方のピストン(図3の36)とが前記入力軸(図1の2)の軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合する。
本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置を含む動力伝達装置の構成を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置の構成を模式的に示した断面図である。図3は、本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストン及び第2環状ピストンの構成を模式的に示した(A)斜視図、及び(B)組合せ断面図である。
図1、図2を参照すると、液圧式クラッチレリーズ装置30は、エンジン(図示せず)のクランクシャフト1から変速機入力軸2への回転動力を断接可能に伝達するクラッチ装置10を液圧によって遮断状態にする装置である。液圧式クラッチレリーズ装置30は、内側ハウジング31と外側ハウジング32とシール33とによって囲まれた液室34を有し、液室34内の液圧によってピストン36、37、及びレリーズベアリング35を軸方向へ移動してクラッチ装置10を遮断状態にする装置である。液圧式クラッチレリーズ装置30は、内側ハウジング31と、外側ハウジング32と、シール33と、液室34と、レリーズベアリング35と、第1環状ピストン36と、第2環状ピストン37と、皿ばね39と、リターンスプリング40と、シート部材41と、シート部材42と、止め輪43と、シール44と、を有する。
ここで、クランクシャフト1は、ボルト12によってクラッチ装置10のフライホイール11に取り付けられている。クラッチ装置10は、フライホイール11とプレッシャプレート23の間にて、両面に摩擦材13がリベット15によって取付固定されたライニングプレート14が挟圧されている。クラッチ装置10は、ライニングプレート14がリベット28によってサイドプレート16、17に取付固定されており、サイドプレート16、17間にハブ部材18が配されており、サイドプレート16、17とハブ部材18との捩れを弾性力により緩衝するダンパ部材19を有する。クラッチ装置10は、サイドプレート16とハブ部材18の間にスラスト部材20が配されており、サイドプレート17とハブ部材18の間にスラスト部材21及び皿ばね22が配されており、サイドプレート16、17とハブ部材18との捩れを、スラスト部材20、21とハブ部材18との間の摩擦力により緩衝する機能を有する。クラッチ装置10は、ボルト27によってフライホイール11に取付固定されたクラッチカバー25を有し、クラッチカバー25に支持された2つの支点部材26にダイヤフラムスプリング24に挟持されている。ダイヤフラムスプリング24が支点部材26を支点に傾くことで、ダイヤフラムスプリング24の外周端部がプレッシャプレート23をフライホイール11側に付勢するとともに、ダイヤフラムスプリング24の内周端部がレリーズベアリング35を変速機ハウジング3側に付勢する。ダイヤフラムスプリング24は、プレッシャプレート23を付勢することで、両面に摩擦材13が固定されたライニングプレート14をフライホイール11に圧接させる。ハブ部材18は、内周にて変速機入力軸2とスプライン係合している。変速機入力軸2は、ベアリング4を介して回動可能に変速機ハウジング3に支持されている。
内側ハウジング31は、環状(ドラム状、筒状)の部材であり、シリンダ室の一部となる。内側ハウジング31は、筒状部31aと、フランジ部31bと、を有する。筒状部31aは、変速機入力軸2の外周側にて所定間隔をおいて配された筒状の部分であり、変速機入力軸2に対して同心的に配されている。フランジ部31bは、筒状部31aの一端から外周方向に延在した部分であり、外側ハウジング32の取付フランジ32bと変速機ハウジング3とによって挟圧保持されている。
外側ハウジング32は、内側ハウジング31の筒状部31aの外周にて所定間隔をおいて配された環状の部材であり、シリンダ室の一部となる。外側ハウジング32の内周面は、筒状部31aに対して同心的に配されている。外側ハウジング32は、液ポート32aと、取付フランジ32bと、段差部32cと、を有する。液ポート32aは、クラッチマスタシリンダ(図示せず)等から供給された圧液を液室34に供給する液路となる部分である。取付フランジ32bは、変速機ハウジング3に取り付けるためのフランジ形状部分であり、ボルト(図示せず)によって変速機ハウジング3に取り付けられる。取付フランジ32bと変速機ハウジング3の間には、取付フランジ32bと変速機ハウジング3によって挟圧保持された内側ハウジング31のフランジ部31bが配されている。取付フランジ32bとフランジ部31bの間には、取付フランジ32bとフランジ部31bによって挟圧保持されたシール44が配されている。段差部32cは、取付フランジ32bのフランジ部31b側の面に形成された凹部であり、液室34の外周にて環状に形成されている。段差部32cは、液ポート32aからの圧液を液室34に供給する液路となる。
シール33は、弾性材料よりなり、液室34を密封する環状のシール部材である。シール33は、内側ハウジング31と外側ハウジング32の間にて内側ハウジング31と外側ハウジング32のそれぞれと弾性的に接触して液室34を密封する。シール33は、第2環状ピストン37の凹部37aに装着されており、内側ハウジング31と外側ハウジング32の間にて第2環状ピストン37とともに摺動可能である。
液室34は、内側ハウジング31、外側ハウジング32、及びシール33に囲まれた環状のシリンダ室である。液室34は、段差部32cとフランジ部31bの間の液路、及び液ポート32aを介してクラッチマスタシリンダ(図示せず)等に接続されている。
レリーズベアリング35は、保持部材35cに取り付けられた内輪回転式のアンギュラタイプのボールベアリングである。レリーズベアリング35は、第1環状ピストン36の摺動に伴って移動可能であり、クラッチ装置10の遮断操作を行う。レリーズベアリング35の内輪35aは、ボール35dを介して外輪35bに回動可能に支持されており、クラッチ装置10側の端部にてダイヤフラムスプリング24と常時接合(圧接)している。したがって、内輪35aは、ダイヤフラムスプリング24と一体的に回転する。なお、ダイヤフラムスプリング24は、支点部材26を支点に傾くことで、外周端部がプレッシャプレート23をフライホイール11側に付勢するとともに、内周端部が内輪35aを変速機ハウジング3側に付勢する。レリーズベアリング35の外輪35bは、保持部材35cを介して第1環状ピストン36に固定された非回転輪である。レリーズベアリング35の保持部材35cは、第1環状ピストン36の取付部36aにて皿ばね39によって調芯可能に取り付けられており、シート部材41を介してリターンスプリング40の付勢力を受けている。内輪35aと外輪35bとの間にはシール35e、35fが介在しており、シール35e、35f間にはグリスが封入されている。
第1環状ピストン36は、内側ハウジング31と外側ハウジング32の間において第2環状ピストン37の摺動により軸方向(図2の左右方向)に摺動可能に作動する環状部材である。第1環状ピストン36は、外側ハウジング32に収容されない部位に皿ばね39によってレリーズベアリング35の保持部材35cを取り付けるための取付部36aを有する。第1環状ピストン36は、液室34側の端部にて第2環状ピストン37と接離可能に当接している。第1環状ピストン36は、第2環状ピストン37側に延在した延在部36bを有する(図3参照)。延在部36bには、末端部の両側から周方向に凹んだ円周方向凹部36cが形成されている。延在部36b及び円周方向凹部36cは、それぞれ矩形状に形成されている。延在部36bは、外周側から見てT字状になっている。延在部36b間の空所、及び円周方向凹部36cには、図3(B)のように、所定間隔をおいて延在部37b及び円周方向凸部37cが挿入されている。延在部36b及び円周方向凹部36cの組合せは、第1環状ピストン36に2箇所形成され、入力軸(図1の2)の軸心を中心点に対称になっていることが好ましい。延在部36b及び円周方向凹部36cは、切削により加工することができるので、精度よくできる。
第2環状ピストン37は、内側ハウジング31と外側ハウジング32の間において液圧により軸方向(図1の左右方向)に摺動可能に作動する部材である。第2環状ピストン37は、液室34側の端部にシール33を装着するための凹部37aを有する。第2環状ピストン37は、クラッチ装置10側の端部にて第1環状ピストン36と接離可能に当接している。第2環状ピストン37は、第1環状ピストン36側に延在した延在部37bを有する(図3参照)。延在部37bは、先端部の両側から円周方向に突出した円周方向凸部37cが形成されている。延在部37b及び円周方向凸部37cは、それぞれ矩形状に形成されており、外周側から見てT字状となっている。延在部37b及び円周方向凸部37cは、図3(B)のように、所定間隔をおいて延在部36b間の空所及び円周方向凹部36cに挿入されている。延在部37b及び円周方向凸部37cの組合せは、第2環状ピストン37に2箇所形成され、第2環状ピストン37の中心軸を中心点に対称になっていることが好ましい。延在部37b及び円周方向凸部37cは、切削により加工することができるので、精度よくできる。
第1環状ピストン36と第2環状ピストン37とは、延在部37b及び円周方向凸部37cが延在部36b間の空所及び円周方向凹部36cに挿入されることで、所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合し、周方向に係合する。この所定距離の範囲は、第1環状ピストン36と第2環状ピストン37が軸方向の端面同士が当接した状態における円周方向凹部36cと円周方向凸部37cの間の軸方向の隙間cに相当する(図3(B)参照)。隙間cは、円周方向凸部37c分を除く延在部37bの軸方向寸法をaとし、延在部36bから円周方向凹部36c分を除いた軸方向寸法をbとすると、「c=a−b」となる。隙間cによって第1環状ピストン36と第2環状ピストン37の軸方向相対変位が規定される。隙間cは、図1のクランクシャフト1からの軸方向変位に対し、少なくとも0.1〜0.3mm大きく設定することが好ましい。なお、第1環状ピストン36と第2環状ピストン37が係合しているとき、延在部37b及び円周方向凸部37cの軸方向の先端面は、延在部36b間の空所及び円周方向凹部36cの軸方向の底面に当接していない。
皿ばね39は、第1環状ピストン36の取付部36aにレリーズベアリング35の保持部材35cを取り付けるためのばね弾性を有する環状の部材である。皿ばね39は、レリーズベアリング35を半径方向に調心移動可能に支持する。
リターンスプリング40は、変速機入力軸2の軸方向(図1の左右方向)であってシート部材41とシート部材42との間にて伸縮自在に介在している。リターンスプリング40は、シート部材41を介してレリーズベアリング35をダイヤフラムスプリング24側に付勢している。
シート部材41は、リターンスプリング40の一端を支持するための環状の部材であり、レリーズベアリング35の保持部材35cに取り付けられている。
シート部材42は、リターンスプリング40の他端を支持するための環状の部材である。シート部材42は、外側ハウジング32の外周に装着され、リターンスプリング40を受ける面の反対面にて外側ハウジング32の取付フランジ32bと当接している。シート部材42は、リターンスプリング40の外周をカバーする円筒状のカバー部42aを有する。カバー部42aは、レリーズベアリング35及びシート部材41よりも外周に配されている。
止め輪43は、ピストン36、37がクラッチ装置10側へ抜け落ちないように規制する環状部材である。止め輪43は、内側ハウジング31の外周面のクラッチ装置10側の端部の近傍に形成された溝に装着されている。
シール44は、内側ハウジング31のフランジ部31bと外側ハウジング32との接合面を密封するための弾性材料よりなる環状部材である。シール44は、液室34及び液ポート32aよりも外周側に配されている。
次に、本発明の実施例1に係る液圧式クラッチレリーズ装置の動作について説明する。図4は、エンジン(クランクシャフト)からの軸方向の振動の時間変位を模式的に示したグラフである。
液圧式クラッチレリーズ装置30の基本的動作として、クラッチペダル(図示せず)が踏み込まれると、クラッチマスタシリンダ(図示せず)から液ポート32aを通じて液室34に圧液が流入し、液室34に液圧が発生し、液圧によってピストン36、37、及びレリーズベアリング35が一体的にクラッチ装置10側に押付けられ、レリーズベアリング35の内輪35aがダイヤフラムスプリング24の内周端部を押付け、ダイヤフラムスプリング24が支点部材26を支点に回動してダイヤフラムスプリング24の外周端部がプレッシャプレート23から離れる方向に移動して、クラッチプレート(ライニングプレート14)がフライホイール11と相対回転可能になり、クランクシャフト1と変速機入力軸2との間の動力伝達が遮断される。この状態は、クラッチ装置10が非係合状態となるものである。
一方、クラッチペダル(図示せず)が戻されると、液室34内の圧力がなくなるため、ダイヤフラムスプリング24の戻りによってレリーズベアリング35、及びピストン36、37が一体的に押し戻され、ダイヤフラムスプリング24の外周端部がプレッシャプレート23を押付け、クラッチプレート(ライニングプレート14)がフライホイール11と相対回転不能になり、クランクシャフト1と変速機入力軸2との間の動力伝達が行われるようになる。この状態は、クラッチ装置10が係合状態となるものである。
クラッチ装置10が係合状態のとき、リターンスプリング40によってレリーズベアリング35の内輪35aがダイヤフラムスプリング24に圧接され、エンジン回転による振動を受けている。つまり、エンジン回転による爆発に起因する振動は、クランクシャフト1からフライホイール11、摩擦材13、ライニングプレート14、摩擦材13、プレッシャプレート23、ダイヤフラムスプリング24を経て軸方向振動としてレリーズベアリング35に入力され、第1環状ピストン36に伝播される。ここで、図4に示す振幅の振動が第1環状ピストン36に入力されたとして、第1環状ピストン36と第2環状ピストン37との軸方向の隙間c(図3(B)参照)が「c≧2W」であれば、振幅が第2環状ピストン37には伝播されないことになる。
本願発明者が確認したところによれば、エンジン側からレリーズベアリング35に入力される振動の振幅は、通常で0.1mm〜0.5mmの変位がエンジン回転速度1回転毎に入力されていることがわかった。このような振幅に対して隙間cは、この振幅よりも大きく設定してやればよいが、油圧比(マスターシリンダの面積とレリーズシリンダの面積の比)にもよるが、振動による軸方向変位(振幅)に対して最大でも0.5mm余分にとればよく、より好ましくは0.1mm〜0.3mmに設定するのが良好であることを確認した。こうすることで、クラッチペダルの無効ストロークへの影響も感じられなく操作も良好である。
実施例1によれば、第1環状ピストン36と第2環状ピストン37とを所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合しつつ、延在部37b及び円周方向凸部37cが延在部36b間の空所及び円周方向凹部36cに係合(連結)する構成とすることで、無効ストロークの影響が感じられなく、操作性が良好である。また、第1環状ピストン36及び第2環状ピストン37が係合(連結)しているので、真空引きによる不都合もない。さらに、構成が簡単であり、延在部37b、円周方向凸部37c、延在部36b、及び円周方向凹部36cの加工が精度よくできるので、第1環状ピストン36と第2環状ピストン37との軸方向相対変位量の設定が容易である。
本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。図6は、本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンの構成を模式的に示した平面図および断面図である。図7は、本発明の実施例2に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第2環状ピストンの構成を模式的に示した平面図および断面図である。
実施例2では、第1環状ピストン36において延在部36b及び円周方向凹部36cを有するとともに、第2環状ピストン37において延在部37b及び円周方向凸部37cを有する点で、実施例1(図3参照)と同様であるが、円周方向凸部37c分を除く延在部37bの軸方向寸法a、及び、延在部36bから円周方向凹部36c分を除いた軸方向寸法bの精度を上げて加工できるように、第1環状ピストン36の延在部36bの第2環状ピストン37側の端面に段差凹部36dを有し、第2環状ピストン37の延在部36bと対向する端面と延在部37bとの間の部位に段差凸部37dを有し、円周方向凹部36cの円周方向外側に曲面36eを有する構成としたものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
第1環状ピストン36は、延在部36bの第2環状ピストン37側の端部のうち延在部36b間の空所の両側に段差凹部36dを有する(図5、図7参照)。段差凹部36dの深さは、段差凸部37dの高さよりも大きくなるように設定されている。段差凹部36dは、第1環状ピストン36の軸方向の端面が第2環状ピストン37の端面と当接しても、段差凸部37dと接触しないことが望ましい。第1環状ピストン36は、円周方向凹部36cの円周方向両側に曲面36eを有する。曲面36eは、円板状の切削工具を用いた機械加工により円周方向凹部36cを形成した際に形成されたものである。両側の曲面36eは、一続きの円筒面上に存在する。延在部36b及び円周方向凹部36cは、切削により加工することができるので、精度よくできる。特に、曲面36eを有する構成とすることにより、延在部36bから円周方向凹部36c分を除いた軸方向寸法bの精度をさらによくできる。その他の構成は、実施例1の第1環状ピストン(図3の36)と同様である。
第2環状ピストン37は、第1環状ピストン36側の端部のうち延在部37bの両側に段差凸部37dを有する(図5、図6参照)。段差凸部37dの高さは、段差凹部36dの深さよりも小さくなるように設定されている。段差凸部37dは、第2環状ピストン37の軸方向の端面が第1環状ピストン36の端面と当接しても、段差凹部36dと接触しないことが望ましい。延在部37b及び円周方向凸部37cは、切削により加工することができるので、精度よくできる。特に、段差凸部37dを有する構成とすることにより、第2環状ピストン37の第1環状ピストン36側の端部の面を精度よく加工できるので、円周方向凸部37c分を除く延在部37bの軸方向寸法aの精度をさらによくできる。その他の構成は、実施例1の第2環状ピストン(図3の37)と同様である。
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、第1環状ピストン36の第2環状ピストン37側の端面に段差凹部36dを有し、第2環状ピストン37の第1環状ピストン36側の端面に段差凸部37dを有し、円周方向凹部36cの円周方向外側に曲面36eを有する構成とすることにより、第1環状ピストン36及び第2環状ピストン37を環状部材から容易に成形又は切削加工でき、軸方向相対隙間量の設定も精度よくできる。
本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストン及び第2環状ピストンの構成を模式的に示した斜視図である。図9は、本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。図10は、本発明の実施例3に係る液圧式クラッチレリーズ装置の変形例の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。
実施例1(図3参照)では、延在部(図3の36b)間の空所及び円周方向凹部(図3の36c)は全体としてT字状となっており、T字状延在部(図3の37b)及び円周方向凸部(図3の37c)は全体としてT字状となっているが、実施例3では、延在部46bの先端に行くに従い広くなった略三角形状となっており、延在部47bが先端に行くに従い広くなった略三角形状となっている。その他の構成は、実施例1と同様である。
第1環状ピストン46は、第2環状ピストン47側の端部から延在した延在部46bを有する(図8、図9参照)。延在部46bは、第1環状ピストン46の第2環状ピストン47側の端部から軸方向に延在した部分であり、先端に行くに従い広くなった略三角形状となっている。延在部46b間の空所には、図9のように、所定間隔をおいて第2環状ピストン47の延在部47bが挿入されている。延在部46bは、第1環状ピストン46に2箇所形成され、互いに入力軸(図1の2に相当)の軸心を中心点に対称になっていることが好ましい。延在部46bは、切削により加工することができるので、精度よくできる。その他の構成は、実施例1の第1環状ピストン(図3の36)と同様である。
第2環状ピストン47は、第1環状ピストン46側に延在した延在部47bを有する(図8、図9参照)。延在部47bは、先端に行くに従い広くなった略三角形状となっている。延在部47bは、図9のように、所定間隔をおいて延在部46b間の空所に挿入されている。延在部47bは、第2環状ピストン47に2箇所形成され、第2環状ピストン47の中心軸を中心点に対称になっていることが好ましい。延在部47bは、切削により加工することができるので、精度よくできる。その他の構成は、実施例1の第2環状ピストン(図3の37)と同様である。
第1環状ピストン46と第2環状ピストン47とは、延在部47bが延在部46b間の空所に挿入されることで、所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合し、周方向に係合する。
なお、図9では第1環状ピストン46に延在部46b間の空所に第2環状ピストン47に延在部47bを挿入した構成となっているが、図10のように、第1環状ピストン48に延在部48bを第2環状ピストン49に延在部49b間の空所に挿入した構成としてもよい。
実施例3によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、延在部47b及び延在部46bが略三角形に形成されていることにより、三角形の円周方向の長さ(加工の場合の切り込み)を設定するだけで、軸方向隙間が精度よくできる。
本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図11は、本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストン及び第2環状ピストンの構成を模式的に示した斜視図である。図12は、本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。図13は、本発明の実施例4に係る液圧式クラッチレリーズ装置の変形例の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。
実施例1(図3参照)では、第1環状ピストン(図3の36)に2つの凹部(図3の36b、36c)を形成し、第2環状ピストン(図3の37)に2つの延在部等(図3の37b、37c)を形成した構成となっているが、実施例4では、第1環状ピストン51に半円筒状の延在部等51b、51c、51dを形成し、第2環状ピストン52に半円筒状の延在部等52b、52c、52dを形成した構成としたものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
第1環状ピストン51は、第2環状ピストン52側に延在した半円筒状の延在部51bを有する(図11、図12参照)。延在部51bは、先端部の両側から円周方向に突出した円周方向凸部51cが形成されており、末端部の両側から円周方向に凹んだ円周方向凹部51dが形成されている。円周方向凸部51c及び円周方向凹部51dは、矩形状に形成されている。円周方向凸部51cは、図12のように、軸方向に所定間隔をおいて第2環状ピストン52の円周方向凹部52dに挿入されている。その他の構成は、実施例1の第1環状ピストン(図3の36)と同様である。
第2環状ピストン52は、第1環状ピストン51側に延在した半円筒状の延在部52bを有する(図11、図12参照)。延在部52bは、先端部の両側から円周方向に突出した円周方向凸部52cが形成されており、末端部の両側から円周方向に凹んだ円周方向凹部52dが形成されている。円周方向凸部52c及び円周方向凹部52dは、矩形状に形成されている。円周方向凸部52cは、図12のように、軸方向に所定間隔をおいて第1環状ピストン51の円周方向凹部51dに挿入されている。その他の構成は、実施例1の第2環状ピストン(図3の37)と同様である。
第1環状ピストン51と第2環状ピストン52とは、円周方向凸部51cが円周方向凹部52dに挿入され、円周方向凸部52cが円周方向凹部51dに挿入されることで、所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合し、周方向に係合する。
なお、図12では円周方向凸部51c、52c及び円周方向凹部51d、52dが矩形状に形成した構成となっているが、図13のように、円周方向凸部53c、54c及び円周方向凹部53d、54dが略三角形状に形成した構成としてもよい。
実施例4によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、第1環状ピストン51及び第2環状ピストン52から相互に突出した延在部51b、52bの円周方向の端部に形成された円周方向凸部51c、52c同士が係合し、両ピストン51、52が所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合することにより、係合部の構成が簡単で軸方向の隙間量の設定が容易であり、精度よくできる。また、延在部51b、52bが半円筒状とすることにより、構成が極めて簡単で、例えば、切削加工する場合、両者の寸法関係を同じにすることにより、加工具が共通に使用でき、円周方向凸部51c、52cが容易に形成でき、軸方向の隙間量の設定が精度よくできる。
本発明の実施例5に係る液圧式クラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図14は、本発明の実施例5に係る液圧式クラッチレリーズ装置の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した断面図である。図15は、本発明の実施例5に係る液圧式クラッチレリーズ装置の変形例の第1環状ピストンと第2環状ピストンを組合せた状態の構成を模式的に示した部分平面図である。
実施例1(図3参照)では、第2環状ピストン(図3の37)の延在部(図3の37b)が固定された状態となっているが、実施例5では、第2環状ピストン57の延在部を弾性的で可撓性の弾性延在部57bとし、弾性延在部57bに形成された爪部57cと、第1環状ピストン56の延在部56bの側壁面に形成された爪部56cとが所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合するようにしたものである。
第1環状ピストン56は、第2環状ピストン57側の端部から形成された複数の延在部56bを有する(図14参照)。延在部56bには、第2環状ピストン57側の端部近傍の側壁面に爪部56cが形成されている。延在部56b間の空所には、所定間隔をおいて第2環状ピストン57の弾性延在部57bが挿入されている。爪部56cは、弾性延在部57bに形成された爪部57cと所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合している。その他の構成は、実施例1の第1環状ピストン(図3の36)と同様である。
第2環状ピストン57は、第1環状ピストン56側に延在した弾性的で可撓性の弾性延在部57bを有する(図14参照)。弾性延在部57bは、延在部56b間の空所1つにつき2つ有する。弾性延在部57bは、所定間隔をおいて延在部56b間の空所に挿入されている。弾性延在部57bは、延在部56bの側壁面に形成された爪部56cと所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合する爪部57cを有する。弾性延在部57bは、軸方向から延在部56b間の空所に挿入されるが、弾性延在部57bを凹部56bに押し込むと、爪部57cが爪部56cに当接し、弾性延在部57bが周方向に撓み、さらに押し込むと、爪部57cが爪部56cから離れて、弾性延在部57bが元に戻る。その他の構成は、実施例1の第2環状ピストン(図3の37)と同様である。
第1環状ピストン56と第2環状ピストン57とは、弾性延在部57bが延在部56b間の空所に挿入され、爪部56cと爪部57cとが所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合することで、所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合し、周方向に係合する。
なお、図14では第2環状ピストン57に弾性延在部57bを有する構成となっているが、図15のように第1環状ピストン58に弾性延在部58aを有する構成とし、弾性延在部58aに形成された爪部58cと、第2環状ピストン59の凹部59bの爪部59cとが所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合するようにしてもよい。
実施例5によれば、実施例1と同様な効果を奏するとともに、第2環状ピストン57の延在部を弾性的で可撓性の弾性延在部57bとし、弾性延在部57bに形成された爪部57cと、第1環状ピストン56の延在部56bの側壁面に形成された爪部56cとが所定距離の範囲で軸方向相対移動可能に係合するようにすることで、両ピストン56、57の組付けを軸方向から両者を互いに押圧することにより係合させることができる。
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施例ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 クランクシャフト
2 変速機入力軸
3 変速機ハウジング
4 ベアリング
10 クラッチ装置
11 フライホイール
12 ボルト
13 摩擦材
14 ライニングプレート
15 リベット
16、17 サイドプレート
18 ハブ部材
19 ダンパ部材
20、21 スラスト部材
22 皿ばね
23 プレッシャプレート
24 ダイヤフラムスプリング
25 クラッチカバー
26 支点部材
27 ボルト
28 リベット
30 液圧式クラッチレリーズ装置
31 内側ハウジング
31a 筒状部
31b フランジ部
32 外側ハウジング
32a 液ポート
32b 取付フランジ
32c 段差部
33 シール
34 液室(シリンダ室)
35 レリーズベアリング
35a 内輪
35b 外輪
35c 保持部材
35d ボール
35e、35f シール
36 第1環状ピストン(第1ピストン)
36a 取付部
36b 延在部
36c 円周方向凹部
36d 段差凹部
36e 曲面
37 第2環状ピストン(第2ピストン)
37a 凹部
37b 延在部
37c 円周方向凸部
37d 段差凸部
39 皿ばね
40 リターンスプリング
41 シート部材
42 シート部材
42a カバー部
43 止め輪
44 シール
46 第1環状ピストン(第1ピストン)
46a 取付部
46b 延在部
47 第2環状ピストン(第2ピストン)
47a 凹部
47b 延在部
48 第1環状ピストン(第1ピストン)
48a 取付部
48b 延在部
49 第2環状ピストン(第2ピストン)
49a 凹部
49b 延在部
51 第1環状ピストン(第1ピストン)
51a 取付部
51b 延在部
51c 円周方向凸部
51d 円周方向凹部
52 第2環状ピストン(第2ピストン)
52a 凹部
52b 延在部
52c 円周方向凸部
52d 円周方向凹部
53 第1環状ピストン(第1ピストン)
53a 取付部
53b 延在部
53c 円周方向凸部
53d 円周方向凹部
54 第2環状ピストン(第2ピストン)
54a 凹部
54b 延在部
54c 円周方向凸部
54d 円周方向凹部
56 第1環状ピストン(第1ピストン)
56a 取付部
56b 延在部
56c 爪部(第2爪部)
57 第2環状ピストン(第2ピストン)
57a 凹部
57b 弾性延在部
57c 爪部(第1爪部)
58 第1環状ピストン(第1ピストン)
58a 弾性延在部
58b 凹部
58c 爪部(第1爪部)
59 第2環状ピストン(第2ピストン)
59a 延在部
59b 凹部
59c 爪部(第2爪部)

Claims (11)

  1. 変速機の入力軸の外周に所定間隔をおいて配された内側ハウジングと、
    前記内側ハウジングの外周に所定間隔をおいて配された外側ハウジングと、
    前記内側ハウジングと前記外側ハウジングの間にて区画形成される液室と、
    前記液室内において前記入力軸の軸方向に沿って摺動可能に収容された第1ピストン及び第2ピストンと、
    前記第1ピストンの摺動に伴って移動可能であるとともにクラッチ装置の遮断操作を行うレリーズベアリングと、
    前記第2ピストンの受圧部に装着されたシールと、
    を備え、
    前記第1ピストン及び第2ピストンのうち一方のピストンは、他方のピストンに向かって延在する延在部を有し、
    前記他方のピストンは、前記一方のピストンに向かって延在する他の延在部を有し、
    前記延在部及び前記他の延在部は、前記一方のピストンと前記他方のピストンとが前記入力軸の軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合することを特徴とする液圧式クラッチレリーズ装置。
  2. 前記第1ピストン及び前記第2ピストンは、環状に構成されることを特徴とする請求項1記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  3. 前記延在部は、周方向に沿って延在する円周方向凸部を有し、
    前記他の延在部は、周方向に沿って凹んだ円周方向凹部を有し、
    前記円周方向凸部及び前記円周方向凹部は、前記第1ピストンと前記第2ピストンとが前記入力軸の軸方向に沿って所定距離の範囲で相対移動可能となるように係合するとともに、周方向に係合することを特徴とする請求項2記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  4. 前記延在部及び前記他の延在部は、矩形状を組み合わせた形状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  5. 前記延在部及び前記他の延在部は、外周側から見て略T字状に構成されていることを特徴とする請求項4記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  6. 前記一方のピストンは、前記他方のピストンの前記他の延在部と対向する端面と前記延在部との間の部位に段差凸部を有し、
    前記他方のピストンは、前記一方のピストンと対向する前記他の延在部の端面に前記段差凸部が挿入可能な段差凹部を有し、
    前記段差凸部の高さは、前記段差凹部の深さよりも小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  7. 前記他方のピストンは、前記円周方向凹部の周方向に曲面を有することを特徴とする請求項5又は6記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  8. 前記延在部は、外周側から見て、先端に行くに従い広くなった略三角形状に構成され、
    前記他の延在部は、外周側から見て、先端に行くに従い広くなった略三角形状に構成されていることを特徴とする請求項2記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  9. 前記延在部及び前記他の延在部は、前記入力軸の軸芯を中心点に対称な位置に配置されていることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一に記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  10. 前記延在部は、略半円筒状に構成されていることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一に記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
  11. 前記延在部及び前記他の延在部の一方の延在部は、凸部を有し、
    前記延在部及び前記他の延在部の他方の延在部は、凹部を有し、
    前記凸部は、周方向に弾性的に可撓であり、前記凹部の側壁面に向かって突出する第1爪部を有し、
    前記凹部の側壁面は、前記凸部に向かって突出する第2爪部を有し、
    前記第1爪部は、前記第2爪部に係合することを特徴とする請求項1又は2記載の液圧式クラッチレリーズ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015523523A (ja) * 2012-08-02 2015-08-13 シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲーSchaeffler Technologies AG & Co. KG 液圧式のシステムのピストン・シリンダユニット
DE102019101437A1 (de) * 2019-01-21 2020-07-23 Fte Automotive Gmbh Nehmerzylinder für einen Kupplungsausrückmechanismus

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