JP2010209725A - 触媒劣化診断装置及び触媒劣化診断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度良く触媒の劣化を診断する触媒劣化診断装置及び触媒劣化診断方法を提供する。
【解決手段】内燃機関(2)の排気通路(22)に設けられ、排気中の有害成分を浄化する触媒(23)の劣化を診断する触媒劣化診断装置(10)であって、前記排気通路(22)において前記触媒(23)の上流と下流との温度差を算出する温度差算出手段(ステップS12)と、前記温度差に応じて、前記触媒(23)が劣化したか否かを診断する劣化診断手段(ステップS14)と、を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、触媒劣化診断装置及び触媒劣化診断方法に関する。
排気通路を通流する排気中の有害成分を還元・酸化によって浄化する三元触媒などの触媒を設けた内燃機関が知られている(特許文献1参照)。このような触媒に関連して、触媒の上流と下流に設置したA/Fセンサ(空燃比センサ)やO2センサ(酸素センサ)の信号挙動をモニタリングして触媒のO2ストレージ効果の変化を捉えることで、触媒の劣化を診断する技術が知られている。これは、触媒が劣化して内燃機関を適切に制御できなくなることを回避するためである。
特開2006−161625号公報
しかしながら、上記の触媒の劣化を診断する方法は、暖機後などの一定温度以上の状況下や内燃機関の機関負荷が高いときでないと精度良く触媒の劣化を診断できないという問題があった。これは、触媒は一定温度以上で活性化するものであり、また低負荷領域では触媒の活性度及び検出器の特性に左右されてモニタリングに際する精度が低下してしまうためである。
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたもので、精度良く触媒の劣化を診断する触媒劣化診断装置及び触媒劣化診断方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、内燃機関(2)の排気通路(22)に設けられ、排気中の有害成分を浄化する触媒(23)の劣化を診断する触媒劣化診断装置(10)であって、前記排気通路(22)において前記触媒(23)の上流と下流との温度差を算出する温度差算出手段(ステップS12)と、前記温度差に応じて、前記触媒(23)が劣化したか否かを診断する劣化診断手段(ステップS14)と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、触媒の劣化診断に際して、触媒の上流と下流との温度差を用いている。ここで、触媒は劣化すると自己発熱量が低下して温度低下するという特性を有するものであり、触媒の上流と下流との温度差はこのような触媒の特性を反映した指標である。このような温度差を用いるので、触媒の活性後でなくても精度良く触媒の劣化を診断することができる。
本発明の一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。 O2センサの素子温度推定に係る制御ロジックを示すフローチャートである。 図2のステップS1に係る所定運転状態を説明する図である。 図2のステップS2乃至S5に係る処理を実行したときのタイムチャートである。 図2のステップS6に係る検索処理について説明する図である。 触媒の劣化診断に係る制御ロジックを示すフローチャートである。 図6のステップS14に係る劣化診断処理について説明する図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては本発明を、触媒23(図1参照)の劣化の診断に適用した場合を例に説明する。
(システム全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム全体の構成を示す図である。図1に示すシステム1は、ECU(Engine Control Unit、触媒劣化診断装置)10、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12、A/Fセンサ(空燃比センサ)13、O2センサ(酸素濃度センサ)14、触媒23等により構成される触媒劣化診断システムである。このシステム1は、自動車等の車両に搭載されている。
ECU10は、クランク角センサ11、アクセル開度センサ12からエンジン2の運転状態を示す情報を、A/Fセンサ13やO2センサ14から排気通路22を通流する排気に関する情報を入力し、入力した情報に基づいてエンジン本体21の動作を制御するマイクロコントローラである。エンジン本体21の動作制御とは、例えば燃料噴射弁(不図示)の燃料噴射量を調整することで、燃焼室(不図示)で燃焼される混合気の空燃比を理論空燃比に近づけるような制御である。このECU10の具体的な制御内容については後述する。
クランク角センサ11は、エンジン2のクランクシャフト(不図示)の回転角度を検知するセンサである。ECU10は、このクランク角センサ11を用いてエンジン2の機関回転速度を検出する。
アクセル開度センサ12は、エンジン2のアクセルペダル(不図示)の踏込量を検知するセンサである。ECU10は、このアクセル開度センサ12を用いてエンジン2の機関負荷を検出する。
A/Fセンサ13は、エンジン2の排気通路22において触媒23よりも上流側に設けられたガスセンサである。このA/Fセンサ13は、排気通路22を通流する排ガスの空燃比を検出する。ECU10は、このA/Fセンサ13を用いて排気通路22を通流する排ガスの空燃比を検出する。また本実施形態によればECU10は、このA/Fセンサ13の出力電流の変化を検出してセンサ素子のインピーダンスを算出するとともに、算出したインピーダンスに基づいてA/Fセンサ13の素子温度を算出する。
O2センサ14は、エンジン2の排気通路22において触媒23よりも下流側に設けられたガスセンサである。このO2センサ14は、検出素子14aとヒータ(ヒータ素子)14bとを備える。検出素子14aとは、排気通路22を通流する排気中の酸素ガスの濃度を検出する素子である。ECU10は、この検出素子14aを用いて排ガス中の酸素ガスの濃度に応じた起電力出力を検出する。ヒータ14bとは、かかる検出素子14aを加熱する加熱素子である。ECU10は、このヒータ14bへの通電を制御することで検出素子14aを加熱する。また本実施形態によればECU10は、これら検出素子14aやヒータ14bなどを用いてO2センサ14の素子温度を推定する。具体的な内容は後述する。
触媒23は、エンジン2の排気通路22に設けられ、排気通路22を通流する排気中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等の有害成分を浄化する例えば三元触媒などの触媒である。本実施形態によればECU10は、A/Fセンサ13の素子温度とO2センサ14の素子温度とに基づいてこの触媒23の劣化を診断する。
(ECU10の制御ロジック(素子温度の推定)について)
図2は、O2センサ14の素子温度推定に係る制御ロジックを示すフローチャートである。ECU10は、毎走行時に図2に示す制御ロジックを実行することにより、O2センサ14の素子温度を推定する。
まずステップS1においてECU10は、運転状態が所定運転状態か否かを判定する(S1)。ここではECU10は、エンジン2の運転状態がO2センサ14の素子温度を推定すべき運転状態であるか否かを判定する。具体的な内容は後述する。
ステップS1においてYESの場合には(S1、YES)、ステップS2へ進む。また、ステップS1においてNOの場合には(S1、NO)、ステップS1へ戻って再び処理を繰り返す。
ステップS2に進んだ場合にはECU10は、O2センサ14の出力モニタを開始する(S2)。ここではまずECU10は、O2センサ14(詳しくは検出素子14a)がリッチ信号とリーン信号とを交互に出力するように、制御空燃比をパータベーションさせる。この制御空燃比のパータベーションは、λ(ラムダ)ウインドウ(理論空燃比領域)内で実施する。エミッションの悪化を防ぐためである。続いてECU10は、O2センサ14の出力値をモニタリングする。具体的な内容は後述する。
続いてステップS3に進んでECU10は、ヒータ14bのデューティ制御(加熱制御)を開始する(S3)。ここではECU10は、ヒータ14bへの通電を開始するとともにこの通電に係るデューティ比(デューティ値)を0から段階的に上昇させるデューティ制御を開始する。具体的な内容は後述する。
続いてステップS4に進んでECU10は、O2センサ14の出力振幅が所定幅以内か否かを判定する(S4)。ここではECU10は、ステップS2でモニタリングを開始したO2センサ14の出力値の出力振幅(リッチ側の出力値とリーン側の出力値との幅)が所定幅より小さくなったか否かを判定する。具体的な内容は後述する。
ステップS4においてYESの場合には(S4、YES)、ステップS5へ進む。また、ステップS4においてNOの場合には(S4、NO)、ステップS4へ戻って再び処理を繰り返す。
ステップS5に進んだ場合にはECU10は、そのときのデューティ比を記憶する(S5)。ここではECU10は、ステップS4においてYESと判定された際のデューティ比を記憶する。加えて、エンジン2の機関回転速度及び機関負荷に係る情報も記憶する。
続いてステップS6に進んでECU10は、記憶したデューティ比を基にマップから温度推定値を検索する(S6)。ここではECU10は、予めデューティ比とO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップから、ステップS5で記憶したデューティ比に対応する素子温度を検索する。具体的な内容は後述する。
続いてステップS7に進んでECU10は、O2センサ14の素子温度を推定する(S7)。ここではECU10は、ステップS6で検索した温度推定値をO2センサ14の素子温度として推定する。
以上のように本実施形態に係るECU10は、毎走行時に図2に示す制御ロジックを実行することにより、O2センサ4の素子温度を推定する。続いて、ステップS1乃至S6の具体的な内容について説明する。
(ステップS1について)
図3は、図2のステップS1に係る所定運転状態を説明する図である。図3における領域Aが、図2のステップS1に係る所定運転状態を示す領域である。
図3に示す領域Aは、高負荷且つ高回転速度の運転状態である。このように高負荷且つ高回転速度の運転状態にしたのは、運転安定性を維持するためである。すなわち、例えばアイドル運転時のように低負荷の運転状態ではエンジン2の回転変動が大きくなり運転安定性が低下するとともにO2センサ14の素子温度の推定に係る精度が低下してしまうから、かかる低負荷の運転状態を除いている。
またこの領域Aは、エンジン2の回転速度がヒータカット回転速度より大きい運転状態である。このヒータカット回転速度とは、エンジン2の回転速度がこのヒータカット回転速度より大きくなると、ヒータ14bへの通電が自動的に停止されるような回転速度を示す。このように通電が停止されるのは、O2センサ14の素子温度の上昇に伴う故障を防止するためである。
領域Aの機関回転速度をこのヒータカット回転速度よりも大きくすることで、のちのステップS3の処理でヒータ14bへの通電を制御する際の制御安定性を高めることができる。かかるヒータカット回転速度の回転速度値はO2センサ14の特性に応じて決定される。
またこの領域Aは、車速が例えば60km/hより速い高車速域である。これは、エンジン2が十分に冷機風を受けることができるようにすることでエンジン2の部品故障を保証するためである。
以上のように図3を用いてステップS1に係る所定運転状態について説明してきたが、ステップS1においてECU10は、クランク角センサ11及びアクセル開度センサ12を用いて検出したエンジン2の機関回転速度及び機関負荷が図3の領域Aに含まれるか否かを判定する。
(ステップS2乃至S5について)
図4は、図2のステップS2乃至S5に係る処理を実行したときのタイムチャートである。図4(a)はO2センサ14(詳しくは検出素子14a)の出力値を示す。図4(b)はヒータ14bへの通電に係るデューティ比を示す。なお、以下ではフローチャートとの対応が分かりやすくするために、フローチャートのステップ番号にSを付して記載する。
ステップS2においてO2センサ14の出力モニタを開始する(S2)。このとき図4(a)のように、O2センサ14はリッチ信号(λ=1よりも出力値が大)とリーン信号(λ=1よりも出力値が小)とを交互に出力する。そして、時刻t0でヒータ14bのデューティ制御を開始する(S3)。
そうすると、時刻t0〜t1において、図4(b)のように、ヒータ14bへの通電に係るデューティ比が0から段階的に上昇する(S3)。
時刻t1では、O2センサ14の出力値や応答性が低下して出力振幅が所定幅以内になる(S4、YES、図4(a)参照)。そうすると、そのときのデューティ比(図では40パーセント)を記憶する(S5)。
より具体的に説明する。時刻t0〜t1ではデューティ比の上昇に伴ってO2センサ14の素子温度が高くなる。ここで前述のようにO2センサ14は、素子温度が高くなるとセンサの出力値や応答性が低下してしまう温度特性を有している。そのため、素子温度が一定温度を超えると出力振幅が所定幅以内に小さくなる。つまり、検出素子14aの検出値(出力値)の極大値から極小値を引いた値が所定量(単位mv)より小さくなる又は検出素子14aの検出値(出力値)の周波数が所定周波数(単位Hz)より小さくなる。このときのデューティ比が記憶される。
以上のように図4を用いてステップS2乃至S5に係る処理について説明してきたが、ステップS2乃至S5に係る処理によりECU10は、O2センサ14の出力値や応答性が変化するときのデューティ比を検出している。
なお、ステップS2について補足する。ステップS2ではECU10は、O2センサ14がリッチ信号とリーン信号とを交互に出力するようにさせている。これは、O2センサ14の素子温度が高くなると上記温度特性のためにセンサ出力値がリーン側にシフトするが、このシフトがシステム1の誤学習によるものなのかくMR変化(混合比)によるものなのかが特定できないのを考慮したものである。
(ステップS6について)
図5は、図2のステップS6に係る検索処理について説明する図である。図5は、デューティ比が所定値(ここでは30パーセント)のときの各運転状態とO2センサ14の素子温度(カッコ内の数値は考慮しない)とが対応付けられたマップを示している。ECU10は、予め図5のようなマップを保持している。
ECU10が予めこのようなマップを保持している場合に、1ステップ前のステップS5において記憶したデューティ比が30パーセント且つ運転状態が運転状態Aであったとする。そうすると、ステップS6においてECU10は、この記憶したデューティ比(30パーセント)とそのときの運転状態Aに対応するO2センサ14の素子温度を図5に示すマップ上から検索する。運転状態Aは素子温度500度を示す曲線上にあるため、ECU10は、素子温度(500度)を検索結果として取得する。
一方、ECU10が同様にこのようなマップを保持している場合に、1ステップ前のステップS5において記憶したデューティ比が40パーセント且つ運転状態が運転状態Aであったとする。そうすると、ステップS6においてECU10は、この記憶したデューティ比(40パーセント)とそのときの運転状態Aに対応するO2センサ14の素子温度を図5に示すマップ上から検索する。ここで、運転状態Aは素子温度500度を示す曲線上にある。
しかしながら、図5に示すマップはデューティ比が30パーセントのときのものであり、当回はデューティ比が40パーセントである。このようにデューティ比が異なる場合にはECU10は、図5に示すマップ上の温度推定値を、デューティ比の差分(40パーセント−30パーセント=10パーセント分)だけオフセットさせる。具体的には、各曲線が示すO2センサ14の素子温度を図5のカッコ内の数値に変換する。その後、デューティ比(40パーセント)とそのときの運転状態Aに対応するO2センサ14の素子温度を図5に示すマップ上から検索する。運転状態Aは素子温度400度を示す曲線上にあるため、ECU10は、素子温度(400度)を検索結果として取得する。
以上のように図5を用いてステップS6に係る検索処理について説明してきたが、ステップS6によりECU10は、ステップS5で記憶したデューティ比と運転状態を示す情報とを用いてO2センサ14の素子温度を検索する。なお、このようにデューティ比を用いて素子温度を検索することで、環境や固体ばらつきなどを排除して精度良くO2センサ14の素子温度を推定することができる。
なお、ステップS5で記憶したデューティ比に対応するマップがない場合には新たにこれを作成する。すなわち上記の例であれば、デューティ比40パーセントとO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップを新たに作成する。このようにして、デューティ比毎に運転状態とO2センサ14の素子温度とが対応付けられたマップを設定する。これにより、予め全てのデューティ比毎のマップを設定することなく、毎走行時にマップを必要に応じて追加して設定することができる。その後、次回以降のO2センサ14の素子温度の推定の際に利用することが可能になる。
(ECU10の制御ロジック(触媒23の劣化診断)について)
図6は、触媒23の劣化診断に係る制御ロジックを示すフローチャートである。ECU10は、図2に示す制御ロジックでO2センサ14の素子温度を推定した後にこの図6に示す制御ロジックを実行することにより、触媒23の劣化を診断する。
まずステップS11においてECU10は、診断条件が成立したか否かを判定する(S11)。ここではECU10は、診断条件すなわち触媒23の劣化を診断すべき条件を満たすか否かを判定する。診断条件とは、具体的には、例えば触媒23が暖機前であること、その他の環境条件(所望の水温や大気圧であること)を満たすことの2つの条件である。
ステップS11においてYESの場合には(S11、YES)、ステップS12へ進む。また、ステップS11においてNOの場合には(S11、NO)、ステップS11へ戻って再び処理を繰り返す。
ステップS12に進んだ場合にECU10は、A/Fセンサ13の素子温度とO2センサ14の素子温度との温度偏差(絶対値)を算出する(S12)。ここではECU10は、A/Fセンサ13の素子温度と、図2のステップS1乃至S7(第1の素子温度推定手段)により推定したO2センサ14の素子温度との温度差の絶対値を算出する。なお、A/Fセンサ13の素子温度は、A/Fセンサ13の出力電流の変化に基づき算出する既知の方法によって推定する(第2の素子温度推定手段)。
続いてステップS13に進んでECU10は、デューティ比を記憶する(S13)。ここではECU10は、図2のステップS4により検出されたデューティ比(ステップS5で記憶されるデューティ比と同一)を記憶する。加えて、エンジン2の機関回転速度及び機関負荷に係る情報も記憶する。
続いてステップS14に進んでECU10は、温度偏差(絶対値)及びデューティ比を用いて触媒23の劣化を診断する(S14)。ここではECU10は、ステップS12で算出した温度偏差(絶対値)とステップS13で記憶したデューティ比を用いて触媒23の劣化を診断する。具体的な内容は後述する。
続いてステップS15に進んでECU10は、診断結果を記憶する(S15)。ここではECU10は、ステップS14で診断した結果(触媒23が劣化したか否かに関する情報)を記憶する。なお、このステップS15で記憶された診断結果は、外部の故障診断ツールによってECU10から読み出される。このように外部の故障診断ツールを用いて触媒23の劣化等の故障を診断することで、故障に応じて適切に触媒23を交換すること等が可能となる。
以上のように本実施形態に係るECU10は、図6に示す制御ロジックを実行することにより、触媒23の劣化を診断する。以下、ステップS14の具体的な内容について説明する。
(ステップS14について)
図7は、図6のステップS14に係る劣化診断処理について説明する図である。図7では横軸に温度偏差(絶対値)を、縦軸にデューティ比(又はO2センサ14の素子温度)を示している。また、これら温度偏差(絶対値)及びデューティ比と、触媒23の劣化(NG)又は非劣化(OK)と、の関係を示している。ステップS14に係る劣化診断処理では、このような関係を用いて触媒23の劣化又は非劣化を診断する。
横軸の温度偏差(絶対値)のみを用いて触媒23の劣化又は非劣化を診断する場合には、温度偏差が所定の閾値αよりも小さいときには触媒23が劣化した(NG)と診断する。一方、所定の閾値αよりも大きいときには触媒23が劣化していない(OK)と診断する。この所定の閾値αとは、触媒23が非劣化である場合の温度偏差の極小値であって触媒23の特性に応じて決定される値である。
縦軸のデューティ比(又はO2センサ14の素子温度)のみを用いて触媒23の劣化又は非劣化を診断する場合には、デューティ比(又はO2センサ14の素子温度)が所定の閾値βよりも小さいときには触媒23が劣化した(NG)と診断する。一方、所定の閾値βよりも大きいときには触媒23が劣化していない(OK)と診断する。この所定の閾値βとは、触媒23が非劣化である場合のデューティ比(又はO2センサ14の素子温度)の極小値であってO2センサ14の特性に応じて決定される値である。
横軸の温度偏差(絶対値)及び縦軸のデューティ比(又はO2センサ14の素子温度)を用いて触媒23の劣化又は非劣化を診断する場合には、温度偏差(X)とデューティ比(又はO2センサ14の素子温度)(Y)との和がαX+bY<1である場合に触媒23が劣化したと診断する。一方、αX+bY≧1である場合に触媒23が劣化していない(OK)と診断する。このように複数の指標を用いて診断することにより、診断に係る精度を向上させることができる。
以上のように図7を用いてステップS14に係る劣化診断処理について説明してきたが、ステップS14によりECU10は、ステップS12で算出した温度偏差(絶対値)とステップS13で記憶したデューティ比とを用いて触媒23の劣化を診断する。
(まとめ)
以上のように、本実施形態によればECU10は、触媒23の劣化診断に際して、触媒23の上流と下流との温度差を用いている。ここで、触媒23は劣化すると自己発熱量が低下して温度低下するという特性を有するものであり、触媒23の上流と下流との温度差はこのような触媒23の特性を反映した指標である。このような温度差を用いるので、触媒23の触媒の活性後でなくても精度良く触媒23の劣化を診断することができる。
また、本実施形態によればECU10は、触媒23の下流に設けられたO2センサ14と、触媒23の上流に設けられたA/Fセンサ13と、を用いて触媒23の上流と下流との温度差を算出しているので、温度検出チップ等を内蔵させることなく安価に精度良く触媒23の劣化を診断することができる。
また、本実施形態によればECU10は、O2センサ14の出力値や応答性が変化するときのデューティ比を検出し、この検出したデューティ比を用いてO2センサ14の素子温度を推定しているので、O2センサ14の温度特性を考慮して環境や固体ばらつきなどを排除してO2センサ14の素子温度を推定することができる。また、O2センサ14に温度検出チップ等を内蔵させないので、安価にO2センサ14の素子温度を推定することができる。さらに、温度検出チップや素子インピーダンスモニタなどを用いることなく既存の回路構成でO2センサ14の素子温度を推定することができる。
また、本実施形態によればECU10は、A/Fセンサ13のインピーダンスに基づいて空燃比センサの素子温度を推定しているので、温度推定のための回路を追加することなく既存の回路構成でA/Fセンサ13の素子温度を推定することができる。
また、本実施形態によればECU10は、A/Fセンサ13とO2センサ14との素子温度差が所定の閾値以下のときに触媒23が劣化したと診断する。そのため、素子温度差に応じて精度良く触媒23の劣化を診断することができる。
また、本実施形態によればECU10は、さらに、O2センサ14の素子温度に応じて触媒23が劣化したか否かを診断する。そのため、素子温度差及びO2センサ14の素子温度に応じて精度良く触媒23の劣化を診断することができる。
また、本実施形態によればECU10は、さらに、記憶したデューティ比に応じて触媒23が劣化したか否かを診断する。そのため、素子温度差及びデューティ比に応じて精度良く触媒23の劣化を診断することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記説明においては、図2に示す制御ロジックによりO2センサ14の素子温度を推定したが、この場合に限らない。例えば温度センサを用いてO2センサ14の素子温度を推定してもよい。
10 ECU(触媒劣化診断装置)
11 クランク角センサ
12 アクセル開度センサ
13 A/Fセンサ(空燃比センサ)
14 O2センサ(酸素センサ)
14a 検出素子
14b ヒータ
23 触媒
ステップS1乃至S7 第1の素子温度推定手段
ステップS1 運転状態検出手段
ステップS2、S4 ガスセンサ出力値検出手段
ステップS3 ヒータ制御手段
ステップS5 デューティ比記憶手段
ステップS6、S7 素子温度推定手段
ステップS12 温度差算出手段
ステップS14 劣化診断手段

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の有害成分を浄化する触媒の劣化を診断する触媒劣化診断装置であって、
    前記排気通路において前記触媒の上流と下流との温度差を算出する温度差算出手段と、
    前記温度差に応じて、前記触媒が劣化したか否かを診断する劣化診断手段と、
    を有することを特徴とする触媒劣化診断装置。
  2. 前記触媒の下流に設けられた酸素センサの素子温度を推定する第1の素子温度推定手段と、
    前記触媒の上流に設けられた空燃比センサの素子温度を推定する第2の素子温度推定手段と、を有し、
    前記温度差算出手段は、前記酸素センサの素子温度と前記空燃比センサの素子温度とに基づいて、前記温度差を算出することを特徴とする請求項1に記載の触媒劣化診断装置。
  3. 前記酸素センサは、前記排気通路を通流する排気中の酸素ガスの濃度を検出する検出素子と、前記検出素子を加熱するヒータと、を備えており、
    前記第1の素子温度推定手段は、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態が所定運転状態になると、前記ヒータへの通電に係るデューティ比を段階的に上昇させるデューティ制御を開始するヒータ制御手段と、
    前記検出素子の検出値の振幅が所定幅より小さくなったときのデューティ比を記憶するデューティ比記憶手段と、
    記憶したデューティ比に応じて、前記ガスセンサの素子温度を推定する素子温度推定手段と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の触媒劣化診断装置。
  4. 前記第2の素子温度推定手段は、
    前記空燃比センサのインピーダンスに基づいて空燃比センサの素子温度を推定することを特徴とする請求項2又は3に記載の触媒劣化診断装置。
  5. 前記劣化診断手段は、前記温度差が所定値より小さいときには前記触媒が劣化したと診断することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の触媒劣化診断装置。
  6. 前記劣化診断手段は、さらに、前記酸素センサの素子温度に応じて前記触媒が劣化したか否かを診断することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の触媒劣化診断装置。
  7. 前記劣化診断手段は、さらに、前記記憶したデューティ比に応じて前記触媒が劣化したか否かを診断することを特徴とする請求項3又は4に記載の触媒劣化診断装置。
  8. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中の有害成分を浄化する触媒の劣化を診断する触媒劣化診断方法であって、
    前記排気通路において前記触媒の上流と下流との温度差を算出する温度差算出工程と、
    前記温度差に応じて、前記触媒が劣化したか否かを診断する劣化診断工程と、
    を有することを特徴とする触媒劣化診断方法。
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