JP2010209375A - 電解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酵素の逆反応を抑制し、電解速度を向上させることが可能な電解方法を提供する。
【解決手段】カーボン系材料などからなる多孔質電極に、例えばグルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼなどの酵素と、電子メディエーターとが固定化された酵素/電子メディエーター1を使用して、グルコースなどの燃料を電解する際に、酵素/電子メディエーター1電極内でのみ電解反応が生じるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池における燃料の電解方法に関する。より詳しくは、バイオ燃料電池において、酵素が固定化された電極により、グルコースなどの燃料を電解する方法に関する。
負極又は正極の少なくとも一方の電極上に触媒として酵素を固定化したバイオ燃料電池は、例えばグルコース及びエタノールのように通常の工業触媒では利用できない燃料から、効率よく電子を取り出すことができるため、高容量でかつ安全性が高い次世代の燃料電池として注目されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
図8は酵素と共に電子メディエーターが固定化されたカーボン電極を備え、グルコースを燃料とする酵素電池の反応を示す図である。図8に示す酵素電池においては、負極でグルコース(Glucose)の酸化反応が進行し、正極で大気中の酸素(O)の還元反応が進行する。そして、負極では、グルコース(Glucose)、グルコース脱水素酵素(Glucose Dehydrogenase)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD;Nicotinamide Adenine Dinucleotide)、ジアホラーゼ(Diaphorase)、電子メディエーター、電極(カーボン)の順に電子が受け渡される。
特開2007−280944号公報 特開2008−177088号公報 特開2008−270206号公報
しかしながら、従来のバイオ燃料電池には、以下に示す問題点がある。即ち、バイオ燃料電池で使用される酵素の中には、本来の反応とその逆の反応とを同時に起こす酵素が存在している。このため、この逆反応を起こす酵素を使用すると、燃料の電解時間が長くなり、発電効率が低下するという問題点がある。そこで、従来、遺伝子改変などにより、逆反応を起こさないようにした酵素も開発されている。この逆反応を起こさない酵素を使用すれば、燃料の電解時間を短縮し、発電効率を高くすることが可能であるが、このような酵素を実用化するには、手間とコストを要する。
そこで、本発明は、酵素の逆反応を抑制し、電解速度を向上させることが可能な電解方法を提供することを主目的とする。
本発明に係る電解方法は、酵素が固定化された電極により燃料を電解する際に、電極内でのみ電解反応を生じさせるものである。
本発明においては、燃料を電極内電解しているため、酵素の逆反応が抑制され、電解速度が向上する。
この電解方法では、電極に固定化される酵素に、逆反応を起こす酵素を使用することができる。
また、電極に、酵素と共に電子メディエーターを固定化し、電極間に印加する電位を変えることにより、電子メディエーターの酸化体及び還元体の比率を制御してもよい。
その場合、電極間に、前記電子メディエーターの半波電位よりも高い電位を印加することもできる。
更に、逆反応を起こす酵素としては、例えば、グルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼなどが挙げられる。
本発明によれば、燃料を電極内電解しているため、酵素の逆反応を抑制することができ、遺伝子改変などを行わなくても、逆反応を起こさない酵素と同等以上の電解速度が得られる。
酵素によりグルコースを酸化して4電子を取り出す反応を示す図である。 本発明の実施例に係る電極内電解の方法を模式的に示す図である。 本発明の比較例に係る電極外電解の方法を模式的に示す図である。 (a)及び(b)は図3に示す比較例の方法でクロノアンペロメトリーを行った結果を示す図であり、(a)はGDH固定化電極を用いた場合の結果、(b)はGn5DH固定化電極を用いた場合の結果をそれぞれ示す。 (a)及び(b)はGDHの反応速度を示す図であり、(a)は順反応を示し、(b)は逆反応を示す。 (a)及び(b)はGn5DHの反応速度を示す図であり、(a)は順反応を示し、(b)は逆反応を示す。 (a)及び(b)は図2に示す実施例の方法でクロノアンペロメトリーを行った結果を示す図であり、(a)はGDH固定化電極を用いた場合の結果、(b)はGn5DH固定化電極を用いた場合の結果をそれぞれ示す。 酵素と共に電子メディエーターが固定化されたカーボン電極を備え、グルコースを燃料とする酵素電池の反応を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
[全体構成]
本発明者は、前述した従来のバイオ燃料電池における問題点を解決するために、鋭意実験検討を行った。そして、特許文献1〜3に記載のバイオ燃料電池のように、電極外に溶液が存在する系で電解を行った場合、逆反応を起こす酵素による電解時間と、逆反応を起こさない酵素による電解時間との差が、特に大きいことを見出した。
図1は酵素によりグルコースを酸化して4つの電子を取り出す反応を示す図である。例えば、図1に示す系では、先ず、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)によりグルコースを酸化してグルコノラクトンとし、この反応により2つの電子を得ている。引き続き、生成したグルコノラクトンを、グルコノラクトナーゼ(Glucono lactonase)及びグルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ(Gluconate-5-dehydorogenase:Gn5DH)によって、5−デヒドログルコネートに分解している。このような系において、グルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ(Gn5DH)のような逆反応の速度が高い酵素を使用すると、その酵素が寄与する反応において律速するため、電池全体の電解速度が低下してしまう。
そこで、本発明者は、従来の電極外電解に代えて、電極内電解について検討を行ったところ、酵素による電解速度が向上することを見出し、本発明に至った。即ち、本発明の電解方法では、酵素が固定化された電極を備えるバイオ燃料電池において、電極内でのみ、燃料の電解反応を生じさせる。
[電極]
本発明の電解方法においては、電極表面に固定化された酵素により燃料を分解して電子を取り出すと共に、プロトン(H)を発生する。その際使用する電極としては、例えば、多孔質カーボン、カーボンペレット、カーボンフェルト及びカーボンペーパーなどのように、内部に空隙を有し、表面積が大きいカーボン系材料で形成されているものが好ましい。なお、電極材料は、カーボン系材料に限定されるものではなく、例えば、チタン、金、銅及びニッケルなどの金属材料を使用してもよい。
[酵素]
前述した電極に固定化される酵素は、使用する燃料に応じて適宜選択することができる。例えば、燃料にグルコースを用いる場合には、グルコースを酸化し分解するグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を使用することができる。また、グルコースなどの単糖類を用いる場合には、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)のような燃料の分解に寄与する酸化酵素と共に、補酵素酸化酵素及び電子メディエーターが固定化されていることが望ましい。
補酵素酸化酵素は、酸化酵素によって還元される補酵素(例えば、NAD,NADPなど)と、補酵素の還元体(例えば、NADH,NADPHなど)を酸化するものであり、例えば、ジアホラーゼ(DI)などが挙げられる。この補酵素酸化酵素の作用により、補酵素が酸化体に戻るときに電子が生成され、補酵素酸化酵素から電子メディエーターを介して電極に電子が渡される。
また、燃料に多糖類を用いる場合には、酸化酵素、補酵素酸化酵素及び電子メディエーターに加えて、多糖類の加水分解などの分解を促進し、グルコースなどの単糖類を生成する分解酵素が固定化されていることが望ましい。なお、ここでいう「多糖類」は、広義の多糖類であり、加水分解によって2分子以上の単糖を生じる全ての炭水化物を指し、二糖、三糖及び四糖などのオリゴ糖を含む。具体的には、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、マルトース、スクロース及びラクトースなどが挙げられる。これらは2以上の単糖類が結合したものであり、いずれの多糖類においても結合単位の単糖類としてグルコースが含まれている。
また、アミロースとアミロペクチンとはデンプンに含まれる成分であり、デンプンはアミロースとアミロペクチンとの混合物である。例えば、多糖類の分解酵素としてグルコアミラーゼを使用し、単糖類を分解する酸化酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を使用する場合には、燃料にはグルコアミラーゼによりグルコースにまで分解することができる多糖類を使用することができる。このような多糖類としては、例えばデンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン及びマルトースなどが挙げられる。ここで、グルコアミラーゼは、デンプンなどのα−グルカンを加水分解しグルコースを生成する分解酵素であり、グルコースデヒドロゲナーゼは、β−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに酸化する酸化酵素である。
そして、本発明の電解方法は、特に、グルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ(Gluconate-5-dehydorogenase:Gn5DH)、アルコールデヒドロゲナーゼ(Alcohol dehydrogenase)、及びリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(Malate dehydrogenase)などの逆反応を起こす酵素を使用した系への適用が好適である。
[電子メディエーター]
前述した酵素と共に電極表面に固定される電子メディエーターとしては、キノン骨格を有する化合物を使用することが好ましく、特に、ナフトキノン骨格を有する化合物が好適である。具体的には、2−アミノ−1,4−ナフトキノン(ANQ)、2−アミノ−3−メチル−1,4−ナフトキノン(AMNQ)、2−メチル−1,4−ナフトキノン(VK3)、2−アミノ−3−カルボキシ−1,4−ナフトキノン(ACNQ)などを用いることができる。また、キノン骨格を有する化合物としては、ナフトキノン骨格を有する化合物以外に、例えば、アントラキノンやその誘導体を用いることもできる。更に、必要に応じて、キノン骨格を有する化合物と共に、電子メディエーターとして作用する1種又は2種以上の他の化合物を固定化してもよい。
[電解方法]
本発明の電解方法では、酵素が固定化された電極内でのみ電解反応を生じさせる。その方法は特に限定されるものではないが、例えば、電極表面に、その表面積に応じた量の燃料溶液を供給する方法、電極表面にマイクロ流路を形成し、その流路内に燃料溶液を通流させる方法などが考えられる。また、その場合、電解量をモニターし、逐次燃料供給量を調節することにより、極めて高い電界効率を達成することができる。更に、その他の方法としては、質量センサを利用して蒸発した溶液量を算出し、蒸発分の溶液を補充するといったフィードバック機能を備えたポンプなども考えられる。
電解反応を行う際、電極間に印加される電位は、電子メディエーターの半波電位よりも高い電位を印加することが望ましい。これにより、電極内部を電子メディエーターの酸化体/還元体比率が高い環境にすることができ、全体の反応を望ましい方向へシフトさせることができる。
このように、本発明の電解方法においては、電極内でのみ電解反応を生じさせているため、電子メディエーターの溶解を防止することができ、更に、電子メディエーターの酸化体と還元体の比率を、設定電位によって容易に制御することが可能となる。これにより、系全体の反応が本来の反応方向になるように促し、酵素の逆反応を抑制することができるため、全体の電解速度を向上させることができる。その結果、逆反応を起こす酵素を使用する場合であっても、酵素の改変などを行わずに、発電効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。図2は本発明の実施例に係る電極内電解の方法を模式的に示す図である。図3は本発明の比較例に係る電極外電解の方法を模式的に示す図である。本実施例においては、グルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ(Gluconate-5-dehydorogenase:Gn5DH)を固定化した電極を使用して、図2に示す電極内電解(実施例)及び図3に示す電極外電解(比較例)を行い、燃料の電解時間を測定した。また、比較のため、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を固定化した電極についても同様の測定を行った。
各酵素固定化電極の作製するにあたって、先ず、下記(1)〜(7)の各溶液を調整した。なお、緩衝溶液には、100mMリン酸二水素ナトリウム(NaH2 PO4 )緩衝溶液(I.S.=0.3、pH=7.0)を用いた。また、酵素を溶解させる緩衝溶液は、直前まで冷蔵しておくことが望ましく、調整された酵素緩衝溶液も、できるだけ冷蔵保存しておくことが望ましい。
(1)DI酵素緩衝溶液
ジアホラーゼ(DI)(EC1.6.99,ユニチカ社製,B1D111)を、5〜50mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させた。
(2)GDH酵素緩衝溶液
グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)(NAD依存型、EC1.1.1.47,東洋紡社製,GLD−311)を、5〜50mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させた。
(3)Gn5DH酵素緩衝溶液
グルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ(Gn5DH)(NAD依存型、EC1.1.1.69,アマノエンザイム社製)を、5〜50mg秤量し、緩衝溶液1mlに溶解させた。
(4)NADH緩衝溶液
NADH(シグマアルドリッチ社製,N−8129)を、10〜50mg秤量し、緩衝溶液0.1mlに溶解させた。
(5)ANQアセトン溶液
2−アミノ−1,4−ナフトキノン(ANQ)(合成品)を、10〜50mg秤量し、アセトン1mlに溶解させた。
(6)PLL水溶液
ポリ−L−リシン臭化水素酸塩(PLL)(和光純薬工業社製,164−16961)を適量秤量し、2質量%となるようにイオン交換水に溶解させた。
(7)PAAcNa水溶液
ポリアクリル酸ナトリウム(PAAcNa)(アルドリッチ社製,041−00595)を適量秤量し、0.22質量%となるようにイオン交換水に溶解させた。
次に、上記各溶液を所定量分取し、混合した溶液を、多孔質カーボン電極に塗布した後、乾燥して、酵素/電子メディエーター塗布電極を作製した。多孔質電極に塗布した混合溶液における各溶液の配合量を下記表1に示す。
Figure 2010209375
次に、酵素/電子メディエーター塗布電極に、更に、(6)PLL水溶液:50μL(PLL:0.2μgに相当)及び(7)PAAcNa水溶液:50μL(PAAcNa:0.003μgに相当)を塗布した後、乾燥し、酵素/電子メディエーター固定化電極とした。以下、これらの酵素/電子メディエーター固定化電極のうち、GDH酵素緩衝溶液を含む混合溶液を塗布したものを「GDH固定化電極」といい、Gn5DH酵素緩衝溶液を含む混合液を塗布したものを「Gn5DH固定化電極」という。
こうして作製した酵素/電子メディエーター固定化電極1を、参照電極2(Ag|AgCl)に対して、0.1Vと電子メディエーターの半波電位より充分高い電位に設定し、図2及び図3に示す方法で、クロノアンペロメトリーを行った。その際、燃料溶液には、2Mイミダゾール緩衝液(pH7.0)に、燃料のグルコース又はグルコン酸を、濃度が0.4Mとなるように溶解させたものを使用した。以下、これらの燃料溶液を、それぞれ「0.4Mグルコース燃料溶液」及び「0.4Mグルコン酸燃料溶液」という。
先ず、本発明の比較例として、図3に示す3電極方式による電気化学測定法で、グルコース又はグルコン酸の電極外電解を行った。その際、0.4Mグルコース燃料溶液又は0.4Mグルコン酸燃料溶液を2ml(0.8mmol)投入し、スターラー5で溶液を撹拌しながら、電解を行った。また、この比較例の電極外電解においては、酵素/電子メディエーター固定化電極1をアノード(作用電極)とし、対極には白金ワイヤー3を使用した。
図4(a)及び(b)は図3に示す比較例の方法でクロノアンペロメトリーを行った結果を示す図であり、図4(a)はGDH固定化電極を用いた場合の結果、図4(b)はGn5DH固定化電極を用いた場合の結果をそれぞれ示す。図4(a)及び(b)に示すように、Gn5DH固定化電極を用いて電極外電解を行うと、GDH固定化電極を用いた場合に比べて、全電解に約20倍の時間を要した。これにより、Gn5DH固定化電極の電解速度が、極めて遅いことがわかった。
そこで、紫外光(UV)により、GDH及びGn5DHにおける各々の順・逆反応の酸素活性測定を行った。その際、検出波長は340nmとし、分光測定用セルは光路長1cmのものを使用した。また、測定溶液には、グルコース又はグルコン酸を10mM含有するリン酸緩衝液(pH7.0)を使用し、各測定溶液のNAD濃度を調節して、全体が3mlになるようにした。そして、調整した測定溶液に酵素を添加することにより反応を開始し、NADからNADHを生成する速度(ΔABS/分)を、各酵素の反応速度とした。
図5(a)及び(b)はGDHの反応速度を示す図であり、図5(a)は順反応を示し、図5(b)は逆反応を示す。また、図6(a)及び(b)はGn5DHの反応速度を示す図であり、図6(a)は順反応を示し、図6(b)は逆反応を示す。図5(a),(b)及び図6(a),(b)に示すように、Gn5DHはGDHに比べて、逆反応速度が著しく高いことが確認された。
そこで、次に、本発明の実施例として、図2に示す3電極方式による電気化学測定法で、グルコース又はグルコン酸の電極内電解を行った。その際、酵素/電子メディエーター固定化電極1(GDH固定化電極又はGn5DH固定化電極)の表面に、0.4Mグルコース燃料溶液又は0.4Mグルコン酸燃料溶液を2μL滴下し、電解を行った。この実施例の電極内電解においては、酵素/電子メディエーター固定化電極1をアノード(作用電極)とし、対極には白金メッシュ6を使用し、これらの間には、絶縁体(紙)7を配置した。
図7(a)及び(b)は図2に示す実施例の方法でクロノアンペロメトリーを行った結果を示す図であり、図7(a)はGDH固定化電極を用いた場合の結果、図7(b)はGn5DH固定化電極を用いた場合の結果をそれぞれ示す。図7(a)及び(b)に示すように、電極内電解においては、Gn5DH固定化電極及びGDH固定化電極のいずれも、2000〜3000秒で電解が完了しており、電解時間にほとんど差が見られなかった。
以上の結果から、本発明の電解方法を適用することにより、遺伝子改変などを行わずに酵素の逆反応を抑制することが可能となり、逆反応を起こす酵素を使用する場合でも、逆反応を起こさない酵素と同等以上の電解速度が得られることが確認された。
1 酵素/電子メディエーター固定化電極
2 参照電極
3 白金ワイヤー
4 電解質
5 スターラー
6 白金メッシュ
7 絶縁体

Claims (5)

  1. 酵素が固定化された電極によって燃料を電解する際に、電極内でのみ電解反応を生じさせる電解方法。
  2. 前記酵素として、逆反応を起こす酵素を使用する請求項1に記載の電解方法。
  3. 前記電極には、酵素と共に電子メディエーターを固定化し、電極間に印加する電位を変えることにより、該電子メディエーターの酸化体及び還元体の比率を制御する請求項1又は2に記載の電解方法。
  4. 前記電子メディエーターの半波電位よりも高い電位を印加する請求項3に記載の電解方法。
  5. 前記酵素が、グルコン酸−5−デヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ又はリンゴ酸デヒドロゲナーゼである請求項2乃至4のいずれか1項に記載の電解方法。
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