JP2010208922A - 金属酸化物ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、2次凝集がなく分散性に優れ、粒子径が揃った微細な金属酸化物ナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の金属酸化物ナノ粒子の製造方法は、β―ジケトン金属錯体を主成分とする原料金属化合物を、溶媒中で加熱することにより金属酸化物ナノ粒子を生成させることに特徴を有する。β―ジケトン金属錯体が分解温度以上で極めて速やかに分解が進むという特性に着目し、液相溶媒中で加熱分解させることにより、オストワルド成長による粒子の肥大化が抑制された、微細な粒子を2次凝集の抑制された分散体として得ることができる。さらに、反応溶媒を炭化水素類を含有するものとし、また、アミン化合物共存下で金属酸化物ナノ粒子を生成させることが好ましい。これにより、微細な粒子径に制御された金属酸化物ナノ粒子が得られ易い。また、加熱された溶媒にβ―ジケトン金属錯体を添加する好ましい形態は、固溶金属元素の含有率の高い固溶体金属酸化物からなるナノ粒子の特に好適な製法でもある。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属酸化物ナノ粒子の製造方法に関するものである。より詳しくは、2次凝集がなく単分散性に優れ、結晶サイズの揃った金属酸化物ナノ粒子の製造方法に関する。
金属酸化物ナノ粒子は、各種用途分野で用いられており、2次凝集がなく単分散性に優れ、結晶サイズの揃った結晶性に優れた性質を有するものが求められている。特に、透明導電膜原料や量子効率の高い蛍光体材料といった用途では、結晶構造、大きさが制御され、固溶金属原子が原子状で均一に固溶した固溶体結晶からなる金属酸化物ナノ粒子が要求される。
金属酸化物ナノ粒子の製造方法としては、例えば、金属ハロゲン化物の酸化熱分解法や、金属蒸気の酸化法等の気相法(従来技術1)、金属アルコキシドや金属塩の加水分解反応による液相法(従来技術2)が知られている。
また、非水系からなる液相中で、直接、結晶性の金属酸化物ナノ粒子を生成せしめる方法として金属カルボン酸塩とアルコールとを加熱することにより、金属酸化物結晶を得る方法が提案されている(従来技術3、たとえば特許文献1)。特許文献1に記載の方法によれば、単一酸化物、固溶体酸化物、複合酸化物からなる結晶性ナノ粒子が得られる。
従来技術1においては、1次粒子の微細な粒子は得られるが、極めて高温で酸化物を形成させるため、反応過程並びに冷却過程において粒子間の2次凝集、融着による2次凝集、粗大化を抑制することや、1次粒子の粒子径や結晶構造を制御することは困難である。従来技術2においては、直接結晶性の金属酸化物ナノ粒子を得ることができるものは限られており、多くの場合、前駆体しか得られず、目的の酸化物を得るためには高温で焼成する必要がある。そのため、焼成過程で粒子同士の2次凝集、融着による粗大化が抑制できないため、微細な粒子径で分散する酸化物粒子を得ることは困難である。また、固溶体酸化物や複合酸化物を得ようとして2種以上の金属化合物を用いた場合、金属原子によって加水分解反応速度が異なることに基づき、均一な前駆体を得難く、そのため、複合酸化物や固溶体を得るためには、より高温で焼成する必要がある。従来技術3においては、原料に基づくカルボン酸基が酸化物(結晶)表面に結合しているため、導電膜の原料とするためには抵抗増大の要因となるカルボン酸基を除去する必要がある。
特開2000−185916号公報
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、2次凝集がなく分散性に優れ、粒子径が揃った微細な金属酸化物ナノ粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す製造方法により上記の特性を有する金属酸化物ナノ粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決し得た本発明の金属酸化物ナノ粒子の製造方法は、β―ジケトン金属錯体を主成分とする原料金属化合物を、溶媒中で加熱することにより金属酸化物ナノ粒子を生成させることに要旨を存する。
本発明の製造方法は、溶媒が炭化水素類を含有するものであることが好ましい。また、本発明の製造方法は、加熱することにより金属酸化物ナノ粒子を生成させる際に、アミン化合物を共存させるものであることが好ましい。これにより、微細な粒子径に制御された金属酸化物ナノ粒子が得られ易い。
本発明の製造方法は、上記加熱が、加熱された溶媒にβ―ジケトン金属錯体を主成分とする原料金属化合物を添加混合することによって達成されるものであることが好ましい。これにより、偏析物の生成が抑制され構成金属元素の組成比が制御された固溶体、複合酸化物からなる金属酸化物ナノ粒子を得ることができる。
本発明の金属酸化物ナノ粒子の製造方法は、液相中で直接、金属酸化物からなるナノ粒子を分散状態で得ることができるために、金属酸化物ナノ粒子を安価に製造することができる。しかも、得られるナノ粒子は、2次凝集がなく分散性に優れ、粒子径が微細な大きさで揃っているため、緻密な薄膜を形成し得る酸化物薄膜用原料として用いることができる。また、単色性に優れた量子サイズ効果を狙った発光材料、光吸収材料等としても好適に用いることができる。
本発明の実施例1〜3で得られた微粒子の粉末X線回折パターンである。 本発明の実施例1で得られた分散体(1)の透過型電子顕微鏡での観察写真である。 本発明の実施例2で得られた分散体(2)の透過型電子顕微鏡での観察写真である。 本発明の実施例3で得られた分散体(3)の透過型電子顕微鏡での観察写真である。
本発明の金属酸化物ナノ粒子の製造方法は、β―ジケトン金属錯体を必須とする原料金属化合物を、溶媒中で加熱することにより金属酸化物ナノ粒子を生成させることに特徴を有する。
<原料金属化合物>
原料金属化合物として用いるβ―ジケトン金属錯体は、分解温度以下では単核錯体として安定であり、分解温度で速やかに分解が起こるため、オストワルド成長による粒子の肥大化が抑制されるとともに、溶媒(反応溶媒ともいう)中で反応させるため、微細な粒子が溶媒に分散した状態で得られる。
本発明で使用し得るβ―ジケトン金属錯体としては、β―ジケトン錯体を形成するものであれば、任意の適切なものを用いることができる。好ましい金属元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属元素;La、Ce等のランタノイド系金属元素;Ac等のアクチノイド系金属元素;Sc、Y等のIIIa族金属元素;Ti、Zr、Hf等のIVa族金属元素;V、Nb、Ta等のVa族金属元素;Cr、Mo、W等のVIa族金属元素;Mn、Tc、Re等のVIIa族金属元素;Zn、Cd、Hg等のIIb族金属元素;Al、Ga、In、Tl等のIIIb族金属元素;Ge、Sn、Pb等のIVb族金属元素;Sb、Bi等のVb族金属元素;Se、Te等のVIb族金属元素、Fe、Co、Ni等を挙げることができる。好ましい金属元素のうち、得られる金属酸化物の主金属成分となる金属元素としては、Zn、Ti、Ce、Fe、Ni、V、Nb、Be、La、Mo、W、Re、In、Ga、Sn、Sb等が、後述するように各種機能性の酸化物の主たる構成金属元素となるため好ましい。β―ジケトン金属錯体以外の他の原料金属化合物における金属元素としても、同様の金属元素が好ましい。
β―ジケトン金属錯体におけるβ―ジケトンは、1,3−ジケトンであれば任意の適切なものを用いることができ、例えば、ペンタン−2,4−ジオン(アセチルアセトン)、ヘキサン−2,4−ジオンなどが挙げられる。β―ジケトン金属錯体を工業的に入手しやすい点で、ペンタン−2,4−ジオン(アセチルアセトン)が好ましい。
本発明の製造方法においては、原料金属化合物として、β―ジケトン金属錯体を主成分として用いる。原料金属化合物として、β―ジケトン金属錯体以外の金属化合物(他の原料金属化合物ともいう)を併用する場合、β―ジケトン金属錯体から金属酸化物ナノ粒子を生成する反応を阻害しない範囲で用いることが好ましい。他の原料金属化合物によっては、β―ジケトン金属錯体の反応に基づく金属酸化物ナノ粒子生成反応が阻害されて結晶性の高い酸化物が得られなかったり、他の原料金属化合物が未反応のまま残存して、生成した金属酸化物ナノ粒子同士を2次凝集させて粒子径の揃ったナノ粒子が得られないおそれがある。他の原料金属化合物としては、β―ジケトン金属錯体の反応を阻害し難い点から、好ましくは、金属アルコキシド類、金属カルボン酸塩である。
原料金属化合物における全金属原子の総量(100原子%)に対するβ―ジケトン金属錯体に含まれる金属原子の総量が、好ましくは80原子数%以上であり、より好ましくは90原子%以上であり、さらに好ましくは98原子%以上であり、特に好ましくは100原子%である。
本発明の製造方法により得られる金属酸化物としては、単一酸化物、複合酸化物、および、単一酸化物または複合酸化物(これらを母体の酸化物ともいう)に異種金属元素が固溶した固溶体酸化物などが挙げられる。単一酸化物、複合酸化物、固溶体酸化物における母体酸化物を構成する金属元素(これらを必須の金属元素ともいう)の原料金属化合物のうち、該必須の金属元素を含むβ―ジケトン金属錯体が有する割合は、原料金属化合物における全金属原子の総量(100原子%)に対するβ―ジケトン金属錯体における全金属原子の総量で表して、好ましくは80原子数%以上であり、より好ましくは90原子%以上であり、さらに好ましくは98原子%以上である。なお、固溶体酸化物を製造する際には、用途等に応じて、非金属元素を固溶させてもよい。
固溶体酸化物を製造する場合の、固溶させたい金属元素の原料金属化合物(固溶金属原料化合物ともいう)としては、任意の適切なものを用いることができ、β―ジケトン金属錯体以外の金属化合物を用いてもよい。たとえば、金属アルコキシド類、金属カルボン酸類などの各種有機金属化合物を用いることができる。本発明の製造方法において、固溶金属元素の固溶率が高い固溶体が得られ易い点から、固溶金属原料化合物は、好ましくはβ―ジケトン錯体、金属アルコキシド類、金属カルボン酸類であり、より好ましくはβ―ジケトン金属錯体である。
固溶金属原料化合物の使用量は、原料金属化合物における全金属原子数総量(100原子%)に対して、固溶金属原料化合物に含まれる固溶金属原子数総量が、好ましくは0.01〜20原子%である。
なお、本発明の製造方法においては、用いた原料金属化合物の配合組成に対して、相当する金属組成の酸化物が得られ易いことから、目的とする金属酸化物の金属組成に応じて原料金属化合物の使用比率を決めればよい。
<溶媒>
本発明の製造方法で用いる溶媒としては、任意の適切な反応溶媒を用いることができ、例えば、炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類などが挙げられる。なかでも、反応溶媒が炭化水素類を含有することが好ましい。炭化水素類は、β―ジケトン金属錯体の熱分解反応による金属酸化物ナノ粒子の生成反応を阻害することなく、純度の高い金属酸化物ナノ粒子が得られ易い点から好ましい。反応溶媒中の炭化水素類の含有量は、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは100質量%である。反応溶媒中の炭化水素類の含有量が上記の範囲にあることで、生成する金属酸化物ナノ粒子分散体から溶媒を除去し易く、粒子表面にも溶媒が残存し難いという効果が得られる。
炭化水素類としては、任意の適切な炭化水素を用いることができる。炭化水素類は、常温で気体であっても液化することにより用いることができるが、工業的に取り扱い易い点で沸点が20℃以上であるものが好ましく、20℃で液体であるものがさらに好ましい。好ましい炭化水素類としては、たとえば、n−ペンタン、2−メチルブタン(イソペンタン)、n−ヘキサン、2−メチルペンタン(イソへキサン)、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルへキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、へキデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン(20)、ペンタコサン(25)、トリコンタン(30)、テトラコンタン(40)、1−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン、1−ペンチン、1−ヘキシンなどの鎖状脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン(デカヒドロナフタレン)、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンなどの環状脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼン、アミルトルエン、イソプロピルトルエン、クメン、スチレン、メシチレン、テトラリン(テトラヒドロナフタレン)等の芳香族炭化水素類;およびこれらの炭化水素の誘導体が挙げられる。誘導体としては、炭化水素の水素原子が塩素、臭素、フッ素などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化炭化水素類、具体的には、クロルメタン、ジクロルメタン、トリクロルメタン、テトラクロルメタン、クロルエタン、1,2−ジクロルエタン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、1−クロロへキサン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ジブロムベンゼン、クロルトルエン、フルオルジクロルメタンなどが挙げられる。これらの炭化水素類は単独でも2種以上を混合して用いてもよい。イソパラフィン、ノルマルパラフィンなどの市販の混合系炭化水素溶剤を用いてもよい。
<アミン化合物>
本発明の製造方法においては、原料金属化合物の加熱によって金属酸化物ナノ粒子を生成させる際に、アミン化合物を共存させることが好ましい。アミン化合物の存在下で原料金属化合物から金属酸化物ナノ粒子の生成反応を行うことにより、アミン化合物のアミノ基による析出粒子核表面への吸着作用によって、粒子成長を抑制するとともに、2次凝集を抑制することができる。しかも、アミノ基は、化学結合ではなく吸着により金属酸化物ナノ粒子表面に作用しているため、得られた金属酸化物ナノ粒子の応用、たとえば、酸化物薄膜用原料に適用する場合などに、必要に応じて除去し易い点でも好ましい。
アミン化合物の使用量は、原料金属化合物に含まれる金属元素総量1モルに対して、好ましくは0.01倍モル以上である。0.01倍モル未満では、粒子成長の抑制効果が十分に得られないおそれがある。一方、粒子成長の抑制効果、2次凝集の抑制効果を発揮させる目的からは、アミン化合物の使用量の上限は50倍モルで十分であり、経済性からもこのような上限値が好ましい。
アミン化合物における上記の吸着作用による析出粒子の成長抑制と安定化に作用する効果が向上される点から、反応溶媒成分が炭化水素類を含んでいることが好ましい。さらに好ましくは、反応溶媒成分が実質的に炭化水素類からなり、アミン化合物を共存させる形態である。すなわち、β−ジケトン金属錯体が熱分解反応を起こす際の反応媒体が、炭化水素類およびアミン化合物からなる混合組成である場合には、微細な粒子径に制御され、高純度の金属酸化物ナノ粒子が、2次凝集の抑制された状態で容易に得ることができる。また、本発明においては、反応溶媒成分を実質的に炭化水素類のみからなるものとし、アミン化合物を共存させる混合組成とし、その組成を制御することによって核発生数を制御し得る。
上述したアミン化合物としては、任意の適切なアミン化合物を用いることができ、例えば、1級、2級、3級アミン化合物などが挙げられる。なかでも、炭化水素鎖を主鎖とする鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミンが好ましい。溶媒成分として炭化水素類を用いる場合に、炭化水素類との相溶性に優れるため、上記のアミン化合物による効果が得られやすいからである。さらに、反応溶媒成分に用いる炭化水素類の炭素数nと同様の炭素数、具体的には、炭素数がn−5〜n+5の範囲にある鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミンが好ましい。
鎖状脂肪族アミンとしては、任意の適切なものを用いることができ、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、エチル−n−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−ドデシルアミン、1−ヘキサデシルアミン、1−オクタデシルアミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ−n−ヘキサデシルアミン、ジ−n−オクタデシルアミン、ジメチル−n−オクチルアミン、ジメチル−n−オクタデシルアミン、ジ−n−デシルメチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ヘキサデシルアミン、トリオクタデシルアミン、1−オクタデセン−9−イルアミン(オレイルアミン)、ジメチルオレイルアミンなどの飽和、不飽和鎖状脂肪族アミンが挙げられる。
環状脂肪族アミンとしては、任意の適切なものを用いることができ、例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロへプチルアミン、シクロオクチルアミン、シクロドデシルアミン、1−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1−アダマンチルアミンなどの飽和、不飽和の環状脂肪族アミンが挙げられる。
芳香族アミンとしては、任意の適切なものを用いることができ、アニリン;ジフェニルアミン、N―メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N―エチルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3―キシリジン、2,4―キシリジン、2,5―キシリジン、2,6―キシリジン、3,4―キシリジン、3,5―キシリジンなどのアニリン誘導体;などが挙げられる。
<金属酸化物ナノ粒子の製造方法>
本発明の製造方法は、原料金属化合物を溶媒中で加熱することにより、β―ジケトン金属錯体が起こす熱分解反応に基づき、金属酸化物ナノ粒子が生成するものである。原料金属化合物の加熱方法は、任意の適切な方法を用いることができる。例えば、方法1)原料金属化合物を溶媒に混合した混合物を加熱する方法、方法2)原料金属化合物を加熱保持された溶媒に添加混合する方法などが好ましく採用される。
複合酸化物または固溶体酸化物からなる金属酸化物ナノ粒子を製造する場合には、原料金属化合物を2種以上用いるが、この場合、それぞれの原料金属化合物を同じ態様(例えば、方法1)または方法2))で用いてもよく、方法1)および方法2)を組み合わせた形態である、方法3)一方の金属元素を含む原料金属化合物を溶媒に混合して加熱し、所定の温度で、他方の金属元素を含む原料金属化合物を添加混合する方法も採用し得る。
上記方法2)および方法3)において、アミン化合物を用いる場合は、アミン化合物は、原料金属化合物の反応が開始する際に反応溶媒中に存在していればその効果を発揮することから、原料金属化合物の反応が開始するまでの間に、あるいは反応が開始するのと実質同時に、溶媒に含有させればよい。例えば、原料金属化合物とともにアミン化合物を溶媒に混合した状態で昇温して加熱反応させる形態、加熱されたアミン化合物を含有する溶媒に原料金属化合物を添加して反応させる形態、加熱された溶媒に原料金属化合物を添加すると同時にまたは若干前後して、アミン化合物を添加する形態などが挙げられる。
本発明の製造方法においては、反応開始温度を制御し易い点から、方法2)または方法3)で加熱することが好ましい。金属酸化物ナノ粒子として、固溶体酸化物、複合酸化物を製造する場合においては、方法2)または方法3)を用いることが好ましく、方法2)を用いることがより好ましい。また、方法3)の場合においても、用いる原料金属化合物のうち、β―ジケトン金属錯体が加熱された溶媒に添加混合される形態が好ましい。固溶体酸化物、複合酸化物を製造する場合には、2種以上の原料金属化合物を用いる必要があるが、金属の種類や原料金属化合物の種類によって、反応が起こる温度が異なる。予め、2種以上の原料金属化合物が反応し得る温度に溶媒を加熱しておくことによって、原料金属化合物が実質的に同時に反応するため、一方の金属酸化物からなる偏析物の生成を抑制することができ、固溶率の高い固溶体酸化物を容易に得ることができる。すなわち、目的の組成の固溶体酸化物、複合酸化物を高い純度で得ることができる。
方法2)または方法3)を採用する場合、添加混合する原料金属化合物の状態としては特に限定はなく、固体(粉)状で添加してもよく、好ましくは溶媒に分散させた懸濁体または溶解させた溶液の状態であり、より好ましくは溶液状態である。添加混合する原料金属化合物が溶液状であれば、添加した原料金属化合物のほぼ全量が同時に反応を開始するため、核発生数が多く、微細な粒子を得ることができる。原料金属化合物が完全に溶解できない場合は、できるだけ微細な大きさに分散した状態としてから添加することが好ましい。
原料金属化合物を分散または溶解するために用いる溶媒としては、任意の適切な溶媒を用いることができる。原料金属化合物を添加する形態において用いる溶媒として、上記の反応溶媒として用いる有機溶媒を用いてもよく、好ましくは炭化水素類または炭化水素類を主成分とする溶媒である。
アミン化合物を添加混合する場合においても、添加混合するアミン化合物の状態は、好ましくは溶媒に分散させた懸濁体または溶解させた溶液の状態であり、より好ましくは溶液状態である。アミン化合物を分散または溶解させるために用いる溶媒としては、上記の原料金属化合物の場合と同様に、任意の適切な溶媒を用いることができ、好ましくは上記の反応溶媒として用いる有機溶媒であり、より好ましくは炭化水素類または炭化水素類を主成分とする溶媒である。
加熱温度は、β―ジケトン金属錯体が加熱分解して金属酸化物ナノ粒子を生成する温度以上であれば、特に限定はなく、用いるβ―ジケトン金属錯体に応じて適宜選択すればよい。また、2種以上のβ―ジケトン金属錯体を用いる場合は、反応し得る温度が高いβ―ジケトン金属錯体の反応温度以上とすることが、偏析物の生成が抑制され、原料組成比に応じた固溶体酸化物、複合酸化物が容易に得られるという点で好ましい。
原料金属化合物を加熱された反応溶媒に添加する形態を含む、方法2)および方法3)においては、添加混合する際の反応溶媒の加熱温度を上記温度に設定することが好ましい。
上記加熱温度としては、β―ジケトン金属錯体の熱分解が可能な温度を考慮すれば、通常、200℃以上が好ましく、さらに好ましくは250℃以上であり、より好ましくは300℃以上である。加熱温度の好ましい上限は、450℃である。
加熱保持時間は、特に制限されないが、通常、0.05時間以上が好ましい。0.05時間未満では、金属酸化物ナノ粒子生成反応が完結せずに未反応物が残るおそれがある。より好ましくは、0.1時間以上であり、さらに好ましくは0.5時間以上である。また、経済性から、加熱保持時間は10時間以下であることが好ましい。
原料金属化合物の使用量は、特に限定されないが、反応液総量(溶媒+アミン化合物+原料金属化合物+任意の添加剤)100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部の範囲であり、より好ましくは1〜30質量部である。原料金属化合物の使用量が、0.5質量部未満では、工業的生産性が低くなるおそれがあり、50質量部を超えると、微細な粒子径の金属酸化物が得られ難くなるおそれがある。生産性の点から1質量部以上が好ましく、反応温度を制御しやすい点から30質量部以下が好ましい。
上記反応は、常圧で行ってもよく、加圧下で行ってよい。常圧で行う場合は、溶媒としては、必要とする加熱温度より沸点の高い溶媒成分を用いる必要がある。一方、加圧下で行う場合は、溶媒における沸点の制約がないため、低沸点の溶媒成分を使用できる。反応で生成した反応液(金属酸化物ナノ粒子分散体)から、所望の溶媒分散体に調製する際、加熱溶媒置換によって、低沸点溶媒を反応溶媒として反応を行った場合は、低沸点から高沸点の任意の溶媒への置換を行うことができるという工業的利点からも、加圧下で反応する方法が好ましく採用される。常圧で行う場合は、必要に応じて、用いた反応溶媒の沸点付近で溶媒成分をリフラックスさせながら加熱反応を行うこともできる。
加熱反応させる際、反応溶媒は、通常、攪拌されていることが好ましい。攪拌条件は、特に限定はなく、反応液中で温度分布ができない程度に攪拌されていればよく、発生する反応熱、反応液に対する加熱、冷却能力に応じて、所定温度に保持されるよう適宜選択すればよい。
加熱する際の気相部は、特に限定されないが、比較的高温に加熱することから、溶媒成分の爆発範囲を回避し得る酸素濃度範囲で行うことが好ましく、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。
常圧で行う場合も加圧下で行う場合も、特殊な反応装置は要せず、たとえば、任意の適切な外部加熱または内部加熱可能な回分式反応装置を用いることができる。加圧下で行う場合は、耐圧反応装置(オートクレーブ)を用いればよい。
本発明の製造方法においては、好ましい形態として、微細な粒子径に制御し、2次凝集を抑制するためにアミン化合物を共存させる形態を示したが、同様の効果を奏する化合物、あるいは生成した金属酸化物ナノ粒子表面と反応して表面を改質するような化合物を、原料金属化合物の加熱時に共存させてもよい。そのような化合物としては、たとえば、カルボキシル基、チオール基、金属水酸基、金属アルコキシル基などの反応性基を有する化合物(反応性化合物ともいう)などが好ましく挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、任意の適切な脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸などを採用し得る。なかでも、脂肪族カルボン酸が好ましく、炭素数2以上の飽和脂肪族カルボン酸が好ましい。チオール基を有する化合物としては、任意の適切な脂肪族チオール、芳香族チオールなどを採用し得る。エポキシ基を有する化合物としては、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、脂乾式エポキシ基を有する任意の適切なエポキシ化合物を採用し得る。金属水酸基または金属アルコキシル基を有する化合物としては、トリメチルシラノール、メチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシラン、スチリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの下記式で示される加水分解性ケイ素化合物、または該加水分解性ケイ素化合物の加水分解物や加水分解縮合物が好ましい。
Si(OR
(Rは炭化水素基、Rはアルキル基または水素原子、mは1〜3の整数、nは4−mの整数)
上記反応性化合物を反応溶媒に共存させる方法は特に限定されないが、アミン化合物の場合と同様の形態を適用し得る。例えば、原料金属化合物とともに反応性化合物を反応溶媒に混合した状態で昇温して加熱反応させる形態、加熱された反応性化合物を含有する反応溶媒に原料金属化合物を添加して反応させる形態、加熱された反応溶媒に原料金属化合物を添加すると同時にまたは若干前後して、反応性化合物を添加する形態などが挙げられる。
反応性化合物の使用量は、原料金属化合物に含まれる金属元素総量1モルに対して、0.01倍モル以上であることが好ましい。0.01倍モル未満では、添加効果が十分に得られないおそれがあるためである。表面改質効果から、上限としては50倍モルで十分であり、経済性からもこのような上限値が好ましい。
上記製造方法により、微細な粒子径に制御された、2次凝集の抑制された金属酸化物ナノ粒子が、反応液100質量%中に、0.1〜20質量%の割合で分散含有された分散体として得られる。得られた金属酸化物ナノ粒子の特徴は後述するが、得られた反応液は、そのまま、あるいは濃縮して金属酸化物ナノ粒子溶媒分散体として用いることができる他、他の溶媒に置換してなる溶媒分散体に調製することもできる。置換する方法としては、反応溶媒成分を加熱留去しながら所望の溶媒を供給することによって置換する、いわゆる加熱溶媒置換する方法や、遠心分離操作によって粒子成分を単離した後に所望の溶媒成分に分散させる方法などが採用され得る。得られた溶媒分散体は、たとえば、金属酸化物薄膜用原料インキとして使用することができ、該溶媒分散体にさらにバインダー成分(樹脂成分)を加えて成膜用組成物(塗料組成物)とすることもできる。また、濃縮乾固や遠心分離で溶媒を除去した後、加熱や乾燥をして微粒子粉体として取り扱うこともできる。
上記製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子の表面を表面処理剤で表面処理してもよい。上記表面処理剤としては、任意の適切なものを使用することができ、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤;金属アルコキシド類等の有機金属化合物;ジメチルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン化合物;有機ポリマーなどが挙げられる。
<金属酸化物ナノ粒子の特徴>
本発明の製造方法により得られる金属酸化物ナノ粒子の特徴について説明する。本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、粒子径が微細に制御され、粒子径が揃っており、2次凝集が抑制されてなることに特徴を有する。
また、本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子としては、単一酸化物、複合酸化物、および単一酸化物または複合酸化物(これらを母体の酸化物ともいう)に異種金属元素が固溶した固溶体酸化物などが挙げられる。単一酸化物、複合酸化物、固溶体酸化物における母体酸化物を構成する金属元素(必須の金属元素)としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属元素;La、Ce等のランタノイド系金属元素;Ac等のアクチノイド系金属元素;Sc、Y等のIIIa族金属元素;Ti、Zr、Hf等のIVa族金属元素;V、Nb、Ta等のVa族金属元素;Cr、Mo、W等のVIa族金属元素;Mn、Tc、Re等のVIIa族金属元素;Zn、Cd、Hg等のIIb族金属元素;Al、Ga、In、Tl等のIIIb族金属元素;Ge、Sn、Pb等のIVb族金属元素;Sb、Bi等のVb族金属元素;Se、Te等のVIb族金属元素、Fe、Co、Ni等を挙げることができる。上記具体例のうち、Zn、Ti、Ce、Fe、Ni、V、Nb、Be、La、Mo、W、Re、In、Ga、Sn、Sbを必須の金属元素とする金属酸化物ナノ粒子は、金属の原子価や、粒子の大きさ、結晶構造、不純物の注入、欠陥の注入等によって、光、電気、磁気的機能を制御することができる点で好ましい。
本発明の製造方法において得られる金属酸化物ナノ粒子において、その1次粒子の平均粒子径は、通常、1nm以上であり、また、100nm以下に制御される。1nm未満では金属酸化物としての機能が十分に発揮されないおそれがある。一方、金属酸化物ナノ粒子を薄膜用原料に用いる場合、100nmを超えると、均質な薄膜を形成することが困難となる場合がある。ここでいう1次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡像より判定することができる。通常、100個程度の粒子径を測定し、その個数平均値を平均粒子径とする。
薄膜用原料として用いる場合、十分に緻密な膜とするためには、1次粒子の平均粒子径は、好ましくは50nm以下であり、より好ましくは30nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下である。また、量子効果を期待する発光材料などとして用いる場合は、金属酸化物ナノ粒子の種類によるが、量子効果を発揮し易い点で好ましくは20nm以下であり、より好ましくは10nm以下である。いずれの用途の場合であっても、金属酸化物ナノ粒子の機能が十分に得られることから、下限値は1nm以上である。
本発明の製造方法により得られる金属酸化物ナノ粒子は、1次粒子の粒子径が揃っていることも特徴の一つである。具体的には、1次粒子の平均粒子径の測定と同様の方法において求めた、個数基準の粒子径の標準偏差と上記平均粒子径を用いて、次式により求められる変動係数が30%以下であることが好ましい。
変動係数(CV(%))=(粒子径の標準偏差/1次粒子の平均粒子径)×100
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、結晶性であることが好ましい。結晶性とはX線回折学的に、あるいは電子線回折学的に結晶性であることを確認できることをいう。例えば、X線回折学的に結晶性であるとは、粉末X線回折測定において、金属酸化物に帰属されるX線回折パターンが観測されることである。
金属酸化物ナノ粒子が、結晶性である場合、1次粒子が単結晶体であっても多結晶体であってもよい。発光材料としては単結晶体であることが好ましい。単結晶からなる場合、結晶子の大きさは、1次粒子の大きさと実質的に同じであり、結晶子の大きさ(平均値)、粒度分布の好ましい範囲は、前述した1次粒子の平均粒子径、粒子径の変動係数と同様である。結晶子の大きさは、例えば、粉末X線回折測定により、ウイルソン解析法、シェラー解析法により求めることができる。
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、1次粒子として使用できる程度に分散していることが好ましい。具体的には、金属酸化物ナノ粒子の溶媒分散状態において、上述した1次粒子の平均粒子径と同等もしくは近い大きさで分散していることが好ましい。分散状態は、例えば、透過型電子顕微鏡で確認することができる。さらに、定量的には、溶媒に分散したときの粒子径の重量基準の平均値を分散平均粒子径とすれば、1次粒子の平均粒子径に対する分散平均粒子径の比が10倍以下であることが好ましい。分散平均粒子径は、たとえば、レーザー回折式粒度分布測定装置により評価することができる。
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子が固溶体からなる場合、通常、固溶元素の含有量は、金属酸化物を構成する金属原子数総量に対して、0.01〜20原子%の範囲で制御できる。たとえば、金属酸化物がZnO系、In系,SnO系固溶体酸化物からなる場合には、固溶元素量を制御することにより、キャリア濃度(自由電子密度)の高い粒子から低い粒子まで得ることが可能である。したがって、本発明の製造方法で得られたこれらの固溶体酸化物からなるナノ粒子は、1種の固溶体酸化物からなる粒子を、あるいは固溶率の異なる2種以上の固溶体酸化物からなる粒子を混合したものを透明導電膜用原料として用いることにより、キャリア濃度、移動度が制御された透明導電膜を得ることができる。
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、金属酸化物が固溶体あるいは複合酸化物からなる場合、偏析物が少ないこと、さらに、固溶体の場合、固溶金属元素が、金属酸化物中に、均一に分散、原子状に分散してなる固溶体であることも、好ましい特徴である。本発明の製造方法において、上記の好ましい形態を適用するにより、これらの特徴を有する固溶体、複合酸化物が得られる。
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、表面に化学結合した有機基が存在しないことも好ましい特徴である。原料に用いたβ―ジケトン金属錯体に由来するβ―ジケトンや、結晶成長を抑制するために用いたアミン化合物のアミノ基が表面に吸着していることもあるが、これらは、化学結合している場合に比べ、結合エネルギーが小さく、除去し易い。このような表面であるために、薄膜用原料としたときに、低抵抗の導電膜などを形成し易い。
<本発明で得られる金属酸化物の用途および特に有用な酸化物>
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、絶縁体材料、半導体材料、イオン伝導体材料、熱伝導体材料、導電体(電子伝導体)材料、光吸収体材料、発光体材料、蛍光体材料、(光)磁気記録材料、非線形光学材料、強誘電体材料、光電変換材料、熱電変換材料等の各種機能性酸化物として、または、機能性酸化物の原料として使用することが期待される。
特に本発明で得られる固溶体からなる金属酸化物ナノ粒子は、粒子径が微細で大きさが揃っている特徴に加え、任意の金属元素を、高濃度に固溶させることができることから、電子物性、光学物性、磁気的物性などの制御された金属酸化物薄膜用原料として有用である。また、同様の理由から、固溶体からなる金属酸化物ナノ粒子は、蛍光体などの発光体材料としても有用である。
透明導電膜用原料に用いることのできる固溶体からなる金属酸化物ナノ粒子としては、ZnOにB,Al,In,Gaなどの3価の金属元素、Ge,Snなどの4価の金属元素を固溶させてなるZnO系固溶体;SnOにP,Sb等の5価の金属元素を固溶させてなるSnO系固溶体;InにSn,Ti等の4価の金属元素を固溶させてなるIn系固溶体などが好ましく挙げられる。これらの固溶体は、金属酸化物を構成する金属元素(Zn,Sn,In)のβ―ジケトン錯体および固溶させたい金属元素のβ―ジケトン錯体を、原料金属化合物として、本発明の製造方法に適用することによって得ることができる。また、ZnO,SnO,Inにフッ素が固溶した固溶体も透明導電材料としては好ましく、本発明の製造方法において、金属酸化物を構成する必須の金属元素(Zn,Sn,In)のβ―ジケトン金属錯体を反応溶媒中で加熱する際、フッ素化合物を共存させておくことにより得ることができる。
また、希薄磁性半導体酸化物に用いることのできる固溶体からなる金属酸化物ナノ粒子としては、Y、TiO、Fe、ZnO、In、SnO、BaTiO、MgInなどのn型又はp型半導体酸化物、またはこれらに異種金属を固溶あるいは酸素欠陥を導入させることによって導電化してなる酸化物に、Fe、Cr、Mn、Co、Ni等の磁性金属イオンを固溶してなるものを好ましく用いることができる。好ましい磁性金属イオンの濃度は、半導体または導電体の酸化物における金属元素総量に対する原子数比で、好ましくは1原子%以上であり、より好ましくは3原子%以上であり、特に好ましくは10〜30原子%である。
また、蛍光体酸化物ナノ粒子としては、単一酸化物または複合酸化物などの母体結晶酸化物に、発光中心となる金属イオン又は非金属元素の1種または2種以上を固溶させてなる酸化物が好ましく用いられる。発光中心となる金属イオンとしては、例えば、Mn(II)、Cr(III)、Ag(I)、Cu(II)、Sb(III)、Sn(II)、Pb(II)、Tl(I)等の典型金属元素のイオンや遷移金属元素のイオンの他、Eu(II)、Eu(III)、Nd(III)、Tb(III)、Pr(III)、Yb(III)、Sm(III)、Ho(III)等のランタノイド金属元素のイオンなどを好ましく用いることができ、非金属元素としては、例えば、FおよびCl等のハロゲン原子などを好ましく用いることができる。また、母体結晶酸化物としては、可視光および/または近赤外線領域の光に対して実質的に吸収のない酸化物が好ましく、ZnO、ZnSiO、Y、SnO、In等がより好ましい。非金属元素を固溶させる方法としては、金属酸化物を構成する必須の金属元素のβ―ジケトン金属錯体を反応溶媒中で加熱する際、非金属元素を共存させておくことにより得ることができる。ZnOにMn(II)、Sb(III)をZnに対する原子数比で0.1〜5原子%固溶させてなる蛍光体は、特に、金属イオンが均一に分散した固溶体が得られる点で好ましい。
本発明の製造方法でアミン化合物共存下で得られた金属酸化物ナノ粒子は、発光効率の低下の要因となる表面欠陥がアミノ基によりキャッピングされているために高い効率で発光することが期待できる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
[実施例1]
<原料金属化合物添加液の調製>
亜鉛アセチルアセトナート水和物(Sigma−Aldrich社製、純度99.995%以上)0.2636gをトルエン(関東化学社製)5mLに混合し、25℃で15分間激しく攪拌することによって、亜鉛アセチルアセトナート水和物がトルエンに分散した原料金属化合物添加液(1)を調製した。該添加液(1)は、後述する反応装置の添加槽に仕込んだ。
<反応>
Arガス導入口、冷却凝縮管および添加槽を備えた、内容積50mlのガラス製反応容器を準備した。ArガスはArガス導入口より反応容器内気相部に入り、冷却凝縮管を通って冷却凝縮管上部より排出されるようになっており、添加槽は、25mlガラスシリンダーからなり、ニードルバルブを介して反応容器内に原料金属化合物を供給できるようになっている。また、反応容器は外部加熱により加熱可能である。
反応容器内に、オレイルアミン(Sigma−Aldrich社製、tech、純度70%)5.35g、1−オクタデセン(Sigma−Aldrich社製、tech、純度90%)5.05gを順次仕込み、Arガスを200ml/分の流速で5分間流した後、マグネチックスタラーで仕込んだ液の攪拌を開始するとともに反応容器の加熱を開始した。
回転数600rpmで攪拌しながらボトムの温度が100℃に到達した時点で、25分間加熱保持した。その後、330℃まで昇温し、330℃に到達した時点で、マグネチックスタラーの回転数を1000rpmとし、添加槽に仕込んだ原料金属化合物添加液(1)の全量を反応容器内に添加混合した。添加に要した時間は約1秒間である。添加後、加熱状態を60分間保持して加熱を終了した。該加熱状態を保持している間において、ボトム温度が330℃に戻るまで、低沸点成分であるトルエン等を徐々に留去した。加熱終了後、反応容器を常温まで冷却した。
添加槽より、エタノールを約30ml添加し、5分間以上、攪拌を続けた後、Arガスを流すことを止め、反応液(1)を得た。
得られた反応液(1)を遠心分離することにより、上澄みを除去し、得られた白色沈殿物にエタノールとシクロヘキサンの混合溶媒(体積比で1:1)を加えて再分散し、再度遠心分離を行うことによる洗浄操作を行った。該洗浄操作を3回繰返した。
得られた沈殿物を、n−ブチルアミン100μlをクロロホルム3.3mlに混合した溶液1mlに分散させることにより分散体(1)を得た。得られた分散体(1)はほぼ透明であった。
分散体(1)の粉末X線回折の測定パターンを図1に示す。分散体(1)中の微粒子は、粉末X線回折測定の結果、ウルツ鉱型のZnO結晶であることが確認された。分散体(1)を透過型電子顕微鏡で観察した結果を図2に示す。図2に示すとおり、分散体(1)は、粒子径が約10〜20nmの粒子が二次凝集することなく分散するものであり、数平均粒子径が13nm、粒子径の変動係数が19%と、粒子径のそろった粒子であることが確認された。
[実施例2]
<原料金属化合物添加液の調製>において、亜鉛アセチルアセトナート水和物(Sigma−Aldrich社製、純度99.995%以上)0.2636gの代わりに、亜鉛アセチルアセトナート水和物(Sigma−Aldrich社製、純度99.995%)0.2636g、および、アルミニウムアセチルアセトナート(Sigma−Aldrich社製、純度99%以上)0.0324g用いた(Al/Znの原子数比は0.1である)以外は、実施例1と同様にして、原料金属化合物添加液(2)を調製した。
さらに、<反応>において、原料金属化合物添加液(1)の代わりに、原料金属化合物添加液(2)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行って反応液(2)を調製し、同様にして、分散体(2)を得た。
分散体(2)の粉末X線回折の測定パターンを図1に示す。分散体(2)中の微粒子は、粉末X線回折測定の結果、実施例1と同様の粉末X線回折パターンを示すZnO結晶からなることが確認された。分散体(2)を透過型電子顕微鏡で観察した結果を図3に示す。図3に示すとおり、分散体(2)は、数平均粒子径が15nm、粒子径の変動係数が16%と、粒子径のそろった粒子であることが確認された。
[実施例3]
<原料金属化合物添加液の調製>において、亜鉛アセチルアセトナート水和物(Sigma−Aldrich社製、純度99.995%以上)0.2636gの代わりに、亜鉛アセチルアセトナート水和物(Sigma−Aldrich社製、純度99.995%)0.2636g、および、アルミニウムアセチルアセトナート(Sigma−Aldrich社製、純度99%以上)0.0162g用いた(Al/Znの原子数比は0.05である)以外は、実施例1と同様にして、原料金属化合物添加液(3)を調製した。
さらに、<反応>において、原料金属化合物添加液(1)の代わりに、原料金属化合物添加液(3)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行って反応液(3)を調製し、同様にして、分散体(3)を得た。
分散体(3)の粉末X線回折の測定パターンを図1に示す。分散体(3)中の微粒子は、粉末X線回折測定の結果、実施例1と同様の粉末X線回折パターンを示すZnO結晶からなることが確認された。分散体(3)を透過型電子顕微鏡で観察した結果を図4に示す。図4に示すとおり、分散体(3)は、数平均粒子径が13nm、粒子径の変動係数が17%と、粒子径のそろった粒子であることが確認された。
実施例2および3で得られた分散体(2)および(3)中の微粒子について、SEM−EDXにより平均組成を分析した。その結果を表1に示す。
表1より、実施例2および3においては、それぞれの実施例において用いた原料金属化合物添加液(2)および(3)の配合組成に相当する金属組成からなる粒子、すなわち、該配合組成に相当する量のAlがZnO結晶に固溶した金属ナノ粒子が得られていると考えられる。
本発明の製造方法で得られる金属酸化物ナノ粒子は、絶縁体材料、半導体材料、イオン伝導体材料、熱伝導体材料、導電体(電子伝導体)材料、光吸収体材料、発光体材料、蛍光体材料、(光)磁気記録材料、非線形光学材料、強誘電体材料、光電変換材料、熱電変換材料等の各種機能性酸化物として、または、機能性酸化物の原料として好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. β―ジケトン金属錯体を主成分とする原料金属化合物を、溶媒中で加熱することにより金属酸化物ナノ粒子を生成させることを特徴とする、金属酸化物ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記溶媒が、炭化水素類を含有するものであることを特徴とする、請求項1記載の金属酸化物ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記原料金属酸化物を溶媒中で加熱する際に、アミン化合物を共存させるものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属酸化物ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記加熱が、加熱された溶媒にβ―ジケトン金属錯体を主成分とする原料金属化合物を添加することにより達成されるものである、請求項1から3のいずれかに記載の金属酸化物ナノ粒子の製造方法。
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