JP2010208148A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写時における画像乱れを抑制することができる記録装置を提供することである。
【解決手段】中間転写ベルト10と、外部からの刺激により硬化する硬化性材料を含む硬化性溶液12Aを、中間転写ベルト10上に供給し、被硬化層12Bを形成する溶液供給装置12と、中間転写ベルト10上に形成された被硬化層12Bにインクを付与するインクジェット記録ヘッド14と、インクが付与された液状の被硬化層12Bを中間転写ベルト10から記録媒体Pに転写する転写装置16と、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する前に刺激を被硬化層12Bに供給する紫外線照射装置18と、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触した後中間転写ベルト10から剥離される前に刺激を被硬化層12Bに供給する紫外線照射装置28と、を有する記録装置101である。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録装置に関する。
インクを利用した記録方式では、浸透媒体や非浸透媒体などの多様な記録媒体に対し高画質で記録を行うために、中間転写体に記録した後、記録媒体に転写する方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、中間転写体に一次画像を記録し、この一次画像にUV光線を照射し、このUV光線が照射された一次画像を前記中間転写体から記録媒体に転写して、記録媒体に二次画像を記録することを特徴とする記録方法が開示されている
また、特許文献2には、画像層のインク流れや混色を防止する目的で、紫外線硬化性インクを噴射して受像体に画像層を形成し、記録媒体と受像体上の画像層とのニップを転写に十分な圧力を用いて形成し、画像層に紫外線を照射するインクジェット印刷装置において、紫外線供給装置と画像層との間に受像体又は紫外線供給装置用ハウジングが設けられているインクジェット印刷装置が開示されている。
特開平10−250052号公報 特開2007−152945号公報
本発明は、転写時における画像乱れを抑制することができる記録装置を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
中間転写体と、
外部からの刺激により硬化する硬化性材料を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクを付与するインク付与手段と、
前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記硬化性溶液層を前記中間転写体から剥離することにより、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
前記記録媒体に接触する前の前記硬化性溶液層に前記刺激を供給し、前記硬化性溶液層の硬化反応を進行させ、前記硬化性溶液層の粘性を上昇させる第1の刺激供給手段と、
前記記録媒体に接触後前記中間転写体から剥離される前の前記硬化性溶液層に前記刺激を供給し、前記硬化性溶液層を硬化させる第2の刺激供給手段と、を有する、記録装置である。
請求項2に係る発明は、
前記硬化性溶液は、前記第1の刺激供給手段からの前記刺激の供給により硬化反応を開始する第1の硬化性材料と、前記第2の刺激供給手段からの前記刺激の供給により硬化反応を開始させる第2の硬化性材料と、を含む、請求項1に記載の記録装置である。
請求項3に係る発明は、
前記第1の刺激供給手段は、紫外線発光ダイオードであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置である。
請求項1に係る発明によれば、第1の刺激供給手段を有さない場合に比較して、転写時における画像乱れを抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、硬化性溶液層に含まれる硬化性材料が1種である場合に比較して、硬化性溶液層の粘性の上昇を制御しやすくなる。
請求項3に係る発明によれば、請求項1又は請求項2に係る本発明の効果に加えて、本構成を有さない場合に比較して、第1の刺激供給手段により硬化性溶液層に供給される刺激の量の制御が、より容易となる。
第1実施形態に係る記録装置を示す構成図である。 第2実施形態に係る記録装置を示す構成図である。 第3実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同じ機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第1実施形態に係る記録装置101は、図1に示すように、例えば、無端ベルト状の中間転写ベルト10(中間転写体)の周囲に、中間転写ベルト10の移動方向(矢印方向)における上流側から順に、中間転写ベルト10上に硬化性溶液12A(詳細後述)を供給し被硬化層12B(硬化性溶液層)を形成する溶液供給装置12(硬化性溶液層形成手段)、中間転写ベルト10上に形成された被硬化層12Bにインク滴14Aを付与し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14(インク付与手段)、画像Tが形成された被硬化層12Bを記録媒体Pに接触させ圧力を加えることにより画像Tが形成された被硬化層12Bを記録媒体P上に転写する転写装置16(転写手段)、及び中間転写ベルト10表面に残留する被硬化層12Bの残留物や付着した異物(記録媒体Pの紙粉等)等を除去するクリーニング装置20が配置されている。
また中間転写ベルト10の内側には、記録媒体Pと接触する前の被硬化層12Bに紫外線を照射する紫外線照射装置18(第1の刺激供給手段)と、記録媒体Pと接触した状態の被硬化層12Bに紫外線を照射する紫外線照射装置28(第2の刺激供給手段)と、が配置されている。すなわち、紫外線照射装置18は、被硬化層12Bに画像Tが形成された後、かつ、被硬化層12Bが記録媒体Pと接触する前の領域に対向して設置されている。また、紫外線照射装置28は、被硬化層12Bが記録媒体Pと接触している領域に対向して設置されている。
中間転写ベルト10は、例えば、3つの支持ロール10Aから10C、及び加圧ロール16B(転写装置16)により内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持されて配設されている。また中間転写ベルト10は、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
中間転写ベルト10の材料としては、例えば、各種の樹脂(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等)、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等、ステンレス等の金属材料等が挙げられる。中間転写ベルト10は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
上記の通り、本実施形態においては、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28が中間転写ベルト10の内側に設けられているため、紫外線等は中間転写ベルト10を透過した後に被硬化層12Bに照射される。したがって、中間転写ベルト10は、被硬化層12Bに効率よく紫外線を照射させ、紫外線により中間転写ベルト10の材料が反応して発生する反応熱を抑制するため、紫外線透過性が高いものが望ましく、また紫外線に対する耐久性が高いものが望ましい。具体的には、例えば、中間転写ベルト10の紫外線透過率が70%以上であることが望ましい。中間転写ベルト10の紫外線透過率が上記範囲であることにより、紫外線が効率よく被硬化層12Bに供給されると共に、中間転写ベルト10が紫外線を吸収すること等による熱の発生が抑制される。
このような中間転写ベルト10を形成する材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
また、本実施形態においては、被硬化層12Bが中間転写ベルト10の表面から剥離しやすくする観点から、被硬化層12Bに接する表面における中間転写ベルト10の表面自由エネルギー(γ)が低いことが望ましい。特に、被硬化層12Bの転写効率向上の観点から、表面自由エネルギー(γ)は、被硬化層12Bに接する表面における記録媒体Pの表面自由エネルギー(γ)よりも低いことが望ましく、下記式が成り立つ条件であることがより望ましい。
式:γ−γ>10
なお、表面自由エネルギーの値は、表面自由エネルギーと各成分値が既知である3種類の液体を使用して、接触角の測定を行い、これらの値をYoung−Dupreの式及び、拡張Fowkesの式より求められる。装置としては、固体表面エナジー解析装置CA−XE(協和界面化学株式会社製)を用いて、測定及び表面自由エネルギーの算出を行う。
中間転写ベルト10は、上記表面自由エネルギー(γ)の値を低くするために、被硬化層12Bに接する表面に表面離型層を設けてもよい。
表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料、シリコーン系樹脂材料等が挙げられ、具体的には、例えば、フッソ樹脂、フッソ変性ウレタン及びシリコーン樹脂、共重合フッソゴム、フッソ樹脂−共重合ビニルエーテル、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合塗料)などの粉体塗料または樹脂チューブ、PTFE(4フッ化エチレン)塗料、PTFE分散ウレタン塗料、さらにETFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブ、PVdF(ポリビニリデンフルオライド)、PHV(ポリテトラフルオロビニリデン)樹脂材料等が挙げられる。
この中でも、上記刺激に対する透過性の高い材料を用いることが望ましい。また、上記刺激に対する透過性の低い材料を用いる場合は、表面離型層の膜厚を薄くする方が望ましい。
溶液供給装置12は、例えば、硬化性溶液12Aを収納する筐体12C内に、当該硬化性溶液12Aを中間転写ベルト10へ供給する供給ローラ12Dと、供給された硬化性溶液12Aにより形成された被硬化層12Bの層厚を規定するブレード12Eと、を含んで構成されている。
溶液供給装置12は、その供給ローラ12Dが中間転写ベルト10に連続的に接触するようにしてもよいし、中間転写ベルト10から離間する構成としてもよい。また、溶液供給装置12は、独立した溶液供給システム(図示せず)より硬化性溶液12Aを筐体12Cへ供給させ、硬化性溶液12Aの供給がとぎれないようにしてもよい。硬化性溶液12Aの詳細については後述する。
溶液供給装置12は、上記構成に限られず、公知の供給法(塗布法:例えば、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布等)などを利用した装置が適用される。
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、中間転写ベルト10の移動方向上流側から、ブラックインクを付与するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを付与するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを付与するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを付与するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、及び記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。
各記録ヘッド14は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で、且つ中間転写ベルト10表面と記録ヘッド14のノズル面との距離が例えば0.7から1.5mmにして配置されている。
また、各記録ヘッド14は、例えば、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
各記録ヘッド14のインク付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インクが付与される方式であれば制限はない。なお、インクの詳細については後述する。
転写装置16は、以下のように構成されている。具体的には、例えば、加圧ロール16B及び支持ロール10Cにより中間転写ベルト10を張架し、非屈曲領域を形成している。中間転写ベルト10の非屈曲領域において、加圧ロール16B及び支持ロール10Cに対向する位置には、記録媒体Pを支持する支持体22が設けられている。また、加圧ロール16Aは、中間転写ベルト10の加圧ロール16Bと対向する位置に配置され、支持体22に設けられた開口部(図示せず)を通して記録媒体Pに接触する。
すなわち、中間転写ベルト10及び記録媒体Pが加圧ロール16A及び16Bにより挟み込まれた位置(以下、「接触開始位置」と称する場合がある)から、支持ロール10C及び支持体22により挟み込まれた位置(以下、「剥離位置」と称する場合がある)までの転写領域においては、被硬化層12Bは中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態となっている。
紫外線照射装置18は、中間転写ベルト10の内側に設けられ、接触開始位置に達する前の中間転写ベルト10を介して、画像Tが形成された後、かつ、記録媒体Pと接触する前の被硬化層12Bに、紫外線を照射する。
また紫外線照射装置28は、中間転写ベルト10の内側に設けられ、転写領域の中間転写ベルト10を介して、中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態の被硬化層12Bに紫外線を照射する。
ここで、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LED(紫外線発光ダイオード)などが適用される。これらの中でも特に、紫外線照射装置18としてUV−LEDを用いることが好ましく、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28の両方にUV−LEDを用いることがより好ましい。その他の紫外線照射条件等については後述する。
記録媒体Pとしては、浸透媒体(例えば、普通紙や、コート紙等)、非浸透媒体(例えば、アート紙、樹脂フィルムなど)、いずれも適用される。記録媒体Pは、これらに限られず、その他、半導体基板など工業製品も含まれる。
以下、本実施形態に係る記録装置101の画像記録プロセスにつき、説明する。
本実施形態に係る記録装置101では、中間転写ベルト10が回転駆動され、まず、溶液供給装置12により、中間転写ベルト10表面に硬化性溶液12Aを供給して、被硬化層12Bを形成する。
ここで、被硬化層12Bの層厚(平均膜厚)は、特に制限はないが、画像形成性と転写性とを両立させる観点から、1μm以上50μm以下が望ましく、3μm以上20μm以下がより望ましい。
また、例えば、被硬化層12Bの厚みをインク滴14Aが被硬化層12Bの最下層まで到達しない程度とすれば、記録媒体Pへの転写後では被硬化層12Bのうちインク滴14Aが存在する領域が露出せず、インク滴14Aが存在しない領域が硬化後には保護層として機能する。
次に、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを付与し、中間転写ベルト10上に供給された被硬化層12Bに当該インク滴14Aを付与する。インクジェット記録ヘッド14は画像情報に基づき、被硬化層12Bにインク滴14Aを付与する。
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの付与は、張力が掛けられて回転支持された中間転写ベルト10における非屈曲領域上で行われる。つまり、ベルト表面がたわみのない状態で被硬化層12Bにインク滴14Aの付与がなされる。
次に、紫外線照射装置18によって、中間転写ベルト10を透過した紫外線が被硬化層12Bに照射される。紫外線が照射されることにより、少なくとも被硬化層12Bの露出面が液状を保ちつつ、被硬化層12Bの粘性が上昇し、被硬化層12Bの内部におけるインク滴14Aの移動が抑制される。
その後、転写装置16の加圧ロール16A及び16Bにより記録媒体Pと中間転写ベルト10とを挟み込んで圧力をかける。このとき、中間転写ベルト10上の被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する(接触開始位置)。その後、支持ロール10C及び支持体22によって挟まれた位置(剥離位置)までは、被硬化層12Bが中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態が維持される。
ここで、加圧ロール16A及び16Bによって被硬化層12Bに加えられる圧力は、転写効率の向上及び画像乱れの抑制といった観点から、0.001MPa以上2MPa以下の範囲とすることが望ましい。
また、紫外線照射装置28によって、中間転写ベルト10及び記録媒体Pの両方に接触した状態の(接触中の)被硬化層12Bに、中間転写ベルト10を透過した紫外線が照射されることにより、被硬化層12Bが硬化する。具体的には、中間転写ベルト10上の被硬化層12Bが記録媒体Pに接触した後(接触開始位置を通過した後)に紫外線の照射を開始し、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離される前(剥離位置に到達する前)に紫外線の照射を終了する。
次に、剥離位置において被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離されることにより、インク滴14Aによる画像Tが含まれる硬化性樹脂層(画像層)が記録媒体Pに形成される。
一方、被硬化層12Bが記録媒体Pへ転写された後の中間転写ベルト10表面に残った被硬化層12Bの残留物や異物は、クリーニング装置20により除去される。
そして、再び中間転写ベルト10上に、溶液供給装置12により硬化性溶液12Aを供給して被硬化層12Bを形成し、画像記録プロセスが繰り返される。
以上のようにして、本実施形態に係る記録装置101では、画像記録が行われる。
本実施形態においては、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する前に紫外線照射装置18によって紫外線が照射され、被硬化層12Bの粘性が上昇する。次に、被硬化層12Bの液状の面が記録媒体Pに接触した後、紫外線照射装置28の紫外線照射により被硬化層12Bが硬化し、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離される。すなわち、被硬化層12Bの粘性が上昇することにより画像Tが固定化した状態で、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する。そして、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触した状態で硬化し、その後に被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離されることにより、剥離時における被硬化層12Bの分離が抑制される。
そのため、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から記録媒体Pへ転写する際の画像乱れが抑制され、かつ、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から記録媒体Pへ転写する効率が向上する。
ここで「液状」とは、液体を含んだ状態を言い、例えば、液体に粒子等が分散された状態等も含まれる。また、例えば、巨視的には被硬化層12Bの粘性が高く流動性を失っているが、微視的には被硬化層12Bの表面が濡れ性を有するような場合も、被硬化層12Bの表面が液状である。
さらに、記録媒体Pに接触する際の被硬化層12Bは、記録媒体Pに接する面が液状であればよく、被硬化層12Bの内部や中間転写ベルト10に接触している面が、例えばゲルや固体の状態であってもよい。
本実施形態において、上記効果が得られる理由は定かではないが以下の通りであると考えられる。
本実施形態においては、中間転写ベルト10上の被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する前に、被硬化層12Bに対して、紫外線照射装置18により紫外線が照射される。それにより、被硬化層12Bに含まれる硬化性材料が反応して粘性が上昇するため、被硬化層12B内に形成された画像T(画像Tを構成するインク滴14A)が移動しにくい状態となり、記録媒体Pに接触する際の画像乱れが抑制されると考えられる。
特に、被硬化層12Bと記録媒体Pとの密着性を良好にして転写効率を向上させるために、接触開始位置において加圧ロール16Aと加圧ロール16Bとで被硬化層12Bを挟んで圧力をかけることがある。そのような場合、事前に紫外線照射装置18による紫外線照射が行われず、被硬化層12Bの粘性が低すぎると、圧力によりインク滴14Aが移動し、画像乱れが発生しやすい。またこのとき、例えば画像の有無によって、かかる圧力にムラがあると、さらに画像乱れが発生しやすい。
しかし本実施形態では上記の通り、接触開始位置において、画像Tが被硬化層12Bの内部において移動しにくい状態となっているため、上記のように被硬化層12Bへ圧力がかけられても画像乱れが抑制される。すなわち、本実施形態の記録装置101では、接触開始位置における前記圧力を高く(例えば1MPa以上)しても画像乱れが抑制されると考えられる。
また特に、粘度の低い(例えば1000mPa・s以下)硬化性溶液12Aを用いると、溶液塗布装置12による塗布性が良好になり、被硬化層12Bにおける膜厚のムラが抑制されるという利点がある。そのような場合、記録媒体Pに接触する前に紫外線照射装置18による紫外線照射を行わない場合、被硬化層12Bの粘度が低い状態で記録媒体Pに接触するため、インク滴14Aが移動し、画像乱れが発生しやすい。
しかし本実施形態では上記の通り、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する前に紫外線照射装置18による紫外線照射を行い、被硬化層12Bの粘性が上昇するため、上記のような低粘度の硬化性溶液12Aを用いても画像乱れが抑制されると考えられる。
一方、紫外線照射装置18によって紫外線が照射された被硬化層12Bは、上記の通り粘性が上昇しているが、記録媒体Pに接する面が液状であるため、記録媒体Pに対する濡れ性が良好であり、記録媒体Pとの密着性が向上すると考えられる。
さらに、記録媒体Pに接触した状態の被硬化層12Bは、中間転写ベルト10から剥離される前に、紫外線照射装置28により紫外線が照射される。それにより、中間転写ベルト10と記録媒体Pとの両方に接触した状態における被硬化層12Bの硬化反応が進行する。すなわち、被硬化層12Bが記録媒体Pと良好に密着した状態で被硬化層12Bの硬化反応が進行するため、被硬化層12Bと記録媒体Pとが強固に密着するとともに、被硬化層12Bの硬化により被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離しやすくなる。そのため、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から記録媒体Pへ転写する効率が向上すると考えられる。
紫外線照射装置18の紫外線照射による被硬化層12Bの粘性上昇の度合いは、被硬化層12Bの露出面(記録媒体Pに接する面)が液状を保つ範囲内である。上記粘性上昇の度合いを、紫外線照射装置18によって紫外線が照射された被硬化層12B(接触開始位置の被硬化層12B)の硬化率で示すと、好ましい硬化率の範囲としては、例えば1%以上60%未満が挙げられる。
また、紫外線照射装置28の紫外線照射による被硬化層12Bの硬化の度合いは、剥離位置において被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離される程度であることが望ましい。上記硬化の度合いを紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28によって紫外線が照射された被硬化層12B(剥離位置の被硬化層12B)の硬化率で示すと、好ましい硬化率の範囲としては、例えば60%以上100%未満が挙げられる。
ここで、被硬化層12Bの硬化率とは、被硬化層12Bにおける硬化反応の進行度であり、具体的には、フーリエ変換型赤外分光(FT−IR)装置を用い、IRスペクトルのピーク強度の変化率より計算される。
また、紫外線照射装置18によって被硬化層12Bに照射された紫外線等の量(以下、「第1紫外線照射量」と称する場合がある)の望ましい数値は、紫外線硬化性材料種や被硬化層12Bの厚みなどに依存するが、積算強度で例えば、5mJ/cm以上60mJ/cm未満が望ましい。
また、紫外線照射装置28によって被硬化層12Bに照射された紫外線等の量(以下、「第2紫外線照射量」と称する場合がある)及び第1紫外線照射量の合計についても、望ましい数値は紫外線硬化性材料種や被硬化層12Bの厚みなどに依存するが、例えば、40mJ/cm以上1000mJ/cm未満が望ましい。
なお、上記粘度は、粘度測定器としてHAAKE社製MARSを用い、せん断速度500[1/s]にて測定した値である。
また本実施形態においては、硬化性材料を2種以上用いてもよい。具体的には、例えば、互いに特性(例えばピーク波長等)の異なる紫外線を照射する紫外線照射装置(紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28)を用い、それぞれの紫外線の特性に応じた2種の硬化性材料を用いる形態が挙げられる。すなわち、紫外線照射装置18により被硬化層12Bが照射される紫外線(以下、「第1の紫外線」と称する場合がある)により硬化反応を開始する第1の硬化性材料と、紫外線照射装置28により被硬化層12Bが照射される紫外線(以下、「第2の紫外線」と称する場合がある)により硬化反応を開始する第2の硬化性材料と、用いる形態である。そのような形態においては、硬化性溶液12A中における第1の硬化性材料及び第2の硬化性材料の含有量をそれぞれ制御することにより、接触開始位置等における被硬化層12Bの硬化率(すなわち、第1の紫外線の照射により粘性が上昇する度合い等)を制御しやすくなる。
また、第1の硬化性材料又は第2の硬化性材料の硬化反応を開始させる開始剤を用いる場合は、硬化性溶液12A中における開始剤の含有量を制御することによって、被硬化層12Bの硬化率を制御してもよい。具体的には例えば、第1の硬化性材料の硬化反応を開始させる第1の開始剤と、第2の硬化性材料の硬化反応を開始させる第2の開始剤と、が硬化性溶液12Aに含まれる形態が挙げられる。そのような形態では、硬化性溶液12A中における第1の開始剤及び第2の開始剤の含有量をそれぞれ制御することにより、接触開始位置及び剥離位置における被硬化層12Bの硬化率が制御される。なお、第1の開始剤と第2の開始剤とが異なるものであれば、第1の硬化性材料と第2の硬化性材料とが同種の材料でも、第1の開始剤及び第2の開始剤の含有量を制御することにより、接触開始位置等における被硬化層12Bの硬化率が制御される場合がある。
ここで、第1の紫外線及び第2の紫外線が、互いに波長の異なる形態を実現する手段としては、例えば、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28として互いに波長の異なる紫外線を発するものを選択する方法や、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28の少なくとも一方と被硬化層12Bとの間に適切なフィルターを配置する方法等が挙げられる。
また紫外線照射装置18としてはUV−LEDを用いることが好ましい。それにより、第1の紫外線により第1の硬化性材料を硬化させつつ、第1の紫外線の照射では第2の硬化性材料が硬化しないような条件が得られやすいため、接触開始位置における被硬化層12Bの硬化率がさらに制御しやすくなる。さらに、紫外線照射装置28としてUV−LEDを用いることにより、剥離位置における被硬化層12Bの硬化率も制御しやすくなる。なお、紫外線照射装置18又は紫外線照射装置28としてUV−LEDを用いることは、記録装置101が小型化されるという点や、中間転写体の劣化抑制、光源からの発熱抑制等においても好ましい。
硬化性材料を2種以上用いる形態としては、上記形態のほかに、硬化性材料の特性(例えば硬化速度等)が異なる2種の硬化性材料を用いる形態等も挙げられる。具体的には、例えば、カチオン硬化性材料とラジカル硬化性材料とを用いる形態等が挙げられる。このような形態においては、硬化性材料の特性の違いを利用しつつ、それぞれの硬化性材料の含有量等を制御することにより、接触開始位置等における被硬化層12Bの硬化率の制御が容易となる。なお、特性の異なる2種の硬化性材料を用いる場合は、第1の紫外線と第2の紫外線との特性が、上記のように互いに異なるものであってもよいし、同じものであってもよい。
本実施形態においては、上記の通り、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28が中間転写ベルト10の内側に配置されており、紫外線が中間転写ベルト10を透過した後に被硬化層12Bに照射される。そのため、被硬化層12Bのうち、中間転写ベルト10と接している側の方が、記録媒体Pと接している側に比べて、相対的に紫外線等照射量が高いため硬化反応の進行度も高くなる。よって、接触開始位置においては、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する際の画像乱れが抑制され、かつ、被硬化層12Bの記録媒体Pに接触する面の濡れ性が得られやすい。また剥離位置においては、被硬化層12Bが、記録媒体Pからは剥離しにくいが中間転写ベルト10からは剥離しやすい状態となり、中間転写ベルト10から記録媒体Pへの転写効率がより向上する。
また本実施形態では、上記の通り、紫外線照射装置28により照射される紫外線が、中間転写ベルト10を透過した後に被硬化層12Bに照射される構成である。例えば、紫外線を中間転写ベルト10の外側から照射する場合、支持体22及び記録媒体Pに紫外線透過性の材料を用いる必要がある等の制約を受ける場合があるが、本実施形態では前記制約を受けないため、装置構成の簡易化も実現される。
さらに、上記の通り、本実施形態においては、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28が中間転写ベルト10の内側に配置されているため、紫外線照射装置18が中間転写ベルト10の外側に配置される場合に比べ省スペース化される。
本実施形態においては、上記の通り、被硬化層12Bにインク滴14Aを付与する構成である。そのため、記録媒体Pが浸透性であるか非浸透性であるかに関わらず、高画質な画像形成が行われる。
また上記構成であるため、被硬化層12Bを用いずに紫外線硬化性インクを用いる場合に比べて、画像部に転写時の圧力が集中しにくいため、画像のムラが抑制される。また、特にインク滴14Aが中間転写ベルト10まで到達していない場合は、被硬化層12Bを用いずに紫外線硬化性インクを用いる場合等に比べて、色材による硬化阻害が少なく、被硬化層12Bの硬化率が画像の色に左右されないため、画像のムラが抑制される。さらに、被硬化層12Bにインク滴14Aを付与する構成では、インク滴14Aの吐出性を向上させるため硬化性材料を含まないインクを用いても、被硬化層12Bが硬化することにより画像が固定される。
また本実施形態においては、上記の通り、中間転写ベルト10上に形成された被硬化層12Bにインク滴14Aを付与し、転写装置16により記録媒体Pへ転写される構成である。よって、例えば、被硬化層12Bの厚みをインク滴14Aが被硬化層12Bの最下層まで到達しない程度とすれば、記録媒体Pへの転写後では被硬化層12Bのうちインク滴14Aが存在する領域が露出せず、インク滴14Aが存在しない領域が硬化後には保護層として機能する。そのため、画像の印字部と非印字部との間に段差が無く、画像耐久性が向上する。
なお本実施形態においては、上記の通り、第1の刺激供給手段及び第2の刺激供給手段として、それぞれ、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28を用いているが、これに限られない。
第1の刺激供給手段及び第2の刺激供給手段の種類は、適用する硬化性溶液12Aに含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば本実施形態のように、第1の硬化性材料及び第2の硬化性材料として紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合、第1の刺激供給手段及び第2の刺激供給手段としては、硬化性溶液12A(これにより形成された被硬化層12B)に紫外線を照射する紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28を適用する。
また、硬化性材料として電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、刺激供給手段として電子線照射装置を適用し、硬化性材料として熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合、刺激供給手段として熱付与装置を適用する。
第1の硬化性材料及び第2の硬化性材料としては、同種の硬化性材料を用いてもよく、異種の硬化性材料を用いてもよい。
同種の硬化性材料を用いる形態としては、例えば、第1の硬化性材料及び第2の硬化性材料として熱硬化性材料を用いる形態等が挙げられ、その場合は、第1の刺激供給手段及び第2の刺激供給手段として熱付与装置を適用する。また、異種の硬化性材料を用いる形態としては、例えば、第1の硬化性材料として電子線硬化性材料を用い、第2の硬化性材料として熱硬化性材料を用いる形態等が挙げられ、その場合は、第1の刺激供給手段として電子線照射装置を適用し、第2の刺激供給手段として熱付与装置を適用する。
電子線照射装置としては、例えば、走査型の電子線照射装置や、カーテン型の電子線照射装置等が挙げられる。カーテン型の電子線照射装置は、フィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流とし、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。電子線の波長は一般的に1nmより小さく、またエネルギーは大きいもので数MeVに及ぶが、電子線の波長数がpmのオーダーでエネルギーが数十乃至数百keVが適用される。
また、熱付与装置としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用される。
また本実施形態においては、上記の通り、紫外線照射装置18による紫外線照射を、被硬化層12Bが接触開始位置に到達する前に終了し、紫外線照射装置28による紫外線照射を、被硬化層12Bが接触開始位置を通過した後に開始している。しかしこれに限られず、例えば、紫外線照射装置18による紫外線照射を、被硬化層12Bが接触開始位置を通過した後に終了してもよく、紫外線照射装置28による紫外線照射を、被硬化層12Bが接触開始位置に到達する前に開始してもよい。
さらに本実施形態においては、上記の通り、紫外線照射装置28による紫外線照射を、被硬化層12Bが剥離位置に到達する前に終了している。しかしこれに限られず、例えば、紫外線照射装置28による紫外線照射を、被硬化層12Bが剥離位置を通過した後に終了してもよい。
また、本実施形態においては、上記の通り、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28が中間転写ベルト10の内側に配置され、紫外線が中間転写ベルト10を透過した後に被硬化層12Bに照射されるが、これに限られない。具体的には、例えば、紫外線照射装置18が中間転写ベルト10の外側に配置され、中間転写ベルト10を透過せずに、直接中間転写ベルト10上の被硬化層12Bに紫外線を照射する形態であっても良い。また例えば、紫外線照射装置28が中間転写ベルト10の外側に配置され、支持体22及び記録媒体Pを透過した後に中間転写ベルト10上の被硬化層12Bに紫外線を照射する形態であっても良い。
また、例えば、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28の少なくとも一方の本体を、中間転写ベルト10の外側に配置しつつ、中間転写ベルト10を透過した紫外線を被硬化層12Bに照射する形態もありうる。具体的には、例えば、紫外線照射装置18の本体を中間転写ベルト10の外側に配置し、例えば光ファイバー等を用いて紫外線を紫外線照射装置本体から中間転写ベルト10の内側に誘導し、中間転写ベルト10を透過した後の紫外線を被硬化層12Bに照射する形態等が挙げられる。
また本実施形態において、被硬化層12Bを形成する前の中間転写ベルト10に離型剤を供給し離型剤層を形成する離型剤塗布装置をさらに備えた形態としてもよい。
離型剤塗布装置をさらに備えることにより、被硬化層12Bが接する表面における中間転写ベルト10の表面自由エネルギー(γ)の値を低く設定することが容易となり、より中間転写ベルト10から記録媒体Pへの被硬化層12Bの転写効率が向上する。
また、上記構成であることにより、中間転写ベルト10の表面状態の経時的な変化による影響を受けにくく経時安定性が向上すると共に、中間転写ベルト10表面のクリーニング性も向上する。
ここで、上記構成のように離型剤塗布装置を備えた形態において「表面自由エネルギー(γ)」とは、離型剤層が形成された中間転写ベルト10における、被硬化層12Bが接する表面の表面自由エネルギーを意味する。
離型剤塗布装置としては、公知の塗布法(例えば、バーコーター塗布、スプレー方式の塗布、インクジェット方式の塗布、エアーナイフ方式の塗布、ブレード方式の塗布、ロール方式の塗布、ダイコータ方式の塗布等)などを利用した装置が適用される。具体的には、例えば、離型剤を収納する筐体内に、離型剤を中間転写ベルト10へ供給する供給ローラと、供給された離型剤により形成された離型剤層の層厚を規定するブレードと、離型剤を加熱溶融させる加熱手段を含むものが挙げられる。
離型剤としては、具体的には、シリコーン系オイル、フッ素系オイル、炭化水素系・ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、フェニルエーテル、リン酸エステル等が挙げられ、これらの中でもシリコーン系オイル、フッ素系オイル、ポリアルキレングリコールが望ましい。
本実施形態においては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクジェット記録ヘッド14から画像データに基づいて選択的にインク滴14Aが付与されてカラーの画像が記録媒体Pに記録されるようになっているが、記録媒体上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、工業的に用いられる液滴付与(噴射)装置全般、また版を用いた転写による画像を形成する方法、スクリーン印刷による画像形成方法などにも本発明に係る装置が適用される。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第2実施形態に係る記録装置102は、図2に示すように、第1実施形態における中間転写ベルト10の代わりに中間転写ドラム26を配置した形態である。
中間転写ドラム26は、単層構成でもよく、複層構成でもよい。複層構成としては、例えば、円筒状基体と、当該基体表面に被覆される表面層と、を有する構成が挙げられる。中間転写ドラム26は、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅(軸方向長さ)を有している。
円筒状基体の材質としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅、ガラス等が挙げられる。
表面層の材質としては、例えば、各種の樹脂[例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂等]、各種のゴム(例えば、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)等が挙げられる。表面層は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、紫外線照射装置18及び紫外線照射装置28が中間転写ドラム26の内側に設けられているため、紫外線は中間転写ドラム26を透過した後に被硬化層12Bに照射される。したがって、被硬化層12Bに効率よく紫外線を照射させる観点から、中間転写ドラム26は、紫外線透過性の高いものが望ましい。また、中間転写ドラム26の耐久性の観点から、中間転写ドラム26は、紫外線耐久性の高いものが望ましい。
具体的には、例えば、エネルギー効率及び発熱抑制の観点から、中間転写ドラム26の紫外線透過率が70%以上であることが望ましい。そのような中間転写ドラム26の構成としては、具体的には、例えば、石英ガラスで構成されたもの、石英ガラス製の円筒状基体にフッ素系樹脂の表面層を形成したもの等が望ましい。
また、本実施形態においても、被硬化層12Bに接する表面における中間転写ドラム26の表面自由エネルギー(γ)が低いことが望ましく、特に被硬化層12Bに接する表面における記録媒体Pの表面自由エネルギー(γ)よりも低いことがより望ましく、下記式が成り立つ条件であることがさらに望ましい。
式:γ−γ>10
上記表面自由エネルギー(γ)の値を低くするという観点から、望ましい中間転写ドラム26の表面層の材料としては、例えば、上記第1実施形態における中間転写ベルト10の表面離型層に用いられる材料と同様のものが挙げられる。
各記録ヘッド14は、中間転写ドラム26表面とヘッドのノズル面との距離が例えば0.3乃至0.7mm程度にして配置されている。また、各記録ヘッド14は、例えば、その長手方向が中間転写ドラムの回転方向と交差(望ましくは直交)して配設されている。
転写装置16は、中間転写ドラム26に対し押し当てて配置される加圧ロール16Aを含んで構成されている。
本実施形態に係る記録装置102では、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aを付与し、中間転写ドラム26上に形成された被硬化層12Bに当該インク滴14Aを付与する。
この際、インクジェット記録ヘッド14によるインク滴14Aの付与は、中間転写ドラム26上で行われ、ドラム表面がたわみのない状態で被硬化層12Bにインク滴14Aの付与がなされる。
次に、紫外線照射装置18によって、中間転写ドラム26を透過した紫外線が、インク滴14Aを付与された被硬化層12Bに照射され、被硬化層12B中の画像Tを構成するインク滴14Aの移動が抑制される程度に被硬化層12Bが硬化される。
次に、被硬化層12Bは、転写装置16の加圧ロール16Aにより圧力を受けることによって記録媒体Pに接触する。そして、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する位置(接触開始位置)において、紫外線照射装置28は、中間転写ドラム26及び記録媒体Pの両方に接触した被硬化層12Bへの紫外線照射を開始する。
その後、被硬化層12Bは中間転写ドラム26から剥離され、さらにその後に被硬化層12Bへの紫外線照射が終了する。
本実施形態においては、紫外線照射装置18により被硬化層12Bへ照射された紫外線の量が、上記「第1紫外線照射量」となる。また、紫外線照射装置28による被硬化層12Bへの紫外線照射が開始されてから、被硬化層12Bが剥離位置に到達するまでの間に、被硬化層12Bが紫外線照射装置28により照射された紫外線の量が、上記「第2紫外線照射量」となる。
これら以外は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
<第3実施形態>
図3は、第3実施形態に係る記録装置を示す構成図である。
第3実施形態に係る記録装置103は、図3に示すように、中間転写体として中間転写ベルト10を用い、紫外線照射装置18を溶液供給装置12とインクジェット記録ヘッド14との間に配置し、剥離位置を通過した後の被硬化層12Bにさらに紫外線を照射する紫外線照射装置38を配置した形態である。
紫外線照射装置18は、中間転写ベルト10の外側で、かつ、溶液供給装置12とインクジェット記録ヘッド14との間に設けられ、中間転写ベルト10に形成された被硬化層12Bに直接紫外線を照射するように設けられている。
紫外線照射装置38は、中間転写ベルト10の外側で、かつ、記録媒体Pの被硬化層12Bが形成された面と対抗する位置に設けられ、中間転写ベルト10から剥離された被硬化層12Bに直接紫外線を照射するように設けられている。
本実施形態に係る記録装置103では、溶液供給装置12により中間転写ベルト10表面に被硬化層12Bが形成された後、紫外線照射装置18により被硬化層12Bに紫外線が照射され、被硬化層12Bが硬化する。
次に、紫外線照射装置18によって紫外線が照射された被硬化層12Bに、インクジェット記録ヘッド14によりインク滴14Aが付与され、画像Tが形成される。
次に、接触開始位置において被硬化層12Bが記録媒体Pに接触した後に、紫外線照射装置28により、被硬化層12Bに紫外線が照射が開始され、被硬化層がさらに硬化して中間転写ベルト10から剥離されやすい状態になる。
次に、被硬化層12Bが中間転写ベルト10から剥離され、その後、紫外線照射装置38により被硬化層12Bに紫外線がさらに照射され、さらに被硬化層12Bが硬化することにより記録媒体Pに定着する。
これら以外は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態の記録装置では、被硬化層12Bにインク滴14Aを付与する前に、紫外線照射装置18によって被硬化層12Bに紫外線を照射し、被硬化層12Bの粘性が上昇している。そのため、インクジェット記録ヘッド14から吐出されたインク滴14Aが被硬化層12Bに到達する際に生じた圧力によって、インク滴14Aが被硬化層12B内で移動すること(例えば画像が部分的に広がること等)が抑制され、画質の良好な画像が形成される。
また本実施形態の記録装置では、中間転写ベルト10から剥離された後にも、紫外線照射装置38により、被硬化層12Bに紫外線を照射しているため、画像の定着性に優れる。
なお本実施形態では、インク滴14Aを被硬化層12Bに付与した後、被硬化層12Bが記録媒体Pに接触する前については、紫外線照射を行っていないが、これに限られない。すなわち、例えば、紫外線照射装置18による紫外線照射に加えて、インク滴14A付与後、かつ、記録媒体Pへの接触前にも、被硬化層12Bへの紫外線照射を行ってもよい。
また本実施形態では、紫外線照射装置18を中間転写ベルト10の外側に配置し、被硬化層12Bに直接紫外線を照射しているが、これに限られず、中間転写ベルト10の内側に配置し、中間転写ベルト10を透過した紫外線を被硬化層12Bに照射する形態でもよい。
また本実施形態では、紫外線照射装置38を備えた形態であるが、これに限られず、紫外線照射装置38を備えない形態でも良い。
以下、上記実施形態において用いられる材料(具体的には、硬化性溶液12A、及びインク滴14Aに含まれるインク)の詳細について説明する。
まず、上記第1実施形態及び第2実施形態において用いられる硬化性溶液12Aについて説明する。
硬化性溶液12Aは、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んでいる。ここで、硬化性溶液12Aに含有される「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば、硬化性のモノマー、硬化性のマクロマー、硬化性のオリゴマー、硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
硬化性材料としては、例えば、紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料、熱硬化性材料等が挙げられる。紫外線硬化性材料は、硬化がし易く、他のものに比べ硬化速度も速く、取り扱いやすいため、最も望ましい。電子線硬化性材料は、重合開始剤が不要であり、硬化後の層の着色制御が実施しやすい。熱硬化性材料は、大掛りな装置を必要とすることなく硬化される。なお、硬化性材料は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性材料を適用してもよい。なお、ここで言う硬化性材料は、硬化後は不可逆である。
紫外線硬化性材料を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、及び紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また、硬化性溶液12Aは、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいることが望ましい。さらに硬化性溶液12Aは、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性材料が挙げられる。
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシケトン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、 α-アミノケトン、α-アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン-イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
電子線硬化性材料を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、及び電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料と同様のものが挙げられる。
熱硬化性材料を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液12Aは、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、及び熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、硬化性溶液12Aは、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
以上のように、硬化性材料は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば、重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。
上記硬化性材料の中でも、画像記録の高速化という観点を考慮すると、硬化速度の速い材料(例えば、重合の反応速度が速い材料)が望ましい。このような硬化性材料としては、例えば、放射線硬化型の硬化性材料(上記紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
硬化性材料は、中間転写体等との濡れ性を考慮して、Siやフッ素等による変性がされていてもよい。また硬化性材料は、硬化速度と硬化度を考慮すると、多官能のプレポリマーを含有するのが望ましい。
また、硬化性溶液には、上記硬化反応に寄与する主成分(モノマー、マクロマー、オリゴマー、及びプレポリマー、重合開始剤等)を溶解又は分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。但し、当該主成分の比率が例えば30質量%以上、望ましくは60質量%以上、より望ましくは90質量%以上の範囲が挙げられる。
また、硬化性溶液は、硬化後の層を着色制御を行う目的で各種色材を含んでいてもよい。
また、硬化性溶液の粘度は、5mPa・sから10000mPa・sが望ましく、より望ましくは10mPa・sから1000mPa・sであり、さらに望ましくは15mPa・sから500mPa・sの範囲が挙げられる。また、硬化性溶液の粘度は、インクの粘度よりも高いことがよい。
上記硬化性溶液12Aは、画像ムラ及び色間にじみの抑制という観点から、インク中の着色剤を固定化する材料を含むことが望ましい。
また、これらの材料としては、インクに対して吸液性を有する材料(吸液性材料)が好ましい。吸液性材料とは、吸液性材料とインクを重量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液性材料を取り出した時、吸液性材料の重量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
このように、硬化性溶液12Aがインク吸液性材料を含有することによって、速やかにインク液体成分(例えば、水、水性溶媒)が、樹脂層に取り込まれ画像が固定化するため、インク間の境界部での混色が抑制され、画像ムラが抑制され、さらには転写時の圧力によるインクの転写ムラが軽減される。
吸液性材料は、例えば樹脂(以下、吸液樹脂と称する場合がある)や、表面親インク性を持たせた無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等があげられ、用いるインクに応じて選択される。
具体的には、インクとして水性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸水材料を用いることが望ましい。また、インクとして油性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸油材料を用いることが望ましい。
吸水材料としては、具体的には、例えば、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸およびその塩、スチレン−マレイン酸及びその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体等、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、が挙げられる。これら樹脂は、未架橋でも架橋されていてもよい。
また吸油材料としては、具体的には、例えば、ヒドロキシステアリン酸、コレステロール誘導体、ベンジリデンソルビトールといった低分子ゲル化剤や、ポリノルボルネン、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種ロジン類等が挙げられ、望ましくは、ポリノルボルネン、ポリプロピレン、ロジン類が挙げられる。
吸液性材料が粒子状である場合には、硬化性溶液12Aの安定性と画質との両立といった観点から、体積平均粒径が0.05μm以上25μmの範囲であることが望ましく、0.5μm以上10μm以下がより望ましい。
この吸液性材料の硬化性溶液12A全体に対する比率は、例えば質量比で10%以上望ましくは20%以上であり、より望ましくは25%以上70%以下の範囲が挙げられる。
次に、硬化性溶液12Aに含まれる、その他の添加剤について説明する。
硬化性溶液12Aは、インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含んでもよい。
この機能を有する成分は、上記吸液樹脂粒子を構成する樹脂(樹脂吸水性樹脂)の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
凝集剤は単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、凝集剤の含有量としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが望ましい。より望ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に望ましくは、1質量%以上15質量%以下である。
以下、インク滴14Aに含まれるインクの詳細について説明する。
インクとしては、溶媒として水性溶媒を含む水性インク、溶媒として油性溶媒を含む油性インク、紫外線硬化型インク、相変化型ワックスインクなどが挙げられる。本実施形態においては、水性インク又は油性インクを用い、記録媒体として非浸透媒体を用いた場合でも、ヒーター等により溶媒を揮発させることなく良い画像定着性が得られる。また、インクとしては、紫外線硬化型インクも使用される。紫外線硬化型インクを用いることにより、耐久性の高い画像が形成される。
水性インクとしては、例えば、記録材として水溶性染料又は顔料を水性溶媒に分散又は溶解したインクが挙げられる。また、油性インクとしては、例えば、記録材として油溶性染料を油性溶媒に溶解したインク、記録材として染料又は顔料を逆ミセル化して分散したインクが挙げられる。
油性インクを用いる場合は、低揮発性又は不揮発性の溶媒を用いた油性インクを用いることが望ましい。油性インクの溶媒が低揮発性又は不揮発性であることにより、ヘッドノズル端部において、溶媒揮発によるインク状態変化が起きにくいため、ヘッドノズル耐目詰まり性が良い。また油性インクの溶媒が低揮発性又は不揮発性であることにより、インク滴を受容した被硬化層が記録媒体に転写された後に、油性インクの溶媒が記録媒体に浸透しても、カール・カックルが生じにくい。さらに油性インクの溶媒は、カチオン硬化性のものであってもよい。
本実施形態においては、インクとして水性インクを用いることが望ましい。この場合、上記硬化性溶液12Aに含まれる吸液性材料としては、吸水材料を用いることが望ましい。水性インクを用いる事で、油性インクや紫外線硬化型インクなどに比べ、インクジェットヘッドを含むシステムの長期信頼性が向上する。
まず、記録材について説明する。記録材としては、主に色材が挙げられる。色材としては、染料、顔料のいずれも用いられるが、耐久性の点で顔料であること望ましい。顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれも使用され、黒色顔料ではファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられる。黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等を使用してもよい。また、本発明のために、新規に合成した顔料でも構わない。
また、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等を顔料として使用する方法もある。
黒色顔料の具体例としては、Raven7000(コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R(キャボット社製)、Color Black FW1(デグッサ社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シアン色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Blue−1,−2,−3,−15,−15:1,−15:2,−15:3,−15:4,−16,−22,−60等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet −19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
黄色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ここで、色材として顔料を使用した場合には、併せて顔料分散剤を用いることが望ましい。使用される顔料分散剤としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体が好適に用いられる。親水性構造部と疎水性構造部とを有する重合体としては、縮合系重合体と付加重合体とが使用される。縮合系重合体としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体としては、α,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体を組み合わせて共重合することにより目的の高分子分散剤が得られる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体の単独重合体も用いられる。
上記高分子分散剤としては、例えば重量平均分子量で2000乃至50000のものが挙げられる。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、二種類以上を併用しても構わない。顔料分散剤の添加量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、一般に顔料に対し、合計で0.1乃至100質量%が挙げられる。
色材として水に自己分散する顔料も用いられる。水に自己分散する顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより、水に自己分散する顔料が得られる。
また、水に自己分散する顔料としては、上記顔料に対して表面改質処理を施した顔料の他、キャボット社製のCab−o−jet−200、Cab−o−jet−300、IJX−157、IJX−253、IJX−266、IJX−273、IJX−444、IJX−55、Cab−o−jet−260M、Cab−o−jet−250C、Cab−o−jet−270Y、Cab−o−jet−1027R、Cab−o−jet−554B、オリエント化学社製のMicrojet Black CW−1、CW−2等の市販の自己分散顔料等も使用される。
自己分散顔料としては、その表面に官能基として少なくともスルホン酸、スルホン酸塩、カルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料であることが望ましい。より望ましくは、表面に官能基として少なくともカルボン酸、又はカルボン酸塩を有する顔料である。
更に、樹脂により被覆された顔料等も使用される。これは、マイクロカプセル顔料と呼ばれ、大日本インキ化学工業社製、東洋インキ社製などの市販のマイクロカプセル顔料だけでなく、本発明のために試作されたマイクロカプセル顔料等も使用される。
また、高分子物質を上記顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も用いられる。
記録材としては、その他、親水性のアニオン染料、直接染料、カチオン染料、反応性染料、高分子染料等や油溶性染料等の染料類、染料で着色したワックス粉・樹脂粉類やエマルション類、蛍光染料や蛍光顔料、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、フェライトやマグネタイトに代表される強磁性体等の磁性体類、酸化チタン、酸化亜鉛に代表される半導体や光触媒類、その他有機、無機の電子材料粒子類などが挙げられる。
記録材の含有量(濃度)は、例えばインクに対して1乃至30質量%の範囲が挙げられる。
記録材の体積平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下の範囲が挙げられる。
記録材の体積平均粒径とは、記録材そのものの粒径、又は記録材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計 9340 (Leeds&Northrup社製)を用いた。その測定は、インク4mlを測定セルに入れて行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインクの粘度を、分散粒子の密度は記録材の密度とした。
次に水性溶媒について説明する。水性溶媒としては、水が挙げられ、特にイオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水を使用することがよい。また、水性溶媒と共に、水溶性有機溶媒を用いてもよい。水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が使用される。
水溶性有機溶媒は、少なくとも1種類以上使用してもよい。水溶性有機溶媒の含有量としては、例えば1質量%以上70質量%以下の範囲が挙げられる。
次に、油性溶媒について説明する。油性溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、グリコール類、含窒素溶媒、植物油等の有機溶媒が使用される。上記溶媒は単独もしくは二種以上併用しても良い。
次に、その他の添加剤について説明する。インクには、その他、必要に応じて、界面活性材が添加される。
これら界面活性剤の種類としては、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、望ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が用いられる。
界面活性剤は単独で使用しても混合して使用してもよい。また界面活性剤の親水性/疎水性バランス(HLB)は、溶解性等を考慮すると例えば3乃至20の範囲が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、例えば0.001乃至5質量%、望ましくは0.01乃至3質量%の範囲が挙げられる。
また、インクには、その他、浸透性を調整する目的で浸透剤、インク吐出性改善等の特性制御を目的でポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等や、導電率、pHを調整するために水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属類の化合物等、その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート化剤等も添加される。
また、外部からのエネルギーにより硬化する硬化性材料を含有しても良い。この場合、水性インク中においては水溶性の硬化性材料が好ましい。
またインクは、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んだ紫外線硬化性インクでもよい。「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」については、上記硬化性溶液12Aに含まれる硬化性材料と同様である。
また紫外線硬化性インクには、上記硬化反応に寄与する主成分(モノマー、マクロマー、オリゴマー、及びプレポリマー、重合開始剤等)を溶解又は分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。但し、当該主成分の比率が例えば30質量%以上、望ましくは60質量%以上、より望ましくは90質量%以上の範囲が挙げられる。
次に、インクの好適な特性について説明する。まず、インクの表面張力は、例えば20乃至45mN/mの範囲が挙げられる。
ここで、表面張力としては、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値を採用した。
インクの粘度は、1.5mPa・s以上30mPa・s以下、望ましくは1.5mPa・s以上20mPa・s以下の範囲が挙げられる。ヘッド吐出性の観点からは、インクの粘度は20mPa・s以下が望ましい。また、インクの粘度は、上記硬化性溶液の粘度に比べ低いことがよい。
ここで、粘度としては、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値を採用した。
なお、インクは、上記構成に限定されるものではない。記録材以外に、例えば、液晶材料、電子材料など機能性材料を含むものであってもよい。
[試験例]
以下、本発明を、試験例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各試験例は、本発明を制限するものではない。
(試験例1から試験例5)
上記第1実施形態と同様な構成の記録装置(図1参照)を用いて、溶液供給装置により硬化性溶液を中間転写ベルトに供給して被硬化層を形成し、その被硬化層に記録ヘッドにより各色インクを付与して画像を形成した。そして、第1の紫外線照射装置により紫外線を照射し被硬化層を硬化させた後に、転写装置により記録媒体へ被硬化層を接触させながら第2の紫外線照射装置により紫外線を照射し被硬化層を硬化させて中間転写ベルトから剥離し、評価を行った。条件は以下の通りである。
・中間転写ベルト:厚さ0.1mm、ベルト幅350mm、外径Φ168mmのETFE製無端ベルトにフッ素系樹脂を被覆したもの(プロセス速度:125mm/s)
・溶液供給装置:グラビアロールコーター(被硬化層の層厚15μm)
・各記録ヘッド:ピエゾ方式の記録ヘッド(解像度解像度1200×1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)、ドロップサイズ2pL)
・転写装置(加圧ロール):径30mmの鋼製パイプにフッ素系樹脂を被覆したもの(中間転写ベルトに対する押し当て力:線圧2kgf/cm)
・第1の紫外線照射装置:UV−LED紫外発光ダイオードNCSU034A(日亜化学工業(株)製)をレンズで集光し、アレイ状に複数個配列して使用した、ピーク波長:385nm)
・第2の紫外線照射装置:UV−LED紫外発光ダイオードNCCU033A(日亜化学工業(株)製)をレンズで集光し、アレイ状に複数個配列して使用した、ピーク波長:365nm)
・記録媒体:アート紙(OK金藤)
また、硬化性溶液、及び各色のインクは、以下のように作製したものを用いた。
<硬化性溶液(ラジカル硬化性材料)>
・シリコン変性ポリウレタンアクリレート:20重量部
・ポリアクリル酸ナトリウム(吸液樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5μmとしたもの):30.0重量部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(第1のUV硬化モノマー):10重量部
・イルガキュア369(第1のUV開始剤):1重量部
・トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(第2のUV硬化モノマー):37重量部
・イルガキュア651(チバ・ジャパン株式会社製、第2のUV開始剤):2重量部
上記成分を混合し、硬化性溶液とした。得られた硬化性溶液の粘度は948Pa・sであった。
<ブラックインク作製方法>
Cab−o−jet−300(キャボット社製)を超音波ホモジナイザーで30分間処理した後、遠心分離処理(7000r.p.m.,20分間)して顔料分散液(カーボン濃度12.8%)を得た。
次に、下記の各成分を十分混合し、1μmフィルターで加圧ろ過し、インクを調製した
・上記顔料分散液:40重量部
・グリセリン:20重量部
・サーフィノール465:1.5重量部
・純水:35重量部
<インク作製方法1>
顔料30重量部に、スチレン−マレイン酸共重合体のナトリウム中和塩を3重量部加え、さらにイオン交換水を加えて、総量を300重量部とした。この液を超音波ホモジナイ
ザーを用いて分散した。この液を遠心分離装置で、遠心分離をし、残部分100重量部を除去した。この上澄み液を1μmのフィルターに通過させて、分散液を得た。適量の前記分散液に、グリセリン10重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル5重量部、界面活性剤0.03重量部、イソプロピルアルコール3重量部、イオン交換水及び水酸化ナトリウムを適量加え、総量が100重量部、顔料濃度が5重量%となるように調整した。これを、混合し、1μmのフィルターを通過させることにより、目的とするインクを得た。
−シアンインク−
上記インク作成方法1に従い以下に示す組成のインクを得た
・C.I.アシッドブルー199:5重量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.3重量部
・グリセリン:15重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:5重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):1.0重量部
・イソプロピルアルコール:3重量部
・イオン交換水:残部
計100重量部
−マゼンタインク−
上記インク作成方法1に従い以下に示す組成のインクを得た
・C.I.アシッドレッド52:3.5重量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.3重量部
・グリセリン:20重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:5重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):1.0重量部
・イオン交換水:残部
計100重量部
−イエローインク−
上記インク作成方法1に従い以下に示す組成のインクを得た
・C.I.ダイレクトイエロ86:4.0重量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.4重量部
・グリセリン:15重量部
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル:10重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):1.0重量部
・イオン交換水:残部
計100重量部
上記試験例における、第1紫外線照射量(第1の紫外線照射装置によって被硬化層が照射された紫外線の量)及び第2紫外線照射量(第2の紫外線照射装置によって被硬化層が照射された紫外線の量)を表1に示す。なお、第1紫外線照射量及び第2紫外線照射量は、UVD−S365(ウシオ電機株式会社製)を装置へ装着し、実際に紫外線照射装置下を通過させることで計測した。
<画質の評価>
アート紙(OK金藤 王子製紙社製)を記録媒体として印字テストを実施し、形成された画像を目視観察することによって、画質の評価を行った。評価基準は以下の通りであり、評価結果を表1に示す。
○:画像乱れは発生していない。
△:画像乱れがわずかに発生しているが、許容範囲である。
×:画像乱れが発生し、許容範囲を超えている。
<中間転写体から記録媒体への転写性の評価>
アート紙(OK金藤 王子製紙社製)を記録媒体として、5枚連続で印字テストを実施し、テスト後の中間転写ベルト上の残留物を目視観察することによって被硬化層の剥離性を評価した。評価基準は以下の通りであり、評価結果を表1に示す。
○:残留物が単位面積あたり面積で1%未満である。
△:残留物が単位面積あたり面積で1%以上20未満である。
×:残留物が単位面積あたり面積で20%以上である。
<転写前における被硬化層の評価>
第1の紫外線照射装置により紫外線を照射した後、かつ、転写装置に到達する前の被硬化層の状態を以下の方法により評価した。具体的には、第1の紫外線照射装置により紫外線を照射した後、第2の紫外線照射装置を照射せずにOHP基材(富士ゼロックス社製 PPC/レーザー用OHPフィルムA4クリア GAAA5224)へ転写を実施した。転写画像が、泣き別れ状態(すなわち、画像が分離し、中間転写ベルト及びOHP基材の両方に画像の一部が密着したまま剥離された状態)になる場合は液状、泣き別れ状態にならない場合は固体状と判定することにより、転写前における被硬化層の表面(記録媒体に接触する面)が液状であるかどうかを調べた。
その結果、試験例1から試験例4では、転写前における被硬化層の表面が液状であったのに対し、試験例5では、転写前における被硬化層の表面が固体状であった。
(試験例6)
硬化性溶液として、下記に示す硬化性溶液を用い、第1の紫外線照射装置としてUV−LED紫外発光ダイオードNCCU033(日亜化学工業(株)製)を用い、第2の紫外線照射装置としてメタルハライドランプ(IntegrationTechnology社製、型番:Vzero140にDバルブランプを装着して使用)を用いた以外は、試験例3と同様にして、試験例6を行った。紫外線照射量、並びに画質及び転写性の評価結果を表1に示す。また、転写前における被硬化層の評価の結果、転写前における被硬化層の表面は液状であった。
<硬化性溶液(ラジカル硬化性材料)>
・シリコン変性ポリウレタンアクリレート:20重量部
・PEG600ジアクリレート(UV硬化モノマー):52.0重量部
・ポリアクリル酸ナトリウム(吸液樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5μmとしたもの):25重量部
・イルガキュア754(チバ・ジャパン株式会社製) 3重量部
上記成分を混合し、硬化性溶液とした。得られた硬化性溶液の粘度は530Pa・sであった。
(試験例7)
インク滴付与前における被硬化層に、第1の紫外線照射装置による紫外線照射を行った以外は、試験例3と同様にして試験例7を行った。紫外線照射量、並びに画質及び転写性の評価結果を表1に示す。また、転写前における被硬化層の評価の結果、転写前における被硬化層の表面は液状であった。
Figure 2010208148
実施例では、比較例に比べ、画質及び転写性が両立されることが確認された。
10 中間転写ベルト(中間転写体)
12 溶液供給装置(硬化性溶液層形成手段)
12A 硬化性溶液
12B 被硬化層(硬化性溶液層)
14 インクジェット記録ヘッド(付与手段)
14A インク滴
16 転写装置(転写手段)
18 紫外線照射装置(第1の刺激供給手段)
26 中間転写ドラム(中間転写体)
28 紫外線照射装置(第2の刺激供給手段)
101、102、103 記録装置

Claims (3)

  1. 中間転写体と、
    外部からの刺激により硬化する硬化性材料を少なくとも含む硬化性溶液を、前記中間転写体上に供給し、硬化性溶液層を形成する硬化性溶液層形成手段と、
    前記中間転写体上に形成された前記硬化性溶液層にインクを付与するインク付与手段と、
    前記インクが付与された前記硬化性溶液層を記録媒体に接触させ、前記硬化性溶液層を前記中間転写体から剥離することにより、前記中間転写体から前記記録媒体に前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
    前記記録媒体に接触する前の前記硬化性溶液層に前記刺激を供給し、前記硬化性溶液層の硬化反応を進行させ、前記硬化性溶液層の粘性を上昇させる第1の刺激供給手段と、
    前記記録媒体に接触後前記中間転写体から剥離される前の前記硬化性溶液層に前記刺激を供給し、前記硬化性溶液層を硬化させる第2の刺激供給手段と、を有する、記録装置。
  2. 前記硬化性溶液は、前記第1の刺激供給手段からの前記刺激の供給により硬化反応を開始する第1の硬化性材料と、前記第2の刺激供給手段からの前記刺激の供給により硬化反応を開始させる第2の硬化性材料と、を含む、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の刺激供給手段は、紫外線発光ダイオードであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
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