JP2010204555A - 電気泳動表示装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃性に優れた電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置1は、素子基板2上に電気泳動層31を有する電気泳動表示パネル10と、電気泳動表示パネル10を挟持する表面保護基板12及び支持板13と、表面保護基板12及び支持板13間に設けられ電気泳動表示パネル10の周囲を囲う外枠14と、を備え、電気泳動表示パネル10と表面保護基板12とが応力緩和層41を介して接着されている。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の電気泳動表示装置1は、素子基板2上に電気泳動層31を有する電気泳動表示パネル10と、電気泳動表示パネル10を挟持する表面保護基板12及び支持板13と、表面保護基板12及び支持板13間に設けられ電気泳動表示パネル10の周囲を囲う外枠14と、を備え、電気泳動表示パネル10と表面保護基板12とが応力緩和層41を介して接着されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、表示体実装分野において、外部からの衝撃に強く、且つ自落下衝撃に強い電気泳動表示装置および電子機器に関するものである。
液晶表示デバイスに代表される平面表示装置は、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を生かしてOA機器、情報端末、時計、テレビ等の各分野に利用されている。現在、携帯電話をはじめとするこれらの液晶表示デバイスには、より薄く、より軽く、且つ丈夫であることが要求されている。
一方、カラー表示や動画表示という点において液晶表示デバイスには劣るものの、薄さ、軽さ及び低消費電力を実現し得る表示体として、電気泳動ディスプレイ(Electrophoretic Display:EPD)が注目されている。この電気泳動ディスプレイ(以下、EPDという)は、紙に近い性質を有しており、読むことを目的とした「電子ペーパー」として開発が進められている。
代表的な電子ペーパーであるマイクロカプセル型EPDは、帯電粒子が分散した溶媒をマイクロカプセルに封入し、マイクロカプセルの上下に形成した電極に電圧印加して電界を発生させることにより帯電粒子の分布を変化させてコントラストを得る表示体である。電圧印加を止めても静電気力や分子間力によって引き付けられた帯電粒子が電極付近に留まることから、電力を消費せずに表示画像を保持し続けられるという特徴を有する。
さらに、液晶ディスプレイのような透過光や有機ELディスプレイのような発光ではなく、帯電粒子や溶媒そのものの色(反射光)を観察するため、視野角依存がなく紙のように目に優しく、長時間の凝視にも耐えられるといった利点もある。
このような電気泳動表示装置では、素子基板の表示領域に貼り合わされた電気泳動シートを防湿シートと封止材とで封止することにより防湿構造を有した電気泳動表示パネルを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。実際の応用機器にする場合には、電気泳動表示パネルの表示面側に表面保護基板を貼り合わせたものを筐体(保護部材)内に保持させるインレット構造が知られている。
この保護部材は、支持板及び外枠によって構成されており、電気泳動表示パネルの側部が外枠によって囲まれ、素子基板側の表面が支持板によって支持された構成になっていた。外枠と電気泳動表示パネルの側部との間には空間が設けられており、この空間内には緩衝材が設けられていた。
例えば、電気泳動表示装置の側部に衝撃を受けたときには、電気泳動表示パネルが保護部材内の空間内を移動する。このため、電気泳動表示パネルが外枠に接するように配置されている構成に比べて、電気泳動表示パネルに加わる衝撃が緩和されるようになっていた。また、電気泳動表示パネルと外枠との間に緩衝材を配置することにより、移動した電気泳動表示パネルが直接外枠に衝突しないようになっていた。このような構成を採用することにより、電気泳動表示パネルの耐衝撃性を高めることができるようになっていた。
ところが、電気泳動表示パネル及び表面保護基板は一体化されて保護部材に固定されているので、側部に衝撃を受けたときには、素子基板が保護部材を含めた他の部材に対して滑り下に動こうとする。そのため、表面保護基板を保護部材に接着している接着剤の剥がれ、電気泳動表示パネルを表面保護基板に接着している光学接着材の剥がれ、表面保護基板の割れ、電気泳動層の破壊、電気泳動層の素子基板からの剥離、素子基板の破壊等が発生してしまうという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、耐衝撃性に優れた電気泳動表示装置を提供することを目的としている。
本発明の電気泳動表示装置は、上記課題を解決するために、素子基板の表示領域に電気泳動層を有する電気泳動シートを貼り合わせた電気泳動表示パネルと、前記電気泳動表示パネルを挟持する表面保護基板及び支持板と、前記表面保護基板及び前記支持板間に設けられ前記電気泳動表示パネルの周囲を囲う外枠と、を備え、前記電気泳動表示パネルと前記表面保護基板とが応力緩和層を介して接着されている。
本発明によれば、電気泳動表示パネルと表面保護基板とが応力緩和層を介して接着されているので、電気泳動表示パネル10に衝撃が加えられた場合に、電気泳動表示パネル10の層間に発生する応力を弱めることができる。これにより、電気泳動表示パネル10に断裂が生じるのを防止することができ、耐衝撃性に優れた電気泳動表示装置1を得ることができる。
また、応力緩和層がシリコンゲルからなることが好ましい。
本発明によれば、従来用いられていた好学接着材よりもシリコンゲルの方がはるかに衝撃吸収性が高いので、電気泳動表示装置の耐久性が高められる。
本発明によれば、従来用いられていた好学接着材よりもシリコンゲルの方がはるかに衝撃吸収性が高いので、電気泳動表示装置の耐久性が高められる。
また、電気泳動表示パネルと外枠との間の緩衝材が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、緩衝材によって電気泳動表示パネルと外枠とが直接接触することを避けることができるので、電気泳動表示パネルの破壊を防止できる。
本発明によれば、緩衝材によって電気泳動表示パネルと外枠とが直接接触することを避けることができるので、電気泳動表示パネルの破壊を防止できる。
また、電気泳動表示パネルと支持板とが応力緩和層を介して接着されていることが好ましい。
本発明によれば、電気泳動表示パネルの表裏に応力緩和層が配置されることとなり、電気泳動表示パネルの耐衝撃性をより高めることができる。
本発明によれば、電気泳動表示パネルの表裏に応力緩和層が配置されることとなり、電気泳動表示パネルの耐衝撃性をより高めることができる。
また、応力緩和層の複素弾性率が1×105Pa以下であることが好ましい。
本発明によれば、電気泳動表示パネルにかかる応力を効率よく緩和することができる。
本発明によれば、電気泳動表示パネルにかかる応力を効率よく緩和することができる。
また、表面保護基板及び支持板の熱膨張係数が略等しいことが好ましい。
本発明によれば、表面保護基板と支持板との熱膨張差が吸収されてパネルの反り変形が生じにくくなる。
本発明によれば、表面保護基板と支持板との熱膨張差が吸収されてパネルの反り変形が生じにくくなる。
また、表面保護基板及び支持板が、強化ガラス材あるいはアクリル材のいずれかから構成されていることが好ましい。
本発明によれば、強化ガラスからなる表面保護基板および支持板を設けることで耐湿性が向上するとともにパネルの変形が生じにくくなる。また、アクリルからなる表面保護基板および支持板を設けることで、電気泳動表示装置の軽量化が図れるとともに部材に係るコストを削減することができる。
本発明によれば、強化ガラスからなる表面保護基板および支持板を設けることで耐湿性が向上するとともにパネルの変形が生じにくくなる。また、アクリルからなる表面保護基板および支持板を設けることで、電気泳動表示装置の軽量化が図れるとともに部材に係るコストを削減することができる。
本発明の電子機器は、先に記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、耐衝撃性に優れた電気泳動表示装置を備えているので、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明によれば、耐衝撃性に優れた電気泳動表示装置を備えているので、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1の実施形態)
図1は本実施形態に係る電気泳動表示装置1の概略構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、電気泳動表示装置1は、電気泳動表示パネル10及び保護部材11を備えており、電気泳動表示パネル10の表面全体が保護部材11によって囲われた構成になっている。
図1は本実施形態に係る電気泳動表示装置1の概略構成を示す平面図である。図2は図1におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、電気泳動表示装置1は、電気泳動表示パネル10及び保護部材11を備えており、電気泳動表示パネル10の表面全体が保護部材11によって囲われた構成になっている。
電気泳動表示パネル10は、素子基板2の表面に電気泳動シート3が貼り付けられた構成になっている。
電気泳動表示パネル10には静止画や動画等の画像を表示する表示領域5が設けられている。表示領域5内にはマトリクス状に配列された複数の画素が設けられており、画素ごとに表示が行われるようになっている。表示領域5の周囲の領域は、画像が表示されない非表示領域6となっている。この非表示領域6には画素が設けられておらず、駆動回路素子22及び23、端子24などが設けられている。
電気泳動表示パネル10には静止画や動画等の画像を表示する表示領域5が設けられている。表示領域5内にはマトリクス状に配列された複数の画素が設けられており、画素ごとに表示が行われるようになっている。表示領域5の周囲の領域は、画像が表示されない非表示領域6となっている。この非表示領域6には画素が設けられておらず、駆動回路素子22及び23、端子24などが設けられている。
素子基板2は、基板20と、当該基板20上に形成された画素電極25及びスイッチング素子26などを含む駆動層21を有している。基板20は平面視で矩形状に設けられている。基板20を構成する材料として、例えばガラス基板、石英基板、シリコン基板、ガリウム砒素基板などの無機基板や、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等で構成されるプラスチック基板(樹脂基板)などを用いることができる。
基板20のうち表示領域5に対応する領域には駆動層21が形成されている。この駆動層21には各画素に設けられる画素電極25やスイッチング素子26、スイッチング素子26に接続される不図示のデータ線及び走査線などが形成されている。平面的な駆動層21の形成領域は、表示領域5と略一致しており、駆動回路素子22及び23はこの駆動層21の周縁部(非表示領域6)に設けられている。これら駆動回路素子22及び23はデータ線や走査線に電気的に接続されており、駆動層21に信号を供給するようになっている。端子24は素子基板2の端部(図中では右端)に複数設けられており、素子基板2上に形成されている図示しない配線によって駆動回路素子22及び23に接続されている。この端子24は、不図示の外部回路基板に接続されている。基板20は保護部材11に対して固定されないように接した状態になっている。
電気泳動シート3は、透明基板30、共通電極35、電気泳動層31及び接着層33を有している。
透明基板30は電気泳動層31を保持する基板であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料からなる矩形の基板である。透明基板30の表面30a側は電気泳動表示装置1の表示面側となっている。
透明基板30は電気泳動層31を保持する基板であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリカーボネイト(PC)など光透過性の高い材料からなる矩形の基板である。透明基板30の表面30a側は電気泳動表示装置1の表示面側となっている。
共通電極35は透明基板30の内面30bにはほぼ全面に形成されている。この共通電極35は例えばITOなどの光透過性の高い導電材料で構成されており、上下導通材9によって素子基板2に接続されている。
電気泳動層31は複数のマイクロカプセル32を有している。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(50μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を形成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液層分散媒とからなる。
マイクロカプセル32は電気泳動分散液が封入された略球状のカプセルであり、各カプセルの直径はほぼ同一(50μm〜100μm)になっている。マイクロカプセル32のカプセル壁膜を形成する材料としては、アラビアガム・ゼラチンの複合膜、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、尿素樹脂などの化合物が挙げられる。マイクロカプセル32に封入された電気泳動分散液は、複数の電気泳動粒子と、当該電気泳動粒子を分散させるための液層分散媒とからなる。
液層分散媒としては、水やアルコール系溶媒、各種エステル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独、またはこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものを用いることができる。
電気泳動粒子としては、液相分散媒中で電位差による電気泳動により移動する性質を有する有機あるいは無機の粒子(高分子あるいはコロイド)を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン等の白色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、イソインドリノン等の黄色顔料、モノアゾのアゾ系顔料、キナクリドンレッド等の赤色顔料、フタロシアニンブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの顔料には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
マイクロカプセル32には、例えば白色顔料である二酸化チタンと黒色顔料であるカーボンブラックとの二種類の電気泳動粒子が封入されており、一方が負に、他方が正に帯電されている。勿論他の電気泳動粒子を用いても構わないし、電気泳動粒子を一種類のみ用い、これを共通電極側、あるいは画素電極側に泳動させることで表示可能となるように構成しても構わない。
接着層33は、バインダを兼ねた熱硬化タイプの接着剤である。接着層33としては、マイクロカプセル32のカプセル壁膜に対する親和性が良好で、共通電極および画素電極に対する接着性に優れ、かつ絶縁性の良い接着剤であることが好ましい。また、熱硬化タイプではあるが、硬化後も弾性がある接着剤が好ましい。
透明基板30上には、防湿シート40が設けられている。防湿シート40は平面視で透明基板30とほぼ同一の寸法に設けられており、例えば0.1mm程度の厚さを有する光透過可能なフィルムである。防湿シート40として、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどの光透過可能なフィルムの表面に無機バリア層を形成したものなどを用いることができる。この防湿シート40は、例えば両面テープや光硬化性接着剤などの光透過性の高い接着層(不図示)により電気泳動シート3に貼り付けられている。
防湿シート40と素子基板2との間には封止材7が設けられている。封止材7は、平面視で電気泳動シート3及び透明基板30の周囲を囲うように設けられている。封止材7を構成する材料としては、例えばエポキシ系、アクリル系、シリコン系の樹脂などが挙げられる。
このように、素子基板2、電気泳動シート3、防湿シート40及び封止材7が一体的とされて電気泳動表示パネル10が構成されている。そして、電気泳動表示パネル10は、応力緩和層41を介して保護部材11内に固定されている。
このように、素子基板2、電気泳動シート3、防湿シート40及び封止材7が一体的とされて電気泳動表示パネル10が構成されている。そして、電気泳動表示パネル10は、応力緩和層41を介して保護部材11内に固定されている。
応力緩和層41は、平面視で透明基板30及び防湿シート40とほぼ同一の寸法に設けられており、例えばシリコンゲルによって構成された光透過性の高い接着層である。応力緩和層41の複素弾性率は1×105Pa以下であり、その厚みは約0.5mmとされている。
一方、保護部材11は、表面保護基板12、支持板13、及び外枠14を備えている。
表面保護基板12は、電気泳動表示パネル10のうち、電気泳動シート3側に配置されており、その内面に応力緩和層41が接するように設けられている。この表面保護基板12は、例えば強化ガラスあるいは強化アクリルによって所定の厚さを有するように構成された基材である。
表面保護基板12は、電気泳動表示パネル10のうち、電気泳動シート3側に配置されており、その内面に応力緩和層41が接するように設けられている。この表面保護基板12は、例えば強化ガラスあるいは強化アクリルによって所定の厚さを有するように構成された基材である。
支持板13は、電気泳動表示パネル10のうち素子基板2側に設けられており、平面視で表面保護基板12に重なる位置に設けられている。この支持板13は、例えば、表面保護基板12同様、強化ガラス、強化アクリルによって所定の厚さを有するように構成された基材である。
電気泳動表示パネル10は、防湿シート40の表面上に設けられた応力緩和層41によって表面保護基板12に固定されている一方、素子基板2の裏面2bは支持板13に固定されずに接した状態で保護部材11内に保持されている。
外枠14は、電気泳動表示パネル10の側面を囲うように設けられており、周縁部において表面保護基板12と支持板13とで挟持されている。この外枠14は例えばアクリル系樹脂やPETなどの有機材料によって構成されており、表面保護基板12及び支持板13の周縁部にそれぞれ密着していると共にこれら周縁部をそれぞれ固定した状態になっている。この固定状態については、例えば外枠14と表面保護基板12及び支持板13との間をレーザー溶着によって固定させても良いし、不図示の接着剤などによって固定させても構わない。接着剤を用いる場合には、防湿性の高い材料を含んだ接着剤を用いることで防湿性を高めるようにするのが好ましい。
本実施形態では、電気泳動表示パネル10と外枠14との間には平面視及び断面視で空間が設けられている。本実施形態では、この空間が空気層(エアギャップ)となっていることにより、電気泳動表示装置1の耐衝撃性をさらに向上させることとなっている。
電気泳動層31は、素子基板2と透明基板30とで挟持されているとともに、表面保護基板12、支持板13及び外枠14よって封止されている。電気泳動層31は水分を嫌うため、このように当該層を覆う構成を採用することにより、電気泳動層31への水分の浸入を確実に防止している。また、電気泳動表示パネル10は表面保護基板12及び支持板13上に接した構成になっており、電気泳動表示パネル10の耐衝撃性を高めた構成になっている。
次に、上記のように構成された電気泳動表示装置1の動作を簡単に説明する。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
画素電極25と共通電極35との間に共通電極35の電圧が相対的に高くなるように電圧を印加すると、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内のうち画素電極25側に引き寄せられる。一方、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によってマイクロカプセル32内の共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には白色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5にはこの白色の電気泳動粒子の色(白色)が表示されることとなる。
逆に、画素電極25と共通電極35との間に画素電極25の電位が相対的に高くなるように電圧を印加すると、負に帯電された白色の電気泳動粒子はクーロン力によって画素電極25側に引き寄せられる。一方、正に帯電された黒色の電気泳動粒子はクーロン力によって共通電極35側に引き寄せられる。この結果、マイクロカプセル32内の透明基板30側には黒色の電気泳動粒子が集まることになり、電気泳動表示装置1の表示領域5には黒色の電気泳動粒子の色(黒色)が表示されることとなる。
本実施形態では、表面保護基板12と電気泳動表示パネル10との間に、光学接着材ではなくシリコンゲルからなる応力緩和層41が配置されている。シリコンゲルは、光学接着材よりもはるかに衝撃吸収性が高いので、電気泳動表示パネル10に衝撃が加えられた場合に、電気泳動表示パネル10の層間に発生する応力を弱めることができる。これにより、電気泳動表示パネル10に断裂が生じるのを防止することができ、耐衝撃性に優れた電気泳動表示装置1を得ることができる。
従来の構成において、電気泳動表示パネル10は、その表示面側が光学接着材を介して表面保護基板12へ強固に固定されている一方、素子基板2側は支持板13へは固定されておらず接触した状態とされていた。このため、例えば衝撃によって電気泳動表示パネル10が側部側へと移動する際には、主に電気泳動表示パネル10の周囲に配置された緩衝材が落下衝撃の吸収を担っていた。しかしながら、落下時の衝撃によって電気泳動表示パネル10が側部側へと移動する場合に、電気泳動表示パネル10の層間にせん断応力が発生し、このせん断応力によって電気泳動表示パネル10が断裂するなどの不具合が生じてしまうという問題があった。
これに対して本実施形態では、電気泳動表示パネル10と表面保護基板12との間に応力緩和層41を配置している。この応力緩和層41は弾性を有するシリコンゲルから構成されていることから、電気泳動表示パネル10の周囲に配置した緩衝材よりも均一に且つ効率よく電気泳動表示パネル10の落下衝撃を吸収することができる。これにより、表面保護基板12と素子基板2との間に介在する全ての部材に対してせん断応力が及ぶのを防ぐことができる。したがって、電気泳動表示パネル10に断裂が生じるのを防止することができ、耐衝撃性の高い電気泳動表示装置1を得ることができる。
また、上記した応力緩和層41は、厚さが0.5mm、複素弾性率が1×105Pa以下のシリコンゲルから構成されている。ここで、複素弾性率は、バネ成分(貯蔵弾性率)と粘性成分(損失弾性率)の二条和の平方根によって得られる。
従来、電気泳動表示パネル10上に表面保護基板12を貼り合わせるための接着材として用いられていた光学接着材(アクリル系のエラストマー)は複素弾性率が1×105Paより大きいので、シリコンゲルと同等の衝撃吸収性を確保するためには層の厚みを増加させなければならない。しかしながら、層の厚みが増すと表示が奥まって見えるので見栄えが悪くなったり、光透過率の低下や色味の変化が生じるなどして視認性の低下が問題となってしまう。また、電気泳動表示装置をタッチパネルに適用した場合には、手書き入力ペンを利用するときにペン先と表示層とが離れてしまうので、ユーザーが不快感を感じるなどの不具合が生じてしまう。
これに対してシリコンゲルは、厚さを増加させずに所望の弾性(応力緩和性)を得ることができるので、上記不具合の発生を防止しつつ電気泳動表示装置の耐衝撃性を高めることが可能となる。なお、複素弾性率を小さくすることで応力緩和層41の厚みをさらに薄くすることが可能となる。
また、本実施形態では、電気泳動表示パネル10と保護部材11との間に空間K(ギャップ)を設けることで、落下衝撃によって電気泳動表示パネル10が側方へ移動したときに、外枠14と電気泳動表示パネル10とが直接衝突することを防止している。これにより、電気泳動表示パネル10が外枠14に接するように配置されている構成に比べて、電気泳動表示パネル10に加わる衝撃が緩和されるようになっている。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の電気泳動表示装置50の全体構成を示す平面図である。
以下に示す本実施形態の電気泳動表示装置50では、電気泳動表示パネル10と保護部材11との間に緩衝材15が配置されている。
具体的にこの緩衝材15は、電気泳動表示パネル10の側部と外枠14との間に設けられており、外枠14の内面に接するように配置されている。緩衝材15を構成する材料としては、例えば、アクリル系、シリコン系の樹脂などが挙げられる。このような緩衝材15によって電気泳動表示パネル10の周辺部に加わる衝撃を緩和することができるようになっている。
次に、本発明の第2の実施形態について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態の電気泳動表示装置50の全体構成を示す平面図である。
以下に示す本実施形態の電気泳動表示装置50では、電気泳動表示パネル10と保護部材11との間に緩衝材15が配置されている。
具体的にこの緩衝材15は、電気泳動表示パネル10の側部と外枠14との間に設けられており、外枠14の内面に接するように配置されている。緩衝材15を構成する材料としては、例えば、アクリル系、シリコン系の樹脂などが挙げられる。このような緩衝材15によって電気泳動表示パネル10の周辺部に加わる衝撃を緩和することができるようになっている。
本実施形態によれば、電気泳動表示パネル10の周囲に緩衝材15が設けられていることとしたので、電気泳動表示パネル10が側部側へ移動した場合において、電気泳動表示パネル10に加わる衝撃を緩和することができる。また、緩衝材15が電気泳動表示パネル10と外枠14との間に隙間なく配置されることとしたので、電気泳動表示パネル10の面方向への移動が規制されることとなる。これにより、電気泳動表示装置50の耐衝撃性をより高めることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図4を用いて説明する。図4は、第3の実施形態の電気泳動表示装置60の全体構成を示す平面図である。
先の実施形態では、電気泳動表示パネル10の素子基板2側は保護部材11に固定されておらず、ただ支持板13の内面に接した状態で保護部材11内に保持されていた。
これに対して本実施形態の電気泳動表示装置60は、電気泳動表示パネル10の表裏が保護部材11に完全に固定されている。具体的には、電気泳動表示パネル10の防湿シート40と表面保護基板12との間に配置された応力緩和層41と同様の構成をなす応力緩和層42が素子基板2と支持板13との間に配置されており、この応力緩和層42によって電気泳動表示パネル10の裏面側も保護部材11へ固定された状態となっている。
次に、本発明の第3の実施形態について図4を用いて説明する。図4は、第3の実施形態の電気泳動表示装置60の全体構成を示す平面図である。
先の実施形態では、電気泳動表示パネル10の素子基板2側は保護部材11に固定されておらず、ただ支持板13の内面に接した状態で保護部材11内に保持されていた。
これに対して本実施形態の電気泳動表示装置60は、電気泳動表示パネル10の表裏が保護部材11に完全に固定されている。具体的には、電気泳動表示パネル10の防湿シート40と表面保護基板12との間に配置された応力緩和層41と同様の構成をなす応力緩和層42が素子基板2と支持板13との間に配置されており、この応力緩和層42によって電気泳動表示パネル10の裏面側も保護部材11へ固定された状態となっている。
また、本実施形態では第1の実施形態と同様に平面視及び断面視において、電気泳動表示パネル10と外枠14との間に空間K(ギャップ)が設けられており、この空間Kによって形成される空気層により、電気泳動表示装置60の耐衝撃性を高める構成とされている。
本実施形態によれば、電気泳動表示パネル10の表裏が応力緩和層41,42を介して保護部材11内に固定されることとしたので、落下時の衝撃で表面保護基板12と支持板13との間で生じるせん断応力を各応力緩和層41,42により分散して吸収することが可能となり、電気泳動表示装置60の耐衝撃性をより高めることができる。
また、これら応力緩和層41,42を介して電気泳動表示パネル10の表裏面側が表面保護基板12及び支持板13にそれぞれ接着されていることから、保護部材11内における電気泳動表示パネル10のズレを防ぐことができる。これにより、電気泳動表示パネル10をより確実に保護することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第1および第2の実施形態では電気泳動表示パネル10と外枠14との間に空間Kが設けられた構成としたが、これらの間に緩衝材15を配置してもよい。
(電子機器)
次に、上記実施形態の電気泳動表示装置1,50,60を、電子機器に適用した場合について説明する。
図5は、PDA100(電子機器)の構成を示す斜視図である。
PDA100は本体130に表示部120を備えている。表示部120は上記実施形態の電気泳動表示装置1,50,60のいずれかからなり、本体130内部に収容された制御・演算部に接続され、種々の操作画像やその他の情報を表示するように構成されている。また、本体130の外周には、超音波センサーユニット(不図示)を備えた入力装置110が設置されている。入力装置110は、例えば人の手、指、入力用のペン等の位置、形状、速度を超音波センサーユニットにより検出して、それらに対応する信号を出力してPDA100へ入力する。
次に、上記実施形態の電気泳動表示装置1,50,60を、電子機器に適用した場合について説明する。
図5は、PDA100(電子機器)の構成を示す斜視図である。
PDA100は本体130に表示部120を備えている。表示部120は上記実施形態の電気泳動表示装置1,50,60のいずれかからなり、本体130内部に収容された制御・演算部に接続され、種々の操作画像やその他の情報を表示するように構成されている。また、本体130の外周には、超音波センサーユニット(不図示)を備えた入力装置110が設置されている。入力装置110は、例えば人の手、指、入力用のペン等の位置、形状、速度を超音波センサーユニットにより検出して、それらに対応する信号を出力してPDA100へ入力する。
図6は電子ペーパー1100の構成を示す斜視図である。電子ペーパー1100は、上記実施形態の電気泳動表示装置1,50,60のいずれかを表示領域1101に備えている。電子ペーパー1100は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1102を備えて構成されている。
図7は、電子ノート1200の構成を示す斜視図である。電子ノート1200は、上記の電子ペーパー1100が複数枚束ねられ、カバー1201に挟まれているものである。カバー1201は、例えば外部の装置から送られる表示データを入力する図示は省略の表示データ入力手段を備える。これにより、その表示データに応じて、電子ペーパーが束ねられた状態のまま、表示内容の変更や更新を行うことができる。
以上の腕時計1000、電子ペーパー1100、及び電子ノート1200によれば、本発明に係る電気泳動表示装置1,50,60のいずれかが採用されているので、長期間にわたって表示品質を維持することができる信頼性に優れた表示部を備えた電子機器となる。
なお、上記の電子機器は、本発明に係る電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部にも、本発明に係る電気泳動表示装置1を好適に用いることができる。
1…電気泳動表示装置、2…素子基板、3…電気泳動シート、5…表示領域、10…電気泳動表示パネル、12…表面保護基板、13…支持板、14…外枠、15…緩衝材、31…電気泳動層、41,42…応力緩和層、100…PDA(電子機器)、1100…電子ペーパー(電子機器)、1200…電子ノート(電子機器)
Claims (8)
- 素子基板上に電気泳動層を有する電気泳動表示パネルと、
前記電気泳動表示パネルを挟持する表面保護基板及び支持板と、
前記表面保護基板及び前記支持板間に設けられ前記電気泳動表示パネルの周囲を囲う外枠と、を備え、
前記電気泳動表示パネルと前記表面保護基板とが応力緩和層を介して接着されている
ことを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記応力緩和層がシリコンゲルからなる
ことを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示装置。 - 前記電気泳動表示パネルと前記外枠との間に緩衝材が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載の電気泳動表示装置。 - 前記電気泳動表示パネルと前記支持板とが応力緩和層を介して接着されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。 - 前記応力緩和層の複素弾性率が1×105Pa以下である
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。 - 前記表面保護基板及び前記支持板の熱膨張係数が略等しい
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。 - 前記表面保護基板及び前記支持板が、強化ガラスあるいはアクリルのいずれかから構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の電気泳動表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009052257A JP2010204555A (ja) | 2009-03-05 | 2009-03-05 | 電気泳動表示装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013157545A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Hamamatsu Photonics Kk | 加工対象物切断方法 |
-
2009
- 2009-03-05 JP JP2009052257A patent/JP2010204555A/ja active Pending
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