JP2010204386A - 球状構造体の製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】球状構造体を安定生産することができ、生産性を向上させることができる球状構造体の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】表面に液体受容層1Aが形成された基板1上の同じ位置に分散媒中に微粒子を分散させた液体材料の液滴3を連続的に打滴して、基板1上に液体材料の球状体5を形成する。そして、この球状体5の分散媒成分を乾燥させて、基板1上に球状構造体6を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】表面に液体受容層1Aが形成された基板1上の同じ位置に分散媒中に微粒子を分散させた液体材料の液滴3を連続的に打滴して、基板1上に液体材料の球状体5を形成する。そして、この球状体5の分散媒成分を乾燥させて、基板1上に球状構造体6を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、球状構造体の製造方法及び装置に係り、特に微小な球状構造体の製造方法及び装置に関する。
球状の光学部材の製造方法の一つとして、液体材料からなる液滴を基板上に吐出させて硬化させる方法が知られている。
しかし、この方法は、液滴と基板との間の接触角によって得られる形状が制約されるという欠点がある。
そこで、特許文献1では、基板上に土台部材を形成し、その土台部材の上面に液滴を吐出して、硬化させることにより、球状の光学部材を製造することが提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法では、土台位置と液体材料の着弾位置とのアライメントが難しく、着弾位置のズレによる歩留り低下の懸念がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、球状構造体を安定生産することができ、生産性を向上させることができる球状構造体の製造方法及び装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、表面に液体受容層が形成された基板の表面の同じ位置に液体材料の液滴を連続的に打滴して、前記基板の表面に前記液体材料の球状体を形成し、該球状体を硬化させることにより、前記基板の表面に球状構造体を形成することを特徴とする球状構造体の製造方法を提供する。
表面に液体受容層が形成された基板上の同じ位置に液体材料(たとえば、所定のエネルギーを付与することにより硬化する液体材料)の液滴を連続的に打滴すると、液体受容層に吸収しきれない液体材料が、基板の表面に残ることになる。基板の表面に残った液体材料は、液体受容層の表面が撥液性を有することから濡れ広がらず、表面張力で球状体を形成する。この基板の表面に残った液体材料の球状体を硬化させることにより、球状構造体が形成される。このように、本発明によれば、基板上の同じ位置に液体材料の液滴を連続的に打滴するだけで液体材料の球状体を形成することができる。このため、従来のように、土台に対する着弾位置の位置ズレによって、球状体の形成不良が生じることがなく、安定して球状構造体を製造することができる。この結果、歩留りを向上でき、生産性を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体受容層に対する前記液体材料の吸収時間をtとし、前記液体材料の打滴周波数をfとしたときに、f>1/tの条件を満たすように、前記液体材料を打滴することを特徴とする請求項1に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体受容層に対する液体材料の吸収時間をtとし、液体材料の打滴周波数をfとしたとき、f>1/tの条件を満たすように、液体材料が打滴される。これにより、確実に基板上に液体材料の球状体を形成することができる。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が、分散媒中に微粒子を分散させた液体であって、分散媒を乾燥させて硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料が、分散媒中に微粒子を分散させた液体で構成される。この場合、基板上に液体材料の液滴を打滴して形成された球状体は、球状体中の分散媒の成分を乾燥させることにより硬化される。
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が熱硬化型樹脂材料であって、加熱して硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料が熱硬化型樹脂材料で構成される。この場合、基板上に液体材料を打滴して構成された球状体は、加熱することにより硬化される。
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記基板を加熱することにより、前記球状体を硬化させることを特徴とする請求項4に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料が熱硬化型樹脂材料で構成され、基板を加熱することにより、球状体が硬化される。
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が光硬化型樹脂材料であって、所定波長の光を照射して硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料が光硬化型樹脂材料で構成される。この場合、形成された球状体は、所定波長の光が照射されることにより硬化される。
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が、所定波長の光を透過する透明樹脂材料であって、製造される球状構造体が光学部材であることを特徴とする請求項1−6のいずれか一項に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料が、所定波長の光を透過する透明樹脂材料で構成され、製造された球状構造体が光学部材として使用される。
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料の液滴が、インクジェットヘッドから吐出されて前記基板の表面に打滴されることを特徴とする請求項1−7のいずれか一項に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料の液滴が、インクジェットヘッドから吐出される。インクジェット方式による液滴の吐出は、吐出量、吐出周波数、着弾位置を高精度に制御することができることから、製造する球状構造体の形状、大きさ等を高精度に制御することができる。
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料の液滴が、ディスペンサから吐出されて前記基板の表面に打滴されることを特徴とする請求項1−7のいずれか一項に記載の球状構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、液体材料の液滴が、ディスペンサから吐出される。ディスペンサは、インクジェット方式よりも吐出量が多く、より大きな球状構造体を形成することができる。
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、表面に液体受容層が形成された基板が載置されるステージと、分散媒中に微粒子を分散させた液体材料の液滴を前記ステージに載置された前記基板に向けて吐出する液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段を制御する制御手段であって、前記ステージに載置された前記基板の表面の同じ位置に向けて前記液体材料の液滴を連続的に吐出させることにより、前記基板の表面に所定の外径を有する前記液体材料の球状体を形成させる制御手段と、を備え、前記基板の表面に形成された前記球状体中の分散媒成分を乾燥させて、前記基板の表面に球状構造体を製造することを特徴とする球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、ステージに載置された基板に向けて液滴吐出手段から連続的に液体材料の液滴(分散媒中に微粒子を分散させた液体材料の液滴)が吐出され、基板上の同じ位置に当該液体材料の液滴が打滴される。これにより、基板上に液体材料の球状体が形成される。そして、この球状体中の分散媒成分を乾燥させて硬化させることにより、球状構造体が形成される。これにより、安定して球状構造体を製造することができ、生産性を向上させることができる。
請求項11に係る発明は、前記目的を達成するために、表面に液体受容層が形成された基板が載置されるステージと、所定のエネルギを付与することにより硬化する液体材料の液滴を前記ステージに載置された前記基板に向けて吐出する液滴吐出手段と、前記液体材料を硬化させるためのエネルギを付与するエネルギ付与手段と、前記液滴吐出手段及び前記エネルギ付与手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記液滴吐出手段に対して、前記ステージに載置された前記基板の表面の同じ位置に向けて前記液体材料の液滴を連続的に吐出させることにより、前記基板の表面に所定の外径を有する前記液体材料の球状体を形成させ、該球状体に対して、前記エネルギ付与手段でエネルギを付与することにより、該球状体を硬化させて、前記基板の表面に球状構造体を製造することを特徴とする球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、ステージに載置された基板に向けて液滴吐出手段から連続的に液体材料の液滴(所定のエネルギを付与することにより硬化する液体材料の液滴)が吐出され、基板上の同じ位置に当該液体材料の液滴が打滴される。これにより、基板上に液体材料の球状体が形成される。そして、この球状体にエネルギ付与手段から所定のエネルギを付与することにより、球状構造体が形成される。これにより、安定して球状構造体を製造することができ、生産性を向上させることができる。
請求項12に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が、熱硬化型樹脂材料であって、前記エネルギ付与手段が付与するエネルギが、熱エネルギであることを特徴とする請求項11に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液体材料が熱硬化型樹脂材料で構成され、エネルギ付与手段から熱エネルギが付与されることにより硬化する。この場合、エネルギ付与手段は、基板の表面に形成された球状体に対して熱エネルギを付与して硬化させる。
請求項13に係る発明は、前記目的を達成するために、前記エネルギ付与手段は、前記ステージを加熱する加熱手段であり、該ステージを加熱することにより、該ステージに載置された基板を加熱して、前記球状体に熱エネルギを付与することを特徴とする請求項12に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液体材料が熱硬化型樹脂材料の場合において、エネルギ付与手段がステージを加熱する加熱手段で構成される。加熱手段としてのエネルギ付与手段は、ステージを加熱することにより、ステージに載置された基板を加熱して、その上に形成された球状体に熱エネルギを付与する。
請求項14に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が、光硬化型樹脂材料であって、前記エネルギ付与手段が付与するエネルギが、所定波長の光エネルギであることを特徴とする請求項11に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液体材料が光硬化型樹脂材料(たとえば、紫外線硬化型樹脂材料)で構成され、エネルギ付与手段から所定波長の光エネルギが照射されることにより硬化する(液体材料が紫外線硬化型樹脂材料の場合は紫外線が照射させることにより硬化する。)。この場合、エネルギ付与手段は、基板の表面に形成された球状体に向けて所定波長の光エネルギを照射して硬化させる。
請求項15に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体材料が、所定波長の光を透過する透明樹脂材料であって、製造される球状構造体が光学部材であることを特徴とする請求項10−14のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液体材料が、所定波長の光を透過する透明樹脂材料で構成され、製造された球状構造体が光学部材として使用される。
請求項16に係る発明は、前記目的を達成するために、前記制御手段は、前記液体受容層に対する前記液体材料の吸収時間をtとし、前記液滴吐出手段の吐出周波数をfとしたとき、f>1/tの条件を満たすように、前記液滴吐出手段から前記液体材料の液滴を吐出させることを特徴とする請求項10−15のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液体受容層に対する液体材料の吸収時間をtとし、液体材料の吐出周波数をfとしたとき、f>1/tの条件を満たすように、液滴吐出手段から液体材料が吐出される。これにより、確実に基板上に液体材料の球状体を形成することができる。
請求項17に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液滴吐出手段が、インクジェットヘッドであることを特徴とする請求項10−16のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液滴吐出手段がインクジェットヘッドで構成される。インクジェット方式による液滴の吐出は、吐出量、吐出周波数、着弾位置を高精度に制御することができることから、製造する球状構造体の形状、大きさ等を高精度に制御することができる。
請求項18に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液滴吐出手段が、ディスペンサであることを特徴とする請求項10−16のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置を提供する。
本発明によれば、液滴吐出手段がディスペンサで構成される。ディスペンサは、インクジェット方式よりも吐出量が多く、より大きな球状構造体を形成することができる。
本発明によれば、球状構造体を安定生産することができ、生産性を向上させることができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る球状構造体の製造方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係る球状構造体の製造方法の第1の実施の形態の工程図である。
図1は、本発明に係る球状構造体の製造方法の第1の実施の形態の工程図である。
同図に示すように、本実施の形態の球状構造体の製造方法では、表面(上面)に所定の液体受容層1Aが形成された基板1に向けてインクジェットヘッド2から熱硬化型樹脂材料の液滴3を所定の吐出周波数fで連続的に吐出させることにより、基板1上の同じ位置に熱硬化型樹脂材料の液滴3を連続的に打滴し、これにより、基板1上に所定の外径を有する微小な球状体5を形成する。そして、この球状体5を硬化させることにより、基板1上に微小な球状構造体6(たとえば、Φ100μm程度の球状物)を形成する。
以下、この熱硬化型樹脂材料を用いた球状構造体の製造方法について詳説する。
図1(a)に示すように、インクジェットヘッド2は、そのノズル面が所定のギャップをもって基板1の上面に対向して配置されており、基板1の上に設定された所定の着弾位置に向けて熱硬化型樹脂材料の液滴3を吐出する(基板1に対して鉛直下向きに熱硬化型樹脂材料の液滴3を滴下する。)。
基板1は、水平なステージ7の上に位置決めされて載置されており、このステージ7に内蔵された図示しないヒータによって所定温度に加熱される。この基板1は、その表面に所定の液体受容層1Aが所定の厚さをもって形成されている。
まず、所定の吐出周波数fで熱硬化型樹脂材料の液滴3がインクジェットヘッド2から吐出される。この吐出周波数fは、液体受容層1Aへの熱硬化型樹脂材料の吸収時間をtとすれば、f>1/tに設定される。すなわち、液体受容層1Aに着弾した熱硬化型樹脂材料の液滴3が、液体受容層1Aに吸収される時間よりも速く次の液滴3が吐出されるように設定される。
このように液滴3を吐出することにより、図1(b)〜(d)に示すように、インクジェットヘッド2から吐出された液滴3が、所定の打滴周波数(=吐出周波数f)で基板1上の同じ位置に次々と打滴される。
基板1の上に着弾した液滴3は、一部が基板1の表面に形成された液体受容層1Aに吸収されるが、吸収しきれない分が、基板1の表面に残ることとなる。表面に残った分は、液体受容層1Aの表面が撥液性を有するため濡れ広がらず、その表面張力によって球状体5を形成する。そして、この球状体5は、液滴3が打滴されるたびに成長(総体積が増加)し、この結果、図1(e)に示すように、基板1の上面に所定の外径を有する球状体5が形成される。
基板1上に所定径の球状体5が形成されると、液滴3の吐出は停止される。なお、基板1上に形成される球状体5の大きさは、液滴3の吐出量(1回の吐出量)と吐出回数で決まるので、あらかじめ設定された吐出量(=打滴量)であらかじめ設定された回数吐出されると、液滴3の吐出は停止される。
この基板1上に形成された球状体5は、ステージ7からの熱を受けて加熱された基板1から熱を受けて硬化し、この結果、基板1上に球状構造体6が形成される。
以上説明したように、本実施の形態の球状構造体の製造方法では、加熱した基板1に向けてインクジェットヘッド2から熱硬化型樹脂材料の液滴3を所定の吐出周波数で連続的に吐出させることにより、基板1上に球状体5を形成し、これを加熱により硬化させて、球状構造体6を形成する。
これにより、形状、大きさ等が良好に制御された球状構造体を安定生産することができる。すなわち、形成される球状構造体6の形状、大きさ等は、基板1の上面に打滴する液滴3の総体積(1回の吐出量と吐出回数)によって決まるので、これらを制御するだけで簡単に所望の形状、大きさの球状構造体6を製造することができる。また、従来(土台上に球状構造体をする方式)のように、着弾位置の位置ズレによって、形成不良が生じることもないので、球状構造体を安定生産することができる。また、これにより、歩留りを向上させることができ、生産性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、インクジェットヘッド2から熱硬化型樹脂材料の液滴を吐出させる構成(いわゆるインクジェット方式による吐出)としているが、熱硬化型樹脂材料の液滴は、ディスペンサで吐出させる構成としてもよい。ディスペンサは、インクジェット方式よりも吐出量が多く、より大きな球状構造体を形成することができる。
一方、インクジェット方式は、吐出する液体材料の量、吐出周波数、着弾位置を正確に制御することができ、形状、大きさ等が良好に制御された球状構造体を簡単に製造することができる。
なお、インクジェット方式により、熱硬化型樹脂材料を吐出させる場合、その吐出方式については、特に限定されず、たとえば、圧電方式、サーマル方式、静電アクチュエータ方式、静電吸引方式等の種々の吐出方式を採用することができる。
また、熱硬化型樹脂材料についても特に限定されるものではなく、公知の熱硬化型樹脂材料を使用することができる。この場合、熱硬化性を有し、かつ、所定波長の光を透過する光透過性樹脂材料(例えば透明樹脂材料)を用いることにより、光学部材(たとえば、マイクロレンズ等)としての用途の球状構造体を製造することができる。
なお、本実施の形態の製造方法によって製造される微小球状構造体は、このような光学部材としての用途の他、スペーサ等の用途として用いることもできる。
また、使用する熱硬化型樹脂材料には、希釈溶剤が添加されていてもよい。これにより、吐出する際の樹脂材料の粘度を調整(たとえば、低粘度化)することができる。希釈溶剤としては、すでに公知の溶剤を適用することができ、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシメチルプロピオネート、キシレン、トルエン、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
また、上記実施の形態では、着弾した液滴を加熱する方法(熱エネルギを付与する方法)として、基板を加熱する方法を採用しているが、着弾した液滴を加熱する方法は、これに限定されるものではない。たとえば、基板の上方からヒータ等の熱を放射して直接加熱するようにしてもよいし、また、温風を吹き付けて加熱するようにしてもよい。この場合、球状体5の形成後に熱を放射又は温風を吹き付けて加熱する。
なお、本例では、表面(上面)にあらかじめ液体受容層1Aが形成された基板1を使用しているが、この液体受容層1Aは、たとえば、一般的なインクジェット専用紙と同様に、シリカやアルミナなどの粒子とPVA(ポリビニルアルコール)などのバインダ樹脂とからなる受容層前躯体を塗布方法などによって基板1の表面(上面)に形成し、これを加熱乾燥することにより形成する。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、インクジェットヘッドから吐出させる液体材料として、熱硬化型樹脂材料を使用したが、本実施の形態では、液中(分散媒中)に微粒子(たとえば、1μm以下の微粒子)を分散させた液体材料(以下、「微粒子分散型液体材料」という。)を使用して、球状構造体を製造する。
上記第1の実施の形態では、インクジェットヘッドから吐出させる液体材料として、熱硬化型樹脂材料を使用したが、本実施の形態では、液中(分散媒中)に微粒子(たとえば、1μm以下の微粒子)を分散させた液体材料(以下、「微粒子分散型液体材料」という。)を使用して、球状構造体を製造する。
この場合も、上記第1の実施の形態と同様に、表面に液体受容層1Aが形成された基板1に向けて微粒子分散型液体材料の液滴3をインクジェットヘッド2から所定の吐出周波数fで吐出させることにより、基板1上に微粒子分散型液体材料の球状体5を形成する(図1(a)〜(e)参照)。
この場合、インクジェットヘッド2の吐出周波数fは、f>1/tに設定される(t:液体受容層への微粒子分散型液体材料の吸収時間)。すなわち、液体受容層に着弾した微粒子分散型液体材料の液滴が、液体受容層1Aに吸収される時間よりも速く次の液滴が吐出されるように設定される。これにより、基板1上に所定径の球状体5を形成することができる。
そして、このようにして基板1上に形成された球状体5は、分散媒が液体受容層1Aへの吸収や揮発によって乾燥した後も球状を維持したまま残り、この結果、基板1上に球状構造体6を形成することができる(図1(f)参照)。
なお、本例の場合、球状構造体6は、基板1上に形成した球状体5の分散媒が液体受容層1Aに吸収、あるいは、揮発乾燥することによって形成されるので、加熱は不要である。したがって、装置構成も簡素化することができる。
また、微粒子分散型液体材料の液中に分散させる微粒子は、金属、若しくは、その金属の酸化物、又は、合金の微粒子であることが好ましい。この場合、金属として、たとえば、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、又は、スズなどを用いることができる。また、その金属、若しくは、その金属の酸化物、又は、合金の微粒子の粒子径は、10nm以下であることが好ましい。
また、微粒子を分散させる分散媒には、たとえば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を用いることができる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また、液滴吐出法への適用のしやすさの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、更に好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは、2種以上の混合物としても使用することができる。
[第3の実施の形態]
図2は、本発明に係る球状構造体の製造方法の第3の実施の形態の工程図である。
図2は、本発明に係る球状構造体の製造方法の第3の実施の形態の工程図である。
上記第1の実施の形態では、インクジェットヘッドから吐出させる液体材料として、熱硬化型樹脂材料を使用したが、本実施の形態では、所定波長の光エネルギを照射すると硬化する光硬化型樹脂材料、特に、紫外線硬化型樹脂材料を使用する。
この場合も、上記第1の実施の形態と同様に、表面に液体受容層1Aが形成された基板1に向けて紫外線硬化型樹脂材料の液滴3をインクジェットヘッド2から所定の吐出周波数fで吐出させることにより、基板1上に紫外線硬化型樹脂材料の球状体5を形成する。一方、形成された球状体5は、インクジェットヘッド2に搭載された紫外線照射装置8から紫外線を照射することにより硬化させる。以下、この紫外線硬化型樹脂を用いた球状構造体の製造方法について詳説する。
図2(a)に示すように、インクジェットヘッド2は、そのノズル面が所定のギャップをもって基板1の上面に対向して配置されており、基板1の上に設定された所定の着弾位置に向けて紫外線硬化型樹脂材料の液滴3を吐出する。基板1は、ステージ7に位置決めされて載置されている。
まず、図2(a)に示すように、紫外線硬化型樹脂材料の液滴3がインクジェットヘッド2から所定の吐出周波数fで吐出される。
この吐出周波数fは、上記第1の実施の形態と同様に、液体受容層1Aへの紫外線硬化型樹脂材料の吸収時間をtとすれば、f>1/tに設定される。すなわち、液体受容層1Aに着弾した紫外線硬化型樹脂材料の液滴3が、液体受容層1Aに吸収される時間よりも速く次の液滴3が吐出されるように設定される。
このように液滴3を吐出することにより、図2(b)〜(d)に示すように、インクジェットヘッド2から吐出された液滴3が、所定の打滴周波数(=吐出周波数f)で基板1上の同じ位置に次々と打滴される。
基板1の上に着弾した液滴3は、一部が基板1の表面に形成された液体受容層1Aに吸収されるが、吸収しきれない分が、基板1の表面に残ることとなる。表面に残った分は、液体受容層1Aの表面が撥液性を有するため濡れ広がらず、その表面張力によって球状体5を形成する。そして、この球状体5は、液滴3が打滴されるたびに成長(総体積が増加)し、この結果、図2(e)に示すように、基板1の上面に所定の外径を有する球状体5が形成される。
基板1上に所定径の球状体5が形成されると、液滴3の吐出は停止される。なお、上記第1の実施の形態と同様に、基板1上に形成される球状体5の大きさは、液滴3の吐出量(1回の吐出量)と吐出回数で決まるので、あらかじめ設定された吐出量(=打滴量)であらかじめ設定された回数吐出されると、液滴3の吐出は停止される。
液滴3の吐出が終了すると、図2(f)に示すように、インクジェットヘッド2に搭載された紫外線照射装置8から基板1に向けて紫外線が照射される。この結果、基板1上に形成された紫外線硬化型樹脂材料の球状体5が硬化し、基板1上に球状構造体6が形成される。
以上説明したように、本実施の形態の球状構造体の製造方法では、基板1に向けてインクジェットヘッド2から紫外線硬化型樹脂材料の液滴3を所定の吐出周波数で連続的に吐出させることにより、基板1上に球状体5を形成し、これに紫外線を照射して球状構造体6を形成する。
これにより、上記第1の実施の形態と同様に、形状、大きさ等が良好に制御された球状構造体を安定生産することができる。すなわち、形成される球状構造体6の形状、大きさ等は、基板1の上面に打滴する液滴3の総体積(1回の吐出量と吐出回数)によって決まるので、これらを制御するだけで簡単に所望の形状、大きさの球状構造体6を製造することができる。また、従来(土台上に球状構造体をする方式)のように、着弾位置の位置ズレによって、形成不良が生じることもないので、球状構造体を安定生産することができる。また、これにより、歩留りを向上させることができ、生産性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、インクジェットヘッド2から紫外線硬化型樹脂材料の液滴を吐出させる構成(いわゆるインクジェット方式による吐出)としているが、上記第1の実施の形態と同様に、ディスペンサで吐出させる構成としてもよい。ディスペンサは、インクジェット方式よりも吐出量が多く、より大きな球状構造体を形成することができる。
一方、インクジェット方式は、吐出する液体材料の量、吐出周波数、着弾位置を正確に制御することができ、形状、大きさ等が良好に制御された球状構造体を簡単に製造することができる。
なお、インクジェット方式により、紫外線硬化型樹脂材料を吐出させる場合、その吐出方式については、特に限定されず、たとえば、圧電方式、サーマル方式、静電アクチュエータ方式、静電吸引方式等の種々の吐出方式を採用することができる。
また、本例では、光硬化型樹脂材料として紫外線硬化型樹脂材料を使用しているが、この他、公知の光硬化型樹脂材料を使用することができる。この場合、光硬化性を有し、かつ、所定波長の光を透過する光透過性樹脂材料(例えば透明樹脂材料)を用いることにより、光学部材としての用途の球状構造体を製造することができる。
なお、本実施の形態の製造方法によって製造される微小球状構造体は、このような光学部材としての用途の他、スペーサ等の用途として用いることもできる。
また、上記第1の実施の形態と同様に、使用する紫外線硬化型樹脂材料には、希釈溶剤が添加されていてもよい。これにより、吐出する際の樹脂材料の粘度を調整(たとえば、低粘度化)することができる。希釈溶剤としては、すでに公知の溶剤を適用することができ、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メトキシメチルプロピオネート、キシレン、トルエン、N−メチル−2−ピロリドンなどを用いることができる。
なお、本例では紫外線照射装置8をインクジェットヘッド2に搭載しているが、分離して設置してもよい。
[装置構成例1]
<構成>
図3は、粒子分散型液体材料を用いて球状構造体を製造する場合の球状構造体製造装置の概略構成図である。
<構成>
図3は、粒子分散型液体材料を用いて球状構造体を製造する場合の球状構造体製造装置の概略構成図である。
本実施の形態の球状構造体製造装置10は、シャトルスキャン方式のインクジェットヘッドを用いて基板1上に粒子分散型液体材料を吐出し、基板1上に粒子分散型液体材料の球状体を形成する。そして、形成された球状体を揮発乾燥させることにより、基板1上に所定径を有する球状構造体を形成する。
この球状構造体製造装置10は、図3に示すように、基板1が載置されるステージ12と、ステージ12を搬送する搬送装置14と、粒子分散型液体材料の液滴を吐出するシャトルスキャン方式のインクジェットヘッド16と、全体の動作を統括制御するシステムコントローラ18とを備えて構成される。
ステージ12は、矩形の板状に形成されており、水平に敷設された一対のガイドレール22、22の上にスライダ24、24を介して水平に設置されている。すなわち、ステージ12は、ガイドレール22、22にガイドされて、水平にスライド移動自在に設けられている。矩形状に形成された基板1は、このステージ12の上面に位置決めされて載置される(搬送方向の前後の辺が搬送方向と直交するように、所定位置に位置決めされて載置される。)。
なお、ステージ12には、図示しない把持手段が備えられており、ステージ12の上に載置された基板1は、この把持手段に把持されて、ステージ12の上に固定される。
搬送装置14は、いわゆる送りネジ機構で構成され、ネジ棒26と、そのネジ棒26に螺合されたナット部材28と、ネジ棒26を回転駆動するステージ駆動モータ30とで構成されている。
ネジ棒26は、ガイドレール22、22と平行に配設されており、その両端部を図示しない軸受に軸支されて、回動自在に設けられている。
ナット部材28は、連結部28Aを介してステージ12に連結されている。このナット部材28は、ネジ棒26が回転することにより、その回転量、回転方向に応じてネジ棒26に沿って移動する。そして、このナット部材28が回転することにより、ナット部材28に連結されたステージ12がガイドレール22、22に沿って水平にスライド移動する。
ステージ駆動モータ30は、正逆回転可能に構成されており、その出力軸がネジ棒26に連結されている。ネジ棒26は、このステージ駆動モータ30に駆動されて、正回転/逆回転される。
インクジェットヘッド16は、上記のようにシャトルスキャン方式で構成され、基板1の搬送方向(=副走査方向)と直交する方向(=主走査方向)に往復移動して、その下面(吐出面)に形成されたノズルから微粒子分散型液体材料の液滴を吐出する。このインクジェットヘッド16は、キャリッジ32に搭載されており、その吐出面が所定のギャップをもってステージ12の上面と対向するように配置されている。また、その吐出面に形成されたノズル列16Aが、基板1の搬送方向と平行になるように配置されている(図4参照)。
キャリッジ32は、基板1の搬送方向と直交する方向に配設された一対のガイドシャフト34、34にスライド自在に支持されており、図示しない駆動機構(たとえば、モータで駆動される送りネジ機構やラック・アンド・ピニオン等で構成でき、本例では、図示しないキャリッジ駆動モータによって駆動される送りネジ機構で構成される。)に駆動されて、基板1の搬送方向と直交する方向にスライド移動する。
微粒子分散型液体材料の液滴は、このインクジェットヘッド16の各ノズル16a、16a、…から、インクジェットヘッド16の下方位置に搬送された基板1に向けて、鉛直下向きに吐出される(図4参照)。
システムコントローラ18は、CPU、ROM、RAMを備え、所定の制御プログラムに従って球状構造体製造装置10の各部の駆動を制御する。上述した搬送装置14のステージ駆動モータ30、インクジェットヘッド16、インクジェットヘッド16のキャリッジ駆動モータは、それぞれモータドライバ36、ヘッドドライバ38、モータドライバ40を介して、その駆動がシステムコントローラ18に制御される。
<動作>
以上のように構成された本実施の形態の球状構造体製造装置10を用いた球状構造体の製造方法は次の通りである。
以上のように構成された本実施の形態の球状構造体製造装置10を用いた球状構造体の製造方法は次の通りである。
まず、所定のマウント位置において、図示しないマウント装置によって、ステージ12の上に基板1が載置される。基板1は、所定位置に位置決めされて載置され、載置されると、図示しない把持手段に把持されて、ステージ12の上に固定される。
なお、この基板1は、上記のように、表面に所定の液体受容層1Aが形成されている(図1(a)参照)。
基板1が載置、固定されると、ステージ12がインクジェットヘッド16に向けてスライド移動し、基板1上に設定された球状構造体の第1の製造エリアの第1の製造ライン上にインクジェットヘッド16が位置する(図4参照)。
ステージ12が停止して、第1の製造エリアの第1の製造ライン上にインクジェットヘッド16が位置すると、インクジェットヘッド16が駆動され、各ノズル16a、16a、…から微粒子分散型液体材料の液滴が基板1に向けて所定の吐出周波数f(f>1/t)で連続的に吐出される。
上記のように、吐出した微粒子分散型液体材料の液滴が、液体受容層に吸収されるよりも速く吐出すると、基板1には、液体受容層に吸収しきれない微粒子分散型液体材料が残り、球状体が形成される。
この第1の製造ライン上での液滴の吐出は、あらかじめ設定された回数行われる。そして、あらかじめ設定された回数液滴が吐出されると、基板1上の第1の製造エリアの第1の製造ライン上に所定の外径を有する微粒子分散型液体材料の球状体がノズル16a、16a、…と同じ間隔で形成される。
第1の製造ライン上での液滴の吐出が終了すると、キャリッジ32が駆動され、インクジェットヘッド16が、所定量主走査送りされる。この結果、インクジェットヘッド16が、第1の製造エリアの第2の製造ライン上に位置する。そして、この第2の製造ライン上にインクジェットヘッド16が位置すると、インクジェットヘッド16が駆動され、各ノズル16a、16a、…から微粒子分散型液体材料の液滴が基板1に向けて所定の吐出周波数fで連続的に吐出される。この結果、基板1上の第1の製造エリアの第2の製造ライン上に所定の外径を有する微粒子分散型液体材料の球状体がノズル16a、16a、…と同じ間隔で形成される。
このように、液滴の吐出と主走査送りとが繰り返されて、基板1上の第1の製造エリアに球状体が順次形成される。そして、インクジェットヘッド16が第1の製造エリアの最後の製造ラインまで移動し、その最後の製造ライン上に球状体が形成されると、ステージ12が所定量副走査送りされ、第2の製造エリアの最後の製造ライン上にインクジェットヘッド16が位置する。以下、同様の手順で、液滴の吐出と主走査送り(第1の製造エリアとは逆方向に主走査送りされる。)とが繰り返されて、基板1上の第2の製造エリアに球状体を順次形成される。第3の製造エリアについても同様である。
このように、球状体は、主走査と副走査とが繰り返されて各製造エリアに形成される。そして、すべての製造エリアに球状体が製造されると、ステージ12は、所定の回収位置に移動する。
ステージ12が回収位置に移動すると、図示しない回収装置によって基板1がステージ12から回収される。
以上一連の工程で1枚目の基板の処理が完了する。この後、同様の手順で2枚目以降の基板が処理される。
このように、本実施の形態の球状構造体製造装置10によれば、微粒子分散型液体材料を用いて、基板1上に微小な球状構造体を製造することができる。
また、本例では、液滴の吐出手段としてインクジェットヘッドを用いているが、これに代えてディスペンサを用いることもできる。
また、本例では、シャトルスキャン方式のインクジェットヘッドを用いているが、図5に示すように、基板1の幅に対応したライン型のインクジェットヘッド16’を用いることもできる。
[装置構成例2]
<構成>
図6は、熱硬化型樹脂材料を用いて球状構造体を製造する場合の球状構造体製造装置の概略構成図である。
<構成>
図6は、熱硬化型樹脂材料を用いて球状構造体を製造する場合の球状構造体製造装置の概略構成図である。
同図に示すように、本例の球状構造体製造装置50は、ステージ12に加熱装置52が内蔵されている点で上述した装置構成例1の球状構造体製造装置10と相違している。加熱装置52は、たとえば、赤外線ヒータで構成されており、ヒータドライバ54を介してシステムコントローラ18に駆動が制御される。ステージ12は、この加熱装置52によって所定温度に加熱される。そして、この加熱されたステージ12の上に基板1を載置することにより、基板1が加熱され、基板1の上に打滴された熱硬化型樹脂材料の液滴が加熱される。
<動作>
球状体を形成するまでの手順は、上述した装置構成例1の球状構造体製造装置10と同じである。すなわち、インクジェットヘッド16による主走査と副走査とが繰り返されて各製造エリアに順に熱硬化型樹脂材料の球状体が形成される。そして、基板1上に形成された熱硬化型樹脂材料の球状体は、基板1から熱を受けて硬化し、これにより、基板1上に球状構造体が形成される。
球状体を形成するまでの手順は、上述した装置構成例1の球状構造体製造装置10と同じである。すなわち、インクジェットヘッド16による主走査と副走査とが繰り返されて各製造エリアに順に熱硬化型樹脂材料の球状体が形成される。そして、基板1上に形成された熱硬化型樹脂材料の球状体は、基板1から熱を受けて硬化し、これにより、基板1上に球状構造体が形成される。
すべての製造エリアに球状構造体が形成されると、ステージ12が、所定の回収位置に向けて移動し、図示しない回収装置によって基板1がステージ12から回収される。
このように、本実施の形態の球状構造体製造装置50によれば、熱硬化型樹脂材料を用いて、基板1上に微小な球状構造体を製造することができる。
なお、本例では、ステージ12に加熱装置52を内蔵し、基板1を介して基板1上に形成された球状体を加熱する構成としているが、図7に示すように、ステージ12の上方に赤外線ヒータ等で構成された加熱装置53を設置し、この加熱装置53から基板1上に形成された球状体に熱を放射して加熱するようにしてもよい。同様にステージ12の上方に熱風送風機等で構成された加熱装置を設置し、この加熱装置から基板1上に形成された球状体に熱風を吹き付けて加熱するようにしてもよい。
また、本例では、液滴の吐出手段としてインクジェットヘッドを用いているが、上記装置構成例1と同様に、これに代えてディスペンサを用いることもできる。
また、本例では、シャトルスキャン方式のインクジェットヘッドを用いているが、上記装置構成例1と同様に、基板1の幅に対応したライン型のインクジェットヘッドを用いることもできる(図5参照)。
[装置構成例3]
<構成>
図8は、紫外線硬化型樹脂材料を用いて球状構造体を製造する場合の球状構造体製造装置の概略構成図である。
<構成>
図8は、紫外線硬化型樹脂材料を用いて球状構造体を製造する場合の球状構造体製造装置の概略構成図である。
同図に示すように、本例の球状構造体製造装置60は、基板1上に形成された紫外線硬化型樹脂材料の球状体に紫外線を照射するための紫外線照射装置62がキャリッジ32に搭載されている点で上述した装置構成例1の球状構造体製造装置10と相違している。
紫外線照射装置62は、紫外線ランプを備えており、基板1上に形成された球状体に向けて紫外線を照射する。この紫外線照射装置62は、ランプドライバ64を介してシステムコントローラ18に駆動制御される。
<動作>
球状体を形成するまでの手順は、上述した装置構成例1の球状構造体製造装置10と同じである。すなわち、インクジェットヘッド16による主走査と副走査とが繰り返されて各製造エリアに順に紫外線硬化型樹脂材料の球状体が形成される。基板1上に形成された熱硬化型樹脂材料の球状体は、形成直後にキャリッジ62に搭載された紫外線照射装置62から紫外線の照射を受けて硬化し、これにより、基板1上に球状構造体が形成される。
球状体を形成するまでの手順は、上述した装置構成例1の球状構造体製造装置10と同じである。すなわち、インクジェットヘッド16による主走査と副走査とが繰り返されて各製造エリアに順に紫外線硬化型樹脂材料の球状体が形成される。基板1上に形成された熱硬化型樹脂材料の球状体は、形成直後にキャリッジ62に搭載された紫外線照射装置62から紫外線の照射を受けて硬化し、これにより、基板1上に球状構造体が形成される。
すべての製造エリアに球状体が形成されると、ステージ12は回収位置に移動し、図示しない回収装置によって基板1がステージ12から回収される。
このように、本実施の形態の球状構造体製造装置60によれば、紫外線硬化型樹脂材料を用いて、基板1上に微小な球状構造体を製造することができる。
なお、本例では、紫外線照射装置62がインクジェットヘッド16とともにキャリッジ32に搭載されているが、図9に示すように、紫外線照射装置62とインクジェットヘッド16とを分離して設置するようにしてもよい。
また、本例では、液滴の吐出手段としてインクジェットヘッドを用いているが、上記装置構成例1と同様に、これに代えてディスペンサを用いることもできる。
また、本例では、シャトルスキャン方式のインクジェットヘッドを用いているが、上記装置構成例1と同様に、基板1の幅に対応したライン型のインクジェットヘッドを用いることもできる(図5参照)。
1…基板、1A…液体受容層、2…インクジェットヘッド、3…液滴、5…球状体、6…球状構造体、7…ステージ、8…紫外線照射装置、10…球状構造体製造装置、12…ステージ、14…搬送装置、16…インクジェットヘッド、16A…ノズル列、16a…ノズル、18…システムコントローラ、22…ガイドレール、24…スライダ、26…ネジ棒、28…ナット部材、28A…連結部、30…ステージ駆動モータ、32…キャリッジ、34…ガイドシャフト、36…モータドライバ、38…ヘッドドライバ、40…モータドライバ、50…球状構造体製造装置、52…加熱装置、54…ヒータドライバ、60…球状構造体製造装置、62…紫外線照射装置、64…ランプドライバ
Claims (18)
- 表面に液体受容層が形成された基板の表面の同じ位置に液体材料の液滴を連続的に打滴して、前記基板の表面に前記液体材料の球状体を形成し、該球状体を硬化させることにより、前記基板の表面に球状構造体を形成することを特徴とする球状構造体の製造方法。
- 前記液体受容層に対する前記液体材料の吸収時間をtとし、前記液体材料の打滴周波数をfとしたときに、f>1/tの条件を満たすように、前記液体材料を打滴することを特徴とする請求項1に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記液体材料が、分散媒中に微粒子を分散させた液体であって、分散媒を乾燥させて硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記液体材料が熱硬化型樹脂材料であって、加熱して硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記基板を加熱することにより、前記球状体を硬化させることを特徴とする請求項4に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記液体材料が光硬化型樹脂材料であって、所定波長の光を照射して硬化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記液体材料が、所定波長の光を透過する透明樹脂材料であって、製造される球状構造体が光学部材であることを特徴とする請求項1−6のいずれか一項に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記液体材料の液滴が、インクジェットヘッドから吐出されて前記基板の表面に打滴されることを特徴とする請求項1−7のいずれか一項に記載の球状構造体の製造方法。
- 前記液体材料の液滴が、ディスペンサから吐出されて前記基板の表面に打滴されることを特徴とする請求項1−7のいずれか一項に記載の球状構造体の製造方法。
- 表面に液体受容層が形成された基板が載置されるステージと、
分散媒中に微粒子を分散させた液体材料の液滴を前記ステージに載置された前記基板に向けて吐出する液滴吐出手段と、
前記液滴吐出手段を制御する制御手段であって、前記ステージに載置された前記基板の表面の同じ位置に向けて前記液体材料の液滴を連続的に吐出させることにより、前記基板の表面に所定の外径を有する前記液体材料の球状体を形成させる制御手段と、
を備え、前記基板の表面に形成された前記球状体中の分散媒成分を乾燥させて、前記基板の表面に球状構造体を製造することを特徴とする球状構造体の製造装置。 - 表面に液体受容層が形成された基板が載置されるステージと、
所定のエネルギを付与することにより硬化する液体材料の液滴を前記ステージに載置された前記基板に向けて吐出する液滴吐出手段と、
前記液体材料を硬化させるためのエネルギを付与するエネルギ付与手段と、
前記液滴吐出手段及び前記エネルギ付与手段を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記液滴吐出手段に対して、前記ステージに載置された前記基板の表面の同じ位置に向けて前記液体材料の液滴を連続的に吐出させることにより、前記基板の表面に所定の外径を有する前記液体材料の球状体を形成させ、該球状体に対して、前記エネルギ付与手段でエネルギを付与することにより、該球状体を硬化させて、前記基板の表面に球状構造体を製造することを特徴とする球状構造体の製造装置。 - 前記液体材料が、熱硬化型樹脂材料であって、前記エネルギ付与手段が付与するエネルギが、熱エネルギであることを特徴とする請求項11に記載の球状構造体の製造装置。
- 前記エネルギ付与手段は、前記ステージを加熱する加熱手段であり、該ステージを加熱することにより、該ステージに載置された基板を加熱して、前記球状体に熱エネルギを付与することを特徴とする請求項12に記載の球状構造体の製造装置。
- 前記液体材料が、光硬化型樹脂材料であって、前記エネルギ付与手段が付与するエネルギが、所定波長の光エネルギであることを特徴とする請求項11に記載の球状構造体の製造装置。
- 前記液体材料が、所定波長の光を透過する透明樹脂材料であって、製造される球状構造体が光学部材であることを特徴とする請求項10−14のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置。
- 前記制御手段は、前記液体受容層に対する前記液体材料の吸収時間をtとし、前記液滴吐出手段の吐出周波数をfとしたとき、f>1/tの条件を満たすように、前記液滴吐出手段から前記液体材料の液滴を吐出させることを特徴とする請求項10−15のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置。
- 前記液滴吐出手段が、インクジェットヘッドであることを特徴とする請求項10−16のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置。
- 前記液滴吐出手段が、ディスペンサであることを特徴とする請求項10−16のいずれか一項に記載の球状構造体の製造装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016087479A (ja) * | 2014-10-29 | 2016-05-23 | 国立大学法人 鹿児島大学 | 微小カプセル又はビーズの製造方法 |
WO2019039292A1 (ja) * | 2017-08-24 | 2019-02-28 | 国立大学法人鹿児島大学 | 微小カプセル又はビーズの製造方法 |
US11413794B2 (en) | 2017-01-03 | 2022-08-16 | Lg Chem, Ltd. | Method for preparing polymer particles |
-
2009
- 2009-03-03 JP JP2009049750A patent/JP2010204386A/ja active Pending
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