JP2010204251A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数枚重ねられた薄い表示板の内部に簡単に光を入射して画像を表示する。
【解決手段】透明な表示板の表面に透明インクによって画像を印刷し、表示板の内部に光を入射することによって、画像を光らせて表示する。ここで、発光部からの光を表示板の内部に直接入射するのではなく、導光部材を介して入射する。この導光部材は、発光部の側は広く、表示板の側に末狭まりとなった楔形状に形成されている。このため、導光部材に入射された光は、表示板の側に進むにつれて、末狭まりとなった斜面で反射して集光されていくこととなるので、発光部から放射された光を、対応する表示板の内部に簡単に導いて、光を入射することができ、その結果、表示板の画像を光らせて表示することが可能となる。
【選択図】図7
【解決手段】透明な表示板の表面に透明インクによって画像を印刷し、表示板の内部に光を入射することによって、画像を光らせて表示する。ここで、発光部からの光を表示板の内部に直接入射するのではなく、導光部材を介して入射する。この導光部材は、発光部の側は広く、表示板の側に末狭まりとなった楔形状に形成されている。このため、導光部材に入射された光は、表示板の側に進むにつれて、末狭まりとなった斜面で反射して集光されていくこととなるので、発光部から放射された光を、対応する表示板の内部に簡単に導いて、光を入射することができ、その結果、表示板の画像を光らせて表示することが可能となる。
【選択図】図7
Description
本発明は、透明な表示板に文字や図形などの画像を表示する画像表示装置に関する。
透明な表示板上に文字や図形などを形成しておき、これら画像を、光を用いて表示する技術は種々の技術が提案されている。その多くのものは、表示板の背面側から光を照射することで、表示板に形成された文字や図形を浮き上がらせて表示しようとする技術である。
これに対して、透明な表示板の表面に略三角形断面の溝を掘って図形を描いておき、表示板の側面から表示板内に光を導入することによって、文字や図形を浮き上がらせて表示する技術も提案されている(特許文献1)。この提案されている技術によれば、透明な表示板の側面から光を導入するために、背面から光を照射する方法に較べて表示部分を薄くすることが可能である。
しかし、提案されている技術では、表示板の表面に溝を掘って図形を描いておく必要があり、このような図形を描くことはそれほど容易ではない。そこで、本願の発明者は、光を散乱させる微粒子を含んだ透明なインクを用いて、透明な表示板の表面に印刷した画像を、表示板の端面から光を入射することによって表示する技術を開発して、既に出願済みである。かかる出願中の技術を用いれば、透明なインクによる画像を印刷するだけでよいので、簡単に画像を表示することができる。また、この出願中の技術では、透明な表示板の端面から入射された光は、その表示板の中だけを伝播する。そこで、異なる画像を印刷した表示板を重ねておき、端面から光を入射する表示板を切り換えることで、画像の表示内容を切り換えたり、あるいは、それぞれの表示板の端面から異なる色の光を入射することによって、多色の画像を表示したりすることも可能である。
ここで、複数枚の表示板を重ねて画像を表示する場合、それら表示板を斜め方向から観察すると、表示板の板厚の分だけ、各表示板の画像がずれて見えてしまう。もちろん、こうした問題は、表示板の板厚を薄くすることで、問題にならない程度に軽減することが可能であるが、表示板の板厚を薄くすると表示板の端面の形状も細長く扁平になるので、複数枚重ねられた表示板の中の適切な表示板だけに光を入射することが困難になるという新たな問題を引き起こす。そして、隣の表示板にも光が入射してしまうと、例えば、不適切な画像が重ねて表示されてしまったり、あるいは、画像が不適切な色で表示されてしまったりするなどして、画像を適切に表示することができなくなってしまう。
この発明は、上述した課題に対応してなされたものであり、複数枚重ねられた薄い表示板の中で、特定の表示板だけに、簡単に光を入射して、適切に画像を表示することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の画像表示装置は次の構成を採用した。すなわち、
所定の画像を表示する画像表示装置であって、
光を散乱させる微粒子を含んだ透明インクを用いて表面に画像が形成された透明な板状部材である表示板を、複数枚積層して構成された画像表示部と、
前記画像表示部を構成する前記表示板毎に設けられた複数の発光部と、
前記発光部の各々と、前記画像表示部の中の該発光部に対応する前記表示板との間に設けられて、該発光部からの光を、対応する該表示板の端面に導く複数の導光部材と
を備え、
前記導光部材は、前記発光部から、該発光部に対応する前記表示板の端面に向かって、該表示板の厚さ方向に末狭まりとなった楔形状の部分を有する形状に、透明材料によって形成された部材であることを要旨とする。
所定の画像を表示する画像表示装置であって、
光を散乱させる微粒子を含んだ透明インクを用いて表面に画像が形成された透明な板状部材である表示板を、複数枚積層して構成された画像表示部と、
前記画像表示部を構成する前記表示板毎に設けられた複数の発光部と、
前記発光部の各々と、前記画像表示部の中の該発光部に対応する前記表示板との間に設けられて、該発光部からの光を、対応する該表示板の端面に導く複数の導光部材と
を備え、
前記導光部材は、前記発光部から、該発光部に対応する前記表示板の端面に向かって、該表示板の厚さ方向に末狭まりとなった楔形状の部分を有する形状に、透明材料によって形成された部材であることを要旨とする。
このような本発明の画像表示装置においては、複数枚の透明な表示板を積層することによって画像表示部が構成されており、これら表示板の表面には、透明インクを用いて画像が形成されている。また、各表示板には発光部が設けられており、発光部からの光は、導光部材を介して表示板の端面に導かれ、表示板の内部に入射するようになっている。こうして入射された光は、表示板の表面で反射を繰り返しながら内部を伝播していき、透明インクによって画像が形成された部分に到達する。透明インクには光を散乱させる微粒子(光散乱微粒子)が分散されているので、光があたると、透明インクによって形成された画像が光って表示される。また、表示板の端面から入射した光は、その表示板の内部を伝播して行くが、伝播する途中で隣の表示板に移るようなことはない。このため、複数枚積層された表示板の中で、特定の表示板の端面に光を入射してやることで、その表示板の表面に形成された画像だけを光らせて表示させることができる。あるいは、各表示板の端面から異なる色の光を入射してやれば、多色の画像を表示することができる。
ここで、本発明の画像表示装置では、発光部からの光を、表示板の端面に直接入射するのではなく、発光部毎に設けられた導光部材に入射させている。そして、この導光部材は、発光部から表示板の端面に向かって、表示板の厚さ方向に末狭まりとなった楔形状を有する形状に形成されている。このため、発光部から導光部材の内部に入射した光は、導光部材の楔形状となった部分の表面で反射しながら表示板の端面に向かって伝播して行くうちに、自然と表示板の厚さ方向に集光されて行き、そして、導光部材から出た光は、向かい合う位置に設けられた表示板の端面から、表示板の内部に入射するようになっている。導光部材は、末狭まりとなった楔形状の部分を有する形状に形成されていることから、たとえ表示板の側が薄くても、発光部の側は十分な厚さとすることができるので、発光部からの光を対応して設けられた導光部材だけに入射させることができる。そして、導光部材に入射された光は、導光部材の内部を伝播するうちに、表示板の端面の厚さまで自然と集光されて行くので、対応する表示板の端面だけに、簡単に光を入射させることができる。このため、たとえ板厚の薄い表示板が積層されていた場合でも、各発光部からの光を導いて、対応する表示板の内部に入射することが可能となる。
尚、導光部材に光が入射する側の端面の向き(発光部側の端面の向き)は、発光部に対して略垂直に向き合う方向としておくことが望ましい。こうすれば、発光部からの光が、導光部材の端面に、ほぼ垂直に入射することになるので、端面での光の反射を抑えて、導光部材の内部に効率よく光を取り込むことが可能となる。また、導光部材から光が出射する側の端面の厚さ(表示板側の端面の厚さ)は、表示板の厚さよりも若干、薄くしておくことが望ましい。こうすれば、導光部材の位置が、表示板の厚さ方向にずれたとしても、多少のずれであれば、対応する表示板の端面に適切に光を入射することが可能となる。また、以上の説明から明らかなように、導光部材の形状は、光が進む方向に沿った断面形状が楔形状になった部分を有していれば十分である。従って、発光部からの光が、ある角度範囲で広がりを持って進む光であった場合には、光が進む方向に沿った断面形状が楔形状となった部分が設けられていればよい。
また、上述した本発明の画像表示装置においては、複数の発光部として、赤色光を放射する赤色発光部と、緑色光を放射する緑色発光部と、青色光を放射する青色発光部とを設けておいてもよい。そして、それぞれの発光部が放射する光を、発光部毎に設けられた導光部材によって表示板の端面に導いた後、それぞれの表示板の内部に入射するようにしても良い。
こうすれば、赤色発光部、緑色発光部、青色発光部からの光を、それぞれに設けられた導光部材で導くことにより、対応する表示板の端面に入射することができる。その結果、それぞれの表示板の表面に適切な画像を形成しておくことで、フルカラーのカラー画像を表示することが可能となる。
尚、本明細書中で言う「透明インク」とは、インクの表面で光を反射させるために塗布されるインク(例えばペンキや、修正液、各種の印刷用インクなど)とは異なり、光がインク層を透過することを前提として塗布されるインクを言う。例えば、市販のいわゆるクリアインクを用いて、市販のいわゆる反射型インクを半分程度に希釈したインクは、光がインク層を十分に透過することができないので、本明細書中で言う「透明インク」には該当しない。これに対して、市販のクリアインクを用いて、市販の反射型インクを4分の1以下に希釈したインクであれば、光がインク層を十分に透過し得るので、本明細書中の「透明インク」に該当する。尚、ここでクリアインクと反射型インクとの比率は、それぞれのインク中の揮発成分を除いた体積比率によって定義される。例えば、「クリアインクを用いて反射型インクを半分に希釈する」とは、希釈したインクを乾燥(あるいは固化)させた時に、クリアインクに由来する成分と、反射型インクに由来する成分とが、同体積ずつ含まれるように希釈することを言う。
また、透明インクでインク層を形成した場合、ほとんどの光はインク層を透過することができるが、反射型インクでインク層を形成した場合は、多くの光がインク層で遮られてしまう。従って、アクリル板などの上に一定面積以上の連続したインク層を形成して、その背面側から光を照らしたときに、インク層が形成された部分を透過する光が7割以下に減衰するインク(インク層を透過しようとする光のうち、3割以上の光を遮ってしまうインク)は、本明細書に言う「透明インク」には該当しない。これに対して、7割より多くの光がインク層を透過するインクであれば、本明細書に言う「透明インク」に該当する。
尚、透明インクで画像を印刷した場合でも、光の加減によっては白っぽく見えてしまうことがある。これは、インク層を形成することで表示板の表面に微細な凹凸ができてしまい、その凹凸で光が乱反射される結果、インク層自体は透明であるにも拘わらず、画像が白っぽく見えてしまう場合があるためである。しかし、この場合でも、凹凸による乱反射を抑えてやれば、画像は透明となる。従って、たとえ画像が白っぽく見えた場合でも、上から透明なアクリルラッカーを塗布することで画像が透明になるのであれば、その画像は本明細書に言う「透明インク」を用いて形成されていると言うことができる。何故なら、このような場合は、インク層は透明である(ほとんどの光を透過させる)にも拘わらず、表面の凹凸で光が乱反射していたために、画像が白っぽく見えていたと判断できるからである。逆に言えば、アクリルラッカーを塗布しても、ほとんど透き通らないようであれば、本明細書で言う「透明インク」で形成された画像には該当しない。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
B.画像の表示原理:
C.導光部材の作用:
D.変形例:
A.装置構成:
B.画像の表示原理:
C.導光部材の作用:
D.変形例:
A.装置構成 :
図1は、本実施例の画像表示装置100の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、本実施例の画像表示装置100は、大きくは、画像が表示される画像表示部110と、画像表示部110が立設されるベース部120とから構成されている。詳細には後述するが、画像表示部110は、アクリル板やガラス板などの透明な表示板が複数枚積層されることによって形成されており、各表示板の表面には、表示しようとする画像が透明インクによって印刷されている。透明インクには光を散乱させる微粒子(光散乱微粒子)が僅かに混入されているが、透明な表示板の上に透明インクによる画像が形成されているだけなので、注意深く観察しない限り、表示板の表面に画像が印刷されていることには気が付かない。このため、画像を表示させる前の画像表示部110は、単なる透明な板のように見えている。
図1は、本実施例の画像表示装置100の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、本実施例の画像表示装置100は、大きくは、画像が表示される画像表示部110と、画像表示部110が立設されるベース部120とから構成されている。詳細には後述するが、画像表示部110は、アクリル板やガラス板などの透明な表示板が複数枚積層されることによって形成されており、各表示板の表面には、表示しようとする画像が透明インクによって印刷されている。透明インクには光を散乱させる微粒子(光散乱微粒子)が僅かに混入されているが、透明な表示板の上に透明インクによる画像が形成されているだけなので、注意深く観察しない限り、表示板の表面に画像が印刷されていることには気が付かない。このため、画像を表示させる前の画像表示部110は、単なる透明な板のように見えている。
このような画像表示部110を、ベース部120の上面に設けられた溝に装着する。後述するように、溝の底部には発光ダイオード(以下、LED)などの複数の発光体と、発光体からの光を導く導光部材とが設けられている。そして、ベース部120に設けられた操作スイッチ122を操作して発光体を点灯させると、画像表示部110を構成する各表示板の端面から光を入射させて、透明インクによって印刷された画像を光らせることができる。その結果、点灯前は単なる透明な板にしか見えなかった画像表示部110の中から、透明インクによる画像が光って浮き上がるように表示されることになり、たいへん効果的に画像を表示することが可能となる。表示板の表面に透明インクで印刷された画像が、浮き上がるように光って表示されるメカニズムについては後述する。
また、後述するように本実施例のベース部120では、LEDからの光を、導光部材によって表示板の端面に導いている。このため、複数枚積層されている表示板の中の所望の表示板だけに光を入射して、その表示板に形成された画像だけを表示することが可能である。例えば、図1(b)に例示したように、白色の光を入射して白いツリー画像のみを表示した状態から、更に、赤色の光を入射して、図1(c)に例示したように、赤い文字画像を追加して表示させることも可能である。加えて、LEDからの光を、表示板の端面に直接入射させるのではなく、導光部材を用いて表示板の端面に導いているので、たとえ表示板の板厚がたいへん薄くなった場合でも、対応する表示板だけに光を入射することが可能となっている。以下、このような本実施例の画像表示装置100について詳しく説明する。
図2は、本実施例の画像表示装置100で用いられている画像表示部110の大まかな構造を示した説明図である。図示されているように、本実施例の画像表示部110は、アクリル板やガラス板などの透明な表示板を、複数枚(ここでは、2枚)重ね合わせた後、周囲をフレーム部材118で固定することによって構成されている。また、それぞれの表示板112,114の表面には、クリスマスツリーの画像113と、「Merry!Xmas!」の文字の画像115が、それぞれ透明インクによって印刷されている。この透明インクには、光を散乱させるための微粒子が僅かに混入されているが、表示板の上に透明インクで画像が印刷されているだけなので、注意深く観察しない限り、これら画像113,115が印刷されていることには気が付かない。
また、これら表示板112、114は、僅かに微粒子を含んだ揮発性の溶液(アルコールなど)を表面に噴霧してから積層されている。こうすると、溶液が揮発した後の表示板112,114の表面には、微粒子だけが疎らに残るので、表示板112,114の間に、微粒子による薄い空気層が形成された状態となる。また、疎らに微粒子が残っていても、そのことには気が付かない。詳細な理由については後述するが、このように表示板112,114の表面間に空気層を設けることで、一方の表示板の画像を光らせた時に、他方の表示板の画像がぼんやりと光ってしまうことを回避することが可能となる。
図3は、本実施例の画像表示装置100で用いられているベース部120の大まかな構造を示した説明図である。尚、図3では、理解の便宜を図って、ベース部120の内部構造を破線で表示するとともに、ベース部120に装着される画像表示部110の一部も表示してある。
図3に示されているように、ベース部120は、大まかには直方体の形状となっており、頂面のほぼ中央には、画像表示部110が装着される溝124が形成されている。溝124の底部には、アクリル樹脂などの透明材料で形成された長尺状の導光部150が設けられており、その下方には、列状に配列された複数のLED162,164が設けられている。ここで、導光部150が2本の導光部材152,154を合わせて構成されており、複数のLED162,164が2列に配列されているのは、画像表示部110が、2枚の表示板112,114を積層して構成されていることに対応したものである。従って、画像表示部110がN枚の表示板を積層して構成されている場合は、導光部150がN本の導光部材によって構成されると共に、LEDはN列に配列されることになる。尚、図3では、複数のLED162,164が、導光部150の下方に列状に配置されている様子を表すために、長尺状の導光部150の中央部分が削除された状態で表示されている。また、本実施例では、LED162は白色光を放射する白色LEDであり、LED164は赤色光を放射する赤色LEDであるものとする。
図4は、ベース部120の溝124に画像表示部110を装着した状態での、表示板112,114と、導光部材152,154と、列状に配置されたLED162,164との位置関係を概念的に示した説明図である。図示されるように、ベース部120の溝124に画像表示部110を装着すると、画像表示部110を構成する各表示板112,114の端面が、導光部材152,154を挟んで、それぞれLED162,164と向かい合うようになっている。
また、2本の導光部材152,154は、互いに合わさった面で対象な略台形の断面形状に形成されており、2つの導光部材152,154が合わさった面には、表示板112、114と同様に、僅かに微粒子を含んだ揮発性の溶液が噴霧されることによって、僅かな隙間が設けられている。それぞれの導光部材152,154の断面形状は、下辺に相当するLED162,164の側の辺が長く、上辺に相当する表示板112,114の側の辺が短く、そして上辺と下辺とを繋ぐ両側の辺は、LED162,164の側(下辺側)から、表示板112,114の側(上辺側)に向かって、末狭まりに形成されている。このため、画像表示部110をベース部120に装着してLED162,164を点灯させると、LED162からの光(白色光)は、導光部材152の広い側の面から内部に入射して、末狭まりに形成された側面で反射しながら伝播する。このとき、反射した光の一部は向かい側の側面に向かうが、残りの光は、末狭まりの奥側に設けられた面に向かって進行する。また、向かい側の側面で反射した光の一部は、再び向かい側の側面で反射し、残りの光は、末狭まりの奥側に設けられた面に向かって進行する。このようにして、LED162からの光は、末狭まりの手前側に設けられた面から入射された後、側面で反射することによって、末狭まりの奥側に設けられた狭い面に集められて外部に出射される。同様に、LED164からの光(赤色光)は、導光部材154の内部を伝播することで集光されて、狭い側の面から外部に出射される。結局、LED162からの光は導光部材152に導かれて集光された状態で表示板112の端面に入射し、LED164からの光は導光部材154に導かれて集光された状態で表示板114の端面に入射することになる。
こうして、端面から入射された光は、それぞれ表示板112,114の内部を伝播していき、透明インクで画像113,115が形成された部分に達すると、以下に説明するメカニズムによって画像を光らせる。その結果、LED162,164の点灯前には、単なる透明な板のように見えていた画像表示部110に、画像が浮かび上がるようにして表示されることになる。
B.画像の表示原理 :
図5は、透明な表示板112,114の表面に透明インクで印刷された画像113,115が、LED162,164を点灯することで浮かび上がるように表示される原理を示した説明図である。前述したように、画像表示部110をベース部120の溝124に装着すると、画像表示部110を構成する表示板112,114の端面が、溝の底部に設けられた導光部材152,154と向かい合う位置にくる。その状態でLED162,164を点灯させると、LED162から放射された光(白色光)は導光部材152によって導かれて表示板112の端面から内部に入射され、同様に、LED164から放射された光(赤色光)は導光部材154によって導かれて表示板114の端面から内部に入射される。
図5は、透明な表示板112,114の表面に透明インクで印刷された画像113,115が、LED162,164を点灯することで浮かび上がるように表示される原理を示した説明図である。前述したように、画像表示部110をベース部120の溝124に装着すると、画像表示部110を構成する表示板112,114の端面が、溝の底部に設けられた導光部材152,154と向かい合う位置にくる。その状態でLED162,164を点灯させると、LED162から放射された光(白色光)は導光部材152によって導かれて表示板112の端面から内部に入射され、同様に、LED164から放射された光(赤色光)は導光部材154によって導かれて表示板114の端面から内部に入射される。
図5(a)には、表示板112,114の端面から入射した光が内部を進行する様子が示されている。このようにして端面から入射された光の大部分は、表示板112,114の表面と浅い角度で交差する。このように浅い角度で表示板112,114の表面に達した光は、表面から表示板112,114の外部に透過することなく、全ての光が表面で反射して、再び表示板112,114の内部を進行する。そして反対側の表面に浅い角度で達した後、反対側の表面で全ての光が反射して、再び表示板112,114の内部を進行する。端面から入射した光の大部分は、こうして表示板112,114の表面で反射を繰り返しながら内部を伝播していく。このような現象は、光の屈折の一態様として現れる現象であり、「完全反射」と呼ばれることがある。本実施例の画像表示装置100では、この完全反射と呼ばれる現象を利用して透明な表示板112,114の内部で光を伝播させて、透明インクで印刷された画像113,115を浮かび上がらせている。そこで、完全反射と呼ばれる現象について、簡単に説明しておく。
図5(b)は、光が屈折する様子を概念的に示した説明図である。光の屈折は、屈折率の異なる2つの媒質の境界面を光が通過しようとするときに生じる現象であり、「スネルの法則」としてまとめられている。ここで屈折率とは、媒質中での光の通り易さに関連する物性値である。スネルの法則によれば、ある屈折率の媒質中を進行している光が、異なる屈折率を有する媒質との境界面に達すると、一部の光は境界面で反射し、残りの光は境界面を通過して異なる屈折率の媒質中を進行する。このとき、境界面で反射する光は、境界面に光が入射する角度(入射角θi )と境界面から光が反射する角度(反射角θr )とが等しくなる方向に反射する。ここで、入射角θi は、通常、境界面から法線を立てて、法線と境界面に入射する光(入射光)の進行方向との間の角度によって表され、反射角θr は、境界面の法線と境界面で反射した光(反射光)の進行方向とのなす角度によって表されている。
また、異なる屈折率の媒質中を進行する光(透過光)の進行方向は、上流側の媒質の屈折率をn1 、下流側の媒質の屈折率をn2 とし、下流側の媒質中を進行する透過光の角度(透過角度θt )とすると、下流側の媒質中を、
n1 ・sinθi =n2 ・sinθt
を満足するような透過角度θt の方向に進行する。ここで、透過角度θt は、屈折率の異なる媒質間の境界面の法線と、透過光の進行方向との間の角度によって表されている。図5(b)には、このようなスネルの法則に従って、入射光の一部が反射するとともに、残りの光が透過光として、異なる媒質中を進行する様子が概念的に示されている。例えば、アクリル樹脂の板の中を進行している光が板の表面に達すると、スネルの法則によって表面部分で進行方向が曲げられた後に、空気中を進行することになる。ここで、アクリル樹脂の屈折率は約1.5、空気の屈折率は約1.0であり、屈折率の高い媒質から低い媒質中に侵入する場合に相当するから、空気中に入った透過光は、境界面(すなわち、アクリル樹脂の表面)に近付く方向に進行方向が曲げられて、空気中を進行することになる。また逆に、空気中を進行する光がアクリル樹脂内に侵入する場合のように、屈折率の低い媒質から高い媒質中に侵入する場合は、境界面から離れる方向に、光の進行方向が曲げられることになる。
n1 ・sinθi =n2 ・sinθt
を満足するような透過角度θt の方向に進行する。ここで、透過角度θt は、屈折率の異なる媒質間の境界面の法線と、透過光の進行方向との間の角度によって表されている。図5(b)には、このようなスネルの法則に従って、入射光の一部が反射するとともに、残りの光が透過光として、異なる媒質中を進行する様子が概念的に示されている。例えば、アクリル樹脂の板の中を進行している光が板の表面に達すると、スネルの法則によって表面部分で進行方向が曲げられた後に、空気中を進行することになる。ここで、アクリル樹脂の屈折率は約1.5、空気の屈折率は約1.0であり、屈折率の高い媒質から低い媒質中に侵入する場合に相当するから、空気中に入った透過光は、境界面(すなわち、アクリル樹脂の表面)に近付く方向に進行方向が曲げられて、空気中を進行することになる。また逆に、空気中を進行する光がアクリル樹脂内に侵入する場合のように、屈折率の低い媒質から高い媒質中に侵入する場合は、境界面から離れる方向に、光の進行方向が曲げられることになる。
上述したスネルの法則から、屈折率の高い媒質中を進行していた光が屈折率の低い媒質との境界に達した場合には、全ての光が反射するような特別な条件が存在していることが分かる。すなわち、上述したように、屈折率の高い媒質から低い媒質中に光が進行する場合、下流側の媒質中を進行する光は、入射してきた方向に対して、若干、境界面の側に進行方向が曲げられる。従って、境界面に入射する光の角度を次第に寝かせて(入射角θi を大きくして)いくと、境界面の向こう側に透過した光の向きは、スネルの法則によって境界面に近付く方向に曲げられるので、ある入射角θi に達した時点で透過光の進行方向が境界面と平行になってしまう。このような状態は、下流側の媒質中に光が侵入できない状態である。更に、この入射角θi よりも寝かせて(大きな角度入射角θi で)境界面に光が入射すると、全ての光が境界面で反射してしまうことを意味している。図5(c)には、このような状態が概念的に示されている。また、このような状態(透過光の進行方向が境界面と平行になる状態)となる入射角θi は、臨界角θc と呼ばれている。
これに対して、屈折率の低い媒質中から屈折率の高い媒質中に光が進行しようとする場合には、境界面を透過した光は、スネルの法則によって境界面から遠ざかる方向に曲げられる。このため、透過光の進行方向が境界面と平行になる状態は起こり得ず、臨界角θc は存在しない。
以上に説明したように、屈折率の高い媒質中から低い媒質中に光が出ようとする場合には、臨界角θc を考えることができ、境界面に対して臨界角θc よりも大きな角度で(すなわち、境界面に対して寝かせて)光が入射すると、全ての光が境界面で反射してしまい、屈折率の低い媒質中に出ていくことができなくなる。本明細書中では、このような条件を、「完全反射の条件」と呼ぶことにする。ちなみに、アクリル樹脂(屈折率は約1.5)内から空気(屈折率は約1.0)中に光が出ようとする場合には、臨界角θc は約41.8度となる。
本実施例の画像表示装置100では、上述した完全反射の条件を利用することにより、表示板112,114の端面から入射された光を、表面に画像113,115が印刷された部分まで効率よく導いて、画像113,115を光らせている。すなわち、表示板112,114は、アクリル樹脂あるいはガラスなどの透明材料によって形成されているが、これらの材料は何れも、空気よりは屈折率が大きな媒質である。また、薄い表示板112,114の端面から光を入射すると、入射された光の大部分は、表示板112,114の表面に対して浅い角度で(大きな入射角で)進行する。結局、端面から入射した光の中で、表示板112,114の表面に対して臨界角θc よりも大きな入射角で入射した光については完全反射の条件が成り立ち、その結果、端面から入射した光の多くは表示板112,114の表面で反射を繰り返しながら、表示板112,114の内部を進行していくことになる。また、表示板112,114を積層した場合でも、それら表示板112,114の間に、ごく僅かでも空気層が形成されていれば、表示板112,114の端面から入射した光は、その表示板112,114の内部だけを伝播し、隣の表示板の内部に進入することはない。図5(a)では、透明な表示板112,114の端面から入射した光が、表示板112,114の表面で反射を繰り返しながら内部を進行していく様子が、太い破線あるいは太い一点鎖線の矢印によって表されている。
こうして表示板112,114の内部を進行した光は、やがて表示板112,114の表面に画像113,115が形成された部分に達する。画像113,115を形成するインク層の材質は、表示板112,114の材質とは違うので、屈折率も完全には一致していないが、表示板112,114と空気との違いに比べれば、表示板112,114とインク層とでは、屈折率が大きく異なることはない(実際には、表示板112,114の屈折率よりも若干大きく、例えば表示板112,114がアクリル樹脂で形成されている場合であれば、アクリルの屈折率である約1.5に対して、1.6程度の屈折率であることが望ましい)。このため、表示板112,114とインク層との境界面に達した光は、ほとんど進行方向を曲げられることなく、そのまま境界面を通過して、インク層の内部を進行する。
ここで、画像の印刷には、僅かに光散乱微粒子113p,115pが分散された透明インクが用いられており、表示板112,114の表面に形成された画像113,115のインク層にも、僅かに光散乱微粒子113p,115pが分散した状態となっている。このため、画像113,115のインク層内を進行する光の一部は、光散乱微粒子113p,115pに衝突して周囲に散乱される。インク層には、光散乱微粒子113p,115pが均一に分散しているため、透明インクによる画像全体が明るく光って表示されることになる。また、以上の説明から明らかなように、透明インク内に光散乱微粒子を分散させる濃度を上げれば、透明インクで印刷された画像を、より明るく光らせることも可能となる。図5(a)には、画像113,115のインク層を進行する光が、光散乱微粒子113p,115pに衝突して散乱する様子が、太い破線の矢印、あるいは太い一点鎖線の矢印によって表示されている。
一方、光散乱微粒子113p,115pに衝突しなかった光は、そのまま画像113,115のインク層を進行して、インク層の表面に到達する。上述したように、インク層の屈折率と表示板112,114の屈折率とはほぼ同じであるから、画像113,115のインク層の表面でも完全反射の条件が成立する。このため、インク層の表面に到達した光は、表面で完全反射した後、インク層の内部を進行し、更に、表示板112,114の中へと戻っていく。図5(a)には、画像113,115のインク層の表面で完全反射した後、再び表示板112,114の中へと光が戻っていく様子が、細い破線の矢印によって表示されている。
本実施例の画像表示装置100は、透明な表示板112,114の表面に形成されたインク層の光散乱微粒子113p,115pを光らせることによって、画像113,115を表示している。LED162,164から放射された光が表示板112,114の内部を伝播していても、そのことは見えないから、観察者にはあたかも画像自体が光を発しているように見える。しかも、LED162,164を点灯させていない場合は、注意深く観察しない限り、表示板112,114は単なる透明な板にしか見えないから、透明な板の中から光って画像が浮き上がってきたような、たいへんに印象深い表示を行うことが可能となるのである。
以上に説明したように、表示板112,114の端面から光を入射すれば、透明インクを用いて表示板112,114の表面に形成された画像を光らせて表示することができる。ところが、表示板112,114の板厚が薄くなると、それぞれの端面から光を入射することが困難となる。すなわち、図6に示したように、薄い2枚の表示板112,114が積層されているので、一方の表示板に端面から光を入射しようとすると、他方の表示板の端面からも光が入ってしまう。このため、たとえば白色光を放射するLED162を点灯させて、表示板112に形成されたクリスマスツリーの画像113を白く光らせようとすると、表示板114に形成された「Merry!Xmas!」の画像115も白く光ってしまう。逆に、赤色光を放射するLED164を点灯させて、表示板114の「Merry!Xmas!」の画像115を赤く光らせようとすると、表示板112のツリーの画像113が赤く光ってしまう。その結果、白いツリーの上に赤い文字が浮かび上がった本来の画像を、適切に表示することができなくなってしまう。また、表示板112,114が薄くなる程、端面に入射する光の量も減ってしまう。こうした点に鑑みて、本実施例の画像表示装置100では、LED162,164からの光を表示板112,114の端面に直接入射するのではなく、導光部材152,154を介して、表示板112,114の端面に導くこととしている。以下では、LED162,164からの光が、導光部材152,154によって、表示板112,114の端面に導かれる様子について説明する。
C.導光部材の作用 :
図7は、導光部材152,154を用いることで、LED162からの光は表示板112の端面に、LED164からの光は表示板114の端面に、それぞれ導くことが可能な理由を示す説明図である。図7では、LED164から放出される光(赤色光)に着目して、この光が、導光部材154によって表示板114の端面に導かれる様子が示されている。尚、以下では説明の便宜上、導光部材154のLED側の面を「A面」、表示板114側の面を「B面」、A面に交わる2つの面の中で、より鋭角の斜めに交わる面を「C面」、より直角に近い角度で交わる面を「D面」と呼ぶことにする。
図7は、導光部材152,154を用いることで、LED162からの光は表示板112の端面に、LED164からの光は表示板114の端面に、それぞれ導くことが可能な理由を示す説明図である。図7では、LED164から放出される光(赤色光)に着目して、この光が、導光部材154によって表示板114の端面に導かれる様子が示されている。尚、以下では説明の便宜上、導光部材154のLED側の面を「A面」、表示板114側の面を「B面」、A面に交わる2つの面の中で、より鋭角の斜めに交わる面を「C面」、より直角に近い角度で交わる面を「D面」と呼ぶことにする。
先ず、LED164からの光は、光軸が、導光部材154のA面に対してほぼ垂直となるように入射させる。こうすれば、A面での反射を抑えて、導光部材154の内部に効率よく光を入射することができる。こうしてA面にほぼ垂直に入射された光は、導光部材154の内部を直進して、斜めに設けられたC面に到達する。C面は、A面の法線方向に対して臨界角θc よりも浅い角度θに形成されており、しかもC面の外側は空気なので、前述した「完全反射の条件」が成立する。その結果、C面に到達した全ての光が反射して、導光部材154の内部を進行していく。こうしてC面で反射した光の一部は、表示板114と向き合うB面に到達し、残りの光はD面に到達する。
C面で完全反射したからといって、直ちにD面でも完全反射の条件が成立するわけではないが、C面の角度θを小さな角度に設定しておけば、D面でも完全反射の条件を成立させることが可能である。ちなみに、導光部材154と導光部材152との間には、前述した様に微粒子による空気層が形成されているので、D面に対する光の入射角度が臨界角θc より浅い角度であれば、完全反射の条件を成立させることができる。そして、D面で完全反射した光の一部は、そのままB面に到達し、残りの光はC面に到達する。このようにして、A面から入射された光は、C面およびD面で完全反射を繰り返しながら導光部材154の内部を進行していき、C面あるいはD面で反射する度に、少しずつB面に集められていくことになる。
たとえば、図7中で、細い実線で示した光線(a)は、A面からほぼ垂直に入射した後、C面で完全反射し、更にD面で完全反射してB面に到達する。細い破線で示した光線(b)は、A面からほぼ垂直に入射した後、C面で完全反射してB面に到達する。あるいは、図7中に細い一点鎖線で示した光線(c)のように、C面やD面で反射することなく、B面に直接到達する場合や、図7中に細い二点鎖線で示した光線(d)のように、D面で完全反射してB面に到達する場合もある。こうして種々の経路でB面に到達した光は、B面から外部に放出されて、そのまま表示板114の端面に入射されることになる。このように、導光部材154を用いることで、LED164から放射された光を、表示板114の端面に導いて、表示板114の内部に入射させることができる。導光部材152についても全く同様なことが成り立ち、LED162から放射された光を、表示板112の端面に導いて、表示板112の内部に入射させることが可能となる。
このように、導光部材152,154を用いることで、LED162,164から放射された光を、それぞれ表示板112,114の端面に導いて入射することが可能となるが、それだけに留まらず、導光部材152,154を用いることで、表示板112,114の端面から入射する光量を増やすことも可能となる。たとえば、仮に導光部材154が存在しなかったとすると、図7中に細い一点鎖線で示した光線(c)のように、C面やD面で反射することなく、B面に直接到達する光線しか表示板114に入射しない。換言すれば、導光部材154を用いることで、光線(a)や、光線(b)、光線(d)の光も表示板114に入射させることが可能となり、結果的に、表示板112への入射光量を増加させることが可能となる。
D.変形例 :
上述した実施例では、画像表示部110が、2枚の表示板112,114から構成されているものとして説明した。しかし、画像表示部110は、より多くの枚数の表示板を積層して構成しても良い。3枚以上の表示板を積層した場合は、図3あるいは図4に示したように、断面形状が対称な2つの導光部材152,154を、互いに背中合わせに組み合わせて導光部150を構成することはできない。そこで、このような場合は、次のような導光部150を使用する。
上述した実施例では、画像表示部110が、2枚の表示板112,114から構成されているものとして説明した。しかし、画像表示部110は、より多くの枚数の表示板を積層して構成しても良い。3枚以上の表示板を積層した場合は、図3あるいは図4に示したように、断面形状が対称な2つの導光部材152,154を、互いに背中合わせに組み合わせて導光部150を構成することはできない。そこで、このような場合は、次のような導光部150を使用する。
図8は、3列のLEDが組み込まれた変形例のベース部120に、導光部150を装着する様子を概念的に示した説明図である。図示した変形例のベース部120には、手前側に設けられたLED176によるLED列と、真ん中に設けられたLED174によるLED列と、奥側に設けられたLED172によるLED列の3列のLED列が設けられている。このことと対応して、変形例の導光部150は、以下に示すように、3つの導光部材を組み合わせて構成されている。尚、図8では、図示の都合から、ベース部120の側面から導光部150を装着するものとして表示されているが、導光部150は、必ずしもベース部120の側面側から装着する必要はない。
図9は、3つの導光部材を組み合わせて構成された変形例の導光部150の構造を示した説明図である。図9(a)には、LED172,174,176の側から見た変形例の導光部150の外観形状が示されている。また、図9(b)には、変形例の導光部150の分解組み立て図が示されている。図9(b)に示されているように、変形例の導光部150は、3つの導光部材152,154,156を積層することによって構成されている。前述した実施例と同様に、これら導光部材152,154,156もアクリル樹脂などの透明な材料によって形成されており、それぞれの導光部材152,154,156には、LED172,174,176からの光が入射する方向(図面上で手前側から奥側に向かう方向)に末狭まりの楔形状の部分が形成されている。
図9(c)には、導光部材152,154,156に形成された楔形状の部分が、拡大して示されている。図示されているように、導光部材152には、手前側に、LED172と向かい合うA面が形成されており、上面側には、斜めになったC面が形成されている。従って、導光部材152の下面側(導光部材154との合わせ面)に形成されたD面(図示せず)との間に、末狭まりとなった楔形状が構成されている。導光部材154や導光部材156についても同様に、手前側のA面と、上面側のC面と、下面側のD面との間に楔形状の部分が形成されている。従って、導光部材152,154,156に形成されたそれぞれのA面から、LED172,174,176の光を入射してやれば、前述した実施例と同様に楔形状の部分で光を集光して、奥側に設けられた狭いD面(図示せず)から外部に光を出射することが可能となる。
図10は、変形例の導光部150を備えたベース部120に、画像表示部110を装着した様子を示す説明図である。図示されるように、LED172からの光は導光部材152によって集光されて、表示板112の端面に入射される。同様に、LED174からの光は導光部材154によって集光されて表示板114の端面に入射され、LED176からの光は導光部材156によって表示板116の端面に入射される。その結果、前述した実施例と同様に、LED172が放射する光は表示板112の端面に、LED174の光は表示板112の端面に、LED176の光は表示板116の端面に、それぞれ入射することが可能となる。
従って、例えば、LED172、LED174、LED176を、それぞれ赤色光を放射する赤色LED、緑色光を放射する緑色LED、青色光を放射する青色LEDとしておけば、カラー画像を表示することも可能となる。すなわち、カラー画像のR成分の画像を表示板112の表面に透明インクを用いて形成し、G成分の画像を表示板114の表面に形成し、B成分の画像を表示板116の表面に形成しておく。こうすれば、LED172が放射する赤色光を、導光部材152によって表示板112の端面に入射して、カラー画像のR成分の画像を赤く光らせることができる。同様に、LED174が放射する緑色光を導光部材154によって表示板114の端面に入射して、G成分の画像を緑色に光らせ、更に、LED176が放射する青色光を導光部材156によって表示板116の端面に入射して、B成分の画像を青色に光らせることができる。すなわち、R成分の画像は赤色に、G成分の画像は緑色に、B成分の画像は青色に、同時に光らせることができるので、カラー画像を表示することが可能となる。
尚、上述した実施例および変形例では、LEDから放射される光の広がりについては、考慮されていない。しかし、実際のLEDからは、ある程度の広がりを持った光が放射される。今、LEDからの光の広がりを角度αとすると、導光部材の形状を、上述した末狭まりの断面形状を角度αの範囲で回転させて得られるような形状としてもよい。図11は、光の広がりを考慮して形成された変形例の導光部150を例示した説明図である。このような導光部150を用いれば、LEDから角度αの範囲内で何れの方向に向かって進む光についても、導光部材152,154,156が末狭まりの形状となるので、対応する表示板12,114,116の端面に適切に光を導くことが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例あるいは変形例では、導光部材152,154の狭くなった側の端面を、表示板112,114の端面と向かい合わせに設けておき、導光部材152,154から放出された光を、表示板112,114の端面から入射するものとして説明した。しかし、図12に例示したように、導光部材152,154の楔形状の部分を構成する側面を、表示板112,114の表面に密着させて設けることで、表示板112,114の表面から内部に光を導くようにしても良い。このようにした場合でも、例えば導光部材152と、導光部材152に密着した部分の表示板112とを一体として見れば、上述した実施例の導光部材152と同様な構成となり、全く同様なメカニズムが成立する。従って、導光部材152,154の楔形状の部分を構成する側面を、表示板112,114の表面に密着させて設ければ、表示板112,114の表面側から内部に光を導くことが可能となる。
透明な表示板の上に、光による画像を表示する技術に適用することができる。
100…画像表示装置、 110…画像表示部、
112,114,116…表示板、 113,115…画像、
113p,115p…光散乱微粒子、 118…フレーム部材、
120…ベース部、 122…操作スイッチ、 124…溝、
150…導光部、 152,154,156…導光部材、
162,164,172,174,176…LED
112,114,116…表示板、 113,115…画像、
113p,115p…光散乱微粒子、 118…フレーム部材、
120…ベース部、 122…操作スイッチ、 124…溝、
150…導光部、 152,154,156…導光部材、
162,164,172,174,176…LED
Claims (2)
- 所定の画像を表示する画像表示装置であって、
光を散乱させる微粒子を含んだ透明インクを用いて表面に画像が形成された透明な板状部材である表示板を、複数枚積層して構成された画像表示部と、
前記画像表示部を構成する前記表示板毎に設けられた複数の発光部と、
前記発光部の各々と、前記画像表示部の中の該発光部に対応する前記表示板との間に設けられて、該発光部からの光を、対応する該表示板の端面に導く複数の導光部材と
を備え、
前記導光部材は、前記発光部から、該発光部に対応する前記表示板の端面に向かって、該表示板の厚さ方向に末狭まりとなった楔形状の部分を有する形状に、透明材料によって形成された部材である画像表示装置。 - 前記複数の発光部には、赤色光を放射する赤色発光部と、緑色光を放射する緑色発光部と、青色光を放射する青色発光部とが設けられている請求項1に記載の画像表示装置。
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