JP2010203184A - 仕口プレキャスト部材及び柱梁架構 - Google Patents

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Hiroyuki Ueda
博之 上田
Takahiro Mochinaga
崇宏 待永
Masanori Mikuni
昌則 三國
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Abstract

【課題】省スペース化が可能で、運搬効率の向上や、コスト低減を叶えることができる仕口プレキャスト部材を提供する。
【解決手段】柱2を接続する柱接続部5と、平面視で交わる方向に設置される少なくとも二つの梁3を接続する梁接続部6とを備えさせてある仕口プレキャスト部材であって、一方の梁3の梁主筋9を連結する仕口部梁主筋8を、前記梁接続部6に端部が突出する状態に埋設してあり、他方の梁3の梁主筋9を機械的に連結する機械式継手部材10を、埋設してある。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、柱と梁との仕口部分に設置して相互の連結を効率よく実施できるようにした仕口プレキャスト部材、及び、その仕口プレキャスト部材の性質を専ら利用する柱梁架構に関し、更に詳しくは、柱を接続する柱接続部と、平面視で交わる方向に設置される少なくとも二つの梁を接続する梁接続部とを備えさせてある仕口プレキャスト部材、及び、柱梁架構に関する。
従来、この種の仕口プレキャスト部材としては、図6に示すように、ブロック状の仕口部材本体4を設け、仕口部材本体4の上下面を、それぞれ柱2に対する柱接続部5として構成し、仕口部材本体4の4つの側面を、それぞれ梁に対する梁接続部6として構成してあるものがあった。
また、前記仕口部材本体4には、接続対象の梁の梁主筋を連結して一連の梁主筋とする為の仕口部梁主筋8を、それぞれ埋設してあり、前記梁接続部6は、4つ共、仕口部材本体4の各側面から仕口部梁主筋8が突出する状態に形成してあるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
因みに、鉄筋の継手には、例えば、重ね継手や、ガス圧接継手や、溶接式継手や、機械式継手等のものがあるが、機械式継手に関しては、他の継手に比べて、カプラー(機械式継手部材に相当)や充填材等の別部材を使用することから、コスト高になり易い。
従って、配筋工事の材料コストの低減を主眼においた場合、重ね継手やガス圧接継手や溶接式継手を採用することが多く、この意味で、上述した従来の技術においては、一連の梁主筋の接合用に仕口部梁主筋を埋設しておき、この仕口部梁主筋と梁主筋とを連結する形態を採用している。
特開2006−144428号公報(図1)
上述した従来の仕口プレキャスト部材によれば、平面視において仕口部材本体から四方に仕口部梁主筋が突出しており、鉄筋の突出部分は、鉄筋が曲易いから他物を重ねたりすることが困難で、仕口プレキャスト部材単体として嵩高いという問題があった。
従って、生産した仕口プレキャスト部材の保管に当たっては、広い保管場所を確保する必要がある一方、運搬においても、それぞれの仕口プレキャスト部材がトラックの荷台を広く占領するから、大量の仕口プレキャスト部材を一度に積載することが困難となる。
その結果、運搬効率が低く、運搬コストが高くなる問題点がある。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、省スペース化が可能で、運搬効率の向上や、運搬コストの低減を叶えることができる仕口プレキャスト部材を提供するところにある。
本発明の第1の特徴構成は、柱を接続する柱接続部と、平面視で交わる方向に設置される少なくとも二つの梁を接続する梁接続部とを備えさせてある仕口プレキャスト部材であって、
一方の梁の梁主筋を連結する仕口部梁主筋を、前記梁接続部に端部が突出する状態に埋設してあり、他方の梁の梁主筋を機械的に連結する機械式継手部材を、埋設してあるところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、一方向については、梁主筋との連結コストが安く抑えやすい仕口部梁主筋を使用しながら、交差する方向の梁主筋との連結に関しては、機械式継手部材を埋設することで、鉄筋を梁接続部の表面に突出させずにすむので、仕口プレキャスト部材そのもののコンパクト化が実現する。
その結果、生産した当該仕口プレキャスト部材の保管に当たっては、従来に比べて省スペース化を図ることができる一方、運搬においても、一台のトラックに大量の仕口プレキャスト部材を一度に積載することが可能となる。
従って、省スペース化が可能で、運搬効率の向上や、運搬コスト低減を叶えられる。
本発明の第2の特徴構成は、前記機械式継手部材と連結する梁主筋の端部を配置可能な溝部を、前記機械式継手部材の端部側で前記柱接続部に開口する状態に設けてあるところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、埋設してある機械式継手部材に対して、接続対象の梁の梁主筋を連結する際に、前記溝部に、梁主筋の端部を位置させた後、機械式継手部材内に挿入する手順をとることができ、特別な位置合わせをしなくても、容易に挿入操作を実施できる。
従って、鉄筋継手を短時間に形成して、柱と梁との連結作業を、より効率よく実施できるようになる。
本発明の第3の特徴構成は、柱を接続する柱接続部と、平面視で交わる方向に設置される少なくとも二つの梁を接続する梁接続部とを備えさせてある仕口プレキャスト部材であって、
一方の梁の梁主筋を連結する仕口部梁主筋を、前記梁接続部に端部が突出する状態に埋設してあり、他方の梁の梁主筋を貫通させて連結するシース管を、埋設してあるところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、一方向については、梁主筋との連結コストが安く抑えやすい仕口部梁主筋を使用しながら、交差する方向の梁主筋との連結に関しては、シース管を埋設することで、鉄筋を梁接続部の表面に突出させずにすむので、仕口プレキャスト部材そのもののコンパクト化が実現する。
その結果、生産した当該仕口プレキャスト部材の保管に当たっては、従来に比べて省スペース化を図ることができる一方、運搬においても、一台のトラックに大量の仕口プレキャスト部材を一度に積載することが可能となる。
従って、省スペース化が可能で、運搬効率の向上や、運搬コスト低減を叶えられる。
本発明の第4の特徴構成は、本発明の第1〜3の何れかの特徴構成を備えた仕口プレキャスト部材を用いて柱梁架構を構築してあるところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、本発明の第1〜3の特徴構成によって叶えられる作用効果の何れかを受け継いだ柱梁架構を実現できる。
仕口プレキャスト部材の設置状況を示す側面視説明図 仕口プレキャスト部材を示す斜視図 仕口プレキャスト部材の設置状況を示す分解斜視図 仕口プレキャスト部材の設置状況を示す分解斜視図 第2実施形態の仕口プレキャスト部材を示す斜視図 従来の仕口プレキャスト部材の設置状況を示す分解斜視図
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第1実施形態〕
図1、図2は、本発明の仕口プレキャスト部材の一実施形態品を示すもので、当該実施形態においては、仕口プレキャスト部材1は、プレキャストの柱2と梁3とを使用した架構において、現場打ち梁部分の厚み範囲に相当する柱部分に設置できるように構成されたものを一例として説明する。
従って、ここで説明した仕口プレキャスト部材の使用形態に限るものではなく、例えば、連結対象の柱2や梁3がどのように形成されるか(プレキャスト部分と現場打ち部分との関係)に応じて、それらとの取りあい状況が変化することがあり、それに伴って、梁接続部や柱接続部の形状変更もありうる。
仕口プレキャスト部材1は、平面視形状が正方形のブロック状の仕口部材本体4を設け、仕口部材本体4の上下面を、それぞれ柱2に対する柱接続部5として構成し、仕口部材本体4の4つの側面を、それぞれ梁3に対する梁接続部6として構成してある。
前記仕口部材本体4は、上下に連結する柱2と同等の圧縮強度を有する高強度コンクリートを使用して形成してある。また、平面形状及び平面寸法も、連結対象の柱2と同様に設定されている。
また、仕口部材本体4の高さ寸法は、当該実施形態においては、プレキャストの梁部分3Aの上に、現場打ちスラブと一緒にコンクリートを打設して現場打ちの梁部分3Bを形成する関係上、その現場打ちの梁部分3Bの高さ寸法と同じ寸法に形成されている(図1参照)。
前記柱接続部5は、上述のとおり、仕口部材本体4の上面部と、下面部とにそれぞれ設けてある。また、平面視形状の正方形における隅部分には、所定のコンクリート被り寸法を確保した位置に、下方の柱2から突出する柱主筋7を挿通できる貫通孔5aが縦方向に設けてある(図3参照)。上方の柱2の下端部には、前記貫通孔5aに対応した箇所に機械式継手部材が埋設してあり(不図示)、当該仕口部材本体4の貫通孔5aに柱主筋7が挿通する状態で上下に柱2を配置して(図4参照)、上下の柱主筋7どうしを機械式継手部材で連結することで、上下の柱2と仕口プレキャスト部材1とを一体に連結することができる。
前記梁接続部6は、平面視で直行する各梁3に対応させて、図3に示すように、二種類の構造が用意されている。
仕口部材本体4の4つの側面部の内、図中の6A、6Cの記号を付した梁接続部は、仕口部材本体4の中に埋設した複数の仕口部梁主筋8の端部が、それぞれ表面から突出する状態に形成してある。この仕口部梁主筋8は、対応する梁3の梁主筋9と連結することで、柱部分を貫通して一連となる梁主筋を構成することができる。
一方、図中の6B、6Dの記号を付した梁接続部は、前記仕口部梁主筋9の上方で交差する状態で仕口部材本体4の中に埋設された複数のカプラー(機械式継手部材に相当)10に通ずる複数の溝部11を設けて構成されている。
この溝部11は、柱接続部6B,6Dに開口すると共に、柱接続部5にも開口しており、対応する梁3の梁主筋9を、前記カプラー10内に挿入して連結する際に、この溝部11に仮配置してから挿入することができるように形成されている。
本実施形態による仕口プレキャスト部材1によれば、直線状に位置する一対の梁3に対しては、経済的に梁主筋9を接続できるように、前記仕口部梁主筋8を用いている。そして、それらの梁3に交差する方向に位置する一対の梁3に対しては、梁接続部6B,6Dの表面に鉄筋等の障害物が突出しないカプラー10を内蔵させてあるから、嵩張り難くでき、例えば、保管したり運搬する際に、隣接させる仕口プレキャスト部材1を、より近接させて配置できるようになる。
その結果、省スペース化が可能で、運搬効率の向上や、運搬コスト低減を叶えることができる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の仕口プレキャスト部材の二つ目の実施形態品を示すもので、先の第1実施形態で説明したものと重複する部分の説明は割愛し、異なった構成を主に説明する。
当該実施形態の仕口プレキャスト部材1においては、仕口部材本体4に対して、複数の前記仕口部梁主筋8と、それらに上方で交差する状態に埋設された複数のシース管12とを埋設してある。
このシース管12は、先のカプラーに替わる部材であり、対応する梁3の梁主筋9を貫通させて固定できるように構成されている。シース管12の長さ寸法は、仕口部材本体4の梁接続部6Bから裏面側の梁接続部6Dまでの寸法に設定してある。従って、梁接続部6B,6Dには、シース管12の端部が開口している。
本実施形態による仕口プレキャスト部材1によれば、直線状に位置する一対の梁3に対しては、経済的に梁主筋9を接続できるように、前記仕口部梁主筋8を用いている。そして、それらの梁3に交差する方向に位置する一対の梁3に対しては、梁接続部6B,6Dの表面に鉄筋等の障害物が突出しないシース管12を内蔵させてあるから、嵩張り難くでき、例えば、保管したり運搬する際に、隣接させる仕口プレキャスト部材1を、より近接させて配置できるようになる。
その結果、省スペース化が可能で、運搬効率の向上や、運搬コスト低減を叶えることができる。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記仕口プレキャスト部材は、先の実施形態で説明したように、プレキャストの柱2と、現場打設の梁部分3Bとの仕口部に用いることに限らず、柱と梁との両方がプレキャストであったり、何れもが現場打ちで形成するものであったり、また、何れか又は両方が、プレキャストと場所打ちとの併用である場合も対象とすることができる。
また、先の実施形態で構成する場合であっても、仕口プレキャスト部材の天地を反転して用いるものであってもよい。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
1 仕口プレキャスト部材
2 柱
3 梁
5 柱接続部
6 梁接続部
8 仕口部梁主筋
9 梁主筋
10 カプラー(機械式継手部材に相当)
11 溝部
12 シース管

Claims (4)

  1. 柱を接続する柱接続部と、
    平面視で交わる方向に設置される少なくとも二つの梁を接続する梁接続部とを備えさせてある仕口プレキャスト部材であって、
    一方の梁の梁主筋を連結する仕口部梁主筋を、前記梁接続部に端部が突出する状態に埋設してあり、
    他方の梁の梁主筋を機械的に連結する機械式継手部材を、埋設してある仕口プレキャスト部材。
  2. 前記機械式継手部材と連結する梁主筋の端部を配置可能な溝部を、前記機械式継手部材の端部側で前記柱接続部に開口する状態に設けてある請求項1に記載の仕口プレキャスト部材。
  3. 柱を接続する柱接続部と、
    平面視で交わる方向に設置される少なくとも二つの梁を接続する梁接続部とを備えさせてある仕口プレキャスト部材であって、
    一方の梁の梁主筋を連結する仕口部梁主筋を、前記梁接続部に端部が突出する状態に埋設してあり、
    他方の梁の梁主筋を貫通させて連結するシース管を、埋設してある仕口プレキャスト部材。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の仕口プレキャスト部材を用いて構築してある柱梁架構。
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