JP2018162645A - 柱梁接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄骨梁同士の段差の大きさに合わせた梁成の鉄骨梁のみによらず、鉄筋コンクリート柱に接合される鉄骨梁同士に段差を簡単に形成することができる柱梁接合構造を提供する。【解決手段】柱梁接合構造U1は、鉄筋コンクリート柱2と、鉄筋コンクリート柱2から水平方向に延在した形鋼からなる上段鉄骨梁10と、上段鉄骨梁10よりも下方において、鉄筋コンクリート柱2から水平方向に延在した形鋼からなる下段鉄骨梁20と、を備える。繋ぎ部材30は、上段鉄骨梁10のウェブ13と下段鉄骨梁20のウェブ23との間に位置するように、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20との対向するフランジ12、22に、接合されている。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とを接合した柱梁接合構造に係り、特に、鉄筋コンクリート柱に接合された鉄骨梁同士の間に段差を設けた柱梁接合構造に関する。
従来から、鉄筋コンクリート柱に鉄骨梁を接合した鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁構造(以下、「柱梁接合構造」という)が採用されている。たとえば、特許文献1には、鉄筋コンクリート柱に配設された接合ボックスを介して、鉄骨梁が接合された柱梁接合構造が提案されている。この柱梁接合構造は、梁成が異なる鉄骨梁を接合ボックスに接合することにより、梁成の違いに応じた段差を鉄骨梁に形成している。
この他にも、一般的な柱梁接合構造として、上段鉄骨梁と下段鉄骨梁により床面に段差を形成する場合、鉄筋コンクリート柱内において、下段鉄骨梁の端部の上に、下段鉄骨梁の梁成よりも大きい梁成を有した上段鉄骨梁同士を重ねて接合した構造が採用されている。
特開2010−216075号公報
特許文献1で開示された柱梁接合構造および上述した一般的な柱梁接合構造では、鉄骨梁の梁成の大きさの違いを利用して、鉄骨梁同士に段差を形成している。しかしながら、これらの柱梁接合構造では、段差を形成するために他の鉄骨梁(例えば下段鉄骨梁)よりも梁成を大きくした鉄骨梁(例えば上段鉄骨梁)は、本来必要とされる鉄骨梁の強度よりも高い強度を有する。これにより、上述した柱梁接合構造は、例えば同じ梁成の鉄骨梁を用いたものに比べて、鉄筋コンクリート柱に対する鉄骨梁の強度が過剰に高まってしまう。この結果、梁成を大きくした鉄骨梁の強度に応じて鉄筋コンクリート柱の強度をさらに高めなければならないことがあり、コストの増加に繋がる。特に、必要とされる鉄骨梁同士の段差が大きくなるに従って、鉄骨梁の梁成も大きくなるため、このような点はより顕著なものになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、鉄筋コンクリート柱に接合された鉄骨梁同士に段差を形成する際に、鉄骨梁同士の段差の大きさに合わせた梁成の鉄骨梁のみによらず、鉄骨梁同士に段差を簡単に形成することができる柱梁接合構造を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る柱梁接合構造は、鉄筋コンクリート柱と、前記鉄筋コンクリート柱から水平方向に延在した形鋼からなる上段鉄骨梁と、前記上段鉄骨梁よりも下方において、前記鉄筋コンクリート柱から水平方向に延在した形鋼からなる下段鉄骨梁と、を備えた柱梁接合構造であって、前記上段鉄骨梁と前記下段鉄骨梁とが前記鉄筋コンクリート柱に埋設される埋設部分において、前記上段鉄骨梁と前記下段鉄骨梁とを接合する繋ぎ部材を備えており、前記繋ぎ部材は、前記上段鉄骨梁のウェブと前記下段鉄骨梁のウェブとの間に、前記繋ぎ部材の少なくとも一部が位置するように、前記上段鉄骨梁と前記下段鉄骨梁との対向するフランジに接合されている。
本発明の柱梁接合構造によれば、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁は、繋ぎ部材を介して接合されているため、必要とされる段差の大きさに応じた梁成の上段鉄骨梁を用いなくても、上段鉄骨梁と下段鉄骨梁とに、繋ぎ部材のせい(高さ)に応じた段差を簡単に設けることができる。これにより、上段鉄骨梁の梁成の大きさのみにより段差を設けた柱梁接合構造に比べて、鉄筋コンクリート柱に対する上段鉄骨梁の強度が過剰に高まることを回避することができる。このような結果、鉄筋コンクリート柱の強度をさらに高めなくてもよく、コストの増加を抑えることができる。
また、繋ぎ部材の少なくとも一部が、上段鉄骨梁のウェブと下段鉄骨梁のウェブとの間に位置し、繋ぎ部材と、これに接合された上段鉄骨梁および下段鉄骨梁の部分は、鉄筋コンクリート柱に埋設されるので、繋ぎ部材により接合された部分の強度を確保することができる。
本明細書において上段鉄骨梁および下段鉄骨梁を構成する「形鋼」とは、H形鋼やI形鋼を意味している。ここで、繋ぎ部材の少なくとも一部が、上段鉄骨梁のウェブと下段鉄骨梁のウェブとの間に位置すれば、平面視で上段鉄骨梁および下段鉄骨梁のウェブが水平方向に沿って交差する方向に延在してもよく、上段鉄骨梁と下段鉄骨梁のウェブが延在する方向は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記埋設部分において、前記上段鉄骨梁のウェブと、前記下段鉄骨梁のウェブとは、平面視で、重なる部分を有しており、前記繋ぎ部材は、平面視で、前記上段鉄骨梁のウェブと、前記下段鉄骨梁のウェブと、が重なる部分において前記フランジに接合されている。
この態様によれば、繋ぎ部材が、平面視で上段鉄骨梁のウェブと下段鉄骨梁のウェブとが重なる部分において配置されるので、埋設部分において、上段鉄骨梁の荷重を、上段鉄骨梁のウェブから、繋ぎ部材を介して、下段鉄骨梁のウェブにより効率的に伝達することができる。なお、本発明でいう「平面視」とは、鉛直方向に沿って、上段および下段の鉄骨梁を視た状態をいう。
ここで、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁は、1方向のみ、または交差する2方向に延在した形鋼からなってもよく、特にその構造は限定されるものではない。しかしながら、好ましい態様としては、前記上段鉄骨梁および前記下段鉄骨梁のうち少なくとも一方の鉄骨梁は、水平方向に延在する第1鉄骨梁部と、前記第1鉄骨梁部に接合され、前記第1鉄骨梁部と直交する水平方向に延在する第2鉄骨梁部と、を備えており、前記繋ぎ部材は、平面視で、他方の鉄骨梁のウェブと、前記第1および第2鉄骨梁部のウェブと、が重なる部分において、前記フランジに接合されている。
このように構成された柱梁接合構造では、水平方向の直交する2方向に延在した第1および第2鉄骨梁部のフランジに繋ぎ部材が接合されるので、上段鉄骨梁の荷重を、繋ぎ部材を介して、下段鉄骨梁で安定して受けることができる。特に、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁がともに第1および第2鉄骨梁部を備えれば、その効果より期待することができる。
さらに好ましい態様としては、前記上段鉄骨梁または前記下段鉄骨梁のうち少なくとも一方の鉄骨梁の前記埋設部分には、水平方向に突出した形状の、前記形鋼からなる突出端部が形成されており、前記繋ぎ部材は、平面視で、他方の鉄骨梁のウェブと、前記突出端部のウェブと、が重なる部分において、前記フランジに接合されている。なお、本発明でいう「突出端部」とは、埋設部分であることを前提として、突出した形状の形鋼からなる端部であればよく、上段鉄骨梁または下段鉄骨梁が、第1鉄骨梁部および第2鉄骨梁部を備える場合には、これらから突出した端部も含む。
このように構成された柱梁接合構造では、繋ぎ部材は突出端部のフランジにも接合されているので、鉄筋コンクリート柱内において、繋ぎ部材を、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁に、より広い範囲で接合することができる。
さらに、鉄筋コンクリート柱に、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁とともに繋ぎ部材を含む部分が埋設されているのであれば、埋設部分が配置された鉄筋コンクリート柱の表面が露出していてもよい。しかしながら、より好ましい態様として、前記埋設部分の外周には、前記鉄筋コンクリート柱を囲うように塞ぎ部材が配置されている。
この構成によれば、塞ぎ部材により、鉄筋コンクリート柱と上段および下段鉄骨梁との接合強度が向上する。また、施工時に、施工途中の鉄筋コンクリート柱を囲うように繋ぎ部材を含む埋設部分を塞ぎ部材で覆い、塞ぎ部材で囲まれた空間内にコンクリートを流し込めば、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁を埋設した鉄筋コンクリート柱を、簡単に形成することができる。
前記塞ぎ部材を備えたより好ましい態様としては、前記塞ぎ部材は、前記上段鉄骨梁および前記下段鉄骨梁に接合されている。この構成によれば、塞ぎ部材に、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁が接合されているため、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁に作用する荷重を、塞ぎ部材に伝達することができ、鉄筋コンクリート柱と上段および下段鉄骨梁との接合強度をさらに高めることができる。また、上段鉄骨梁および下段鉄骨梁が塞ぎ部材に接合されているので、上述した施工時に、塞ぎ部材で囲まれた空間に、コンクリートを流し込んだときに、コンクリートによる塞ぎ部材の変形を抑えることができる。
前記塞ぎ部材を備えたより好ましい態様としては、前記塞ぎ部材は、前記繋ぎ部材に接合されている。この構成によれば、塞ぎ部材に、繋ぎ部材が接合されているため、繋ぎ部材に作用する荷重を、塞ぎ部材に伝達することができ、鉄筋コンクリート柱と上段鉄骨梁および下段鉄骨梁との接合強度をさらに高めることができる。
本発明の柱梁接合構造によれば、鉄筋コンクリート柱に接合された鉄骨梁同士に段差を形成する際に、鉄骨梁同士の段差の大きさに合わせた梁成の鉄骨梁のみによらず、鉄骨梁同士に段差を簡単に形成することができる。
(a)は本発明の第1実施形態に係る柱梁接合構造を適用する建物の躯体の概略斜視図であり、(b)は(a)の鉄筋コンクリート柱のC部の詳細を示す要部斜視図である。 (a)は図1のA部に示す柱梁接合構造の要部を示す立面図であり、(b)は(a)の右側面図であり、(c)は(a)の平面図である。 (a)は図2(a)で示す柱梁接合構造の要部の分解斜視図であり、(b)は(a)の下段鉄骨梁と中間の繋ぎ部材とを接合した状態の分解斜視図であり、(c)は(b)の上段鉄骨梁を繋ぎ部材に接合した状態の斜視図である。 図2で示す柱梁接合構造で用いる塞ぎ部材の分解斜視図である。 図4で示す塞ぎ部材を図3(c)で示す構造に適用した状態の斜視図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る柱梁接合構造の要部立面図であり、(b)は(a)の上段鉄骨梁と下段鉄骨梁との段差を変えた状態の立面図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る柱梁接合構造の鉄骨部分の分解斜視図であり、(b)〜(f)は(a)の繋ぎ部材の変形例の斜視図である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る柱梁接合構造の鉄骨部分の分解斜視図であり、(b)〜(d)はそれぞれ柱梁接合構造の変形例の分解斜視図である。 (a)は本発明の第5実施形態に係る柱梁接合構造の斜視図であり、(b)はその変形例の斜視図である。
以下、本発明に係る柱梁接合構造のいくつかの実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る柱梁接合構造の第1実施形態を適用した建物等の構造物(躯体)について、図1を参照して説明する。図1(a)は、第1実施形態に係る柱梁接合構造U1を適用する建物の構造物1の概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の鉄筋コンクリート柱2のC部の詳細を示す要部斜視図である。なお、図1およびその他の図面に示すX方向およびY方向は、水平方向であり、これらの方向は直交している。
図1(a)に示すように、建物等の構造物1には、複数の鉄筋コンクリート柱2と、上段鉄骨梁10と、下段鉄骨梁20と、を備えた柱梁接合構造U1が適用さている。柱梁接合構造U1は、構造物1の中間のA部およびB部に位置するものである。
本実施形態では、複数の鉄筋コンクリート柱2、2…は、水平方向の断面が略正方形に形成されている。鉄筋コンクリート柱2には、図1(b)に示すように、垂直方向に縦筋となる鉄筋3、3…が所定の間隔で複数本並設されている。この鉄筋3、3…を囲むようにフープ筋4、4…が所定の間隔で上下方向に並設され、鉄筋3、3…同士はワイヤ等で固定され、所定の間隔が保持されている。鉄筋3、3…は水平方向の断面が略正方形の鉄筋コンクリート柱2の四隅に配筋されている。後述する上段鉄骨梁10、下段鉄骨梁20、および繋ぎ部材30(図2参照)は、これらの鉄筋3、3…を避けて配置されている。
これらの鉄筋3、3…、およびフープ筋4、4…を囲むように型枠(図示せず)が組まれ、型枠の内部にコンクリート等が注入されることで、鉄筋コンクリート柱2が、形成される。なお、複数の鉄筋コンクリート柱2、2…は、製造過程の途中の段階を示しており、上部には上階への鉄筋を接続するために、鉄筋3、3…が露出している。
上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20はH形鋼からなり、これらは、鉄筋コンクリート柱2に接合され、鉄筋コンクリート柱2から水平方向に延在している。下段鉄骨梁20は、上段鉄骨梁10よりも下方において水平方向に延在している。具体的には、上段鉄骨梁10は、高さ位置H1で鉄筋コンクリート柱2に接合され、下段鉄骨梁20は、上段鉄骨梁10より低い位置H2で鉄筋コンクリート柱2に接合される。この結果、構造物1の柱梁接合構造U1では、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20との間に、段差Hが形成される。
なお、本実施形態では、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20にH形鋼を適用しているが、例えばI型鋼などの形鋼を適用してもよいことは勿論のことである。また、本実施形態では、図1において、XおよびY方向に延在した各上段鉄骨梁10および各下段鉄骨梁20は、1本のH鋼からなる鉄骨梁として、図示している。しかしながら、各上段鉄骨梁10および各下段鉄骨梁20が、例えば、鉄骨梁本体と、この両端において鉄筋コンクリート柱2に埋設された鉄骨梁端材とからなり、これらがガセットプレート等により連結されたものであってもよい。
本実施形態では、上段鉄骨梁10で囲まれた平面および下段鉄骨梁20で囲まれた平面上には、上段床材S1および下段床材S2が配置されている。上段および下段床材S1、S2は、例えばデッキプレート等の基材の上に例えばメッシュ筋とともにモルタル、コンクリート等が打設されることにより、形成されてもよい。また、上段および下段床材S1、S2は、前記の構成に限られるものでなく、上段鉄骨梁10または下段鉄骨梁20の上に、ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)板を敷設することにより、構成してもよい。
このように構成された構造物1は、例えばトラックバースに適用され、下段床材S2の床面が、トラックが進入する床面として形成され、下段床材S2の床面から上方に段差を有した上段床材S1の床面が、荷下ろし用の床面として形成されている。上段床材S1の床面と下段床材S2の床面との段差Hは、地面からトラックの荷台の高さに相当する大きさとなっている。
本実施形態では、上段床材S1の床面と下段床材S2の床面との段差Hに相当する、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20との段差Hは、最大1300mm程度である。本実施形態では、後述する繋ぎ部材30の高さ(せい)を変更することで、上段鉄骨梁10や下段鉄骨梁20の梁成(梁材の高さ)を変更することなく、段差Hを容易に変更することができる。
以下、本発明に係る柱梁接合構造の第1実施形態の詳細について、図2〜図5を参照して説明する。図2(a)は、図1のA部に示す柱梁接合構造U1の要部を示す立面図であり、図2(b)は、図2(a)の右側面図であり、図2(c)は、図2(a)の平面図である。
図3(a)は、図2(a)で示す柱梁接合構造U1の要部の分解斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の下段鉄骨梁20と中間の繋ぎ部材30とを接合した状態の分解斜視図であり、図3(c)は、図3(b)の上段鉄骨梁10を繋ぎ部材30に接合した状態の斜視図である。図4は、図2で示す柱梁接合構造U1で用いる塞ぎ部材40の分解斜視図である。図5は、図4で示す塞ぎ部材40を図3(c)で示す構造に適用した状態の斜視図である。
以下に、本実施形態に係る柱梁接合構造U1について説明する。柱梁接合構造U1は、鉄筋コンクリート柱2と、鉄筋コンクリート柱2から水平方向に延在した上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20と、これらを接合する繋ぎ部材30と、を備えている。
本実施形態では、上段鉄骨梁10は、H形鋼からなり、Y方向に延在する第1上段鉄骨梁部10Aと、第1上段鉄骨梁部10Aに接合され、第1上段鉄骨梁部10Aと直交する−X方向に延在する第2上段鉄骨梁部10Bと、を備えている。第1上段鉄骨梁部10Aおよび第2上段鉄骨梁部10Bには、上下にフランジ11およびフランジ12が形成されており、これらの間には、フランジ11とフランジ12の中心線に沿ってウェブ13が形成されている。
第1上段鉄骨梁部10Aには、第2上段鉄骨梁部10Bから−Y方向に突出した突出端部14Aが形成されている。同様に、第2上段鉄骨梁部10Bには、第1上段鉄骨梁部10AからX方向に突出した突出端部14Bが形成されている。突出端部14A、14Bの突出長さは、第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bの中心線からの長さがL1(図3a参照)に設定されている。なお、突出端部14A、14Bは、第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bと同じH形鋼からなり、鉄筋コンクリート柱2に埋設される埋設部分となる。
一方、下段鉄骨梁20は、Y方向に延在する第1下段鉄骨梁部20Aと、第1下段鉄骨梁部20Aに接合され、第1下段鉄骨梁部20Aと直交するX方向に延在する第2下段鉄骨梁部20Bと、を備えている。H形鋼からなる第1下段鉄骨梁部20Aおよび第2下段鉄骨梁部20Bには、上下にフランジ21およびフランジ22が形成されており、これらの間には、フランジ21とフランジ22の中心線に沿ってウェブ23が形成されている。
第1下段鉄骨梁部20Aには、第2下段鉄骨梁部20Bから−Y方向に突出した突出端部24Aが形成されている。同様に、第2下段鉄骨梁部20Bには、第1下段鉄骨梁部20Aから−X方向に突出した突出端部24Bが形成されている。突出端部24A、24Bの突出長さは、第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bの中心線からの長さがL1(図3a参照)に設定されている。なお、突出端部24A、24Bは、第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bと同じH形鋼からなり、鉄筋コンクリート柱2に埋設される埋設部分となる。
本実施形態では、突出端部14Aを含む第1上段鉄骨梁部10Aのウェブ13と、突出端部24Aを含む第1下段鉄骨梁部20Aのウェブ23とが、上下に並んで水平方向に延在している。同様に、突出端部14Bを含む第2上段鉄骨梁部10Bのウェブ13と、突出端部24Bを含む第2下段鉄骨梁部20Bのウェブ23とが、上下に並んで水平方向に延在している。
繋ぎ部材30は、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20が鉄筋コンクリート柱2に埋設される埋設部分において、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20とを接合している。具体的には、繋ぎ部材30は、第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bのウェブ13と、第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bのウェブ23との間に位置するように、対向するフランジ12およびフランジ21に接合されている。本実施形態では、繋ぎ部材30は、平面視で、突出端部14A、14Bを含む上段鉄骨梁10のウェブ13と、突出端部24A、24Bを含む下段鉄骨梁20のウェブ23とが重なる部分において、各フランジ12、21に接合されている。
より具体的には、図2(c)に示すように、平面視において上段鉄骨梁10のウェブ13と下段鉄骨梁20のウェブ23とが重なる部分が十字型であり、繋ぎ部材30は、重なる部分において、各フランジ12、21に接合されている。繋ぎ部材30は、X方向に延在する鋼板31と、この鋼板31のX方向の中間位置にY方向に延在するように接合された鋼板32、32とからなり、水平方向の断面が十字型のクロス状に形成されている。繋ぎ部材30の中心から水平方向に延在する鋼板31、32の長さは、略同じであり、長さL1となっている。
鋼板32、32は、突出端部14Aを含む第1上段鉄骨梁部10Aのウェブ13に沿って、フランジ12に接合されるとともに、突出端部24Aを含む第1下段鉄骨梁部20Aのウェブ23に沿って、フランジ21に接合されている。同様に、鋼板31は、突出端部14Bを含む第2上段鉄骨梁部10Bのウェブ13に沿って、フランジ12に接合されるとともに、突出端部24Bを含む第2下段鉄骨梁部20Bのウェブ23に沿って、フランジ21に接合されている。
本実施形態では、繋ぎ部材30が、上段鉄骨梁10のウェブ13と下段鉄骨梁20のウェブ23との間に位置し、繋ぎ部材30と、これに接合された上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の部分は、鉄筋コンクリート柱2に埋設されている。このような結果、繋ぎ部材30により接合された部分の接合強度、およびこの部分と鉄筋コンクリート柱2との接合強度を確保することができる。
また、繋ぎ部材30が、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20のX方向およびY方向に2方向に延在したウェブ13、23の間に位置するので、上段鉄骨梁10の荷重を、繋ぎ部材30を介して、下段鉄骨梁20で安定して受けることができる。特に、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20には、突出端部14A、24A、…が形成され、水平断面が十字型の繋ぎ部材30が、これらのフランジ12、21にも接合されているので、より安定した構造を期待することができる。
さらに、繋ぎ部材30の中心から水平方向に延在した鋼板31、32により形成される4つの端面のそれぞれは、第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bの突出端部14A、14Bの端面と、第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bの突出端部24A、24Bの端面に、一致している。これにより、後述する塞ぎ部材40により、塞ぎ部材40に、突出端部14A、14B、24A、24Bの端面と、繋ぎ部材30の端面とを、簡単に溶接で接合することができる。
具体的には、図5に示すように、塞ぎ部材40は、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20が鉄筋コンクリート柱2に埋設される埋設部分Mの外周に、鉄筋コンクリート柱2を囲むように配置されている。なお、埋設部分Mは、上段鉄骨梁10の上側のフランジ11の上面から、下段鉄骨梁20の下側のフランジ22の下面までの部分である。塞ぎ部材40は、図4に示すように、所定の厚さを有する鋼板をL字状に折り曲げた4つの塞ぎピース41、41…で構成されている。4つの塞ぎピース41、41…の鉛直方向の縦縁部42を、上段鉄骨梁10、下段鉄骨梁20、および繋ぎ部材30に接合することにより、塞ぎピース41は一体化されている。
本実施形態では、塞ぎ部材40の各塞ぎピース41の縦縁部42には、水平方向に沿って複数の切り欠き部43、43…が形成されている。各切り欠き部43は、隣接する塞ぎピース41、41同士で上段鉄骨梁10のウェブ13、繋ぎ部材30、および下段鉄骨梁20のウェブ23を挟み込んだ状態で、上段鉄骨梁10のフランジ11、12および下段鉄骨梁20のフランジ21、22が水平方向から挿入可能な形状になっている。
塞ぎ部材40は、図5に示すように、繋ぎ部材30に接合された上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の周囲に配置され、各塞ぎピース41は、これらに、すみ肉溶接等により接合されている。具体的には、隣接する塞ぎピース41、41同士で上段鉄骨梁10のウェブ13、繋ぎ部材30、下段鉄骨梁20のウェブ23と、これらを挟み込んだ塞ぎピース41の部分が接合されている。さらに、この状態で、上段鉄骨梁10のフランジ11、12および下段鉄骨梁20のフランジ21、22と、これらを挿入した塞ぎピース41の切欠き部43の周りが接合されている。
このように、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20は、塞ぎ部材40に接合されるため、これらを埋設した埋設部分Mにおいて、鉄筋コンクリート柱2と上段および下段鉄骨梁10、20との接合強度が向上する。また、繋ぎ部材30も塞ぎ部材40に接合されているため、鉄筋コンクリート柱2と上段および下段鉄骨梁10、20との接合強度をさらに高めることができる。
上段鉄骨梁10、繋ぎ部材30、および下段鉄骨梁20に接合された4つの塞ぎピース41、41…は略四角筒状に形成され、鉄筋コンクリート柱2の外周面に接する大きさとなっており、塞ぎ部材40の内周側は空間が形成されている。この空間には複数の鉄筋3、3…が鉄筋コンクリート柱2の鉄筋に連続して挿入され、塞ぎ部材40の内側に充填されたコンクリートCRで上段鉄骨梁10の一部、繋ぎ部材30、下段鉄骨梁20の一部が埋設されている。これにより、鉄筋コンクリート柱2と上段および下段鉄骨梁10、20との接合強度を高めることができる。
構造物1を構築するときは、基礎等から立ち上げられた複数の鉄筋コンクリート柱2、2…の上部に、上段鉄骨梁10、繋ぎ部材30、および下段鉄骨梁20を設置する。上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20を効率よく設置するために、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の端部を含む一部が分割された鉄骨梁に、繋ぎ部材30および塞ぎ部材40を接合した鉄骨ユニットを、各鉄筋コンクリート柱2に載置した後、コンクリートを打設してもよい。その後、各鉄筋コンクリート柱2の間に、残りの上段および下段鉄骨梁の本体部分(H形鋼)を連結し、柱梁接合構造U1をより簡単に形成することができる。
本実施形態では、繋ぎ部材30に接合された上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の部分は、塞ぎ部材40に接合されている。このため、上述した施工時に、塞ぎ部材40で囲まれた空間に、コンクリートCRを流し込んだときに、コンクリートCRによる塞ぎ部材40の変形を抑えることができる。また、繋ぎ部材30は、鉛直方向に立設されているので、塞ぎ部材40で囲まれた空間に、コンクリートCRを均一に流し込み易くなる。
また、上段鉄骨梁10、繋ぎ部材30、および下段鉄骨梁20は、外周側が塞ぎ部材40で覆われた状態にある。この状態で塞ぎ部材40の空間にコンクリートCRが充填されるため、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20と、鉄筋コンクリート柱2が接合された部分の強度を高めることができる。
本実施形態の柱梁接合構造U1によれば、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20との段差に合わせた梁成の高い鉄骨を用いることなく、繋ぎ部材30の高さを調整することで、これらに大きな段差Hを容易に得ることができる。また、梁成を大きくすることで梁の強度が大きくなり、これに対応するために鉄筋コンクリート柱2、2…の強度を高めることが不要となるため、設計の単純化、部材の均一化とともに、コストダウンを達成することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る柱梁接合構造U2を図6に基づき詳細に説明する。図6(a)は本発明の第2実施形態に係る柱梁接合構造U2の要部立面図であり、図6(b)は図6(a)の繋ぎ部材30の高さを変更した要部を示す立面図である。本実施形態が、第1実施形態と相違する点は、柱梁接合構造に対して塞ぎ部材を省略した点であり、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図6(a)において、第1実施形態と同様に、柱梁接合構造U2は、水平方向に延在した上段鉄骨梁10と、これらの上段鉄骨梁10と異なる高さで水平方向に延在した下段鉄骨梁20と、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20とを接合する繋ぎ部材30と、を備えている。本実施形態でも、繋ぎ部材30に接合された上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20の部分が、鉄筋コンクリート柱2に埋設されている。
柱梁接合構造U2では、繋ぎ部材30に接合された上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20を、これより下方に形成された鉄筋コンクリート柱2の上部に載置し、鉄筋コンクリート柱2の外周面に沿って組まれた型枠(図示せず)の内部にコンクリートCRを打設する。これにより、上段鉄骨梁10、下段鉄骨梁20、および繋ぎ部材30の一部を、鉄筋コンクリート柱2に埋設することができる。上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20との段差Hを小さくするときは、図6(b)に示すように、中間に位置する繋ぎ部材30の高さH3を小さくすることで、段差H4を容易に変更することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る柱梁接合構造U3を図7に基づき詳細に説明する。図7(a)は本発明の第3実施形態に係る柱梁接合構造U3の鉄骨部分の分解斜視図であり、図7(b)〜(f)は図1(a)の繋ぎ部材の変形例の斜視図である。なお、本実施形態は上述した実施形態に対し、繋ぎ部材30の形状が異なる。本実施形態でも、上述した実施形態と実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では、必要に応じて、第1実施形態で示した塞ぎ部材が設けられている。
図7(a)において、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20とは、上述した実施形態と同じ構成であり、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20を接合する繋ぎ部材33は、1枚の鋼板で成形されたものである。繋ぎ部材33は、平面視で上段鉄骨梁10の第2上段鉄骨梁部10Bのウェブ13と、下段鉄骨梁20の第2下段鉄骨梁部20Bのウェブ23とが重なる部分において配置されている。鋼板の厚さは必要とする強度に合わせて適宜厚さを変更できる。この繋ぎ部材33の上辺部33aが、第2上段鉄骨梁部10Bのウェブ13に合わせてフランジ12に接合され、繋ぎ部材33の下辺部33bが、第2下段鉄骨梁20Bのウェブ23に合わせてフランジ21に接合されている。
図7(b)に示す繋ぎ部材34はI形鋼で成形されたものである。繋ぎ部材34は、平面視で上段鉄骨梁10の第2上段鉄骨梁部10Bのウェブ13と、下段鉄骨梁20の第2下段鉄骨梁部20Bのウェブ23とが重なる部分において配置されている。本変形例では、繋ぎ部材34の上部の幅広部34aが、上段鉄骨梁10のウェブ13に合わせてフランジ12に接合され、繋ぎ部材34の下部の幅広部34bが、下段鉄骨梁20のウェブ23に合わせてフランジ21に接合されている。
図7(c)に示す繋ぎ部材35はC形鋼又は溝形鋼で成形されたものである。本変形例では、繋ぎ部材35の上部35aが、上段鉄骨梁10のウェブ13に合わせてフランジ12に接合され、繋ぎ部材35の下部35bが、下段鉄骨梁20のウェブ23に合わせてフランジ21に接合されている。
図7(d)に示す繋ぎ部材36はH形鋼が延在方向を鉛直方向に設置したものである。本変形例では、繋ぎ部材36のウェブ36aが、上段鉄骨梁10のウェブ13に合わせてフランジ12に接合され、繋ぎ部材36のウェブ36aが、下段鉄骨梁20のウェブ23に合わせてフランジ21に接合されている。
図7(e)に示す繋ぎ部材37は円筒柱で成形されたものである。本変形例では、繋ぎ部材37の上端部37aが、上段鉄骨梁10のウェブ13に合わせてフランジ12に接合され、繋ぎ部材37の下端部37bが、下段鉄骨梁20のウェブ23に合わせてフランジ21に接合されている。なお、本変形例では、繋ぎ部材37に円筒柱を用いたが、円柱または角柱等であってもよい。
図7(f)に示す繋ぎ部材38は4枚の鋼板からなる繋ぎ板38aにより構成されている。本変形例では、各繋ぎ板38aは、第1実施形態に係る鋼板31、32、32が配置されている箇所と略同じ箇所に離間して配置されている。
第3実施形態に示す繋ぎ部材33〜38でも、上段鉄骨梁10の荷重を、繋ぎ部材33〜38を介して、下段鉄骨梁20に伝達できるため、繋ぎ部材33〜38により接合された部分の強度を高めることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図8に基づき詳細に説明する。図8(a)は本発明の第4実施形態に係る柱梁接合構造U4の鉄骨部分の分解斜視図であり、図8(b)〜(d)はそれぞれ柱梁接合構造U4の変更例の分解斜視図である。なお、本実施形態は上述した実施形態に対し、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の形状が異なり、この形状に応じた繋ぎ部材が適用されている。本実施形態でも、上述した実施形態と実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では、必要に応じて、第1実施形態で示した塞ぎ部材が設けられている。
図8(a)において、上段鉄骨梁10は、Y方向のみのH形鋼からなり、下段鉄骨梁20は、X方向のみのH形鋼からなる。繋ぎ部材37は、図7(e)に示す円筒柱で形成されている。繋ぎ部材37は、ウェブ13、23との間に位置するように、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20のフランジ12、21に接合されている。
図8(b)において、この変形例では、上段鉄骨梁10は、X方向のみに延在したH形鋼からなり、下段鉄骨梁20は、X方向のみのH形鋼からなる。繋ぎ部材33は、図7(a)に示す1枚の鋼板で形成さている。繋ぎ部材33は、平面視で上段鉄骨梁10のウェブ13と下段鉄骨梁20のウェブ23とが重なる部分において、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20のフランジ12、21に接合されている。
図8(c)において、この変形例では、上段鉄骨梁10は、相互に直交する第1上段鉄骨梁部10Aと、第2上段鉄骨梁部10Bと、からなり、第1実施形態に示す突出端部14A、14Bは形成されていない。同様に、下段鉄骨梁20は、相互に直交する第1下段鉄骨梁部20Aと、第2下段鉄骨梁部20Bと、からなり、第1実施形態に示す突出端部24A、24Bは形成されていない。繋ぎ部材39は、平面視でウェブ13、23が重なる部分において、フランジ12およびフランジ21に接合されている。
図8(d)において、この変形例では、上段鉄骨梁10は、X方向のみに延在したH形鋼と、下段鉄骨梁20は、X方向のみに延在したH形鋼からなる点は、図8(b)に示す変形例と同じである。この変形例では、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の鉄筋コンクリート柱に埋設される埋設部分には、3方向に突出端部14C〜14E、24C〜24Eがさらに形成されている。繋ぎ部材30は、第1実施形態と同じであり、平面視において、3方向に突出した突出端部14C〜14Eを含む上段鉄骨梁10と、3方向に突出した突出端部24C〜24Eを含む下段鉄骨梁20のウェブ13、23が重なる十字型の位置において、フランジ12、21に接合されている。突出端部14C〜14E、24C〜24Eの各端面は、繋ぎ部材30の上下方向に位置する4つの各端面と一致しており、これらは、上述した塞ぎ部材に接合されていてもよい。
図8(a)〜図8(d)に示すように、本実施形態では、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の形状およびこれらが延在する方向によらず、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の端部が上下に位置する場合には、これらを繋ぎ部材で接合することができる。これにより、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20に簡単に段差を設けることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図9に基づき詳細に説明する。図9(a)は本発明の第5実施形態に係る柱梁接合構造U5の斜視図であり、図9(b)はその変形例の斜視図である。なお、本実施形態は上述した実施形態に対し、上段鉄骨梁10および下段鉄骨梁20の形状が異なる点である。本実施形態でも、上述した実施形態と実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。なお、本実施形態では、必要に応じて、第1実施形態で示した塞ぎ部材が設けられている。
図9(a)に示すように、本実施形態に係る上段鉄骨梁10は、Y方向に延在した第1上段鉄骨梁部10Aと、第1上段鉄骨梁部10Aの端部の両側から延在した第2上段鉄骨梁部10Bとからなる。下段鉄骨梁20は、平面視において、第1上段鉄骨梁部10Aの端部のウェブ13と、下段鉄骨梁20の端部のウェブ23が重なるように、第1上段鉄骨梁部10Aが延在する方向と反対方向(−Y方向)に延在している。
さらに、第1上段鉄骨梁部10Aの埋設部分には、第2上段鉄骨梁部10Bから水平方向に突出した形鋼からなる突出端部14Aが形成されている。下段鉄骨梁20は、図8(d)に示した下段鉄骨梁20と略同じ形状である。下段鉄骨梁20には、埋設部分の一部となり、第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bに沿って、水平方向に突出した形鋼からなる3つの突出端部24C〜24Eが形成されている。各突出端部24C〜24Eは、隣接する突出端部同士が直交する方向に延在している。
突出端部24C〜24Eを含む下段鉄骨梁20のウェブ23と、突出端部14Aを含む第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bのウェブ13とが、平面視で重なる部分は十字型になっており、この重なった部分に、第1実施形態に示した水平断面が十字型の繋ぎ部材30が配置されている。繋ぎ部材30は、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20のフランジ12、21に接合されている。
この実施形態によれば、上段鉄骨梁10の第1上段鉄骨梁部10Aとその端部の両側から延在する第2上段鉄骨梁部10Bに、上段床材S1が載置されるので、上段床材S1は安定して支持される。また、上段鉄骨梁10の第2上段鉄骨梁部10Bに沿ってフランジ12に取付けられた複数の吊り部材51に下段床材S2を吊した状態で、下段床材S2は、下段鉄骨梁20に載置される。これにより、下段床材S2も安定して下段鉄骨梁20で支持することができる。このように、上段鉄骨梁10のみに、第1および第2上段鉄骨梁部10A、10Bを設けることで、段差Hを有した上段および下段床材S1、S2を備えた床構造を得ることができる。このような結果、第1実施形態の如く、上下段に平行の鉄骨梁を設けずに、より安価に段差を有した床構造を得ることができる。
図9(b)において、この変形例では、下段鉄骨梁20は、−Y方向に延在した第1下段鉄骨梁部20Aと、第1下段鉄骨梁部20Aの端部の両側から延在した第2下段鉄骨梁部20Bとからなる。上段鉄骨梁10は、平面視で、第1下段鉄骨梁部20Aの端部のウェブ23と、上段鉄骨梁10の端部のウェブ13が重なるように、第2下段鉄骨梁部20Aが延在する方向と反対方向(Y方向)に延在している。
さらに、第1下段鉄骨梁部20Aの埋設部分には、第2下段鉄骨梁部20Bから水平方向に突出した形鋼からなる突出端部24Aが形成されている。上段鉄骨梁10は、図8(d)に示した上段鉄骨梁10と略同じ形状である。上段鉄骨梁10には、埋設部分の一部となり、第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bに沿って、水平方向に突出した形鋼からなる3つの突出端部14C〜14Eが形成されている。各突出端部14C〜14Eは、隣接する突出端部が直交する方向に延在している。
突出端部14C〜14Eを含む上段鉄骨梁10のウェブ13と、突出端部14Aを含む第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bのウェブ23とが、平面視で重なる部分は十字型になっており、この重なった部分に、第1実施形態に示した水平断面が十字型の繋ぎ部材30が配置されている。繋ぎ部材30は、上段鉄骨梁10と下段鉄骨梁20のフランジ12、21に接合されている。
この変形例によれば、下段鉄骨梁20の第1下段鉄骨梁部20Aとその端部の両側から延在する第2下段鉄骨梁部20Bに、下段床材S2が載置されるので、下段床材S2は安定して支持される。また、下段鉄骨梁20の第2下段鉄骨梁部20Bに沿ってフランジ21に取り付けられた束などの複数の支持部材52で上段床材S1を支持した状態で、上段床材S1は、上段鉄骨梁10に載置される。これにより、上段床材S1を安定して支持することができる。このように、下段鉄骨梁20のみに、第1および第2下段鉄骨梁部20A、20Bを設けることで、段差Hを有した上段および下段床材S1、S2を備えた床構造を得ることができる。このような結果、第1実施形態の如く、上下段に平行の鉄骨梁を設けずに、より安価に段差を有した床構造を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
鉄筋コンクリート柱に接合される上段鉄骨梁および下段鉄骨梁は、1方向あるいは2方向に延在する例を示したが、3方向あるいは4方向に延在するものでもよいことは勿論である。また、上段鉄骨梁に対して、下段鉄骨梁の延在方向は、反対方向、直角方向に限らず、所定の角度で延在するものでもよい。さらに、鉄筋コンクリート柱は水平断面が略正方形の例を示したが、これに限られるものでなく、円形等の適宜の形状のものでもよいことは勿論のことである。
1:構造物、2:鉄筋コンクリート柱、10:上段鉄骨梁、10A:第1上段鉄骨梁部(第1鉄骨梁部)、10B:第2上段鉄骨梁部(第2鉄骨梁部)、11、12:フランジ、14A,14B:突出端部、14C〜14E:突出端部、13:ウェブ、20:下段鉄骨梁、20A:第1下段鉄骨梁部(第1鉄骨梁部)、20B:第2下段鉄骨梁部(第2鉄骨梁部)、21、22:フランジ、23:ウェブ、24A,24B:突出端部、24C〜24E:突出端部、30、33〜39:繋ぎ部材、40:塞ぎ部材、U1〜U5:柱梁接合構造、M:埋設部分

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリート柱と、前記鉄筋コンクリート柱から水平方向に延在した形鋼からなる上段鉄骨梁と、前記上段鉄骨梁よりも下方において、前記鉄筋コンクリート柱から水平方向に延在した形鋼からなる下段鉄骨梁と、を備えた柱梁接合構造であって、
    前記上段鉄骨梁と前記下段鉄骨梁とが前記鉄筋コンクリート柱に埋設される埋設部分において、前記上段鉄骨梁と前記下段鉄骨梁とを接合する繋ぎ部材を備えており、
    前記繋ぎ部材は、前記上段鉄骨梁のウェブと前記下段鉄骨梁のウェブとの間に、前記繋ぎ部材の少なくとも一部が位置するように、前記上段鉄骨梁と前記下段鉄骨梁との対向するフランジに接合されている柱梁接合構造。
  2. 前記埋設部分において、前記上段鉄骨梁のウェブと、前記下段鉄骨梁のウェブとは、平面視で、重なる部分を有しており、
    前記繋ぎ部材は、平面視で、前記上段鉄骨梁のウェブと、前記下段鉄骨梁のウェブと、が重なる部分において、前記フランジに接合されている請求項1に記載の柱梁接合構造。
  3. 前記上段鉄骨梁および前記下段鉄骨梁のうち少なくとも一方の鉄骨梁は、水平方向に延在する第1鉄骨梁部と、前記第1鉄骨梁部に接合され、前記第1鉄骨梁部と直交する水平方向に延在する第2鉄骨梁部と、を備えており、
    前記繋ぎ部材は、平面視で、他方の鉄骨梁のウェブと、前記第1および第2鉄骨梁部のウェブと、が重なる部分において、前記フランジに接合されている請求項1または2に記載の柱梁接合構造。
  4. 前記上段鉄骨梁または前記下段鉄骨梁のうち少なくとも一方の鉄骨梁の前記埋設部分には、水平方向に突出した形状の、前記形鋼からなる突出端部が形成されており、
    前記繋ぎ部材は、平面視で、他方の鉄骨梁のウェブと、前記突出端部のウェブと、が重なる部分において、前記フランジに接合されている請求項1〜3のいずれかに記載の柱梁接合構造。
  5. 前記埋設部分の外周には、前記鉄筋コンクリート柱を囲うように塞ぎ部材が配置されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の柱梁接合構造。
  6. 前記塞ぎ部材は、前記上段鉄骨梁および前記下段鉄骨梁に接合されている請求項5に記載の柱梁接合構造。
  7. 前記塞ぎ部材は、前記繋ぎ部材に接合されている請求項5または6に記載の柱梁接合構造。
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