JP2010202074A - 騒音制御装置及び騒音制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化した場合であっても騒音を精度よく推定する。
【解決手段】伝達関数更新部27が、加速度信号αの大きさの比率と伝達関数Gα SPLとの関係を予め記憶し、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合、騒音を推定する際に用いる伝達関数Gα SPLを変化後の加速度信号αの大きさの比率に対応する伝達関数Gα SPLに更新する。これにより、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合、加速度信号αの大きさの比率と伝達関数Gα SPLの整合を取ることができるので、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合であっても騒音を精度よく推定することができる。
【選択図】図6
【解決手段】伝達関数更新部27が、加速度信号αの大きさの比率と伝達関数Gα SPLとの関係を予め記憶し、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合、騒音を推定する際に用いる伝達関数Gα SPLを変化後の加速度信号αの大きさの比率に対応する伝達関数Gα SPLに更新する。これにより、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合、加速度信号αの大きさの比率と伝達関数Gα SPLの整合を取ることができるので、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合であっても騒音を精度よく推定することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、音波や振動等の波動を騒音に重ね合わせることにより騒音を低減する騒音制御装置及び騒音制御方法に関する。
従来より、騒音を低減したい所定空間とは別の場所に複数の振動センサを設置し、複数の振動センサにより検出された振動から所定空間の騒音を推定し、推定結果に基づいて騒音を打ち消すように所定空間に振動を印加する車両用騒音制御装置が知られている。
従来の車両用騒音制御装置は、複数の振動センサ間における振動の大きさの比率(バランス)に対応した伝達モデルを用いて所定空間の騒音を推定する。このため、車両のタイヤが応急タイヤに変更される等して車両の走行環境が変化することにより、複数の振動センサ間における振動の大きさの比率が変化した場合、振動の大きさの比率と伝達モデルとの間で不整合が生じ、所定空間の騒音を精度よく推定することができなくなる可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化した場合であっても騒音を精度よく推定可能な騒音制御装置及び騒音制御方法を提供することにある。
本発明は、複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化したと判別した場合、騒音を推定する際に用いる制御特性を変化後の検出信号の大きさの比率に対応する制御特性に更新する。
本発明によれば、複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化したと判別した場合、複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率の変化に合わせて複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率と制御特性の整合を取るので、複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化した場合であっても騒音を精度よく推定できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる騒音制御装置について説明する。なお本実施形態の騒音制御装置は、車両が走行している路面の凹凸に起因する騒音(以下、ロードノイズと表記)を低減することを目的とするものであるが、本発明は本実施形態に限定されることはなく、エンジンの振動に起因するエンジン騒音,車両走行時に空気の気流によって発生する風切音等、ロードノイズ以外の騒音の低減にも適用することができる。
〔ロードノイズの伝播経路〕
始めに、図1(a),(b)を参照して、ロードノイズの伝播経路について説明する。一般に、タイヤ50を介して車体に伝達したロードノイズの主成分となる振動は、図1(b)に示すように、車軸51及びサスペンション52の取付部を介してメンバ53(剛性が高い梁状の部材)に伝達した後、図1(a)に示すように、メンバ53によって囲まれたフロアパネル54(比較的剛性が低い板状部材)に伝達することによりフロアパネル54を振動させる。そしてフロアパネル54が振動することによって車室内の空気が振動し、車室内に共振現象が生じることにより、車室空間(以下、制御空間と表記)55内においてロードノイズが聞こえるようになる。
始めに、図1(a),(b)を参照して、ロードノイズの伝播経路について説明する。一般に、タイヤ50を介して車体に伝達したロードノイズの主成分となる振動は、図1(b)に示すように、車軸51及びサスペンション52の取付部を介してメンバ53(剛性が高い梁状の部材)に伝達した後、図1(a)に示すように、メンバ53によって囲まれたフロアパネル54(比較的剛性が低い板状部材)に伝達することによりフロアパネル54を振動させる。そしてフロアパネル54が振動することによって車室内の空気が振動し、車室内に共振現象が生じることにより、車室空間(以下、制御空間と表記)55内においてロードノイズが聞こえるようになる。
なお騒音はフロアパネル54の他にルーフパネルや窓ガラスが振動することによっても発生するが、サスペンション52の取付部から伝達するロードノイズの大部分はフロアパネル54の振動と関連性が高いことが知られている。従ってフロアパネル54の振動に応じた騒音制御を行うことにより、ロードノイズを低減させることができる。但し本発明は、フロアパネル54の振動による騒音の低減に限定されることはなく、ダッシュパネル,フロントガラス,ルーフパネル等の同じメカニズムで発生する車室内の騒音源にも適用することができる。
〔騒音制御装置の構成〕
次に、図2を参照して、本発明の実施形態となる騒音制御装置の構成について説明する。
次に、図2を参照して、本発明の実施形態となる騒音制御装置の構成について説明する。
本発明の実施形態となる騒音制御装置は、車両に搭載され、図2に示すように、車両のフロアパネル54の振動を測定する加速度センサ1と、フロアパネル54に振動を与えるピエゾアクチュエータ2と、加速度センサ1の出力信号に基づいてピエゾアクチュエータ2の駆動を制御することにより制御空間55内の騒音を低減する制御装置本体3とを主な構成要素として備える。
〔加速度センサ及びピエゾアクチュエータの構成〕
車両が走行している路面からタイヤに入力される加振力はフロアパネルを振動させ、図3に破線Aで示すようにフロアパネルに設置された加速度センサ1において加振力に起因した振動が検出される。またフロアパネルの振動は車室内騒音を発生させることから、図3に実線Bで示すように制御空間55内において加振力に起因した騒音が発生する。一方、ピエゾアクチュエータ2が制振振動によりフロアパネルを振動させることから、図3に破線Cで示すように加速度センサ1において制振振動に起因した振動が検出される。またタイヤ50に入力された加振力の場合と同様、図3に一点破線Dで示すように制御空間55内において制振振動に起因した騒音が発生する。
車両が走行している路面からタイヤに入力される加振力はフロアパネルを振動させ、図3に破線Aで示すようにフロアパネルに設置された加速度センサ1において加振力に起因した振動が検出される。またフロアパネルの振動は車室内騒音を発生させることから、図3に実線Bで示すように制御空間55内において加振力に起因した騒音が発生する。一方、ピエゾアクチュエータ2が制振振動によりフロアパネルを振動させることから、図3に破線Cで示すように加速度センサ1において制振振動に起因した振動が検出される。またタイヤ50に入力された加振力の場合と同様、図3に一点破線Dで示すように制御空間55内において制振振動に起因した騒音が発生する。
実際には図4に示すように、複数のタイヤ50から複数のタイヤ加振力が入力され、複数のタイヤ加振力による騒音が重なり合ってロードノイズとなる。従って騒音制御を行うためには、騒音源に含まれる独立した騒音成分を全て抽出する必要があることから、加速度センサ1の数は騒音成分の数より多くする必要がある。またピエゾアクチュエータ2については、制御空間55での騒音を低減するために十分な数が車体のフロアパネルの適切な位置に貼り付けられる。本実施形態では、図4に示すように、制御空間55を2つ(55a,55b)として、加速度センサ1は5つ(1a〜1e)、ピエゾアクチュエータ2は4つ(2a〜2d)設けられている。
このようにタイヤ加振力,加速度センサ,ピエゾアクチュエータ,及び制御空間が複数存在する場合、各加速度センサでは、全てのタイヤ加振力とピエゾアクチュエータによる振動とが重なり合って検出され、各制御空間では、全てのタイヤ加振力とピエゾアクチュエータによる振動とが重なり合って発生する。従って、フロアパネル上に配置する加速度センサの数及びその配置位置は、各加速度センサと制御空間における騒音の音圧との間のコヒーレンシーが十分高くなるように(例えば0.9以上)決定することが望ましい。なおコヒーレンシーCxy(ω)は、以下の数式1により定義され、信号xと信号yとの間の因果関係の度合いを表す。数式1中、Pxyは信号xと信号yとの間のクロスパワースペクトル、Pxxは信号xのオートパワースペクトル、Pyyは信号yのオートパワースペクトルを示す。またPHはPのエルミート転置行列を示す。
〔制御装置本体の構成〕
制御装置本体3は、図2に示すように、加速度センサ1により検出されたアナログ形態の加速度信号αを増幅する増幅部4,増幅部4により増幅された加速度信号αをデジタル形態に変換するA/D変換部5と、ピエゾアクチュエータ2の駆動を制御する制御指令信号を算出する制御指令値算出部6,制御指令信号算出部6により算出された制御指令信号をアナログ形態に変換するD/A変換部7,及びアナログ形態の制御指令信号を増幅してピエゾアクチュエータ2に出力する増幅部8を備え、ピエゾアクチュエータ2は増幅部8から出力された制御指令信号に従ってフロアパネルを振動させる。なお加速度センサ1がいわゆるチャージタイプである場合、増幅部4は加速度センサ1により検出された電荷を電圧信号に変換した後にA/D変換部5に出力する。
制御装置本体3は、図2に示すように、加速度センサ1により検出されたアナログ形態の加速度信号αを増幅する増幅部4,増幅部4により増幅された加速度信号αをデジタル形態に変換するA/D変換部5と、ピエゾアクチュエータ2の駆動を制御する制御指令信号を算出する制御指令値算出部6,制御指令信号算出部6により算出された制御指令信号をアナログ形態に変換するD/A変換部7,及びアナログ形態の制御指令信号を増幅してピエゾアクチュエータ2に出力する増幅部8を備え、ピエゾアクチュエータ2は増幅部8から出力された制御指令信号に従ってフロアパネルを振動させる。なお加速度センサ1がいわゆるチャージタイプである場合、増幅部4は加速度センサ1により検出された電荷を電圧信号に変換した後にA/D変換部5に出力する。
〔制御指令信号算出部の構成〕
制御指令信号算出部6は、マイクロコンピュータにより構成され、制御周期(例えば1msec)毎に制御指令信号を演算する。本実施形態では、制御指令信号算出部6は、図5に示すように、騒音推定部11と算出部12を有する。騒音推定部11は、加速度信号αを用いて制御空間の騒音を推定する。算出部12は、騒音推定部11により推定した制御空間の騒音を低減するよう制御指令信号を算出する。
制御指令信号算出部6は、マイクロコンピュータにより構成され、制御周期(例えば1msec)毎に制御指令信号を演算する。本実施形態では、制御指令信号算出部6は、図5に示すように、騒音推定部11と算出部12を有する。騒音推定部11は、加速度信号αを用いて制御空間の騒音を推定する。算出部12は、騒音推定部11により推定した制御空間の騒音を低減するよう制御指令信号を算出する。
〔騒音推定部の構成〕
騒音推定部11は、図6に示すように,加速度信号αから制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gα SPLを表すブロック22,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gp SPLを表すブロック23,ピエゾアクチュエータ2から加速度センサ1までの伝達関数Gp αを表すブロック24,減算器25,加算器26,及び伝達関数更新部27を有する。なお図6に示すブロック図は全て1本の信号線で構成されているが、加速度センサ1やピエゾアクチュエータ2が複数ある場合には複数本の信号線を表す。またこの場合、ブロック22,23,24,27と減算器25及び加算器26は多入出力系になる。
騒音推定部11は、図6に示すように,加速度信号αから制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gα SPLを表すブロック22,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gp SPLを表すブロック23,ピエゾアクチュエータ2から加速度センサ1までの伝達関数Gp αを表すブロック24,減算器25,加算器26,及び伝達関数更新部27を有する。なお図6に示すブロック図は全て1本の信号線で構成されているが、加速度センサ1やピエゾアクチュエータ2が複数ある場合には複数本の信号線を表す。またこの場合、ブロック22,23,24,27と減算器25及び加算器26は多入出力系になる。
騒音推定部11は、外乱による騒音とピエゾアクチュエータ2が発生する音圧とを加算器26で加算し、制御空間音圧SPLとして出力する。外乱による騒音は、制御指令信号と伝達関数Gp αを乗算することによりピエゾアクチュエータ2の波動による振動を推定し、減算器25により加速度信号αから推定された振動を減算し、減算値に伝達関数Gα SPLを乗算することにより、推定される。ピエゾアクチュエータ2が発生する音圧は制御指令信号に伝達関数Gp SPLを乗算することにより推定される。
常に同じ伝達関数Gα SPLを用いて制御空間音圧を推定した場合、車両の走行状況によっては精度のよい結果が得られなくなることがある。そこで伝達関数Gα SPLは車両の走行状況に応じて変化させることが望ましい。 図7は、伝達関数Gα SPLが変化する例として、加振外乱の入力が変化した場合の制御空間音圧SPLの推定結果を示す。図7の横軸は推定の試行回数を示し、縦軸は制御空間音圧SPLを示す。なおここでは簡単のため、ある周波数において2個の加振外乱が入力された時のある1つの制御空間音圧SPLを2個のセンサを用いて推定する状況を考える。
図7に示す推定結果1は、現在の2個の加振外乱のオートパワースペクトルの比率が伝達関数Gα SPLを同定した時と同じ状況で制御空間音圧SPLを推定した結果を示す。また推定結果2は,現在の2個の加振外乱のオートパワースペクトルの比率が伝達関数Gα SPLを同定した時と異なる状況で制御空間音圧SPLを推定した結果を示す。この推定結果から、2つの加振外乱のパワースペクトルの比が伝達関数Gα SPLを同定した時と異なると、推定した音圧レベルが実際の音圧レベルと大きく異なり、制御空間音圧SPLを正確に推定できなくなることがわかる。このように加振外乱の入力が変化する状況としては、例えばスプリットミュー路を走行している場合やテンパータイヤを履いて走行している状態等が考えられる。
そこで本実施形態では、加振外乱入力の大きさの比率が変化した場合、伝達関数更新部27が、伝達関数Gα SPLを適切に更新することにより、制御空間音圧SPLの推定精度が悪化することを抑制する。但し実際には、本実施形態で対象としているロードノイズ等の加振外乱入力を計測することはできないので、伝達関数更新部27は、加速度信号αの大きさの比率を用いて伝達関数Gα SPLを更新する。これは、加振外乱入力の大きさの比率が変化した場合、加速度信号αの大きさの比率も変化するためである。
伝達関数更新部27は、伝達関数Gα SPLを適切に更新するために、走行中に起こり得る加振外乱入力の大きさの比率(スプリットミュー路走行時やテンパータイヤ装着時等)を想定して予めそれぞれの加振外乱状態毎に加速度と制御空間騒音を測定し、上述の方法で伝達関数Gα SPLを求めてメモリに保存しておく。走行中に加速度信号αが閾値Tα以下になる場合、加速度信号のSN比が悪く、そのまま制御空間音圧の推定に用いると推定精度を悪化させてしまう。このため伝達関数更新部27は、このような状況を想定して加速度信号αを0とした時の伝達関数Gα SPLも求めてメモリに保存しておく。また伝達関数更新部27は、走行中に加速度信号αの大きさの比率が変化したか否かを判断するため、各加速度信号αを所定時間記録しておく。
なお加速度信号αの閾値Tαは、加速度信号αがA/D変換部5におけるAD変換の最小分解能又は加速度センサ1の最小分解能のいずれか大きい方の値に設定すればよい。また伝達関数更新部27は、伝達関数Gα SPLの付帯情報として伝達関数作成時の加速度信号αのオートパワースペクトルの平均値の比率も保存しておくとよい。また加速度信号αのオートパワースペクトルの制御周波数帯域において、信号部分空間の特異値数の重み付き平均を保存しておくようにしてもよい。この場合、使用する重みを例えば一般的な路面を通常タイヤで走行している時の音圧とすることにより、制御空間音圧が大きい所程、外乱数の変化に敏感にすることができる。
〔伝達関数Gα SPLの更新処理〕
以下、図8に示すフローチャートを参照して、伝達関数Gα SPLの更新方法について説明する。図8に示すフローチャートは、所定制御周期毎に開始され、更新処理はステップS1の処理に進む。
以下、図8に示すフローチャートを参照して、伝達関数Gα SPLの更新方法について説明する。図8に示すフローチャートは、所定制御周期毎に開始され、更新処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、伝達関数更新部27が、全ての加速度信号αが閾値Tα以上であるか否かを判別する。判別の結果、全ての加速度信号αが閾値Tα以上である場合、伝達関数更新部27は、更新処理をステップS2の処理に進める。一方、全ての加速度信号が閾値Tα以上でない場合には、伝達関数更新部27は更新処理をステップS8の処理に進める。
ステップS2の処理では、伝達関数更新部27が、メモリに記憶されている加速度信号αのオートパワースペクトルのデータを読み出し、その平均値を用いて各加速度信号αの大きさの比率を算出する。そして伝達関数更新部27は、今回の処理により算出された比率と前回の処理により算出された比率とを比較し、今回の処理により算出された比率が閾値Tps以上変化しているか否かを判別する。判別の結果、比率が閾値Tps以上変化している場合、伝達関数更新部27は更新処理をステップS3の処理に進める。一方、比率が閾値Tps以上変化していない場合には、伝達関数更新部27は更新処理をステップS1の処理に戻す。なお閾値Tpsは、加速度信号αの大きさの比率が変化しても騒音制御効果が例えば3dB以上悪化しないような大きさに設定すればよい。
ステップS3の処理では、伝達関数更新部27が、加速度信号αの大きさの比率が変化したことを示すフラグを立てる。これにより、ステップS3の処理は完了し、更新処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、伝達関数更新部27が、ステップS2の処理と同様の方法により加速度信号の大きさの比率が変化したか否かを判別する。判別の結果、比率が閾値Tps以上変化している場合、伝達関数更新部27は更新処理をステップS6の処理に進める。一方、比率が閾値Tps以上変化していない場合には、伝達関数更新部27は更新処理をステップS5の処理に進める。
ステップS5の処理では、伝達関数更新部27が、加速度信号αの大きさの比率が変化したことを示すフラグを降ろす。これにより、ステップS5の処理は完了し、更新処理はステップS3の処理に進む。
ステップS6の処理では、伝達関数更新部27が、フラグを立てた後に加速度信号αの大きさの比率が変化しないまま所定時間tfが経過したか否かを判別する。判別の結果、所定時間tfが経過した場合、伝達関数更新部27は更新処理をステップS7の処理に進める。一方、所定時間tfが経過していない場合には、伝達関数更新部27は更新処理をステップS4の処理に戻す。なお所定時間tfは,車両が段差等に乗り上げた時に発生する自由振動が十分に減衰する時間以上であればよい。
ステップS7の処理では、伝達関数更新部27が、メモリに記憶されている伝達関数の中から現在の加速度信号αの大きさの比率と最も近い伝達関数を選択し、選択された伝達関数を以後の処理において用いる伝達関数Gα SPLに設定する。これにより、ステップS7の処理は完了し、一連の更新処理は終了する。
ステップS8の処理では、伝達関数更新部27が、予想される制御効果が閾値Te以下であるか否かを判別する。判別の結果、閾値Te以下である場合、伝達関数更新部27は更新処理をステップS9の処理に進める。一方、閾値Te以下でない場合には、伝達関数更新部27は更新処理をステップS10の処理に進める。なお制御効果は、例えば予め各センサ数での騒音制御効果を算出してメモリ内に記憶しておき、現在のセンサ数と比較することにより算出できる。また閾値Teは例えば3dBとすればよい。これにより、インパルス的に入力される外乱入力に対しては伝達関数Gα SPLが更新されなくなるので、制御指令信号が頻繁に変更されることで乗員が感じる違和感を低減することができる。
ステップS9の処理では、伝達関数更新部27が、伝達関数Gα SPLを零行列に設定する。このような処理によれば、騒音制御が行われない状態となるので、制御空間音圧SPLを精度良く推定できないことにより、ピエゾアクチュエータ2の波動により制御空間騒音を上手く打ち消せず制御効果が悪化し、またピエゾアクチュエータ2の印加波動が騒音となり乗員が不快に感じる状況が発生することを抑制できる。これにより、ステップS9の処理は完了し、一連の更新処理は終了する。
ステップS10の処理では、伝達関数更新部27が、閾値Tα以下になった加速度信号αを制御空間音圧SPLの推定に用いないように、メモリに記憶されている伝達関数の中から現在の加速度信号αの大きさの比率と同じであり、また該当する加速度信号αの伝達関数が0である伝達関数を選択し、選択された伝達関数を以後の処理において用いる伝達関数Gα SPLに設定する。このような処理によれば、閾値Tα以下となりノイズ成分のみになった加速度信号αを用いて制御空間音圧SPLを推定することにより、推定精度が悪化し、制御空間騒音をピエゾアクチュエータ2の波動で上手く打ち消せず、制御効果が悪化することを抑制できる。これにより、ステップS10の処理は完了し、一連の更新処理は終了する。
〔算出部の構成〕
算出部12は、図9に示すように、制御指令信号を算出するためのフィルタC(s)を表すブロック31,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gp SPLを表すブロック32,ピエゾアクチュエータ2の出力に対する重み関数Wcを表すブロック33を有する。重み関数Wcは制御指令信号がピエゾアクチュエータ2の最大電圧を越えないように設定されている。フィルタC(s)は、推定騒音から制御空間音圧までの伝達関数と推定騒音から制御指令信号までの伝達関数のノルムを最小化するように設計される。フィルタC(s)の設計方法としては、制御系設計ツールMATLABのツールボックスである「Robust Control Toolbox」のH2制御器の設計法を例示できる。
算出部12は、図9に示すように、制御指令信号を算出するためのフィルタC(s)を表すブロック31,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gp SPLを表すブロック32,ピエゾアクチュエータ2の出力に対する重み関数Wcを表すブロック33を有する。重み関数Wcは制御指令信号がピエゾアクチュエータ2の最大電圧を越えないように設定されている。フィルタC(s)は、推定騒音から制御空間音圧までの伝達関数と推定騒音から制御指令信号までの伝達関数のノルムを最小化するように設計される。フィルタC(s)の設計方法としては、制御系設計ツールMATLABのツールボックスである「Robust Control Toolbox」のH2制御器の設計法を例示できる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、伝達関数更新部27が、加速度信号αの大きさの比率と伝達関数Gα SPLとの関係を予め記憶し、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合、騒音を推定する際に用いる伝達関数Gα SPLを変化後の加速度信号αの大きさの比率に対応する伝達関数Gα SPLに更新する。そしてこのような構成によれば、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合、加速度信号αの大きさの比率と伝達関数Gα SPLの整合を取ることができるので、加速度信号αの大きさの比率が変化した場合であっても騒音を精度よく推定することができる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、伝達関数更新部27が、加速度信号αの大きさの比率の変化量が閾値Tps以上である場合に伝達関数Gα SPLを更新するので、制御指令信号が頻繁に変更されることによって運転者が違和感を感じることを抑制できる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、伝達関数更新部27は、閾値Tpsとして所望の騒音低減効果が得られなくなる限界の変化量を用いるので、所望の騒音低減効果を継続させることにより、騒音によって乗員が感じる不快感を低減することができる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、伝達関数更新部27は、加速度信号αの比率の変化が所定時間Tf以上継続した場合に伝達関数Gα SPLを更新するので、インパルス的に入力される外乱入力に対しては伝達関数Gα SPLは更新されなくなり、制御指令信号が頻繁に変更されることで乗員が感じる違和感を低減することができる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、伝達関数更新部27は、騒音を推定する際に用いる伝達関数Gα SPLを変化後の加速度信号αの大きさの比率に最も近い伝達関数Gα SPLに更新するので、最適な騒音低減ができるようになり、騒音に対し乗員が感じる違和感を低減することができる。
また本発明の実施形態となる騒音制御装置によれば、伝達関数更新部27は、加速度信号αのオートパワースペクトル又は固有値(独立成分の大きさや数,周波数特性)を用いて加速度信号αの大きさを判断するので、最適な騒音低減ができるようになり、騒音に対し乗員が感じる違和感を低減することができる。
〔第1変形例〕
次に、上記実施形態の第1変形例となる騒音制御装置の構成について説明する。
次に、上記実施形態の第1変形例となる騒音制御装置の構成について説明する。
上記実施形態の第1変形例となる騒音制御装置は、伝達関数Gα SPLの更新処理の流れが上記実施形態における伝達関数Gα SPLの更新処理の流れと異なる以外、上記実施形態となる騒音制御装置と同じ構成である。そこで以下では、本変形例における伝達関数Gα SPLの更新処理の流れについてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
〔伝達関数Gα SPLの更新処理〕
本変形例では、始めに、伝達関数更新部27が、上記実施形態と同様に、伝達関数Gα SPLを適切に更新するために、走行中に起こり得る加振外乱入力の大きさの比率を想定して予め加振外乱状態毎に加速度信号αと制御空間騒音SPLを測定し、既述の方法で伝達関数Gα SPLを算出してメモリに保存しておく。また伝達関数更新部27は、走行中に複数の加速度信号αのうちのいずれかが閾値Tα以下になる場合を想定して加速度信号αを0とした時の伝達関数Gα SPLも算出してメモリに保存しておく。閾値Tαは加速度信号αがA/D変換部5で行うAD変換の最小分解能又は加速度センサ1の最小分解能のいずれか大きい方の値に設定すればよい。また伝達関数Gα SPLの付帯情報として以下に示す情報を保存しておく。
本変形例では、始めに、伝達関数更新部27が、上記実施形態と同様に、伝達関数Gα SPLを適切に更新するために、走行中に起こり得る加振外乱入力の大きさの比率を想定して予め加振外乱状態毎に加速度信号αと制御空間騒音SPLを測定し、既述の方法で伝達関数Gα SPLを算出してメモリに保存しておく。また伝達関数更新部27は、走行中に複数の加速度信号αのうちのいずれかが閾値Tα以下になる場合を想定して加速度信号αを0とした時の伝達関数Gα SPLも算出してメモリに保存しておく。閾値Tαは加速度信号αがA/D変換部5で行うAD変換の最小分解能又は加速度センサ1の最小分解能のいずれか大きい方の値に設定すればよい。また伝達関数Gα SPLの付帯情報として以下に示す情報を保存しておく。
まず始めに、加速度信号αの計測時間を少しずつずらしながら、時間tの加速度信号αのデータをN本取得する。ここでデータのサンプル数Nは多ければ多い程良いが、少なくともセンサ数m以上である必要がある。例えば本変形例ではセンサ数mを4としているので、サンプル数Nは4以上必要である。またデータの時間tは、FFT(高速フーリエ変換)後のデータの周波数間隔を決めるものであり、必要な周波数間隔に合わせて設定すればよい。例えば1Hz毎のデータを得たいのであれば時間tを1秒とすればよい.そして上記のサンプル数Nのデータに対しFFTをかけ、ある周波数ωiで以下の数式2に示すような行列Aを作成する。数式2中、パラメータαjkは周波数ωiでセンサkの計測したj番目のFFT後の加速度データを示す。
次に行列Aを特異値分解し,以下の数式3に示すように特異値の大小関係から行列Aを信号部分空間Σ1と雑音部分空間Σ2に分ける。信号部分空間Σ1は例えば最大特異値と特異値との比が−35dB以上の特異値までとし、それ以下の特異値は雑音部分空間Σ2とすればよい。そして信号部分空間Σ1の特異値数を周波数ωiの外乱数とし、制御周波数帯で外乱数の平均をとってその結果を伝達関数同定時の外乱数としてメモリに保存しておく。なお伝達関数同定時の外乱数は制御周波数帯で信号部分空間の特異値数の重み付き平均をとった値としてもよい。この場合、使用する重みを例えば一般的な路面を通常タイヤで走行しているときの音圧とすることにより、制御空間音圧SPLが大きい所程、外乱数の変化に対して敏感にすることができる。
上記実施形態では加速度信号αのオートパワースペクトルの平均値を比較し,それに基づいて伝達関数Gα SPLを更新したが、本変形例でも上述の外乱数と外乱の特性に基づいて上記実施形態と同様の処理手順で伝達関数Gα SPLを更新する。なお信号部分空間Σ1に対する固有ベクトルV1も外乱の特性として保存しておき、外乱数と固有ベクトルV1に基づいて最も現在の状況に近いものを選択するようにしてもよい。この場合、固有ベクトルV1の近さについては,例えばコヒーレンス関数を用いて最も値が大きくなるものを選択すればよい。また本変形例では、特異値を用いて外乱数を計算し、その数に基づいて伝達関数Gα SPLを選択するが、各周波数で特異値の平均をとり、その値に基づいて伝達関数Gα SPLを選択してもよい。
〔第2変形例〕
次に、図10,図11を参照して、上記実施形態の第2変形例となる騒音制御装置の構成について説明する。
次に、図10,図11を参照して、上記実施形態の第2変形例となる騒音制御装置の構成について説明する。
上記実施形態の第2変形例となる騒音制御装置は、制御指令信号算出部6の構成が上記実施形態及び第1変形例における制御指令信号算出部6の構成と異なる以外、上記実施形態及び第1変形例となる騒音制御装置と同じ構成である。そこで以下では、本変形例における制御指令信号算出部6の構成についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
〔制御指令信号算出部の構成〕
制御指令信号算出部6は、図10に示すように、算出部12と更新部41を有する。算出部12は加速度信号αを用いて制御空間騒音SPLを低減する制御指令信号を算出する。更新部41は、メモリに伝達関数Gα SPLを保存しておくのではなく、各外乱の状況下で設計したフィルタCを保存しておき、上記実施形態及び第1変形例における伝達関数更新部27と同様の手順で算出部12を更新する。
制御指令信号算出部6は、図10に示すように、算出部12と更新部41を有する。算出部12は加速度信号αを用いて制御空間騒音SPLを低減する制御指令信号を算出する。更新部41は、メモリに伝達関数Gα SPLを保存しておくのではなく、各外乱の状況下で設計したフィルタCを保存しておき、上記実施形態及び第1変形例における伝達関数更新部27と同様の手順で算出部12を更新する。
〔更新部の構成〕
更新部41は、図11に示すように、制御指令信号を算出するためのフィルタC(s)を表すブロック31,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数GP SPLを表すブロック32,ピエゾアクチュエータ2の出力に対する重み関数Wcを表すブロック33,加速度信号αから制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gα SPLを表すブロック34を有する。なおフィルタC(s)の設計方法については、上記実施形態と同様の方法を用いて設計すればよい。この方法で制御器を設計することにより、加速度信号の比率の小さいセンサからピエゾアクチュエータ2までの伝達関数のゲインを低くする伝達関数を設計できる。
更新部41は、図11に示すように、制御指令信号を算出するためのフィルタC(s)を表すブロック31,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数GP SPLを表すブロック32,ピエゾアクチュエータ2の出力に対する重み関数Wcを表すブロック33,加速度信号αから制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gα SPLを表すブロック34を有する。なおフィルタC(s)の設計方法については、上記実施形態と同様の方法を用いて設計すればよい。この方法で制御器を設計することにより、加速度信号の比率の小さいセンサからピエゾアクチュエータ2までの伝達関数のゲインを低くする伝達関数を設計できる。
〔第3変形例〕
最後に、図12を参照して、上記実施形態の第3変形例となる騒音制御装置の構成について説明する。
最後に、図12を参照して、上記実施形態の第3変形例となる騒音制御装置の構成について説明する。
上記実施形態の第3変形例となる騒音制御装置は、更新部41の構成が第2変形例における更新部41の構成と異なる以外、第2変形例となる騒音制御装置と同じ構成である。そこで以下では、本変形例における更新部41の構成についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
〔更新部の構成〕
更新部41は、上記実施形態及び第1変形例に記載の方法により加速度信号αの大きさの比率が変化したことを検出した場合,算出部12に実装するフィルタC(s)を再設計する。具体的には、更新部41は、図12に示すように、制御指令信号を算出するためのフィルタC(s)を表すブロック31,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数GP SPLを表すブロック32,ピエゾアクチュエータ2の出力に対する重み関数Wcを表すブロック33,加速度信号αから制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gα SPLを表すブロック34,及び加速度信号に対する重み関数Wbを示すブロック35を有する。更新部41は、推定騒音から制御空間音圧SPLまでの伝達関数と推定騒音から制御指令信号までの伝達関数のノルムを最小化するようにフィルタC(s)を設計する。設計方法としては、上記実施形態に示す方法を用いればよく、重み関数Wcも上記実施形態に示す方法で設定すればよい。なお更新部41は、メモリに各外乱の状況下に対応した重み関数Wbを保存しておき、上記実施形態及び第1変形例における伝達関数更新部27と同様の手順でメモリに保存している重み関数Wbから現在の外乱状況に最も近いものを選択する。
更新部41は、上記実施形態及び第1変形例に記載の方法により加速度信号αの大きさの比率が変化したことを検出した場合,算出部12に実装するフィルタC(s)を再設計する。具体的には、更新部41は、図12に示すように、制御指令信号を算出するためのフィルタC(s)を表すブロック31,ピエゾアクチュエータ2から制御空間音圧SPLまでの伝達関数GP SPLを表すブロック32,ピエゾアクチュエータ2の出力に対する重み関数Wcを表すブロック33,加速度信号αから制御空間音圧SPLまでの伝達関数Gα SPLを表すブロック34,及び加速度信号に対する重み関数Wbを示すブロック35を有する。更新部41は、推定騒音から制御空間音圧SPLまでの伝達関数と推定騒音から制御指令信号までの伝達関数のノルムを最小化するようにフィルタC(s)を設計する。設計方法としては、上記実施形態に示す方法を用いればよく、重み関数Wcも上記実施形態に示す方法で設定すればよい。なお更新部41は、メモリに各外乱の状況下に対応した重み関数Wbを保存しておき、上記実施形態及び第1変形例における伝達関数更新部27と同様の手順でメモリに保存している重み関数Wbから現在の外乱状況に最も近いものを選択する。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば上記実施形態では、波動印加手段としてピエゾアクチュエータを利用したが、ボイスコイルや超磁歪アクチュエータ等でもよく、またスピーカを用いて騒音制御を行ってもよい。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1(1a〜1e):加速度センサ
2(2a〜2d):ピエゾアクチュエータ
3:制御装置本体
4,8:増幅部
5:A/D変換部
6:制御指令信号算出部
7:D/A変換部
11:騒音推定部
12:算出部
2(2a〜2d):ピエゾアクチュエータ
3:制御装置本体
4,8:増幅部
5:A/D変換部
6:制御指令信号算出部
7:D/A変換部
11:騒音推定部
12:算出部
Claims (7)
- 構造物上に配設され、当該構造物の振動量を検出する複数の振動検出手段と、
前記構造物に波動を与える波動印加手段と、
前記複数の振動検出手段により検出された前記構造物の振動量に基づいて構造物の振動に起因する構造物内の制御空間における騒音を推定し、推定された騒音を低減させる波動を構造物に与えるように前記波動印加手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率と各振動検出手段の配設位置から前記制御空間までの制御特性との関係を予め記憶しており、前記振動検出手段が検出した振動量から複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化したと判別した場合に、騒音を推定する際に用いる当該予め記憶している制御特性を変化後の検出信号の大きさの比率に対応する制御特性に更新すること
を特徴とする騒音制御装置。 - 請求項1に記載の騒音制御装置において、
前記制御手段は、前記検出信号の大きさの比率の変化量が所定値以上である場合に前記制御特性を更新することを特徴とする騒音制御装置。 - 請求項2に記載の騒音制御装置において、
前記所定値は所望の騒音低減効果が得られなくなる前記検出信号の大きさの比率の変化量であることを特徴とする騒音制御装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の騒音制御装置において、
前記制御手段は、前記検出信号の大きさの比率の変化が所定時間以上継続した場合に制御特性を更新することを特徴とする騒音制御装置。 - 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
前記制御手段は、騒音を推定する際に用いる制御特性を変化後の検出信号の大きさの比率に最も近い制御特性に更新することを特徴とする騒音制御装置。 - 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の騒音制御装置において、
前記制御手段は、前記検出信号のオートパワースペクトル又は固有値を用いて検出信号の大きさを判断することを特徴とする騒音制御装置。 - 構造物上に配設された複数の振動検出手段により当該構造物の振動量を検出する第1処理と、
前記第1の処理により検出された前記構造物の振動量に基づいて構造物の振動に起因する構造物内の制御空間における騒音を推定する第2処理と、
前記第2の処理により推定された騒音を低減させる騒音低減波動を前記構造物に与えるように第3処理とを有し、
前記第2処理は、前記複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率が変化した場合、予め記憶された複数の振動検出手段間における検出信号の大きさの比率と各振動検出手段の配設位置から前記制御空間までの制御特性との関係を参照して、騒音を推定する際に用いる制御特性を変化後の検出信号の大きさの比率に対応する制御特性に更新する処理を含むこと
を特徴とする騒音制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009050823A JP2010202074A (ja) | 2009-03-04 | 2009-03-04 | 騒音制御装置及び騒音制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010202074A true JP2010202074A (ja) | 2010-09-16 |
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Family Applications (1)
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JP2009050823A Pending JP2010202074A (ja) | 2009-03-04 | 2009-03-04 | 騒音制御装置及び騒音制御方法 |
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JP (1) | JP2010202074A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018013380A (ja) * | 2016-07-20 | 2018-01-25 | 株式会社エー・アンド・デイ | 振動解析方法および装置 |
-
2009
- 2009-03-04 JP JP2009050823A patent/JP2010202074A/ja active Pending
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