JP2010201886A - 平版印刷版原版包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】平版印刷版原版から作成した平版印刷版における白抜けを防止することができる平版印刷版原版包装体を提供すること。
【解決手段】合紙を挿入することなく積層されたネガ型平版印刷版原版の少なくとも最上部に、厚紙の片面又は両面にプラスチックが存在する厚紙のプラスチック面が前記平版印刷版原版の記録層と対向するように載置され、前記積層された平版印刷版原版及び前記厚紙の全体が遮光部材により包装されたことを特徴とする、平版印刷版原版包装体。
【選択図】図3

Description

本発明は、ネガ型平版印刷版原版包装体に関する。
感光性平版印刷版原版(以下、適宜「PS(Pre-sensitized Plate)版」ともいう。)は、一般にシート状又はコイル状のアルミニウム板等の支持体に、例えば、砂目立て、陽極酸化、シリケート処理、その他化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、記録層の塗布及び乾燥処理を行った後に所望のサイズに切断することにより製造される。このPS版は、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、湿し水と共に印刷インクを付与することにより、紙面に文字、画像等が印刷される。
このようなPS版では、積層されたPS版の上下に、保護用厚紙(以下、「当てボール」ともいう。)が配置され、PS版の湾曲や、外力による変形、損傷等を防止している。当てボールとPS版が直接に接触する場合はもちろん、当てボールとPS版の間に合紙が配置される場合にも、両者が間接的に接触することにより、PS版の感光層又は感熱層(以下、これらをまとめて「記録層」という。)が感度低下を起こすという問題があった。この感度低下の原因は、当てボールより発生する水分が塗布膜に影響を及ぼすためである。
またPS版は、いずれも一枚の薄い板状とされているため、角や辺、内部等に折れ、傷や変形があると、感光や感熱によって現像した際に像がぼけたり、印刷した際にインクが不均一になる等の問題が生じやすい。
そこで、PS版を保護するために、当てボールをPS版と平行に配置することが多い。特に、複数枚のPS版を積層した積層体を構成する場合には、PS版の所定枚数ごとに当てボールを配置して、PS版を確実に保護できるようにすることがある。そして、当てボールが配置された状態で、PS版を内装紙等の包装材によって包装して包装体とし、荷扱い(運搬や保管等)を行うようにしている。当てボールを配置することで、例えば荷扱い時のPS版の変形(撓み等)が起き難くなるため、PS版の損傷が防止される。また、外力が作用しても、その一部が当てボールによって吸収されるため、PS版の変形や傷が防止される。
しかし、例えば、特許文献1に示すような、当てボールを合紙なしの感光性平版印刷版原版の最上部塗布膜に直接接触するように用いると、輸送後包装体を開封し最上部の感光性平版印刷版原版の塗布膜を観察すると、当てボールから構成物が一部剥がれた異物が塗布膜上に付着し、露光障害を起こし、現像すると白抜けを生じて、画像が形成されないという問題が発生する。
特開2001−233385号公報 特開2006−256249号公報
本発明は、上記の事実を考慮し、記録層の白抜けを防止することができるネガ型平版印刷版原版包装体を提供することを課題とする。
本発明の上記課題は、以下の手段(1)により解決された。好ましい実施形態(2)及び(3)と共に列記する。
(1)合紙を挿入することなく積層されたネガ型平版印刷版原版の少なくとも最上部に、厚紙の片面又は両面にプラスチックが存在する厚紙のプラスチック面が前記平版印刷版原版の記録層と対向するように載置され、前記積層された平版印刷版原版及び前記厚紙の全体が遮光部材により包装されたことを特徴とする、平版印刷版原版包装体、
(2)前記厚紙の両面にプラスチックが存在する、(1)に記載の平版印刷版原版包装体、
(3)前記積層された平版印刷版原版の最下部に厚紙のプラスチックが存在する面が前記平版印刷版原版の支持体に対向するように配置された、(1)又は(2)に記載の平版印刷版原版包装体、
(4)前記平版印刷版原版の記録層が、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び、(D)バインダーポリマーを含有する(1)〜(3)いずれか1項に記載の平版印刷版原版包装体。
上記(1)に記載の発明によれば、厚紙のプラスチックが存在する面をネガ型平版印刷版原版の記録層に接触させることにより、厚紙である保護材から異物が剥落することを防止できる。その結果、平版印刷版原版の記録層への異物付着を防止することができ、白抜けが防止できる。
また、上記(2)に記載の発明によれば、白抜けが防止されることに加えて、厚紙の両面にプラスチックが存在する保護材を使用するために、保護材は表裏の区別がなくなり、平版印刷版原版上に保護材を載置するとき、保護材の表裏どちらを記録層に対向させても良いため、保護材の表裏の確認をする必要がないので、作業性が良い。
上記(3)に記載の発明によれば、さらに、荷扱い時のPS版の変形が起き難くなるため、PS版の損傷が防止される。
上記(4)に記載の発明によれば、上記の効果が顕著である。
平版印刷版原版の加工ラインを示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る保護材を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る平版印刷版原版包装体を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を説明する。
図1には、感光性平版印刷版原版の加工ライン100が示されている。
この加工ライン100の上流側(図1右上側)には、あらかじめロール状に巻かれたウエブ12を順次巻き出す送出機14が配設されている。送出機14から送り出された長尺状のウエブ12はカール矯正された後、ノッチャー20に至り、ウエブ12に打ち抜き部を設ける。次に、裁断加工部22を構成する裁断刃24が、ウエブ12の幅方向へ移動して、打ち抜き位置でウエブ12を連続裁断する。
このようにして、所定の裁断幅に裁断されたウエブ12は、指示されたタイミングで走間カッタ30により切断され、設定されたサイズのPS版10が製造される。このPS版10は、コンベア32によって集積装置40へ送られ、該集積装置40によって所定枚数積み重ねられて、積層された平版印刷版原版(積層体)60が構成される。
一方、集積装置40の近傍には、後述する保護材としての厚紙62(以下「当てボール62」という)の裁切断部39が配設されており、予め積層体60のサイズに合わせて裁切断される。当てボール62は厚紙の片面又は両面にプラスチック74が存在する。
裁切断された当てボール62は、コンベア70によって搬送され、積層体60の少なくとも最上部に載置される。この場合、厚紙のプラスチックが存在する面が印刷版原版の記録層と対向するように載置される。この当てボール62によって、積層体60を構成するPS版10の湾曲や、外力による変形、損傷等が防止され、かつ、ゴミ落ちを防止して、現像処理時の白抜けを防止する。
そして、積層体60は、搬送部35を経て、ラック倉庫等の保管庫あるいは包装工程に送られ、遮光部材としての内装材を必須とし、更に必要に応じて、外装材、テープ等によって包装される。また、自動製版機用のスキッド41に積み重ねることも可能である。
以上のようにして、PS版10は包装されて出荷されるが、包装形態によっては、内装材としての遮光部材以外の包装材料を省略してもよい。
ここで、ウエブ12には、アルミニウム製の支持体上にあらかじめ感光層又は感熱層(以下、これらをまとめて「記録層」という。)が形成されており、この記録層が形成された面が、PS版10の画像形成面(ウエブ12の表面)となっている。ウエブ12は、加工ライン100によって加工されて所望のサイズとされることで、印刷に使用可能なPS版10となる。
また、支持体としてのアルミニウム板は、例えば、JIS1050材、JIS1100材、JIS1070材、Al−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Mg−Si系合金等を適用し得る。メーカにおけるアルミニウム板の製造過程では、上記規格に適合するアルミニウムの鋳塊を製造し、このアルミニウム鋳塊を熱間圧延した後、必要に応じて焼鈍と呼ぶ熱処理を施し、冷間圧延により所定の厚さとされた帯状のアルミニウム板に仕上げる。
PS版10は、長方形の板状に形成された薄いアルミニウム板の片面に、記録層(感光性印刷版の場合には感光層)を塗布して形成されている。この記録層に、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面等の被印刷面に文字、画像等が印刷される。
なお、PS版10(ウエブ12)の具体的構成は特に限定されないが、例えば、フォトン方式のレーザ刷版用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータから直接製版可能な平版印刷版とすることができる。本発明は、ネガ型感光性平版印刷版原版に適用する。
記録層が塗布された面を画像形成面といい、支持体に関して、この反対側の面、すなわち記録層が塗布されていない面を非画像形成面という。なお、本実施形態のPS版10は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、平版印刷版原版と称される。
また、PS版10は、記録層中の成分を種々選択することによって、種々の製版方法に対応した平版印刷版とすることができる。本発明に使用する平版印刷版の具体的態様の例としては、下記(1)〜(11)の態様が挙げられる。以下、「感光層」には、感熱層を含むものとし、「記録層」は感光層と感熱層の両者を含む意味とする。
(1)感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生する化合物、及び酸によって架橋する化合物を含有する態様。
(2)感光層が赤外線吸収剤、及び熱によってアルカリ溶解性となる化合物を含有する態様。
(3)感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶のバインダー、及び多官能性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様。
(4)感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様。
(5)感光層が、多官能性モノマー及び多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。
(6)感光層が、ノボラック樹脂及びナフトキノンジアジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様。
(7)感光層が、有機光導電体を含む態様。
(8)感光層が、レーザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親油性層及び/又は親水性層とからなる2〜3層を含む態様。
(9)感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、及び可視光を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含有する態様。
(10)感光層が、キノンジアジド化合物と、ノボラック樹脂とを含有する態様。
(11)感光層が、光又は紫外線により分解して自己もしくは層内の他の分子との架橋構造を形成する化合物とアルカリに可溶のバインダーとを含有する態様。
本発明は、上記の(1)又は(3)に記載するネガ型の記録層を有する感光性印刷版原版に適用することが好ましい。すなわち、感光層は、露光された領域で現像されにくくなる性質を有する。
<ネガ型の記録層>
本発明に用いることができる平版印刷版原版としては、ネガ型の記録層を有する限り特に制限はないが、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び、(D)バインダーポリマーを含有するネガ型の記録層を有する平版印刷版原版であることが好ましい。
(A)増感色素
本発明に用いることができる平版印刷版原版における記録層は、増感色素を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる増感色素としては、特に制限はなく、公知の増感色素を用いることができる。
例えば、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素や、500〜600nmに極大吸収を有する増感色素、750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)を添加することで、各々、当業界で通常用いられている405nmのバイオレットレーザ、532nmのグリーンレーザ、830nmのIRレーザに対応した高感度な平版印刷版原版を提供することができる。
本発明にて好適に用いられる750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素について詳述する。なお、本発明においては、「750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素」を、「赤外線吸収剤」ともいう。赤外線吸収剤は、750〜1,400nmの波長に吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
染料としては、市販の染料、及び、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記式(a)で表されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2010201886
式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。なお、Phはフェニル基を表す。
Figure 2010201886
1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を表す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及び
8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭
化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za -は、対アニオンを表す。ただし、式(a)で表されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa -は必要ない。好ましいZa -は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及び、スルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及び、アリールスルホン酸イオンである。なお、対イオンとして、ハロゲン化物イオンを含有してないものが特に好ましい。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
前記感光層におけるこれらの赤外線吸収剤の含有量は、感光層中における均一性や感光層の耐久性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、0.5〜10重量%であることがさらに好ましい。
その他の赤外線吸収剤としては、特開2002−40638号公報の〔0013〕〜〔0035〕、特開2005−91617号公報の〔0231〕〜〔0260〕、特開2005−250158号公報の〔0145〕〜〔0173〕、特開2007−47742号公報の〔0275〕〜〔0304〕、特開2007−249036号公報の〔0115〕〜〔0124〕、特開2008−242093号公報の〔0116〕〜〔0145〕に記載のものを好ましく用いることができる。
次に350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。
このような増感色素としては、例えば、メロシアニン色素類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類、等を挙げることができる。
360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記式(IX)で表される色素である。
Figure 2010201886
(式(IX)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又はNR3を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1及びR2とR3はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の
環を形成してもよい。)
1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、好ましくは、置換若
しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、又は、ハロゲン原子を表す。
次に、式(IX)におけるAは、置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、式(IX)中のR1、R2及びR3で記載したものと同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては、特開2007−58170号公報の〔0047〕〜〔0053〕に記載の化合物が好ましく用いられる。
さらに、特開2005−91617号公報の〔0178〕〜〔0230〕、特開2005−250438号公報の〔0202〕〜〔0250〕、特開2005−300817号公報の〔0170〕〜〔0176〕、特開2007−17948号公報の〔0058〕〜〔0081〕、特開2007−47742号公報の〔0230〕〜〔0265〕、特開2007−171406号公報の〔0033〕〜〔0036〕、特開2007−206216号公報の〔0023〕〜〔0055〕、特開2007−225701号公報の〔0018〕〜〔0037〕、特開2007−248863号公報の〔0208〕〜〔0243〕、特開2007−249036号公報の〔0077〕〜〔0112〕、特開2007−316582号公報の〔0037〕〜〔0046〕、特開2007−328243号公報の〔0027〕〜〔0113〕に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
(B)重合開始剤
本発明に用いることができる平版印刷版原版における記録層は、重合開始剤(以下、「開始剤化合物」ともいう。)を含有することが好ましい。
本発明における重合開始剤としては、当業者間で公知のものを制限なく使用できる。具体的には、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。中でも、オニウム塩、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記の重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
重合開始剤の具体例としては、特開2004−317652号公報の〔0066〕〜〔0124〕、特開2005−47947号公報の〔0203〕〜〔0264〕、特開2005−91618号公報の〔0092〕〜〔0164〕、特開2005−134893号公報の〔0032〕〜〔0104〕、特開2005−250158号公報の〔0104〕〜〔0140〕、特開2005−300650号公報の〔0116〕〜〔0188〕、特開2006−267289号公報の〔0122〕〜〔0209〕、特開2007−47742号公報の〔0191〕〜〔0227〕、特開2007−206216号公報の〔0062〕〜〔0114〕、特開2007−248863号公報の〔0113〕〜〔0185〕、特開2007−249036号公報の〔0038〕〜〔0062〕、特開2008−242093号公報の〔0043〕〜〔0064〕、特開2008−276167号公報の〔0017〕〜〔0054〕に記載のものを好ましく用いることができる。
本発明における重合開始剤は、単独又は2種以上の併用によって好適に用いられる。本発明における感光層中の重合開始剤の使用量は、感光層全固形分の重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜15重量%であることがより好ましく、1.0〜10重量%であることがさらに好ましい。
(C)重合性化合物
本発明に用いることができる平版印刷版原版における記録層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明における感光層に用いることができる重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定することなく用いることができる。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸とアルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸とアミン化合物とのアミド類が用いられる。具体的には、特開2001−343734号公報の〔0012〕、特開2003−107697号公報の〔0020〕〜〔0025〕、特開2003−186176号公報の〔0029〕〜〔0038〕、特開2006−259558号公報の〔0126〕〜〔0140〕、特開2007−47742号公報の〔0173〕〜〔0187〕、特開2007−86165号公報の〔0140〕〜〔0149〕に記載の化合物が使用される。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
エステルの例としては、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、アミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、本発明において好ましく用いられるエチレン性不飽和化合物としては、イソシアネート基を複数有する化合物と水酸基を有するアクリレートまたはメタクリレートとの付加反応によって得られるウレタン結合を複数有する重合性化合物が好ましく用いられ、例えば、特公昭56−17654号公報に記載されている。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
前記記録層における重合性化合物は、単独又は2種以上併用してもよい。
前記記録層における重合性化合物の含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜75重量%であることが好ましく、25〜70重量%であることがより好ましく、30〜60重量%であることがさらに好ましい。
(D)バインダーポリマー
本発明に用いることができる平版印刷版原版における記録層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーの化学構造は、特に限定されないが、アルカリ性処理液への溶解性、すなわち現像性の観点から酸基を有する有機高分子が好ましく、特にカルボン酸又はその塩を含有する有機高分子がより好ましい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとしては、カルボン酸含有のアルカリ水可溶又は膨潤性の有機高分子が例示できる。このような有機高分子としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が有用である。バインダーポリマーとして、カルボン酸(塩)基を含有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマー単位を含む共重合体が好ましい。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなども有用である。さらに、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号の各公報に記載のポリウレタン樹脂もアルカリ水可溶又は膨潤性バインダーとして有用である。本発明に使用できるバインダーポリマーとして、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、又は、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとして好適な材料の一例は、(a)カルボン酸基(その塩を含む。)を含有するモノマー単位及び(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位を有する共重合体である。
(a)カルボン酸基を含有するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2002−40652号公報、特開2005−300650号公報の〔0059〕〜〔0075〕の各公報に記載の構造が好ましく用いられる。
(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2007−248863号公報の〔0041〕〜〔0053〕に記載の構造が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、(a)カルボン酸基を含有するモノマー単位も、(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位も含まないエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位を共重合成分として有していてもよい。
このようなモノマー単位としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましい。特に、特開2007−272134号公報の〔0061〕〜〔0084〕に記載のアミド基(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましく用いられる。このモノマーの含有量は、総モノマー単位数を100とした場合、そのうちの5から50単位であることが好ましく、5〜35単位であることがより好ましく、5〜25単位であることがさらに好ましい。
本発明において記録層には、バインダーポリマーとして、前述のモノマー単位の組み合わせを有する付加重合体以外に、側鎖に架橋性基を有するウレタン樹脂も使用することができる。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像形成層中で起こる化学反応によりバインダーポリマーを架橋することができる基のことである。このような機能を有する基であれば特にその化学構造は限定されないが、例えば、付加重合し得る官能基としてエチレン性不飽和基が好ましい。また、特開2007−17948号公報の〔0130〕〜〔0139〕に記載された官能基が例示できる。
本発明で特に好ましく用いられる側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂は、(i)ジイソシアネート化合物、(ii)カルボキシル基を有するジオール化合物、(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物、及び、必要であれば、(iv)カルボキシル基を有さないジオール化合物、(v)アミノ基を有する化合物を重付加反応させることにより得ることができる。
上記(i)、(ii)及び(iii)の化合物は、特開2007−17948号公報の〔0142〕〜〔0167〕に記載された式(4)〜(10)及び具体例が挙げられる。(iv)の化合物は、特開2007−17948号公報の〔0180〕〜〔0225〕に記載された一般式(A’)、式(a)〜(e)、式(11)〜(22)及び具体的化合物が挙げられる。(v)の化合物は特開2007−17948号公報の〔0227〕〜〔0230〕に記載された式(31)及び式(32)及び具体的化合物が挙げられる。上記のポリウレタン樹脂のほかに、特開2003−270775号公報に記載されるようなカルボキシル基を有するポリウレタンに高分子反応で架橋性基を導入して得られるポリウレタン樹脂も例示できる。
記録層の現像性を維持するためには、使用されるバインダーポリマーは、適当な分子量を有することが好ましく、重量平均分子量は5,000〜300,000であることがより好ましく、20,000〜150,000であることが更に好ましい。
これらのバインダーポリマーは、記録層中に任意な量で含有させることができるが、前記記録層中におけるバインダーポリマーの含有量は、10〜90重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。
(E)その他の記録層成分
本発明に用いることができる平版印刷版原版における記録層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、記録層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体、画像部の硬化被膜強度向上のための無機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤や連鎖移動剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これらの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−171406号、特開2007−206216号、特開2007−206217号、特開2007−225701号、特開2007−225702号、特開2007−316582号、特開2007−328243号の各公報に記載の化合物を使用することができる。
<酸架橋層>
ネガタイプの記録層の一つとして、酸架橋型の画像記録層(酸架橋層)も好適に挙げられる。酸架橋層は、光熱変換物質と、熱酸発生剤と、硬化性化合物である酸により架橋する化合物(架橋剤)と、酸の存在下で架橋剤と反応し得るアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する。酸架橋層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱により熱酸発生剤が分解して酸が発生し、発生した酸により架橋剤とアルカリ可溶性高分子化合物とが反応し、硬化する。具体的には、例えば、特開平7−306528号、特開平8−276558号、特開平10−123701号、特開平10−203037号の各公報に記載の記録層が好ましく用いられる。
<記録層の形成>
本発明に用いることができる平版印刷版原版における記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成することができる。ここで使用する溶剤としては、特開2007−249037号公報の〔0159〕に記載の化合物が好ましく用いられ、これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。
塗布液の固形分濃度は、1〜50重量%であることが好ましい。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、0.3〜3.0g/m2が好ましい。上記範囲であると、良好な感度と記録層の良好な被膜特性が得られる。
<保護層>
本発明に用いることができる平版印刷版原版は、記録層における傷等の発生防止、酸素遮断、高照度レーザー露光時のアブレーション防止のため、必要に応じて、記録層の上に保護層を設けることが好ましい。
本発明においては、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、記録層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物の画像記録層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。したがって、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像処理工程で容易に除去することができるものであるのが好ましい。このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
また、保護層としては、特開2008−15503号公報、特開2008−89916号公報、特開2008−139813号公報の〔0211〕〜〔0261〕に記載されている保護層を好適に用いることができる。
(水溶性高分子化合物)
保護層に主成分として用いられる材料としては、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが挙げられる。その他の有用な水溶性高分子化合物としては、ポリビニルピロリドン、ゼラチン及びアラビアゴム等が挙げられる。
これらは単独又は併用して用いてもよい。また、複数の保護層が設けられる場合には、いずれの保護層にも適用される。
これらの中で、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性に最も良好な結果を与える。
保護層に使用し得るポリビニルアルコールは、必要とされる酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。
好適に用いられるポリビニルアルコールとしては、ケン化度が71〜100%、分子量が200〜2,400の範囲のものを挙げることができる。良好な酸素遮断性、優れた被膜形成性と低接着性表面を有するという観点で、ケン化度が85モル%以上のポリビニルアルコールを用いることがより好ましい。
更に、ポリビニルアルコールを酸変性したものも好適に用いられる。具体的には、イタコン酸やマレイン酸変性のカルボキシ変性ポリビニルアルコールやスルホン酸変性ポリビニルアルコールが好適なものとして挙げられる。これら酸変性ポリビニルアルコールもケン化度が85モル%以上のものが、より好ましく使用できる。
水溶性高分子化合物は、平版印刷原版の感度や、平版印刷版原版を積層した場合における平版印刷版原版同士の接着の抑制などを考慮すると、保護層中の全固形分量に対して、45〜95質量%の範囲で含有されることが好ましく、50〜90質量%の範囲で含有されることがより好ましい。
また、水溶性高分子化合物は、保護層中に、少なくとも1種を用いればよく、複数種を併用してもよい。複数種の水溶性高分子化合物を併用した場合でも、その合計の量(質量%)が上記の範囲であることが好ましい。
(フィラー)
本発明における保護層には、前記水溶性高分子化合物に加え、フィラーを含有することが好ましい。フィラーを含有することによって、感光性記録層(重合性ネガ型感光層)の表面の耐キズ性の向上が図れ、更には、平版印刷版原版を、合紙を介することなく積層した場合に生じる隣接する平版印刷版原版との接着が抑制され、平版印刷版原版同士の剥離性を優れたものとすることができる。これにより、ハンドリング性が向上するという利点をも有することになる。
かかるフィラーとしては、有機フィラー、無機フィラー、無機−有機複合フィラー等のいずれでもよく、またこれらのうち、2種以上を混合して用いてもよい。好ましくは無機フィラーと有機フィラーとの併用である。
有機フィラーとしては、例えば、合成樹脂粒子、天然高分子粒子等が挙げられる。
フィラーの粒子サイズ分布は、単分散でも多分散でもよいが、単分散が好ましい。フィラーの大きさは、平均粒子径が1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは、平均粒子径が2〜15μm、更に好ましくは、平均粒子径が3〜10μmである。これらの範囲内とすることにより、上記本発明の効果がより有効に発現される。
有機フィラーの含有量は、保護層の全固形分量に対し、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは、2〜10質量%である。
無機フィラーとして好ましくは、雲母、硝子、アルミナ、チタン酸カリウム、チタン酸ストロンチウム、硼酸アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
これらのうち、保護層に特に好適な無機フィラーとしては、雲母に代表される無機質の層状化合物が挙げられる。
保護層中に無機質の層状化合物を用いることにより、酸素遮断性は更に高まり、また、保護層の膜強度が一層向上して耐キズ性が向上する他、保護層にマット性を付与することができる。その結果、保護層は、酸素等の遮断性に加え、変形などによる劣化やキズの発生を抑制することが可能となる。更に、保護層にマット性を付与することによって、平版印刷版原版を積層した場合には、平版印刷版原版の保護層表面と隣接する平版印刷版原版の支持体裏面との接着を抑制することが可能となる。
雲母の粒子径は、その平均長径が0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜5μmである。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。具体的には、例えば、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは、厚さが1〜50nm、面サイズ(長径)が1〜20μm程度である。
フィラーとして無機質の層状化合物を用いる場合、保護層に含有される無機質の層状化合物の量は、積層した場合の平版印刷版原版同士の接着の抑制やキズ発生の抑制、レーザ露光時の遮断による感度低下、低酸素透過性などの観点から、保護層の全固形分量に対し、5〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲が特に好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これらの無機質の層状化合物の合計の量が上記の質量であることが好ましい。
無機質の層状化合物以外の無機フィラーの保護層に含有される量も同様に、保護層の全固形分量に対し、5〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲が特に好ましい。
保護層には、無機−有機複合フィラーを用いることもできる。無機−有機複合フィラーとしては、例えば、有機フィラーと無機フィラーの複合化物が挙げられ、複合化に用いられる無機フィラーとしては、金属粉体、金属化合物(例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物及びこれらの複合化物等)の粒子が挙げられ、好ましくは酸化物及び硫化物等であり、より好ましくはガラス、SiO2、ZnO、Fe23、ZrO2、SnO2、ZnS、CuS等の粒子が挙げられる。
無機−有機複合フィラーの保護層への含有量としては、保護層の全固形分量に対し、5〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲がより好ましい。
本発明において用い得る無機−有機複合フィラーとしては、シリカ成分を含有するものであることが好ましく、中でも、フィラーの表面の一部がシリカ層で被覆されたシリカ被覆微粒子であることが特に好ましい。
フィラーの表面の少なくとも一部にシリカが存在することで、フィラーとバインダー(ポリビニルアルコールなど)との親和性向上が達成され、保護層に対して外部応力を受けた場合でもフィラーの脱落が抑制され、優れた耐傷性、耐接着性を維持することができる。本発明における「シリカ被覆」とは、このようにフィラーの表面の少なくとも一部にシリカが存在する状態を包含するものとする。
シリカ被覆微粒子のコアとなる無機−有機複合フィラーを構成する有機樹脂としては、先述べたようなフィラーに求められる物性を有する有機樹脂であれば制限なく使用することができ、具体的には、例えば、ポリアクリル酸系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポシキ系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
中でも、保護層の好ましいバインダーであるポリビニルアルコールとの親和性の観点から、ポリアクリル酸系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びメラミン樹脂などが好ましい。
また、フィラー表面を被覆するシリカ層を形成する材料としては、アルコキシシロキサン系化合物の縮合物などのアルコキシシリル基を有する化合物、特に、ゾル−ゲル方にて使用するシロキサン系材料、シリカゾル、コロイダルシリカ、シリカナノ粒子などのシリカ微粒子などが好ましく挙げられる。
シリカ被覆微粒子の構成としては、フィラー表面にシリカ微粒子が固体成分として付着しているものであっても、アルコキシシロキサン系化合物を縮合反応させてフィラー表面にシロキサン系化合物層を形成したものであってもよい。
シリカは必ずしもフィラー表面全域を被覆している必要はなく、少なくともフィラーに対し、0.5質量%以上の量で表面被覆していれば、上述の効果を得ることができる。
シリカの表面被覆状態は、走査型電子顕微鏡(TEM)等による形態観察により確認することができ、また、シリカの被覆量は、蛍光X線分析などの元素分析によりSi原子を検知し、そこに存在するシリカの量を算出することで確認することができる。
シリカ被覆微粒子の製造方法としては特に制限はなく、例えば、特開2002−327036号公報、特開2002−173410号公報、特開2004−307837号公報、及び、特開2006−38246号公報などに詳細に記載された方法も適用することができる。また、ここに記載の方法により得られるシリカ被覆微粒子はいずれも本発明に好適に使用することができる。
シリカ被覆微粒子の硬度は、好ましくは、ビーゴ製Multimode AFMにHysitron社製Triboscopeを接続した装置で測定した場合で、0.0005〜0.20GPaであり、より好ましくは0.001〜0.15Gpaであり、最も好ましい硬度は、0.003〜0.010Gpaである。なお、この硬度は、シリカ被覆微粒子の材質やシリカ層の被覆量等により、適宜、調整することができる。
ここで、本発明における保護層が重層構造を有し、その上部保護層にシリカ被覆微粒子を添加させた場合には、シリカ被覆微粒子の硬度は、下部保護層の硬度と同じか、小さいことが好ましい。
また、シリカ被覆微粒子の形状は、真球状形状が好ましいが、平板形状若しくは楕円形状でもよい。
シリカ被覆微粒子の好ましい平均粒子径は1〜30μmφであり、更に好ましくは、1.5〜20μmφであり、最も好ましくは、2〜15μmφである。この範囲において十分なスペーサー機能、マット性能を発現することができ、保護層表面への固定化が容易で、外部からの接触応力に対しても優れた保持機能を有する。
特に、シリカ被覆微粒子の真比重は、0.90から1.30の範囲にあり、且つ、平均粒子径が2.0〜15μmであることが好ましく、真比重が、0.90から1.20の範囲にあり、3.0〜12μmであることがより好ましい。
保護層に対するシリカ被覆微粒子の好ましい添加量は、5〜1000mg/m2であり、更に好ましくは、10〜500mg/m2であり、最も好ましくは、20〜200mg/m2である。
より具体的には、シリカ被覆微粒子の保護層固形分中の含有量は、表面マット効果の発現、感度、及び保護層表面からの粒子が離脱することなどの観点から、1.0質量%〜20質量%が好ましく、2.0質量%〜10質量%がより好ましい。
保護層の成分(ポリビニルアルコールや無機質の層状化合物の選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。
本発明において、保護層は単層に限らず、互いに異なる組成を有する複数の保護層を重層構造で設けることも可能である。重層構造の保護層の好ましい態様としては、記録層に近接して無機質の層状化合物を含有する保護層を下部保護層として設け、その表面に無機質の層状化合物と有機フィラーとを含有する保護層を上部保護層として、これらを順次積層する態様が挙げられる。
このような積層構造の保護層を設けることによって、最上層の保護層において、フィラーに起因する耐傷性、耐接着性の利点を十分に生かしながら、下部保護層の優れた酸素遮断性と相俟って、傷の発生及び所望されない酸素透過のいずれに起因する画像欠損も効果的に防止することができる。
平版印刷版原版を、合紙なしで使用するためには、下部保護層が雲母及びポリビニルアルコールを含み、上部保護層が有機フィラー及び雲母を含む組み合わせとすることが好ましい。
本発明における保護層は、25℃−1気圧における酸素透過度が、0.5ml/m2・day以上100ml/m2・day以下であることが好ましく、このような酸素透過度を達成するように、塗布量を調整することが好ましい。
保護層の塗布量は、得られる保護層の膜強度や耐キズ性、画質の維持、セーフライト適性を付与するための適切な酸素透過性を維持する観点で、0.1g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.25g/m2〜2.5g/m2がより好ましい。
また、重層構造の保護層を設ける場合についても、その塗布方法には特に制限はなく、同時重層塗布を行う方法、逐次塗布して重層する方法のいずれも適用することができる。無機質の層状化合物を含有する下部保護層と無機質の層状化合物と有機フィラーとを含有する上部保護層との被覆量は、乾燥後の重量で、下部保護層が0.1g/m2〜1.5g/m2が好ましく、0.2g/m2〜1.0g/m2がより好ましく、上部保護層が0.1g/m2〜4.0g/m2が好ましく、0.2g/m2〜3.0g/m2がより好ましい。両者のバランスとしては、1:1〜1:5であることが好ましい。
<支持体>
平版印刷版原版に用いることができる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な支持体であればよいが、表面が親水性である親水性支持体であることが好ましく、アルミニウム板がより好ましい。
例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、前記金属がラミネートされ若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム支持体と処理方法とは、具体的には、特開2005−88300号公報に記載されているアルミニウム支持体及び処理方法が好ましく例示できる。
<下塗り層>
平版印刷版原版においては、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、記録層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と記録層との密着性を強化し、また、未露光部においては、記録層の支持体からの剥離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であることが好ましく、1〜30mg/m2であることがより好ましい。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後、又は、下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で
好ましい。
〔平版印刷版の処理方法〕
本発明の平版印刷版の処理方法(製版方法)は、本発明の平版印刷版用版面処理剤を使用した方法であれば、特に制限はないが、平版印刷版原版を画像露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、処理液により現像処理する工程(以下、「現像工程」ともいう。)、及び、本発明の平版印刷版用版面処理剤を用いて版面処理する工程(以下、「版面処理工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
水溶性高分子を含む処理液を使用して、現像処理と版面処理とを1液でかつ1浴で行うこともできる。
<露光工程、及び、現像工程>
本発明に使用する平版印刷版原版の処理方法は、本発明の平版印刷版用版面処理剤を使用した方法であれば、特に制限はないが、平版印刷版原版を画像露光する工程、及び、現像液により現像処理する工程を含むことが好ましい。
ここで、現像処理とは、現像液により、記録層の非露光部を除去して、露光部に対応する画像を形成することをいう。
現像処理の際に、保護層の除去を現像処理に先立って又はこれと同時に行うことができる。
本発明において、平版印刷版原版から平版印刷版を製造する製版プロセスにおいては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、平版印刷版原版の全面を加熱してもよい。このような加熱により、画像形成層中の画像形成反応が促進され、感度の向上、耐刷性の向上及び感度の安定化という利点が得られる。さらに、画像強度及び耐刷性の向上を目的として、現像により得られた画像を後加熱したり、全面露光したりすることも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。現像後の加熱にはより強い条件を利用する。200〜500℃の温度範囲が好ましい。
本発明の平版印刷版の処理方法に用いることができる平版印刷版原版としては、前述したものを好適に用いることができる。
本発明に用いることができる平版印刷版原版は、可視光レーザー、赤外線レーザーなどのレーザーで記録できる平版印刷版原版であることが好ましい。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。
本発明に用いることができる露光光源は、平版印刷版原版の記録層の態様に応じて適宜選択し得るが、350nm以上450nm以下の可視光レーザー、波長760nm以上1,200nm以下の赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーであることが好ましく、これらにより平版印刷版原版が画像露光されることが好ましい。
本発明に用いることができる平版印刷版原版は、露光した後、好ましくは水又はアルカリ性水溶液にて現像することが好ましい。
平版印刷版原版の現像液及び補充液としては、従来公知のアルカリ水溶液が使用できる。
例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
これらのアルカリ剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
現像液又は補充液のpHとしては、14以下であることが好ましく、pH8.5〜13.2であることがより好ましい。
さらに、自動現像機を用いて現像する場合には、現像液と同じもの、又は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷版原版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。
好ましい有機溶剤としては、ベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはその誘導体、又は、ポリプロピレングリコール若しくはその誘導体等の添加も好ましい。また、アラビット、ソルビット、マンニット等の非還元糖を添加することもできる。
さらに、現像液及び補充液には、必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸または亜硫酸水素酸のナトリウム塩及びカリウム塩等の無機塩系還元剤、さらに有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
<版面処理工程>
本発明の平版印刷版の処理方法は、版面処理する工程を含んでもよい。
本発明の版面処理剤は、特に制限なく、公知のものが使用される。
本発明の版面処理剤の使用態様は、特に制限されるものではないが、自動ガム塗布機などを使用すると、均一に塗布することができ、好ましい。
本発明の版面処理剤による処理は、現像工程の後、無水洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む。)あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に行うこともできる。
保護層の除去、現像処理及びガム引きを1浴で行うこともできる。
本発明に使用する版面処理剤による版面処理は、自動現像機を用いて行うことも適している。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
特に、近年では、レーザー光で露光する高感度記録タイプの記録層を塗布した平版印刷版が使用されることもある(例えば前記の(1)〜(3)の態様等)。
なお、ここでいうレーザー光の波長は特に限定されず、例えば、以下の波長を有するレーザーを挙げることができる。
(a)波長域350〜450nmのレーザー(具体例としては、波長405±5nmのレーザーダイオード)。
(b)波長域480〜540nmのレーザー(具体例としては、波長488nmのアルゴンレーザー、波長532nmの(FD)YAGレーザー、波長532nmの固体レーザー、波長532nmの(グリーン)He−Neレーザー)。
(c)波長域630〜680nmのレーザー(具体例としては、波長630〜670nmのHe−Neレーザー、波長630〜670nmの赤色半導体レーザー)。
(d)波長域800〜830nmのレーザー(具体例としては、波長830nmの赤外線(半導体)レーザー)。
(e)波長1,064〜1,080nmのレーザー(具体例としては、波長1,064nmのYAGレーザー)。
これらのうち、例えば、(b)及び(c)の波長域のレーザー光はいずれも、上記した(3)、(4)又は(5)の態様の記録層を有する平版印刷版の双方に適用可能である。また、(d)及び(e)の波長域のレーザー光はいずれも、上記の(1)、(2)、(3)、(8)又は(9)の態様の記録層を有する平版印刷版の双方に適用可能である。もちろん、レーザー光の波長域と記録層との関係はこれらに限定されない
PS版10の形状等は特に限定されず、例えば、厚み0.1〜0.5mm、長辺(幅)200〜1650mm、短辺(長さ)200〜3150mmのアルミニウム板の片面に感光層又は感熱層が塗布されたもの等とすることができる。
ここで、本発明の実施の形態に係る保護材としての当てボール62について説明する。
図2に示すように、厚紙72としては、特に限定されない。例えば、厚紙72の材料として、木材パルプ、麻等の天然繊維、ポリオレフィン等の線状高分子から得られる合成パルプ、再生セルロース等を単独又は混合して使用することができる。特に、木材パルプや天然繊維繊等、低コストの材用を選択することで、厚紙72を低コストで製造することができる。より具体的には、例えば、原料故紙を叩解し、4%の濃度に希釈した紙料にサイズ剤を厚紙重量の0.1%、紙力剤を厚紙重量の0.2%になるように加え、さらに硫酸アルミニウムをPHが5.0になるまで加えた紙料を用いて抄紙して得られた密度0.72g/cm3、坪量640g/m2の厚紙72を挙げることができるが、もちろんこれに限定されるものではない。
図2に示すように、当てボール62は厚紙72の上下面を、プラスチックによりラミネートしており、具体的には35〜65μmの厚みを有する低密度ポリエチレン(LDPE)(プラスチック)74でラミネートしている。もちろんラミネートするプラスチックは適当な硬さの防湿性プラスチックを広く使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を例示することができる。ラミネートには、プラスチックフィルムを熱圧着する方法、また、プラスチックを溶融状態で厚紙に塗布して冷却する方法で作製することが好ましいが、もちろんこれに限定されるものではない。
なお、本発明において、「ラミネート」は、広義と狭義の意味を有し、広義のラミネートとは、厚紙の片面又は両面にプラスチックを存在せしめることを意味し、狭義のラミネートとは、薄いプラスチックを厚紙に重ね合わすことをいう。
通常、積層体60は、図3に示すように、好ましくは積層体60の上下に当てボール62が配置された状態で包装され、PS版10の湾曲や、外力による変形、損傷等を防止しているが、当てボール62とPS版10が直接に接触するため、当てボール62より発生する異物によって、PS版10が画像故障を起こしてしまう。
このため、本発明では、厚紙72の両面又は片面をプラスチック74によりラミネートしており、これにより、当てボール62より発生する異物を防止することができ、記録層への異物付着を防止することができる。
以下、実施例によって本発明を説明するが、これらに特に限定されるものではない。
(支持体の作製)
厚さ0.30mm、幅1,030mmのJIS A 1050アルミニウム板を用いて、以下に示す表面処理を行った。
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(f)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
(a)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃でエッチング処理を行い、アルミニウム板を5g/m2溶解した。その後水洗を行った。
(b)温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後水洗した。
(c)60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。この時の電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオン0.5質量%、アンモニウムイオン0.007質量%含む)、温度30℃であった。交流電源は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で250C/cm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後水洗を行った。
(d)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を35℃で行い、アルミニウム板を0.2g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の除去と、生成したピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その後水洗した。
(e)温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後スプレーによる水洗を行った。
(f)硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度33℃、電流密度が5(A/dm2)で、50秒間陽極酸化処理を行った。その後水洗を行った。この時の陽極酸化被膜重量が2.7g/m2であった。
<下塗り層>
次に、このアルミニウム支持体に下記下塗り層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し、90℃30秒間乾燥した。塗布量(乾燥後の被覆量)は10mg/m2であった。
−下塗り層用塗布液−
・下記構造の高分子化合物A(重量平均分子量:3万) 0.05g
・メタノール 27g
・イオン交換水 3g
Figure 2010201886
<記録層の形成>
下記記録層用塗布液(A)を調製し、上記のように形成された中間層上にワイヤーバーを用いて塗布し、実施例1〜9及び15〜22、並びに、比較例1、2及び5〜7で使用する平版印刷版原版を作製した。乾燥は、温風式乾燥装置にて125℃で34秒間行った。乾燥後の被覆量は1.4g/m2であった。
<記録層用塗布液(A)>
・赤外線吸収剤(IR−1) 0.038重量部
・重合開始剤A(S−1) 0.061重量部
・重合開始剤B(I−1) 0.094重量部
・メルカプト化合物(E−1) 0.015重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.425重量部
(商品名:A−BPE−4、新中村化学工業(株))
・バインダーポリマーA(B−1)(重量平均分子量:11万) 0.311重量部
・バインダーポリマーB(B−2)(重量平均分子量:10万) 0.250重量部
・バインダーポリマーC(B−3)(重量平均分子量:12万) 0.062重量部
・添加剤(T−1) 0.079重量部
・重合禁止剤(Q−1) 0.0012重量部
・エチルバイオレット(EV−1) 0.021重量部
・フッ素系界面活性剤 0.0081重量部
(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、メチルイソブチルケトン(MIBK)30重量%溶液)
・メチルエチルケトン 5.886重量部
・メタノール 2.733重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886重量部
なお、上記記録層用塗布液(A)に用いた、赤外線吸収剤(IR−1)、重合開始剤A(S−1)、重合開始剤B(I−1)、メルカプト化合物(E−1)、重合性化合物(M−1)、バインダーポリマーA(B−1)、バインダーポリマーB(B−2)、バインダーポリマーC(B−3)、添加剤(T−1)、重合禁止剤(Q−1)、及びエチルバイオレット(EV−1)の構造を以下に示す。なお、下記において、Meはメチル基を表す。
Figure 2010201886
Figure 2010201886
Figure 2010201886
Figure 2010201886
<下部保護層の形成>
形成された記録層上に、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(ゴーセランCKS−50、ケン化度99モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)、界面活性剤A(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710)、及び、界面活性剤B(アデカプルロニックP−84:(株)ADEKA製)の混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(下部保護層形成用塗布液)中の合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/界面活性剤A/界面活性剤Bの含有量割合は、7.5/89/2/1.5(重量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は、0.5g/m2であった。
<上部保護層の形成>
下部保護層上に、有機フィラー(アートパールJ−7P、根上工業(株)製)、合成雲母(ソマシフMEB−3L、3.2%水分散液、コープケミカル(株)製)、ポリビニルアルコール(L−3266:ケン化度87モル%、重合度300、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、日本合成化学工業(株)製)、増粘剤(セロゲンFS−B、第一工業製薬(株)製)、及び、界面活性剤(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710)の混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で30秒間乾燥させた。
この混合水溶液(上部保護層形成用塗布液)中の有機フィラー/合成雲母(固形分)/ポリビニルアルコール/増粘剤/界面活性剤の含有量割合は、3.2/2.0/80.5/11.5/2.8(重量%)であり、塗布量は(乾燥後の被覆量)は、1.76g/m2であった。
<バックコート層の形成>
平版印刷版原版Aの記録層及び保護層を設けた側と反対の面に、特開平6−35174号公報の実施例1と同様のバックコート層を設けた。
(サンプルの作製)
前記ネガ型平版印刷原版を縦2頁版(幅400mm×縦1,100mm)に裁断して、サンプルを作製した。
(振動試験)
得られたネガ型平版印刷原版を、振動試験機に50枚積載、最上部にラミネート有り当てボールを乗せバンドで固定後、振動加速度±1G,振動数範囲5〜100Hzを5分間行った。比較として当てボールをラミネート無し当てボールに変更し、前記と同様な試験を行った。
(画像ヌケ評価)
当てボールと接触していた積層体の最上部の平版印刷版原版を、Creo社製Trendsetter800IIQuantumにて、解像度2,400dpi、外面ドラム回転数200rpm、出力5Wでベタ露光した。露光後、加熱処理、水洗処理は行わず、富士フイルム(株)製自動現像機LP−1310HIIを用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃で現像処理した。なお、現像液は富士フイルム(株)製現像液HN−Dの1:4水希釈液を用いた。
現像して得られた平版印刷版の画像部に発生した白ヌケの有無を目視評価した。
なお、nは、上記サンプル作製、振動試験及び画像ヌケ評価の一連の実施回を示しており、n=1とn=2では、全く同じ作業を行っている。
Figure 2010201886
表1から明らかなように、実施例1のラミネート有り当てボールは、比較例1に比べ画像部白抜けが良好であることがわかった。
60 積層された平版印刷版原版(積層体)
62 当てボール(保護材)
72 厚紙(保護材)
74 低密度ポリエチレン(プラスチック)
80 遮光部材

Claims (4)

  1. 合紙を挿入することなく積層されたネガ型平版印刷版原版の少なくとも最上部に、厚紙の片面又は両面にプラスチックが存在する厚紙のプラスチック面が前記平版印刷版原版の記録層と対向するように載置され、前記積層された平版印刷版原版及び前記厚紙の全体が遮光部材により包装されたことを特徴とする、平版印刷版原版包装体。
  2. 前記厚紙の両面にプラスチックが存在する、請求項1に記載の平版印刷版原版包装体。
  3. 前記積層された平版印刷版原版の最下部に厚紙のプラスチックが存在する面が前記平版印刷版原版の支持体に対向するように配置された、請求項1又は2に記載の平版印刷版原版包装体。
  4. 前記平版印刷版原版の記録層が、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び、(D)バインダーポリマーを含有する請求項1〜3いずれか1項に記載の平版印刷版原版包装体。
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