JP2010276824A - 平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の積層体 - Google Patents

平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷性に優れ、かつ、合紙を挟み込むことなく積層した場合における耐圧力性に優れる平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の積層体を提供すること。
【解決手段】支持体上に、重合性ネガ型感光層と、第1保護層と、第2保護層と、第3保護層とをこの順に有し、前記第1、第2、及び、第3保護層はそれぞれ、水溶性樹脂を含み、前記第1保護層は、無機粒子を含有せず、前記第2保護層は、無機粒子を含有し、前記第3保護層は、有機樹脂を含む粒子を含有していることを特徴とする平版印刷版原版、及び、前記平版印刷版原版の積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、赤外線、紫外線レーザー光での直接描画、高速製版可能なネガ型の平版印刷版原版、及び、その積層体に関する。
従来、平版印刷版原版としては親水性支持体上に親油性の感光性樹脂層を設けた構成を有するPS版が広く用いられ、その製版方法として、通常は、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)後、非画像部を溶解除去することにより所望の印刷版を得ていた。近年、画像情報をコンピューターを用いて電子的に処理、蓄積、出力する、デジタル化技術が広く普及してきている。そして、そのようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきた。その結果レーザー光のような指向性の高い光をデジタル化された画像情報に従って走査し、リスフイルムを介すこと無く、直接印刷版を製造するコンピューター トゥ プレート(CTP)技術が切望されており、これに適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題となっている。
このような走査露光可能な平版印刷版原版としては、親水性支持体上にレーザー露光によりラジカルやブレンステッド酸などの活性種を発生し得る感光性化合物を含有した親油性感光性樹脂層(以下、「感光層」ともいう。)を設けた構成が提案され、既に上市されている。この平版印刷版原版をデジタル情報に基づきレーザー走査し活性種を発生せしめ、その作用によって感光層に物理的、或いは化学的な変化を起こし不溶化させ、引き続き現像処理することによってネガ型の平版印刷版を得ることができる。
特に、親水性支持体上に、感光スピードに優れる光重合開始剤、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物、及びアルカリ現像液に可溶なバインダーポリマーを含有する光重合型の感光層、並びに必要に応じて酸素遮断性の保護層を設けた平版印刷版原版(例えば、特許文献1参照)は、生産性に優れ、更に現像処理が簡便であり、解像度や着肉性もよいといった利点から、望ましい印刷性能を有するものである。
また、より生産性を向上させるため、つまり、製版スピードを向上させるために、特定の構造を有するシアニン色素、ヨードニウム塩及びエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合可能な化合物よりなる光重合性組成物を感光層に用い、画像様露光後の加熱処理を必要としない記録材料が提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、この記録材料は、重合反応時に空気中の酸素による重合阻害がおこり、感度の低下や、形成された画像部の強度が不充分であるという問題があった。
この問題に対し、感光層上に水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法、或いは、無機質の層状化合物と水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法(例えば、特許文献3参照。)が知られている。これらの保護層の存在により、重合阻害が防止され、感光層の硬化反応が促進され、画像部の強度を向上させることが可能となる。
一方、現像処理が簡便である光重合型の平版印刷版原版の製版作業における生産性としては、露光工程にかかる時間短縮が重要となってくる。露光工程には、通常、原版と原版の間に、原版同士の接着防止機能や、比較的軟らかい保護層の表面がアルミニウム支持体とこすれて生じるキズ防止機能を有する合紙が挿入された積層体として供給される。そのため、露光工程での合紙除去時間が非効率の原因となっていた。この露光工程での効率化を図るためには、原版間に合紙を挿入しない積層体を用いることで、合紙除去の工程を省略すればよく、このことから、平版印刷版原版同士の耐接着性と保護層表面がアルミニウム支持体とこすれて生じるキズについての改良が望まれていた。平版印刷版原版同士の耐接着性の向上に関しては、前述の無機質の層状化合物と水溶性ポリマーを含有する保護層を設ける方法が有効であるが、保護層表面がアルミニウム支持体とこすれる場合には、むしろキズつき易くなる。更に、無機質の層状化合物を添加した保護層の最表層は摩擦係数が小さく滑りやすく、積層体にした場合、横からの応力に対し積層体が崩れやすいという致命的な欠点を有していた。
以上のことより、重合性ネガ型感光層の重合阻害を抑制することができ、原版間に合紙を挿入せずに積層体を形成しても、平版印刷版原版同士の耐接着性が改良され、また、保護層表面がアルミニウム支持体とこすれて生じるキズが抑制され、製版作業における生産性を向上し得る平版印刷版原版が望まれている。
上記のようなこすりキズを改良し得る技術として、例えば、特許文献4には、有機樹脂からなる微粒子を含むマット層を設ける方法が記載されている。
しかしながら、上記のようなマット層を平版印刷版原版に設けた場合では、積層したりする際に、マット層側の外部から圧力がかかった場合、マット層を構成する微粒子が感光層に陥没し、感光層を物理的に破壊する場合がある。特に、重合性ネガ型感光層は、その重合効率を高め高感度化を実現するために、被膜の物理的強度が低く、破壊され易い。感光層が破壊されると、その箇所が画像部の場合には画像欠陥となり、印刷品質を著しく損なうという問題が生じる。
上記のような問題を改良し得る技術として、重合性ネガ型感光層と有機樹脂微粒子を含有する保護層との間に、有機樹脂微粒子の硬度よりも高い硬度を有する雲母など無機微粒子を含む酸素遮断層を設ける構成を採用する方法が記載されている(特許文献5参照)。
特開平10−228109号公報 特公平7−103171号公報 特開平11−38633号公報 特許第2739395号公報 特開2008−89916号公報
上記のようなマット層を構成する粒子が感光層に陥没するのを抑制するために、酸素遮断層は無機粒子が多量に含まれている。しかしながら、一般的に無機粒子を含む酸素遮断層が重合性ネガ型感光層上に存在することにより、2層間で層間混合が起こり、多量の無機粒子が感光層中に混入する。この感光層中の多量の無機粒子が親水性を示すことにより印刷品質を著しく損なうという問題があった。
そこで、本発明は前記の問題を鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明の目的は、印刷性に優れ、かつ、合紙を挟み込むことなく積層した場合における耐圧力性に優れる平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の積層体を提供することである。
本発明の上記課題は、下記<1>及び<10>によって達成された。好ましい実施態様である<2>〜<9>とともに以下に列記する。
<1>支持体上に、重合性ネガ型感光層と、第1保護層と、第2保護層と、第3保護層とをこの順に有し、前記第1、第2、及び、第3保護層はそれぞれ、水溶性樹脂を含み、前記第1保護層は、無機粒子を含有せず、前記第2保護層は、無機粒子を含有し、前記第3保護層は、有機樹脂を含む粒子を含有していることを特徴とする平版印刷版原版、
<2>前記第2保護層が含有する無機粒子が、雲母である上記<1>に記載の平版印刷版原版、
<3>前記第3保護層が含有する有機樹脂を含む粒子が、シリカで被覆されている粒子である上記<1>又は<2>に記載の平版印刷版原版、
<4>前記第1保護層の乾燥塗布量が、0.1〜3.0g/m2である上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<5>前記第1保護層が含有する水溶性樹脂の主成分が、ポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドである上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<6>前記第1、第2、及び、第3保護層がそれぞれ、水溶性樹脂としてポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドを含む上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<7>前記第1、第2、及び、第3保護層の乾燥塗布量の合計が、1.0〜4.0g/m2である上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<8>前記重合性ネガ型感光層が、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び、(D)バインダーポリマーを含有する層である上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<9>前記支持体と前記重合性ネガ型感光層との間に、中間層を有する上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版、
<10>上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版を、第3保護層と支持体裏面とを直接接触させて複数枚積層してなる平版印刷版原版の積層体。
本発明によれば、印刷性に優れ、かつ、合紙を挟み込むことなく積層した場合における耐圧力性に優れる平版印刷版原版、及び、平版印刷版原版の積層体を提供することができる。
アルミニウム支持体の作製における機械粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す側面図である。 アルミニウム支持体の作成における電気化学的な粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
<平版印刷版原版、及びその積層体>
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、重合性ネガ型感光層と、第1保護層と、第2保護層と、第3保護層とをこの順に有し、前記第1、第2、及び、第3保護層はそれぞれ、水溶性樹脂を含み、前記第1保護層は、無機粒子を含有しておらず、前記第2保護層は、無機粒子を含有しており、前記第3保護層は、有機樹脂を含む粒子を含有していることを特徴とする。
また、本発明の平版印刷版原版の積層体は、本発明の平版印刷版原版を直接接触させて複数枚積層してなる積層体であり、本発明の平版印刷版原版を、第3保護層と支持体裏面とを直接接触させて複数枚積層してなる積層体であることが好ましい。本発明の平版印刷版原版の積層体は、2枚以上の本発明の平版印刷版原版を、合紙を挟み込むことなく積層してなるため、製版作業における生産性を向上させることができる。
以下、本発明の平版印刷版原版を構成する、第1保護層、第2保護層、第3保護層、重合性ネガ型感光層、及び、支持体等の各構成要素について説明する。
〔第1保護層〕
本発明の平版印刷版原版における第1保護層は、主として、無機粒子を含む第2保護層と感光層との層間混合を防止するための層である。
第1保護層は、無機粒子を含有していない層であり、無機粒子及び有機粒子を含有していない層であることが好ましい。
(バインダー)
保護層を形成するバインダーは、均一な皮膜を形成し得るものであれば特に制限はないが、以下に詳述する観点から、水溶性ポリマーを少なくとも含む。しかしながら、保護層を形成するバインダーとしては、水溶性ポリマーのみに限定されるわけではなく、水不溶性ポリマーを本発明の効果を損なわない限りにおいて適宜選択して併用することも可能である。
保護層のバインダーとして用いられる各種ポリマーとしては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン、デンプン誘導体、アラビアゴム等の水溶性ポリマーや、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等のポリマー等が挙げられる。これらは、必要に応じて2種以上を併用して用いることもできる。
中でも、第1保護層の形成に用いられるバインダーポリマーとしては、記録層との密着性に優れ、且つ、露光後の現像工程で容易に除去できるポリマーが好ましい。
このような観点から、第1保護層のバインダー成分としてはそれぞれ、水溶性ポリマーを少なくとも含有し、ポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドを主成分として用いることが好ましく、ポリビニルアルコールを主成分として用いることがより好ましい。特に、ポリビニルアルコールは優れた被膜形成性を有する。
本発明において好ましい水溶性ポリマーとして用いられるポリビニルアルコール(PVA)は、ケン化度85〜99の化合物であることが好ましく、91.0〜99の化合物であることがより好ましい。ケン化度がこの範囲であれば、必要な酸素遮断性と低接着性表面を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、いずれの構成を有していてもよい。すなわち、ポリビニルアルコールの一部が、エステル、エーテル及びアセタールで置換されたものでもよいし、また、一部が変性されていてもよいし、更に、他の共重合成分を含むものであってもよい。
一般には、使用するPVAのケン化度が高い程、言い換えれば、未置換ビニルアルコール単位含率が高い程、酸素遮断性が高くなる。このため、本発明に係る保護層は、例えば、ケン化度が91モル%以上のポリビニルアルコールを主成分とすることが好ましい。
バインダーポリマーは、重合度が200〜2,400の範囲のものが好ましい。このようなポリマーは市販品としても入手可能であり、ポリビニルアルコールにおいて具体的には、(株)クラレ製の、PVA−102、PVA−103、PVA−104、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−120、PVA−124、PVA−117H、PVA−135H、PVA−HC、PVA−617、PVA−624、PVA−706、PVA−613、PVA−CS、PVA−CST、日本合成化学工業(株)製の、ゴーセノールNL−05、NM−11、NM−14、AL−06、P−610、C−500、A−300、AH−17、日本酢ビ・ポバール(株)製の、JF−04、JF−05、JF−10、JF−17、JF−17L、JM−05、JM−10、JM−17、JM−17L、JT−05、JT−13、JT−15等が挙げられる。
さらに、本発明において用いられる好ましい水溶性ポリマーとしては、例えば、イタコン酸やマレイン酸変性のカルボキシ変性ポリビニルアルコールやスルホン酸変性ポリビニルアルコール等も好適なものとして挙げられ、これら酸変性ポリビニルアルコールも、より好ましく使用できる。
第1保護層の形成に好適に用いられる酸変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、(株)クラレ製の、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、MP−102、R−2105、日本合成化学工業(株)製の、ゴーセナールCKS−50、T−HS−1、T−215、T−350、T−330、T−330H、日本酢ビ・ポバール(株)製の、AF−17、AT−17等が挙げられる。
分散安定性向上の目的で所望により界面活性剤を加えることができる。
界面活性剤としては、特に制限なく公知のものが使用でき、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、何れも使用可能である。これらの界面活性剤としては、具体的には、特開2008−89916号公報の段落0048に記載の化合物が好ましく用いることができる。これら界面活性剤の更に多くの具体例については「最新・界面活性剤の機能創製・素材開発・応用技術」堀内照夫、鈴木敏幸編集 技術教育出版社に記載されるものを挙げることができる。
本発明における第1保護層の乾燥塗布量(すなわち、乾燥後の被覆量)は、0.1g/m2〜3.0g/m2であることが好ましく、0.2g/m2〜1.0g/m2であることがさらに好ましい。この乾燥塗布量の範囲において、保護層の膜強度が良好に維持され、耐キズ性に優れる。また、露光により保護層に入射した光の透過性も保たれる。
〔第2保護層〕
本発明の平版印刷版原版における第2保護層(「酸素遮断層」ともいう。)は、無機粒子を含有する。
本発明における酸素遮断層は、主として、重合性ネガ型感光層の酸素による重合阻害を防止するための層であって、酸素遮断性を有するものである。より具体的には、本発明における酸素遮断層は、25℃−60%RH1気圧における酸素透過度が、0.5ml/m2・day以上100ml/m2・day以下であることが好ましく、この酸素透過度を達成する組成を選択することが好ましい。
さらに、本発明の平版印刷版原版における第2保護層の無機粒子としては、特に制限はなく公知の無機粒子を用いることができるが、酸素遮断性や感光層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることが好ましい。
ここで無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記式
A(B,C)2-5410(OH,F,O)2
(式中、AはK、Na、Caのいずれかを表し、B及びCはFe(II)、Fe(III)、Mn、Al、Mg、Vのいずれかを表し、DはSi又はAlを表す。)
で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
本発明においては、前記無機質の層状化合物の中でも、雲母が有用であり、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性合成雲母が特に有用である。
無機質の層状化合物のアスペクト比は、20以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、200以上であることが更に好ましい。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、例えば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
無機質の層状化合物の粒子径は、その平均長径が、0.3〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることが更に好ましい。また、前記層状化合物の平均の厚さは、0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましく、0.01μm以下であることが更に好ましい。例えば、無機質の層状化合物のうち、膨潤性合成雲母のサイズは、厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μmであることが好ましい。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止することができるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
第2保護層中の無機粒子の含有量は、第2保護層に使用されるバインダーの量に対し、重量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機粒子を併用した場合でも、これら無機粒子の合計量が上記の重量比であることが好ましい。
(バインダー)
本発明における酸素遮断層を構成するバインダーとしては、水溶性樹脂を少なくとも含み、酸素遮断性と、均一な皮膜を形成し得るものであれば特に制限はなく、前述の第1保護層を構成するバインダーと同じものを用いることができる。
ここで、酸素遮断層を構成するバインダーとしては、酸素遮断性、現像除去性、耐熱接着性、物理強度耐性等の観点から、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。このポリビニルアルコールは、前述の保護層を構成するポリビニルアルコールと同様のものが用いられる。
バインダー(好ましくは、ポリビニルアルコール)は、酸素遮断層中の全固形分量に対して、45〜95重量%の範囲で含有されることが好ましく、50〜90重量%の範囲で含有されることがより好ましい。この含有量の範囲において、優れた被膜形成性と、酸素遮断性を得ることができる。
酸素遮断層を形成する水溶性ポリマーは1種のみを用いてもよく、目的に応じて複数種を併用してもよい。例えば、PVAにポリビニルピロリドンを併用することで酸素透過性を制御することができる。
また、本発明における酸素遮断層には、前記各成分の他、本発明の効果を損なわない範囲において、種々の添加剤を目的に応じて添加することができる。
第2保護層に好適に用いるができる無機質層状化合物の分散方法は、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報等に記載の方法が用いられる。
無機粒子の第2保護層に含有される量は、バインダー100重量部に対して、5〜50重量部の割合で添加することが好ましい。
また、本発明における第2保護層の乾燥塗布量は、0.1g/m2〜3.0g/m2であることが好ましく、0.2g/m2〜1.0g/m2であることが更に好ましい。この乾燥塗布量の範囲において、第2保護層の酸素遮断性が良好となり、露光により保護層に入射した光の透過性も保たれる。
本発明における第2保護層の硬度(H2)は、後述の有機樹脂を含む粒子の硬度(H1)と同じか、高ければ、特に限定されないが、好ましくは、ビーコインスツルメンツ社製Multimode AFMにHysitron社製Triboscopeを接続した装置で測定した場合で、0.05〜0.50GPaであり、より好ましくは0.10〜0.40Gpaであり、最も好ましい硬度は、0.15〜0.30Gpaである。
なお、この硬度は、酸素遮断層を構成する材料の材質や、配合量等により、適宜、調整することができる。
〔第3保護層〕
本発明における第3保護層は、有機樹脂を含む粒子(「有機樹脂粒子」ともいう。)を含有する層である。この粒子の存在により、比較的柔らかな凸部を有する保護層を得ることができる。この第3保護層が最上層となることから、また、更に、保護層にマット性が付与されたことから、本発明の平版印刷版原版を、合紙を挟み込むことなく積層した場合、この保護層表面と隣接する平版印刷版原版の支持体裏面との接着、及び、保護層表面と支持体裏面との間で生じるこすりキズを抑制することが可能となる。
まず、本発明における有機樹脂粒子について説明する。
(有機樹脂粒子)
本発明における有機樹脂粒子は、平版印刷版原版の保護層表面と隣接する平版印刷版原版の支持体裏面との接着、及び、保護層表面と支持体裏面との間で生じるこすりキズを抑制するために添加するものである。
このような、マット剤として働く有機樹脂粒子に望まれる基本的特性は、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、空気中の湿分や、温度によって、軟化したり、ベトついたりすることがなく、保護層表面に適当な、凹凸を付与し、接着表面積を減少させるものが好ましい。
また、こすりキズ抑制の観点からは、有機樹脂粒子は、硬い支持体裏面(アルミニウム)とこすれた時に生じる応力を緩和できるものが好ましい。
更に、本発明における有機樹脂粒子は、保護層のバインダー(例えば、ポリビニルアルコール)と親和性が高く、保護層中に良く混練され、保護層表面から脱離することがないものが好ましい。
上記のような特性を備えた有機樹脂粒子としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリスチレン及びその誘導体、ポリアミド類、ポリイミド類、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、などのポリオレフィン類、及びそれらとポバールとの共重合体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル類などの合成樹脂粒子、及びキチン、キトサン、セルロース、架橋澱粉、架橋セルロース等の天然高分子粒子が挙げられる。中でも、合成樹脂粒子は、粒子サイズ制御の容易さや、表面改質により所望の表面特性を制御し易いなどの利点がある。
このような、有機樹脂を含む粒子の製造方法は、破砕法による微粒子化も可能であるが、乳化・懸濁重合法により粒子を合成する方法が、粒子径制御の容易性、精度から現在主流に採用されている。より具体的には、これら微粒子粉体の製造方法は、「超微粒子と材料」日本材料科学会編、裳華房、1993年発刊、「微粒子・粉体の作製と応用」川口春馬監修、シーエムシー出版、2005年発刊等に詳細に記載されている。
これら有機樹脂粒子は市販品を使用することも可能である。
本発明における有機樹脂粒子として好適な市販品としては、綜研化学(株)製架橋アクリル樹脂MX−300、MX−500、MX−1000、MX−1500H、MR−2HG、MR−7HG,MR−10HG、MR−3GSN、MR−5GSN、MR−7G、MR−10G、MR−5C、MR−7GC、スチリル樹脂系のSX−350H、SX−500H、積水化成品工業(株)製アクリル樹脂、MBX−5、MBX−8、MBX−12MBX−15、MBX−20,MB20X−5、MB30X−5、MB30X−8、MB30X−20、SBX−6、SBX−8、SBX−12、SBX−17、三井化学(株)製ポリオレフィン樹脂、ケミパールW100、W200、W300、W308、W310、W400、W401、W405、W410、W500、WF640、W700、W800、W900、W950、WP100などが挙げられる。
本発明における有機樹脂粒子としては、シリカ成分を含有するものであることが好ましく、中でも、有機樹脂粒子の表面の一部がシリカ層で被覆されたシリカ被覆粒子であることが特に好ましい。有機樹脂粒子の表面の少なくとも一部にシリカが存在することで、有機樹脂粒子とバインダー(ポリビニルアルコール)との親和性向上が達成され、保護層に対して外部応力を受けた場合でも有機樹脂粒子の脱落が抑制され、優れた耐傷性、耐接着性を維持することができる。
このため、本発明における「シリカ被覆」とは、このように有機樹脂粒子の表面の少なくとも一部にシリカが存在する状態を包含するものとする。
本発明におけるシリカ被覆粒子のコアとなる有機樹脂粒子を構成する有機樹脂としては、先述べたような有機樹脂粒子に求められる物性を有する有機樹脂であれば制限なく使用することができ、具体的には、例えば、ポリアクリル酸系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
中でも、保護層の好ましいバインダーであるポリビニルアルコールとの親和性の観点から、ポリアクリル酸系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及び、メラミン樹脂などが好ましい。
また、該有機樹脂粒子表面を被覆するシリカ層を形成する材料としては、アルコキシシロキサン系化合物の縮合物などのアルコキシシリル基を有する化合物、特に、ゾル−ゲル法にて使用するシロキサン系材料、シリカゾル、コロイダルシリカ、シリカナノ粒子などのシリカ粒子などが好ましく挙げられる。
シリカ被覆粒子の構成としては、有機樹脂粒子表面にシリカ微粒子が固体成分として付着しているものであっても、アルコキシシロキサン系化合物を縮合反応させて有機樹脂粒子表面にシロキサン系化合物層を形成したものであってもよい。
シリカは必ずしも有機樹脂粒子表面全域を被覆している必要はなく、少なくとも有機樹脂粒子に対し、0.5重量%以上の量で表面被覆していれば、上述の効果を得ることができる。
シリカの表面被覆状態は、走査型電子顕微鏡(TEM)等による形態観察により確認することができ、また、シリカの被覆量は、蛍光X線分析などの元素分析によりSi原子を検知し、そこに存在するシリカの量を算出することで確認することができる。
本発明におけるシリカ被覆粒子の製造方法としては特に制限はなく、シリカ粒子或いはシリカ前駆体化合物を、樹脂粒子の原料となるモノマー成分と共存させて有機樹脂粒子形成と同時にシリカ表面被覆層を形成させる方法であってもよく、また、有機樹脂粒子を形成した後、シリカ粒子を物理的に表面に付着させ、その後、固定化する方法をとってもよい。
シリカ被覆粒子の製造方法の一例を挙げれば、まず、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリル酸などの水溶性高分子やリン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの無機系懸濁剤などから適宜選択される懸濁安定剤を含む水中に、シリカと、原料樹脂(より具体的には、前記した有機樹脂を構成する、懸濁重合が可能なモノマー、懸濁架橋が可能なプレポリマー、又は、樹脂液などの原料樹脂と、を添加、撹拌、混合して、シリカと疎水性原料樹脂とを分散させてなる懸濁液を調製する。その際、懸濁安定剤の種類、その濃度、撹拌回転数などを調節することにより、目的の粒径を有するエマルジョン(懸濁液)を形成することができる。次いで、この懸濁液を加温して反応を開始させ、樹脂原料を、懸濁重合又は懸濁架橋させることにより樹脂粒子を生成させる。このとき、共存するシリカが重合或いは架橋反応により硬化する樹脂粒子に、特に、その物性に起因して樹脂粒子表面近傍に、固定化される。その後、これを固液分離し、洗浄により粒子に付着している懸濁安定剤を取り除いて、乾燥させる。これにより、シリカが固定化された所望粒径の略球状の有機樹脂粒子が得られる。
このように、懸濁重合、或いは懸濁架橋の際に条件を制御して所望の大きさの樹脂を得ることもできるが、このような制御を厳密に行うことなくシリカ付着有機樹脂粒子を生成した後、メッシュ濾過法により所望の大きさのシリカ被覆粒子を得ることもできる。
上記方法によりシリカ被覆粒子を製造する際の混合物における原料の添加量としては、原料樹脂とシリカとの総量が100重量部の場合、まず、分散媒である水200〜800重量部に懸濁安定剤0.1〜20重量部を添加し、十分に溶解又は分散させ、その液中に、前記した100重量部の原料樹脂とシリカとの混合物を投入し、分散粒子が所定の粒度になるように撹拌速度を調整しながら撹拌し、この粒度調整を行った後に液温を30〜90℃に昇温し、1〜8時間反応させればよい。
シリカ被覆粒子の製造方法については、前記した方法はその一例であり、例えば、特開2002−327036号公報、特開2002−173410号公報、特開2004−307837号公報、及び、特開2006−38246号公報などに詳細に記載された方法も適用することができる。また、ここに記載の方法により得られるシリカ被覆粒子はいずれも本発明に好適に使用することができる。
また、本発明に用いられるシリカ被覆粒子は市販品としても入手可能であり、具体的な例としては、シリカ/メラミン複合粒子としては、日産化学工業(株)オプトビーズ2000M,オプトビーズ3500M,オプトビーズ6500M,オプトビーズ10500M,オプトビーズ3500S,オプトビーズ6500Sが挙げられる。シリカ/アクリル複合粒子としては、根上工業(株)アートパールG−200透明,アートパールG−400透明,アートパールG−800透明,アートパールGR−400透明,アートパールGR−600透明,アートパールGR−800透明,アートパールJ−7Pが挙げられる。シリカ/ウレタン複合粒子としては、根上工業(株)アートパールC−400透明,C−800透明,P−800T,U−600T,U−800T,CF−600T,CF800T,大日精化工業(株)ダイナミックビーズCN5070D,ダンプラコートTHUが挙げられる。
本発明における第3保護層には、有機樹脂粒子は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、有機樹脂粒子とシリカ被覆粒子を併用してもよい。
以下、本発明に用いられる有機樹脂粒子の好ましい物性について説明する。
本発明における有機樹脂粒子(特に、シリカ被覆粒子)の硬度(H3)は、前記酸素遮断層の硬度(H2)と同じか、低いことが好ましく、ビーコインスツルメンツ社製Multimode AFMにHysitron社製Triboscopeを接続した装置で測定した場合で、より好ましくは0.0005〜0.20GPaであり、更に好ましくは0.001〜0.15Gpaであり、最も好ましい硬度は、0.003〜0.010Gpaである。
なお、この硬度は、有機樹脂粒子の材質やシリカ層の被覆量等により、適宜、調整することができる。
また、本発明における有機樹脂粒子(シリカ被覆粒子)の形状は、真球状形状が好ましいが、平板形状又は楕円形状でもよい。
本発明における有機樹脂粒子(シリカ被覆粒子)の好ましい平均粒子径は1〜30μmφであり、更に好ましくは1.5〜20μmφであり、最も好ましくは2〜15μmφである。この範囲において十分なスペーサー機能、マット性能を発現することができ、保護層表面への固定化が容易で、外部からの接触応力に対しても優れた保持機能を有する。
特に、有機樹脂粒子(シリカ被覆粒子)の真比重は、0.90〜1.30の範囲にあり、且つ、平均粒子径が2.0〜15μmであることが好ましく、真比重が、0.90〜1.20の範囲にあり、且つ、平均粒子径が3.0〜12μmであることがより好ましい。
本発明における係る第3保護層に対する有機樹脂粒子(シリカ被覆粒子)の好ましい添加量は、5〜1,000mg/m2であり、更に好ましくは、10〜500mg/m2であり、最も好ましくは、20〜200mg/m2である。
より具体的には、有機樹脂粒子(シリカ被覆粒子)の第3保護層固形分中の含有量は、1.0重量%〜20重量%が好ましく、2.0重量%〜10重量%がより好ましい。上記範囲であると、表面マット効果が十分得られるため、接着防止効果及び耐キズ性効果に優れ、また、感度に優れ、保護層表面から粒子が離脱し故障の原因となるのを抑制することができる。
(バインダー)
本発明における第3保護層を構成するバインダーは、水溶性樹脂を少なくとも含み、酸素遮断性と、均一な皮膜を形成し得るものであれば特に制限はなく、前述の第1保護層及び第2保護層を構成するバインダーと同じものを用いることができる。ここで、第3保護層を構成するバインダーとしては、酸素遮断性、現像除去性、耐熱接着性、物理強度耐性等の観点から、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。このポリビニルアルコールは、前述の保護層を構成するポリビニルアルコールと同様のものが用いられる。
水溶性ポリマー(好ましくは、ポリビニルアルコール)は、第3保護層中の全固形分量に対して、45〜95重量%の範囲で含有されることが好ましく、50〜90重量%の範囲で含有されることがより好ましい。この含有量の範囲において、優れた被膜形成性と、それに起因する高感度化及び低接着性が達成され、積層した平版印刷版原版同士の接着を抑制する効果が発現する。
第3保護層を形成する水溶性ポリマーは1種のみを用いてもよく、目的に応じて複数種を併用してもよい。例えば、PVAにポリビニルピロリドンを併用することで酸素透過性を制御することができる。複数種の水溶性ポリマーを用いる場合においても、それらの総含有量が上記範囲であることが好ましい。
本発明における第3保護層の乾燥塗布量は、0.1g/m2〜3.0g/m2であることが好ましく、0.5g/m2〜2.0g/m2であることが更に好ましい。この乾燥塗布量の範囲において、保護層の膜強度が良好に維持され、耐キズ性に優れる。また、露光により保護層に入射した光の透過性も保たれる。
本発明における各保護層には、前記各成分の他、本発明の効果を損なわない範囲において、種々の添加剤を目的に応じて添加することができる。
例えば、記録層を露光する際に用いる光(本発明においては赤外光)の透過性に優れ、かつ、露光に関わらない波長の光を効率よく吸収し得る、着色剤(水溶性染料)を添加してもよい。これにより、感度を低下させることなく、セーフライト適性を高めることができる。
(各保護層の形成)
本発明における第1〜第3の各保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、米国特許第3,458,311号公報、特開昭55−49729号公報、又は、特開2008−89916号公報に記載されている方法を適用することができる。
本発明における第1、第2、及び、第3保護層の乾燥塗布量の合計は、0.3g/m2〜9.0g/m2であることが好ましく、1.0g/m2〜4.0g/m2であることが更に好ましい。
また、第1〜第3の各保護層の形成に用いられるバインダーポリマーとしては、記録層との密着性に優れ、その表面(最表面)は他の材料との接着性が低く、且つ、露光後の現像工程で容易に除去できるポリマーが好ましい。
このような観点から、第1〜第3の各保護層のバインダー成分としてはそれぞれ、ポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドを主成分として用いることが好ましく、ポリビニルアルコールを主成分として用いることがより好ましい。特に、ポリビニルアルコールは優れた被膜形成性と比較的低接着性の表面を有する。
〔重合性ネガ型感光層〕
本発明の平版印刷版原版は、重合性ネガ型感光層(以下、「感光層」、「画像形成層」又は「記録層」ともいう。)を有する。
本発明の平版印刷版原版は、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び、(D)バインダーポリマーを含有する重合性ネガ型感光層を有する平版印刷版原版であることが好ましい。
(A)増感色素
本発明の平版印刷版原版における感光層は、増感色素を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる増感色素としては、特に制限はなく、公知の増感色素を用いることができる。
例えば、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素や、500〜600nmに極大吸収を有する増感色素、750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)を添加することで、各々、当業界で通常用いられている405nmのバイオレットレーザ、532nmのグリーンレーザ、830nmのIRレーザに対応した高感度な平版印刷版原版を提供することができる。
本発明にて好適に用いられる750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素について詳述する。なお、本発明においては、「750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素」を、「赤外線吸収剤」ともいう。赤外線吸収剤は、750〜1,400nmの波長に吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
染料としては、市販の染料、及び、例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記式(a)で表されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2010276824
式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、又は、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xa -は後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。なお、Phはフェニル基を表す。
Figure 2010276824
1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、また、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることも好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を表す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za -は、対アニオンを表す。ただし、式(a)で表されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa -は必要ない。好ましいZa -は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及び、スルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及び、アリールスルホン酸イオンである。なお、対イオンとして、ハロゲン化物イオンを含有してないものが特に好ましい。
その他の赤外線吸収剤としては、特開2002−40638号公報の〔0013〕〜〔0035〕、特開2005−91617号公報の〔0231〕〜〔0260〕、特開2005−250158号公報の〔0145〕〜〔0173〕、特開2007−47742号公報の〔0275〕〜〔0304〕、特開2007−249036号公報の〔0115〕〜〔0124〕、特開2008−242093号公報の〔0116〕〜〔0145〕に記載のものを好ましく用いることができる。
次に、350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。
この様な増感色素としては、例えば、メロシアニン色素類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類、等を挙げることができる。
350〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記式(IX)で表される色素である。
Figure 2010276824
(式(IX)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又はNR3を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1及びR2とR3はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。)
1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、好ましくは、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、又は、ハロゲン原子を表す。
次に、式(IX)におけるAは、置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、式(IX)中のR1、R2及びR3で記載したものと同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては、特開2007−58170号公報の〔0047〕〜〔0053〕に記載の化合物が好ましく用いられる。
さらに、特開2005−91617号公報の〔0178〕〜〔0230〕、特開2005−250438号公報の〔0202〕〜〔0250〕、特開2005−300817号公報の〔0170〕〜〔0176〕、特開2007−17948号公報の〔0058〕〜〔0081〕、特開2007−47742号公報の〔0230〕〜〔0265〕、特開2007−171406号公報の〔0033〕〜〔0036〕、特開2007−206216号公報の〔0023〕〜〔0055〕、特開2007−225701号公報の〔0018〕〜〔0037〕、特開2007−248863号公報の〔0208〕〜〔0243〕、特開2007−249036号公報の〔0077〕〜〔0112〕、特開2007−316582号公報の〔0037〕〜〔0046〕、特開2007−328243号公報の〔0027〕〜〔0113〕に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
これらの増感色素は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
前記感光層におけるこれらの増感色素の含有量は、感光層中における均一性や感光層の耐久性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、0.5〜10重量%であることがさらに好ましい。
(B)重合開始剤
本発明の平版印刷版原版における感光層は、重合開始剤(以下、「開始剤化合物」ともいう。)を含有することが好ましい。
本発明における重合開始剤としては、当業者間で公知のものを制限なく使用できる。具体的には、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。中でも、オニウム塩、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記の重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 2010276824
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 -は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン及びスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21及びAr22はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
31 -は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
本発明に好適に用いられるヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号の各公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素と併用して用いられることが特に好ましい。
重合開始剤の具体例としては、特開2004−317652号公報の〔0066〕〜〔0124〕、特開2005−47947号公報の〔0203〕〜〔0264〕、特開2005−91618号公報の〔0092〕〜〔0164〕、特開2005−134893号公報の〔0032〕〜〔0104〕、特開2005−250158号公報の〔0104〕〜〔0140〕、特開2005−300650号公報の〔0116〕〜〔0188〕、特開2006−267289号公報の〔0122〕〜〔0209〕、特開2007−47742号公報の〔0191〕〜〔0227〕、特開2007−206216号公報の〔0062〕〜〔0114〕、特開2007−248863号公報の〔0113〕〜〔0185〕、特開2007−249036号公報の〔0038〕〜〔0062〕、特開2008−242093号公報の〔0043〕〜〔0064〕、特開2008−276167号公報の〔0017〕〜〔0054〕に記載のものを好ましく用いることができる。
本発明における重合開始剤は、単独又は2種以上の併用によって好適に用いられる。本発明における感光層中の重合開始剤の使用量は、感光層全固形分の重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜15重量%であることがより好ましく、1.0〜10重量%であることがさらに好ましい。
(C)重合性化合物
本発明の平版印刷版原版における感光層は、重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明における感光層に用いることができる重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定なく用いることができる。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸とアルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸とアミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、単官能又は多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との付加反応物、さらにハロゲノ基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類又はチオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
エステルの例としては、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、アミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されているビニルウレタン化合物等が挙げられる。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報に記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
前記感光層における重合性化合物は、単独又は2種以上併用してもよい。
前記感光層における重合性化合物の含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜75重量%であることが好ましく、25〜70重量%であることがより好ましく、30〜60重量%であることが更に好ましい。
(D)バインダーポリマー
本発明の平版印刷版原版における感光層は、バインダーポリマーを含有することが好ましい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーの化学構造は、特に限定されないが、アルカリ性処理液への溶解性、すなわち現像性の観点から酸基を有する有機高分子が好ましく、特にカルボン酸又はその塩を含有する有機高分子がより好ましい。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとしては、カルボン酸含有のアルカリ水可溶又は膨潤性の有機高分子が例示できる。この様な有機高分子としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が有用である。バインダーポリマーとして、カルボン酸(塩)基を含有する(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマー単位を含む共重合体が好ましい。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシ基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなども有用である。さらに、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号の各公報に記載のポリウレタン樹脂もアルカリ水可溶又は膨潤性バインダーとして有用である。本発明に使用できるバインダーポリマーとして、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、又は、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーとして好適な材料の一例は、(a)カルボン酸基(その塩を含む。)を含有するモノマー単位及び(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位を有する共重合体である。
(a)カルボン酸基を含有するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2002−40652号公報、特開2005−300650号公報の〔0059〕〜〔0075〕に記載の構造が好ましく用いられる。
(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位としては、特に限定されないが、特開2007−248863号公報の〔0041〕〜〔0053〕に記載の構造が好ましく用いられる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、(a)カルボン酸基を含有するモノマー単位も、(b)ラジカル架橋性を付与するモノマー単位も含まないエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位を共重合成分として有していてもよい。
このようなモノマー単位としては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましい。特に、特開2007−272134号公報の〔0061〕〜〔0084〕に記載のアミド基(メタ)アクリル酸アミドに由来するモノマー単位が好ましく用いられる。このモノマーの含有量は、総モノマー単位数を100とした場合、そのうちの5から50単位であることが好ましく、5〜35単位であることがより好ましく、5〜25単位であることがさらに好ましい。
本発明における感光層には、バインダーポリマーとして、前述のモノマー単位の組み合わせを有する付加重合体以外に、側鎖に架橋性基を有するウレタン樹脂も使用することができる。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像形成層中で起こる化学反応によりバインダーポリマーを架橋することができる基のことである。このような機能を有する基であれば特にその化学構造は限定されないが、例えば、付加重合し得る官能基としてエチレン性不飽和基が好ましい。また、特開2007−17948号公報の〔0130〕〜〔0139〕に記載された官能基が例示できる。
本発明で特に好ましく用いられる側鎖に架橋性基を有するポリウレタン樹脂は、(i)ジイソシアネート化合物、(ii)カルボキシル基を有するジオール化合物、(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物、及び、必要であれば、(iv)カルボキシル基を有さないジオール化合物、(v)アミノ基を有する化合物を重付加反応させることにより得ることができる。
上記(i)、(ii)及び(iii)の化合物は、特開2007−17948号公報の〔0142〕〜〔0167〕に記載された式(4)〜(10)及び具体例が挙げられる。(iv)の化合物は、特開2007−17948号公報の〔0180〕〜〔0225〕に記載された一般式(A’)、式(a)〜(e)、式(11)〜(22)及び具体的化合物が挙げられる。(v)の化合物は特開2007−17948号公報の〔0227〕〜〔0230〕に記載された式(31)及び式(32)及び具体的化合物が挙げられる。上記のポリウレタン樹脂のほかに、特開2003−270775号公報に記載されるようなカルボキシル基を有するポリウレタンに高分子反応で架橋性基を導入して得られるポリウレタン樹脂も例示できる。
感光層の現像性を維持するためには、使用されるバインダーポリマーは、適当な分子量を有することが好ましく、重量平均分子量は5,000〜300,000であることがより好ましく、20,000〜150,000であることが更に好ましい。
これらのバインダーポリマーは、感光層中に任意な量で含有させることができるが、前記感光層中におけるバインダーポリマーの含有量は、10〜90重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましい。
(E)その他の感光層成分
本発明の平版印刷版原版における感光層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、感光層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤や連鎖移動剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これらの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−171406号、特開2007−206216号、特開2007−206217号、特開2007−225701号、特開2007−225702号、特開2007−316582号、特開2007−328243号の各公報に記載の化合物を使用することができる。
<感光層の形成>
本発明の平版印刷版原版における感光層は、必要な上記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成することができる。ここで使用する溶剤としては、特開2007−249037号公報の〔0159〕に記載の化合物が好ましく用いられ、これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。
塗布液の固形分濃度は、1〜50重量%であることが好ましい。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層の乾燥塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、0.3〜3.0g/m2が好ましい。上記範囲であると、良好な感度と感光層の良好な皮膜特性が得られる。
<支持体>
平版印刷版原版に用いることができる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な支持体であればよいが、親水性支持体であることが好ましく、アルミニウム板がより好ましい。
例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、前記金属がラミネートされ若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム支持体と処理方法とは、具体的には、特開2005−88300号公報に記載されているアルミニウム支持体及び処理方法が好ましく例示できる。
<下塗り層(中間層)>
平版印刷版原版においては、支持体上に下塗り層(「中間層」ともいう。)を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光層の支持体からの剥離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
前記下塗り層としては、重合性基を含有する化合物を含むことが好ましい。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の乾燥塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であることが好ましく、1〜30mg/m2であることがより好ましい。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後、又は、下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
なお、バックコート層を設けた場合、本発明の平版印刷版原版の積層体における「支持体裏面」とは、バックコート層を含む。すなわち、その場合は、本発明の平版印刷版原版の積層体は、本発明の平版印刷版原版を、第3保護層とバックコート層(支持体裏面)とを直接接触させて複数枚積層してなる。
〔平版印刷版の製版方法〕
本発明の平版印刷版の製版方法は、本発明の平版印刷版原版を使用した方法であれば、特に制限はないが、平版印刷版原版を画像露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、処理液により現像処理する工程(以下、「現像工程」ともいう。)、及び、版面処理剤を用いて版面処理する工程(以下、「版面処理工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
<露光工程、及び、現像工程>
本発明の平版印刷版の製版方法は、平版印刷版原版を画像露光する工程、及び、現像液により現像処理する工程を含むことが好ましい。
ここで、現像処理とは、現像液により、感光層の非露光部を除去して、露光部に対応する画像を形成することをいう。
本発明において、平版印刷版原版から平版印刷版を製造する製版プロセスにおいては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、平版印刷版原版の全面を加熱してもよい。このような加熱により、画像形成層中の画像形成反応が促進され、感度の向上、耐刷性の向上及び感度の安定化という利点が得られる。さらに、画像強度及び耐刷性の向上を目的として、現像により得られた画像を後加熱したり、全面露光することも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。現像後の加熱にはより強い条件を利用する。200〜500℃の温度範囲が好ましい。
本発明の平版印刷版の製版方法に用いることができる平版印刷版原版としては、前述したものを好適に用いることができる。
本発明に用いることができる平版印刷版原版は、可視光レーザー、赤外線レーザーなどのレーザーで記録できる平版印刷版原版であることが好ましい。また、紫外線ランプやサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。
本発明に用いることができる露光光源は、感光層の態様に応じて適宜選択し得るが、350nm以上450nm以下の可視光レーザー、波長760nm以上1,200nm以下の赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーであることが好ましく、これらにより平版印刷版原版が画像露光されることが好ましい。
本発明の平版印刷版原版は、露光した後、好ましくは水又はアルカリ性水溶液にて現像することが好ましい。
平版印刷版原版の現像液及び補充液としては、従来公知のアルカリ水溶液が使用できる。
例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウム等の無機アルカリ塩が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
これらのアルカリ剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
現像液又は補充液のpHとしては、14以下であることが好ましく、8〜13であることがより好ましく、11〜13であることが更に好ましい。
さらに、自動現像機を用いて現像する場合には、現像液と同じもの、又は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量の平版印刷版原版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤等を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。
好ましい有機溶剤としては、ベンジルアルコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール若しくはその誘導体、又は、ポリプロピレングリコール若しくはその誘導体等の添加も好ましい。また、アラビット、ソルビット、マンニット等の非還元糖を添加することもできる。
さらに、現像液及び補充液には、必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸若しくは亜硫酸水素酸のナトリウム塩又はカリウム塩等の無機塩系還元剤、さらに有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
<版面処理工程>
本発明の平版印刷版原版の製版方法は、版面処理剤を用いて版面処理する工程を含むことが好ましい。
版面処理剤の使用態様は、特に制限されるものではないが、自動ガム塗布機などを使用すると、均一に塗布することができ、好ましい。
版面処理剤による処理は、現像工程の後、無水洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む。)あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に行うこともできる。
版面処理剤としては、ガム液が例示できる。
本発明に用いることができるガム液は、特に限定なく、公知のものが使用できるが、水溶性高分子化合物や界面活性剤が含まれていることが好ましい。
ガム液における水溶性高分子化合物としては、特に限定はなく、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ガム液に用いることができる界面活性剤は、特に限定なく、公知の化合物を使用することができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアリールエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などカチオン系界面活性剤;ソルビトール及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム等の両性界面活性剤が挙げられる。
本発明におけるガム液処理は、現像工程の後、無水洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む。)あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に行うこともできる。ガム液処理は、自動現像機を用いて行うことも適している。
また本発明では、第1〜第3保護層の除去、現像処理及びガム液処理を1浴で行うことも好ましい。
版面処理剤による版面処理は、自動現像機を用いて行うことも適している。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、平版印刷版用原版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー装置からなり、露光済みの平版印刷版用原版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像及び後処理するものである。また、処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、本発明を実施例、比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。また、単量体単位を表す括弧の右下の数字は、特に断りのない限り、モル比を表す。
(実施例1〜5、並びに、比較例1及び2)
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後には、ニップローラで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、21はアルミニウム板、22及び24はローラ状ブラシ、23は研磨スラリー液、25、26、27及び28は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板を苛性ソーダ濃度2.6重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007重量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流さ
せた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水
酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源の波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気
量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水
酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、下記中間層塗布液(B)を乾燥塗布量が10mg/m2になるように上記の表面
処理を施したアルミニウム支持体上に塗布して、乾燥した。
<中間層塗布液(B)>
・下記構造の高分子化合物A(重量平均分子量:3万) 0.017重量部
・メタノール 9.00重量部
・水 1.00重量部
Figure 2010276824
なお、上記高分子化合物Aにおける各単量体単位を表す括弧の右下の数字は、モル比を表す。
<感光層の形成>
下記感光層用塗布液(B)を調製し、上記のように形成された中間層上にワイヤーバーを用いて塗布した。乾燥は、温風式乾燥装置にて125℃で34秒間行い、感光層を形成した。乾燥後の被覆量は1.4g/m2であった。
<感光層用塗布液(B)>
・赤外線吸収剤(IR−1) 0.038重量部
・重合開始剤A(S−1) 0.061重量部
・重合開始剤B(I−1) 0.094重量部
・メルカプト化合物(E−1) 0.015重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.425重量部
(商品名:A−BPE−4、新中村化学工業(株))
・バインダーポリマーA(B−1)(重量平均分子量:11万) 0.311重量部
・バインダーポリマーB(B−2)(重量平均分子量:10万) 0.250重量部
・バインダーポリマーC(B−3)(重量平均分子量:12万) 0.062重量部
・添加剤(T−1) 0.079重量部
・重合禁止剤(Q−1) 0.0012重量部
・エチルバイオレット(EV−1) 0.021重量部
・フッ素系界面活性剤 0.0081重量部
(メガファックF−780−F 大日本インキ化学工業(株)、メチルイソブチルケトン(MIBK)30重量%溶液)
・メチルエチルケトン 5.886重量部
・メタノール 2.733重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.886重量部
なお、上記感光層用塗布液(B)に用いた、赤外線吸収剤(IR−1)、重合開始剤A(S−1)、重合開始剤B(I−1)、メルカプト化合物(E−1)、重合性化合物(M−1)、バインダーポリマーA(B−1)、バインダーポリマーB(B−2)、バインダーポリマーC(B−3)、添加剤(T−1)、重合禁止剤(Q−1)、及び、エチルバイオレット(EV−1)の構造を以下に示す。なお、下記において、Meはメチル基を表す。
Figure 2010276824
Figure 2010276824
Figure 2010276824
Figure 2010276824
(第1保護層)
形成された感光層上に下記組成の第1保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。この第1保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
<第1保護層用塗布液1>
・ポリビニルアルコール(CKS−50:重合度300、日本合成化学工業(株)製)
0.43重量部
・界面活性剤−1(プルロニックP−84、BASF社製) 0.007重量部
・界面活性剤−2(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.02重量部
・純水 9.7重量部
(第2保護層)
形成された第1保護層上に下記組成の第2保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。この第2保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であり、硬度は0.15Gpaであった。
<第2保護層用塗布液1>
・合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル(株)製) 0.04重量部
・ポリビニルアルコール(CKS−50:重合度300、日本合成化学工業(株)製)
0.43重量部
・界面活性剤−1(プルロニックP−84、BASF社製) 0.007重量部
・界面活性剤−2(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.02重量部
・純水 9.7重量部
(第3保護層)
形成された第2保護層上に下記組成の第3保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃60秒間乾燥させた。この第3保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.5g/m2であった。
これにより、実施例1の平版印刷版を得た。
<第3保護層用塗布液1>
・ポリビニルアルコール(CKS−50:重合度300、日本合成化学工業(株)製)
1.4重量部
・セロゲンPR(カルボキシメチルセルロース、第一工業製薬(株)製) 0.22重量部
・界面活性剤−1(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.05重量部
・アートパールJ−7P(シリカ被覆(メタ)アクリル樹脂粒子、平均粒子径6.6μm)水分散液(根上工業(株)製、硬度0.10GPa) 0.05重量部
・純水 41重量部
(実施例2)
第1保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)を0.1g/m2と変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の平版印刷版を得た。
(実施例3)
第1保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)を0.3g/m2と変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の平版印刷版を得た。
(実施例4)
第1保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)を1.0g/m2と変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の平版印刷版を得た。
(実施例5)
実施例1と同じ感光層が形成された支持体上に、下記組成の第1保護層用塗布液2をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。この第1保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
<第1保護層用塗布液2>
・ポリアクリルアミド(重合度300) 0.43重量部
・界面活性剤−1(プルロニックP−84、BASF社製) 0.007重量部
・界面活性剤−2(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)0.02重量部
・純水 9.7重量部
形成された第1保護層上に前記組成の第2保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。この第2保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
形成された第2保護層上に前記組成の第3保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃60秒間乾燥させた。この第3保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.5g/m2であった。
これにより、実施例5の平版印刷版を得た。
(比較例1)
実施例1と同じ感光層が形成された支持体上に、前記第1保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。この第1保護層の全塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
形成された第1保護層上に前記組成の第3保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃60秒間乾燥させた。この第3保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.5g/m2であった。
これにより、比較例1の平版印刷版原版を得た。
(比較例2)
実施例1と同じ感光層が形成された支持体上に、下記組成の第2保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃75秒間乾燥させた。この第2保護層の全塗布量は(乾燥後の被覆量)は0.5g/m2であった。
形成された第2保護層上に下記組成の第3保護層用塗布液1をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃60秒間乾燥させた。この第3保護層の全塗布量(乾燥後の被覆量)は1.5g/m2であった。
これにより、比較例2の平版印刷版を得た。
<耐圧力性の評価>
得られた平版印刷版原版500枚の間に合紙を挟むことなく積層して積層体を形成した。積層体を1ヶ月30℃70%に調湿した環境下に放置した後、最下層の平版印刷版原版をCreo社製Trendsetter3244に搬送し、解像度2400dpiで全面露光画像を、出力7W、外面ドラム回転数150rpm、版面エネルギー110mJ/cm2で露光した。露光後、加熱処理、水洗処理は行わず、富士フイルム(株)製自動現像機LP−1310HIIを用い搬送速度(ライン速度)2m/分、現像温度30℃で現像処理した。なお、現像液はHN−Dの1:4水希釈液を用い、現像補充液はHN−DRの1:1.4水希釈、フィニッシャーは富士フイルム(株)製HN−Gの1:1水希釈液を用いた。
得られた平版印刷版の画像中に発生した微粒子状の白抜け故障の有無を50倍の拡大鏡を用いて評価した。評価は1〜5の官能評価で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用上不可レベルとした。
<印刷評価>
製作した平版印刷版に画像露光し、LP1310News(富士フイルム(株)製自動現像機)でHN−D(富士フイルム(株)製アルカリ水溶液系現像液)を水で1:4に希釈した液にて現像し、ただちにHN−G(富士フイルム(株)製ガム)を水で1:1に稀釈した液を塗り、乾燥した。得られた平版印刷版をスプリント26印刷機((株)小森コーポレーション製)に取り付け、アルキー(東洋インキ(株)製)湿し水、バンデアンエコー(東洋インキ(株)社製)インキを用いて印刷した。印刷開始直後の紙面上インキ濃度と2000枚印刷後のインキ濃度の減少度を評価した。評価は1〜5の官能評価で行い、3が実用下限レベル、2以下は実用不可レベルとした。
Figure 2010276824
表1から明らかなように、第1、第2、及び、第3保護層を有する平版印刷版原版より作製した平版印刷版は、耐圧力性と印刷性に優れることがわかる。一方、第2保護層を有さない平版印刷版原版より作製した平版印刷版は、有機粒子の陥没が発生し、耐圧力性が乏しく、また、第1保護層を有さない平版印刷版原版より作製した平版印刷版は感光層への無機粒子の混入に起因する印刷性の劣化が見られた。
21:アルミニウム板
22,24:ローラ状ブラシ
23:研磨スラリー液
25,26,27,28:支持ローラ

Claims (10)

  1. 支持体上に、重合性ネガ型感光層と、第1保護層と、第2保護層と、第3保護層とをこの順に有し、
    前記第1、第2、及び、第3保護層がそれぞれ、水溶性樹脂を含み、
    前記第1保護層は、無機粒子を含有せず、
    前記第2保護層は、無機粒子を含有し、
    前記第3保護層は、有機樹脂を含む粒子を含有していることを特徴とする
    平版印刷版原版。
  2. 前記第2保護層が含有する無機粒子が、雲母である請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 前記第3保護層が含有する有機樹脂を含む粒子が、シリカで被覆されている粒子である請求項1又は2に記載の平版印刷版原版。
  4. 前記第1保護層の乾燥塗布量が、0.1〜3.0g/m2である請求項1〜3のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  5. 前記第1保護層が含有する水溶性樹脂の主成分が、ポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドである請求項1〜4のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  6. 前記第1、第2、及び、第3保護層がそれぞれ、水溶性樹脂としてポリビニルアルコール又はポリアクリルアミドを含む請求項1〜5のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  7. 前記第1、第2、及び、第3保護層の乾燥塗布量の合計が、0.3〜9.0g/m2である請求項1〜6のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  8. 前記重合性ネガ型感光層が、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、及び、(D)バインダーポリマーを含有する層である請求項1〜7のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  9. 前記支持体と前記重合性ネガ型感光層との間に、下塗り層を有する請求項1〜8のいずれか1つに記載の平版印刷版原版。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の平版印刷版原版を、第3保護層と支持体裏面とを直接接触させて複数枚積層してなる平版印刷版原版の積層体。
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