JP2010200626A - パン様の食感と風味を有するソフトキャンディ及びその製造方法 - Google Patents

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道雄 岡田
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めぐみ 市來
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Takeki Matsui
雄毅 松居
Yasumasa Yamada
泰正 山田
Ichiro Yamada
一郎 山田
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Abstract

【課題】パン類の美味しさの特徴である食感と風味を活かした、本格的なパン様の食感と風味を有する新規なソフトキャンディ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】麦類を酵母発酵させることで得られる発酵種と糖質及びゼラチンからなるソフトキャンディであって、前記発酵種の固形分がソフトキャンディ全体の4〜20重量%であり、かつ水分値が6〜20重量%であることを特徴とする、パン様の食感と風味を有するソフトキャンディ。前記ソフトキャンディは、麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種と糖質及び水を混合して煮詰めた後に、ゼラチンと攪拌混合する工程、または麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種を煮詰めたものと糖質と水の混合物を煮詰めたものをそれぞれ独立して調製し、ゼラチンと共に攪拌混合する工程を経て得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、パン様の食感と風味を有するソフトキャンディ及びその製造方法に関する。更に詳しくは、麦類を酵母発酵させることで得られる発酵種を用いたソフトキャンディ及びその製造方法に関する。
固形分として糖質を含み、水分含有量が6〜20重量%の飴はソフトキャンディとして広く一般に親しまれている。ソフトキャンディの風味としては多種多様なものが用いられるが、中でも、例えば(株)森永製菓の「ミルクキャラメル」や「ハイソフト」、(株)江崎グリコの「グリコ」などの商品に代表される糖や乳成分に熱を加えることでカラメル化して得られる風味を活かしたキャラメル味や、(株)森永製菓の「ハイチュウ」や(株)味覚糖の「ぷっちょ」、(株)キャドバリー・ジャパンの「メントス」などの商品に代表される果汁及びフレーバーによる味を活かしたフルーツ味、前出の「ミルクキャラメル」や「ハイソフト」、「ぷっちょ」などの商品に代表される乳製品の風味を活かしたミルク味やヨーグルト味などが主である。そして、現在ソフトキャンディの市場はこれらの商品を中心に形成されており、その他の商品についても上記のキャラメル味かフルーツ味、ミルク味、ヨーグルト味のうちのいずれかに当てはまるものがほとんどである。
また、現代における人々の食の多様化に伴い、ソフトキャンディにおいても食感の改良や品質向上を目的として様々な研究がなされてきた。それはソフトキャンディのチューイング性や歯付きの防止に着眼したものが多い。
例えば、少なくとも、糖類、植物性油脂、乳化剤、及び結晶の大きさが30μm未満の砂糖微結晶を配合してなり、かつ歯への付着性が100〜1500(g)であることを特徴とするソフトキャンディ(特許文献1)が提案されているが、この方法で得られるソフトキャンディは噛み出しの柔らかさに優れ、歯に付着し難いとされている。
また、固形分がゼラチンと1種以上の糖類からなり、かつ一粒の大きさが最終のソフトキャンディーの高さの20〜80%で水分含有量が10〜20重量%のグミが5〜30重量%、中に分散されていることを特徴とするソフトキャンディー(特許文献2)が提案されているが、この方法で得られるグミが生地中に分散したソフトキャンディは歯付き防止性の向上した新食感のソフトキャンディであるとされている。
さらに、砂糖と水飴と油脂を主要成分とし、シュガーエステルを除いたHLB値7.0以上の乳化剤が添加されたソフトキャンディにおいて、さらに乳化目的以外にHLB値が6.0以下のモノグリセリン脂肪酸エステルを0.2重量%以上、0.8重量%以下配合することを特徴とするソフトキャンディー(特許文献3)が提案されているが、この方法でもまた歯への付着を低減したソフトキャンディが得られるとされている。
加えて、ソフトキャンディに使用するゲル化剤としてプルラン0.2〜5重量%及びカラギナン0.2〜5重量%を含むことを特徴とするソフトキャンディー(特許文献4)が提案されているが、この方法で得られたソフトキャンディは適度な弾力性を有するため噛み応えがあるにもかかわらず、ソフトな食感を有し、なおかつ歯への付着が防止され、良好な食感を有するとされている。
しかし、以上のような多くの研究がなされているにも関わらず、近年ソフトキャンディの売上の伸びは低迷している。その原因として、ソフトキャンディの研究においてはチューイング性や歯付きの防止が重視されてきた。即ち全く新しい食感を有するものは少なく、また風味に関しても従来より主に用いられてきているキャラメル味やフルーツ味、ミルク味、ヨーグルト味のものがほとんどであり、結果として変わり映えのする革新的な食感と風味を兼ね備えてなおかつ美味しいソフトキャンディは登場していないことが一つの大きな要因であると考えられる。
一方、ソフトキャンディの研究においてチューイング性や歯付きの防止以外の要素に着目し、新しい食感や風味を有するソフトキャンディを作る試みもこれまでになされてきている。
例えば、乾燥果肉を主体とするソフトキャンディ生地中にアルファ化澱粉を含有することを特徴とするソフトキャンディ(特許文献5)が提案されており、この方法は乾燥果肉の風味が活かされているため、従来の濃縮果汁で風味付けを行ったソフトキャンディに比べてより濃厚感のある果実の風味、旨味を楽しむことが出来ると同時に、ソフトキャンディ特有の食べ応えのある食感も付与されるというものである。これは即ち、従来よりも本格的な果実の風味、旨味を有すると共に、一般的なソフトキャンディ特有のチューイング性のある食感を有するソフトキャンディの作成を目的としたものである。しかし、従来から存在するフルーツの風味のソフトキャンディのカテゴリーの枠から出るものではなく、食感に関しても従来のチューイング性のある食感のカテゴリー内のものである。
また、豆乳を含有する植物性キャンディであって、上記豆乳が濃縮豆乳であり、さらに増粘多糖類を含有することを特徴とする植物性ソフトキャンディ(特許文献6)が提案されており、この方法はコク及び豆乳の濃厚感を有し、従来のソフトキャンディのチューイング付与剤であるゼラチンの含有量を低減させたり、含有させない場合であっても、従来のソフトキャンディと遜色ないチューイング食感、成形性、保形性及び歯付き抑制効果を有する植物性ソフトキャンディの作成を目的としたものである。しかし、風味と新しいものであるが、食感に関しては従来のチューイング性のある食感のカテゴリー内のものである。
さらに、糖質を主原料とし、油脂及びゼラチンを副原料として含む気泡含有ソフトキャンディにおいて、糖質原料の一部が米澱粉を含むことを特徴とするソフトキャンディ(特許文献7)が提案されており、この方法は歯切れ及び歯離れの良い新規な食感を有するソフトキャンディの作成を目的としたものである。しかし、新しい風味のソフトキャンディが提案はされておらず、食感に関しても従来から存在するチューイング性の乏しいソフトキャンディと比較すると新しいものであるとまでは言えない。
加えて、起泡剤、糖類、油脂及び乳化性澱粉を含有することを特徴とする粘土状ソフトキャンディ(特許文献8)が提案されており、この方法は手で成形することが可能な粘土状の食感と組織を有しながらも油脂の浸み出しや付着性がなく、また口溶けのよい食感を有し、長期保存性にも優れているソフトキャンディの作成を目的としたものである。しかし、新しい風味のソフトキャンディが提案はされておらず、食感に関しても従来から存在するチューイング性の乏しいソフトキャンディと比較すると新しいものであるとまでは言えない。
従って、これらの試みは結果としてソフトキャンディの市場性の拡大につながっているとは言えず、さらに市場性を拡大するためにはさらなる革新が必要である。
ところで食品では古くから微生物の起こす化学反応を利用する発酵の技術が用いられてきた。発酵食品には特有の風味を有するものが多く、食品の風味付けとして発酵の技術が用いられることも多い。代表的な発酵食品としてはビールやワインなどを始めとした酒類やチーズ、ヨーグルト、納豆、醤油、味噌、キムチ、パンなどがあげられるが、これらはいずれも特有の風味を有し、それがこれらの発酵食品の美味しさにもつながっている。ソフトキャンディにおいても発酵食品であるヨーグルトの風味が用いられている。しかし、ヨーグルトの風味は従来より広く用いられているため目新しさはなく、一般的に流動性のある物性であるため、ソフトキャンディにその食感が活かせるものではない。
また、食品には主食という概念があり、日本においては古くから米が主食として最も広く食されているが、同様に世界ではパン類が主食として広く食されており、日本においてもパン類は主食の一種として定着している。パン類は前述の通り発酵食品の一種でもあり、麦類を挽いた粉を酵母菌によって発酵させた後に焼成して作られる。そしてパン類の美味しさの特徴として、パン生地において酵母菌が発酵した際に生じる独特の風味と、同じくパン生地の発酵の際に生じるきめ細かな気泡によってふっくらと焼き上がることによる食感の良さがあげられる。しかし、パン類を始めとして主食になりうる素材の特徴を活かしたソフトキャンディはいまだかつて存在しない。
また、パン様の風味のフレーバーをソフトキャンディに添加したり、麦類を発酵させることなくそのままソフトキャンディの原料として用いるだけでは、本格的なパンの風味や食感を再現するには程遠いものである。また、パン類のふっくらとした食感は主にタンパク質であるグルテンの働きによるものであるが、グルテンをソフトキャンディに添加するだけではパン様の食感を再現することはできない。
また、酵母菌の発酵を食品に活かした例としてはパン類以外にもビールやワインなどが有名であるが、その他に天然調味料として知られている酵母エキスがある。酵母エキスは食品に旨味やコク味を付与することを目的としているものがほとんどであり、酵母由来の風味は出来るだけ抑制しようとする場合がほとんどである。
例えば、特許文献9では飲食品本来の味を損ねることなく、飲食品に濃厚感を付与すると同時に飲食品の不快な臭いをマスキング若しくは低減する酵母エキスが提案されている。従ってソフトキャンディに添加することで呈味の改善は期待出来てもパン様の風味を再現できるような酵母エキスは存在せず、食感にも影響しない。
また、特許文献10では酵母発酵物を用いた甘味料が提案されているが、風味に癖のないことが特徴としてあげられており、発酵種によってパン様の風味付けを行うことを特徴とするものではない。
さらに、特許文献11において植物材料を乳酸菌や酵母菌などの微生物で発酵させ、それを粉末化した発酵製品を食品などに利用することが提案されている。しかし、この提案は植物性材料を発酵することによる植物性材料由来の生理活性および/または栄養価の増大、植物性材料の味覚の改善、腐敗の防止などに主眼が置かれている。植物性材料を発酵することで風味や食感の点においても優れた製品になる、という記述も見られるが、麦類の発酵についての具体的な記載はどこにもなく、パン様の食感についても記述されていない。その上、同特許文献内の実施例15、実施例16において、あめ、グミキャンディに添加されている発酵製品の割合はそれぞれ2%重量、1重量部とあるが、例えこの場合の発酵製品が麦類を発酵することで得られたものであっても本発明のソフトキャンディにおける発酵種の固形分の最低添加割合よりも低く、パン様の食感や風味を付与できるものではない。
上記の通り、酵母発酵に関する様々な研究がなされているが、酵母発酵を用いてソフトキャンディの食感を改良したりパン様の風味を付与する試みはいまだかつてなされていない。
特許第3618718号公報 特許第3405323号公報 特許第3039603号公報 特許第3929862号公報 特開2008−73020号公報 特開2007−20477号公報 特開2007−75060公報 特許第2942421号公報 特許第4115453号公報 特許第3896338号公報 特開2003−259835号公報
本発明者らは、パン類の美味しさの特徴である食感と風味を有するソフトキャンディを作ることが出来れば、いままでにない全く新しい食感と風味を兼ね備えたソフトキャンディとなり、しかもパン類が主食の一つであるということも考慮に入れると、それは菓子としてだけではなく、食事代替品としての用途も生まれることになり、ソフトキャンディのこれまでの枠組みに囚われない革新的なソフトキャンディとなりうる点に着目した。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、パン類の美味しさの特徴である食感と風味を活かした、本格的なパン様の食感と風味を有する新規なソフトキャンディ及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは前記目的を達成するために、まず、一般的なソフトキャンディ生地にパン類を直接練りこんだところ、いくぶんかはパン様の食感と風味を有するソフトキャンディは得られるものの、パン類はそれ自体が材料の混合、発酵、ミキシング、裁断、成型、焼成といった数多くの工程を経て作られるものであるため、パン類とソフトキャンディ生地を別々に作り混合するという方法では効率の面で劣るものと考えた。そこで、さらに鋭意研究を重ねた結果、麦類を酵母発酵させることで得られる発酵種と糖質及びゼラチンを用いることにより、パン様の食感と風味を有するソフトキャンディが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、
(1)麦類を酵母発酵させることで得られる発酵種と糖質及びゼラチンからなるソフトキャンディであって、前記発酵種の固形分がソフトキャンディ全体の4〜20重量%であり、かつ水分値が6〜20重量%であることを特徴とする、パン様の食感と風味を有するソフトキャンディ、
(2)前記麦類が小麦、大麦、ライ麦、燕麦から選択される1種以上である、前記(1)に記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディ、
(3)前記酵母発酵に用いられる酵母菌がサッカロミセス(Saccharomyces)属に属する1種以上である、前記(1)又は(2)に記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディ、
(4)麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種と糖質及び水を混合して煮詰めた後に、ゼラチンと攪拌混合する工程を備えてなることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれかに記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディの製造方法、
(5)麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種を煮詰めたものと糖質と水の混合物を煮詰めたものをそれぞれ独立して調製し、ゼラチンと共に攪拌混合する工程を備えてなることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれかに記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディの製造方法
である。
本発明によれば、本格的なパン様の食感と風味を有する全く新しいソフトキャンディを提供することができる。しかもパン類が主食であるということも考慮に入れると菓子としてだけではなく、食事代替としての用途も生まれ、ソフトキャンディのこれまでの枠組みに囚われない革新的なものとなり、ソフトキャンディ分野における新たな市場の開拓が期待できる。
本発明におけるパン様の食感と風味を有するソフトキャンディとは、麦類を酵母発酵させることで得られる発酵種と糖質及びゼラチンからなるソフトキャンディである。
本発明におけるソフトキャンディとは、日本農林規格(昭和48年6月4日農林省告示1086号)による定義のものである。即ち、キャンディのうち水分値が概ね6重量%以上、20重量%以下に煮詰めたキャンディであって、軟質性のものを言う。
本発明における発酵種は麦類に水及び酵母菌を混合し、発酵させたものであればどの様なものでも構わない。
発酵に用いられる前記麦類としては食用に用いられるものであれば種類は問わないが、小麦、大麦、ライ麦及び燕麦から選択される1種以上であることが好ましく、中でも食感の面でふっくらとしたパンに最も近くなり、また歯付きが抑えられることからライ麦を用いることが最も好ましい。発酵に用いる際の麦類の形態としては粉状であればよく、粗挽きでも微粉でも構わない。
発酵に用いられる前記酵母菌としては食品における使用に適すると一般的に考えられているサッカロミセス(Saccharomyces)属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属、クリュイベロミセス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、トルラ(Torula)属などの食品級酵母であれば種類は問わないが、パン酵母、ワイン酵母、ビール酵母などが属するサッカロミセス属の1種以上を用いるのが好ましく、中でも発酵時により強いパンの風味を発現させるパン酵母を用いるのが最も好ましい。酵母菌の添加量は、その種類等にもより特に限定されないが、発酵原材料1g当たり106〜108個程度であることが好ましい。
また、麦類に水及び酵母菌を混合し、発酵させる際に酵母菌によって資化される糖類やその他の副原料を添加することも可能である。なお、ここで使用する糖類は、後述のように発酵種と混合される糖質には含まれない。
前記酵母菌による発酵に使用される糖類としては特に制限されないが、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、麦芽糖、乳糖などの発酵を容易に進める単糖類や二糖類が好ましい。
また、前記副原料としては、油脂、食塩、果汁、ドライフルーツ、ナッツ類、豆類、卵、チョコレート、各種乳原料、各種タンパク質などがあげられる。
使用する水は清浄なものであれば特に限定されないが、塩素の含有量の少ない水であることが好ましく、発酵の際に用いる容器は発酵に適するものであれば特に制限されない。また、洗浄時には洗剤等を使用しないことが好ましい。
前記発酵種は固形分がソフトキャンディ全体の4〜20重量%であることが好ましく、6〜15重量%であることがより好ましい。ここでいう発酵種の固形分とは、発酵終了後に減圧乾燥を行い、水分を飛ばした後に得られるものとする。ソフトキャンディ中における発酵種の固形分の割合が4重量%以下になると一般のソフトキャンディの食感とほとんど変わらないものとなり、パン様の風味もほとんど感じられなくなる。一方発酵種の固形分の割合が大きくなるほどパン様の風味は増すが、20重量%を超えると弾力ある食感は失われる。
また、前記発酵種と混合する糖質としては特に制限はなく、ブドウ糖、ショ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、デキストリン、各種澱粉などの糖類でもキシリトール、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、ラクチトール、還元水飴などの還元糖でも構わない。糖質の量としては、ソフトキャンディ中において、50〜89重量%が好ましく、60〜80重量%がより好ましい。
また、前記発酵種、糖質と混合するゼラチンの種類としては特に制限はないが、ゲル強度を示すブルーム値が低いほど弾力性の乏しい物性となり、ブルーム値が高いほど弾力性に富む物性となることから、100〜330ブルームのものを用いることが好ましく、150〜300ブルームのものを用いることがより好ましい。同様に添加量が少ないほど弾力性の乏しい物性となり、添加量が多いほど弾力性に富む物性となることから、ソフトキャンディ全体に対して1〜10重量%となるように添加することが好ましく、2〜6重量%となるように添加することが最も好ましい。ゼラチンの添加量が1%以下であれば得られるソフトキャンディは弾力性の乏しい柔らかいパンのようになる。一方ゼラチンの添加量が10重量%以上であれば得られるソフトキャンディは弾力が強くて噛み出しが硬い、もちもちとしたパンのようになる。
本発明におけるソフトキャンディの水分値としては6〜20重量%であり、8〜15重量%であることが好ましい。水分値が6重量%未満の場合は噛みだしが硬くなってソフトキャンディ独特のソフトな食感がなくなる。一方水分値が20重量%を超えるとソフトキャンディの弾力がなくなるだけでなく、保型性もなくなり変形が激しくなってしまう。なお、水分値は、ソフトキャンディにおける一般的な方法で測定することができる。
また、本発明のソフトキャンディには、パン様の食感や風味に悪影響が出ない範囲で香料や甘味料、酸味料、着色料、乳化剤、ゲル化剤、油脂、食塩、果汁、ドライフルーツ、ナッツ類、豆類、卵、チョコレート、各種乳原料、各種タンパク質などを始めとする副原料を適宜添加しても構わない。
前記の構成を有する本発明のソフトキャンディの製造方法としては、第一の態様として、麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種と糖質及び水を混合して煮詰めた後に、ゼラチンと攪拌混合する工程を有する。
例えば、麦類に水、酵母菌、副原料及び糖類を添加し、水の割合を30〜90重量%、より好ましくは50〜70重量%に調整して発酵を行う。水の割合は大きいほど発酵が活発に行われるが、同時に発酵中に雑菌が繁殖し腐敗する恐れが生じる。逆に水の割合が小さいほど酵母の働きが低下し、発酵を妨げてしまう。そのため、水の割合は30〜90重量%であることが好ましく、50〜70重量%であることがより好ましい。
本発明で得られるソフトキャンディは用いる発酵種の発酵の進行具合及び発酵種の量によってパン様の風味の強さを調節することができる。発酵の進行具合は発酵臭の強さや発酵によって発生する炭酸ガスの量によって判断できる。発酵には発酵温度と発酵時間が大きく影響するが、発酵温度は酵母菌の発酵に適した温度であればよく、10〜60℃であることが好ましく、特に20〜38℃であることが好ましい。発酵温度が10℃未満であると酵母菌の働きが抑えられ発酵速度は極端に低下するが、発酵時間を長く取って理想の発酵状態になれば本発明に用いることができる。また、発酵温度が60℃を越えると酵母菌の働きが抑えられたり、酵母菌が死滅してしまうことがあり、さらに発酵期間中に原材料が変質し、不快臭が発生する恐れがある。
発酵時間は、発酵温度や湿度、原材料などの条件によって発酵の進行具合が異なるため、発酵の状態を見て適宜調整する必要があるが、概ね3時間〜7日間程度が好ましい。例えば、38℃の条件で発酵を行えば10時間〜2日間程度が最も好ましく、20℃の条件で発酵を行えば2日間〜4日間程度が最も好ましい。また、60℃の条件で発酵を行えば3時間〜6時間程度が好ましく、10℃の条件で発酵を行えば7日間〜それ以上の時間で好ましい発酵状態となるが、生産性などの点を考慮すると長期間を発酵に要するのは好ましくない。どの温度帯で発酵を行った場合においても、発酵時間が短いほどパン様の風味が弱いソフトキャンディが得られ、発酵時間が長いほどパン様の風味が強いソフトキャンディが得られる。
前記発酵種を、糖質及び水と共に煮詰めて得られるソフトキャンディ生地及びゼラチンと攪拌混合することで本発明のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディは製造される。
前記ソフトキャンディ生地は、例えば前記発酵種、糖質、水及び副原料を攪拌混合した後に水分値が5〜19重量%程度になるまで煮詰めることで得られる。
前記ゼラチンは等量以上の水に膨潤した後に加熱して溶解させた状態で用いる。この際、最終的に得られるソフトキャンディの食感や風味に影響が出ない範囲であれば、水の一部または全体を、果汁などを始めとする液体原料に置き換えても構わない。
また、前記ソフトキャンディ生地及び前記ゼラチンと共にフォンダントを添加して攪拌混合することでソフトキャンディの糖化を促進させることが好ましい。
また、第二の態様の製造方法としては、麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種を煮詰めたものと糖質と水の混合物を煮詰めたものをそれぞれ独立して調製し、ゼラチンと共に攪拌混合する工程を有する。
この場合、麦類を酵母発酵させる条件は前記の第一の態様と同じで構わない。
前記発酵種は、例えば焦げ付かないようにテフロン(登録商標)加工処理を施した鍋や釜にて攪拌しながら加熱することで煮詰める。この際、焦げ付きの防止のため適宜油脂などを添加しても構わない。
さらに、前記工程で煮詰めた発酵種は、糖質と水を煮詰めて得られるソフトキャンディ生地及びゼラチンと攪拌混合することで本発明のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディは製造される。
前記ソフトキャンディ生地は、例えば糖質、水及び副原料を攪拌混合した後に水分値が2〜10重量%程度になるまで煮詰めることで得られる。
前記ゼラチンの調整方法は第一の態様と同じで構わない。
また、前記した煮詰めた発酵種、前記ソフトキャンディ生地及び前記ゼラチンと共にフォンダントを添加して攪拌混合することでソフトキャンディの糖化を促進させることが好ましい。
前記第一の態様又は第二の態様の製造方法において、ゼラチンを攪拌混合後のソフトキャンディは、型に充填したり、押出成型などですることで、所望の形に成型することができる。また、成型には、一晩程度エージングすることが好ましい。
以上のようにして得られる本発明のソフトキャンディは、本格的なパン様の食感(例えば、もちもちとした食感やふっくらとした食感)と風味(香ばしい香りやパン独特の発酵の匂い)を有するものであるため、そのまま食べてもよいし、蜂蜜、バター、シロップ、ジャムなどをかけて食べてもよいし、さらにはパンの代わりに他の食材と組み合わせてもよい。
なお、本発明のソフトキャンディには、糖質とゼラチンを主原料とするグミキャンディも含まれる。
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが本発明の趣旨はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
(発酵種1の調製)
ライ麦全粒粉1000部、ブドウ糖50部、パン酵母としてオリエンタルイースト(オリエンタル酵母工業株式会社製)10部及び水1500部を攪拌混合し、35℃にて24時間発酵を行い、発酵種1を得た。この際の発酵種1における固形分の割合は41重量%であった(前記水を除くライ麦全粒粉、ブドウ糖及びパン酵母の割合と同じ)。
(ソフトキャンディ生地1の調製)
グラニュー糖900部、水飴800部及び500部の前記発酵種1を水200部に混合溶解し、真空釜にて加熱して減圧濃縮し、水分値10重量%のソフトキャンディ生地1を得た。
1300部の前記ソフトキャンディ生地1に対して、ゲル強度250ブルームのゼラチンを等量の水に溶解したゼラチン溶液100部、フォンダント80部及び香料3部をニーダーにて混和してから40℃にて一晩エージングし、水分値12重量%の非常に本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例2]
(発酵種2の調製)
実施例1と同様にして得られた発酵種1を水分値が33重量%になるまで煮詰め、濃縮した発酵種2を得た。
(ソフトキャンディ生地2の調製)
グラニュー糖900部及び水飴800部を水200部に混合溶解し、真空釜にて加熱して減圧濃縮して得られた水分値3重量%のソフトキャンディ生地2を得た。
1000部の前記ソフトキャンディ生地2に対して、300部の前記発酵種2、ゲル強度250ブルームのゼラチンを等量の水に溶解したゼラチン溶液100部、フォンダント80部及び香料3部をニーダーにて混和してから40℃にて一晩エージングし、水分値12重量%の非常に本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例3、4]
(発酵種3の調製)
ライ麦全粒粉の代わりに小麦粉全粒粉を用いる以外は実施例1の発酵種1の調製方法と同様にして発酵種3を得た。この際の発酵種3における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種3を用いる以外は実施例1または2と同様にして、それぞれ水分値12重量%の本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た(実施例3、4とする)。
[実施例5、6]
(発酵種4の調製)
ライ麦全粒粉の代わりに大麦全粒粉を用いる以外は実施例1の発酵種1の調製方法と同様にして発酵種4を得た。この際の発酵種4における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種4を用いる以外は実施例1または2と同様にして、それぞれ水分値12重量%の本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た(実施例5、6とする)。
[実施例7、8]
(発酵種5の調製)
ライ麦全粒粉の代わりに燕麦全粒粉を用いる以外は実施例1の発酵種1の調製方法と同様にして発酵種5を得た。この際の発酵種5における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種5を用いる以外は実施例1または2と同様にして、それぞれ水分値12重量%の若干歯付きがするものの本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た(実施例7、8とする)。
[実施例9]
(ソフトキャンディ生地3の調製)
グラニュー糖900部、水飴800部及び170部の前記発酵種1を水200部に混合溶解し、真空釜にて加熱して減圧濃縮し、水分値10重量%のソフトキャンディ生地3を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地3を用いる以外は実施例1と同様にして、水分値12重量%の本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例10]
(ソフトキャンディ生地4の調製)
発酵種1の添加量を170部から1020部に変更する以外は実施例9のソフトキャンディ生地3の調製方法と同様にして水分値10重量%のソフトキャンディ生地4を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地4を用いる以外は実施例1と同様にして、水分値12重量%の本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例11]
(発酵種6の調製)
実施例1と同様にして得られた発酵種1を水分値が44重量%になるまで煮詰め、濃縮した発酵種6を得た。
300部の発酵種2の代わりに92部の発酵種6を用いる以外は実施例2と同様にして、水分値12重量%の本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例12]
(発酵種7の調製)
実施例1と同様にして得られた発酵種1を水分値が12重量%になるまで煮詰め、濃縮した発酵種7を得た。
300部の発酵種2の代わりに345部の発酵種7を用いる以外は実施例2と同様にして、水分値12重量%の本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例13]
(ソフトキャンディ生地4の調製)
実施例1のソフトキャンディ生地1と同様の配合で同様の方法によって減圧濃縮して、水分値4重量%のソフトキャンディ生地4を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地4を用いる以外は実施例1と同様にして、水分値6重量%の、噛みだしが少し硬めではあるもののパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例14]
(発酵種8の調製)
実施例1と同様にして得られた発酵種1を水分値が55重量%になるまで煮詰め、濃縮した発酵種8を得た。
発酵種2の代わりに発酵種8を用いる以外は実施例2と同様にして、水分値20重量%の、噛みだしが少し柔らかめではあるもののパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例15]
(発酵種9の調製)
オリエンタルイーストの代わりにビール酵母として乾燥酵母Y2A(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を用いる以外は実施例1の発酵種の調製方法と同様にして発酵種9を得た。この際の発酵種9における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種9を用いる以外は実施例1と同様にして、水分値12重量%の、本格的なパン様の非常にふっくらとした食感とパン様の香ばしい風味と共にビール様の風味も感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例16]
(ソフトキャンディ生地5の調製)
実施例1のソフトキャンディ生地1と同様の配合で同様の方法によって減圧濃縮して、水分値11重量%のソフトキャンディ生地5を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地5を用い、ゲル強度250ブルームのゼラチン溶液を100部添加する代わりにゲル強度100ブルームのゼラチン溶液を30部添加する以外は実施例1と同様にして、水分値12重量%の、弾力が弱いながらもパン様の食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例17]
(ソフトキャンディ生地6の調製)
実施例1のソフトキャンディ生地1と同様の配合で同様の方法によって減圧濃縮して、水分値3重量%のソフトキャンディ生地6を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地6を用い、ゲル強度250ブルームのゼラチン溶液を100部添加する代わりにゲル強度330ブルームのゼラチン溶液を345部添加する以外は実施例1と同様にして、水分値12重量%の、弾力が強く噛みだしが硬いながらもパン様のもっちりとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例18]
(ソフトキャンディ生地7の調製)
還元パラチノース900部、ソルビトール800部及び500部の実施例1に記載の発酵種1を水200部に混合溶解し、真空釜にて加熱して減圧濃縮し、水分値10重量%のソフトキャンディ生地7を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地7を用いる以外は実施例1と同様にして、水分値12重量%の非常に本格的なパン様のふっくらとした食感と香ばしい風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例19]
(ソフトキャンディ生地8の調製)
グラニュー糖500部、トレハロース100部、水飴500部、液状デキストリン300部、ソルビトール300部、クリームチーズ100部、無塩バター10部、加糖卵黄30部及び乳化剤として大豆レシチン1部を水200部に混合溶解し、真空釜にて加熱して減圧濃縮し、水分値3重量%のソフトキャンディ生地8を得た。
1000部の前記ソフトキャンディ生地8に対して、300部の実施例2に記載の発酵種2、ゲル強度250ブルームのゼラチンを等量の水に溶解したゼラチン溶液100部、フォンダント80部、チーズパウダー100部及び香料3部をニーダーにて混和してから40℃にて一晩エージングし、水分値11重量%の非常に本格的なパン様のふっくらとした食感と共に香ばしいチーズパン様の風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例20]
(発酵種10の調製)
ライ麦全粒粉1000部、パン酵母としてオリエンタルイースト(オリエンタル酵母工業株式会社製)10部及び水1500部を攪拌混合し、35℃にて48時間発酵を行い、発酵種10を得た。この際の発酵種10における固形分の割合は40重量%であった。
(ソフトキャンディ生地9の調製)
グラニュー糖500部、トレハロース100部、水飴500部、液状デキストリン300部、ソルビトール300部、カカオパウダー100部、加糖卵黄30部及び乳化剤として大豆レシチン1.5部を水200部に混合溶解し、真空釜にて加熱して減圧濃縮し、水分値3重量%のソフトキャンディ生地9を得た。
1000部の前記ソフトキャンディ生地9に対して、300部の発酵種10、ゲル強度250ブルームのゼラチンを等量の水に溶解したゼラチン溶液100部、フォンダント80部、チョコレート100部及び香料3部をニーダーにて混和してから40℃にて一晩エージングし、水分値11重量%の非常に本格的なパン様のふっくらとした食感と共に香ばしいチョコレートパン様の風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
[実施例21〜30]
発酵種の発酵条件を下記の表の通りに変更する以外は実施例1と同様にしてパン様の風味を感じることの出来る本発明のソフトキャンディを得た。
Figure 2010200626
[比較例1]
(発酵種11の調製)
ブドウ糖1050部、パン酵母としてオリエンタルイースト(オリエンタル酵母工業株式会社製)10部及び水1500部を攪拌混合し、35℃にて24時間発酵を行い、発酵種11を得た。この際の発酵種11における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種11を用いる以外は実施例1と同様にして水分値12重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディの食感は一般的なソフトキャンディのようなチューイング性の強いものであり、パン様の風味も弱いものであった。
[比較例2]
(発酵種12の調製)
ライ麦全粒粉の代わりにとうもろこし粉を用いる以外は実施例1の発酵種1の調製方法と同様にして発酵種12を得た。この際の発酵種12における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種12を用いる以外は実施例1と同様にして水分値12重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディの食感は一般的なソフトキャンディのようなチューイング性の強いものであり、パン様の風味も弱いものであった。
[比較例3]
(発酵種13の調製)
オリエンタルイーストの代わりに乳酸菌としてLAC−343(森永乳業株式会社製)を用いる以外は実施例1の発酵種1の調製方法と同様にして発酵種13を得た。この際の発酵種13における固形分の割合は41重量%であった。
発酵種1の代わりに発酵種13を用いる以外は実施例1と同様にして水分値12重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディはパン様のふっくらとした食感を有するものの、パン様の風味は全く感じられなかった。
[比較例4]
(ソフトキャンディ生地10の調製)
発酵種1の添加量を170部から120部に変更する以外は実施例9のソフトキャンディ生地3の調製方法と同様にして水分値10重量%のソフトキャンディ生地10を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地10を用いる以外は実施例1と同様にして水分値12重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディの食感は一般的なソフトキャンディのようなチューイング性の強いものであり、パン様の風味も弱いものであった。
[比較例5]
(ソフトキャンディ生地11の調製)
発酵種1の添加量を170部から1200部に変更する以外は実施例9のソフトキャンディ生地3の調製方法と同様にして水分値10重量%のソフトキャンディ生地11を得た。
ソフトキャンディ生地1の代わりにソフトキャンディ生地11を用いる以外は実施例1と同様にして水分値12重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディはパン様の香ばしい風味は強いものであったが、パン様のふっくらとした弾力ある食感は感じられなかった。
[比較例6]
ソフトキャンディ生地1の代わりに前記ソフトキャンディ生地6を用いる以外は実施例1と同様にして、水分値5重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディはパン様の香ばしい風味は感じられたが、噛みだしが硬く食感が良いといえるものではなかった。
[比較例7]
(ソフトキャンディ生地12の調製)
実施例1のソフトキャンディ生地1と同様の配合で同様の方法によって減圧濃縮して、水分値5重量%のソフトキャンディ生地12を得た。
ソフトキャンディ生地2の代わりにソフトキャンディ生地12を用い、発酵種2の代わりに前記発酵種8を用いる以外は実施例2と同様にして、水分値22重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディはパン様の香ばしい風味は感じられるが、噛みだしが柔らかすぎて弾力が感じられず、また保型性がなく変形してしまうものであった。
[比較例8]
1000部の前記ソフトキャンディ生地2に対して、ゲル強度250ブルームのゼラチンを等量の水に溶解したゼラチン溶液100部、フォンダント80部、酵母エキス20部及びパン様の香りを有する香料3部をニーダーにて混和してから40℃にて一晩エージングし、水分値7重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディはパン様の風味と酵母エキス由来のコク味は感じられるものの、本発明にて得られる本格的なパン様の香りには程遠いものであり、また食感は一般的なソフトキャンディのようなチューイング性の強いものであり、パン様のふっくらとした弾力ある食感は感じられなかった。
[比較例9]
1000部の前記ソフトキャンディ生地2に対して、ゲル強度250ブルームのゼラチンを等量の水に溶解したゼラチン溶液100部、フォンダント80部、小麦グルテン30部及びパン様の香りを有する香料3部をニーダーにて混和してから40℃にて一晩エージングし、水分値7重量%のソフトキャンディを得た。しかし、得られたソフトキャンディはパン様の風味は感じられるものの、本発明にて得られる本格的なパン様の香りには程遠いものであり、また食感は一般的なソフトキャンディのようなチューイング性の強いものである上に噛みだしが硬く、パン様のふっくらとした弾力ある食感は感じられなかった。

Claims (5)

  1. 麦類を酵母発酵させることで得られる発酵種と糖質及びゼラチンからなるソフトキャンディであって、前記発酵種の固形分がソフトキャンディ全体の4〜20重量%であり、かつ水分値が6〜20重量%であることを特徴とする、パン様の食感と風味を有するソフトキャンディ。
  2. 前記麦類が小麦、大麦、ライ麦、燕麦から選択される1種以上である、請求項1に記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディ。
  3. 前記酵母発酵に用いられる酵母菌がサッカロミセス(Saccharomyces)属に属する1種以上である、請求項1又は2に記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディ。
  4. 麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種と糖質及び水を混合して煮詰めた後に、ゼラチンと攪拌混合する工程を備えてなることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディの製造方法。
  5. 麦類と水及び酵母菌を混合し、麦類を酵母発酵させる工程と、前記工程にて得られる発酵種を煮詰めたものと糖質と水の混合物を煮詰めたものをそれぞれ独立して調製し、ゼラチンと共に攪拌混合する工程を備えてなることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のパン様の食感と風味を有するソフトキャンディの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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