JP2010199995A - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信状態の劣化や送信レートの劣化を引き起こすことなくPAPRを低減させる無線通信装置および無線通信方法を提供する。
【解決手段】OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置10は、ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出部14と、ガードバンドのサブキャリアで生成したピーク抑圧波であってベースバンド信号の平均電力よりも送信電力を低くしたものを記憶するピーク抑圧波記憶部18と、検出された最大ピーク電力に基づいて、ピーク抑圧波記憶部18から読み出したピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御部16,20と、ベースバンド信号とピーク制御部の制御により変換されたピーク抑圧波の信号とを合成する合成部24と、合成された信号を送信する無線通信部26とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関するものであり、特に、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式により無線通信を行う通信装置、およびこれを用いる通信方法に関するものである。
近年、無線通信システムや放送システムにおける信号伝送の基本的な変調方式として、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が採用されることが多くなっている。これは、現代の高度情報化社会において、様々な状況下で、信号伝送速度をますます高速化させる必要性に応じたものであるといえる。信号の高速伝送を行うためには、より短い時間で1つの信号を送ることが要求される。しかしながら、このような伝送に用いられる信号は、建物から反射波などの影響(マルチパス)によって、受信品質の劣化が大きくなる。OFDMを用いた伝送方式は、低速の無線回線(サブキャリア)を複数束ねて(マルチキャリア)伝送するなどの技術を導入することにより、反射波などによる影響に対して耐性を高めることができる。
OFDMのようなマルチキャリアの信号伝送は、ある周波数帯域内で、チャネルを複数の独立したサブチャネルに分けて行われる。このような信号伝送方式では、各サブチャネルを構成する1本のサブキャリアを用いて変調を行うと共に、これらの各サブキャリアを用いてパラレルに信号の伝送を行う。したがって、生成されるマルチキャリア信号は、一連のサブチャネル信号が時間領域で足し合わされるため、ある時刻に、比較的大きな電力(以下、ピーク電力と記す)の信号が発生することがある。平均電力に対するピーク電力の比は、ピーク電力対平均電力比(Peak-to-Average Power Ratio)といい、以下、単に「PAPR」と記す。
送信機における電力増幅器の最大出力は、ピーク電力に合わせる必要がある。このため、PAPRの値が大きい信号を伝送する場合、ダイナミックレンジの広い電力増幅器が必要になり、このような電力増幅器の製造コストが増大することが懸念される。また、PAPRの値が大きい信号を伝送するために、ダイナミックレンジの広い電力増幅器を用いて信号の伝送を行うのは、電力効率の良い信号伝送とはいえない。これらのような理由により、伝送信号においては、PAPRの値を小さくすることが望まれている。
従来、PAPRの値を低減させるために、いくつかの手法が提案されている。しかしながら、それらの手法は、PAPRの値を低減させるという問題解決と共に、新たな課題を生じさせるものである場合が多い。
例えば、代表的なPAPRの低減方法として、ピーク電力にクリッピング処理を行う手法が挙げられるが、その非線形処理により信号が歪むため、帯域外輻射の発生や伝送特性の劣化を招くという問題が残る。また、大きなピークが生じないよう符号化を行うことによってPAPRを低減する方法もある。しかしながら、符号化を行うため、伝送レートが劣化する場合もある。
また、各キャリアの位相を適切に回転(調整)して、ピーク電力の原因となる信号を抑圧することにより、PAPRを低減するという方法もある。しかしながら、この場合、送信側と受信側とにおいて、調整した位相の情報を共有するようにしないと、送信側が位相を調整してから送信しても、受信側は、その受信信号を復調することができない。したがって、この方法においては、調整した位相の情報を共有するための措置を新たに講じなければならない。
さらに、増幅器においてOFDMの信号に生じる歪みを打ち消すように、予め歪みを加えておく、プレディストーションという手法もある。しかしながら、この場合にも、増幅器の特性を予め把握しておく必要があり、さらに、このようにして把握した増幅器の特性にばらつきが生じることもある。
他にも、代表的なPAPRの低減方法として、ダミー波(ピーク抑圧波)を用いてピーク電力を抑圧する方法もある。この方法は、マルチキャリア変調方式において、データ通信に用いるサブキャリアのうち、全てのサブキャリアをゼロ位相で揃えた基本関数を、ピーク抑圧波として予め用意しておき、これを用いてマルチキャリア変調のピークを低減するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−135087号公報
特許文献1に記載のピーク電力抑圧方法では、搬送波の周波数帯域と同じ帯域またはそれに含まれる帯域を持ち、信号のピーク位置にピークを持つ基本関数波形に基づいて、ダミー波(ピーク抑圧波)を生成している。具体的には、信号がピーク電力のしきい値を超える分を検出し、このピーク電力のしきい値を超える分に基本関数波形を掛け合わせたものを信号から減算することによりダミー波を生成している。このようにして生成したダミー波を、元の信号から減算することにより、信号のピーク電力を抑圧している。
この特許文献1に記載の方法によれば、基本関数の周波数帯域は、原則として通信の周波数帯域と同じになり、その後の減算処理も線形演算のみであるため、不要周波数成分は発生しない。したがって、不要周波数成分を除去するためのフィルタを用いることなく、ピークをしきい値まで低減することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、本来データ通信に用いる搬送波を利用してピーク抑圧波を生成するため、PAPRの値を低減させるという問題解決と共に、やはり新たな課題を生じさせることが懸念される。
図15(A)は、電力を抑えたサブキャリアを用いてピーク抑圧波の信号を送信する様子を概略的に示す概念図である。図に示す周波数軸上にて、多数のサブキャリアの信号の強さを示している。なお、実線で示すサブキャリアは、データ通信などの通信に用いるサブキャリアを表している。一方、破線で示すサブキャリアは、ピーク抑圧波として用いるために、電力を低減させたサブキャリアを表している。
図15(A)に示すように、データ通信に用いるサブキャリアからピーク抑圧波を生成すると、本来はデータ通信に用いるべき信号のシンボル点は、少なからずその位置が変化することになる。このようにして変化したシンボル点の位置は、データ通信に用いられるサブキャリアと、ピーク抑圧波とのベクトルの合成になる。したがって、信号のシンボル点の位置が変化することにより、この電波を受信する側において、その受信した信号の品質が劣化する恐れがある。
図15(B)は、データ通信に用いる周波数帯域を、ピーク抑圧波を生成するために部分的に用いる様子を概略的に示す概念図である。このように、本来はデータ通信に用いるサブキャリアを部分的に用いて、ピーク抑圧波を生成することもできる。しかしながら、このように、図15(B)に示すような方法で、ピーク抑圧波を生成することによりピーク電力を低減させると、本来はデータ伝送に用いるサブキャリアを使用するため、伝送レートが低下するという問題が残る。
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、受信状態の劣化や送信レートの劣化を引き起こすことなくPAPRを低減させる無線通信装置および無線通信方法を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る無線通信装置の発明は、
OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置であって、
ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出部と、
前記最大ピーク電力を抑圧するために前記ガードバンドのサブキャリアで生成したピーク抑圧波であって前記ベースバンド信号の平均電力よりも送信電力を低くしたものを記憶するピーク抑圧波記憶部と、
前記ピーク電力検出部により検出された最大ピーク電力に基づいて、前記ピーク抑圧波記憶部から読み出した前記ピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御部と、
前記ベースバンド信号と、前記ピーク制御部の制御により変換されたピーク抑圧波の信号とを合成する合成部と、
前記合成部により合成された信号を送信する無線通信部と、
を備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線通信装置において、
前記ピーク抑圧波記憶部は、前記ガードバンドのサブキャリアが属する通信帯域の中心周波数と、当該ガードバンドのサブキャリアの周波数との差が大きくなるに従って、当該サブキャリアに対する送信電力を低くしたピーク抑圧波を記憶するものである。
また、上記目的を達成する請求項3に係る無線通信装置の発明は、
OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置であって、
ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出部と、
前記最大ピーク電力を抑圧するためのピーク抑圧波を1サンプルぶんシフトさせたものを当該ピーク抑圧波と合成した合成ピーク抑圧波を記憶するピーク抑圧波記憶部と、
前記ピーク電力検出部により検出された最大ピーク電力に基づいて、前記ピーク抑圧波記憶部から読み出した前記合成ピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御部と、
前記ベースバンド信号と、前記ピーク制御部の制御により変換された合成ピーク抑圧波の信号とを合成する合成部と、
前記合成部により合成された信号を送信する無線通信部と、
を備えることを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項4に係る無線通信方法の発明は、
OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置による無線通信方法であって、
ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出ステップと、
前記最大ピーク電力を抑圧するために前記ガードバンドのサブキャリアで生成したピーク抑圧波であって前記ベースバンド信号の平均電力よりも送信電力を低くしたものを記憶するピーク抑圧波記憶ステップと、
前記ピーク電力検出ステップにおいて検出した最大ピーク電力に基づいて、前記ピーク抑圧波記憶ステップにおいて記憶した前記ピーク抑圧波を読み出し、当該読み出したピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御ステップと、
前記ベースバンド信号と、前記ピーク制御ステップにおいて変換を制御したピーク抑圧波の信号とを合成する合成ステップと、
前記合成ステップにおいて合成した信号を送信するステップと、
含むことを特徴とするものである。
本発明の無線通信装置および無線通信方法によれば、ピーク抑圧波の信号を、ガードバンドのサブキャリアに割り当てて送信することができる。したがって、受信状態の劣化や送信レートの劣化を引き起こすことなくPAPRを低減することができる。
第1実施の形態に係る無線通信装置によるサブキャリアの配置を概略的に示す図である。 第1実施の形態に係る無線通信装置の要部の概略構成を示すブロック図である。 第1実施の形態に係る無線通信装置を用いてピーク電力の抑圧を行う際の、サブキャリアの配置の例を示す概略図である。 第1実施の形態のチャネルに配置された各サブキャリアの送信電力のスペクトルを示す図である。 あるシンボル内でベースバンド信号に含まれるピーク電力を説明する図である。 第1実施の形態による調整したピーク抑圧波を示す図である。 ベースバンド信号とピーク抑圧波の信号とを重ね合わせた結果を示す図である。 第1実施の形態のピーク抑圧波によりピーク電力が出現する確率が低減する様子を示す図である。 ガードバンド上のあるサブキャリアの位相0のピーク抑圧波と1サンプル時間シフトしたピーク抑圧波との合成波を示す図である。 第2実施の形態のチャネルに配置された各サブキャリアの送信電力のスペクトルを示す図である。 あるシンボル内でベースバンド信号に含まれるピーク電力を説明する図である。 第2実施の形態によるピーク抑圧波の信号を示す図である。 ベースバンド信号とピーク抑圧波の信号とを重ね合わせた結果を示す図である。 第2実施の形態のピーク抑圧波によりピーク電力が出現する確率が低減する様子を示す図である。 サブキャリアを用いてピーク抑圧波の信号を送信する様子を概略的に示す概念図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本発明による各実施の形態は、携帯電話と無線通信を行うに際して携帯電話端末に電波を送信する基地局装置を想定して説明する。しかしながら、本発明は、携帯電話端末と無線通信を行う基地局装置に限定されるものではなく、複数のサブキャリアを用いて無線通信を行う通信装置であれば、任意の通信装置に適用することができる。例えば、無線LAN、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)、3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution)、地上波デジタル放送など、多くの無線通信システムや放送システムでデータを送信する場面に利用することができる。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る無線通信装置によるサブキャリアの配置を概略的に示す図である。上述したとおり、一般的にOFDMにより変調を行う無線通信装置は、図1(A)に示すように、あるチャネルに割り当てられている周波数帯域内に複数のサブキャリアを配置するが、そのチャネルの両端にあるいくつかのサブキャリアを通信に用いていない。このように、あるチャネルに割り当てられた周波数帯域内の両端付近に存在するサブキャリアのうち、通常の通信には用いられないサブキャリアが配置される帯域を、以下、単に「ガードバンド」と記す。
本実施の形態に係る無線通信装置は、ガードバンド以外のサブキャリア(図1(A)にて実線で示すサブキャリア)を用いて通常の通信を行うが、それと共に、ガードバンドのサブキャリア(図1(A)に破線で示す)を用いて、ピーク電力の抑圧を行う。ただし、上述したように、本来、ガードバンドは、チャネルに割り当てられた帯域外への電力の輻射によって、隣接するチャネルに影響を及ぼすことがないように設けられている。したがって、このガードバンドのサブキャリアを用いたピーク電力の抑圧は、ガードバンド以外のサブキャリアに対する送信電力と比べて十分に電力を低くして行う。
すなわち、本実施の形態では、図1(B)に破線で示すように、あるチャネルに割り当てられた帯域の境界付近に配置されるガードバンドのサブキャリアを用いて、送信電力を低くした状態でピーク電力の抑圧を行う。また、図1(B)に実線で示すように、あるチャネルに割り当てられた帯域内におけるガードバンド以外のサブキャリアをデータ通信に用いることは、通常のOFDMにより変調を行う無線通信装置と変わらない。
このように、ガードバンドのサブキャリアを用いてピーク電力の抑圧を行うには、このチャネルに割り当てられた帯域外への漏洩電力規定を満足する範囲内に抑える(低くする)必要がある。しかしながら、この漏洩電力規定を満足する範囲内であれば、ガードバンドのサブキャリアにピーク抑圧波の信号を割り当てることができる。
図2は、本実施の形態に係る無線通信装置の要部の概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る無線通信装置10は、IFFT処理部12と、データ遅延部22と、合成部24と、無線通信部26と、電力制御部28と、アンテナ30とを備えている。また、無線通信装置10は、ピーク電力検出部14と、ピーク抑圧波制御部16と、ピーク抑圧波記憶部18と、ピーク抑圧波変換部20と、も備えている。なお、図2においては、無線通信装置10によるデータの送信に係る機能ブロックにのみ着目して、その要部を示してある。
IFFT処理部12は、マッピングされたデータの入力を受けて、これらのデータにIFFT(Inverse Fast Fourier Transform(逆高速フーリエ変換))処理を施して、ベースバンド信号を生成する。ピーク電力検出部14は、IFFT処理部12によりIFFT処理されたベースバンド信号における各シンボル内の最大ピーク電力を検出する。ピーク抑圧波制御部16は、ピーク電力検出部14により検出された最大ピーク電力に基づいて、この最大ピーク電力を抑圧するように、ピーク抑圧波記憶部18から読み出したピーク抑圧波を制御する。ピーク抑圧波記憶部18は、IFFT処理部12によりIFFT処理されたベースバンド信号における最大ピーク電力を抑圧するために、各種のピーク抑圧波のパターンを記憶している。
また、ピーク抑圧波制御部16は、このピーク抑圧波記憶部18に記憶されているピーク抑圧波を読み出す際に、ピーク抑圧波に時間シフトを行うことにより、ピーク抑圧波がピークを抑圧するタイミングを制御する。ピーク抑圧波変換部20は、ピーク抑圧波制御部16からの制御により、ピーク抑圧波記憶部18から読み出したピーク抑圧波に対して、符号の変換やIQ成分の変換など所定の変換処理を行う。したがって、本実施の形態においては、ピーク抑圧波制御部16と、ピーク抑圧波変換部20とを含めて、ピーク制御部を構成している。
データ遅延部22は、IFFT処理部12によりIFFT処理されたベースバンド信号が、ピーク抑圧波変換部20により変換処理されたピーク抑圧波のタイミングに合致するように、ベースバンド信号を遅延させる。また、合成部24は、データ遅延部22により遅延されたベースバンド信号と、ピーク抑圧波変換部20により変換処理されたピーク抑圧波の信号とを合成する。
無線通信部26は、合成部24により各サブキャリアに割り当てられたピーク抑圧波の信号を含むベースバンド信号を、RF周波数帯に周波数変換する等所定の処理を施してから、アンテナ30を介して送信信号として送出する。なお、この無線通信部26は、電力制御部28により帯域全体のゲインが調整される。なお、実際の送信処理を行う際には、ガードインターバル挿入、デジタル/アナログ変換、および増幅処理などの各処理も必要になるが、これらは公知技術であるため、説明を省略する。
上述したように、OFDMシステムにおいては、一般的に、隣接チャネルへの漏洩電力を考慮して、チャネル帯域内の本来IFFT処理にて生成することが可能なサブキャリアを全て使用しているわけではない。すなわち、チャネルの両端に配置されるいくつかのサブキャリアは使用せずにデータ通信を行うのが一般的である。本実施の形態では、ガードバンドに配置される、通常のデータ通信には使用しないこれらのサブキャリアをピーク抑圧に使用する。しかしながら、隣接チャネルへの漏洩電力を考慮して、これらのピーク抑圧のために使用する各サブキャリアの送信電力は十分に低くする。
次に、本実施の形態に係る無線通信装置10により、ガードバンドに配置されるサブキャリアを用いて行うピーク電力の抑圧について説明する。以下、あるチャネル(以下、「チャネルA」と記す)に割り当てられた周波数帯域内のサブキャリアから成るベースバンド信号のPAPRについて、演算処理によりシミュレーションを行った結果を示す。
図3は、本実施の形態に係る無線通信装置10を用いてピーク電力の抑圧を行う際の、サブキャリアの配置の例を示す概略図である。この例においては、図3に示すように、OFDMのシステムで用いるチャネルAに割り当てられた全サブキャリア数を512とする。これらの各サブキャリアのガードバンド以外の変調クラスは64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とする。全サブキャリア512本のうち、チャネル両端付近の32本ずつのサブキャリアは、ガードバンドに配置されるサブキャリアとする。また、チャネルAに割り当てられた帯域のうち、中心周波数(DC成分)も未使用キャリアとする。したがって、無線通信装置10は、チャネル両端付近の32本ずつのサブキャリアおよび中心周波数のDC成分1本のサブキャリアを除いた447本のサブキャリアを用いて、通常の通信を行う。
このような、通常の通信のデータ通信に用いるサブキャリアは、データキャリアとして、図3の実線でハッチングを施した領域に配置する。一方、チャネル両端付近のガードバンドに配置された32本ずつのサブキャリアは、ダミーキャリアとして、図3の破線でハッチングを施した領域に配置する。
次に、ガードバンドに配置されるサブキャリアを用いてピーク電力の抑圧を行う場合の電力スペクトルを示す。図4は、図3に示したチャネルAに配置された各サブキャリアの送信電力のスペクトルを示している。なお、図4において、実線はデータ通信用のサブキャリアによる送信電力のスペクトルを示しており、また破線はピーク抑圧波を加えた際のサブキャリアによる送信電力のスペクトルを示している。
本実施の形態においては、ガードバンドの各サブキャリアの送信電力を予め所定の電力に抑えたものを、ピーク抑圧波の波形(時間軸波形)のデータとして、ピーク抑圧波記憶部18に記憶する。本例においては、ガードバンドのサブキャリア(ダミーキャリア)がピーク抑圧波の信号を送信する電力は、データ通信に用いられるサブキャリア(データキャリア)の平均送信電力、または、低減対象となるサブキャリア付近のデータキャリアの平均送信電力と比べて、サブキャリア8本ごとに6dBずつ電力を低減させたものにする。
このように、本実施の形態においては、ピーク抑圧波記憶部18に記憶するピーク抑圧波は、中心周波数(DC成分)と、ガードバンドのサブキャリアの周波数との差が大きくなるに従って、当該サブキャリアに対する送信電力が低くなるようにする。したがって、図4において、チャネルAに割り当てられたサブキャリアのうち、ガードバンドに割り当てられたサブキャリアが、チャネルAの中心周波数から遠ざかるにつれて、階段状に低下している。このように、本実施の形態では、ピーク抑圧波の信号をガードバンドのサブキャリア(ダミーキャリア)に割り当て、送信電力が低下された状態で送信する。
次に、本実施の形態のピーク抑圧波によるピーク電力の抑圧について、さらに具体的に説明する。
IFFT処理部12は、マッピングデータの入力にIFFT処理を行い、ベースバンド信号を生成する。ピーク電力検出部14は、このようにして生成されたベースバンド信号に対して、シンボルごとに、最大のピーク電力を検出する。なお、ピーク電力は、I成分とQ成分との合成で表されるものであり、ピーク電力検出部14は、I成分とQ成分との合成が最大になる最大ピーク電力を検出する。
例えば、図5に示すように、ピーク電力検出部14は、あるシンボル内で、ベースバンド信号のI成分とQ成分との合成が最大になる箇所を検出する。この場合、図5(A)および図5(B)において、それぞれ小円で示す箇所のI成分およびQ成分を合成したものが最大のピーク電力となる。図5に示す例においては、図5(A)に示すように、最大ピーク電力となる箇所において、I成分が大きなピーク(ピークα1)を有している。なお、図5(B)に示すように、最大ピーク電力となる箇所におけるQ成分はI成分より小さいため、ピーク抑圧波によるピークの低減は、I成分に対して行う。
ピーク電力検出部14は、ベースバンド信号の最大ピーク電力を検出すると、この最大ピーク電力についての各種の情報をピーク抑圧波制御部16に通知する。最大ピーク電力についての各種の情報とは、例えば、最大ピーク電力が検出されたタイミング(時間軸上の位置など)の情報、最大ピーク電力が検出された箇所においてI成分とQ成分とのどちらがより大きなピークを有するかの情報、また、最大ピーク電力の際により大きなピークを有するI成分またはQ成分の当該ピークの大きさについて情報、などを含めることができる。
上述したような最大ピーク電力を抑圧するために、ピーク抑圧波記憶部18には、種々のピーク抑圧波を予め格納する。このピーク抑圧波記憶部18はフラッシュメモリなどのメモリにより構成され、ガードバンドに配置されて電力が抑えられた状態のサブキャリア(ダミーキャリア)による時間軸データを保存しておく。例えば、ガードバンドのサブキャリアで全ての位相を揃えてピークを持たせた波形をピーク抑圧波記憶部18に格納することができる。このようなピーク抑圧波に、幾つかのパターンを持たせたものをピーク抑圧波記憶部18に格納するのが好適である。
次に、ピーク抑圧波記憶部18に格納されているピーク抑圧波が、検出されたピーク電力を有効に抑圧することができるように、ピーク抑圧波の調整を行う。例えば、ピーク抑圧波制御部16からの制御により、ピーク抑圧波記憶部18からピーク抑圧波を読み出すタイミングおよび順序などを調整することで、検出されたピーク電力の波形に合致するように、読み出すピーク抑圧波を時間軸上でシフトを行う。また、ピーク抑圧波変換部20は、ピーク抑圧波記憶部18から読み出したピーク抑圧波の波形の正負が逆の場合には正負の符号を変換する処理を行う。さらに、ピーク抑圧波変換部20は、ピーク抑圧波記憶部18から読み出したピーク抑圧波の波形のI成分とQ成分とが逆転している場合にはIQ変換の処理を行う。このようなピーク抑圧波の調整は、ピーク電力検出部14によりピーク抑圧波制御部16に通知された、最大ピーク電力についての各種の情報を利用することのより行う。
このように、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20が、ピーク抑圧波記憶部18に格納されたピーク抑圧波を調整することにより、このピーク抑圧波は、ピーク検出部14により検出されたピーク電力を有効に抑圧することができる。
図6は、ピーク抑圧波記憶部18に格納されたピーク抑圧波を、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20により調整したものを示す図である。図6(A)に示すように、ピーク抑圧波のI成分におけるダミーピークβ1は、図5(A)に示したベースバンド信号のI成分を打ち消すように逆相になり、タイミングも合致するようになっている。なお、図6に示す振幅のスケールは、図5に示した振幅のスケールとは異なることに留意すべきである。ピーク抑圧波は、上述したように、ベースバンド信号の送信電力よりも充分に低い電力で送信する。また、本例においては、図5(A)に示したように、ベースバンド信号が最大ピーク電力となる箇所において、Q成分よりもI成分の方が大きなピーク(ピークα1)を有するため、ピーク抑圧波によるピーク低減は、I成分について重点的に行う。したがって、図6(B)に示すように、この場合のピーク抑圧波のQ成分は非常に小さな振幅になっている。
合成部24は、ベースバンド信号と、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20により変換および制御されたピーク抑圧波の信号と、を合成する。以上の各処理のため、ガードバンドのサブキャリアに割り当てられるピーク抑圧波の信号は、ガードバンド以外のサブキャリアに割り当てられるベースバンド信号よりも遅延することが想定される。したがって、このような遅延に対してタイミングを合わせるために、データ遅延部22は、ガードバンド以外のサブキャリアに割り当てられるベースバンド信号を所定量遅延させてから、合成部24に送出する。
図7は、合成部24に送出される、遅延されたベースバンド信号と、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20により変換および制御されたピーク抑圧波の信号とを重ね合わせた演算結果を示す図である。図7(A)に示すように、図5(A)に示したベースバンド信号のI成分のあるシンボルに存在するピーク(ピークα1)は、図6(A)に示したピーク抑圧波(ダミーピークβ1)によって抑圧されている(抑圧されたピークγ1)ことがわかる。
この後、無線通信部26は、ベースバンド信号とピーク抑圧波の信号とが合成部24により合成された信号を、アンテナ30を介して送信する。この際、電力制御部28は、無線通信部26の電力を制御することにより、RF(Radio Frequency)信号のゲインを制御して、帯域全ての電力を調整する。
このように、本実施の形態においては、ガードバンドのサブキャリアを用いることによりピーク電力を抑圧する。このため、データ通信に用いるサブキャリアに影響を与えることなく、受信劣化を抑えることができる。この際、このガードバンドのサブキャリアの送信電力を充分に低減させているため、受信状態の劣化や送信レートの劣化を引き起こすことなくPAPRを低減することができる。また、シンボル内の最大ピーク電力の抑圧に特化するため、ピーク抑圧波を予め用意することができる。このように、用意したピーク抑圧波をメモリ等に保存しておくことにより、回路構成の簡素化が期待できる。
図8は、上述した条件において、一様でランダムな3000シンボルに対して、CCDF(Complementary Cumulative Distribution Function)をシミュレートした結果を示す図である。このCCDFは、累積分布の補関数を表すものであり、図8のグラフにおいて、縦軸はPAPR値が出現する確率を表し、CCDFのグラフが左に移行するに従って、大きなピーク電力が出現する確率が減ることを意味している。図8において、実線は、ガードバンドのサブキャリアを用いることによりピーク電力を抑圧する前のシミュレーション結果を示している。また、破線は、ガードバンドのサブキャリアを用いることによりピーク電力を抑圧したシミュレーション結果を示している。図8から分かるように、0.0001%において1.2dB程度の改善が見られる。なお、ここで、シンボル長には1/8のガードインターバルを付加している。このように、本実施の形態によれば、確率的にピーク電力を抑えることにより、PAPRを低減することができる。
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に係る無線通信装置について説明する。本発明の第2実施の形態は、上述した第1実施の形態で説明した無線通信装置10において、ピーク抑圧波記憶部18に記憶するピーク抑圧波を変更するものである。
まず、第2実施の形態で使用するピーク抑圧波について説明する。ガードバンドのサブキャリアで全ての位相を揃えてピークを持たせた波形をピーク抑圧波記憶部18に格納することは第1実施の形態と同様である。第2実施の形態では、このようなピーク抑圧波を、時間軸(例えば図6(A)の横軸)上で1サンプルぶんの時間をシフトしたものを更に合成する。すなわち、次式の関係を満たすようなダミー波(合成ピーク抑圧波)Fdummyを用意して、ピーク抑圧波記憶部18に格納する。
Fdummy=F(x)+F(x+1)
本実施の形態においても、ピーク抑圧波の送信には、帯域内の両端のサブキャリアを用いる。通信に割り当てられた周波数帯域の中心周波数成分(DC成分)はゼロであり、両端のサブキャリアは周波数成分が(正または負の値で)十分高くなる。したがって、1サンプルぶんの時間をシフトしたピーク抑圧波は、シフトする前のピーク抑圧波と比べると、各サブキャリアにおいて、大きさが同じでほぼ逆向きのベクトルとなる。
図9は、あるサブキャリアにおいて、位相ゼロのピーク抑圧波と、1サンプル時間シフトしたピーク抑圧波との合成波をIQ平面上で表した図である。なお、実践のベクトル(矢印)は、位相ゼロのピーク抑圧波の送信電力を表しており、破線のベクトル(矢印)は、1サンプルぶんの時間をシフトしたピーク抑圧波の送信電力を表している。なお、図9(A)は、IFFT処理をする際のサンプリング周波数の1/2であるナイキスト周波数の場合の上記2ベクトルを示しており、図9(B)は、このナイキスト周波数から僅かに低い場合の上記2ベクトルを示している。
図9(A)に示すように、ナイキスト周波数の時、1サンプルシフトすると、同じ大きさのベクトルが逆を向くので、2ベクトルの合成ベクトルはゼロとなる。これは、この周波数のサブキャリアの送信電力がゼロであることを意味している。また、図9(B)に示すように、ナイキスト周波数から僅かに低い(すなわち、チャネルに割り当てられた中心周波数(DC成分)に近づく)場合、1サンプルシフトしたベクトルは、シフトする前のベクトルと厳密に逆方向にはならないため、合成ベクトルはゼロにならない。したがって、この周波数におけるサブキャリアは、この合成ベクトルぶんの送信電力を有することになる。
このようにして、合成ベクトルが表す各サブキャリアの送信電力は、DC成分に近づくに従って徐々に増大するようになる。したがって、全サブキャリアの数が十分に多く、しかも、そのサブキャリアのうち高い周波数のものを用いている場合、1サンプルぶんの時間をシフトして合成した合成波は、周波数が高くなるほど減衰するようになる。
次に、本実施の形態において、ガードバンドに配置されるサブキャリアを用いてピーク電力の抑圧を行う場合の電力スペクトルについて説明する。以下、1サンプルぶんシフトさせたピーク抑圧波を合成した合成ピーク抑圧波について、各サブキャリアの電力を、データ通信に用いるサブキャリア(データキャリア)の平均の送信電力と同じにした場合の結果を示す。
図10は、本実施の形態による上述した合成ピーク抑圧波を用いた場合の、あるチャネル(以下、「チャネルB」と記す)に配置された各サブキャリアの送信電力のスペクトルを示している。なお、図10において、実線はデータ通信用のサブキャリアによる送信電力のスペクトルを示しており、また破線は合成ピーク抑圧波を加えた際のサブキャリアによる送信電力のスペクトルを示している。図10に示すように、ガードバンドに配置されたサブキャリアによる送信電力は、チャネルに割り当てられた中心周波数(DC成分)から離れるに従って低減している。なお、ガードバンドにおいて、電力スペクトルが最小になっている部分が、上述したナイキスト周波数に相当する位置を表している。
次に、本実施の形態の合成ピーク抑圧波によるピーク電力の抑圧について、さらに具体的に説明する。
本実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様に、IFFT処理部12がベースバンド信号を生成した後、ピーク電力検出部14は、このベースバンド信号に対して、シンボルごとに、最大ピーク電力を検出する。
例えば、図11に示すように、ピーク電力検出部14は、あるシンボル内で、ベースバンド信号のI成分とQ成分との合成が最大になる箇所を検出する。この場合、図11(A)および図11(B)において、それぞれ小円で示す箇所のI成分およびQ成分を合成したものが最大のピーク電力となる。図11に示す例においては、図11(B)に示すように、最大ピーク電力となる箇所において、Q成分が大きなピーク(ピークα2)を有している。
このようにして最大ピーク電力を検出した後、ピーク電力検出部14は、この検出されたピーク電力についての各種の情報をピーク抑圧波制御部16に通知する。
このピーク電力を抑圧するために、本実施の形態では、ピーク抑圧波記憶部18に予め格納された、上述した合成ピーク抑圧波を利用する。この合成ピーク抑圧波は、ピーク抑圧波記憶部18に格納されているものを、ピーク抑圧波制御部16からの制御、およびピーク抑圧波変換部20による所定の変換処理を施すことにより調整して用いることは、上述の第1実施の形態と同様である。
図12は、ピーク抑圧波記憶部18に格納された合成ピーク抑圧波を、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20により調整したものを示す図である。図12(B)に示すように、合成ピーク抑圧波のQ成分におけるダミーピークβ2は、図11(B)に示したベースバンド信号のQ成分を打ち消すように逆相になり、タイミングも合致するようになっている。なお、図12(B)に示す合成ピーク抑圧波は、1サンプルぶんの時間をシフトして合成したピーク抑圧波であるため、ピークが2箇所において発生する波形になっている。また、本例においては、図11(B)に示したように、ベースバンド信号が最大ピーク電力となる箇所において、I成分よりもQ成分の方が大きなピーク(ピークα2)を有するため、ピーク抑圧波によるピーク低減は、Q成分について重点的に行う。したがって、図12(A)に示すように、この場合のピーク抑圧波のI成分は非常に小さな電力になっている。
それから、第1実施の形態と同様に、合成部24は、ベースバンド信号と、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20により変換および制御されたピーク抑圧波の信号と、を合成する。
図13は、合成部24に送出される、遅延されたベースバンド信号と、ピーク抑圧波制御部16およびピーク抑圧波変換部20により変換および制御された合成ピーク抑圧波の信号とを重ね合わせた演算結果を示す図である。図13(B)に示すように、図11(B)に示したベースバンド信号のI成分のあるシンボルに存在するピーク(ピークα2)F、図12(B)に示した合成ピーク抑圧波(ダミーピークβ2)によって抑圧されている(抑圧されたピークγ2)ことがわかる。
この後、無線通信部26は、ベースバンド信号とピーク抑圧波の信号とが合成部24により合成された信号を、アンテナ30を介して送信する。このように、本実施の形態においては、ガードバンドのサブキャリアを用いることによりピーク電力を抑圧する。このため、データ通信に用いるサブキャリアに影響を与えることなく、受信劣化を抑えることができる。この際、このガードバンドのサブキャリアの送信電力は充分に低減されるため、受信状態の劣化や送信レートの劣化を引き起こすことなくPAPRを低減することができる。本実施の形態においては、ピーク抑圧波(合成ピーク抑圧波)の波形に2つのピークが発生した状態で使用するが、これによりサブキャリアの電力を十分に抑えることができる。特に、チャネルに割り当てられた周波数のうち、中心周波数(DC成分)から離れた周波数に配置されるサブキャリアほど顕著に送信電力を低減させることができ、漏洩電力の観点で極めて有効である。
図14は、上述した条件において、一様でランダムな3000シンボルに対して、CCDF(Complementary Cumulative Distribution Function)をシミュレートした結果を示す図である。図14において、実線は、ガードバンドのサブキャリアを用いることによりピーク電力を抑圧する前のシミュレーション結果を示している。また、破線は、ガードバンドのサブキャリアを用いることによりピーク電力を抑圧したシミュレーション結果を示している。図14から分かるように、本実施の形態においても、0.0001%において1.2dB程度の改善が見られる。このように、本実施の形態によれば、確率的にピーク電力を抑えることにより、PAPRを低減することができる。
なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。特に、上述した、発明を実施するための形態は、基地局装置を想定して説明したものであり、それ以外の無線通信装置に本発明を適用する際は、当業者であれば、必要な構成または動作および処理などについて適宜変更を加えて実施することができる。
10 無線通信装置
12 IFFT処理部
14 ピーク電力検出部
16 ピーク抑圧波制御部
18 ピーク抑圧波記憶部
20 ピーク抑圧波変換部
22 データ遅延部
24 合成部
26 無線通信部
28 電力制御部
30 アンテナ

Claims (4)

  1. OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置であって、
    ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出部と、
    前記最大ピーク電力を抑圧するために前記ガードバンドのサブキャリアで生成したピーク抑圧波であって前記ベースバンド信号の平均電力よりも送信電力を低くしたものを記憶するピーク抑圧波記憶部と、
    前記ピーク電力検出部により検出された最大ピーク電力に基づいて、前記ピーク抑圧波記憶部から読み出した前記ピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御部と、
    前記ベースバンド信号と、前記ピーク制御部の制御により変換されたピーク抑圧波の信号とを合成する合成部と、
    前記合成部により合成された信号を送信する無線通信部と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記ピーク抑圧波記憶部は、前記ガードバンドのサブキャリアが属する通信帯域の中心周波数と、当該ガードバンドのサブキャリアの周波数との差が大きくなるに従って、当該サブキャリアに対する送信電力を低くしたピーク抑圧波を記憶する、請求項1に記載の無線通信装置。
  3. OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置であって、
    ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出部と、
    前記最大ピーク電力を抑圧するためのピーク抑圧波を1サンプルぶんシフトさせたものを当該ピーク抑圧波と合成した合成ピーク抑圧波を記憶するピーク抑圧波記憶部と、
    前記ピーク電力検出部により検出された最大ピーク電力に基づいて、前記ピーク抑圧波記憶部から読み出した前記合成ピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御部と、
    前記ベースバンド信号と、前記ピーク制御部の制御により変換された合成ピーク抑圧波の信号とを合成する合成部と、
    前記合成部により合成された信号を送信する無線通信部と、
    を備えることを特徴とする無線通信装置。
  4. OFDM信号のチャネル帯域にガードバンドを設けて通信を行う無線通信部を有する無線通信装置による無線通信方法であって、
    ベースバンド信号のシンボル内の最大ピーク電力を検出するピーク電力検出ステップと、
    前記最大ピーク電力を抑圧するために前記ガードバンドのサブキャリアで生成したピーク抑圧波であって前記ベースバンド信号の平均電力よりも送信電力を低くしたものを記憶するピーク抑圧波記憶ステップと、
    前記ピーク電力検出ステップにおいて検出した最大ピーク電力に基づいて、前記ピーク抑圧波記憶ステップにおいて記憶した前記ピーク抑圧波を読み出し、当該読み出したピーク抑圧波の変換を制御するピーク制御ステップと、
    前記ベースバンド信号と、前記ピーク制御ステップにおいて変換を制御したピーク抑圧波の信号とを合成する合成ステップと、
    前記合成ステップにおいて合成した信号を送信するステップと、
    含むことを特徴とする方法。
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