JP2010199215A - スイッチング素子及び不揮発性記憶装置 - Google Patents

スイッチング素子及び不揮発性記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性が高く、素子間ばらつきが少ないスイッチング素子及び不揮発性記憶素子を提供する。
【解決手段】六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる第1層10と、第1層の第1の部分に接続された第1電極11と、第1層の第2の部分と電気的に接続され第1電極と離間して設けられた第2電極12と、第1層の第1の部分と第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられた部分を有する第3電極13と、第1層と第3電極との間に設けられた第2層20と、を備えるスイッチング素子を提供する。第2層は、基部21と官能基部22とを有する。官能基部22は、基部と第1層との間に設けられ、基部と結合され、第1層中の炭素原子との間の距離の変化によって第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチング素子及び不揮発性記憶装置に関する。
近年、NAND型フラッシュメモリに代表される小型で大容量のメモリデバイスの需要が急増し、高集積化、大容量化を目指した開発が盛んに行われている。一般的に、半導体メモリの大容量化は個々のメモリ素子を微細化することにより成し遂げられている。しかしながら、従来の半導体メモリ技術は、動作原理の観点及び製造コストの観点から微細化限界に達しつつある。従って、メモリデバイスのさらなる大容量化のためには、新たな動作原理に依拠した次世代メモリの実現が望まれている。
例えば、グラフェンを利用した電気化学スイッチ(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)は、そのオン/オフ比が大きく不揮発性を有することなどから、従来の半導体メモリの微細化限界を打破する可能性のある次世代メモリの候補と考えられている。
しかしながらこれらの従来の技術では、絶縁膜中に混入した水分子を反応性物質とした電気化学反応を利用しているため、反応性物質の種類、位置、量などの制御が不十分で、素子の信頼性や歩留まりの問題など、実用化されるには課題が多い。
"A graphene-based electrochemical switch" arXiv 0712.2026V1. "Nonvolatile Switching in Graphene Field-Effect Device" IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS, VOL.29, NO.8, pp.952-954, AUGUST 2008.
本発明は、信頼性が高く、素子間ばらつきが少ないスイッチング素子及び不揮発性記憶素子を提供する。
本発明の一態様によれば、六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる第1層と、前記第1層の第1の部分と電気的に接続された第1電極と、前記第1層の第2の部分と電気的に接続され、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、前記第1層の前記第1の部分と前記第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられた部分を有する第3電極と、前記第1層と前記第3電極との間に設けられた第2層であって、基部と、前記基部と前記第1層との間に設けられ前記基部と結合され前記第1層中の炭素原子との間の距離の変化によって前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする官能基部と、を有する第2層と、を備えたことを特徴とするスイッチング素子が提供される。
本発明の別の一態様によれば、六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる第1層と、前記第1層の第1の部分と電気的に接続された第1電極と、前記第1層の第2の部分と電気的に接続され、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、前記第1層の前記第1の部分と前記第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられた部分を有する第3電極と、前記第1層と前記第3電極との間に設けられた第2層であって、基部と、前記基部と前記第1層との間に設けられ前記基部と結合され前記第1層中の炭素原子との間の距離の変化によって前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする官能基部と、を有する第2層と、を備え、前記sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化に伴う前記第1層における電気伝導率の変化を記憶データとして保持可能とする不揮発性記憶装置が提供される。
本発明によれば、信頼性が高く、素子間ばらつきが少ないスイッチング素子及び不揮発性記憶素子が提供される。
本発明の第1の実施形態に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るスイッチング素子の動作を例示する模式図である。 比較例のスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子の一部の要素に用いられる材料を例示する模式図である。 本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。 本発明の第2の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第2の実施例に係るスイッチング素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。 本発明の第2の実施例に係るスイッチング素子の特性を例示する模式的グラフ図である。 本発明の第3の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第4の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第5の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第6の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、後述する本発明の第2の実施形態に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図1に表したように、本発明の第1の実施形態に係るスイッチング素子110は、第1層10と、第2層20と、第1電極11と、第2電極12と、第3電極13と、を備える。
第1層10は、例えば、基板5の主面5aの上に設けられる。第1層10は、六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる。
すなわち、第1層10には、例えばグラファイトやカーボンナノチューブなどを用いることができる。また、カーボンナノホーンやカーボンナノウオール(Wall)を用いても良い。なお、本願明細書においては、グラファイトは、グラフェン、カーボンナノホーン及びカーボンナノウオールを含む。
すなわち、第1層10には、グラファイトやカーボンナノチューブのような、主としてsp結合炭素で構成されるものを用いることができ、より好ましくは単層のカーボンナノチューブやグラフェンのように、物質の吸着に対して電気伝導率が大きく変化する材料を用いることがさらに望ましい。
第1電極11は、第1層10の上に設けられ、第2電極12は、第1層10の上において第1電極11と離間して設けられる。第3電極13は、第1層10の上において、第1電極11と第2電極12との間に設けられる。
ただし、本発明はこれに限らず、第1電極11は、第1層10の第1の部分と電気的に接続され、第2電極12は、第1層10の第2の部分と電気的に接続され、第1電極11と離間して設けられ、第3電極13は、第1層10の第1の部分と第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられれば良く、第1電極11、第2電極12及び第3電極13の互いの配置、及び第1層10に対する配置は任意である。例えば、これらの電極は、第1層10の周囲を取り囲むように設けられていても良い。
第1電極11は例えばソース電極となり、第2電極12は例えばドレイン電極となり、第3電極13は例えばゲート電極となる。なお、第1電極11と第2電極12とは互いに入れ替えが可能である。
第2層20は、第1層10と第3電極13との間に設けられる。
第2層20は、基部21と、基部21に結合された官能基部22と、を有する。官能基部22は、第1層10に対向する。すなわち、官能基部22は、基部21と第1層10との間に設けられる。
基部21は、第1層10に対する位置が実質的に変化しない部分である。これに対して、官能基部22は、第1層10に対する位置が可変である。ただし、官能基部22は、基部21に結合されているため、第2層20の中の任意の位置を有することはない。すなわち、官能基部22は、基部21に結合されつつ、対向する第1層10に含まれる炭素原子との間の距離が可変である。
なお、官能基部22と第1層10(具体的には第1層10に含まれる炭素原子)との距離が変化する際に、官能基部22が結合された基部21も若干の伸縮の変化をおこすが、この伸縮は小さいので無視し、基部21は実質的に位置が変化しないとされる。
官能基部22は、第1層10中の炭素原子との間の距離の変化によって、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする。
上記の官能基部22と第1層10中の炭素原子との間の距離の変化は、例えば、第1層10と第3電極13との間に印加される電圧によって生じさせることができる。すなわち、スイッチング素子110においては、第1層10と第3電極13との間に印加される電圧によって、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率が可変とされる。
また、官能基部22と第1層10中の炭素原子との間の距離の変化は、第1電極11と第2電極12とを介して第1層10に通電される電流によって生じさせることができる。すなわち、スイッチング素子110においては、第1電極11と第2電極12とを介して第1層10に通電される電流によって、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率が可変とされる。
以下では、官能基部22と第1層10中の炭素原子との間の距離の変化、及び、これに伴う第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化が、第1層10と第3電極13との間に印加される電圧によって生じさせられる場合として説明する。
第2層20には、例えば有機単分子膜を用いることができる。ただし、第2層20は、基部21と、基部21に結合され、基部21と第1層10との間に設けられた官能基部22と、を有していれば任意の構成を適用することができる。以下では、一例として、第2層20に有機単分子膜を用いた場合について説明する。
第2層20に用いられる有機単分子膜は、有機分子が互いの分子間相互作用、例えばアルキル鎖どうしのファンデルワールス力や疎水性相互作用、ベンゼン環どうしのπ電子相互作用などによって、緻密で配向のそろった状態で集積化した膜である。すなわち、有機単分子膜は、例えば、LB膜(Langmuir-Blodgett膜)や自己組織化単分子膜(Self-assembled Monolayer:SAM)である。
以下では、第2層20が有機単分子膜である場合として説明する。
この有機単分子膜は、基部21と官能基部22とを有する。基部21は、例えば長鎖アルキル基等を有し、基部21の末端には、後述する官能基が結合されている。有機単分子膜において、基部21は第3電極13の側に配置され、官能基部22は、第1層10の側に配置され、第2層10に対向する。
有機単分子膜の基部21は、互いのファンデルワールス力等によって互いに固着されており、基部21の位置は実質的に不変である。
官能基部22は、第1層10に含まれる炭素原子のπ軌道電子と相互作用が可能である。すなわち、官能基部22は、第1層10に含まれる炭素原子のπ結合、すなわち炭素原子のpz軌道が原子間で重なり合ってできた分子軌道、と相互作用が可能である。
官能基部22は、例えば、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、イソシアノ基、シアノ基、チオール基、ホスホン酸基、ビニル基、アルキニル基、エポキシ基などの官能基を有する。
なお、上記の官能基のうち、酸素を含む官能基は、第1層10に含まれる炭素原子との相互作用をおこしやすいため、官能基部22に用いられることがより望ましい。
このような官能基部22を末端に有する有機単分子膜を用いることにより、炭素原子のπ軌道電子と相互作用する官能基部22が、第1層10の側に配置される。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るスイッチング素子の動作を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)及び(b)は、スイッチング素子110における2つの状態を例示している。すなわち、同図(a)は、第1層10に含まれる炭素原子と第2層20中の官能基部22との間の距離が短い状態を例示しており、同図(b)は、距離が長い状態を例示している。
図2(a)に表したように、第1層10に含まれる炭素原子10aと、第2層20中の官能基部22と、の間の距離が短い状態では、炭素原子10aは、四面体構造であるsp結合B3で官能基部22と近接している。このため、官能基部22と炭素原子10aとの距離d3は、一般的な炭素のsp結合の距離である1.54オングストロームに近い値となる。
一方、図2(b)に表したように、第1層10に含まれる炭素原子10aと、第2層20中の官能基部22と、の間の距離が長い状態では、炭素原子10aはsp結合B2を形成しており、官能基部22とは近接していない。このため、官能基部22と炭素原子10aとの間の距離d1は、sp結合の距離(およそ1.54オングストローム)よりも長くなる。
すなわち、官能基部22が第1層10の炭素原子10aに対して近接し、例えば、第1層10に官能基部22が吸着した時には、第1層10の炭素原子10aはsp結合B3となる。そして、官能基部22が第1層10の炭素原子10aに対して離間し、例えば、第1層10から官能基部22が脱離した時には、第1層10の炭素原子10aはsp結合B2となる。
なお、官能基部22と炭素原子10aとの間の変化においては、炭素原子10aの位置が変化する場合がある。また、基部21の若干の伸縮が発生し、これにより、官能基部22の位置が変化する場合もある。この時、基部21のこの伸縮の変化は小さいので、基部21の位置は、実質的に変化しないものとみなされる。
このように、スイッチング素子110においては、官能基部22の第1層10に含まれる炭素原子10aとの間の距離の変化によって、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率が可変とされる。
そして、第1層10における電気伝導率は、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率によって変化する。すなわち、sp結合炭素の比率が相対的に上昇すると第1層10における電気伝導率は低下し、逆に、sp結合炭素の比率が相対的に上昇すると第1層10における電気伝導率は上昇する。
そして、第1層10に含まれる炭素原子10aと官能基部22との間の距離は、例えば、第1層10と第3電極13との間に印加される電圧によって制御される。
以下では、第1層10を基準にしたときの第3電極13の電位である印加電圧を、第3電極13に印加する場合として説明する。
例えば、官能基部22が、水酸基である場合には、第3電極13に負の印加電圧を印加する(すなわち、第1層10を基準として第3電極13が負の電位となる)ことで、官能基部22は、第1層10の炭素原子10aに対して近接し、官能基部22は、例えば炭素原子10aに吸着する。そして、逆に、第3電極13に正の印加電圧を印加することで、官能基部22は、第1層10の炭素原子10aに対して離間して、官能基部22は炭素原子10aから脱離する。
このように、スイッチング素子110によれば、第1層10と第3電極13との間に印加される電圧によって、官能基部22と炭素原子10aとの間の距離を制御し、そして、sp結合炭素とsp結合炭素との比率を制御し、これに伴う第1層10の電気伝導率を制御し、結果として、第1電極11と第2電極12との間に流れる電流を制御することができる。
そして、上記の官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化は、固着されている基部21に官能基部22が結合された状態で行われるため、再現性と信頼性が高く、また、スイッチング素子110の製造工程のばらつきに起因する影響や周囲の環境などからの影響を受け難いため、素子間ばらつきも小さい。
官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化は可逆的であり、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化は可逆的であり、そして、これに伴う第1層10の電気伝導率の変化も可逆的である。
そして、例えば、第1層10と第3電極13との間の電位差によって生じた官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化は、第1層10と第3電極13との間に官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化を引き起こす別の電位差を与えるまで不揮発性であり、従ってsp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化も不揮発性であり、これに伴う第1層10の電気伝導率の変化も不揮発性である。すなわち、これらは、例えば、逆反応に必要な電位を印加するまでは不揮発性である。
従って、このスイッチング素子110によって、官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化に起因した、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化に伴う第1層10の電気伝導率の変化を、記憶データとして保持可能とする不揮発性記憶装置が構成できる。
(比較例)
図3は、比較例のスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
図3に表したように、比較例のスイッチング素子119は、第1層10と、第1電極11と、第2電極12と、第3電極13と、を備える。これらの構成は、本実施形態に係るスイッチング素子110と同様なので説明を省略する。
比較例のスイッチング素子119においては、第1層10と第3電極13との間に、水分子29aを含むシリコン酸化膜29が設けられている。すなわち、スイッチング素子119は、非特許文献1及び非特許文献2に記載されている構成に対応する。
比較例のスイッチング素子119においては、第1層10(グラフェン)と第3電極13との間に電圧(すなわちゲート電圧)を印加すると、シリコン酸化膜29中に含まれた水分子29aと第1層10に含まれる炭素原子との間で吸着反応または脱離反応がおきる。例えば、吸着においては、水分子29aが第1層10の側に移動し、第1層10の表面のπ結合と相互作用をおこし、第1層10の炭素原子の結合形態がsp結合からsp結合へと転移する。逆に、脱離反応においては、第1層10の表面に吸着した水分子29aが第1層10の表面から脱離し拡散し、水分子29aが吸着していた部分の炭素原子はsp結合からsp結合へと転移する。
このように、比較例のスイッチング素子119においては、シリコン酸化膜29中に混入された水分子29aが第2層20中を移動することによって、吸着反応及び脱離反応が発生し、第1層10に含まれる炭素原子のsp結合とsp結合との間の転移がおきる。すなわち、シリコン酸化膜29中を移動可能な水分子29aが、この反応の反応活性種となる。
比較例のスイッチング素子119においては、水分子29a(反応活性種)が、濃度勾配や印加電界により、第2層20中を、第3電極13の側から第1層10の側への方向、または、その逆の方向へ移動し、また拡散する。このため、第3電極13へ電圧を印加するタイミングによって、第1層10に含まれる炭素原子の近傍に存在する水分子29a(反応活性種)の数(量、濃度)が異なることが発生する。すなわち、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化に寄与する水分子29aの数(量、濃度)が変動しやすく、このために、特性が安定せず、信頼性が低い。
すなわち、比較例のスイッチング素子119は、シリコン酸化膜29中に混入した水分子29aの電気化学反応を利用しているため、水分子29a(反応活性種)の位置、量などの制御が不十分であり、スイッチング素子119の信頼性が低く、素子間のばらつきが大きく、歩留まりが低い。さらに、シリコン酸化膜29中に水分子29a以外の不純物が含まれる場合には、その不純物が、反応活性種として働くため、さらに、特性が不安定になり、素子間ばらつきも大きくなる。
そして、シリコン酸化膜29中の反応活性種として、水分子29a以外の物質を用いた場合においても、その反応活性種がシリコン酸化膜29中を移動し、また拡散できる場合は、同様の問題が発生する。
これに対し、本実施形態に係るスイッチング素子110及び後述する不揮発性記憶装置210においては、官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化は、第1層10に対向した官能基部22が、固着されている基部21に結合された状態で行われる。従って、第1層10に含まれる炭素原子10aに対向している官能基部22の数(量、密度)は一定であり、例えば、第3電極13へ電圧を印加するタイミングにかかわらず、第1層10に含まれる炭素原子10aの近傍に存在する官能基部22の数(量、濃度)は一定である。すなわち、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化に寄与する官能基部22の数(量、濃度)の、製造工程のばらつきや経時変化による変動が抑制される。このため、スイッチング素子110によれば、信頼性が高く、素子間ばらつきが少ないスイッチングが提供できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施形態に係る不揮発性記憶装置は、第1の実施形態で説明したスイッチング素子110の構造を有する。
すなわち、図1に表したように、第2の実施形態に係る不揮発性記憶装置210は、六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる第1層10と、第1層10の第1の部分と電気的に接続された第1電極11と、第1層10の第2の部分と電気的に接続され、第1電極11と離間して設けられた第2電極12と、第1層10の第1の部分と第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられた部分を有する第3電極13と、第1層10と第3電極13との間に設けられた第2層20であって、基部21と、基部21と第1層10との間に設けられ基部21と結合され第1層10中の炭素原子との間の距離の変化によって第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする官能基部22と、を有する第2層20と、を備える。
そして、不揮発性記憶装置210は、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化に伴う第1層10における電気伝導率の変化を記憶データとして保持可能である。
既に説明したように、官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化、及び、第1層10の電気伝導率の変化は可逆的である。
そして、例えば第1層10と第3電極13との間の電位差によって生じた官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化は、例えば第1層10と第3電極13との間に官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化を引き起こす別の電位差を与えるまで不揮発性であり、sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化、及び、第1層10の電気伝導率の変化も不揮発性である。すなわち、これらは、例えば、逆反応に必要な電位を印加するまでは不揮発性である。
不揮発性記憶装置210における記憶部データ(メモリ状態)は、第1層10の第1電極11と第2電極12との間の電流(ソースドレイン間電流)により読み出される。例えば、官能基部22と炭素原子10aとの距離が短い(例えば吸着)状態では、第1層10に含まれるsp結合炭素の割合が高くなるので、ソースドレイン間の抵抗は大きくなる。一方、官能基部22と炭素原子10aとの間の距離が長い(例えば脱離)状態では、第1層10に含まれるsp結合炭素の割合が低くなるので、ソースドレイン間の抵抗は低くなる。さらに、sp結合状態では、隣接する炭素原子10aどうしで導電性の高いπ軌道を形成するため、ソースドレイン間の抵抗は小さくなる。
例えば、抵抗の高い状態(例えば官能基部22が炭素原子10aに吸着した状態)を「0」とし、抵抗の低い状態(例えば官能基部22が炭素原子10aから脱離した状態)を「1」とし、ソースドレイン間の電流を検出することで、不揮発性記憶装置210のメモリ状態を決定することができる。
不揮発性記憶装置210によれば、信頼性が高く、素子間ばらつきが少ない不揮発性記憶素子を提供できる。
なお、第1及び第2の実施形態に係るスイッチング素子110及び不揮発性記憶装置210においては、例えば、第3電極13に電圧を印加することで、電界もしくは電圧アシストにより、第2層20中の官能基部22と、第1層10に含まれる炭素原子10aと、の間で、例えば吸着反応または脱離反応をおこさせる。
この時の印加電圧は、官能基部22の種類や第2層20の層厚によって変化する。スイッチング素子110及び不揮発性記憶装置210の動作においては、第3電極13への印加電圧は、例えば、−10ボルトから+10ボルトの範囲の電圧が用いられる。第2層20の層厚が薄い場合や、第2層20として絶縁破壊耐性が低い材料を用いる場合は、第2電極13への印加電圧は、例えば−6ボルトから+6ボルトの範囲の電圧が用いられる。
官能基部22と炭素原子10aとの間の距離の変化は、例えば、吸着反応及び脱離反応である。そして、吸着反応及び脱離反応の一例は、酸化還元反応である。
酸化還元反応の場合、第3電極13に負の電圧を印加すると、官能基部22の側から第1層10中へ電子を引き抜く酸化反応がおこる。そして、第3電極13に正の電圧を印加すると、第1層10中から官能基部22の側へ電子を供給する還元反応がおこる。これらの酸化還元反応により、官能基部22と炭素原子10aとの間で吸着脱離反応がおきる。そして吸着状態と脱離状態との結合状態の差異に起因して、官能基部22と炭素原子10aとの距離が変化する。
例えば、第1層10として、sp結合炭素で構成されるカーボンナノチューブを用いた場合には、吸着反応によってsp結合炭素のうちの1ppmがsp結合炭素に転移すると、その第1層10の電気伝導率はおよそ半分に減少する。従って、電気伝導率を2倍以上変化させるためには、sp結合炭素の濃度が1ppm以上増減すれば良い。
スイッチング素子や不揮発性記憶装置としてさらに高い性能を発揮させるためにさらに大きな電気伝導率の変化を得る際には、例えば、sp結合炭素の濃度の変化は10%以上とされる。
第2層20に有機単分子膜を用いた場合において、第2層20の厚さは、有機単分子膜となる有機分子を適切に選択することによって、所望の厚さにすることができる。すなわち、有機単分子膜の厚さは、構成する有機分子の長さによって決定される。
有機分子が長いほうが有機分子どうしの分子間相互作用は大きくなるため単分子膜中の分子を緻密に集積させることができる。有機分子が短い場合、分子間相互作用が弱いため緻密に集積されず、素子間ばらつきの原因となる。第2層20に用いられる有機単分子膜の膜厚は、0.5nm(ナノメートル)以上であることが好ましく、より緻密に集積するのであれば1nm以上であることが望ましい。
第2層20に有機単分子膜を用いた場合は、有機単分子膜の基部21が第3電極13の側に配置され、官能基部22が第1層10の側に配置され、有機単分子膜は有機分子どうしの分子間相互作用により緻密に集積されるので、第1層10に対向する側の平面において官能基部22の密度を大きくすることができ、スイッチング素子110及び不揮発性記憶装置210の特性を向上させることができる。
第3電極13には、任意の導電材料を用いることができる。第3電極13には、例えば、金属材料、不純物をドーピングしたシリコン等の半導体材料、グラファイト等の導電性の高い炭素材料等を用いることができる。金属材料の例としては、Au、Pt、Al、Ta、Ti、W等の単体、または、その珪化物、窒化物、炭化物などが挙げられる。また、これらの金属材料を積層した構造を第3電極13に適用しても用いてもよい。
なお、第1層10に含まれる炭素原子10aにおいて、sp結合炭素とsp結合炭素との比率は、例えば、X線光電子分光分析(XPS)、紫外光電子分光分析(UPS)、赤外線分光分析、及び電子エネルギー損失分光法(EELS、TEM−EELS、STM−EELS)などにより分析することができる。
(第1の実施例)
以下、第1及び第2の本実施形態に係る第1の実施例のスイッチング素子及び不揮発性記憶装置について説明する。
図4は、本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図5は、本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子の一部の要素に用いられる材料を例示する模式図である。
図4に表したように、本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子111及び不揮発性記憶装置211は、第1層10と、第2層20と、第1電極11と、第2電極12と、第3電極13と、を備える。
本実施例では、第2電極12は、第1層10の第1電極11が設けられるのと同じ主面に設けられ、第3電極13は、第1層10の第1電極11及び第2電極12が設けられるのとは反対の主面の側に設けられている。
すなわち、シリコン基板からなる第3電極13の上に、開口部14hを有しシリコン酸化膜からなる絶縁膜14が設けられており、絶縁膜14の開口部14hの内部に第2層20が埋め込まれている。
絶縁膜14及び第2層20の上(第3電極13とは反対の側)に、グラフェンからなる第1層10が設けられ、第1層10の上(絶縁膜14とは反対の側)において、互いに離間した第1電極11と第2電極12とが設けられている。すなわち、第1電極11及び第2電極12の主面(絶縁膜14に対向する面)に対して垂直な方向からみたとき、第1電極11と第2電極12との間に、絶縁膜14の開口部14h、すなわち、第2層20が配置されている。
第2層20には、10−ウンデセン−1−オールに基づく有機単分子膜が用いられている。
図5に表したように、10−ウンデセン−1−オールは、一方の端にビニル基を有し、他方の端に水酸基を有する。この水酸基が、官能基部22となる。そして、10−ウンデセン−1−オールの水酸基を除いた部分が、基部21となる。
そして、図4に表したように、第2層20の10−ウンデセン−1−オールの水酸基(官能基部22)が第1層10に対向して配置され、基部21は第3電極13の側に配置されている。すなわち、官能基部22は、基部21に結合され、基部21と第1層10との間に設けられる。
この時、10−ウンデセン−1−オールの一方の端(すなわち、基部21の官能基部22とは反対の側の端)のビニル基の二重結合が第3電極13のシリコンと反応し、基部21のビニル基側の端は、第3電極13と結合され、固定される。
このような構成のスイッチング素子111及び不揮発性記憶装置211は、例えば、以下のようにして作製される。
図6は、本発明の第1の実施例に係るスイッチング素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の製造方法も同時に例示している。 図6(a)に表したように、第3電極13であるシリコン基板の上に、シリコン酸化膜からなる絶縁膜14形成する。
絶縁膜14の厚さは、後に形成する第2層20(有機単分子膜)の厚さと実質的に同等となる厚さとされる。すなわち、絶縁膜14の厚さは、例えば、0.5nm〜1nmの範囲の厚さで堆積される。
そして、図6(b)に表したように、絶縁膜14をパターニングし、絶縁膜14の一部を選択的に除去して開口部14hを形成し、第3電極13の表面を露出させる。この開口部14hから露出した第3電極13の表面は、水素終端化シリコンの表面である。
そして、図6(c)に表したように、開口部14hの第3電極13の水素終端化シリコンの表面の上に、選択的に有機単分子膜を形成する。すなわち、10−ウンデセン−1−オールを構成分子とする自己組織化単分子膜(SAM)を選択的に形成する。
具体的には、10−ウンデセン−1−オールを含む溶液中に、パターニングした絶縁膜14を有する第3電極13を浸漬する。この溶液には、メシチレンなどの有機溶媒に、10−ウンデセン−1−オールを溶解したものを用いることができる。そして、絶縁膜14を有する第3電極13を溶液から引き上げ、加熱、または、紫外光または可視光を照射する。これにより、有機分子中のビニル基と、第3電極13の水素終端化シリコンと、が反応し、Si−C結合によって有機分子がシリコン表面と連結される。この反応は、絶縁膜14であるシリコン酸化膜上ではおこらないため、水素終端化シリコン上にのみ有機単分子膜を選択的に形成することができる。また、水素終端化シリコンとビニル基が反応をおこすため、ビニル基と反対側に位置する水酸基が第3電極13とは反対の側に配置される構造で有機単分子膜が形成される。
その後、例えば超音波洗浄により、絶縁膜14の表面上や有機単分子膜表面上に物理吸着している有機分子を除去する。これにより、第2層20が作製できる。
そして図6(d)に表したように、絶縁膜14及び第2層20の上に、第1層10となるグラフェンを堆積する。このグラフェンは、単層または多層グラフェンである。
そして、第1層10の上に、例えばTiとAuをこの順に堆積した後、リフトオフ工程によって第1電極11及び第2電極12を形成し、図4に例示したスイッチング素子110及び不揮発性記憶装置211が作製できる。
このようにして作製されたスイッチング素子111及び不揮発性記憶装置211においては、シリコン基板からなる第3電極13がゲート電極に相当し、グラフェンからなる第1層10がチャネルに相当し、Al/Ti積層膜からなる第1電極11及び第2電極12が、それぞれソース電極及びドレイン電極に相当する。そして、ゲート電極に電圧を印加することによりグラフェンと有機単分子膜中の水酸基が吸着脱離反応をおこす。吸着脱離反応としては、例えば酸化還元反応が挙げられる。
この場合の反応式は、例えば以下の式1のようになる。

C−O−R + H + e ⇔ C + R−OH (式1)

ここで、Rは、10−ウンデセン−1−オールのうちの水酸基以外の部分を示す。また、Cはグラフェン中の炭素原子である。
この場合、酸化反応によりグラフェン中のsp結合炭素と水酸基が結合し、結合した炭素はsp結合に変化する。そして、その後の還元反応において水酸基が脱離しsp結合炭素に戻る。このような吸着脱離反応によりグラフェン中のsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可逆的に変化させることができ、上述の原理によりスイッチング素子や不揮発性記憶装置となる。
(第2の実施例)
図7は、本発明の第2の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図7に表したように、第2の実施例に係るスイッチング素子112及び不揮発性記憶装置212は、基板5の上に設けられたグラフェンからなる第1層10の上に、第1電極11及び第2電極12が設けられている。そして、第1電極11と第2電極12の間の第1層10の上に第2層20が設けられ、その上に第3電極13が設けられている。なお、第1層10には、単層または多層グラフェンを用いることができる。
第2層20には、有機混合単分子膜が用いられ、この有機混合単分子膜は、2種類の有機分子を構成分子とし、第1層10のグラフェンに吸着または脱離させるための官能基がそれぞれの分子で異なる。具体的には、有機混合単分子膜を構成する一方の分子は、その末端に水酸基を有し、他方の分子は、その末端にニトロ基を有する。この水酸基が官能基部22a及び官能基部22bのいずれか一方となり、ニトロ基が、官能基部22a及び官能基部22bのいずれか他方となる。
そして、これらの官能基部22a及び官能基部22bは、基部21a及び基部21bにそれぞれ結合されつつ、第1層10に対向している。
官能基部としてニトロ基を用いた場合も、第1層10と第3電極13との間に印加されるゲート電圧によって、官能基部と第1層10の炭素原子10aとの距離が制御でき、官能基部が炭素原子10aに吸着または脱離し、これによって、第1層10の電気伝導度を制御できる。
このような構成のスイッチング素子112及び不揮発性記憶装置212は、例えば、以下のようにして作製される。
図8は、本発明の第2の実施例に係るスイッチング素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の製造方法も同時に例示している。 図8(a)に表したように、炭化珪素からなる基板5の上に、第1層10となるグラフェンをエピタキシャル成長させ、後にソース電極が配置されるソース部分11pと、後にドレイン電極が配置されるドレイン部分12pと、後にチャネルとなるチャネル部分13pと、を有する構造にパターニングする。
そして、図8(b)に表したように、開口部15hを有するレジスト15を形成する。
そして、図8(c)に表したように、レジスト15及び開口部15hから露出した第1層10の上に、例えばLB法によって、第2層20となる有機混合単分子膜を形成する。この後、レジスト15を除去して、レジスト15の上の有機混合単分子膜と供に、レジスト15を除去する。
そして、図8(d)に表したように、第2層20以外の部分に所定の開口部16hを有するレジスト16を形成する。そして、開口部16hから露出した第1層10の上、及び第2層20の上に、導電膜を形成する。この導電膜には、金属やポリシリコンを用いることができる。開口部16hの部分に埋め込まれた導電膜が、第1電極11及び第2電極12となり、第2層20の上に形成された導電膜が第3電極13となる。
このようにして、図7に例示したスイッチング素子112及び不揮発性記憶装置212が形成できる。
スイッチング素子112及び不揮発性記憶装置212においては、第3電極13がゲート電極に相当し、グラフェンからなる第1層10がチャネルに相当し、第1電極11及び第2電極12が、それぞれソース電極及びドレイン電極に相当する。
スイッチング素子112及び不揮発性記憶装置212において、ゲート電極にゲート電圧を印加することで、有機混合単分子膜中の官能基部22a及び官能基部22bとグラフェンの炭素原子10aとが吸着または脱離し、第1層10であるグラフェンの電気伝導率が変化する。
図9は、本発明の第2の実施例に係るスイッチング素子の特性を例示する模式的グラフ図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の特性も同時に例示している。同図において、横軸は第3電極13(ゲート電極)に印加するゲート電圧Vgであり、縦軸は第1層10であるグラフェンの電気伝導率σである。
図9に表したように、ゲート電圧Vgの上昇に伴い、電気伝導率σは2段階で上昇している。本実施例では、第2層20である有機混合単分子膜は、2種類の官能基部、すなわち、官能基部22aと官能基部22bとを有する。そして、官能基部22a及び官能基部22bが吸着脱離反応をおこす時のゲート電圧Vgが、互いに異なる。これに対応して、ゲート電圧Vgの変化に伴い電気伝導率σが2段階で変化する。
すなわち、例えば、ゲート電圧Vgが低い時に、有機混合単分子膜中の両方の官能基(官能基部22a及び官能基部22b)が第1層10のグラフェンの炭素原子10aに吸着しており、sp結合炭素の比率が高い。このため、グラフェンの電気伝導率σが低く、高抵抗状態HRSである。
ゲート電圧Vgを上昇させた時、第1ゲート電圧Vg1で有機混合単分子膜中の一方の例えば官能基部22aがグラフェンから脱離し、その官能基部22aと結合していた炭素は、sp結合からsp結合となる。その結果、グラフェンの電気伝導率σは上昇し、高抵抗状態HRSから第1低抵抗状態LRS1へ転移する。
そして、さらにゲート電圧Vgを上昇させ、第2ゲート電圧Vg2に達すると、有機混合単分子膜中の他方の官能基部22bがグラフェンから脱離し始める。そうすると、グラフェンの電気伝導率σはさらに上昇し、グラフェンは、第1低抵抗状態LRS1からさらに低い抵抗の第2低抵抗状態LRS2へ転移する。
すなわち、有機混合単分子膜中に含まれる構成分子の種類を複数にすることで、グラフェンの電気伝導率を段階的に変化させることができ、いわゆる多値動作が可能となる。本実施例では、有機混合単分子膜に含まれる構成分子が2種類であるが、3種類以上であっても良い。第2層20の構成分子が2種類以上であれば、上述の方法により段階的に電気伝導率を変化させることで多値動作を実現できる。
このように、第2層20には、各種の構成の有機単分子膜を用いることができる。なお、有機単分子膜に含まれる分子の全てが反応活性な官能基部22を有する必要はなく、例えば反応活性な官能基部22を有する分子と、不活性な分子とを混合した有機混合単分子膜を用いても良い。
(第3の実施例)
図10は、本発明の第3の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図10に表したように、本実施例に係るスイッチング素子113及び不揮発性記憶装置213は、第2層20と第3電極13との間に設けられた絶縁層13iをさらに有する。これ以外は、図1に例示したスイッチング素子110及び不揮発性記憶装置210と同様とすることができるので説明を省略する。
絶縁層13iには、高分子などの有機材料を用いても良く、また、酸化シリコン等の金属酸化物の他、金属窒化物、金属酸窒化物などを用いることができる。
このように、第2層20と第3電極13との間に絶縁層13iが設けられる場合も、第2層20の官能基部22は、基部21に結合されつつ、第1層10に対向している。
絶縁層13iを用いることで、第1層10と第3電極13との間の絶縁性を向上でき、特性が安定化し、信頼性をより向上させ、また、電力を低減できる利点がある。
なお、第2層20と第3電極13との間に設けられる絶縁層13iは、第1及び第2実施例のスイッチング素子111及び112並びに不揮発性記憶装置211及び212の構成にも適用できる。
(第4の実施例)
図11は、本発明の第4の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図11に表したように、本実施例に係るスイッチング素子114及び不揮発性記憶装置214においては、基板5の上に第1電極11が設けられ、第1電極11の上に、基板5の主面5aに対して垂直方向に延在する第1層10が設けられ、第1層10の上側(第1電極11とは反対の側)に第2電極12が設けられ、第1電極11と第2電極12との間の第1層10の周囲を取り囲むように、第2層20が設けられ、その第2層20を取り囲むように第3電極13が設けられている。なお、第1電極11と、第2層20及び第3電極13との間には、絶縁膜11iが設けられ、第2電極12と、第2層20及び第3電極13との間には、絶縁膜12iが設けられている。
そして、この場合も、第2層20は、第1層10と第3電極13との間に設けられ、基部21と官能基部22とを有する。官能基部22は、基部21と第1層10との間に設けられ、基部21と結合され、第1層10中の炭素原子との間の距離の変化によって第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする。
スイッチング素子114及び不揮発性記憶装置214は、チャネルとなる第1層10が基板5の主面5aに対して垂直方向に延在する、いわゆる縦型構造を有する。そして、チャネルとなる第1層10を取り囲むように、ゲート電極となる第3電極13が設けられており、いわゆるゲートオールアラウンド構造(Gate-All-Around:GAA構造を有している。
第1層10にカーボンナノチューブを使用する場合は、このような縦型構造で、特にゲートオールアラウンド構造を採用することで、ゲート電極である第3電極13がカーボンナノチューブの側面を取り囲むことができ、チャネルの電気伝導率σを効率的に制御することができる。
なお、縦型構造のスイッチング素子114及び不揮発性記憶装置214においても、第2層20と第3電極との間に、絶縁層13iを設けても良い。
また、図1、図4、図7及び図10に例示したプレーナー型のスイッチング素子110、111、112及び113、並びに不揮発性記憶装置210、211、212及び213において、第1層10の上側及び下側の両面に、それぞれ第2層20及び第3電極13を設けた、いわゆるダブルゲート構造を採用することもできる。
また、縦型のスイッチング素子及び不揮発性記憶装置においても、第1層10を取り囲むように第2層20及び第3電極13を設けたゲートオールアラウンド構造の他に、第1層10の2つの側面にそれぞれ第2層20及び第3電極13を設けた、ダブルゲート構造を採用することもできる。
さらに、第1電極11と第2電極12とそれらの間に設けられた第1層10が、実質的に同一平面内に配置され、第1層10の側面に第3電極13を設けた、いわゆるフィン構造を採用しても良く、この場合にも第1層10の両方の側面にそれぞれ第2層20及び第3電極13を設けた、ダブルゲート構造を採用することもできる。
(第5の実施例)
図12は、本発明の第5の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図12に表したように、本実施例に係るスイッチング素子115及び不揮発性記憶装置215においては、第2層10が、有機分子からなる多層構造を有している。これ以外は、図1に例示したスイッチング素子110及び不揮発性記憶装置210と同様とすることができるので説明を省略する。
本実施例の第2層10においては、第1層10の側の下側層20aと、第3電極13の側の上側層20bと、が積層されている。そして、下側層20aにおいては、基部21に結合された官能基部22が、第1層10に対向して配置されている。一方、上側層20bにおいては、基部21に結合された官能基部22が、第3電極13に対向して配置されている。そして、下側層20aの基部21と、上側層20bの基部21とは互いに対向して配置されている。
このように、第2層20が、有機分子からなる多層構造を有している場合においても、第2層20の下側層20aにおいて、基部21に結合された官能基部22は、基部21と第1層10との間に設けられ、第1層10中の炭素原子との間の距離の変化によって、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする。
このように、本発明の実施形態に係るスイッチング素子及び不揮発性記憶装置においては、第2層20は、基部21と、基部21と第1層10との間に設けられ基部21に結合され第1層10中の炭素原子10aとの間の距離の変化によって第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする官能基部22と、を有していれば、第2層20の構成は任意である。
(第6の実施例)
図13は、本発明の第6の実施例に係るスイッチング素子の構成を例示する模式的断面図である。
なお、同図は、本実施例に係る不揮発性記憶装置の構成も同時に例示している。
図13に表したように、本実施例に係るスイッチング素子116及び不揮発性記憶装置216においては、第2層20として、有機高分子が用いられ、有機高分子の主鎖が基部21となり、主鎖に官能基部22が結合されている。
例えば有機高分子とし、ベンゼン環(六員環)を主鎖に有する高分子を用いた場合、有機高分子のベンゼン環と、第1層10における六員環と、の間の相互作用によって、有機高分子のベンゼン環が第1層10の六員環ネットワーク構造に沿って配列される。この時、主鎖に結合された官能基部22は、一定の割合で、第1層10に対向する。すなわち、この場合も、基部21(主鎖)に結合された官能基部22は、基部21と第1層10との間に設けられ、第1層10中の炭素原子10aとの間の距離の変化によって、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする。官能基部22は、基部21である主鎖に結合されているので、一定の密度で第1層10の炭素原子10aに対向できる。
このように、第2層20として高分子を用いた場合にも、信頼性が高く、素子間ばらつきが少ないスイッチング素子及び不揮発性記憶素子が提供できる。
第2層20として、有機高分子を用いた場合、ベンゼン環の他、任意の複素環などを主鎖に採用でき、また、環構造でない任意の構造を主鎖に用い、主鎖どうしの相互作用によってラメラ構造を形成するようにし、ラメラ構造の配列を第1層10の面に対して配列させることにより、基部21となる主鎖に結合された官能基部22を一定の密度で第1層10に対向させることもできる。
なお、上記の実施形態及び実施例では、第1層10と第3電極13との間の印加電圧(ゲート電圧)の印加により、第1層10に含まれる炭素原子10aと、第2層20の官能基部22と、の間の距離を変化させ、例えば官能基部22の吸着脱離反応の両方を制御する場合について記述したが、本発明はこれには限らない。例えば、官能基部22の吸着は第3電極13への電圧の印加により実施し、脱離は第1電極11と第2電極12との間への電圧の印加により、第1層10に大きな電流を流すいわゆる電流クリーニング法によって実施しても良い。この場合には、第1層10に通電される電流に伴って発生するジュール熱によって、吸着した官能基部22が第1層10の炭素原子10aから脱離する。
すなわち、本発明の実施形態に係るスイッチング素子及び不揮発性記憶装置においては、第1層10におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率は、第1層10と第3電極13との間に印加される電圧、及び、第1電極11と第2電極12との間に通電される電流、の少なくともいずれかによって可変とされる。
さらに、上記の実施形態及び実施例で説明したスイッチング素子及び不揮発性記憶装置を多数積層するような積層構造の素子としても良い。また、本発明の実施形態に係るスイッチング素子及び不揮発性記憶装置を多数設け、例えば、NAND型、NOR型、AND型、DINOR型及びクロスポイント型等の各種の方式でこれらを接続しても良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、スイッチング素子及び不揮発性記憶装置を構成する電極、層、絶縁層、絶縁膜などの各要素の構成、形状、サイズ、材質、配置関係などに関して、また製造方法に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述したスイッチング素子及び不揮発性記憶装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのスイッチング素子及び不揮発性記憶装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
5 基板
5a 主面
10 第1層
10a 炭素原子
11 第1電極
11i 絶縁膜
11p ソース部分
12 第2電極
12i 絶縁膜
12p ドレイン部分
13 第3電極
13i 絶縁層
13p チャネル部分
14 絶縁膜
14h 開口部
15 レジスト
15h 開口部
16 レジスト
16h 開口部
20 第2層
20a 下側層
20b 上側層
21、21a、21b 基部
22、22a、22b 官能基部
29 シリコン酸化膜
29a 水分子
110、111、112、113、114、115、116、119 スイッチング素子
210、211、212、213、214、215、216 不揮発性記憶装置

Claims (10)

  1. 六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる第1層と、
    前記第1層の第1の部分と電気的に接続された第1電極と、
    前記第1層の第2の部分と電気的に接続され、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、
    前記第1層の前記第1の部分と前記第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられた部分を有する第3電極と、
    前記第1層と前記第3電極との間に設けられた第2層であって、基部と、前記基部と前記第1層との間に設けられ前記基部と結合され前記第1層中の炭素原子との間の距離の変化によって前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする官能基部と、を有する第2層と、
    を備えたことを特徴とするスイッチング素子。
  2. 前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率は、前記第1層と前記第3電極との間に印加される電圧によって、可変とされたことを特徴とする請求項1記載のスイッチング素子。
  3. 前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率は、前記第1電極と前記第2電極とを介して前記第1層に通電される電流によって、可変とされたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング素子。
  4. 前記sp結合炭素とsp結合炭素との比率は、前記第1層と前記第3電極との間に印加される電圧によって生じる、前記第1層中の炭素原子に対する前記官能基部の吸着反応及び脱離反応の少なくともいずれかによって、可変とされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のスイッチング素子。
  5. 前記第1層は、グラファイト及びカーボンナノチューブの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のスイッチング素子。
  6. 前記第2層は、有機単分子層であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のスイッチング素子。
  7. 前記第1層の電気伝導率は、前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との前記比率の変化によって変化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載スイッチング素子。
  8. 前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との前記比率の変化は、可逆的であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のスイッチング素子。
  9. 前記第2層と前記第3電極との間に設けられた絶縁層をさらに有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のスイッチング素子。
  10. 六員環ネットワーク構造を有する炭素材料からなる第1層と、
    前記第1層の第1の部分と電気的に接続された第1電極と、
    前記第1層の第2の部分と電気的に接続され、前記第1電極と離間して設けられた第2電極と、
    前記第1層の前記第1の部分と前記第2の部分との間の第3の部分に対向して設けられた部分を有する第3電極と、
    前記第1層と前記第3電極との間に設けられた第2層であって、基部と、前記基部と前記第1層との間に設けられ前記基部と結合され前記第1層中の炭素原子との間の距離の変化によって前記第1層におけるsp結合炭素とsp結合炭素との比率を可変とする官能基部と、を有する第2層と、
    を備え、
    前記sp結合炭素とsp結合炭素との比率の変化に伴う前記第1層における電気伝導率の変化を記憶データとして保持可能とする不揮発性記憶装置。
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