JP2010198866A - 電磁リレーおよびそれを用いる制御装置 - Google Patents

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僚平 城戸崎
Katsuya Konama
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Abstract

【課題】電磁リレーのカードの抜け止め対策を行う。
【解決手段】電磁石ブロック5によって駆動される接極子6によってスライド変位させられるカード8に可動接点端子22,32が係止することで該端子22,32が湾曲変形させられて固定接点端子21,31と接触または離反することで接点状態を切換えるようにした電磁リレー1において、カード8がボディ4の両側壁42,43によって前記スライド方向82にその変位が規制されており、かつ一端側に前記接極子の舌片65が係合し、他端側に前記可動接点端子22,32が係止する場合、前記カード8には、その一端側に前記両側壁42,43に向けて延びる突起80aを形成し、前記両側壁42,43には、前記スライド方向82に延び、前記突起80aが嵌り込む案内溝42a,43aを形成する。したがって、少ない接点構成にしても、抜け止めを確実に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁リレーおよびそれを用いる制御装置に関し、特に前記電磁リレーは、接極子の動きをカードを介して可動接点へ伝えるようにしたものに関する。
前記のような電磁リレーには、たとえば本件出願人による特許文献1、特許文献2および特許文献3などがある。図10に、その特許文献3のリレーの分解斜視図を示す。このリレー100は、4a2bの6つの接点を有する。a接点を参照符号101〜104で示し、b接点を参照符号105,106で示す。これらの接点101〜106の内、可動接点101a〜106aがカード107によって共通に駆動される。なお、カード107には、前記可動接点101a〜106aの先端が嵌り込む係止孔101b〜106bがそれぞれ形成されているが、最外方の接点101,102についてはa接点に固定で、残余の接点103〜106については、a,bの接点を任意に選択可能なように、ダミーの係止孔も形成されている。
そして、カード107は、電磁石108の非励磁時には、復帰ばね109によって矢符110とは反対方向に変位されており、b接点105,106がONし、a接点101〜104がOFFしている。これに対して、電磁石108が励磁されると、カード107は接極子111によって矢符110方向に変位され、b接点105,106がOFFし、a接点101〜104がONする。前記特許文献1および2は、4接点で、この図10の構成に類似している。
しかしながら、このような多くの接点が要らない場合もあり、たとえば特許文献4で示すように、2接点の例も提案されている。
国際公開第06−006557号パンフレット 特開2000−285782号公報 特開2006−196381号公報 特開平11−339624号公報
図11には、その特許文献4のリレー120の縦断面図を、図12には水平方向の断面図を、図13には図11および図12において切断面線XIII−XIIIで示す縦断面図を示す。カード121の一部を切り欠いて示す図12からは、このリレー120は、1a1bの接点を有するものと思われる(a接点を参照符号123、b接点を参照符号124で示す)。このリレーでは、前記カード121は、電磁石125によって揺動変位させられる接極子126によって、矢符127およびその反対方向にスライド変位される。ここで、カード101は、一端側が接点103,104の可動接点103a,104aによって係止されているだけで、他端側の接極子106との係合部分は簡単な引っ掛け構造となっている。すなわち、図10のリレー100で示すように、可動接点101a〜106aの先端には係止爪101c〜106cが形成されており、この係止爪101c〜106cが前記係止孔101b〜106bの周縁部に係止している。
したがって、図10のような6極や、4極では、それらの係止爪101c〜106cで係止されるカード107は面で保持されて抜け止めが行われるのに対して、図11〜図13のリレー120のように、少ない接点構成にした場合、可動接点123a,124aが略直線上に並び、カード121をその略直線上、すなわち長方形の短手方向でしか保持できず、衝撃や動作時の振動で、図11において参照符号128で示すように、接極子126側では、カード121の係合が外れる可能性がある。
本発明の目的は、少ない接点構成にしても、カードの抜け止めを行うことができ、信頼性を向上することができる電磁リレーおよびそれを用いる制御装置を提供することである。
本発明の電磁リレーは、電磁石によって接極子が揺動変位され、その揺動変位を前記接極子が一端側に係合するカードによって該カードのスライド変位に変換し、そのカードの他端側に係止している可動接点が固定接点と接触または離反することで接点状態を切換えるようにした電磁リレーにおいて、前記カードは、該電磁リレーの本体の両側壁によって前記スライド方向にその変位が規制され、かつ一端側に、前記両側壁に向けて延びる突起を有し、前記両側壁には、前記スライド方向に延び、前記突起が嵌り込む案内溝を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、電磁石によって駆動される接極子によってスライド変位させられるカードに可動接点が係止することで該可動接点が湾曲変形させられて固定接点と接触または離反することで接点状態を切換えるようにした電磁リレーにおいて、前記カードが該電磁リレーの本体の両側壁によって前記スライド方向にその変位が規制されており、かつ一端側に前記接極子が係合し、他端側に前記可動接点が係止する場合、前記カードには、その一端側に前記両側壁に向けて延びる突起を形成し、前記両側壁には、前記スライド方向に延び、前記突起が嵌り込む案内溝を形成する。
したがって、カードの他端は可動接点で係止され、一端は前記突起および案内溝で係止され、少ない接点構成にしても、カードの抜け止めを確実に行うことができ、信頼性を向上することができる。
また、本発明の電磁リレーでは、前記案内溝は、前記カードのスライド範囲の一方側で、該スライド範囲を超えて延設されており、その延設端は、前記側壁の端部に開口し、前記突起の導入を可能にする導入溝に連通していることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記案内溝を、スライド範囲の一方側で、カードの通常使用でのスライド範囲を超えて延設しておき、その延設端からは、前記側壁の端部に向けて開口する導入溝を形成し、そこから前記突起の導入を可能にする。
したがって、簡単な構造で、カードの側壁への嵌め込み時に、側壁に無理な変形を伴うことなく、前記突起の削れを防止することができるとともに、本体やカードの破損を防止することもできる。
さらにまた、本発明の電磁リレーでは、前記導入溝が形成されるカードのスライド範囲の一方側は、前記電磁石の励磁時におけるカードの変位位置であることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記導入溝は、カードのスライド範囲のいずれの側からも形成可能であるが、電磁石の励磁時におけるカードの変位位置側からとすることで、非励磁時には、突起は案内溝の閉塞端に嵌り込んだままとなる。
したがって、耐衝撃性を一層高めることができる。
また、本発明の電磁リレーでは、前記突起は、2つの外径を有する部分が軸方向に連結されたピンから成り、先端側の小径部が前記案内溝に嵌り込み、基端側の大径部は前記側壁とカードの側面との間に介在され、その小径部との段差面が前記案内溝の周縁部上を摺動することを特徴とする。
上記の構成によれば、カードと、その側面を案内する本体の両側壁との隙間に、突起の大径部が介在されることになり、カードのガタツキ(遊び)を小さくすることができる。
したがって、カードの安定したスライド動作を実現することができる。
さらにまた、本発明の電磁リレーでは、前記可動接点および固定接点の組が前記カードのスライド方向に延びる該カードの中心線の両側に1組ずつ配設され、一方の側が常開(a)接点であり、他方の側が常閉(b)であることを特徴とする。
上記の構成によれば、いわゆる安全リレーなどとして実現され、相互に逆の接点状態となる常開および常閉、すなわちa,bの接点がカードの中心線の両側に1組ずつ配設される電磁リレーの場合、カードの中心線の一方の側と他方の側との間で接点状態が異なり、カードには両側の可動接点の弾発力が加わるとともに、さらに閉状態の接点側では、可動接点を介して、固定接点による弾発力も加わることになり、それらの弾発力の差によって、カードにヨー方向の回転が発生し、可動接点のオーバートラベル(押込み)量がロスし、安定した接点動作を行えなくなる。
したがって、前述のような2段構成の突起によってカードのガタツキを抑えていることで、このようなカードの回転も抑えることができる。しかも、1a1bの最少限の接点構成の場合、カードが短くなり、特に回転し易くなるので、好適である。
また、本発明の制御装置は、前記の電磁リレーを用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、衝撃等に対する信頼性の高い制御装置を実現することができる。
本発明の電磁リレーは、以上のように、電磁石によって駆動される接極子によってスライド変位させられるカードに可動接点が係止することで該可動接点が湾曲変形させられて固定接点と接触または離反することで接点状態を切換えるようにした電磁リレーにおいて、前記カードが該電磁リレーの本体の両側壁によって前記スライド方向にその変位が規制されており、かつ一端側に前記接極子が係合し、他端側に前記可動接点が係止する場合、前記カードには、その一端側に前記両側壁に向けて延びる突起を形成し、前記両側壁には、前記スライド方向に延び、前記突起が嵌り込む案内溝を形成する。
それゆえ、カードの他端は可動接点で係止され、一端は前記突起および案内溝で係止され、少ない接点構成にしても、カードの抜け止めを確実に行うことができ、信頼性を向上することができる。
また、本発明の制御装置は、以上のように、前記の電磁リレーを用いる。
それゆえ、該制御装置を軽量化することができ、特に前記電磁リレーを多数必要とする安全リレーとして用いる場合に好適である。
本発明の実施の一形態に係る電磁リレーの分解斜視図である。 図1の組立て状態を示す斜視図である。 図2の平面図である。 前記電磁リレーの動作を説明するための縦断面図である。 本発明の実施の一形態に係るボディの側面図である。 本発明の実施の一形態に係るカードの平面図および側面図である。 図4の側面図である。 本発明の実施の他の形態に係るボディの側面図である。 本発明の実施の他の形態に係るカードの平面図および側面図である。 典型的な従来技術のリレーの縦断面図である。 他の従来技術のリレーの縦断面図である。 図11の水平方向断面図である。 図11および図12の切断面線XIII−XIIIから見た縦断面図である。
以下、本発明を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下方向は、図1を基準として述べる。図1は本発明の実施の一形態に係る電磁リレー1の分解斜視図であり、図2はその組立て状態を示す斜視図であり、図3は図2の平面図である。この電磁リレー1は、a(常開:NO)接点2と、b(常閉:NC)接点3とを1つずつ備えた安全リレーとしては最少限の接点構成のリレーである。以下、便宜上、前記接点2,3の配列方向を左右方向とする。この電磁リレー1は、大略的に、ボディ4と、電磁石ブロック5と、接極子ブロック6と、復帰ばね7と、カード8と、カバー9と、前記接点2,3とを備えて構成される。
前記ボディ4は、絶縁性および難燃性を有するPBT等の成形品などから成り、一端に電磁石ブロック5を搭載する長手状のベース41と、前記ベース41の略中央部に立設される一対の側壁42,43と、前記側壁42,43の電磁石ブロック5側を連結して補強する連結部材44と、前記側壁42,43の接点2,3側を連結する絶縁隔壁45と、前記絶縁隔壁45の中央部から延設され、前記接点2,3を区画する絶縁隔壁46と、前記ベース41の他端側で前記接点2,3を保持する端子台47とを備えて構成される。そして、前記側壁42,43および絶縁隔壁45で区画された領域内に、前記接極子ブロック6および復帰ばね7が収容され、端子台47に各接点2,3の端子21,22;31,32が植設され、絶縁隔壁45上をカード8がスライド変位する。
図4は、この電磁リレー1の縦断面図である。なお、前記カバー9は省略している。この図4によれば、前記電磁石ブロック5および接極子ブロック6の構造が明らかである。それによれば、該電磁石ブロック5は、コイル51と、そのコイル51を巻回したスプール52と、スプール52の中心孔に挿入されるとともに、略L字形のヨーク54,55を有する鉄心53と、前記スプール52の下方側のフランジ部52aに立設される一対のコイル端子56とを備えて構成される。前記各コイル端子56の上部側には、前記コイル51の各端部が接続され、下部側は前記ベース41に圧入されて端子として外部へ突出している。
前記接極子ブロック6は、全体を軟鉄などで形成するのではなく、軽量化のために、樹脂成形品のサブカード61と、軟鉄などから成る可動板62と、直方体形状の永久磁石63とを備えて構成される。可動板62は、矩形平板状に形成され、サブカード61に接着される。永久磁石63は、可動板62の表面に固定される。図1および図2で示すように、サブカード61の左右両側面には一対のピン64が立設され、このピン64がベース41の側壁42,43に形成された孔48にそれぞれ嵌まり込むことで、該接極子ブロック6は、矢符69およびその逆方向に揺動変位自在に保持される。この接極子ブロック6がベース41に装着されると、可動板62の上端部が電磁石ブロック5の上側のヨーク54と対向し、下端部が電磁石ブロック5の下側のヨーク55と対向する。前記サブカード61の上端部からは、舌片65が延設されており、この舌片65がカード8に形成された係合孔81に係合することで、前記カード8の矢符82およびその逆方向への変位駆動が可能になる。
復帰ばね7は、弾性を有する薄肉の金属板の打ち抜きおよび曲折によって図1で示すように略Y字形に形成されて成り、折畳み(重ね合わせ)によって剛性が高められた下端部71が、図4で示すように接極子ブロック6と絶縁隔壁45との間でベース41に圧入され、二股の上端部73,74の先端部75,76が、カード8の復帰ばね孔83,84に挿入されることで、カード8は前記矢符82とは反対方向に、しかも矢符85およびその反対方向で示すヨー方向の回転が発生しないように、弾発的に付勢される。
前記接点2,3は、対を成す固定接点端子21,31と、可動接点端子22,32とを備えて構成される。これらの端子21,22;31,32は、弾性を有する薄肉の金属板を打ち抜き、大略的に側面視でクランク状に曲折されて成り、その曲折部分21a,22a;31a,32aの内、可動接点端子22,32側は、剛性を高めるために、前記金属板を折り重ねて2重に形成されている。
そして、前記ベース41の他端側において、両側部に形成された取付け溝49に前記曲折部分21a,22a;31a,32aが圧入され、さらに接着剤で固定されることで、該端子21,22;31,32の前記矢符85およびその反対のヨー方向での回転が抑えられ、相互に平行に対向するように植設される。これらの端子21,22;31,32の下端部21b,22b;31b,32bは前記ベース41から突出することでリレー端子となり、弾発性を有する上腕部21c,22c;31c,32cの先端付近には、接点部材21d,22d;31d,32dがかしめ固定されている。
前記固定接点端子21,31には、剛性を持たせるために、前記上腕部21c,22cにおいて、接点部材21d,31dの下方部分にはリブ21e,31eが形成されており、可動接点端子22,32の押圧による撓みを、ベース41側の基端部分で発生させることで、これらの接点部材21d,22d;31d,32dが略平行に接触するように構成されている。一方、前記可動接点端子22,32の上腕部22c,32cにおいて、ベース41側の部分には、スリット22e,32eが形成され、撓み易くなっている。このスリット22e,32eは、特に設けられなくてもよい。そして、前記絶縁隔壁46で区画された接点2,3の収納空間において、接触している接点部材21d,22d;31d,32dの開放(離反)を補助するとともに、溶着時に接点ギャップを0.5mm以上確保できるように、また復帰ばね7が折れた際の短絡防止のために、端子21,22;31,32間には、切離し用の絶縁隔壁40がベース41から立設されている。
そして、前記コイル51の非通電時には、前記カード8は、復帰ばね7の弾発力によって、電磁石ブロック5側、すなわち矢符82とは反対方向に変位されており、通電によって矢符82方向に変位し、そのスライド方向と直交する一線上に、固定接点端子21と可動接点端子32とが、また可動接点端子22と固定接点端子31とが、それぞれ配設される。加えて、b(常閉:NC)接点3側では、固定接点端子31が内方に、可動接点端子32が外方に配置され、反対にa(常開:NO)接点2側では、可動接点端子22が内方に、固定接点端子21が外方に配置され、前記可動接点端子22,32の上腕部22c,32cの先端部は、前記カード8の係止孔86,87に係止する舌片22f,32fとなっている。前記板ばね状の前記可動接点端子22,32において、前記舌片22f,32fは、その先端が折り曲げられて、係止爪22g,32gとなっており(図3参照)、これに対応して前記係止孔86,87には、その板状の舌片22f,32fを挟持するとともに、前記係止爪22g,32gを係止する突起86a,86b,86c;87a,87b,87cが形成されている。
前記カード8は、大略的に、U字状に形成される樹脂成型品から成り、上述のサブカード61への係合孔81および左右一対の復帰ばね孔83,84がそのU字の連結部80に、左右一対の前記係止孔86,87がU字の腕部88,89側に形成される。このカード8は、上述のように、サブカード61の舌片65、復帰ばね7の先端部75,76および可動接点端子22,32の舌片22f,32fによって搭載支持される。そして、前記腕部88,89の基端側の裏面に接触しないように前記絶縁隔壁45の上端面45aの高さが、該腕部88,89の内側対向面88c,89cから形成された垂下片88a,89aの下端面88b、89bに接触しないように前記絶縁隔壁46の上端側に形成された段差面46aの高さが、それぞれ設定されている。
また、前記スライド変位の案内としては、以下の3点が行われている。先ず、前記垂下片88a,89a間に前記絶縁隔壁46の上端部46bを挟み込むとともに、前記腕部88,89の内側対向面88c,89c間に前記カバー9の天板91から垂下して形成されたガイド91aが挟み込まれる。次に、前記ガイド91aの下端面91bが、前記腕部88,89の内側対向面88c,89cに垂下片88a,89aを形成することで生じた段部88d,89dに嵌り込む。また、前記連結部80の両側部は、前記側壁42,43の内壁面で案内される。
前記カバー9は、前記接点部材21d,22d;31d,32dの開閉状態を確認可能なように、透明なポリカーボネートなどの樹脂成形品から成り、底面を開放した箱状に形成され、図2で示すようなボディ4上に各部品が組上がった状態で上方から被せられ、下端の内周面がベース41と接着される。
上述のように構成される電磁リレー1において、コイル51の非通電状態では、図2、図3および図4(a)で示すように、カード8を介する復帰ばね7の弾発力によって、接極子ブロック6は矢符69方向にバイアスされ、これによってカード8は、矢符82方向とは反対方向、すなわち電磁石ブロック5側にスライド変位しており、該カード8によって引っ掛けられている可動接点端子22,32も前記矢符82方向とは反対方向、すなわち電磁石ブロック5側に湾曲変形させられる。これによって、b(NC)接点3側が導通し、a(NO)接点2側が遮断している。
これに対して、コイル51の通電状態では、図4(b)で示すように、カード8を介する復帰ばね7の弾発力に抗して、接極子ブロック6は矢符69方向とは反対方向に揺動し、カード8は矢符82方向、すなわち電磁石ブロック5とは反対側にスライド変位しており、該カード8によって引っ掛けられている可動接点端子22,32も前記矢符82方向、すなわち電磁石ブロック5とは反対側に湾曲変形させられる。これによって、b(NC)接点3側が遮断し、a(NO)接点2側が導通する。
注目すべきは、本実施の形態の電磁リレー1は、上述のように、カード8には、その一端側に接極子6の舌片65が係合し、他端側には可動接点端子22,32が係止されており、本体であるボディ4の両側壁42,43によって前記矢符82およびその反対方向のスライド方向にその変位が規制される構成において、前記カード8は、その一端側に、前記両側壁42,43に向けて延びる突起80aを有し、これに対応して前記両側壁42,43には、前記スライド方向に延び、前記突起80aが嵌り込む案内溝42a,43が形成されることである。
図5は、前記ボディ4の側面図であり、図6(a)は前記カード8の平面図であり、図6(b)は前記カード8の側面図である。前記突起80aは、円柱状の軸部80a1の先端に、案内用の半球80a2が固着された形状を呈している。そして、両側壁42,43を拡開気味にして、前記矢符82とは反対方向に変位している舌片65が係合孔81に一致するように、かつ復帰ばね7の先端部75,76が復帰ばね孔83,84に一致するように、カード8の前記スライド方向の位置合せを行うとともに、復帰ばね7の変形を行い、カード8を押し込むことで、突起80aを案内溝42a,43に嵌め込むとともに、前記接極子6および復帰ばね7をカード8に係合させることができ、その後、可動接点端子22,32の舌片22f,32fを係止孔86,87に一致させ、押し込むことで、可動接点端子22,32をカード8に係止させ、カード8の取付けを終了する。
こうして取付けられたカード8の動作は、図7で示すとおりである。図7は、前記カード8の変位を示す側面図であり、図7(a)は図4(a)と同様に非通電状態を示し、図7(b)は図4(b)と同様に通電状態を示す。
このように構成することで、カード8の他端は可動接点端子22,32で係止され、一端は前記突起80aおよび案内溝42a,43aで係止され、少ない接点構成にしても、カード8の抜け止めを確実に行うことができ、信頼性を向上することができる。
このような電磁リレー1を工作機械やラインなどを制御する制御装置に用いることで、衝撃等に対する信頼性の高い制御装置を実現することができる。
(実施の形態2)
図8(a)および図8(b)は、本発明の実施の他の形態に係る電磁リレーにおけるボディ4’,4''の側面図である。これらのボディ4’,4''は、前述のボディ4に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、これらのボディ4’,4''では、前記側壁42’,43’;42'',43''に形成される案内溝42a,43aは、前記カード8のスライド範囲の一方側で、カード8の通常使用でのスライド範囲を超えて延設されており、その延設端は、前記側壁42,43の上端部に開口し、前記突起80aの導入を可能にする導入溝42b,43bに連通していることである。
したがって、前記突起80aを、この案内溝42a,43aから導入することができる、簡単な構造で、カード8の側壁42’,43’;42'',43''への嵌め込み時に、該側壁42’,43’;42'',43''に無理な変形を伴うことなく、前記突起80aの削れを防止することができるとともに、ボディ4’,4''やカード8の破損を防止することもできる。
また、図8(a)のボディ4’では、導入溝42b,43bは矢符82方向の上流側、すなわち電磁石ブロック5の非励磁時でのカード8の変位位置側に設けられているのに対して、図8(b)のボディ4''では、矢符82方向の下流側、すなわち電磁石ブロック5の励磁時でのカード8の変位位置(押し出し位置)側に設けられている。このように前記導入溝42b,43bは、カード8のスライド範囲のいずれの側からも形成可能であるが、図8(b)のボディ4''のように、電磁石ブロック5の励磁時におけるカードの変位位置側からとした場合、非励磁時には、突起80aは案内溝42a,43aの閉塞端に嵌り込んだままとなり、耐衝撃性を一層高めることができる。
また、図8で示すように導入溝42b,43bを設けた場合、突起80aの案内溝42a,43aへの嵌め込みにストレスは小さくなる。そこで、図9のカード8’で示すように、突起80bを、2つの外径を有する部分が軸方向に連結されたピンとし、先端側の小径部80b1が前記案内溝42a,43aに嵌り込み、基端側の大径部80b2は図9(b)で示すように前記側壁42,43とカードの側面との間に介在され、その小径部80b1との段差面80b3が前記案内溝42a,43aの周縁部上を摺動するように構成することで、カード8’と、その側面を案内するボディ4’,4''の両側壁42’,43’;42'',43''との隙間に、突起の大径部80b2が介在されることになり、カード8’のガタツキ(遊び)を小さくすることができる。図9(a)は前記図6(a)と同様のカード8’の平面図であり、図9(b)は前記図9(a)の突起80b付近を拡大して示す図であり、図9(c)は前記図6(b)と同様のカード8’の側面図である。
したがって、カード8’の安定したスライド動作を実現することができる。このような段差面80b3を設けることは、特に、上述のように、いわゆる安全リレーなどとして実現され、相互に逆の接点状態となる常開および常閉、すなわちa,bの接点2,3がカード8’の中心線8xの両側に1組ずつ配設される電磁リレー1の場合に好適である。それは、前記中心線8xの一方の側と他方の側との間で接点状態が異なり、カード8’には両側の可動接点端子22,32の弾発力が加わるとともに、さらに閉状態の接点側(非励磁時にはb接点3側)では、該可動接点端子22,32を介して、固定接点端子による弾発力も加わることになり、それらの弾発力の差によって、カードに前記矢符85で示すヨー方向の回転が発生し、可動接点端子32のオーバートラベル(押込み)量がロスし、安定した接点動作を行えなくなるためである。
したがって、前述のような2段構成の突起80bによってカード8’のガタツキを抑えていることで、このようなカード8’の回転も抑えることができる。しかも、1a1bの最少限の接点構成の場合、カード8’が短くなり、特に回転し易くなるので、好適である。なお、そのようにa,bの接点2,3が軸線xと直交方向に配列される場合、前記2段構成の突起80bは、前記矢符85で示すヨー方向の回転によって前記連結部80の側面が側壁42’,42''と接触する可能性が高いb接点3側に設けられればよく、a接点2側は前記段差面80b3が形成されていないピンが用いられてもよい。
ここで、特開平8−235989号公報には、カードの下面に突条を設け、絶縁カバー上に設けたガイドレール上を走行させることでカードの脱落を防止しているが、この構成は、カードのスライド動作を直線で行わせるためのもので、本発明では、カード8,8’の一対の腕部88,89に形成された垂下片88a,89aと、それに挟み込まれる絶縁隔壁46との関係に相当し、また前記腕部88,89の内側対向面88c,89cおよび段部88d,89dと、カバー9のガイド91aとの関係に相当するものである。
1 電磁リレー
2 a(常開:NO)接点
3 b(常閉:NC)接点
21,31 固定接点端子
22,32 可動接点端子
21c,22c;31c,32c 上腕部
21d,22d;31d,32d 接点部材
21e,31e リブ
22e,32e スリット
22f,32f 舌片
22g,32g 係止爪
4,4’,4'' ボディ
40,45,46 絶縁隔壁
41 ベース
42’,43’;42'',43'' 側壁
42a,43a 案内溝
42b,43b 導入溝
47 端子台
5 電磁石ブロック
51 コイル
52 スプール
53 鉄心
54,55 ヨーク
6 接極子ブロック
61 サブカード
62 可動板
63 永久磁石
65 舌片
7 復帰ばね
8 カード
80 連結部
80a,80b 突起
80a1 軸部
80a2 半球
80b1 小径部
80b2 大径部
81 係合孔
83,84 復帰ばね孔
86,87 係止孔
86a,86b,86c;87a,87b,87c 突起
88,89 腕部
88a,89a 垂下片
9 カバー
91 天板
91a ガイド

Claims (6)

  1. 電磁石によって接極子が揺動変位され、その揺動変位を前記接極子が一端側に係合するカードによって該カードのスライド変位に変換し、そのカードの他端側に係止している可動接点が固定接点と接触または離反することで接点状態を切換えるようにした電磁リレーにおいて、
    前記カードは、該電磁リレーの本体の両側壁によって前記スライド方向にその変位が規制され、かつ一端側に、前記両側壁に向けて延びる突起を有し、
    前記両側壁には、前記スライド方向に延び、前記突起が嵌り込む案内溝を有することを特徴とする電磁リレー。
  2. 前記案内溝は、前記カードのスライド範囲の一方側で、該スライド範囲を超えて延設されており、その延設端は、前記側壁の端部に開口し、前記突起の導入を可能にする導入溝に連通していることを特徴とする請求項1記載の電磁リレー。
  3. 前記導入溝が形成されるカードのスライド範囲の一方側は、前記電磁石の励磁時におけるカードの変位位置であることを特徴とする請求項2記載の電磁リレー。
  4. 前記突起は、2つの外径を有する部分が軸方向に連結されたピンから成り、先端側の小径部が前記案内溝に嵌り込み、基端側の大径部は前記側壁とカードの側面との間に介在され、その小径部との段差面が前記案内溝の周縁部上を摺動することを特徴とする請求項2または3記載の電磁リレー。
  5. 前記可動接点および固定接点の組が前記カードのスライド方向に延びる該カードの中心線の両側に1組ずつ配設され、一方の側が常開接点であり、他方の側が常閉であることを特徴とする請求項4記載の電磁リレー。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の電磁リレーを用いることを特徴とする制御装置。
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