JP2010197846A - 防眩性コーティング組成物および防眩性コートフィルム - Google Patents

防眩性コーティング組成物および防眩性コートフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】安定した凹凸発現性を有する相分離タイプの防眩性コーティング組成物、および防眩性コート層の表面にて安定して凹凸が形成されている防眩性コートフィルムを提供する。
【解決手段】紫外線硬化型の化合物と、下記構造式(a)で示される光重合開始剤と
Figure 2010197846

(式(a)中、XはSまたはOを示し、R〜Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)を含有する防眩性コーティング組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、防眩性を有するコート層、特にハードコート層を形成するための防眩性コーティング組成物、およびかかる防眩性コート層が形成されてなる防眩性コートフィルムに関するものである。
ブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイにおいては、画面に外部から光が入射し、この光が反射して(グレアーまたはギラツキなどといわれる)表示画像を見難くすることがあり、特に近年、ディスプレイの大型化に伴い、上記問題を解決することが、ますます重要な課題となってきている。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な防眩処理がとられている。その一つとして、例えば液晶ディスプレイにおける偏光板に使用されるハードコートフィルムや各種ディスプレイ保護用ハードコートフィルムなどにおいて、その表面を粗面化するコート、すなわち防眩性ハードコートを形成することが行われている。
従来、防眩性ハードコートは、バインダー樹脂とフィラーとを混合することにより、コート層表面に凹凸を形成し、防眩性を発現させていた。しかしながら、かかる防眩性ハードコートにおいては、フィラーの分散性や、屈折率の制御が問題となっていた。特に、コート層の内部ヘイズを低下させる場合には、フィラーとバインダー樹脂の屈折率を同一にする必要があった。
これに対し、近年、防眩性コーティング組成物に2種類の樹脂を含有させ、それら2種類の樹脂を相分離させることにより、屈折率の調整や分散性の問題を解決した技術が提案されている(特許文献1,2)。これらの技術においては、2種類の樹脂のSP値を制御することにより相分離を発現させている。
特開2008−197320号公報 再表2005/073763号公報
しかしながら、上記技術において要となる樹脂は、塗膜乾燥時に熱が印加されるときには流動性を有しており、それにより、凹凸形成のコントロールが非常に困難となっている。
また、防眩性ハードコートは最外層で使用されるため、硬度が重要視される。硬度を向上させるためには架橋密度を上げることが有利であり、それには、樹脂に反応部位としてのアクリレート部位を多く導入することが必要となる。しかしながら、上記の技術にて樹脂にアクリレート部位を多く導入すると、2種類の樹脂同士の極性が近くなり、相分離が発生しなくなる。その結果、所望の凹凸を形成することができなくなる。相分離をさせるために樹脂にアクリレート部位を少なく導入すると、架橋密度が下がって硬度が低下し、ハードコート性に劣ることとなる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、安定した凹凸発現性を有する相分離タイプの防眩性コーティング組成物、および防眩性コート層の表面にて安定して凹凸が形成されている防眩性コートフィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、紫外線硬化型の化合物と、
下記構造式(a)で示される光重合開始剤と
Figure 2010197846

(式(a)中、XはSまたはOを示し、R〜Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
を含有することを特徴とする防眩性コーティング組成物を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)においては、前記光重合開始剤として、前記構造式(a)中のR〜Rのいずれか1つがハロゲン原子であり、その他が水素原子である光重合開始剤を含有することが好ましく(発明2)、特に、前記光重合開始剤は、2−クロロチオキサントンであることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1)においては、前記紫外線硬化型の化合物が、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する有機化合物のモノマーおよび/またはプレポリマーであることが好ましい(発明4)。
第2に本発明は、基材フィルムと、前記基材フィルムの表面に、前記防眩性コーティング組成物(発明1〜4)を塗布し硬化させてなる防眩性コート層とを備えたことを特徴とする防眩性コートフィルムを提供する(発明5)。
第3に本発明は、基材フィルム上に防眩性コート層を有する防眩性コートフィルムであって、前記防眩性コート層は、紫外線硬化型の化合物と光重合開始剤とが相分離することにより、表面に凹凸を形成してなることを特徴とする防眩性コートフィルムを提供する(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記光重合開始剤は、下記構造式(a)で示される化合物
Figure 2010197846

(式(a)中、XはSまたはOを示し、R〜Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
であることが好ましく、特に、前記構造式(a)中のR〜Rのいずれか1つがハロゲン原子であり、その他が水素原子である化合物であることが好ましく、さらには、前記光重合開始剤は、2−クロロチオキサントンであることが好ましい。
本発明に係る防眩性コーティング組成物は、相分離タイプのものであるが、紫外線硬化型化合物の極性に左右されず、得られる防眩性コート層の表面にて安定して凹凸を形成する。また、本発明に係る防眩性コートフィルムにおいては、防眩性コート層の表面にて安定して凹凸が形成されている。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔防眩性コーティング組成物〕
本実施形態に係る防眩性コーティング組成物は、紫外線硬化型の化合物と、後述する光重合開始剤とを含有する。
紫外線硬化型の化合物は、特に限定されるものではなく、形成する防眩性コート層に付与すべき性能に応じたものを適宜選択すればよい。例えば、防眩性のハードコート層を形成する場合には、硬度の高い防眩性コート層を形成できるものを選択すればよい。
紫外線硬化型の化合物は、一般的には、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する有機化合物のモノマー(光重合性モノマー)またはプレポリマー(光重合性プレポリマー)であることが好ましい。光重合性モノマーおよび光重合性プレポリマーは、それぞれ単独で使用してもよいし、両者を併用してもよい。
光重合性モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸オキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレートを挙げることができる。これらの光重合性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、光重合性プレポリマーと併用することもできる。
光重合性プレポリマーとしては、例えば、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等のプレポリマーが挙げられる。
ポリエステルアクリレート系プレポリマーは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、または、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラックエポキシ樹脂のオキシラン環を、(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。ウレタンアクリレート系プレポリマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。これらの光重合性プレポリマーは、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記光重合性モノマーおよび/または光重合性プレポリマーによれば、ハードコート層を形成することができる。このハードコート層は、硬度が高く、優れた傷防止性能・耐擦傷性を発揮する。
光重合開始剤としては、下記構造式(a)で示される光重合開始剤Aを使用する。
Figure 2010197846

(式(a)中、XはSまたはOを示し、R〜Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられるが、中でも塩素原子が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基としては、例えば、フェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基等が挙げられる。
上記光重合開始剤Aの中でも、構造式(a)中のR〜Rのいずれか1つがハロゲン原子、特に塩素原子であり、その他が水素原子である化合物が好ましく、特に、下記構造式(b)で示される2−クロロチオキサントンが好ましい。
Figure 2010197846

なお、光重合開始剤Aは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記光重合開始剤Aは、乾燥温度より低い温度で固体であり、相溶性が低いという特性を有する。かかる特性を有する光重合開始剤Aと、上記紫外線硬化型化合物とを含有する本防眩性コーティング組成物は相分離タイプのものであり、当該防眩性コーティング組成物によれば、光重合開始剤と紫外線硬化型化合物とが相分離することにより、得られる防眩性コート層の表面に凹凸が形成される。そして、塗膜乾燥時に熱を印加しても流動性が低いため、凹凸形成のコントロールが容易であり、また紫外線硬化型化合物の極性に左右されず、得られる防眩性コート層の表面にて安定して凹凸が形成される。また、本防眩性コーティング組成物においては、所望により、上記紫外線硬化型化合物に反応部位としてのアクリレート部位を多く導入し、それにより架橋密度を上げて防眩性コート層の硬度を向上させることができる。
防眩性コーティング組成物中における光重合開始剤の含有量(固形分換算)は、紫外線硬化型の化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、特に0.5〜10質量部であることが好ましい。光重合開始剤の含有量が上記範囲にあることで、防眩性コート層の表面に形成される凹凸が所望の防眩性を発揮し、また、紫外線照射時の重合が良好に行われ、さらには、防眩性コート層の傷防止性能・耐擦傷性や光学特性が損なわれない。
本実施形態における防眩性コーティング組成物は、上記紫外線硬化型の化合物および光重合開始剤以外に、各種添加剤、溶剤等の第三成分を含有してもよい。なお、本実施形態における防眩性コーティング組成物は、所望の特性が得られる限り、反応性粒子、非反応性粒子(フィラー)等の粒子を含有してもよく、本発明は、かかる防眩性コーティング組成物を除外するものではない。
各種添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、消泡剤、有機系充填材、濡れ性改良剤、塗面改良剤等が挙げられる。
溶剤としては、塗工性の改良、粘度調整、固形分濃度の調整等のために使用することができ、上記紫外線硬化型の化合物および光重合開始剤が溶解するものであれば、特に限定なく使用できる。
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。
以上説明した防眩性コーティング組成物は、所望の基材に対して塗布し、硬化させることにより、基材の表面に防眩性のコート層、特にハードコート層を形成することができる。コーティング対象の基材は、通常は、透明なプラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等である。
基材上に形成される防眩性コート層の表面においては、安定して凹凸が形成されるため、良好な防眩性が発揮される。
〔防眩性コートフィルム〕
本実施形態に係る防眩性コートフィルムは、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に形成された防眩性コート層とからなる。
基材フィルムとしては、防眩性コートフィルムの用途に応じて適宜選択すればよく、好ましくは防眩性コート層と親和性の良好なプラスチックフィルムを選択する。
かかるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等が挙げられ、中でも、機械的強度等の面から、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系重合体フィルム等が好ましい。
また、上記基材フィルムにおいては、その表面に設けられる層(防眩性コート層、後述する粘着剤層等)との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、プライマー処理、酸化法、凹凸化法等により表面処理を施すことができる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。
基材フィルムの厚さは、防眩性コートフィルムの用途に応じて適宜決定されるが、通常は15〜300μm程度であり、好ましくは30〜200μm程度である。
防眩性コート層は、紫外線硬化型の化合物と光重合開始剤とが相分離することにより、表面に凹凸を形成してなるものである。かかる防眩性コート層を有する防眩性コートフィルムは、新規なものである。
かかる防眩性コート層は、具体的には、基材フィルムに対して前述した防眩性コーティング組成物を塗布し、硬化させることにより形成されるが、これに限定されるものではない。
上記防眩性コーティング組成物の塗布は、常法によって行えばよく、例えば、バーコート法、ナイフコート法、マイヤーバー法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法によって行えばよい。防眩性コーティング組成物を塗布したら、塗膜を50〜120℃程度で乾燥させることが好ましい。この加熱下でも、上記防眩性コーティング組成物は流動性が低いため、得られる防眩性コート層の表面にて安定して凹凸が形成される。
上記防眩性コーティング組成物の硬化は、防眩性コーティング組成物の塗膜に対して紫外線を照射することによって行う。紫外線の照射量は、光量で100〜1000mJ/cm程度が好ましい。紫外線照射は、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等によって行うことができる。
硬化後の防眩性コート層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、特に1〜10mであることが好ましい。また、防眩性コート層がハードコート層の場合、その傷防止性能・耐擦傷性を効果的に発揮させるには、防眩性コート層の厚さは1〜15μm、特に2〜10μmであることが好ましい。
上記防眩性コート層においては、紫外線硬化型の化合物と光重合開始剤とが相分離することにより、表面に安定した凹凸形状が形成されるため、良好な防眩性が発揮される。
防眩性コート層の表面の算術平均粗さRaは、通常0.01μm以上であり、好ましくは0.1〜1.0μmある。算術平均粗さRaが上記範囲にあれば、凹凸は高精細で緻密なものとなり、良好な防眩性が得られる。また、防眩性コート層の表面の十点平均粗さRzは、通常0.01μm以上であり、好ましくは1.0〜5.0μmである。十点平均粗さRzが上記範囲にあれば、凹凸は高精細で緻密なものとなり、良好な防眩性が得られる。なお、上記算術平均粗さRaおよびRzは、JIS B 0601−1994に準拠して測定した値である。
防眩性コートフィルムが防眩性を効果的に発揮するためにも、防眩性コートフィルムのヘイズ値は、通常2%以上が好ましい。ヘイズ値が2%未満では、十分な防眩性が発揮されにくい。また、防眩性コートフィルムの全光線透過率は、80%以上が好ましい。全光線透過率が80%未満では、透明性が不十分となるおそれがある。防眩性、表示画質(視認性)、光透過性、透明性等のバランスの面から、ヘイズ値は5〜80%、全光線透過率は85〜99%であることがより好ましい。
本実施形態に係る防眩性コートフィルムは、基材フィルムと防眩性コート層とからなるものであるが、基材フィルムの防眩性コート層の反対面には、粘着剤層が形成されていてもよいし、さらには粘着剤層に剥離シートが積層されていてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては特に限定されず、アクリル系、ゴム系、シリコーン系など公知の粘着剤を使用することができる。
また、防眩性コート層上には、透明導電性薄膜層、反射防止層等が形成されていてもよい。
本実施形態に係る防眩性コートフィルムは、例えば、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、さらにはタッチパネル等の各種ディスプレイに適用することができる。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
紫外線硬化型樹脂(荒川化学工業社製,製品名:ビームセット577,固形分濃度:100%,光重合開始剤抜き)95質量部と、2−クロロチオキサントン(東京化成社製,固形分濃度:100%)5質量部とを混合し、その混合物をトルエン75質量部およびメチルエチルケトン75質量部で希釈し、固形分濃度40%の塗工液(塗工液1)を調製した。
得られた塗工液1を、マイヤーバー#10を用いて、PETフィルム(東洋紡績社製,製品名:PET188A4300,厚さ:188μm)に塗布し、80℃で1分間乾燥させた後、紫外線を照射(光量:250mJ/cm)してコート層を形成し、これを防眩性ハードコートフィルムとした。なお、コート層の厚さ(膜厚)は表1に示す(以下同じ)。
〔実施例2〕
紫外線硬化型樹脂(荒川化学工業社製,製品名:ビームセット577,固形分濃度:100%,光重合開始剤抜き)96質量部と、2−クロロチオキサントン(東京化成社製,固形分濃度:100%)4質量部とを混合し、その混合物をトルエン75質量部およびメチルエチルケトン75質量部で希釈し、固形分濃度40%の塗工液(塗工液2)を調製した。
塗工液1の替わりに塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして防眩性ハードコートフィルムを作製した。
〔実施例3〕
マイヤーバー#10の替わりにマイヤーバー#6を用いた以外は、実施例1と同様にして防眩性ハードコートフィルムを作製した。
〔比較例1〕
紫外線硬化型樹脂(荒川化学工業社製,製品名:ビームセット577,固形分濃度:100%,光重合開始剤抜き)96質量部と、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(東京化成社製,固形分濃度:100%)4質量部とを混合し、その混合物をトルエン75質量部およびメチルエチルケトン75質量部で希釈し、固形分濃度40%の塗工液(塗工液3)を調製した。
塗工液1の替わりに塗工液3を用いた以外は、実施例1と同様にして防眩性ハードコートフィルムを作製した。
〔比較例2〕
紫外線硬化型樹脂(JSR社製,製品名:オプスターZ7530,固形分濃度:75%,光重合開始剤入り)100質量部と、重合性不飽和基を有さないポリエステル樹脂(東洋紡績社製,製品名:バイロン20SS,固形分濃度:30%)17.5質量部とを混合し(紫外線硬化型樹脂とポリエステル樹脂とは相分離を生ずる)、その混合物をエチルセロソルブ20質量部およびシクロヘキサノン70質量部で希釈し、固形分濃度38%の塗工液(塗工液4)を調製した。
塗工液1の替わりに塗工液4を用いた以外は、実施例1と同様にして防眩性ハードコートフィルムを作製した。
〔試験例1〕(全光線透過率・ヘイズ値の測定)
実施例および比較例で得られた防眩性ハードコートフィルムの全光線透過率(%)およびヘイズ値(%)を、ヘイズメーター(日本電色工業社製,製品名:NDH−2000)を用い、D65光源、測定方法3にて、JIS K 7136に準拠して測定した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(表面粗さ)
実施例および比較例で得られた防眩性ハードコートフィルムにおけるコート層の表面の算術平均粗さRa(μm)および十点平均粗さRz(μm)を、接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製,製品名:SV3000S4)を用いて、JIS B601−1994に準拠して測定した。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(防眩性試験)
実施例および比較例で得られた防眩性ハードコートフィルムを、黒い板の上にコート層表面を上にして置き、3波長蛍光灯下でコート層表面の反射光を表面から70〜80°の角度で目視観察し、反射光の蛍光灯の形状により防眩性を評価した。蛍光灯が直線に見えない場合を○、蛍光灯が直線に見える場合を×として評価した。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(スチールウール硬度試験)
実施例および比較例で得られた防眩性ハードコートフィルムについて、#0000のスチールウールを用いて、1kg/cmの荷重でコート層を10cm、5往復擦り、傷の有無を確認した。傷が実質的になかったものを○、傷の発生が見られたものを×で表す。結果を表1に示す。
Figure 2010197846
表1から明らかなように、実施例で得られた防眩性ハードコートフィルムは、防眩性に好適な表面粗さを有しており、また良好な光学特性および優れた傷防止性能・耐擦傷性を備えていた。一方、比較例1で得られた防眩性ハードコートフィルムにおいては、従来の相分離しない光重合開始剤を使用したので、傷防止性能・耐擦傷性には優れていたが、防眩性に劣っていた。また、比較例2で得られた防眩性ハードコートフィルムにおいては、2種類の樹脂同士が相分離するので防眩性を有するが、架橋密度が低く傷防止性能・耐擦傷性に劣っていた。
本発明の防眩性コーティング組成物および防眩性コートフィルムは、例えば、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、タッチパネル等の各種ディスプレイに防眩性を付与するのに好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 紫外線硬化型の化合物と、
    下記構造式(a)で示される光重合開始剤と
    Figure 2010197846

    (式(a)中、XはSまたはOを示し、R〜Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはフェノキシ基を示し、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
    を含有することを特徴とする防眩性コーティング組成物。
  2. 前記光重合開始剤として、前記構造式(a)中のR〜Rのいずれか1つがハロゲン原子であり、その他が水素原子である光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の防眩性コーティング組成物。
  3. 前記光重合開始剤は、2−クロロチオキサントンであることを特徴とする請求項1に記載の防眩性コーティング組成物。
  4. 前記紫外線硬化型の化合物が、分子内に2個以上の重合性不飽和基を有する有機化合物のモノマーおよび/またはプレポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性コーティング組成物。
  5. 基材フィルムと、
    前記基材フィルムの表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性コーティング組成物を塗布し硬化させてなる防眩性コート層と
    を備えたことを特徴とする防眩性コートフィルム。
  6. 基材フィルム上に防眩性コート層を有する防眩性コートフィルムであって、
    前記防眩性コート層は、紫外線硬化型の化合物と光重合開始剤とが相分離することにより、表面に凹凸を形成してなる
    ことを特徴とする防眩性コートフィルム。
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