JP2010197512A - 感光性樹脂組成物及びその製造方法、遮光性カラーフィルタ及びその製造方法、並びに固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チタンブラックと、分散剤と、樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種と、を含有する感光性樹脂組成物を製造する過程で、チタンブラック及び分散剤を含む混合液に対し、該チタンブラックの体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となるまで分散処理を行い、前記分散処理して得られた分散液に、更に分散剤を添加して分散処理を行う。
【選択図】なし
Description
液晶表示装置用のブラックマトリクスや固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタを形成するための組成物としては、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材を含有する感光性樹脂組成物が知られている。
また、固体撮像素子用の感光性樹脂組成物として、薄膜で高い遮光性を得ることを目的として、チタンブラックと樹脂成分とを含有する感光性樹脂組成物が検討されている(例えば、特許文献6参照)。
即ち、本発明は、遮光能に優れた遮光性カラーフィルタを作製でき、支持体上に塗布したときの塗布欠陥の発生を抑制できる感光性樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、遮光能に優れ、欠陥が少ない遮光性カラーフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ノイズが少なく色再現性に優れた固体撮像素子を提供することを目的とする。
<1> チタンブラックと、分散剤と、樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種と、を含有する感光性樹脂組成物を製造する過程で、
チタンブラック及び分散剤を含む混合液に対し、該チタンブラックの体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となるまで分散処理を行い、
前記分散処理して得られた分散液に、更に分散剤を添加して分散処理を行う感光性樹脂組成物の製造方法である。
<3> 前記芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種が、脂肪族ケトン系溶剤から選択される少なくとも1種である<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物の製造方法である。
<4> 前記光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の製造方法である。
<6> 固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタの形成に用いられる<5>に記載の感光性樹脂組成物である。
<9> <8>に記載の遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子である。
また、本発明によれば、遮光能に優れ、欠陥が少ない遮光性カラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、ノイズが少なく色再現性に優れた固体撮像素子を提供することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、チタンブラックと、分散剤と、樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種と、を含有する感光性樹脂組成物を製造する過程で、チタンブラック及び分散剤を含む混合液に対し、該チタンブラックの体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となるまで分散処理を行い(以下、ここまでの分散処理を、「一段目の分散処理」ともいう)、前記分散処理して得られた分散液に、更に分散剤を添加して分散処理(以下、「二段目の分散処理」ともいう)を行う。
本発明においては、上記のような、一段目の分散処理及び二段目の分散処理を含む分散方法を「多段分散処理」ということがある。なお、本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、前記二段目の分散処理の後に、更に分散剤を添加して、三段目以降の分散処理を行う形態であってもよい。このような形態も前記「多段分散処理」に含まれるものとする。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、前記本発明の感光性樹脂組成物の製造方法によって製造されたものである。
そこで、感光性樹脂組成物及びその製造方法を上記本発明の構成とすることにより、チタンブラックを含む感光性樹脂組成物の問題である、塗布欠陥の発生が抑制される。
上記の効果が得られる理由は、上記構成によりチタンブラックの分散性が向上するためと推測されるが、本発明はこの理由に限定されることはない。
更に驚くべきことに、上記構成とすることにより、組成物の経時安定性が改善される。更には、遮光性カラーフィルタとしたときの剥がれ(特に、構造のある基板上に形成されたときの剥がれ)が抑制される。
本発明の感光性樹脂組成物及びその製造方法は、例えば、前記一段目の分散処理及び前記二段目の分散処理によって、チタンブラック、分散剤、及び必要に応じ溶剤成分の一部を含む分散組成物を製造した後、製造された分散組成物に、感光性樹脂組成物の残りの成分(樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、及び、残りの溶剤成分)を添加する形態とすることができる。
また、前記一段目の分散処理及び前記二段目の分散処理によって、チタンブラック、分散剤、及び必要に応じ溶剤成分の一部を含む分散組成物を製造する段階において、樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤成分の少なくとも一部を予め添加しておき、製造された分散組成物に、感光性樹脂組成物の残りの成分を添加してもよい。
また、前記一段目の分散処理及び前記二段目の分散処理によって、チタンブラック、分散剤、及び必要に応じ溶剤成分の一部を含む分散組成物を製造する段階において、感光性樹脂組成物の全成分(樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤成分等)を添加しておき、分散組成物として感光性樹脂組成物を作製してもよい。
本発明における一段目の分散処理は、チタンブラック及び分散剤を含む混合液に対し、該チタンブラックの体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となるまで行う分散処理である。
「10nm/パス以下」の一例としては、以下のような状態が挙げられる。
即ち、混合液に対する分散処理を開始した当初は1パス毎に体積平均粒子径が小さくなっていき、分散が進むにつれて1パス毎の体積平均粒子径の変化が小さくなっていく系においては、1パス毎の体積平均粒子径の変化量が10nm以下となった状態が「10nm/パス以下」である。
例えば、分散装置において、25L(リットル)の混合液を流量5L/hで分散処理する場合には、5hの分散処理が「1パス」となる。
パス回数は、以下の式Aで求められる。
この測定は、日機装株式会社製ナノトラックUPA−EX150を用いて行うことができる。
分散装置の例としては、例えば、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル、株式会社シンマルエンタープライセス製ダイノーミルECMシリーズ、などが挙げられる。
また、分散処理はビーズを用いて行うことが好ましい。
ビーズの組成やビーズの直径については特に限定はなく、公知の組成や直径を適用できる。
例えば、ビーズの径としては、0.01mm〜0.10mmのビーズを好適に用いることができる。
前記混合液中の溶剤としては特に限定はないが、本発明の感光性樹脂組成物の溶剤成分(プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種と、からなる溶剤成分)のうち少なくとも1種を用いることが好ましい。
特に、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、前記混合液中の溶剤として、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
前記一段目の分散処理における混合液中において、チタンブラックに対する溶剤の質量比率〔溶剤/チタンブラック〕は、分散の容易さの観点から、1.0〜9.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましい。
本発明における二段目の分散処理は、前記一段目の分散処理によって得られた分散液に、更に分散剤を添加して行う分散処理である。
二段目の分散処理において添加する分散剤(以下、「二段目分散剤」ともいう)は、一段目の分散処理において添加した分散剤(以下、「一段目分散剤」ともいう)と同一種であってもよいし、異なる種であってもよい。
また、二段目分散剤を添加するタイミングとしては、チタンブラックの体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となった時点以降であれば特に限定はない。
また、二段目分散剤は1回のみ添加してもよいし、2回以上にわけて添加してもよい。
添加する溶剤としては、一段目の分散処理における混合液中に用いられ得る溶剤と同一種の溶剤であってもよいし、異なる種の溶剤であってもよい。
例えば、一段目の分散処理における混合液に、感光性樹脂組成物の溶剤成分の一部を含有させておき、二段目の分散処理において、感光性樹脂組成物の溶剤成分の残りの一部又は全部を添加してもよい。
更に、二段目の分散処理においては、前記二段目分散剤及び前記溶剤以外にも、後述する感光性樹脂組成物の成分(例えば、樹脂、光重合開始剤、重合性化合物、等)を添加してもよい。
得られた最終分散組成物の全質量中における溶剤の全質量としては、30質量%〜95質量%が好ましく、40質量%〜90質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、黒色色材(黒色顔料)としてチタンブラックを含む。
これにより、該組成物を遮光性カラーフィルタとしたときの遮光能が向上する。特に、固体撮像素子の遮光性カラーフィルタにおいては、可視域の遮光能に加え赤外域の遮光能を要求される場合があるが、チタンブラックを含む本発明の感光性樹脂組成物を遮光性カラーフィルタとしたときには、可視域の遮光能に優れ、かつ赤外域の遮光能にも優れる。
本発明におけるチタンブラックは、好ましくは低次酸化チタンやTiNxOy(x,yは2未満の実数)で表される酸窒化チタン等である。
本発明におけるチタンブラックは、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。具体的には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質での処理も可能である。
本発明においてチタンブラックは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような混合可能な遮光用顔料としては、可視光領域に吸光度を有するものであれば特に限定はされず、上記した体質顔料、カーボンブラック、C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、C.I.Pigment Brown 25,28、C.I.Pigment Black 1,7等の有機顔料等を挙げることができる。
チタンブラック以外の遮光用顔料を混合して使用する例として、チタンブラックとカーボンブラックを6:1で混合した物、チタンブラックと酸化チタンを3:1で混合した物などが挙げられる。
混合して使用するチタンブラック以外の遮光用顔料は、チタンブラック100質量部に対して、0.01〜99.99質量部の範囲で用いることができる。好ましくは、20〜70質量部の範囲である。
本発明の感光性樹脂組成物は分散剤を含有する。
該分散剤は、少なくとも前記一段目の分散処理及び前記二段目の分散処理に用いられるものである。本発明においては、前述のとおり、一段目の分散処理における分散剤(以下、「一段目分散剤」ともいう)と、二段目の分散処理における分散剤(以下、「二段目分散剤」ともいう)と、は同一種であっても異なる種であってもよい。
また、一段目分散剤及び二段目分散剤は、それぞれ、一種のみであっても二種以上であってもよい。
本発明における分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
一方で、本発明における分散剤は顔料表面を改質することで、分散樹脂の吸着を促進させる効果を有する。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、分散剤として、グラフト共重合体(以下、「特定樹脂」ともいう)を用いることも好ましい。
分散剤としてグラフト共重合体を用いることで、分散性及び保存安定性をより向上させることができる。
分散組成物において、この特定樹脂は、チタンブラックに分散性を付与する分散樹脂であり、優れた分散性と、グラフト鎖による溶媒との親和性を有するために、チタンブラックの分散性、及び、経時後の分散安定性に優れる。また、感光性樹脂組成物としたとき、グラフト鎖による重合性化合物もしくはその他の併用可能な樹脂などとの親和性を有するので、アルカリ現像で残渣を生じにくくなる。
式(1)〜式(5)において、Y1、Y2、Y3、Y4、および、Y5はそれぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。具体的には、下記の(Y−1)から(Y−20)の連結基などが挙げられる。下記構造でA、Bはそれぞれ、式(1)〜式(5)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
式(1)〜式(5)において、n、m、p、q、および、rはそれぞれ1から500の整数である。
このような酸基を導入することで、特定樹脂のアルカリ現像性を向上させるという利点をも有する。
本発明の特定樹脂に好適に使用されるこれら共重合成分の含有量は、0.1モル%以上50モル%以下であり、特に好ましくは、アルカリ現像による画像強度のダメージ抑制という観点から、1モル%以上30モル%以下である。
R1、R2、及びR3は、より好ましくは水素原子、または炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子またはメチル基である。R2、及びR3は、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
また、上記一般式(ii)で表される単量体として、R1が水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。また、上記一般式(iii)で表される単量体として、R4、R5、及びR6が水素原子又はメチル基であって、Lが単結合又はアルキレン基であって、Zがカルボン酸である化合物が好ましい。
メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とテトラヒドロキシフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物と無水トリメリット酸の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とピロメリット酸無水物の反応物、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸、ビニルフェノール、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドなどが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤成分として、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種と、を含有する。
本発明による効果をより効果的に得る観点からは、前記感光性樹脂組成物の溶剤成分の少なくとも一部を、第一の分散処理における混合液に含有させておくことが好ましい。更に、該混合液に含有させる溶剤は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。溶剤成分の一部を前記混合液に含有させた場合、前記感光性樹脂組成物の溶剤成分の残りは、第二の分散処理中又は第二の分散処理後に添加する。
前記プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
前記プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルアセテートが挙げられる。
また、前記ケトン系溶剤としては特に限定はないが、欠陥抑制の観点からは、脂肪族ケトン系溶剤が好ましい。更に、前記脂肪族ケトン系溶剤としては、ジアルキルケトン又は脂環式ケトンがより好ましい。
前記ジアルキルケトンとしては、2つのアルキル基の炭素数がいずれも1以上6以下であるジアルキルケトンが好ましい。前記ジアルキルケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルプロピルケトン、等が挙げられる。
前記脂環式ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、等が挙げられる。
また、その他のケトン系溶剤としては、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、等が挙げられる。
前述の溶剤種の沸点を以下に示す。
トルエン(沸点110.6℃)、o−キシレン(沸点144.4℃)、m−キシレン(沸点139.1℃)、p−キシレン(沸点138.4℃)、アセトン(沸点56.1℃)、メチルエチルケトン(沸点79.6℃)、メチルイソブチルケトン(沸点116.2℃)、メチルアミルケトン(沸点152℃)、メチルイソアミルケトン(沸点144℃)、メチルプロピルケトン(沸点101.7℃)、シクロペンタノン(沸点130.6℃)、シクロヘキサノン(沸点155.7℃)、アセチルアセトン(沸点140℃)、ジアセトンアルコール(沸点166℃)である。
また、本発明においては、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種(以下、「第1溶剤」ともいう)と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種(以下、「第2溶剤」ともいう)と、の質量比を調整することが好ましい。
具体的には、本発明の感光性樹脂組成物において、質量比〔第2溶剤/(第1溶剤+第2溶剤)〕は、0.01〜0.50が好ましく、0.02〜0.30がより好ましい。
前記質量比が0.01以上であると、塗布欠陥をより抑制できる。また前記質量比が0.50以下であると、経時安定性に優れる組成物を得ることが出来る。
その他の溶剤としては、例えば、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(前記分散剤以外の樹脂)を含有する。
前記樹脂としては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に使用できる。
本発明における樹脂としては、好ましくは水現像或いは弱アルカリ水現像を可能とするために、水或いは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。
線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水或いは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。
線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独或いは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独或いは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
前記線状有機ポリマーのうち、弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーを、以下、「アルカリ可溶性樹脂」といもいう。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特願2001−115595号明細書、特願2001−115598号明細書等に記載されている化合物を挙げる事ができる。
また、欧州特許993966、欧州特許1204000、特開2001−318463等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーは、膜強度、現像性のバランスに優れており、好適である。
更にこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中における樹脂の含有量(2種以上の場合は総含有量)としては特に限定はないが、本発明の効果をより効果的に得る観点からは、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は重合性化合物を含有する。
前記重合性化合物としては、例えば、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を用いることができ、具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態をもつ。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
(ただし、一般式(A)中、R4及びR5は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、感光性樹脂組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、着色剤(顔料、染料)等、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の感光性樹脂組成物は光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤としては、上記の光重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
具体的な例としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロプル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンなどが挙げられる。但し、これらに限定されない。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や特公昭51−48516号公報記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の全固形分中における光重合開始剤の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、3〜20質量%が好ましく、4〜19質量%がより好ましく、5〜18質量%が特に好ましい。
(増感剤)
本発明の感光性樹脂組成物は増感剤を含有してもよい。
前記増感剤としては、前述の光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
即ち、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類、チオキサントン類、シアニン類、メロシアニン類、フタロシアニン類、チアジン類、アクリジン類、アントラキノン類、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は共増感剤を含有してもよい。
前記共増感剤は、前記光重合開始剤や前記増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは、酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
本発明の感光性樹脂組成物においては、組成物の製造中或いは保存中において、光重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することができる。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物においては、支持体などの硬質表面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
また、露光、現像後に後加熱を実施し、膜の硬化度を上げる目的で熱硬化剤を添加することができる。熱硬化剤としては、アゾ化合物、過酸化物等の熱重合開始剤、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、エポキシ化合物、スチレン化合物等の熱硬化材料を添加することが可能である。
これらのチオール系化合物は単独または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の遮光性カラーフィルタは、前述の本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたものである。
このため、本発明の遮光性カラーフィルタは、遮光能に優れ、欠陥の発生が抑制されている。更に、剥がれが抑制されている。
なお、「遮光性カラーフィルタ」は、黒色色材、光重合性化合物、樹脂、光重合開始剤及び溶剤を少なくとも含む感光性樹脂組成物を露光し、現像して得られたものなので、遮光膜又は遮光性フィルタと言い換えてもよい。
遮光性カラーフィルタは、例えば、固体撮像素子において、受光素子形成面における受光部以外の部分を遮光する用途、受光素子形成面の反対側の面を遮光する用途、色調整用の画素(黒、灰色等の無彩色の画素であってもよいし、有彩色の色味が混ざった黒色、灰色等の画素であってもよい)としての用途、など種々の用途に好適に用いることができる。
遮光性カラーフィルタのパターンサイズとしては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が特に好ましい。下限についても特に限定はないが1μmが好ましい。
更に、可視域と赤外域との遮光能のバランスの観点、及び本発明の効果をより効果的に得る観点より、遮光性カラーフィルタの光学濃度としては、以下の条件が好適である。
即ち、前記〔OD1200/OD365〕は、0.5以上2.5以下がより好ましく、0.7以上2.5以下が特に好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの波長1200nmにおける光学濃度(OD1200)は、1.5以上10以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの波長365nmにおける光学濃度(OD365)は、1以上7以下であることが好ましく、2以上6以下であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの、900nm〜1300nmの波長領域における光学濃度は、2以上10以下であることが好ましく、2以上9以下であることがより好ましく、2以上8以下であることが特に好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの比〔OD900/OD365〕は、0.5以上2.5以下であることが好ましく、1.1以上2.5以下であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの比〔OD1100/OD365〕は、0.4以上2.5以下であることが好ましく、0.6以上2.5以下であることがより好ましい。
前記遮光性カラーフィルタの比〔OD1300/OD365〕は、0.4以上2.5以下であることが好ましく、0.5以上2.5以下であることがより好ましい。
上記で説明した本発明の遮光性カラーフィルタを形成する方法については特に限定はないが、例えば、支持体上に感光性樹脂組成物を塗布して感光性層を形成する工程(以下、適宜「感光性層形成工程」と略称する。)と、前記感光性層をパターン状に露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の前記感光性層を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含んで構成される。
以下、本発明の遮光性カラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
感光性層形成工程では、支持体上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗布して感光性層を形成する。
また、これらの支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
前記パターン構造物としては、薄膜トランジスタ、光電変換素子、パッシベーション膜等の各種のパターン構造物を挙げることができる。また、前記パターン構造物としては、本発明において形成しようとする遮光性カラーフィルタに先立って、既に基板上に設けられている着色パターン(例えば、赤色パターン、緑色パターン、青色パターン、透明パターン等)であってもよい。
露光工程では、前記感光性層形成工程において形成された感光性層を、例えばマスクを介して、パターン状に露光して硬化させる(マスクを介して露光する場合には、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる)。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ〜3000mJが好ましく10mJ〜2000mJがより好ましく、10mJ〜1000mJが最も好ましい。
露光工程に次いで、露光後の感光性層を例えばアルカリ現像処理により現像してパターンを形成する(現像工程)。
現像工程では、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光照射部分だけが残る。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない点で、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は20〜240秒である。
本発明の固体撮像素子は既述の本発明の遮光性カラーフィルタを備えて構成される。
本発明の固体撮像素子は、遮光能に優れ、欠陥が少ない本発明の遮光性カラーフィルタが備えられているため、ノイズが低減され、色再現性に優れる。
本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の遮光性カラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる受光素子を有し、支持体の受光素子形成面側(例えば、受光部以外の部分や色調整用画素部、等)又は該形成面の反対側に本発明の遮光性カラーフィルタが備えられた構成が挙げられる。
(特定樹脂1の合成)
500mL三口フラスコに、ε-カプロラクトン 600.0g、2-エチル-1-ヘキサノール 22.8gを導入し、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド 0.1gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したのを確認後、80℃まで冷却した。2,6-ジt-ブチル−4−メチルフェノール 0.1gを添加した後、2-メタクリロイロキシエチルイソシアネート 27.2gを添加した。5時間後、1H-NMRにて原料が消失したのを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体M1〔下記構造〕を200g得た。M1であることは、1H-NMR、IR、質量分析により確認した。
特定樹脂1の合成方法と同様の合成法により、下記に記載の特定樹脂2〜7を合成した。下記表1にその組成比、水素原子を除いたグラフト鎖の原子数、重量平均分子量を示した。
<チタンブラック分散液の調製>
下記組成の混合液に対し、分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルを用いて分散処理を行った。
以下では、チタンブラック分散液調製時に用いる1種類目の溶剤を「分散時溶剤1」とし、2種類目の溶剤を「分散時溶剤2」とする。
〜組成〜
・株式会社ジェムコ製チタンブラック13M−T … 270部
・ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製;一段目分散剤)
… 80部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;分散時溶剤1)
… 600部
・メチルアミルケトン(分散時溶剤2) … 50部
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・周速:7m/sec
・ポンプ供給量:10kg/hour
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:5kg
体積平均粒子径は分散時間(パス回数)とともに減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。
分散時間を30分間延長したときの体積平均粒子径変化が10nm以下となった時点(即ち、体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となった時点;ここまでが「一段目の分散処理」である)で、分散液に以下の組成を追加した。
・ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製;二段目分散剤) … 90部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(分散時溶剤1)… 166部
・メチルアミルケトン(分散時溶剤2) … 14部
以上により、チタンブラック分散液(以下、「最終のチタンブラック分散液」ともいう)を得た。
下記組成を混合し、感光性樹脂組成物を得た。
以下では、感光性樹脂組成物調製時に用いる1種類目の溶剤を「組成物調製時溶剤1」とし、2種類目の溶剤を「組成物調製時溶剤2」とする。
〜感光性樹脂組成物の組成〜
・上記で調製した最終のチタンブラック分散液 … 38部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(下記T−1) … 7部
・オキシム系光重合開始剤(下記K−1) … 6部
・樹脂(下記J−1;重量平均分子量(Mw)及び共重合比(モル比)は下記の通りである) … 9部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(組成物調製時溶剤1)
… 31部
・メチルアミルケトン(組成物調製時溶剤2) … 4部
(パターン構造物付き基板の作製)
市販品の6インチのシリコンウエハに、日立化成工業株式会社製SR7200を塗布して塗布膜を形成し、得られた塗布膜をパターン露光し、現像し、200℃で30分間加熱処理してパターン構造物を形成した。
以上により、高さ15μm、パターンサイズ300μm×300μmのパターン構造物が規則的に配列された、パターン構造物付き基板を得た。
上記パターン構造物付き基板のパターン構造物形成面側に、上記で得られた感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で120℃で2分間加熱して感光性層を得た。
次いで、得られた感光性層に対し、i線ステッパーを用い、上記で作製したパターン構造物と一致するように(即ち、上記で作製したパターン構造物と同じパターンサイズとなるように)、露光を行った。ここで、感光性層の露光は、露光量50mJ/cm2による露光箇所と、露光量200mJ/cm2による露光箇所と、に分けて行った。
前記露光後の遮光膜に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、膜厚2.2μmの遮光性カラーフィルタを得た。
なお、遮光性カラーフィルタは、前記パターン構造物の上に形成した。即ち、遮光性カラーフィルタは、前記パターン構造物と同じパターンサイズとし、かつ、前記パターン構造物と同じ位置に形成することにより、前記パターン構造物上に重なるようにした。
上記で得られた感光性樹脂組成物及び遮光性カラーフィルタについて、以下の評価を行った。
評価結果を下記表2に示す。
市販品の6インチのシリコンウエハに、上記で得られた感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で120℃で2分間加熱して感光性層(遮光膜)を得た。
得られた感光性層(遮光膜)のうち、100cm2の面積の範囲内を光学顕微鏡(倍率1000倍)で確認し、前記範囲内における塗布欠陥(異物や泡など)の数を数えた。
得られた欠陥数に基づき、下記評価基準に従って、塗布欠陥の評価を行った。
A … 欠陥数が100cm2当たり1個未満
B … 欠陥数が100cm2当たり1個以上3個未満
C … 欠陥数が100cm2当たり3個以上5個未満
D … 欠陥数が100cm2当たり5個以上
得られた遮光性カラーフィルタについて、光学顕微鏡観察(倍率1000倍)により剥がれの有無を観察し、下記評価基準に従って遮光性カラーフィルタの剥がれの評価を行った。
A … 露光量50mJ/cm2で形成された箇所に剥がれが無い。
B … 露光量50mJ/cm2で形成された箇所には剥がれがあるが、露光量200mJ/cm2で形成された箇所には剥がれが無い。
C … 露光量50mJ/cm2で形成された箇所、及び露光量200mJ/cm2で形成された箇所のいずれにおいても剥がれがある。
まず、上記感光性樹脂組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで500倍希釈し、希釈液の吸光度を測定し、吸光度(i)とした。
次に、上記感光性樹脂組成物を室温で1ヶ月静置した。
1ヶ月静置後、液面から2cmまでの感光性樹脂組成物をサンプリングした。サンプリングした感光性樹脂組成物を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで500倍希釈し、希釈液の吸光度を測定し、吸光度(ii)とした。
前記吸光度(i)及び前記吸光度(ii)から、1ヶ月静置前後における吸光度の変化率を求め、下記評価基準に従って経時安定性(保存安定性)を評価した。
A … 吸光度の変化率が3%未満であった。
B … 吸光度の変化率が3%以上10%未満であった。
C … 吸光度の変化率が10%以上であった。
分散時溶剤1の種類、分散時溶剤2の種類、分散剤の種類、組成物調製時溶剤1の種類、組成物調製時溶剤2の種類、及び光重合開始剤の種類を、下記表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作製した。
得られた感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてパターン構造物付きウエハ上に遮光性カラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
組成物調製時溶剤2を用いず、組成物調製時溶剤1の量を35部に変更したこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作製した。
得られた感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてパターン構造物付きウエハ上に遮光性カラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
一段目の分散処理において、分散時溶剤2を用いず、かつ分散時溶剤1の量を650部に変更したこと、及び、二段目の分散処理において、分散時溶剤2を用いず、かつ分散時溶剤1の量を180部に変更したこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作製した。
得られた感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてパターン構造物付きウエハ上に遮光性カラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
一段目の分散処理において、分散時溶剤2を用いず、かつ分散時溶剤1の量を650部に変更したこと、二段目の分散処理において、分散時溶剤2を用いず、かつ分散時溶剤1の量を180部に変更したこと、及び、感光性樹脂組成物の調製において、組成物調製時溶剤2を用いず、かつ組成物調製時溶剤1の量を35部に変更したこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作製した。
得られた感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてパターン構造物付きウエハ上に遮光性カラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
一段目の分散処理において、一段目分散剤の量を170部、分散時溶剤1の量を766部、分散時溶剤2の量を64部、にそれぞれ変更したこと、及び、二段目の分散処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作製した。
得られた感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてパターン構造物付きウエハ上に遮光性カラーフィルタを作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
一段目の分散処理において、一段目分散剤の量を170部、分散時溶剤1の量を830部、にそれぞれ変更し、かつ分散時溶剤2を用いなかったこと、二段目の分散処理を行わなかったこと、及び、感光性樹脂組成物の調製において組成物調製時溶剤2を用いずかつ組成物調製時溶剤1の量を35部に変更したこと以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を作製した。
下記表2中、「化合物(VI)」は、下記トリアジン系光重合開始剤(化合物(VI))である。
下記表2中、「IRG369」は、下記アミノアルキルフェノン系光重合開始剤(イルガキュア369)である。
下記表2中、「K−2」は、既述のK−2で表されるオキシム系光重合開始剤である。
・「PGMEA」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表し、「PGME」はプロピレングリコールモノメチルエーテルを表す。
Claims (9)
- チタンブラックと、分散剤と、樹脂と、重合性化合物と、光重合開始剤と、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種と、芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種と、を含有する感光性樹脂組成物を製造する過程で、
チタンブラック及び分散剤を含む混合液に対し、該チタンブラックの体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となるまで分散処理を行い、
前記分散処理して得られた分散液に、更に分散剤を添加して分散処理を行う感光性樹脂組成物の製造方法。 - 前記混合液が、プロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤及びプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記芳香族系溶剤及びケトン系溶剤から選択される少なくとも1種が、脂肪族ケトン系溶剤から選択される少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の製造方法によって製造された感光性樹脂組成物。
- 固体撮像素子用の遮光性カラーフィルタの形成に用いられる請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体上に、請求項5又は請求項6に記載の感光性樹脂組成物を塗布して感光性層を形成する工程と、
前記感光性層をパターン状に露光する工程と、
露光後の前記感光性層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を有する遮光性カラーフィルタの製造方法。 - 請求項7に記載の遮光性カラーフィルタの製造方法によって製造された遮光性カラーフィルタ。
- 請求項8に記載の遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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