JP2010197484A - 眼鏡レンズの設計方法および製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズの設計方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個人の視覚動作に対応し、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズの設計方法およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】裸眼の対象者が物体nを見た際に動かす頭部の回転角度を測定し(ステップS2)、裸眼での視覚動作指数Mを算出する(ステップS3)。次に、得られた視覚動作指数Mに基づいてレンズを仮設計し、仮設計されたレンズを介して物体nが見える方向をシミュレートする(ステップS5)。そして、ステップS5で得られた角度に基づいて視覚動作指数Mを補正する(ステップS6)。この補正は、視覚動作指数が収束するまで実行される。
【選択図】図1

Description

本発明は、個人の視覚動作に応じた眼鏡レンズの設計方法および製造方法に関する。
人には物を見る際に癖があり、側方あるいは上下方を見る際に、頭を回転させたり目を回転させたりする(以降、視覚動作という)。このような頭の回転角度や目の回転角度は個人に特有のものであり、このような個人の視覚動作に対応した眼鏡レンズの設計方法が種々提案されている(例えば、特許文献1〜5)。
特表2008−521027号公報 特表2008−511033号公報 特開2007−256957号公報 特開2007−241276号公報 特表2003−523244号公報
しかしながら、特許文献1〜5においては、個人の視覚動作に合わせてレンズ設計を行っているものの、眼鏡レンズを介して物体を見る際のプリズム作用が考慮されていない。
眼鏡レンズは処方または設計により倍率が異なり、そのプリズム作用によりある物体を裸眼で見る場合と眼鏡レンズを介して見る場合とで物体の見える位置が異なる。例えば、凸レンズを介して物体を見るとき、実際に物体がある方向よりもレンズの中心側に見える。また、凹レンズの場合は、実際に物体がある方向よりもレンズの外側に見える。
このように、レンズのプリズム作用により物体の見える位置が異なるため、人が眼鏡レンズを介して物体を見る際に頭部を回転させる角度は、裸眼で物体を見る際の頭部の回転角度とは異なってくる。例えば、上述の凸レンズを介して物体を見る場合は、裸眼で物体を見る場合に比べて頭部の回転角度が大きくなり、上述の凹レンズを介して物体を見る場合は、裸眼で物体を見る場合に比べて頭部の回転角度が小さくなる傾向にある。また、左右の眼でレンズの処方が異なる場合は、物体を見るときに眼球を回転させると両眼の回転角度に差が生じるため、この差を減少させるために頭部を大きく回転させる傾向にある。
すなわち、個人の視覚動作は、眼鏡レンズのプリズム作用とも深く関わっているため、特許文献1〜5に記載された方法では、頭部の回転角度とレンズ設計とを正確に関連付けることが難しい。その結果、使用者が快適かつ満足のいく眼鏡レンズを得られない場合がある。
本発明の目的は、個人の視覚動作に対応し、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズの設計方法および製造方法を提供することである。
本発明の眼鏡レンズの設計方法は、眼鏡レンズの設計方法であって、裸眼の状態で、人が正面方向を見ていたときの頭部の方向と、前記人の正面方向と角度をなす方向にある物体を前記人が見るときの頭部の方向と、のなす角度を測定し、以下の式(1)により視覚動作指数Mを算出する初期値算出ステップと、前記視覚動作指数に基づいて眼鏡レンズを仮設計する仮設計ステップと、前記仮設計された眼鏡レンズを着用した状態での視覚動作をシミュレートし、このシミュレート結果に基づいて前記視覚動作指数を補正する補正処理ステップと、を備えたことを特徴とする。
Figure 2010197484
式(1)中、αは前記人の正面方向と実際に物体がある方向とがなす角度、βは前記人が裸眼で物体を見たときの頭部の回転角度、nは各物体を示す数値である。
ここで、視覚動作とは、人が物体を見る際に頭部または眼を回転させることを言い、物体を見るときの頭部の回転角度や眼の回転角度を測定することができる。また、視覚動作指数は、人が物体を見る時に頭部および眼をどの程度動かしているかを表す指標である。
眼鏡レンズはその処方によって倍率が異なるため、プリズム作用により物体の見える方向が異なる。したがって、裸眼の状態と眼鏡レンズを着用した状態とでは、その視覚動作指数が異なってくる。
この発明では、まず、裸眼での視覚動作の程度を視覚動作指数として算出し、この視覚動作指数に基づいて眼鏡レンズを仮設計する。そして、仮設計された眼鏡レンズを着用したときの視覚動作の程度に基づいて、視覚動作指数を補正する。
したがって、裸眼の状態での視覚動作と処方する眼鏡レンズを着用した状態での視覚動作とを考慮して眼鏡レンズの設計を行う。すなわち、眼鏡レンズのプリズム作用に応じて変化する視覚動作にも対応している。これによれば、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズを設計することができる。
本発明の眼鏡レンズの設計方法において、前記補正処理ステップは、前記視覚動作指数Mが収束するまで実行されることが好ましい。
ここで、収束とは、補正された視覚動作指数Mが所定範囲内に収まることをいう。
この発明によれば、裸眼での視覚動作と処方する眼鏡レンズを着用したときの視覚動作に差がある場合でも、眼鏡レンズを着用した状態での視覚動作に対応した設計を行うことができる。すなわち、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズを設計することができる。
本発明の眼鏡レンズの設計方法において、前記補正処理ステップは、以下の式(2)により前記視覚動作指数Mを補正することが好ましい。
Figure 2010197484
式(2)中、M'は補正後の視覚動作指数、αは前記人の正面方向と実際に物体がある方向とがなす角度、α'nLは前記人の正面方向と前記人の左眼が眼鏡レンズを介して物体が見える方向とがなす角度、α'nRは前記人の正面方向と前記人の右眼が眼鏡レンズを介して物体が見える方向とがなす角度、α'はα'nLおよびα'nRのうち前記人の利き目に該当する値、nは各物体を示す数値である。
この発明によれば、前述と同様に、裸眼の状態での視覚動作の程度を測定することによって、眼鏡レンズを着用した状態での視覚動作に対応した眼鏡レンズを設計することができるため、個人がより快適に着用できる眼鏡レンズを提供することができる。
本発明の眼鏡レンズの製造方法は、前述の眼鏡レンズの設計方法に基づくことを特徴とする。
この発明によれば、前述の設計方法で決定された設計に基づいて眼鏡レンズを製造するので、前述と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の実施形態にかかる眼鏡レンズの設計方法を示すフローチャート。 前記実施形態において対象者と物体との位置関係を示す説明図。 前記実施形態において対象者が物体を見た際の位置関係を示す説明図。 前記実施形態において視覚動作指数とレンズ設計との関係を示す対応図。 前記実施形態において対象者がレンズを介して物体を見た際の状態を示す説明図。 前記実施形態において補正前のレンズ設計の状態を示す収差図。 前記実施形態において補正後のレンズ設計の状態を示す収差図。
以下、本発明の一実施形態である眼鏡レンズの設計方法を図1に示すフローチャートに従って説明する。
本実施形態では、眼鏡レンズとして、累進屈折力レンズを用いる。累進屈折力レンズは、屈折力の異なる2つの屈折領域と、これら屈折領域間で屈折力(度数)が累進的に変化する累進領域とを備えた非球面レンズである。
(1.眼鏡レンズの設計方法)
まず、図2に示すように、対象者10の左前方に物体1、対象者10の右前方に物体2をそれぞれ配置する。対象者の正面方向を基準点20とすると、対象者10と基準点20とを結ぶ直線の方向と、対象者10と物体1とを結ぶ直線の方向とがなす角度をα、対象者10と基準点20とを結ぶ直線の方向と、対象者10と物体2とを結ぶ直線の方向とがなす角度をαとする(ステップS1)。
次に、図3に示すように、裸眼の対象者10が物体1を見た際に動かす頭部の回転角度βを測定する。同様にして、裸眼の対象者10が物体2を見た際に動かす頭部の回転角度β(図示しない)を測定する。このようにして、対象者10が裸眼で物体を見た際の頭部の回転角度が得られる(ステップS2)。
そして、上述のステップS1およびステップS2で得られた角度に基づいて、裸眼での視覚動作指数Mを以下の式(1)で算出する(ステップS3)。ここで、視覚動作指数とは、人が物体を見るときの癖を指標化したものであり、頭部の回転角度および眼の回転角度の程度を示す指標である。
Figure 2010197484
上記式(1)中、nは各物体を示す数値である。
視覚動作指数Mは各物体について算出され、全ての物体の視覚動作指数Mの平均値Mを算出し、このMを視覚動作指数として用いる。本実施形態では、n=1の場合は物体1を示し、n=2の場合は物体2を示す。
そして、得られた視覚動作指数Mに基づいてレンズを仮設計し、この仮設計に基づいてレンズ30を製造する(ステップS4)。
ここで、レンズ設計について説明する。レンズを設計するには、図4に示すように、視覚動作指数Mとレンズの設計内容とを予め対応付けておく。レンズ設計は、ハード設計41、ソフト設計42、またはハード設計41とソフト設計42のバランスをとったバランス設計43となる。ハード設計41は、眼の回転角度が大きい人(アイムーバー、EM)に適し、視野の広い設計となっている。ソフト設計は、頭部の回転角度が大きい人(ヘッドムーバー、HM)に適し、ゆれの少ない設計となっている。図4に示すように、視覚動作指数Mが0.0の場合はハード設計41となり、視覚動作指数Mが1.0の場合はソフト設計42となり、視覚動作指数Mが0.5の場合はバランス設計43となる。なお、図4には、3段階の設計しか示していないが、視覚動作指数Mが0.0から1.0の間で連続的あるいは多段階的に設計が用意されるものである。したがって、用意されたレンズ設計の中から、得られた視覚動作指数Mの値に対応するレンズ設計を決定することができる。
レンズを製造する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、半製品などのガラスまたはポリマー材の機械加工、射出または注型などによる鋳造、あるいは機械加工と鋳造との組み合わせが挙げられる。
次に、対象者10が仮設計されたレンズ30を着用した状態を光線追跡法によりシミュレートする。すなわち、対象者10がレンズ30を着用した際に、物体1および物体2が見える方向を計算する(ステップS5)。図5に示すように、対象者10の左眼がレンズ30を介して物体1が見える方向と基準点20の方向とがなす角度をα'1L、対象者10の右眼がレンズ30を介して物体1が見える方向と基準点20の方向とがなす角度をα'1Rとする。
そして、ステップS5で得られた角度に基づいて、レンズ30を着用した場合の視覚動作指数M'を以下の式(2)で算出する(ステップS6)。
Figure 2010197484
上記式(2)中、nは各物体を示す。本実施形態では、nは1または2である。また、α'は、α'nLおよびα'nRのうち利き目の方向の角度が適用される。すなわち、利き目が右である場合は、α'=α'nRとなる。
視覚動作指数M'は各物体について算出され、全ての物体の視覚動作指数M'の平均値M'を算出し、このM'を補正後の視覚動作指数として用いる。
次に、得られた視覚動作指数M'が所定の範囲内に収束しているか否かを判定する(ステップS7)。所定の範囲内とは、レンズ設計の精度に応じて任意に設定可能なものであるが、例えば、0.05以内とすることができる。
ここでは、裸眼での視覚動作指数Mとレンズ30を介して得られた視覚動作指数M'との差が0.05以内であるか否かを判定する。差が0.05以内であればYesとなり計算を終了する。
裸眼での視覚動作指数Mとレンズ30を介して得られた視覚動作指数M'との差が0.05を超える場合はステップS4に戻り、ステップS6で得られた視覚動作指数M'に基づいてレンズを再度仮設計し、この仮設計に基づいてレンズ31を製造する。そして、前述と同様に、レンズ31を介して物体1および2が見える方向を計算し、上述の式(2)により新たな視覚動作指数M'を算出する。このとき、式(2)中のMは常に裸眼での視覚動作指数Mが用いられる。
このように、視覚動作指数M'が収束するまでステップS4〜ステップS7を繰り返すことによって最適なレンズを設計することができる。
そして、このようにして得られたレンズ設計に基づいて公知の方法で眼鏡レンズを製造し、対象者10に最適な眼鏡レンズを提供することができる。
(2.実施例)
上述の設計方法に基づいた計算の例を以下に説明する。ここでは、設計されるレンズがマイナスレンズ(凹レンズ)の場合とプラスレンズ(凸レンズ)の場合のそれぞれについて例示する。なお、2例に共通する各種条件は以下の通りである。
物体の数:2個(左前方:物体1、右前方:物体2)
対象者の利き目:右
対象者を介して基準点の方向と各物体の方向とがなす指標角度:α=α=40°
対象者が物体1および2を見る際の頭部の回転角度:β=β=20°
視覚動作指数は、MとMの平均値Mを用いて設計を行う。
許容範囲:視覚動作指数Mの変化が0.05以内
上述の条件から裸眼の対象者(補正前)の視覚動作指数を計算すると、M=0.50である。
(2−1.マイナスレンズの場合)
以下の処方のマイナスレンズを設計した。
R:S−5.00 C0.00 add2.00
L:S−5.00 C0.00 add2.00
補正前の視覚動作指数M=0.50に基づいて、図4に示す対応図からレンズ設計をバランス設計43に決定した。ここで決定されたバランス設計43の詳細な収差図は図6に示す通りである。
光線追跡法によるシミュレートにより、レンズ30を介して物体1が見える角度を計算したところ、左眼から物体1を見たときの角度α'1Lおよび右眼から物体1を見たときの角度α'1Rは以下の通りであった。
α'1L=34°
α'1R=34°
この計算結果を本実施形態における式(2)に適用して得られた視覚動作指数は、M'=0.43であった。
同様にして、左眼から物体2を見たときの角度α'2Lおよび右眼から物体2を見たときの角度α'2Rは以下の通りであった。
α'2L=34°
α'2R=34°
この計算結果を本実施形態における式(2)に適用して得られた視覚動作指数は、M'=0.43であった。
以上より、M'およびM'の平均値を算出すると、M'=0.43である。
この値を補正前の視覚動作指数M(0.50)と比較すると許容範囲(0.05以内)を超えているので、再度レンズ設計を行う。
前回のレンズ設計時に得られた視覚動作指数M'に基づいて、図4に示す対応図から適したレンズ設計を決定した。ここで決定されたレンズの詳細な収差図を図7に示す。
前回と同様にして、左眼から物体1を見たときの角度α''1Lおよび右眼から物体1を見たときの角度α''1Rを計算した。
α''1L=33°
α''1R=33°
この計算結果を本実施形態における式(2)に適用して得られた視覚動作指数は、M''=0.41であった。
また、左眼から物体2を見たときの角度α''2Lおよび右眼から物体2を見たときの角度α''2Rを計算した。
α''2L=33°
α''2R=33°
この計算結果を本実施形態における式(2)に適用して得られた視覚動作指数は、M''=0.41であった。
以上より、M''およびM''の平均値を算出すると、M''=0.41である。
このようにして得られた値を視覚動作指数M'=0.43と比較すると、M'の値とM''の値の差が0.02となり、0.05以下で許容範囲内であるので、レンズ設計を終了した。
ここで、図6および図7を比較すると、補正後のレンズ設計である図7はよりハード設計に近い設計となった。これは、マイナスレンズの倍率やプリズム作用が考慮された補正が行われたためである。
(2−2.プラスレンズの場合)
以下の処方のプラスレンズを設計した。
R:S+4.25 C0.00 add2.00
L:S+4.25 C0.00 add2.00
マイナスレンズの場合と同様にして、補正前の視覚動作指数M=0.50に基づいて、図4に示す対応図からレンズ設計を決定した。
光線追跡法のシミュレートにより、レンズを介して物体1が見える角度を計算したところ、左眼から物体1を見たときの角度α'1Lおよび右眼から物体1を見たときの角度α'1Rは以下の通りであった。
α'1L=42°
α'1R=42°
この計算結果を本実施形態における式(2)に適用して得られた視覚動作指数は、M'=0.53であった。
同様にして、左眼から物体2を見たときの角度α'2Lおよび右眼から物体2を見たときの角度α'2Rは以下の通りであった。
α'2L=42°
α'2R=42°
この計算結果を本実施形態における式(2)に適用して得られた視覚動作指数は、M'=0.53であった。
以上より、M'およびM'の平均値を算出すると、M'=0.53である。
このようにして得られた値を視覚動作指数M(0.50)と比較すると許容範囲内(0.05以内)であるので、ここでレンズ設計を終了する。
(3.本実施形態の作用効果)
以上のような本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
本実施形態では、視覚動作指数Mを用いてレンズ設計を行った。視覚動作指数は、人が物を見る癖を指標化したものであり、物体を見る際に頭部または眼を回転させる程度を表す。したがって、このような視覚動作指数を用いてレンズ設計を行うことにより、対象者10の癖に対応したレンズを設計することができる。
また、対象者10の裸眼による視覚動作指数Mに基づいて仮設計したレンズ30を着用し、対象者10がレンズ30を介して物体が見える方向を加味した上述の式(2)により視覚動作指数Mを補正して新たな視覚動作指数M'を算出した。そして、この視覚動作指数M'に基づいたレンズ31を設計した。
レンズにはプリズム作用があるため、実際の物体の方向とは異なる方向に物体が見える。したがって、裸眼での視覚動作とレンズ着用時の視覚動作とにはずれが生じるが、本実施形態では、上述のようにこのプリズム作用を考慮した補正を行う。すなわち、対象者10がレンズを着用した際の視覚動作に応じたレンズ設計を行うことができるので、対象者10が快適に着用できる眼鏡レンズを提供することができる。
さらに、本実施形態では、上述の視覚動作指数M'が収束するまで繰り返し補正を行う。これは、眼鏡レンズ、とりわけ累進屈折力レンズは処方が同一であっても設計が異なればそのプリズム作用が異なるため、最終的に処方されるレンズ設計で視覚動作指数Mを補正する必要があるためである。
収束した視覚動作指数M’に基づいてレンズ設計を行うことにより、より快適に着用できる眼鏡レンズを提供することができる。
(4.変形例)
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、対象者10の左前方に物体1、右前方に物体2を配置したが、物体の数および位置はこれに限られない。より多くの物体を様々な位置に配置してもよい。これによれば、得られるデータ数が増えることでデータの信頼性が高まり、より対象者10に適した眼鏡レンズを設計することができる。
また、上述の実施形態では、2つの物体1および2について視覚動作指数M、M'をそれぞれ算出し、これらの平均値である視覚動作指数M、M'を用いて計算を行ったが、平均値を用いずに各物体についての視覚動作指数M、M'をそれぞれレンズ設計に反映させてもよい。例えば、対象者10が物体を見る方向に応じてレンズ30の左半面にはハード設計、右半面にはソフト設計を施すこともできる。
これによれば、レンズ30の各点における設計を最適化できるため、対象者10にとってより快適なレンズを設計することができる。
さらに、上述の実施形態では、対象者10の視覚動作およびレンズのプリズム作用を関連付ける指標として、上述の式(1)および(2)で表される視覚動作指数MおよびM'を用いたが、視覚動作指数MおよびM'は上述の式(1)および(2)に限られない。対象者10の視覚動作およびレンズのプリズム作用をレンズ設計に関連付けられる指標であればよい。
例えば、上述の実施形態では、視覚動作指数として対象者10の頭部の回転角度に基づいた値を使用したが、対象者10と物体1および2との距離が小さい場合は、対象者10の頭部の回転中心と眼の位置関係に基づいた値を視覚動作指数の算出に用いてもよい。この場合、対象者10の正面方向と対象者10と物体1とを結ぶ直線の方向とがなす角度α(図5参照)を用いて、左右のそれぞれの眼の正面方向と左右のそれぞれの眼と物体1とを結ぶ直線の方向とがなす角度を算出する。例えば、左眼を基準にして得られる角度をα1L、右眼を基準にして得られる角度をα1Rとすると、以下の式(3)および(4)により算出することができる。
Figure 2010197484
上記式(3)および(4)中、lは頭部の回転中心、rは頭部の半径、PDは瞳孔間距離である。そして、α1Lおよびα1Rを用いて光線追跡を行い、上述の実施形態と同様に視覚動作指数M'を算出し、レンズ設計を行う。
これによれば、対象者10と物体1および2との距離が小さい場合は頭部の回転角度が小さいため、頭部の回転中心と眼の位置関係に基づいた値を用いることでデータの信頼性をより向上させることができる。
1、2…物体、10…対象者、20…基準点、30、31…レンズ。

Claims (4)

  1. 眼鏡レンズの設計方法であって、
    裸眼の状態で、人が正面方向を見ていたときの頭部の方向と、前記人の正面方向と角度をなす方向にある物体を前記人が見るときの頭部の方向と、のなす角度を測定し、以下の式(1)により視覚動作指数Mを算出する初期値算出ステップと、
    前記視覚動作指数に基づいて眼鏡レンズを仮設計する仮設計ステップと、
    前記仮設計された眼鏡レンズを着用した状態での視覚動作をシミュレートし、このシミュレート結果に基づいて前記視覚動作指数を補正する補正処理ステップと、を備えた
    ことを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
    Figure 2010197484

    (式(1)中、αは前記人の正面方向と実際に物体がある方向とがなす角度、βは前記人が裸眼で物体を見たときの頭部の回転角度、nは各物体を示す。)
  2. 請求項1に記載の眼鏡レンズの設計方法において、
    前記補正処理ステップは、前記視覚動作指数Mが収束するまで実行される
    ことを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の眼鏡レンズの設計方法において、
    前記補正処理ステップは、以下の式(2)により前記視覚動作指数Mを補正する
    ことを特徴とする眼鏡レンズの設計方法。
    Figure 2010197484

    (式(2)中、M'は補正後の視覚動作指数、αは前記人の正面方向と実際に物体がある方向とがなす角度、α'nLは前記人の正面方向と前記人の左眼が眼鏡レンズを介して物体が見える方向とがなす角度、α'nRは前記人の正面方向と前記人の右眼が眼鏡レンズを介して物体が見える方向とがなす角度、α'はα'nLおよびα'nRのうち前記人の利き目に該当する値、nは各物体を示す。)
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の眼鏡レンズの設計方法に基づくことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
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