JP2010197471A - 表示媒体用粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】残留モノマーを必要限度以下にすることにより、高温時にも凝集を引き起こさずに、所定の品質を維持する事ができる表示媒体用粒子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、表示媒体用粒子が、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子を含み、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残留量が25000ppm以下であるものを用いて、情報表示用パネルにおいて所望の表示品質を発現する表示媒体用粒子を得た。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、表示媒体用粒子が、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子を含み、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残留量が25000ppm以下であるものを用いて、情報表示用パネルにおいて所望の表示品質を発現する表示媒体用粒子を得た。
【選択図】図1
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子に関するものである。
従来より、液晶表示装置(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリ機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に、最近では、分散粒子と着色溶液とから成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報表示の繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方式は、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表示書き換えや表示状態の安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている。このような電界により表示媒体を移動させて画像等の情報を表示するタイプの情報表示用パネルでは、移動のし易さを考慮して、表示媒体の粒子径は1〜50μm程度であり、表示媒体が有する帯電性の正負の性格付けおよび帯電量の確保が容易になることから、結着樹脂としてアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂を表示媒体用粒子材料として使用している。そのような表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)の製造方法としては、工程の簡素化や低消費エネルギー化のために、あるいは、目的の粒子径を直接得るために、粉砕法を用いる製造方法よりも、湿式法を用いる製造方法の方が効果的であり、さらの湿式法の中でも懸濁重合を用いる製造方法が効果的である。
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"、p.249-252
モノマーを重合して結着樹脂を得る湿式法を用いた場合、反応しきれなかったモノマーが一定の割合で残留してしまうため、このような粒子を表示媒体用粒子として情報表示用パネルに使用した場合には、高温時(例えば40℃のとき)に粒子から揮発した残留モノマーが粒子の凝集を引き起こして、表示品質を劣化させるおそれがある。
本発明は、残留モノマーを除去することにより、高温時にも凝集を引き起こさない表示媒体用粒子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、表示媒体用粒子が、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子を含み、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残留量が25000ppm以下であることを特徴とする。
上記本発明の表示媒体用粒子によれば、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子が、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子を含み、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残留量が25000ppm以下であるので、この表示媒体用粒子は残留モノマーが必要最低限度以下に除去されたものとなる。したがって、高温時にも凝集を引き起こさずに、品質の劣化を防ぐ事ができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の表示媒体用粒子よりなる表示媒体を用いる情報表示用パネルの構成について説明する。本発明の情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の表示媒体用粒子よりなる表示媒体を用いる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とが対向して形成する画素電極対に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示を、白黒ドットでマトリックス表示している。ここでは、画素(ドット)とセルとを対応させているが、対応させなくてもよい。なお、図1(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板2に設けたライン電極6と基板1に設けたライン電極5とが対向直交交差して形成する画素電極対に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。各画素の表示媒体の移動のさせ方で白黒ドット表示を行える。なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。
以下、本発明の特徴となる表示媒体用粒子を詳細に説明する。本発明の表示媒体用粒子は、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)の情報表示用パネルに適用することができ、上記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。この表示媒体用粒子としては、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子であり、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残分が25000ppm以下であるものを用いている。
ここで、表示媒体用粒子のモノマー残分の測定方法は以下の通りである。
測定に用いる乾燥した粒子3g(サンプル)に対し30gのメタノールを添加し約18時間室温で放置する。この液をろ別した後、キャピラリーカラムDB−6[0.25mm×30m、膜厚0.25μm]:Agilent tec.社製を用いて、インジェクト温度200℃、ディテクター温度250℃にて、ガスクロマトグラフィーGC2010:島津製作所製にて測定する。事前に準備していた、メタノール中に分散した約5000rpmのスチレンおよびエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の標準液を同一条件下で測定を行い、検出されたピーク面積の比率から表示媒体用粒子中のモノマー残分を求める。
モノマー残分=(A×G×J)/(F×H)+(B×G×K)/(F×I)
ここで、A:標準液のスチレン濃度(ppm)
B:標準液のEGDMA濃度(ppm)
F:秤量したサンプルの重量(g)
G:秤量したメタノールの重量(g)
H:測定した標準液のスチレンのピーク面積
I:測定した標準液のEGDMAのピーク面積
J:測定したサンプルのスチレンのピーク面積
K:測定したサンプルのEGDMAのピーク面積
測定に用いる乾燥した粒子3g(サンプル)に対し30gのメタノールを添加し約18時間室温で放置する。この液をろ別した後、キャピラリーカラムDB−6[0.25mm×30m、膜厚0.25μm]:Agilent tec.社製を用いて、インジェクト温度200℃、ディテクター温度250℃にて、ガスクロマトグラフィーGC2010:島津製作所製にて測定する。事前に準備していた、メタノール中に分散した約5000rpmのスチレンおよびエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の標準液を同一条件下で測定を行い、検出されたピーク面積の比率から表示媒体用粒子中のモノマー残分を求める。
モノマー残分=(A×G×J)/(F×H)+(B×G×K)/(F×I)
ここで、A:標準液のスチレン濃度(ppm)
B:標準液のEGDMA濃度(ppm)
F:秤量したサンプルの重量(g)
G:秤量したメタノールの重量(g)
H:測定した標準液のスチレンのピーク面積
I:測定した標準液のEGDMAのピーク面積
J:測定したサンプルのスチレンのピーク面積
K:測定したサンプルのEGDMAのピーク面積
その際、表示媒体用粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上、もしくは観察されないこと、表示媒体用粒子の平均粒子径が1〜50μmであること、キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記表示媒体用粒子の帯電量が絶対値で10〜100μC/gであること、が好ましい。
本発明の表示媒体用粒子によれば、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)の情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子が、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子であり、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残分が25000ppm以下であるものであるから、この表示媒体用粒子は残留モノマーが必要最低限度適切に除去されたものとなり、高温時にも凝集を引き起こさずに、所定の品質を維持する事ができる。
以下、本発明の表示媒体用粒子からなる表示媒体を用いる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、前記ポリマーシートによって被覆された金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
必要に応じて基板に設ける電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウム、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば、圧延銅箔などがある)、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側であり透明である必要のある表示面側基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要はない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmで設けられる。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
必要に応じて基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。基板間ギャップ確保用として設ける隔壁の高さは、本発明の情報表示用パネル外縁部に配置する基板間ギャップ確保用部材の高さと同じとし、10〜500μmにする。セル形成用の隔壁はこの10〜500μmの範囲内で形成されれば、基板間ギャップよりも低い隔壁としてもよい。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示画像の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示画像の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)の基本的な構成について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。また、予め重合した樹脂を使用してもよいし、粒子形成の際に重合して樹脂としてもよい。さらに、重合時に複数種の樹脂原料を用いて共重合体としてもよい。特に、基板との付着力を制御する観点と、懸濁重合の容易さから、アクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体、負帯電官能基を有するスチレンアクリル樹脂等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、正帯電官能基を有するスチレンアクリル樹脂等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明の表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1〜50μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
さらに本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を、気中空間で駆動する情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
後述する実施例、比較例では、パネル内空間を模して、密閉空間内に体積占有率30%で表示媒体用粒子を封入し、40℃で96時間放置後の粒子の凝集を評価した。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
後述する実施例、比較例では、パネル内空間を模して、密閉空間内に体積占有率30%で表示媒体用粒子を封入し、40℃で96時間放置後の粒子の凝集を評価した。
粒子を負または正に帯電させる方法は、特に限定されないが、コロナ放電法、電極注入法、摩擦法等の粒子を帯電する方法が用いられる。キャリアを用いてブローオフ法により測定した粒子の帯電量が絶対値で10〜100μC/gであることが好ましい。帯電量の絶対値がこの範囲より低いと、電界の変化に対する応答速度が遅くなり、メモリ性も低くなる。帯電量の絶対値がこの範囲より高いと、電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリ性はよいが、電界を反転した場合の表示媒体反転移動追随性が悪くなる。
本発明において、帯電量の測定は、以下によって行った。
<ブローオフ測定原理および測定方法>
ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に表示媒体用粒子とキャリアの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで表示媒体用粒子とキャリアとを分離し、網の目開きから表示媒体用粒子のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。このとき、表示媒体用粒子が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサは充電される。そこでコンデンサ両端の電位を測定することにより、表示媒体用粒子の電荷量Qは、
Q=CV(C;コンデンサ容量、V;コンデンサ両端の電圧)
として求められる。
ブローオフ表示媒体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB−200を用いた。本発明では、被測定粒子の帯電量測定にフェライト系キャリアを用いるが、情報表示用パネルに例えば正帯電性の表示媒体用粒子から構成される表示媒体と負帯電性の表示媒体用粒子から構成される表示媒体との2種類の表示媒体を組み合わせて用いる場合にそれぞれの表示媒体を構成する表示媒体用粒子の帯電量を測定するときには同一種類のキャリアを用いる。具体的には、キャリアとして同和鉄粉工業(株)製のDFC100リンクル(Mn−Mg含有フェライト系)を用いて粒子の帯電量(μC/g)を測定した。
本発明において、帯電量の測定は、以下によって行った。
<ブローオフ測定原理および測定方法>
ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に表示媒体用粒子とキャリアの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで表示媒体用粒子とキャリアとを分離し、網の目開きから表示媒体用粒子のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。このとき、表示媒体用粒子が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサは充電される。そこでコンデンサ両端の電位を測定することにより、表示媒体用粒子の電荷量Qは、
Q=CV(C;コンデンサ容量、V;コンデンサ両端の電圧)
として求められる。
ブローオフ表示媒体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB−200を用いた。本発明では、被測定粒子の帯電量測定にフェライト系キャリアを用いるが、情報表示用パネルに例えば正帯電性の表示媒体用粒子から構成される表示媒体と負帯電性の表示媒体用粒子から構成される表示媒体との2種類の表示媒体を組み合わせて用いる場合にそれぞれの表示媒体を構成する表示媒体用粒子の帯電量を測定するときには同一種類のキャリアを用いる。具体的には、キャリアとして同和鉄粉工業(株)製のDFC100リンクル(Mn−Mg含有フェライト系)を用いて粒子の帯電量(μC/g)を測定した。
粒子は、その帯電電荷を保持する必要があるので、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましく、特に体積固有抵抗が1×1012Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましい。また、電荷減衰性の遅い粒子がさらに好ましい。
以下、本発明の実施例および比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下記の方法にて作製した評価用の表示パネルを、下記の基準に従い、評価した。
<比較例1>
メチルメタクリレート55部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)45部、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)5.5部、正帯電のモノマー非溶解型荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)2.8部、を室温下、ビーズミルで分散させ、均一な重合性モノマー組成物を得た。
上記とは別に、イオン交換水250部に塩化マグネシウム9.9部を溶解した塩化マグネシウム水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しつつ徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
上述のようにして得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性モノマー組成物混合液を投入し、液滴が安定するまで撹拌を行った。次いで、重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名「パーブチルO」)3部を添加した後、15,000rpmで回転するエバラマイルダー(荏原製作所(株)製、商品名「MDN303V」)で30分間高剪断撹拌して、モノマー混合物の液滴を形成させた。
上述のようにして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、昇温を開始し、80℃で温度が一定になるように制御した。重合転化率が80%に達した後、さらに昇温し、90℃で4時間温度を維持し、その後、反応器を冷却し、着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上述のようにして得られた着色樹脂粒子の水分散液を撹拌しながら、pHが6になるまで硫酸を添加して着色樹脂粒子表面の水酸化マグネシウムを溶解した。次いで、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して水洗浄を行った。次いで、再度、脱水及び水洗浄を数回繰り返して行い、100℃、2時間、真空乾燥して、粒子1を正帯電の黒色粒子として得た。また、この粒子1のモノマー残分は27000ppmであった。この粒子1を40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集が観察された。
メチルメタクリレート55部、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)45部、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)5.5部、正帯電のモノマー非溶解型荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)2.8部、を室温下、ビーズミルで分散させ、均一な重合性モノマー組成物を得た。
上記とは別に、イオン交換水250部に塩化マグネシウム9.9部を溶解した塩化マグネシウム水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しつつ徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
上述のようにして得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性モノマー組成物混合液を投入し、液滴が安定するまで撹拌を行った。次いで、重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製、商品名「パーブチルO」)3部を添加した後、15,000rpmで回転するエバラマイルダー(荏原製作所(株)製、商品名「MDN303V」)で30分間高剪断撹拌して、モノマー混合物の液滴を形成させた。
上述のようにして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ、昇温を開始し、80℃で温度が一定になるように制御した。重合転化率が80%に達した後、さらに昇温し、90℃で4時間温度を維持し、その後、反応器を冷却し、着色樹脂粒子の水分散液を得た。
上述のようにして得られた着色樹脂粒子の水分散液を撹拌しながら、pHが6になるまで硫酸を添加して着色樹脂粒子表面の水酸化マグネシウムを溶解した。次いで、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して水洗浄を行った。次いで、再度、脱水及び水洗浄を数回繰り返して行い、100℃、2時間、真空乾燥して、粒子1を正帯電の黒色粒子として得た。また、この粒子1のモノマー残分は27000ppmであった。この粒子1を40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集が観察された。
<比較例2>
負帯電粒子としては、上記粒子1から、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)5.5部を酸化チタン(タイペークCR−50:石原産業製)78部に、ニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)2.8部を負帯電のモノマー非溶解型荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)4.8部に変更した以外は、同様の方法を用いて白色の粒子2を得た。また、この粒子2のモノマー残分は26000ppmであった。この粒子2を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集が観察された。
負帯電粒子としては、上記粒子1から、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)5.5部を酸化チタン(タイペークCR−50:石原産業製)78部に、ニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)2.8部を負帯電のモノマー非溶解型荷電制御剤としてフェノール系縮合物(ボントロンE89:オリエント化学製)4.8部に変更した以外は、同様の方法を用いて白色の粒子2を得た。また、この粒子2のモノマー残分は26000ppmであった。この粒子2を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集が観察された。
<比較例3>
比較例1と同様にして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ昇温を開始し90℃で温度が一定となるように4時間温度を維持した。その後、反応器を冷却し着色樹脂粒子の分散液を得た。得られた着色樹脂粒子の分散液を洗浄後、真空乾燥機にて60℃で1時間の乾燥を行った。着色粒子のモノマー残留量は、スチレン28300ppm、EGDMA300ppm、合計28600ppmであった。この粒子を30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集が観察された。
比較例1と同様にして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ昇温を開始し90℃で温度が一定となるように4時間温度を維持した。その後、反応器を冷却し着色樹脂粒子の分散液を得た。得られた着色樹脂粒子の分散液を洗浄後、真空乾燥機にて60℃で1時間の乾燥を行った。着色粒子のモノマー残留量は、スチレン28300ppm、EGDMA300ppm、合計28600ppmであった。この粒子を30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集が観察された。
<実施例1>
正帯電粒子として、上記比較例1の粒子1に対し、100℃で1時間の2次乾燥を行うことにより、黒色の粒子3を得た。また、この粒子3のモノマー残分は25000ppmであった。この粒子3を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集は観察されなかった。
正帯電粒子として、上記比較例1の粒子1に対し、100℃で1時間の2次乾燥を行うことにより、黒色の粒子3を得た。また、この粒子3のモノマー残分は25000ppmであった。この粒子3を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集は観察されなかった。
<実施例2>
負帯電粒子として、上記比較例2の粒子2に対し、100℃で1時間の2次乾燥を行うことにより、白色表示媒体用粒子である粒子4を得た。また、この粒子4のモノマー残分は24500ppmであった。この粒子4を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集は観察されなかった。
負帯電粒子として、上記比較例2の粒子2に対し、100℃で1時間の2次乾燥を行うことにより、白色表示媒体用粒子である粒子4を得た。また、この粒子4のモノマー残分は24500ppmであった。この粒子4を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集は観察されなかった。
<実施例3>
正帯電粒子として、上記比較例1の粒子1に対し、減圧下、50℃で12時間の2次乾燥を行うことにより、黒色の粒子5を得た。粒子5のモノマー残分は12000ppmであった。この粒子5を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集は観察されなかった。
正帯電粒子として、上記比較例1の粒子1に対し、減圧下、50℃で12時間の2次乾燥を行うことにより、黒色の粒子5を得た。粒子5のモノマー残分は12000ppmであった。この粒子5を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察した所、粒子同士の凝集は観察されなかった。
<実施例4>
負帯電粒子として、上記比較例2の粒子2に対し、減圧下、50℃で12時間の2次乾燥を行うことにより、白色の粒子6を得た。粒子6のモノマー残分は10000ppmであった。この粒子6を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集は観察されなかった。
負帯電粒子として、上記比較例2の粒子2に対し、減圧下、50℃で12時間の2次乾燥を行うことにより、白色の粒子6を得た。粒子6のモノマー残分は10000ppmであった。この粒子6を、30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集は観察されなかった。
<実施例5>
比較例1と同様にして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ昇温を開始し90℃で温度が一定となるように4時間温度を維持した。その後、反応器を冷却し着色樹脂粒子の分散液を得た。洗浄を行い40℃64時間乾燥を行った後、着色粒子のモノマー残留量を測定した。着色粒子のモノマー残留量は、スチレン6500ppm、EGDMA300ppm、合計6800ppmであった。キャリアを用いたブローオフ量は、24μC/gであった。この粒子を30%体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に、顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集は観察されなかった。電界に対する応答性を確認したところ、応答性も良好であった。
比較例1と同様にして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ昇温を開始し90℃で温度が一定となるように4時間温度を維持した。その後、反応器を冷却し着色樹脂粒子の分散液を得た。洗浄を行い40℃64時間乾燥を行った後、着色粒子のモノマー残留量を測定した。着色粒子のモノマー残留量は、スチレン6500ppm、EGDMA300ppm、合計6800ppmであった。キャリアを用いたブローオフ量は、24μC/gであった。この粒子を30%体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後に、顕微鏡観察したところ、粒子同士の凝集は観察されなかった。電界に対する応答性を確認したところ、応答性も良好であった。
<実施例6>
比較例1と同様にして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ昇温を開始し90℃で温度が一定となるように4時間温度を維持した。その後、反応器を冷却し着色樹脂粒子の分散液を得た。洗浄を行い60℃8時間真空乾燥を行った後、着色粒子のモノマー残留量を測定した。着色粒子のモノマー残留量は、スチレン9500ppm、EGDMA400ppm、合計9900ppmであった。キャリアを用いたブローオフ量は、20μC/gであった。この粒子を30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後、顕微鏡観察したところ粒子同士の凝集は観察されなかった。電界に対する応答性を確認したところ、応答性も良好であった。
比較例1と同様にして得られたモノマー混合物の水分散液を、撹拌翼を装着した反応器に入れ昇温を開始し90℃で温度が一定となるように4時間温度を維持した。その後、反応器を冷却し着色樹脂粒子の分散液を得た。洗浄を行い60℃8時間真空乾燥を行った後、着色粒子のモノマー残留量を測定した。着色粒子のモノマー残留量は、スチレン9500ppm、EGDMA400ppm、合計9900ppmであった。キャリアを用いたブローオフ量は、20μC/gであった。この粒子を30%の体積占有率で密閉空間内で封入し、40℃の高温環境に96時間置いた後、顕微鏡観察したところ粒子同士の凝集は観察されなかった。電界に対する応答性を確認したところ、応答性も良好であった。
本発明の表示媒体用粒子よりなる表示媒体は、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants )と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence 、Point Of Purchase advertising )、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部を構成する情報表示用パネルに好適に用いられる他、外部電界形成手段を用いて書き換えを行う情報表示用パネル(いわゆるリライタブルペーパー)にも好適に用いられる。
1、2 基板
3W 白色表示媒体
3Wa 負帯電性白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 正帯電性黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
3W 白色表示媒体
3Wa 負帯電性白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 正帯電性黒色粒子
4 隔壁
5、6 電極
Claims (1)
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、表示媒体用粒子が、湿式法により得られる、結着樹脂、添加剤及び着色剤を含有する重合体粒子を含み、該結着樹脂の原料であるモノマーの一部もしくは全部が架橋性モノマーで、該表示媒体用粒子のモノマー残留量が25000ppm以下であることを特徴とする表示媒体用粒子。
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