JP2010196670A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジエータとエンジンとの間を循環する主流路とバイパス流路が連通する部位に備えられ、サーモスタットを冷却水が通過するときに生じる渦などの乱流を最小限に抑制し、冷却水路の通水抵抗を低減できるエンジンの冷却装置とすること。
【解決手段】主流路1の開閉口部13と、バイパス流路のバイパス開口部41と、流入口部22と流出口部23とが形成された感温室24を有し且つ前記主流路1の内周側面より形成されたバルブ収納部Aと、開閉口部13を開閉する主弁53と,バイパス開口部41を開閉するバイパス弁54と,いずれか一方のみを閉鎖し他方のみを開放するエレメント51を有するサーモスタットバルブ5とからなること。エレメント51は感温室24に収納され、バルブ収納部Aの主流路1内周側面寄りは膨出ベース部3とし、該膨出ベース部3の縦断側面及び横断平面の外形は流れ方向に沿って次第に小さくなる略流線形状とすること。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの冷却水循環回路において、ラジエータとエンジンとの間を循環する主流路に、ラジエータを迂回してエンジン内を循環するバイパス流路が連通する部位に備えられ、冷却水の温度変化を感知して、流動方向を制御するサーモスタットを冷却水が通過するときに生じる渦などの乱流を最小限に抑制することにより、冷却水路の通水抵抗を低減できるエンジンの冷却装置に関する。
自動車等の車両には、エンジンの冷却水をラジエータとエンジンとの間で循環させる冷却水回路が備わっている。この冷却水回路における冷却水の温度変化によりエンジン冷却水の流れ方向を切換えて冷却水温度を制御する役目をなすサーモスタットが取り付けられている。このサーモスタットの役目は、冷却水を適正な温度に維持し、さらにエンジンの暖機時間を短縮し、自動車室内のヒータの効き始める時間を短縮する役目をなす。
近年、サーモスタットには、電磁バルブなどによるものが考案されているが、構造が複雑で部品点数が多くコスト高となるため、普及は進んでいない。一方ワックスエレメント方式は、構造が簡素で故障が少なくコストも安価であるため、現在もサーモスタットの主流となっている。
このエレメントには、作動部分が備わっており、該作動部分は具体的には、軸部材等であり、前記エレメントに冷却水が通過するときに、冷却水に温度変化が生じると、前記ワックスの膨張又は収縮等の変化によって、前記エレメントに装着された軸部材が軸方向に移動する構成としたものであり、この種のものが一般に広く使用されている。さらに、この軸部材の移動に伴って、サーモスタットに備えられた弁が流路の開閉を行い、冷却水の方向制御の役目をなすものである。通常は、前記軸部材の軸方向端部が回路の管内壁に固着されることが多い。
この種のものとして、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、冷却水の水路そのものをサーモスタットの一部として使用し、その水路内部に感温体や弁体が組み込まれており、軸部材は固定部に固定されている。これは、いわゆるサーモカバー一体型サーモスタットである。
特開2007−120380
特許文献1等に見られるサーモスタットの冷却水回路内への装着状態においては、サーモスタットが冷却水回路の分岐路箇所、具体的には、主流路とバイパス流路との連通する部位に装着されている。そのサーモスタットの装着状態は、冷却水回路内部において、冷却水内に完全に水没した状態で設置されている。そして、冷却水は、冷却水回路内にてサーモスタットの略全体を通過するように流れるものであるため、サーモスタットの冷却水に対する通水抵抗はきわめて大きくなっている。このようなことから、サーモスタットは、冷却水回路内において、冷却水に対する通水抵抗の中でも多くの割合を占めるものである。
サーモスタットの通水抵抗の増大は、ウォーターポンプの大型化をまねく。また、サーモスタットがウォーターポンプの吸込み側に配置される形式では、ウォーターポンプの吐出性能にも悪影響を及ぼす。このようにサーモスタットの通水抵抗の大小は他部品に与える影響も大きい。
特許文献1では、従来のサーモスタットにおいて課題となっていた、構成部品点数が多く、構造が複雑であり、冷却水の流れに対して抵抗となる箇所が多くあり、通水抵抗が増えて圧力損失も大きくなる点を解決している。しかしながら、特許文献1等に開示されたものでは、まだ以下に示す課題も残されている。つまり、特許文献1の図2(b)の流れの矢印に示されるように、冷却水は第1バルブとサーモスタットの内壁の狭い隙間を全量通過するものであり、冷却水は、一旦は第1バルブの略全体に衝突してから、第1バルブとサーモスタットの内壁の狭い隙間を流れの方向を変えながら通過していくものである。
上記のような構成のため、通水抵抗の削減手段には、限界があった。換言すると、ラジエータ循環流路の管路形状である弧状管路に倣って流れてきた冷却水は、略全量が第1バルブに一旦、衝突し、管路と第1バルブの間に設けられた周方向に延びた狭い(薄い)空間である隙間からエンジン側に向かって流れ出していく。そして、周方向に延びた狭い(薄い)空間の隙間から流れ出た冷却水は、管路形状である弧状管路にふたたび戻って流れて行く。
つまり、サーモスタット部分で冷却水が流れる管路形状が(弧状管路→薄い隙間→弧状管路)と2回も大きく変わるため、流れに乱れが生じ、圧力損失が発生してしまう。さらに、特許文献1を検討すると、図2(b)の流れの矢印に示されるように、ラジエータから流れて来た冷却水は、サーモスタット箇所でおよそ垂直に(左下から左上に)方向を変えた後、エンジン側に向かっている。上記構造となる理由としては、固定部をラジエータ循環流路に設けるために、固定部とラジエータ循環流路に角度を持たせて傾斜させることにより、固定部が取り付けられるためである。
特許文献1の構造では、固定部とラジエータ循環流路を同一方向にすると、固定部がラジエータ循環流路の中で宙に浮いてしまい、固定部を固定することができない。固定部を固定できないとサーモスタットも固定できないことになる。そのため、ラジエータ循環流路はサーモスタットに対して斜めになっており、特許文献1の図2(b)では、流路はおよそ左下から左上になるように垂直に曲がっており、冷却水の流れは大きく折れ曲がることで圧力損失となってしまうものである。また、別の視点で見ると、特許文献1の感温部は、冷却水の流れにとって障害となる第1バルブのすぐに裏側に配置されているため、感温部に対する水の当たりが妨げられ、感温特性は良好でない。
さらに、エレメントによる冷却水に対する通水抵抗が大きいと、冷却水の流れのエネルギー損失が発生するため、低燃費化の流れに逆行するものである。本発明の目的(技術的課題)は、エンジンとラジエータとの間の冷却回路において主流路とバイパス流路の連通する部位に備えられ、冷却水の温度変化を感知して流路の方向を制御するサーモスタットを回路内の冷却水が通過するときに、発生する乱流を最小限にして、円滑な流れとし、冷却水の圧力損失を低減することである。
そこで、発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、主流路にバイパス流路が連通する冷却回路であって、前記主流路の開閉口部と、前記バイパス流路のバイパス開口部と、該バイパス開口部が底部に位置すると共に流れ方向に沿って流入口部と流出口部とが形成された感温室を有し且つ前記主流路の内周側面より形成されたバルブ収納部と、前記開閉口部を開閉する主弁と,前記バイパス開口部を開閉するバイパス弁と,いずれか一方のみを閉鎖し他方のみを開放するエレメントを有するサーモスタットバルブとからなり、該サーモスタットバルブのエレメントは前記感温室に収納され、前記バルブ収納部の主流路内周側面寄りは膨出ベース部とし、該膨出ベース部の縦断側面及び横断平面の外形は流れ方向に沿って次第に小さくなる略流線形状としてなるエンジンの冷却装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項2の発明を、請求項1において、前記バルブ収納部の膨出ベース部の幅方向両側には、流れ方向に沿って略弧状に凹む主案内流路が形成されてなるエンジンの冷却装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1又は2において、前記バルブ収納部の流入口部の幅方向両端縁と主流路の内周側面との間に案内仕切部が形成されてなるエンジンの冷却装置としたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記バルブ収納部の感温室周辺の主流路の内周形状は弧状に形成されてなるエンジンの冷却装置としたことにより、上記課題を解決した。
請求項1の発明では、水温が上昇し、主弁が開くと、ラジエータから流入する水流に対し抵抗となるものが作動軸のみであり、先行技術のように上蓋が流れを妨げることが無くなるため、通水抵抗が削減できる。また、ラジエータ側流路とエンジン側流路とは略直線状にすることができるものであり、主弁も主流路に平行に近付けるように傾斜して配置されているため管路断面積の変化は少なく、より一層通水抵抗が削減できる。感温室は主流路と異なる流路であるため、主流路と感温室内の流路とは相互に影響を受けにくくなるため、主流路の流れを乱さない。
請求項2の発明では、バルブ収納部の付近における主流路の流れを円滑にすることができる。請求項3の発明は、冷却水が流入口部を介して感温室に流入し易くなる。請求項4の発明では、請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、冷却水が前記バルブ収納部を通過するときに乱流が生じ難いものにできる。
(A)は本発明の一部断面にした要部の平面図、(B)は(A)のXa−Xa矢視断面図、(C)は(A)のXb−Xb矢視断面図である。 (A)はバルブ収納部の要部斜視図、(B)は(A)のXc−Xc矢視断面図。 バイパス弁が開いた状態の要部縦断側面図である。 (A)はサーモスタットバルブの一部断面にした側面図、(B)は作動軸が作動したサーモスタットバルブの一部断面にした側面図、(C)はサーモスタットバルブをバルブ収容スペースに装着した状態図。 (A)はエンジン側流路管の要部平面図、(B)は(A)のXd−Xd矢視断面図、(C)は(A)のXe−Xe矢視断面図である。 (A)はエンジン側流路管の要部斜視図、(B)は(A)のXf−Xf矢視断面図、(C)は(A)のXg−Xg矢視断面図。 (A)はエンジン側流路管のバルブ収納部を一方に残して2つに分離した斜視図、(B)はエンジン側流路管の円筒状周壁部を幅方向に沿って2つに分離した斜視図である。 (A)はバルブ収納部内部の流体の流れを示す作用縦断側面図、(B)はバルブ収納部の周囲及び主案内流路の流体の流れを示す作用縦断側面図である。 (A)はバルブ収納部の周囲及び主案内流路の流体の流れを示す作用横断平面図、(B)はバルブ収納部の内部,周囲及び主案内流路の流体の流れを示す作用斜視図。 (A)はバイパス回路を冷却水が流れる回路図、(B)はラジエータとエンジンとの冷却回路を流れる回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図10は、ラジエータ6とエンジン7との間に構成された、冷却水回路である。冷却水回路は、ラジエータ6からエンジン7に向かって冷却水を移送する移送管と、エンジン7からラジエータ6に向かって冷却水を戻す戻り管とから構成され、前記移送管の管路途中にウォーターポンプが備わっている。前記移送管側の流路を主流路と称する。該主流路の途中には、バイパス流路が交わって連通しており、3方向の分岐流路が構成される。そして、前記主流路は、前記分岐流路を中心としてラジエータ6側寄りをラジエータ側流路11と称し、エンジン側寄りをエンジン側流路12と称する。
ラジエータ側流路11を構成する管11Pと、エンジン側流路12を構成する管12Pは接続されて、主流路1を構成する移送管1Pとなる。前記分岐流路において、ラジエータ側流路11の流れ方向中心線とエンジン側流路12の流れ方向中心線とは、段違い状態となっている〔図1(B)参照〕。すなわち、分岐流路において、主流路1は、段差が生じてはいるがラジエータ側流路11の流れ方向中心線とエンジン側流路12の流れ方向中心線とは、平行(略平行も含む)である。前記エレメント分岐流路には、サーモスタットバルブ5を装着するためのバルブ収容スペースSが設けられている。該バルブ収容スペースSも主流路1の一部である〔図1(B),(C)参照〕。
バルブ収容スペースSで、且つ前記ラジエータ側流路11には、開閉口部13が形成されており〔図1(B)参照〕、後述するサーモスタットバルブ5の主弁53により開閉動作が行われ、主流路1における冷却水の移送及び遮断を制御することができる。開閉口部13は、円形状の口状部であり、後述するサーモスタットバルブ5の主弁53が密着状に当接することができるように形成された部位である。さらに、ラジエータ側流路11の内周壁には、軸支部14が形成されており、後述するサーモスタットバルブ5の作動軸52の軸端部が固着されるようになっている〔図1(B),(C),図4(C)参照〕。
エンジン側流路12には、バイパス流路4を構成するバイパス管4Pが接続されるバイパス接続部42が形成され、該バイパス接続部42にバイパス開口部41が形成されている。該バイパス開口部41を底部に位置するようにして、前記バルブ収容スペースSには、バルブ収納部Aが形成されている〔図1(B),図5乃至図7参照〕。バルブ収納部Aは、円筒状収納部2と膨出ベース部3とから構成されている〔図1,図5(A),図6(B),(C)参照〕。前記バルブ収容スペースSを構成する主流路1のラジエータ側流路11の内周壁面11a及びエンジン側流路12の内周壁面12aは曲面状(又は弧状面)であり、図1,図2(B)において、曲面,弧状面を示すため曲率半径Rとして示している。
前記円筒状収納部2は、円筒状周壁部21と、流入口部22及び流出口部23とから構成されている。前記円筒状周壁部21は、前記エンジン側流路12の流れ方向線に対して円筒状周壁部21の上端側がラジエータ側流路11に向かって傾斜形成されたもので、その傾斜角度は前記流れ方向線に対して約45度内外である〔図1(B),(C)参照〕。すなわち45度の角度において、プラスマイナス約10度程度の許容範囲を有している。
前記円筒状周壁部21の内部は、感温室24として、後述するサーモスタットバルブのエレメント51が収納される部位となる〔図1(B),図3参照〕。前記円筒状周壁部21には流れ方向に沿って、流入口部22と流出口部23とが形成されている。すなわち、冷却水が流れ方向に流れているときに、まず前記流入口部22から円筒状周壁部21内の感温室24に流入し、この流入した冷却水が流出口部23より円筒状周壁部21の外部に流出してゆくものである。前記流入口部22と前記流出口部23とは、前記円筒状周壁部21の直径方向に沿って対向するように形成されたものである〔図6(A),図7(A)参照〕。
前記流入口部22は、前記円筒状周壁部21に切除部が形成されるようにして形成されたものであり、流入口部22は略U字形状に形成されたもので、上端は、開放されている〔図6(A),図7(B)参照〕。同様に、前記流出口部23も前記円筒状周壁部21に切除部が形成されるようにして形成されたものであり、流出口部23は略U字形状に形成されたもので、上端は、開放されている。前記流入口部22の幅方向両側の縁部22a,22aとエンジン側流路12の内周壁面12aとの間には案内仕切部22b,22bが形成されている〔図5(C),図2(A),図6,図7(B)参照〕。前記感温室24内部でその深さ方向の略中央位置には、段差支持部25が形成されている。該段差支持部25は円周状に形成され、後述するサーモスタットバルブ5のリテーナ55が支持される部位となる。
膨出ベース部3は、前記円筒状収納部2の下方側に位置して、一体的に形成されたものである。前記膨出ベース部3は、表面形状が曲面とした紡錘形状に形成されたもので、主流路内で流れ方向に沿ってなだらかに消滅する形状である〔図1(A),図2(A)参照〕。前記膨出ベース部3は、換言すると、エンジン側流路12の流れ方向に沿って形成された膨出部位であり、略半割りの卵形状に形成され、膨出ベース部3の縦断側面及び横断平面の外形は、流れ方向に沿って次第に小さくなる略流線形状である。膨出ベース部3と前記円筒状収納部2との境目は、滑らかな曲面にて緩やかに形状が変化するように連続しており、急激な形状変化は存在しない。
すなわち、膨出ベース部3は、横断平面及び縦断側面のいずれの外形線も外方に膨らむように形成されている。該膨出ベース部3の幅方向両側箇所には主案内流路12b,12bが形成されている。該主案内流路12b,12bは、流れ方向に対して略弧状に凹むように形成された流路であり、前記膨出ベース部3に対して滑らかに連続するように形成されている。主案内流路12bには冷却水が円滑に流入且つ流出してゆくことができるようになっている。前記感温室24は膨出ベース部3の内部にまで形成されており、感温室24の底部24aには、バイパス流路4のバイパス開口部41が形成されている〔図1(B),図3参照〕。
サーモスタットバルブ5は、上流にラジエータ6が配置され、該サーモスタットバルブ5の下流にウォーターポンプが配置される。サーモスタットバルブ5は、図4に示すように、エレメント51,作動軸52,主弁53,バイパス弁54等から構成され、作動軸52は、その軸端部が常時露出する状態で、エレメント51に収納されており、前記エレメント51に対して作動軸52が軸方向に出入する構成となっている〔図4(A),(B)参照〕。
前記エレメント51内部には、ワックスが充填され、エレメント51が冷却水の温度変化を感知することによって、ワックスは膨張又は収縮し、この膨張,収縮によって前記作動軸52がエレメント51から軸方向に突出したり、又は引き込んだりする構造となっている。前記主弁53はエレメント51の外周に固着されエレメント51が軸方向に移動することにより、主弁53も移動する。前記エレメント51には、リテーナ55と第1ばね56が備えられている。前記主弁53は、略扁平円錐形状又は漏斗形状に形成された弁本体部53aの外周に水密部材53bが装着されたものである。前記主弁53が前記主流路1の開閉口部13を閉鎖するときには、水密部材53bが開閉口部13周縁に密着状に接触し、冷却水の流れを遮断するものである。
前記リテーナ55は、前記エレメント51に対して軸方向に移動自在となる構成となっており〔図4(A)参照〕、前記主弁53と前記リテーナ55との間に第1ばね56が装着され、主弁53とリテーナ55とは相互に離間しようとする方向に弾発している。バイパス弁54は、前記エレメント51の軸方向において、前記作動軸52が出入する側とは反対側の端部に装着された支持軸57に対して軸方向の移動が自在となるように装着されている。前記バイパス弁54は前記エレメント51の軸方向端部との間に装着された第2ばね58によって前記支持軸57の軸端部側に押圧されるように弾発されている。該支持軸57には、前記バイパス弁54が支持軸57から外れてしまわないようにするための止め輪57aが装着されている。
サーモスタットバルブ5は、作動軸52の軸端部が前記バルブ収容スペースSの軸支部14に固着される〔図1(B),(C),図3,図4(C)参照〕。エレメント51は、バルブ収納部Aの感温室24に収納され、前記リテーナ55は感温室24内の段差支持部25に当接される。サーモスタットバルブ5は、暖機時(又は冷間時)では、主流路1の開閉口部13が主弁53によって閉鎖され、バイパス開口部41に対してはバイパス弁54が開いた状態となる。エレメント51が感温室24を通過するバイパス流路の冷却水の温度変化の上昇を感知すると、エレメント51内部のワックスが膨張して、エレメント51と作動軸52とが相対的に移動する。該作動軸52は、固定されているので、エレメント51が軸方向に移動することになり、該エレメント51に装着されている主弁53も移動して前記主流路1の開閉口部13を開き、ラジエータ6からエンジン7への冷却水の移送を行う。
次に、本発明における冷却水の流れについて説明する。まず、エンジン7を始動した状態ではサーモスタットバルブ5によって、主流路1においてラジエータ側流路11が遮断され、バイパス流路4とエンジン側流路12とが連通し、バイパスのみの循環が行われる状態について説明する〔図10(A)参照〕。このときはバイパス流路は、バイパス開口部41とエンジン側流路12とが感温室24,流出口部23を介して連通している。
バイパス流路の冷却水の流れは、バイパス開口部41から感温室24を通過して流出口部23よりエンジン側流路12側に流出してゆく。このとき冷却水は、感温室24内を流れるときに、前記サーモスタットバルブ5のエレメント51を通過し、該エレメント51は、冷却水の温度変化を感知することができる。エレメント51は、感温室24の内壁に囲まれているため、冷却水の多くはエレメント51近傍を通過した後、流出口部23又は主弁53の裏面からエンジン側流路12に流出する。前記流出口部23より流出した冷却水は前記バルブ収納部Aの膨出ベース部3に沿って流れるものであるが、該膨出ベース部3は、流線形状であり、冷却水と膨出ベース部3との接触する部分の流れ抵抗は極めて小さいものとなっており、冷却水の流れにおける乱流を低減することができる。
次に、ラジエータ6によりエンジン7を冷却する場合の冷却水の流れについて説明する〔図10(B)参照〕。まず、前述したように、バイパス流路の冷却水がエンジン7の温度上昇と共に上昇し、一定の温度に到達するとサーモスタットバルブ5のエレメント51が冷却水の温度上昇による温度を感知し、作動軸52が作動を開始する。該作動軸52は主流路1内の軸支部14に固定されているので、エレメント51自体が軸方向に移動する。該エレメント51の軸方向移動と共に主弁53が主流路1の開閉口部13を開放し、同時にバイパス弁54がバイパス開口部41を閉鎖する。これによって、ラジエータ6とエンジン7との冷却水回路に冷却水が流れて、エンジン7に対する冷却作用が開始される。
ラジエータ側流路11から流れ方向に流れる冷却水は、その大部分がバルブ収納部Aのエンジン側流路12の幅方向両側及び上部側に流れ込み、冷却水の一部が流入口部22から感温室24に流入する(図8,図9参照)。図8,図9中において、実線の矢印は主流路1(ラジエータ側流路11,エンジン側流路12)を流れる流体(冷却水)の流線を示すものであり、点線の矢印は感温室24を流れる流線を示す。すなわち冷却水は、主流路1を通過する流れと、感温室24を通過する流れとに分離される。主流路1を流れる冷却水において、バルブ収納部Aの幅方向両側を通過する冷却水は、前記主案内流路12b,12bに沿って流れる〔図8(B),図9(A)参照〕。
感温室24は、その容積が小さいため、内部の冷却水の入れ替わりが早い。また流入口部22と流出口部23がエレメント51を挟んで対向しているため、エレメント51近傍の流れを一方向に整えられる。以上よりエレメント51の感温に必要な水流を最小限にすることができる。さらに、前述のように流入における主流路1と感温室24の流れの分岐及び感温室24から主流路1への合流がスムーズであるため、主流路1への影響が少なく抑えられ、全体の通水抵抗の削減に寄与する。
本発明では、前記ラジエータ側流路11が構成されている管11Pは、バルブ収容スペースS及びバルブ収納部A等が一体的に形成されたものであり、同様にエンジン側流路12の管12Pは、前記バルブ収容スペースS及び軸支部14等が一体的に形成されたものである。さらに、図3に示すように、前記ラジエータ側流路11を構成する管11Pは、ジョイント部11Pcと、管体部11Ptとから構成され、また同様にエンジン側流路12が構成されている管12Pは、ジョイント部12Pcと、管体部12Ptとから構成され、前記ラジエータ側流路11側のジョイント部11Pcと、エンジン側流路12のジョイント部12Pcとが連結されると共に、前記ジョイント部11Pcには管体部11Ptが接続され、前記ジョイント部12Pcには管体部12Ptが接続される構成とすることもある。
1…主流路、12b…主案内流路、13…開閉口部、22…流入口部、24…感温室、
22b…案内仕切部、23…流出口部、3…膨出ベース部、41…バイパス開口部、
5…サーモスタットバルブ、51…エレメント、53…主弁、54…バイパス弁、
A…バルブ収納部。

Claims (4)

  1. 主流路にバイパス流路が連通する冷却回路であって、前記主流路の開閉口部と、前記バイパス流路のバイパス開口部と、該バイパス開口部が底部に位置すると共に流れ方向に沿って流入口部と流出口部とが形成された感温室を有し且つ前記主流路の内周側面より形成されたバルブ収納部と、前記開閉口部を開閉する主弁と,前記バイパス開口部を開閉するバイパス弁と,いずれか一方のみを閉鎖し他方のみを開放するエレメントを有するサーモスタットバルブとからなり、該サーモスタットバルブのエレメントは前記感温室に収納され、前記バルブ収納部の主流路内周側面寄りは膨出ベース部とし、該膨出ベース部の縦断側面及び横断平面の外形は流れ方向に沿って次第に小さくなる略流線形状としてなることを特長とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1において、前記バルブ収納部の膨出ベース部の幅方向両側には、流れ方向に沿って略弧状に凹む主案内流路が形成されてなることを特長とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項1又は2において、前記バルブ収納部の流入口部の幅方向両端縁と主流路の内周側面との間に案内仕切部が形成されてなることを特長とするエンジンの冷却装置。
  4. 請求項1,2又は3のいずれか1項の記載において、前記バルブ収納部の感温室周辺の主流路の内周形状は弧状に形成されてなることを特長とするエンジンの冷却装置。
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