JP2010196642A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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福郎 北川
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康司 大原
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Abstract

【課題】バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能とし、安定した動作と高い精度の隙間調整が得られるラッシュアジャスタを提供すること。
【解決手段】開放端部、閉塞端部および隔壁部とを有するアジャスタボディ31と、アジャスタボディ31内に摺動可能に挿入されたプランジャ32とを備え、アジャスタボディ31内に高圧室とオイル供給室とが画成され、隔壁部31wが、高圧室とオイル供給室とを連通させる連通孔31qを有し、連通孔31rを開閉するチェックバルブ33と、プランジャ32を押圧するプランジャスプリング34と、チェックバルブ33を開放させるチェックバルブ開放手段35と、チェックバルブ開放手段35の開放動作とプランジャ32をロッカーアーム23を介して移動させるカム22の回転動作とを連動させる連動手段36とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラッシュアジャスタに関し、特に、エンジンの吸気弁や排気弁を開閉する動弁機構における隙間をオイルの圧力により調整するラッシュアジャスタに関する。
従来、この種のラッシュアジャスタとして、底部を有する円筒形のアジャスタボディと、このアジャスタボディに摺動可能に挿入されたプランジャと、プランジャに当接するプッシュロッドソケットを介して連結されたプッシュロッドと、底部を含むアジャスタボディとプランジャとで形成される圧力室を備えた圧力部と、プランジャをアジャスタボディの開口側へ押すように圧力室内に配設されたプランジャスプリングと、圧力室から吐出されるオイルを貯留するリザーバ室を備えたリザーバ部と、所定値以上の圧力差が生じた場合にリザーバ室から圧力室へのオイルの流れを許容するチェックバルブと、圧力室内の圧力が所定値以上となった場合に開放される逆止弁を有するリーク通路部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このラッシュアジャスタにおいては、エンジンの運転中に排気ブレーキを作動させた際に生ずる排気バルブの浮き上がりを解消するようにしている。
具体的には、排気ブレーキを作動させると排気マニホールドの背圧が所定値以上になり、圧縮行程の初期に排気弁が背圧により押し下げられることがある。このとき、バルブのステムエンドとロッカーアームとの間に隙間が生じるので、ラッシュアジャスタは、バルブクリアランスを0にするように動作する。すなわち、ラッシュアジャスタにおいては、この隙間を埋めるためにプランジャスプリングが伸び、プランジャおよびプッシュロッドソケットが押し上げられ、圧力室の容積が増加し、圧力室内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブが開き、リザーバ室から圧力室にオイルが流入し、プランジャが押し上げられた状態で保持されるので、バルブクリアランスがほぼ0に保たれる。
この場合、圧縮行程の初期にバルブクリアランスがほぼ0になるようプランジャが押し上げられた状態で保持されるという不適正な動作状態であるので、排気バルブは完全に排気ポートを閉じることができない状態になっている。そのため、排気バルブは、圧縮上死点でも少し浮き上がった状態になってしまう。しかし、圧縮上死点では、ピストンによる強大な圧縮圧力が排気バルブにかかるので、排気バルブは、強制的にバルブシートに押しつけられ、プッシュロッドに通常運転時の荷重よりも大きな荷重がかかろうとする。
このような過大な荷重がかかろうとするとき、ラッシュアジャスタにおいては、プッシュロッドソケットを介してプランジャが圧力室側の方向に押され、圧力室内の圧力が上昇する。そして、圧力室内の圧力が所定値以上になると、逆止弁が開き、圧力室からリザーバ室へ余分なオイルがリークし、圧力室内の過大な圧力上昇が防止される。その結果、押し上げられた状態で下降不能に保持されていたプランジャが下降可能となり、プランジャの下降が許容され、ラッシュアジャスタが適正な状態に戻るので、排気バルブが完全に閉じた状態が得られ、排気バルブの浮き上がりが解消される。
また、従来のラッシュアジャスタとして、図19に示すように、底部1tを有する円筒形のアジャスタボディ1と、このアジャスタボディ1に摺動可能に挿入され内部に低圧室2pを有するプランジャ2と、底部1tとを含むアジャスタボディ1とプランジャ2とで形成される高圧室1p内に配置されたリテーナ3と、リテーナ3をプランジャ2側に押圧するプランジャスプリング4と、リテーナ3内に配置されたチェックボール5と、チェックボール5をプランジャ2側に押圧するチェックボールスプリング6と、アジャスタボディ1の開口を封止するキャップ7とを含んで構成されたラッシュアジャスタ10が知られている。
このラッシュアジャスタ10においては、さらに、プランジャ2の側壁に貫通して形成されたオイル通路2oと、プランジャ2の外壁に環状に形成された環状オイル通路2kと、アジャスタボディ1の側壁に貫通して形成され、シリンダヘッド8のオイル供給通路8oと連通したオイル通路1oと、プランジャ2の底部2tに貫通して形成され、低圧室2pと高圧室1pとを連通させる連通通路2rとを有している。
このラッシュアジャスタ10においては、プランジャ2の頂部2cでロッカーアーム11の支点11hに係合するようアジャスタボディ1がシリンダヘッド8に固定されている。ロッカーアーム11は支点11vでバルブリフト機構13と係合し、ローラ部11rでカムシャフト14のカム14cと係合しており、カム14cとローラ部11rとの間の隙間やロッカーアーム11とバルブリフト機構13のステムエンド13eとの隙間などのクリアランスを自動的に詰めるようにしてエンジンの静粛性を向上させている。
また、このラッシュアジャスタ10においては、シリンダヘッド8のオイル供給通路8oからオイル通路1o、環状オイル通路2k、オイル通路2oを流通して低圧室2p内に供給されたオイルの圧力やプランジャスプリング4のばね力でアジャスタボディ1内のプランジャ2が上下にスライドすることにより、クリアランスの調整をしている。
具体的には、カムシャフト14が回転して、カム14cがロッカーアーム11を押し下げるとバルブリフト機構13とプランジャ2の双方に加重が加わる。このとき、プランジャ2は押し込まれてチェックボール5が閉じてプランジャ2の下降が停止するので、プランジャ2の上部の支点11hを中心にしてロッカーアーム11が下方に傾くことで、バルブリフト機構13が押し下げられ、バルブ13vが閉じられる。
次いで、カム14cが頂点を過ぎると、ロッカーアーム11はバルブリフト機構13内のバルブスプリング13pのばね力により上昇を開始するが、チェックボールスプリング6のばね力によりチェックボール5が連通通路2rを閉じているので高圧室1p内の圧力が保持される。そして、バルブ13vが閉じられると、高圧室1p内のオイルは加圧状態から開放され、ロッカーアーム11の支点11hのクリアランスが生じようとするが、プランジャスプリング4のばね力でプランジャ2がロッカーアーム11を押し上げるのでクリアランスが0で保たれる。
同時に、ロッカーアーム11の上昇とともに高圧室1pはその容積が大きくなって高圧室1p内の圧力が低下するとともに、低圧室2p内の圧力が高まり、低圧室2p内の圧力が高圧室1p内よりも大きくなると、チェックボール5がチェックボールスプリング6のばね力に抗して低圧室2p側に移動し、連通通路2rが開通する。このとき、低圧室2p内のオイルが高圧室1p内に流入して両室内の圧力差がなくなり、チェックボール5がチェックボールスプリング6のばね力により、連通通路2rを閉じて、次のロッカーアーム11の下降動作まで待機する待機状態になる。
このようにして、従来のラッシュアジャスタにおいては、クリアランスが生じないよう隙間調整している。
特開平8−284620号公報
しかしながら、従来の特許文献1に記載のラッシュアジャスタにおいては、エンジンの運転状態やバルブリフト機構の経時変化により、バルブが閉じていなければならない閉弁時期、すなわちカムのベース円期間に僅かに開弁してしまうことがあり、このようなときにバルブリフト機構が適正に機能しなくなることがある。
例えば、エンジンの排気ブレーキの動作時や背圧脈動により、ベース円期間にバルブが僅かに開くことがある。また、燃焼生成物などのデポジットがバルブに堆積したとき、ベース円期間にバルブが僅かに開くことがある。
また、エンジンが高速運転状態のとき、さらにエンジンの回転速度が高まると、バルブが異常挙動する、いわゆるバルブジャンプやバルブサージングが起きるとベース円期間にバルブが開くことがある。
このような、ベース円期間にバルブが開くと、バルブのステムエンドとロッカーアームとの間に生じる隙間を埋めるために、プランジャスプリングが伸び、プランジャおよびプッシュロッドソケットが押し上げられ、圧力室の容積が増加し、圧力室内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブが開き、リザーバ室から圧力室にオイルが流入し、プランジャが押し上げられ、ラッシュアジャスタが余剰に伸びた状態で保持される。ベース円期間にこのような保持状態が生ずると、ラッシュアジャスタにおいては、この保持状態が新たな閉弁位置として機能し、すなわち、バルブが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。
従来の特許文献1に記載のラッシュアジャスタにおいては、バルブの異常挙動などにより、圧力室にオイルが流入して圧力室内の圧力が高まって、閾値を超えたとき、圧力室内の圧力により逆止弁が開き、リーク通路部が開通し圧力室内のオイルがリザーバ室に逆流するようにして、圧力室内の圧力の高まりを防止することにより、バルブが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されてしまうのを防止している。しかしながら、特許文献1に記載のラッシュアジャスタにおいては、閾値のみでラッシュアジャスタに余剰な伸び量が生じないようにしているので、圧力室内の圧力が閾値未満の場合には、余剰な伸び量を防止することは困難であった。
また、圧力室内の圧力の高まりに応じて、このような余剰な伸び量が生じないようにして、クリアランスを調整しているため、クリアランス調整のタイミングが、定期的に行われず、いわゆる成り行きに任せられており、ラッシュアジャスタのクリアランス調整の精度が安定しないという問題があった。
また、図19に示す従来のラッシュアジャスタにおいても、特許文献1に記載のラッシュアジャスタと同様の問題が生じてしまう。すなわち、ラッシュアジャスタ10は、アジャスタボディ1と、プランジャ2と、リテーナ3と、プランジャスプリング4と、チェックボール5とを含んで構成されているので、ベース円期間に、バルブジャンプやバルブサージングなどのバルブリフト機構13の異常挙動が起きると、バルブ13vが開いてしまうことがある。
このような、ベース円期間にバルブ13vが開くと、バルブ13vのステムエンド13eとロッカーアーム11との間に生じる隙間を埋めるために、プランジャスプリング4がそのばね力により伸びてプランジャ2が押し上げられ、高圧室1pの容積が増加し、高圧室1p内の圧力は低圧室2p内の圧力よりも低下する。その結果、チェックボール5が押し下げられ、連通通路2rが開通し、低圧室2p内のオイルが高圧室1p内に流入して両室内の圧力差がなくなり、チェックボール5がチェックボールスプリング6のばね力により、連通通路2rを閉じてしまう。
この状態で、次のロッカーアーム11の下降動作まで待機することになる。すなわち、カムのベース円期間にラッシュアジャスタが余剰に伸びた状態で保持される。ベース円期間にこのような保持状態が生ずると、ラッシュアジャスタ10においては、この保持状態が新たな閉弁位置として機能し、すなわち、バルブが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。
この場合、エンジンの圧縮が不十分となったり、エンジンの高回転高負荷運転状態のときに、燃焼ガスの吹き抜けなどにより、バルブが溶損してしまうおそれが生じたりしてしまう。
本発明は、前述のような従来における問題を解決し、バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能とすることにより、安定した動作と高い精度の隙間調整が得られるラッシュアジャスタを提供することを課題とする。
本発明に係るラッシュアジャスタは、上記課題を解決するため、(1)開放端部と、閉塞端部と、前記開放端部と前記閉塞端部との間に形成された隔壁部とを有する円筒形のアジャスタボディと、前記アジャスタボディの前記開放端部および前記隔壁部との間に摺動可能に挿入されたプランジャと、を備え、前記隔壁部に対向する前記プランジャの底面と前記底面と対向する前記隔壁部の隔壁面との間に高圧室が画成されるとともに、前記隔壁部に対向する前記閉塞端部の底面と前記底面と対向する前記隔壁部の隔壁面との間に前記高圧室にオイルを供給するオイル供給室が画成され、前記隔壁部が、前記高圧室と前記オイル供給室とを連通させる連通孔を有し、前記高圧室内に配置され、前記高圧室内の圧力が前記オイル供給室内の圧力よりも高くなったとき、前記連通孔を閉塞するチェックバルブと、前記高圧室内に配置され、前記プランジャを前記隔壁部から離隔する方向に押圧するプランジャスプリングと、前記チェックバルブを開放させるチェックバルブ開放手段と、前記チェックバルブ開放手段の開放動作と前記プランジャをロッカーアームを介して移動させるカムの回転動作とを連動させる連動手段と、をさらに備え、前記カムが所定の回転位置になったとき、前記チェックバルブ開放手段により前記チェックバルブが開放されるようにしたことを特徴とする。
この構成により、バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能となり、動作が安定するとともに、高い精度で隙間調整が行われる。すなわち、従来のラッシュアジャスタにおいては、ベース円期間にバルブが開くと、バルブのステムエンドとローラとの間に生じる隙間を詰めるために、プランジャスプリングが伸び、プランジャが押し上げられ、高圧室の容積が増加し、高圧室内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブが開き、オイル供給室から高圧室にオイルが流入し、プランジャが押し上げられ、チェックボールスプリングの押圧力によりチェックボールが連通孔を閉塞する。
ラッシュアジャスタが余剰に伸びた状態で保持されると、この状態が新たな閉弁位置として機能し、バルブが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。従来のラッシュアジャスタの場合、ラッシュアジャスタが伸長方向にしか隙間調整できなかったので、このようなベース円期間でのバルブの半開きの状態を調整することができなった。
しかしながら、本発明に係るラッシュアジャスタにおいては、ベース円期間で、このような保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段により、強制的にチェックバルブが開放されるので、高圧室内の圧力が低下するとともに、プランジャが、バルブスプリングの押圧力により下降し、適正な閉弁状態に復帰させることができる。すなわち、ベース円期間で収縮方向にも隙間調整を行うことができる。
上記(1)に記載のラッシュアジャスタにおいて、(2)前記チェックバルブが、前記隔壁部の前記連通孔の開口部に配置されたチェックボールと、前記チェックボールを前記連通孔の前記開口部に押圧するチェックボールスプリングと、前記チェックボールスプリングを支持するリテーナとにより構成されたことを特徴とする。
この構成により、チェックバルブが、チェックボール、チェックボールスプリングおよびリテーナにより動作するので、簡単な構造で、ラッシュアジャスタの収縮方向の動作が確実行われる。
上記(1)または(2)に記載のラッシュアジャスタにおいて、(3)前記チェックバルブ開放手段が、前記チェックバルブの前記チェックボールを前記連通孔の前記開口部から離隔する方向に押圧するプッシュロッドと、前記プッシュロッドを磁力により前記連通孔の方向に移動させるソレノイドと、前記ソレノイドの非動作時に前記プッシュロッドを前記連通孔から離隔する方向に移動させるよう配置されたロッドスプリングとにより構成されるとともに、前記連動手段が、前記カムの回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段により検出された前記カムの回転位置に基づいて、前記チェックバルブ開放手段の前記ソレノイドを制御する電子制御ユニットとにより構成されることを特徴とする。
この構成により、チェックバルブ開放手段が、プッシュロッド、ソレノイドおよびロッドスプリングにより動作するので、簡単な構造で、ラッシュアジャスタの収縮方向の動作が確実に行われる。
上記(3)に記載のラッシュアジャスタにおいて、(4)前記カムがベース円部およびノーズ部からなるカム面部を有し、前記ノーズ部のカム面部が前記ロッカーアームと当接するとき、前記ロッカーアームと係合するバルブリフト機構が開弁状態となり、前記ベース円部のカム面部が前記ロッカーアームと当接するとき前記バルブリフト機構が閉弁状態となるよう、前記ロッカーアームおよび前記バルブリフト機構が構成され、前記回転位置検出手段が前記ベース円部のカム面部が前記ロッカーアームと当接することを検出したとき、前記電子制御ユニットが、前記ソレノイドを励磁させ前記プッシュロッドを前記連通孔の方向に移動させるようにしたことを特徴とする。
この構成により、カムのノーズ部がロッカーアームと当接するとき、バルブリフト機構が開弁状態となり、ベース円部がロッカーアームと当接するとき、バルブリフト機構が閉弁状態となるよう、ロッカーアームおよびバルブリフト機構が動作する。
回転位置検出手段がベース円部がロッカーアームと当接することを検出したとき、電子制御ユニットにより、ソレノイドが励磁され、プッシュロッドがオイル通路の方向に移動する。その結果、カムの回転位相とチェックバルブ開放手段の動作とが同期するとともに、ベース円期間内の任意のタイミングでチェックバルブ開放手段を動作させることができる。
上記(1)に記載のラッシュアジャスタにおいて、(5)前記アジャスタボディの前記閉塞端部がその軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記チェックバルブ開放手段が、一方端部で前記チェックバルブの前記チェックボールを前記連通孔の前記開口部から離隔する方向に押圧するよう、前記貫通孔に摺動可能に挿入されたプッシュロッドを備え、前記連動手段が、第1の静止部材に設けられた第1の回動支点を中心に回動可能な第1のリンクアームと、第2の静止部材に設けられた第2の回動支点を中心に回動可能な第2のリンクアームと、一方端部が前記第1のリンクアームのアーム端部と回動可能に連結され、他方端部が前記第2のリンクアームのアーム端部と回動可能に連結された第3のリンクアームを有するリンク機構により構成され、前記第1のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が、前記プッシュロッドの他方端部と回動可能に連結され、前記第2のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が、前記カムのカム面部と接触し、前記第1のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が前記プッシュロッドの他方端部を押圧する方向に付勢するとともに、前記第2のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が前記カムのカム面部を押圧する方向に付勢するよう前記第1の静止部材と、前記第1のリンクアームとの間に介装されたスプリングを備えたことを特徴とする。
この構成により、バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能となり、動作が安定するとともに、高い精度で隙間調整が行われる。ベース円期間で、前述のラッシュアジャスタの保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段および連動手段により、カムの回転動作と連動して強制的にチェックバルブが開放されるので、高圧室内の圧力が低下するとともに、プランジャが、バルブスプリングの押圧力により下降し、適正な閉弁状態に復帰させることができる。すなわち、ベース円期間で収縮方向にも隙間調整を行うことができる。
また、連動手段が、リンク機構により構成されているので、簡単な構造で、カムの回転位相とチェックバルブ開放手段の動作とを確実に同期させることができ、ベース円期間内の一定のタイミングでチェックバルブ開放手段を周期的に確実に動作させることができる。
上記(1)に記載のラッシュアジャスタにおいて、(6)前記アジャスタボディの前記閉塞端部がその軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記チェックバルブ開放手段が、一方端部で前記チェックバルブのチェックボールを前記連通孔の開口部から離隔する方向に押圧するよう、前記貫通孔に摺動可能に挿入されたプッシュロッドを備え、前記連動手段が、前記ロッカーアームと接触するベース円部およびノーズ部とからなるカム面部を有する前記カムを回転させるカムシャフトに設けられたカムシャフトプーリと、前記プッシュロッドの他方端部と接触するベース円部およびノーズ部とからなるカム面部を有するロッドカムと、前記ロッドカムを回転させるロッドシャフトに設けられたロッドシャフトプーリと、前記カムシャフトプーリと前記ロッドシャフトプーリとに巻き掛けられたベルトと、を備え、前記ロッドカムの前記ノーズ部の回転位相が、前記カムの前記ノーズ部の回転位相に対して、60度ないし300度だけ遅角した状態で、前記ロッドカムが前記カムと同期して回転するようにしたことを特徴とする。
この構成により、バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能となり、動作が安定するとともに、高い精度で隙間調整が行われる。ベース円期間で、前述のラッシュアジャスタの保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段および連動手段により、カムの回転動作と連動して強制的にチェックバルブが開放されるので、高圧室内の圧力が低下するとともに、プランジャが、バルブスプリングの押圧力により下降し、適正な閉弁状態に復帰させることができる。すなわち、ベース円期間で収縮方向にも隙間調整を行うことができる。
また、連動手段が、カムシャフトプーリ、ロッドカム、ロッドシャフトプーリおよびベルトにより構成されているので、簡単な構造で、カムの回転位相とチェックバルブ開放手段の動作とを確実に同期させることができ、ベース円期間内の一定のタイミングでチェックバルブ開放手段を周期的に確実に動作させることができる。
本発明によれば、バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能とすることにより、安定した動作と高い精度の隙間調整が得られるラッシュアジャスタを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構のカムとロッカーアームとの位置関係を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタの断面図である。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作内容を示すタイムダイヤグラムである。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作を示す説明図でバルブリフト機構の開弁状態を示す。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作を示す説明図でバルブリフト機構の閉弁状態を示す。 本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタの圧力制御内容を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係るラッシュアジャスタの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作を示す説明図でバルブリフト機構の開弁状態を示す。 本発明の第2実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作を示す説明図でバルブリフト機構の閉弁状態を示す。 本発明の第3実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係るラッシュアジャスタの部分拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作を示す説明図でバルブリフト機構の開弁状態を示す。 本発明の第3実施形態に係るラッシュアジャスタが適用される動弁機構の動作を示す説明図でバルブリフト機構の閉弁状態を示す。 従来のラッシュアジャスタが適用される動弁機構の概略構成図である。
以下、本発明の第1実施形態ないし第3実施形態に係るラッシュアジャスタについて図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30は、エンジンの動弁機構20に適用されており、動弁機構20の説明を通じてラッシュアジャスタ30を説明する。
動弁機構20は、カムシャフト21と、カムシャフト21に設けられたカム22と、カム22と係合するロッカーアーム23と、ロッカーアーム23の一端部と係合するバルブリフト機構24と、ロッカーアーム23の他端部と係合するラッシュアジャスタ30とを含んで構成されている。
この動弁機構20においては、カムシャフト21およびカム22の回転によりロッカーアーム23の他端部を支点としてロッカーアーム23が回動し、バルブリフト機構24が動作するようになっている。また、ラッシュアジャスタ30により、カム22とロッカーアーム23との間の隙間やロッカーアーム23とバルブリフト機構24との隙間などのクリアランスが調整されるようになっている。
カムシャフト21は、図示しないエンジンのクランクシャフトの回転がタイミングチェーンなどの動力伝達装置により伝達されるようになっており、カム22はクランクシャフトの回転と同期して回転するようになっている。
カム22は、図2に示すように、一体的に形成されたベース円部22bおよびノーズ部22nと、このベース円部22bおよびノーズ部22nの外周面からなるカム面部22cとを含んで構成されている。ベース円部22bは、ノーズ部22nの頂部22pとカムシャフト21の軸心21pとを結ぶ線CLを中心として、時計回りに約120度、反時計回りに約120度の範囲からなり、この範囲は、ベース円部22bがロッカーアームに当接するとき、バルブリフト機構24が閉弁状態になる範囲、すなわち閉弁期間を示し、いわゆるカム22のベース円期間を示している。なお、ノーズ部22nの頂部22pがロッカーアームに当接するとき、バルブリフト機構24が完全に開いた状態になる。
ロッカーアーム23は、アーム本体23hと、バルブリフト機構24と回動可能に係合する機構係合部23kと、ラッシュアジャスタ30と回動可能に係合するアジャスタ係合部23aと、機構係合部23kとアジャスタ係合部23aとの中間に配置されカム22と係合するローラ部23rとを含んで構成されている。ローラ部23rは、アーム本体23hに設けられたシャフト23sに回転可能に支持されたローラ23vを有しており、このローラ23vの外周面でカム22と接触している。
バルブリフト機構24は、シリンダヘッド20sに支持されたバルブガイド24gと、バルブガイド24gの端部に設けられたバルブシール24oと、バルブガイド24gに摺動可能に挿入され、一端部にバルブ24bを有するバルブステム24sと、バルブステム24sの他端部に設けられたステムエンド24eと、バルブコッタ24kによりバルブステム24sの他端部に固定されたスプリングリテーナ24rと、スプリングリテーナ24rをシリンダヘッド20sから離隔する方向に押圧するようスプリングリテーナ24rとシリンダヘッド20sとの間に介装されたバルブスプリング24cとを含んで構成されている。
このバルブリフト機構24は、バルブ24bで、シリンダヘッド20sに設けられたバルブシート20bに着座するようになっており、図1は、バルブ24bがバルブシート20bに着座した状態、すなわち閉弁状態を示している。
ラッシュアジャスタ30は、図3および図4に示すように、アジャスタボディ31と、プランジャ32と、チェックバルブ33と、プランジャスプリング34と、チェックバルブ33を開放させるチェックバルブ開放手段35と、チェックバルブ開放手段35の開放動作とプランジャ32をロッカーアーム23を介して移動させるカムの回転動作とを連動させる連動手段36(図1参照)とを含んで構成されている。
アジャスタボディ31は、本体31hと、溶接などの接合手段により本体31hに一体的に形成された閉塞端部としての蓋31cとを含んで構成されている。
本体31hは、円筒形に形成され、開放端部31kと、蓋取付部31tと、開放端部31kと蓋取付部31tとの間に形成され、本体31h内の空間を開放端部31k側と、蓋取付部31tとに隔てる隔壁部31wとを有している。
この開放端部31kと隔壁部31wとの間の空間には、プランジャ32が摺動可能に収容されるようになっている。また、この隔壁部31wと蓋31cとの間には、オイル供給室31oが画成されている。
本体31hの開放端部31kの近傍には、開放端部31k側の空間と、シリンダヘッド20sに形成されたオイル供給通路20oとを連通する連通孔31rが形成されている。
本体31hのオイル供給室31o側の隔壁部31wの近傍には、オイル供給室31oと、シリンダヘッド20sに形成されたオイル供給通路20tとを連通する連通孔31aが形成されている。
隔壁部31wには、開放端部31k側の空間とオイル供給室31oとを連通する連通孔31qが形成されており、この連通孔31qの空間側には、連通孔31qが徐々に拡径された開口部としての着座部31sが形成されている。
蓋31cは、本体31hと同形状で有底の円筒形に形成され、開放側で本体31hに接合されている。この蓋31cは、円筒形以外の形状で形成されたものであってもよく、例えば、円盤状に形成されたものであってもよい。
プランジャ32は、中空の円筒形で形成され、頂部32cと、底部32tと、中空からなるオイル貯留室32oを囲む側壁部32sを有している。頂部32cは半球状に形成されておりロッカーアーム23のアジャスタ係合部23aと回動可能に係合するようになっている。また、頂部32cには、貫通孔32kが形成されており、この貫通孔32kからオイルがアジャスタ係合部23aに供給され、頂部32cが滑らかに回動するようになっている。
底部32tは、その外壁面32gが平坦に形成されており、プランジャスプリング34の一端部が当接するようになっている。
側壁部32sには、環状のオイル溝32mが形成されており、アジャスタボディ31の本体31hの内壁面31nと、このオイル溝32mとで画成されるオイル通路内をオイルが流通するようになっている。また、側壁部32sには、このオイル溝32mとオイル貯留室32oとを連通する連通孔32rが形成されており、シリンダヘッド20sのオイル供給通路20oから、オイル溝32m、連通孔32rを介してオイル貯留室32oにオイルが供給されるようになっている。また、オイル溝32mからプランジャ32の側壁部32sとアジャスタボディ31の本体31hの内壁面31nとの間にオイルが供給され、プランジャ32が滑らかに摺動するようになっている。
プランジャ32の底部32tの外壁面32gと、アジャスタボディ31の本体31hの内壁面31nと、本体31hの隔壁部31wの隔壁面31mとにより高圧室31pが画成されている。
チェックバルブ33は、チェックボール33bと、リテーナ33rと、チェックボールスプリング33sとを含んで構成されており、高圧室31p内の圧力がオイル供給室31o内の圧力よりも低くなったとき、チェックボール33bが着座部31sから離隔して、連通孔31qが開放されるようになっている。
高圧室31p内の圧力がオイル供給室31o内の圧力よりも高くなったとき、チェックボールスプリング33sの押圧力によりチェックボール33bが着座部31sに着座して、連通孔31qが閉塞されるようになっている。
リテーナ33rは、円筒形に形成され、隔壁部31wの隔壁面31mに当接するフランジ33fが設けられた開放端と、チェックボールスプリング33sを支持する凸部が設けられた閉塞端を有している。
プランジャスプリング34は、圧縮コイルばねからなり、一端部がリテーナ33rのフランジ33fに支持され、他端部でプランジャ32の外壁面32gを押圧している。
チェックバルブ開放手段35は、チェックバルブ33のチェックボール33bを着座部31sから離隔する方向に押圧するプッシュロッド35pと、プッシュロッド35pを磁力により連通孔31qの方向に移動させるソレノイド35sと、ソレノイド35sを外部に接続するコネクタ35cと、ソレノイド35sに電力を供給するバッテリ36bと、ソレノイド35sの非動作時にプッシュロッド35pを連通孔31qから離隔する方向に移動させるようプッシュロッド35pを囲んで配置されたロッドスプリング35bと、ロッドスプリング35bを保持するようプッシュロッド35pに固定されたリテーナ35rとを含んで構成されている。
プッシュロッド35pは、円柱状に形成された磁性体からなり、チェックボール33bを押圧するプッシュ端35aと、ソレノイド35s内に摺動可能に挿通されるロッド35dと、ロッド35dに固定され通電されたソレノイド35sに起きる電磁吸引力によって吸引されるフランジ35tとを有している。
ソレノイド35sは、図示しないボビンにリング状に巻回され、両端部がコネクタ35cに接続されたコイルからなり、ボビンに形成された貫通孔にプッシュロッド35pが挿通されるようになっており、アジャスタボディ31のオイル供給室31oを囲む内壁部に嵌合固定されている。
コネクタ35cは、アジャスタボディ31の蓋取付部31tに形成された取付孔に挿入されアジャスタボディ31に固定されている。
連動手段36は、図1に示すように、カム22の回転位置を検出する回転位置検出手段36sと、回転位置検出手段36sにより検出されたカム22の回転位置に基づいて、チェックバルブ開放手段35のソレノイド35sを制御する電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)36eと、ソレノイド35sに電力を供給するバッテリ36bと、図示しないクランクケースに装着され、クランク位置、クランク角速度などのクランクの回転を検出し、検出されたエンジン回転数Ne(rpm)の信号を、ECU36eに出力するクランクポジションセンサ36kと、エンジンの吸気管に設けられエンジンに吸入される吸入空気量Q(g/rev)を検出しECU36eに出力するエアフロメータ36fとを含んで構成されている。
なお、gは、質量を表し、revは、クランク角360度、すなわちクランクシャフトの1回転を表している。
このエアフロメータ36fが検出した吸入空気量Q(g/rev)と、クランクポジションセンサ36kが検出したエンジン回転数Ne(rpm)により、エンジンの出力が算出されるようになっている。
回転位置検出手段36sは、カム22のノーズ部22nの基準位置からどれだけ回転した位置にあるかを検出するセンサからなり、例えば、磁気誘導による磁性体の近傍の磁場の変化を検出することによりカム22の回転位置を検出する磁気型の磁界センサや、先端部に設けた検出コイルにより高周波磁界を発生させ、この磁界中にカム22のノーズ部22nが接近すると、ノーズ部22n中に誘導電流が流れ、熱損失が生じ発振が減衰することになる。この減衰変化を検出回路で検出し出力する高周波発振型の近接センサからなる。
この回転位置検出手段36sは、カム22のカム面部22cから放射外方に離隔して配置されており、検出情報をECU36eに出力するようになっている。
ECU36eは、CPU(Central Processing Unit)と、処理プログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)と、電気的に書換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、A/D変換器やバッファなどを含む入力インターフェース回路、ソレノイド駆動回路などを含む出力インターフェース回路とを含んで構成されている。
入力インターフェース回路には、回転位置検出手段36sからの検出情報が入力されるようになっており、出力インターフェース回路からチェックバルブ開放手段35のコネクタ35cを介してソレノイド35sに制御情報が出力されるようになっている。
ECU36eのソレノイド駆動回路は、回転位置検出手段36sからの検出情報に応じて、ソレノイド35sに通電し、ソレノイド35sを励磁させるよう構成されている。例えば、回転位置検出手段36sから出力された検出情報が、カム22のベース円部22bのカム面部22cがロッカーアーム23のローラ23vと当接していること、すなわちバルブリフト機構24が閉弁されており、カム22がベース円期間にあるという情報であったとき、ECU36eのソレノイド駆動回路により、ソレノイド35sが通電により励磁されるようになっている。
このベース円期間は、前述のようにカム22のベース円部22bのカム面部22cがロッカーアーム23のローラ23vと当接している期間を示しており、この期間内の任意のタイミングでソレノイド35sに通電される。
ソレノイド35sへの通電は、ベース円期間の開始直後であってもよく、終了直前であってもよい。なお、ソレノイド35sへの通電により、プッシュロッド35pがチェックボール33bを押圧し、アジャスタボディ31の高圧室31pとオイル供給室31oとを連通させ、高まった高圧室31p内の圧力を低下させ、ラッシュアジャスタ30を正常に動作させるようにするものであり、ベース円期間の開始直後に通電し、早期に正常な状態に復帰させることが好ましい。
具体的には、図5に、エンジンの圧縮行程、爆発行程、排気行程および吸気行程の各行程と、バルブリフト機構24のバルブリフト量、ラッシュアジャスタ30のリフト量、チェックバルブ33のリフト量およびソレノイド35sの作動時間との関係が示されている。図5に示すように、横軸の上部には、エンジンの各行程が示されており、横軸の下部には、エンジンの各行程に対応する時間t1ないしt9が示されている。
縦軸には、バルブリフト機構24のバルブリフト量、ラッシュアジャスタ30のリフト量、チェックバルブ33のリフト量およびソレノイド35sの作動時間が示されている。
ここで、バルブリフト機構24は、吸気バルブの場合を示し、カム22のベース円期間は、t1からt5の直前まで、t8の直前からt9までの期間を表し、t1からt9までが1サイクルとなり、このサイクルが繰り返される。バルブリフト機構24がリフトされているバルブリフト期間、すなわちバルブが開弁状態にある期間は、t5の直前からt8の直前まで4となっている。
ラッシュアジャスタ30のリフト量は、バルブリフト期間の開始と同時、すなわちt5の直前から収縮し、t8の直前まで収縮し、バルブリフト期間の終了と同時に矢印方向に伸びて、カム22とロッカーアーム23との間の隙間やロッカーアーム23とバルブリフト機構24との隙間などのクリアランスが詰められるよう隙間調整が行われる。
チェックバルブ33のリフト量は、バルブリフト期間の終了、すなわちベース円期間の開始とほぼ同時に、増加し、所定時間経過後に0に戻る。このとき、ラッシュアジャスタ30のプランジャ32が上昇し、高圧室31p内の圧力が低下し、オイル供給室31o内の圧力でチェックバルブ33のチェックボール33bが移動し、アジャスタボディ31の高圧室31pとオイル供給室31oとが連通する。そして、オイル供給室31oから高圧室31pにオイルが供給され、高圧室31p内の圧力とオイル供給室31o内の圧力の差がなくなると、チェックボール33bがチェックボールスプリング33sの押圧力により移動し、着座部31sに着座し高圧室31pが封止される。すなわち、ラッシュアジャスタ30が自動的に前述のクリアランスを詰めるよう動作する。
ソレノイド35sの作動可能な時間は、ベース円期間内であって、t1からt4までの間、またはt8とt9の中間からt9までの間となっている。この間、ソレノイド35sを動作させ、チェックバルブ開放手段35のプッシュロッド35pにより、チェックバルブ33のチェックボール33bを押し上げて、高圧室31p内のオイルをオイル供給室31oに還流させ、高圧室31p内の圧力を低下させ、ラッシュアジャスタ30のプランジャ32を下降可能とすることにより、閉弁時期であるカムのベース円期間内に、エンジンの異常によりバルブリフト機構24のバルブ24bが僅かに開いた状態で保持されてしまうのを防止することができる。
次に、第1実施形態に係るバルブリフト機構30の動作について説明する。
カム22のノーズ部22nが、ロッカーアーム23のローラ23vと当接しているバルブリフト期間においては、図6に示すように、ノーズ部22nによりローラ23vが押し下げられる。このとき、ラッシュアジャスタ30のプランジャ32が下降し、アジャスタボディ31の高圧室31p内の圧力が高まり、チェックバルブ33が閉塞される。さらに、プランジャ32が下降しようとするが、チェックバルブ33が閉塞されているため、高圧室31pの容積が収縮しないので、プランジャ32の下降は停止する。そして、プランジャ32の頂部32cを支点として、ロッカーアーム23が反時計回りの方向に傾くことでバルブリフト機構24が押し下げられ、バルブスプリング24cが収縮し、バルブ24bが矢印方向に移動することによりバルブシート20bから離隔して開弁状態になる。
カム22がさらに回転し、カム22のノーズ部22nが、ロッカーアーム23のローラ23vから離隔して、カム22のベース円部22bが、ロッカーアーム23のローラ23vと当接するようになる。
このベース円期間においては、図7に示すように、バルブスプリング24cが元の状態に復帰し、バルブ24bが矢印方向に移動することによりバルブシート20bに着座して閉弁状態になる。同時にロッカーアーム23のローラ23vが、プランジャ32の頂部32cを支点として矢印方向に回動し、ローラ23vとカム22のベース円部22bが当接するようになる。このとき、ラッシュアジャスタ30のプランジャ32が上昇可能な状態になり、プランジャスプリング34の押圧力により、上昇し、ローラ23vとカム22のベース円部22bとの間の隙間およびロッカーアーム23の機構係合部23kとステムエンド24eとの間の隙間が詰められ自動的に隙間調整がなされる。
このベース円期間において、例えば、エンジンが高速運転状態のとき、さらにエンジンの回転速度が高まると、バルブが異常挙動する、いわゆるバルブジャンプやバルブサージングが起きるとベース円期間にバルブ24bが開くことがある。
このような、ベース円期間にバルブ24bが開くと、バルブ24bのステムエンド24eとロッカーアーム23のローラ23vとの間に生じる隙間を詰めるために、プランジャスプリング34が伸び、プランジャ32が押し上げられ、高圧室31pの容積が増加し、高圧室31p内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブ33が開き、オイル供給室31oから高圧室31pにオイルが流入し、プランジャ32が押し上げられ、両者の圧力差がなくなるので、チェックバルブ33のチェックボールスプリング33sの押圧力によりチェックボール33bが連通孔31qを閉塞する。
このようにラッシュアジャスタ30が余剰に伸びた状態で保持されることになる。ベース円期間にこのような保持状態が生ずると、ラッシュアジャスタ30においては、この保持状態が新たな閉弁位置として機能し、すなわち、バルブ24bが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。
このような保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段35により、強制的にチェックバルブ33を開放させると、高圧室31p内の圧力が低下するとともに、プランジャ32が、バルブスプリング24cの押圧力により下降し、バルブ24bがバルブシート20bに着座して適正な閉弁状態に復帰する。
次に、第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30の圧力制御の実行について説明する。
図8に示すフローチャートは、ECU36eのROMに格納されたラッシュアジャスタ30の圧力制御プログラムの実行内容を示すもので、このラッシュアジャスタ30の圧力制御プログラムは、制御内容を実行する単一または複数のプログラムを含んで構成されている。ラッシュアジャスタ30の圧力制御プログラムは、ECU36eのCPUによって実行される。
図8に示すように、まず、ECU36eは、例えば、エンジンのスタータモータを作動するスタータスイッチがオンとなったことを検知、またはスタータスイッチがオンからオフに切り替わってから所定時間未満であることを検知した場合には、エンジンが始動されたものと判定する(ステップS1)。いずれも検知しない場合には、ECU36eは、所定の時間間隔で、エンジンが始動されたものと判定されるまでスタータスイッチのオンまたはオフを監視する。なお、所定の時間間隔は、ラッシュアジャスタ30の特性や車種などに基づいて適宜選択され、例えば、適宜設定された一定の時間間隔または任意に選択された間隔で監視するようにしてもよい。
次いで、回転位置検出手段36sでカム22の回転位置が検出される(ステップS2)。例えば、図2に示すロッカーアーム23のローラ23vと、カム22のノーズ部22nの頂点とが接触したときのローラ23vの軸心と、カムシャフト21の軸心21pとを結ぶ線を基準として、カム22のノーズ部22nの頂点がどれだけ回転したかが検出されECU36eに検出情報が出力される。
ECU36eは、回転位置検出手段36sから出力されたカム22の回転位置情報に基づいて、カム22が、ベース円期間にあるか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS3でカム22がベース円期間にあると判定された場合、クランクポジションセンサ36kによりエンジン回転数Ne(rpm)が検出される(ステップS4)。
次いで、ECU36eは、クランクポジションセンサ36kにより検出されたエンジン回転数Ne(rpm)が、実験値や経験値などのデータにより予め設定されROMに記憶された基準エンジン回転数Nekよりも大きいか否かを判定する(ステップS5)。
なお、このステップS5における判定を省略して、効率よく迅速に制御するようにしてもよい。
ステップS5でエンジン回転数Ne(rpm)が、基準エンジン回転数Nek(rpm)よりも大きいと判定された場合、エアフロメータ36fによりエンジンに吸入される吸入空気量Q(g/rev)が検出される(ステップS6)。
次いで、ECU36eは、エアフロメータ36fにより検出された吸入空気量Q(g/rev)およびクランクポジションセンサ36kにより検出されたエンジン回転数Ne(rpm)により、エンジンの出力トルクTr(N・m)を算出する(ステップS7)。
次いで、ECU36eは、算出されたエンジンの出力トルク(N・m)が、実験値や経験値などのデータにより、予め設定されROMに記憶された、通常の運転状態におけるエンジンの基準出力トルクTrk(N・m)、例えば、エンジンの出力トルクとエンジン回転数との関係を示すマップなどの基準データにより算出された基準出力トルクTrk(N・m)よりも低下したか否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8でエンジンの出力トルクTr(N・m)が基準出力トルクTrkよりも低下したと判定された場合、ECU36eは、チェックバルブ開放手段35のソレノイド35sに通電し、プッシュロッド35pを移動させてチェックバルブ33を開放させる(ステップS9)。このとき、アジャスタボディ31の高圧室31pとオイル供給室31oとが連通し、高圧室31p内のオイルをオイル供給室31oに還流し、高圧室31p内の圧力が低下し、ラッシュアジャスタ30のプランジャ32が下降可能となる。
次いで、ECU36eは、エンジンが停止したか否かを判定する(ステップS10)。ステップS3において、カム22がベース円期間にないと判定された場合、ステップS5において、エンジン回転数Ne(rpm)が、基準エンジン回転数Nekよりも小さいと判定された場合、ステップS8でエンジンの出力トルクTr(N・m)が基準出力トルクTrk(N・m)よりも低下していないと判定された場合も、ECU36eは、このステップS10の処理に移行する。
ステップS10でエンジンが停止していないと判定された場合、ECU36eは、ステップS2に戻り、エンジンが停止していると判定された場合、このラッシュアジャスタの圧力制御を終了する。
第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、ラッシュアジャスタ30は、アジャスタボディ31と、プランジャ32と、を備え、内部に連通孔31qによって連通した高圧室31pおよびオイル供給室31oが画成され、高圧室31p内に配置され、高圧室31p内の圧力がオイル供給室31o内の圧力よりも高くなったとき、連通孔31qを閉塞するチェックバルブ33と、高圧室31p内に配置され、プランジャ32を押圧するプランジャスプリング34と、チェックバルブ開放手段35と、チェックバルブ開放手段35の開放動作とプランジャ32をロッカーアーム23を介して移動させるカム22の回転動作とを連動させる連動手段36と、をさらに備え、カム22がベース円期間になったとき、チェックバルブ開放手段35によりチェックバルブ33が開放されるよう構成されている。
その結果、ラッシュアジャスタ30においては、バルブリフト機構24が閉弁状態であるカム22のベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能となり、動作を安定させるとともに、隙間調整を高い精度で行うことができるという効果が得られる。すなわち、従来のラッシュアジャスタにおいては、ベース円期間にバルブが開くと、バルブのステムエンドとローラとの間に生じる隙間を詰めるために、プランジャスプリングが伸び、プランジャが押し上げられ、高圧室の容積が増加し、高圧室内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブが開き、オイル供給室から高圧室にオイルが流入し、プランジャが押し上げられ、チェックボールスプリングの押圧力によりチェックボールが連通孔を閉塞する。
ラッシュアジャスタが余剰に伸びた状態で保持されると、この状態が新たな閉弁位置として機能し、バルブが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。従来のラッシュアジャスタの場合、ラッシュアジャスタが伸長方向にしか隙間調整できなかったので、このようなベース円期間でのバルブの半開きの状態を調整することができなった。
しかしながら、第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30においては、ベース円期間で、このような保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段35により、強制的にチェックバルブ33が開放されるので、高圧室31p内の圧力が低下するとともに、プランジャ32が、バルブスプリング24cの押圧力により下降し、バルブ24bをバルブシート20bに着座させて適正な閉弁状態に復帰させることができるという効果が得られる。すなわち、第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30においては、ベース円期間で収縮方向にも隙間調整を行うことができるという効果が得られる。
そして、チェックバルブ33が、チェックボール33bと、チェックボールスプリング33sと、リテーナ33rとにより構成され、チェックバルブ開放手段35が、プッシュロッド35pと、ソレノイド35sと、ロッドスプリング35bとにより構成されているので、簡単な構造で、確実にラッシュアジャスタ30の収縮方向の動作をさせることができるという効果が得られる。
また、連動手段36が、回転位置検出手段36sと、ECU36eとにより構成され、カム22がベース円部22bおよびノーズ部22nからなるカム面部22cを有し、ノーズ部22nがロッカーアーム23と当接するとき、バルブリフト機構24が開弁状態となり、ベース円部22bがロッカーアーム23と当接するとき、バルブリフト機構24が閉弁状態となるよう、ロッカーアーム23およびバルブリフト機構24が構成され、回転位置検出手段36sが、ベース円部22bがロッカーアーム23と当接することを検出したとき、ECU36eが、ソレノイド35sを励磁させプッシュロッド35pを連通孔31qの方向に移動させるよう構成されている。
その結果、カム22の回転位相とチェックバルブ開放手段35の動作とを同期させることができるとともに、ベース円期間内の任意のタイミングでチェックバルブ開放手段35を動作させることができるという効果が得られる。
また、第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30においては、エンジン回転数Neが、基準エンジン回転数Nekよりも大きいと判定された場合およびエンジンの出力トルクTrが基準出力トルクTrkよりも低下したと判定された場合、ECU36eは、チェックバルブ開放手段35のソレノイド35sに通電し、プッシュロッド35pを移動させてチェックバルブ33を開放させるようにしているので、エンジンのバルブリフト機構24が異常挙動する確立が比較的高いベース円期間にのみ、チェックバルブ33を開放させるようにしているので、効率のよい制御を行うことができるとともに、確実な制御を行うことができるという効果が得られる。
第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30においては、アジャスタボディ31が、個別の単一構造で形成された場合について説明した。しかしながら、本発明に係るラッシュアジャスタにおいては、アジャスタボディをエンジンのシリンダヘッドの一部で構成するようにしてもよい。
また、第1実施形態に係るラッシュアジャスタ30においては、ロッカーアーム23が、一端部にバルブリフト機構24と係合する作用点があり、多端部にラッシュアジャスタ30の支点があって、それらの中間にカム22の力点がある、いわゆるロッカーアーム構造の動弁機構20に適用する場合について説明した。
しかしながら、本発明に係るラッシュアジャスタにおいては、他の構造のものに適用してもよい。例えば、一端部にバルブリフト機構と係合する作用点があり、多端部にカムの力点があって、それらの中間に支点が設けられた、特開平8−284620号公報に記載の動弁機構、いわゆるスイングアーム構造の動弁機構に適用するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次いで、第2実施形態に係るラッシュアジャスタ130について図面を参照して説明する。
第2実施形態に係るラッシュアジャスタ130においては、第1実施形態におけるアジャスタボディ31、チェックバルブ開放手段35および連動手段36が異なっているが、他の構成要素は同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図1ないし図8に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
まず、構成について説明する。
図9に示すように、第2実施形態に係るラッシュアジャスタ130は、第1実施形態と同様、エンジンの動弁機構120に適用されており、動弁機構120の説明を通じてラッシュアジャスタ130を説明する。
動弁機構120は、ラッシュアジャスタ130を除き、他の構成要素は第1実施形態の動弁機構20と同様に構成されている。
ラッシュアジャスタ130は、図9および図10に示すように、アジャスタボディ131と、プランジャ32と、チェックバルブ33と、プランジャスプリング34と、チェックバルブ33を開放させるチェックバルブ開放手段135と、チェックバルブ開放手段135の開放動作とプランジャ32をロッカーアーム23を介して移動させるカムの回転動作とを連動させる連動手段136とを含んで構成されている。
アジャスタボディ131は、本体131hと、溶接などの接合手段により本体131hに一体的に形成された閉塞端部としての蓋131cとを含んで構成されている。
本体131hは、円筒形に形成され、開放端部131kと、蓋取付部131tと、開放端部131kと蓋取付部131tとの間に形成され、本体131h内の空間を開放端部131k側と、蓋取付部131tとに隔てる隔壁部131wとを有している。
この開放端部131kと隔壁部131wとの間の空間には、プランジャ32が摺動可能に収容されるようになっている。また、この隔壁部131wと蓋131cとの間には、オイル供給室131oが画成されている。
本体131hの開放端部131kの近傍には、開放端部131k側の空間と、シリンダヘッド20sに形成されたオイル供給通路20oとを連通する連通孔131rが形成されている。
本体131hのオイル供給室131o側の隔壁部131wの近傍には、オイル供給室131oと、シリンダヘッド20sに形成されたオイル供給通路20tとを連通する連通孔131aが形成されている。
隔壁部131wには、開放端部131k側の空間とオイル供給室131oとを連通する連通孔131qが形成されており、この連通孔131qの空間側には、連通孔131qが徐々に拡径された開口部としての着座部131sが形成されている。
蓋131cは、本体131hと同形状で有底の円筒形に形成され、開放側で本体131hに接合されている。閉塞側には、ボス部131bが設けられており、このボス部131bには、その軸線方向に貫通する貫通孔131zが形成されている。
プランジャ32の底部32tの外壁面32gと、アジャスタボディ131の本体131hの内壁面131nと、本体131hの隔壁部131wの隔壁面131mとにより高圧室131pが画成されている。
チェックバルブ開放手段135は、チェックバルブ33のチェックボール33bを着座部131sから離隔する方向に押圧するプッシュロッド135pと、プッシュロッド135pを連通孔131qから離隔する方向に移動させるようプッシュロッド135pを囲んで配置されたロッドスプリング135bと、ロッドスプリング135bを保持するようプッシュロッド135pに固定されたリテーナ135rとを含んで構成されている。
連動手段136は、図9、図11および図12に示すように、第1の静止部材としてのシリンダヘッド20sに設けられた第1の回動支点136v1を中心に回動可能な第1のリンクアーム136a1と、第2の静止部材としてのシリンダヘッド20sに設けられた第2の回動支点136v2を中心に回動可能な第2のリンクアーム136a2と、一方端部が第1のリンクアーム136a1のアーム端部136t1と回動可能に連結され、他方端部が第2のリンクアーム136a2のアーム端部136h2と回動可能に連結された第3のリンクアーム136a3を有するリンク機構136kとを含んで構成されている。
第1のリンクアーム136a1のアーム端部136t2が、チェックバルブ開放手段135のプッシュロッド135pの端部と回動可能に連結されている。
また、連動手段136は、第2のリンクアーム136a2のアーム端部136h1が、カム22のカム面部22cと接触し、第2のリンクアーム136a2のアーム端部136h1がカム22のカム面部22cを押圧する方向に付勢するよう第1の静止部材としてのシリンダヘッド20sと、第1のリンクアーム136a1との間に介装されたスプリング136sとを含んで構成されている。
次に、第2実施形態に係るバルブリフト機構24の動作について説明する。
カム22のノーズ部22nが、ロッカーアーム23のローラ23vと当接しているバルブリフト期間においては、図13に示すように、第1実施形態と同様、ノーズ部22nによりローラ23vが押し下げられる。このとき、ラッシュアジャスタ130のプランジャ32が下降し、アジャスタボディ131の高圧室131p内の圧力が高まり、チェックバルブ33が閉塞される。さらに、プランジャ32が下降しようとするが、チェックバルブ33が閉塞されているため、高圧室131pの容積が収縮しないので、プランジャ32の下降は停止する。そして、プランジャ32の頂部32cを支点として、ロッカーアーム23が反時計回りの方向に傾くことでバルブリフト機構24が押し下げられ、バルブスプリング24cが収縮し、バルブ24bが矢印方向に移動することによりバルブシート20bから離隔して開弁状態になる。
カム22がさらに回転し、カム22のノーズ部22nが、ロッカーアーム23のローラ23vから離隔して、カム22のベース円部22bが、ロッカーアーム23のローラ23vと当接するようになる。
このベース円期間においては、図14に示すように、第1実施形態と同様、バルブスプリング24cが元の状態に復帰し、バルブ24bが矢印方向に移動することによりバルブシート20bに着座して閉弁状態になる。同時にロッカーアーム23のローラ23vが、プランジャ32の頂部32cを支点として矢印方向に回動し、ローラ23vとカム22のベース円部22bが当接するようになる。このとき、ラッシュアジャスタ130のプランジャ32が上昇可能な状態になり、プランジャスプリング34の押圧力により、上昇し、ローラ23vとカム22のベース円部22bとの間の隙間およびロッカーアーム23の機構係合部23kとステムエンド24eとの間の隙間が詰められ自動的に隙間調整がなされる。
このベース円期間において、第1実施形態と同様、エンジンが高速運転状態のとき、さらにエンジンの回転速度が高まると、バルブが異常挙動する、いわゆるバルブジャンプやバルブサージングが起きるとベース円期間にバルブ24bが開くことがある。
このような、ベース円期間にバルブ24bが開くと、バルブ24bのステムエンド24eとロッカーアーム23のローラ23vとの間に生じる隙間を詰めるために、プランジャスプリング34が伸び、プランジャ32が押し上げられ、高圧室131pの容積が増加し、高圧室131p内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブ33が開き、オイル供給室131oから高圧室131pにオイルが流入し、プランジャ32が押し上げられ、チェックバルブ33のチェックボールスプリング33sの押圧力によりチェックボール33bが連通孔131qを閉塞する。
このようにラッシュアジャスタ130が余剰に伸びた状態で保持されることになる。ベース円期間にこのような保持状態が生ずると、ラッシュアジャスタ130においては、この保持状態が新たな閉弁位置として機能し、すなわち、バルブ24bが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。
このような保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段135および連動手段136により、カム22の回転動作と連動させてチェックバルブ33を開放させると、高圧室131p内の圧力が低下するとともに、プランジャ32が、バルブスプリング24cの押圧力により下降し、バルブ24bがバルブシート20bに着座して適正な閉弁状態に復帰する。
第2実施形態に係るラッシュアジャスタ130は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、ラッシュアジャスタ130は、アジャスタボディ131と、プランジャ32と、を備え、内部に連通孔131qによって連通した高圧室131pおよびオイル供給室131oが画成され、高圧室131p内に配置され、高圧室131p内の圧力がオイル供給室131o内の圧力よりも高くなったとき、連通孔131qを閉塞するチェックバルブ33と、高圧室131p内に配置され、プランジャ32を押圧するプランジャスプリング34と、チェックバルブ開放手段135と、チェックバルブ開放手段135の開放動作とプランジャ32をロッカーアーム23を介して移動させるカム22の回転動作とを連動させる連動手段136と、をさらに備え、カム22がベース円期間になったとき、チェックバルブ開放手段135によりチェックバルブ33が開放されるよう構成されている。
その結果、ラッシュアジャスタ130においても、第1実施形態と同様、バルブリフト機構24が閉弁状態であるカム22のベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能となり、動作を安定させるとともに、隙間調整を高い精度で行うことができるという効果が得られる。
第2実施形態に係るラッシュアジャスタ130においては、ベース円期間で、前述のラッシュアジャスタの保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段135および連動手段136により、カム22の回転動作と連動して強制的にチェックバルブ33が開放されるので、高圧室131p内の圧力が低下するとともに、プランジャ32が、バルブスプリング24cの押圧力により下降し、バルブ24bをバルブシート20bに着座させて適正な閉弁状態に復帰させることができるという効果が得られる。すなわち、第2実施形態に係るラッシュアジャスタ130においても、ベース円期間で収縮方向にも隙間調整を行うことができるという効果が得られる。
そして、チェックバルブ33が、チェックボール33bと、チェックボールスプリング33sと、リテーナ33rとにより構成され、チェックバルブ開放手段135が、プッシュロッド135p、ロッドスプリング135bおよびリテーナ135rにより構成されているので、簡単な構造で、確実にラッシュアジャスタ130の収縮方向の動作をさせることができるという効果が得られる。
また、連動手段136が、リンク機構136kにより構成されているので、簡単な構造で、カム22の回転位相とチェックバルブ開放手段135の動作とを確実に同期させることができるとともに、ベース円期間内の一定のタイミングでチェックバルブ開放手段135を周期的に確実に動作させることができるという効果が得られる。
(第3実施形態)
次いで、第3実施形態に係るラッシュアジャスタ230について図面を参照して説明する。
第3実施形態に係るラッシュアジャスタ230においては、第2実施形態における連動手段136が異なっているが、他の構成要素は第2実施形態と同様に構成されている。したがって、同一の構成要素については、図9ないし図14に示した第2実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
まず、構成について説明する。
図15に示すように、第3実施形態に係るラッシュアジャスタ230は、第2実施形態と同様、エンジンの動弁機構220に適用されており、動弁機構220の説明を通じてラッシュアジャスタ230を説明する。
動弁機構220は、ラッシュアジャスタ230を除き、他の構成要素は第2実施形態の動弁機構120と同様に構成されている。
ラッシュアジャスタ230は、図15および図16に示すように、連動手段236を除き他の構成要素は、第2実施形態のラッシュアジャスタ130と同様に構成されている。
連動手段236は、ロッカーアーム23と接触するカム22を回転させるカムシャフト21に設けられた図示しないカムシャフトプーリと、チェックバルブ開放手段135のプッシュロッド135pの端部と接触するベース円部222bおよびノーズ部222nとからなるカム面部222cを有するロッドカム222と、ロッドカム222を回転させるロッドシャフト221に設けられた図示しないロッドシャフトプーリと、前述のカムシャフトプーリと前述のロッドシャフトプーリとに巻き掛けられたベルト236vとを含んで構成されている。
この連動手段236においては、ロッドカム222のノーズ部222nの回転位相が、カム22のノーズ部22nの回転位相に対して、60度ないし300度だけ遅角した状態で、ロッドカム222がカム22と同期して回転するようになっている。
次に、第3実施形態に係るバルブリフト機構230の動作について説明する。
カム22のノーズ部22nが、ロッカーアーム23のローラ23vと当接しているバルブリフト期間においては、図17に示すように、第2実施形態と同様、ノーズ部22nによりローラ23vが押し下げられる。このとき、ラッシュアジャスタ230のプランジャ32が下降し、アジャスタボディ131の高圧室131p内の圧力が高まり、チェックバルブ33が閉塞される。さらに、プランジャ32が下降しようとするが、チェックバルブ33が閉塞されているため、高圧室131pの容積が収縮しないので、プランジャ32の下降は停止する。そして、プランジャ32の頂部32cを支点として、ロッカーアーム23が反時計回りの方向に傾くことでバルブリフト機構24が押し下げられ、バルブスプリング24cが収縮し、バルブ24bが矢印方向に移動することによりバルブシート20bから離隔して開弁状態になる。
カム22がさらに回転し、カム22のノーズ部22nが、ロッカーアーム23のローラ23vから離隔して、カム22のベース円部22bが、ロッカーアーム23のローラ23vと当接するようになる。
このベース円期間においては、図18に示すように、第2実施形態と同様、バルブスプリング24cが元の状態に復帰し、バルブ24bが矢印方向に移動することによりバルブシート20bに着座して閉弁状態になる。同時にロッカーアーム23のローラ23vが、プランジャ32の頂部32cを支点として矢印方向に回動し、ローラ23vとカム22のベース円部22bが当接するようになる。このとき、ラッシュアジャスタ230のプランジャ32が上昇可能な状態になり、プランジャスプリング34の押圧力により、上昇し、ローラ23vとカム22のベース円部22bとの間の隙間およびロッカーアーム23の機構係合部23kとステムエンド24eとの間の隙間が詰められ自動的に隙間調整がなされる。
このベース円期間において、第1実施形態と同様、エンジンが高速運転状態のとき、さらにエンジンの回転速度が高まると、バルブが異常挙動する、いわゆるバルブジャンプやバルブサージングが起きるとベース円期間にバルブ24bが開くことがある。
このような、ベース円期間にバルブ24bが開くと、第2実施形態と同様、バルブ24bのステムエンド24eとロッカーアーム23のローラ23vとの間に生じる隙間を詰めるために、プランジャスプリング34が伸び、プランジャ32が押し上げられ、高圧室131pの容積が増加し、高圧室131p内の圧力は低下する。その結果、チェックバルブ33が開き、オイル供給室131oから高圧室131pにオイルが流入し、プランジャ32が押し上げられ、チェックバルブ33のチェックボールスプリング33sの押圧力によりチェックボール33bが連通孔131qを閉塞する。
このようにラッシュアジャスタ130が余剰に伸びた状態で保持されることになる。ベース円期間にこのような保持状態が生ずると、ラッシュアジャスタ130においては、この保持状態が新たな閉弁位置として機能し、すなわち、バルブ24bが半開きの状態が新たな閉弁位置として記憶されて動作してしまうので、ベース円期間であっても、常にバルブが完全に閉じないことになってしまう。
このような保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段135および連動手段236により、カム22の回転動作と連動させてチェックバルブ33を開放させると、高圧室131p内の圧力が低下するとともに、プランジャ32が、バルブスプリング24cの押圧力により下降し、バルブ24bがバルブシート20bに着座して適正な閉弁状態に復帰する。
第3実施形態に係るラッシュアジャスタ230は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、ラッシュアジャスタ230は、アジャスタボディ131と、プランジャ32と、を備え、内部に連通孔131qによって連通した高圧室131pおよびオイル供給室131oが画成され、高圧室131p内に配置され、高圧室131p内の圧力がオイル供給室131o内の圧力よりも高くなったとき、連通孔131qを閉塞するチェックバルブ33と、高圧室131p内に配置され、プランジャ32を押圧するプランジャスプリング34と、チェックバルブ開放手段135と、チェックバルブ開放手段135の開放動作とプランジャ32をロッカーアーム23を介して移動させるカム22の回転動作とを連動させる連動手段236と、をさらに備え、カム22がベース円期間になったとき、チェックバルブ開放手段135によりチェックバルブ33が開放されるよう構成されている。
その結果、ラッシュアジャスタ230においても、第2実施形態と同様、バルブリフト機構24が閉弁状態であるカム22のベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能となり、動作を安定させるとともに、隙間調整を高い精度で行うことができるという効果が得られる。
第3実施形態に係るラッシュアジャスタ230においては、ベース円期間で、前述のラッシュアジャスタの保持状態が生じたとき、チェックバルブ開放手段135および連動手段236により、カム22の回転動作と連動して強制的にチェックバルブ33が開放されるので、高圧室131p内の圧力が低下するとともに、プランジャ32が、バルブスプリング24cの押圧力により下降し、バルブ24bをバルブシート20bに着座させて適正な閉弁状態に復帰させることができるという効果が得られる。すなわち、第3実施形態に係るラッシュアジャスタ230においても、ベース円期間で収縮方向にも隙間調整を行うことができるという効果が得られる。
また、連動手段236が、カムシャフト21に設けられたカムシャフトプーリと、チェックバルブ開放手段135のプッシュロッド135pの端部と接触するベース円部222bおよびノーズ部222nとからなるカム面部222cを有するロッドカム222と、ロッドカム222を回転させるロッドシャフト221に設けられたロッドシャフトプーリと、カムシャフトプーリとロッドシャフトプーリとに巻き掛けられたベルト236vとにより構成されている。
その結果、簡単な構造で、カム22の回転位相とチェックバルブ開放手段135の動作とを確実に同期させることができるとともに、ベース円期間内の一定のタイミングでチェックバルブ開放手段135を周期的に確実に動作させることができるという効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係るラッシュアジャスタにおいては、バルブリフト機構が閉弁状態であるカムのベース円期間において、伸長方向だけでなく収縮方向にも調整可能とすることにより、安定した動作と高い精度の隙間調整が得られるラッシュアジャスタを提供することができるという効果を有し、オイルの圧力により動作するいわゆるハイドロリックラッシュアジャスタ(HLA)全般に有用である。
20、120、220 動弁機構
20t オイル供給通路
21 カムシャフト
22 カム
22b ベース円部
22c カム面部
22n ノーズ部
23 ロッカーアーム
24 バルブリフト機構
30、130、230 ラッシュアジャスタ
31、131 アジャスタボディ
31a、31q、131q 連通孔
31c、131c 蓋(閉塞端部)
31k、131k 開放端部
31m、131m 隔壁面
31o、131o オイル供給室
31p、131p 高圧室
31w 隔壁部
32 プランジャ
32t 底部(底面)
33 チェックバルブ
33b チェックボール
33r リテーナ
33s チェックボールスプリング
34 プランジャスプリング
35 チェックバルブ開放手段
35b、135b ロッドスプリング
35s ソレノイド
36、136、236 連動手段
36b バッテリ
36e ECU(電子制御ユニット)
36s 回転位置検出手段

Claims (6)

  1. 開放端部と、閉塞端部と、前記開放端部と前記閉塞端部との間に形成された隔壁部とを有する円筒形のアジャスタボディと、
    前記アジャスタボディの前記開放端部および前記隔壁部との間に摺動可能に挿入されたプランジャと、を備え、
    前記隔壁部に対向する前記プランジャの底面と前記底面と対向する前記隔壁部の隔壁面との間に高圧室が画成されるとともに、前記隔壁部に対向する前記閉塞端部の底面と前記底面と対向する前記隔壁部の隔壁面との間に前記高圧室にオイルを供給するオイル供給室が画成され、
    前記隔壁部が、前記高圧室と前記オイル供給室とを連通させる連通孔を有し、
    前記高圧室内に配置され、前記高圧室内の圧力が前記オイル供給室内の圧力よりも高くなったとき、前記連通孔を閉塞するチェックバルブと、
    前記高圧室内に配置され、前記プランジャを前記隔壁部から離隔する方向に押圧するプランジャスプリングと、
    前記チェックバルブを開放させるチェックバルブ開放手段と、前記チェックバルブ開放手段の開放動作と前記プランジャをロッカーアームを介して移動させるカムの回転動作とを連動させる連動手段と、をさらに備え、前記カムが所定の回転位置になったとき、前記チェックバルブ開放手段により前記チェックバルブが開放されるようにしたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. 前記チェックバルブが、前記隔壁部の前記連通孔の開口部に配置されたチェックボールと、前記チェックボールを前記連通孔の前記開口部に押圧するチェックボールスプリングと、前記チェックボールスプリングを支持するリテーナとにより構成されたことを特徴とする請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記チェックバルブ開放手段が、前記チェックバルブの前記チェックボールを前記連通孔の前記開口部から離隔する方向に押圧するプッシュロッドと、前記プッシュロッドを磁力により前記連通孔の方向に移動させるソレノイドと、前記ソレノイドの非動作時に前記プッシュロッドを前記連通孔から離隔する方向に移動させるよう配置されたロッドスプリングとにより構成されるとともに、
    前記連動手段が、前記カムの回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段により検出された前記カムの回転位置に基づいて、前記チェックバルブ開放手段の前記ソレノイドを制御する電子制御ユニットとにより構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記カムがベース円部およびノーズ部からなるカム面部を有し、前記ノーズ部のカム面部が前記ロッカーアームと当接するとき、前記ロッカーアームと係合するバルブリフト機構が開弁状態となり、前記ベース円部のカム面部が前記ロッカーアームと当接するとき前記バルブリフト機構が閉弁状態となるよう、前記ロッカーアームおよび前記バルブリフト機構が構成され、前記回転位置検出手段が前記ベース円部のカム面部が前記ロッカーアームと当接することを検出したとき、前記電子制御ユニットが、前記ソレノイドを励磁させ前記プッシュロッドを前記連通孔の方向に移動させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記アジャスタボディの前記閉塞端部がその軸線方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記チェックバルブ開放手段が、一方端部で前記チェックバルブの前記チェックボールを前記連通孔の前記開口部から離隔する方向に押圧するよう、前記貫通孔に摺動可能に挿入されたプッシュロッドを備え、
    前記連動手段が、第1の静止部材に設けられた第1の回動支点を中心に回動可能な第1のリンクアームと、第2の静止部材に設けられた第2の回動支点を中心に回動可能な第2のリンクアームと、一方端部が前記第1のリンクアームのアーム端部と回動可能に連結され、他方端部が前記第2のリンクアームのアーム端部と回動可能に連結された第3のリンクアームを有するリンク機構により構成され、
    前記第1のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が、前記プッシュロッドの他方端部と回動可能に連結され、
    前記第2のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が、前記カムのカム面部と接触し、
    前記第1のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が前記プッシュロッドの他方端部を押圧する方向に付勢するとともに、前記第2のリンクアームの前記アーム端部と反対側のアーム端部が前記カムのカム面部を押圧する方向に付勢するよう前記第1の静止部材と、前記第1のリンクアームとの間に介装されたスプリングを備えたことを特徴とする請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記アジャスタボディの前記閉塞端部がその軸線方向に貫通する貫通孔を有し、
    前記チェックバルブ開放手段が、一方端部で前記チェックバルブのチェックボールを前記連通孔の開口部から離隔する方向に押圧するよう、前記貫通孔に摺動可能に挿入されたプッシュロッドを備え、
    前記連動手段が、前記ロッカーアームと接触するベース円部およびノーズ部とからなるカム面部を有する前記カムを回転させるカムシャフトに設けられたカムシャフトプーリと、
    前記プッシュロッドの他方端部と接触するベース円部およびノーズ部とからなるカム面部を有するロッドカムと、
    前記ロッドカムを回転させるロッドシャフトに設けられたロッドシャフトプーリと、
    前記カムシャフトプーリと前記ロッドシャフトプーリとに巻き掛けられたベルトと、を備え、
    前記ロッドカムの前記ノーズ部の回転位相が、前記カムの前記ノーズ部の回転位相に対して、60度ないし300度だけ遅角した状態で、前記ロッドカムが前記カムと同期して回転するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
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