JP2010196145A - 金属化合物薄膜付シートの製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート案内面3の運動に伴ってシートを搬送する搬送手段と、シート案内面上のシートに向かって金属蒸気を飛散させる蒸発源7と、金属蒸気と反応させるためにガスを導入する反応ガス導入手段15と、金属蒸気がシートに到来する領域を制限するマスク11aとを備え、搬送されるシートに連続的に金属化合物薄膜を形成する製造装置であって、蒸発源とシート案内面とを結ぶ直線方向に関し、反応ガス導入手段により導入されたガスと蒸発源から飛来した金属蒸気とが混在する位置に、金属蒸気がシート幅方向の外部に拡散することを防止する拡散防止手段20を設けてなることを特徴とする金属化合物薄膜付シートの製造装置。
【選択図】図1
Description
(1)シートと接触しながら前記シートを搬送するシート案内面を有し、前記シート案内面の運動に伴って前記シートを搬送する搬送手段と、前記シート案内面上の前記シートに向かって金属蒸気を飛散させる蒸発源と、前記金属蒸気と反応させるためにガスを導入する反応ガス導入手段と、前記金属蒸気がシートに到来する領域を制限するマスクとを備え、搬送される前記シートに連続的に金属化合物薄膜を形成する金属化合物薄膜付シートの製造装置であって、前記蒸発源と前記シート案内面とを結ぶ直線方向に関し、前記反応ガス導入手段により導入されたガスと前記蒸発源から飛来した金属蒸気とが混在する位置に、前記金属蒸気がシート幅方向の外部に拡散することを防止する拡散防止手段を設けてなることを特徴とする金属化合物薄膜付シートの製造装置。
(2)前記拡散防止手段が一対の壁状構造物であり、かつ前記壁状構造物が前記蒸発源のシート幅方向端部よりも内側に張り出していることを特徴とする、前記(1)に記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
(3)前記シート案内面と前記蒸発源との最短距離をD[m]とすると、前記蒸発源と前記シート案内面とを結ぶ直線方向に関し、前記壁状構造物の長さが0.5D[m]以上であることを特徴とする、前記(2)に記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
(4)前記マスクの開口部のシート幅方向の長さをA[m]、前記一対の壁状構造物の最短間隔をC[m]としたときに、以下の式を満たすことを特徴とする、前記(2)または(3)に記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
A<C≦1.2A
(5)前記反応ガス導入手段は、前記蒸発源と前記シート案内面とを結ぶ直線方向に関し、前記壁状構造物が存在する位置にガス導入口を有していることを特徴とする、前記(2)〜(4)のいずれかに記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
(6)前記拡散防止手段が、ガス供給手段および壁状構造物であり、該壁状構造物が前記ガス供給手段のシート幅方向における外側に設けられてなることを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の金属化合物薄膜形成装置。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の装置を用い、前記蒸発源から前記シートに向けて金属蒸気を飛来させると同時に、前記金属蒸気内にガスを導入し、前記シート上に連続的に金属化合物薄膜を形成することを特徴とする金属化合物薄膜付シートの製造方法。
(8)前記金属がアルミニウムであり、前記ガスが酸素であり、前記金属化合物薄膜が酸化アルミニウム膜であって、前記酸化アルミニウム膜の成膜レートが400[nm/秒]以上であることを特徴とする、前記(7)に記載の金属化合物薄膜付シートの製造方法。
(9)前記金属化合物薄膜の膜厚が50〜300[nm]の範囲内であること特徴とする、前記(8)に記載の金属化合物薄膜付シートの製造方法。
(10)前記(7)〜(9)のいずれかに記載した方法で、シートの両面に金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする両面金属化合物薄膜付シートの製造方法。
(11)厚みが10[μm]以下でかつフィルム幅W[mm]が1000[mm]以上であるプラスチックフィルムの少なくとも片面に膜厚50[nm]以上の金属化合物薄膜が成膜された薄膜膜付きフィルムをコアに巻いてなるフィルムロール体であって、巻き長10000[m]あたり、フィルム幅方向に関し、ロール体最大直径との差が100[μm]以内であるロール体直径を有する範囲が、W−100[mm]以上連続して存在することを特徴する金属化合物薄膜付フィルムロール体。
(成膜レート)[nm/秒]=(v×d)/L (i)
本発明において「シート案内面」とは、シート上に薄膜を形成する際に、シートの薄膜形成面とは反対の面に接触しながらシートを搬送する薄膜形成装置の構成要素をいう。この「シート案内面」は主にシートをシワなく搬送する役目と、シートが受けた熱を効率よく逃がす役目を持つ。代表的なものとしては、後述する図1に示すように円筒形状のもので、軸を中心に回転しながらシートを搬送するものがある。また特に円筒形状に限らず、ベルト体の上にシートを搬送する方式のものも知られているが、本発明においてはいずれのものでも有効である。
また、上述したような高い蒸気密度の金属蒸気と酸素とを反応させ、かつ薄膜の厚み方向に均一な酸化度合いの薄膜を形成するには、金属蒸気領域の内部まで酸素を均一に導入させる必要がある。本発明者らの知見によれば、金属蒸気領域の内部にまで酸素を行き届かせやすいノズルとして、図2に示すように坩堝7とシート案内面3との間の領域に向けて管状形状の先端を有する導入管15を設けることが適している。さらに薄膜の厚み方向に均一な酸化度合いの金属酸化物薄膜を形成するために、蒸発源のシート搬送方向に関する上流側および下流側の両方に、前述の導入管15を配置することが好ましく、加えてシート幅方向に均一な酸化度合いの金属酸化物薄膜を得るために、シート幅方向に複数の導入管15を配置した方が好ましい。しかし、このような導入管で金属蒸気領域の内部に酸素ガスを導入すると、金属蒸気と酸素ガスとが混在し、さらに気体粒子の密度が高くなり、外部に拡散しやすい状態となる。そのため、酸素と金属蒸気が混在する領域には蒸気拡散防止壁を配置することが好ましい。このとき、蒸気拡散防止壁20は、蒸発源である坩堝7とシート案内面3とを結ぶ直線方向に関して、導入管の開口部16が存在する位置100に(例えば図13、図14)、および/または、その導入管の開口部16が向いている側に(例えば図15、図16、)、配置することが好ましい。
幅1100[mm]のシート幅方向端部から50mmの位置を始点として、100mm毎に、下記条件にて金属酸化物薄膜の断面観察を行い、両端の測定点を除く中央の各領域について得られた合計9点の薄膜の厚み[nm]の平均値を算出し、両端の測定点の薄膜の厚み[nm](数値の小さい側)と比較した。
測定装置:透過型電子顕微鏡(TEM)H−7100FA型 日立製
測定条件:加速電圧 100[kV]
測定倍率:20万倍
試料調整:超薄膜切片法
観察面 :TD−ZD断面
測定回数:1視野につき3点、3視野を測定した。
表面抵抗値の範囲によって、測定可能な装置が異なるため、まずI)の方法で測定を行い、表面抵抗値が低すぎて測定不可能なサンプルをII)の方法で測定した。5回の測定結果の平均値を本発明における表面抵抗値とした。
JIS−C2151(1990)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
測定装置:デジタル超高抵抗/微小電流計R8340 アドバンテスト(株)製
印加電圧:100[V]
印加時間:10秒間
測定単位:Ω
測定環境:温度23℃湿度65%RH
測定回数:5回測定する。
JIS−K7194(1994)に準拠し、下記測定装置を用いて測定する。
測定装置:ロレスターEP MCP−T360 三菱化学製
測定環境:温度23℃湿度65%RH
測定回数:5回測定する。
スガ試験機株式会社製の”ヘーズコンピュータHZ−1”装置にて、サンプルをセットして、全光線透過率を測定した。5回の測定を行い、その平均値を本発明における全光線透過率とした。
金属蒸気内に酸素を供給するための導入管に、下記のマスフローコントローラを介して酸素を供給するよう配管し、そのマスフローコントローラの流量を調整して、インラインの光学モニタが所望の透過率になったときの流量表示値を読みとった。
マスフローコントローラ:アドバンスドエナジー社製Aera@FC−7710CD
校正ガス:酸素
最大流量:40[l/分]。
巻き取った薄膜付シートロール体を、特開2004−286563号公報に記載の3点の接触式変位センサーを用いた測定方法で、ロール体の軸方向にセンサーを相対移動させて、ロール軸方向のフィルムロール体の直径変化量[μm]を計測した。ロール体の全幅において測定で得られたプロファイルから、直径変化量の最大値となる点を求め、そこから幅方向の拡がりにおいて、最大/最小差が100[μm]以内を維持する範囲を算出した。
電気絶縁性シートとしての厚さ5[μm]、幅1100[mm]のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」)の片面に、図1、図2、図7に示す巻取式真空蒸着装置を用い、以下に示す蒸着条件で蒸着した。
・蒸発源の容器:アルミナ製坩堝
・蒸発源加熱方式:電子銃による加熱
・蒸発材料 :アルミニウム
・電子銃の投入パワー:60[kW]
・蒸発源とシート案内面との最短距離:450[mm]
・フィルム搬送方向のマスク開口長:400[mm]
・フィルム幅方向のマスク開口長:1000[mm]。
・搬送速度 :150[m/分]
・フィルム幅:1100[mm]。
図1に示すように円筒形のシート案内面を使用した。このシート案内面の内部には、シート案内面の表面の温度を調整するための媒体が循環され、装置外部の冷媒循環装置から一定温度の媒体が導入されている。各条件は以下の通り。
・円筒形シート案内面の直径:1000[mm]
・シート案内面内部に流す媒体温度:−20[℃]。
図2に示すように、蒸発源とシート案内面との間の領域に向けて配置した丸断面形状の導入管を下記の条件で配置した。
・導入管15の内径:4[mm](内側断面積:約12.6[mm2])
・導入管15の外径:6[mm]
・導入管15の直線部の長さ:30[mm]
・蒸発源の坩堝上面から導入管の開口部までの距離:200[mm]
・導入管15の向き:金属蒸気側に水平方向
・シート幅方向の導入管の本数:20本
・シート幅方向の導入管の間隔:50[mm]の等間隔(両端の導入管の間隔は950[mm])。
図1に示すように、蒸発源である坩堝7と幅方向マスク11aとの間に、ステンレス製の蒸気拡散防止壁を下記の条件で設けた。
・シート走行方向の蒸気拡散防止壁の長さ:300[mm]
・坩堝7から蒸気拡散防止壁の最高部までの高さ:400[mm]
・坩堝7から蒸気拡散防止壁の最低部までの高さ:50[mm]
・坩堝7とシート案内面とを結ぶ直線方向における蒸気拡散防止壁の長さ:350[mm]
・蒸気拡散防止壁の最内側と坩堝7のシート幅方向端部の内壁との水平距離:200[mm]
・蒸気拡散防止壁の最内側とマスク開口部との水平距離:30[mm]。
未蒸着のフィルムロールを図7の原反ロール体2にセットし、中間ローラ4、シート案内面3、中間ローラ5にフィルムを沿わせて、巻取ロール体6にフィルム端部を貼り付けセットした。装置にはシート搬送方向に150[mm]、シート幅方向に1500[mm]の容積部分をもつアルミナ製の坩堝7が、坩堝7の長手方向がフィルム幅方向と同じになるように配置され、これに蒸着材料8としてアルミニウムを20[kg]セットした。その後、蒸着機の巻取室41aおよび成膜室41bを減圧し、成膜室41bの真空圧力が5×10−3[Pa]になるまで排気した。その後、シャッター部材51を閉じた状態にして電子銃加熱方式で坩堝7内のアルミニウムを溶かした。投入した電力は75[kW]であった。アルミニウム材料が全て溶融したことを確認した後、電子銃の電力量を微調整し約60[kW]にした。原反ロール体2の張力を140[N]、巻取ロール体6の張力を140[N]に設定し、シート案内面3と中間ローラ4、5の速度設定により150[m/分]の速度でフィルムの搬送を開始した。その後シャッター部材51を開側にして、アルミニウム蒸着を行った。この状態で成膜室41bの圧力は2.0×10−2[Pa]であった。その後、坩堝7のシート搬送方向に関する巻出側および巻取側の導入管15から酸素を28[l/分]で導入した。酸素を導入するに従い成膜室41bの圧力は3.0×10−2[Pa]となった。この状態で巻取側の監視窓53からフィルムを観察すると茶色がかった透明であった。透過率はシート幅方向に11個配列された光学モニタ52の平均値が30%であった。なお、この光学モニタには、光ファイバ式の透過型の光透過率計(光源の中心波長565[nm])を使用した。この状態で11000m分のフィルム巻取搬送を行い、酸化アルミニウム膜付きフィルムを形成した。その後、シャッター部材51を閉側にして酸素導入を止め、蒸発源加熱用の電子銃への電力供給を切った。そして搬送速度を5[m/分]まで下げ巻取室41aおよび成膜室41bの放圧を行った。
図5、図6、図7に示す巻取式真空蒸着装置を用い、以下の点を変更した以外は実施例1と同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」)の片面に金属酸化物薄膜を形成した。
・蒸発源の容器:アルミナ製坩堝
・蒸発源加熱方式:電子銃による加熱
・蒸発材料 :アルミニウム
・電子銃の投入パワー:60[kW]
・蒸発源とシート案内面との最短距離:450[mm]
・フィルム搬送方向のマスク開口長:400[mm]
・フィルム幅方向のマスク開口長:1000[mm]。
図5に示すように、蒸発源である坩堝7と幅方向マスク11aとの間に、ステンレス製の蒸気拡散防止壁を下記の条件で設けた。
・シート走行方向の蒸気拡散防止壁の長さ:300[mm]
・坩堝7から蒸気拡散防止壁最高部までの高さ:400[mm]
・坩堝7から蒸気拡散防止壁最低部までの高さ:50[mm]
・坩堝7とシート案内面とを結ぶ直線方向における蒸気拡散防止壁の長さ:350[mm]
・蒸気拡散防止壁の最内側と坩堝7のシート幅方向端部の内壁との水平距離:150[mm]
・蒸気拡散防止壁の最内側とマスク開口部との水平距離:80[mm]。
図5、図6に示すように、蒸発源である坩堝7と幅方向マスク11aとの間で、かつ蒸気拡散防止壁20の内側に、蒸気拡散防止用ガスノズル21として、丸断面の導入管を下記の条件で配置した。蒸気拡散防止用ガスノズル21はシート幅方向の両側に配置した。
・蒸気拡散防止用ガスノズル21の内径:4[mm](内側断面積:約12.6[mm2])
・蒸気拡散防止用ガスノズル21の外径:6[mm]
・蒸気拡散防止用ガスノズル21の開口部の向き:鉛直方向から45°の角度で、シート幅方向の内側の向き
・蒸気拡散防止用ガスノズル21の開口部数:6
・蒸気拡散防止用ガスノズル21の開口部配置:坩堝からの高さが100、200、300[mm]の位置となるように開口部を設けたノズルユニットを、シート搬送方向に坩堝の中心を対称に100[mm]の間隔を設けて配置する。
・導入ガス:酸素。
未蒸着のフィルムロールを図4の原反ロール体2にセットし中間ローラ4、シート案内面3、中間ローラ5にフィルムを沿わせて、巻取ロール体6にフィルム端部を貼り付けセットした。装置にはシート搬送方向に150[mm]、シート幅方向に1500[mm]の容積部分をもつアルミナ製坩堝7が、坩堝の長手方向がフィルム幅方向と同じになるように配置され、これに蒸着材料8としてアルミニウムを20[kg]セットした。その後、蒸着機の巻取室41aおよび成膜室41bを減圧し、成膜室41bの真空圧力が5×10−3[Pa]になるまで排気した。その後、シャッター部材51を閉じた状態で電子銃加熱方式で坩堝7内のアルミニウムを溶かした。投入した電力は75[kW]であった。アルミニウム材料が全て溶融したことを確認した後、電子銃の電力量を微調整し約60[kW]にした。原反ロール体2の張力を140[N]、巻取ロール体6の張力を140[N]に設定し、シート案内面3と中間ローラ4、5の速度設定により150[m/分]の速度でフィルムの搬送を開始した。その後シャッター部材51を開側にして、アルミニウム蒸着を行った。この状態で真空計10の圧力は2.0×10−2[Pa]であった。その後、坩堝のシート搬送方向に関する上流側および下流側の導入管15から酸素を26[l/分]で導入した。また蒸気拡散防止用ガスノズル21の酸素導入量は3[l/分]とした。酸素を導入するに従い成膜室41bの圧力は3.5×10−2[Pa]となった。この状態で巻取側の監視窓53からフィルムを観察すると茶色がかった透明であった。透過率はシート幅方向に11個配列された光学モニタ52の平均値が30%であった。この状態で11000[m]分のフィルム巻取搬送を行い酸化アルミニウム膜付きフィルムを形成した。その後、シャッター部材51を閉側にして酸素導入を止め、蒸発源加熱用の電子銃への電力供給を切った。そして搬送速度を5[m/分]まで下げ巻取室41aおよび成膜室41bの放圧を行った。
電気絶縁性シートとしての厚さ5[μm]、幅1100[mm]のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミラー」)の片面に、蒸気拡散防止手段のない図8、図9に示す巻取式真空蒸着装置を用いて、以下に示す蒸着条件で蒸着した。
・蒸発源の容器:アルミナ製坩堝
・蒸発源加熱方式:電子銃による加熱
・蒸発材料 :アルミニウム
・電子銃の投入パワー:60[kW]
・蒸発源とシート案内面との最短距離:450[mm]
・フィルム搬送方向のマスク開口長:400[mm]
・フィルム幅方向のマスク開口長:1000[mm]。
・搬送速度 :150[m/分]
・フィルム幅:1100[mm]。
図9に示すように円筒形のシート案内面3を使用した。このシート案内面3の内部には、シート案内面の表面の温度を調整するための媒体が循環され、装置外部の冷媒循環装置から一定温度の媒体が導入されている。各条件は以下の通り。
・円筒形シート案内面の直径:1000[mm]
・シート案内面内部に流す媒体温度:−20[℃]。
図8に示すように、蒸発源とシート案内面との間の領域に向けて配置した丸断面形状の導入管を下記の条件で配置した。
・導入管15の内径:4[mm](内側断面積:約12.6[mm2])
・導入管15の外径:6[mm]
・導入管15の直線部の長さ:30[mm]
・蒸発源の坩堝上面から導入管の開口部までの距離:200[mm]
・導入管15の向き:金属蒸気側に水平方向
・シート幅方向の導入管の本数:20本
・シート幅方向の導入管の間隔:50[mm]の等間隔(両端の導入管の間隔は950[mm])。
未蒸着のフィルムロールを図9の原反ロール体2にセットし中間ローラ4、シート案内面3、中間ローラ5にフィルム1を沿わせて、巻取ロール体6にフィルム端部を貼り付けセットした。装置にはシート搬送方向に150[mm]、シート幅方向に1500[mm]の容積部分をもつアルミナ製の坩堝7が、坩堝の長手方向がフィルム幅方向と同じになるように配置され、これに蒸着材料8としてアルミニウムを20[kg]セットした。その後、蒸着機の巻取室41aおよび成膜室41bを減圧し、成膜室41bの真空圧力が5×10−3[Pa]になるまで排気した。その後、シャッター部材51を閉じた状態で電子銃加熱方式で坩堝7内のアルミニウム8を溶かした。投入した電力は75[kW]であった。アルミニウム材料が全て溶融したことを確認した後、電子銃の電力量を微調整し約60[kW]にした。原反ロール体2の張力を140[N]、巻取ロール体6の張力を140[N]に設定し、シート案内面3と中間ローラ4、5の速度設定により150[m/分]の速度でフィルムの搬送を開始した。その後シャッター部材51を開側にして、アルミニウム蒸着を行った。この状態で成膜室41bの圧力は2.0×10−2[Pa]であった。その後、坩堝7のシート搬送方向に関する上流側および下流側のピンホール型ノズル20から酸素を32[l/分]で導入した。酸素導入に応じて成膜室41bの圧力は3.2×10−2[Pa]であった。この状態で巻取側の監視窓53からフィルムを観察すると茶色がかった透明であった。透過率はシート幅方向に11個配置した光学モニタ52の平均値が30%であった。この状態で11000[m]分のフィルム巻取搬送を行い酸化アルミニウム膜付きフィルムを形成した。その後、シャッター部材51を閉側にして酸素導入を止め、蒸発源加熱用の電子銃への電力供給を切った。そして搬送速度を5[m/分]まで下げ巻取室41aおよび成膜室41bの放圧を行った。
2 原反ロール体
3 シート案内面
4 中間ローラ(巻出側)
5 中間ローラ(巻取側)
6 巻取ロール体
7 坩堝(蒸発源)
8 蒸着材料
10 蒸気
11a 幅方向マスク
11b 走行方向マスク
12 開口部
13 薄膜
15 導入管
16 導入管の開口部
18 分岐部
19 酸素供給配管
20 蒸気拡散防止壁
21 蒸気拡散防止用ガスノズル
22 蒸気拡散防止壁間隔
24 隔壁
25 シート搬送方向
26 シートの成膜領域
29 ガス導入経路
30 成膜開始点
31 成膜終了点
32 剥離点
33 巻付点
41 減圧室
41a 巻取室
41b 成膜室
42 真空ポンプ
42a 巻取室用真空ポンプ
42b 成膜室用真空ポンプ
43 バルブ
44 ガスボンベ
45 減圧弁
46 ガス流量調整器
51 シャッター部材
52 光学モニタ
53 覗き窓
100 開口部が存在する位置
Claims (11)
- シートと接触しながら前記シートを搬送するシート案内面を有し、前記シート案内面の運動に伴って前記シートを搬送する搬送手段と、前記シート案内面上の前記シートに向かって金属蒸気を飛散させる蒸発源と、前記金属蒸気と反応させるためにガスを導入する反応ガス導入手段と、前記金属蒸気がシートに到来する領域を制限するマスクとを備え、搬送される前記シートに連続的に金属化合物薄膜を形成する金属化合物薄膜付シートの製造装置であって、前記蒸発源と前記シート案内面とを結ぶ直線方向に関し、前記反応ガス導入手段により導入されたガスと前記蒸発源から飛来した金属蒸気とが混在する位置に、前記金属蒸気がシート幅方向の外部に拡散することを防止する拡散防止手段を設けてなることを特徴とする金属化合物薄膜付シートの製造装置。
- 前記拡散防止手段が一対の壁状構造物であり、かつ前記壁状構造物が前記蒸発源のシート幅方向端部よりも内側に張り出していることを特徴とする請求項1に記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
- 前記シート案内面と前記蒸発源との最短距離をD[m]とすると、前記蒸発源と前記シート案内面とを結ぶ直線方向に関し、前記壁状構造物の長さが0.5D[m]以上であることを特徴とする請求項2に記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
- 前記マスクの開口部のシート幅方向の長さをA[m]、前記一対の壁状構造物の最短間隔をC[m]としたときに、以下の式を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
A<C≦1.2A - 前記反応ガス導入手段は、前記蒸発源と前記シート案内面とを結ぶ直線方向に関し、前記壁状構造物が存在する位置にガス導入口を有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の金属化合物薄膜付シートの製造装置。
- 前記拡散防止手段が、ガス供給手段および壁状構造物であり、該壁状構造物が前記ガス供給手段のシート幅方向における外側に設けられてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属化合物薄膜形成装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の装置を用い、前記蒸発源から前記シートに向けて金属蒸気を飛来させると同時に、前記金属蒸気内にガスを導入し、前記シート上に連続的に金属化合物薄膜を形成することを特徴とする金属化合物薄膜付シートの製造方法。
- 前記金属がアルミニウムであり、前記ガスが酸素であり、前記金属化合物薄膜が酸化アルミニウム膜であって、前記酸化アルミニウム膜の成膜レートが400[nm/秒]以上であることを特徴とする請求項7に記載の金属化合物薄膜付シートの製造方法。
- 前記金属化合物薄膜の膜厚が50〜300[nm]の範囲内であること特徴とする請求項8に記載の金属化合物薄膜付シートの製造方法。
- 請求項7〜9のいずれかに記載した方法で、シートの両面に金属酸化物薄膜を形成することを特徴とする両面金属化合物薄膜付シートの製造方法。
- 厚みが10[μm]以下でかつフィルム幅W[mm]が1000[mm]以上であるプラスチックフィルムの少なくとも片面に膜厚50[nm]以上の金属化合物薄膜が成膜された薄膜膜付きフィルムをコアに巻いてなるフィルムロール体であって、巻き長10000[m]あたり、フィルム幅方向に関し、ロール体最大直径との差が100[μm]以内であるロール体直径を有する範囲が、W−100[mm]以上連続して存在することを特徴する金属化合物薄膜付フィルムロール体。
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JP2009045551A Active JP5343622B2 (ja) | 2009-02-27 | 2009-02-27 | 金属化合物薄膜付シートの製造装置および製造方法 |
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Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61214136A (ja) * | 1985-03-19 | 1986-09-24 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気記録媒体の製造方法およびその装置 |
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2009
- 2009-02-27 JP JP2009045551A patent/JP5343622B2/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS61214136A (ja) * | 1985-03-19 | 1986-09-24 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気記録媒体の製造方法およびその装置 |
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Publication number | Publication date |
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JP5343622B2 (ja) | 2013-11-13 |
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