JP2010196080A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】方向性電磁鋼板において、張力被膜を形成した後、圧延と直角な方向に3.0%以下の圧延直角方向伸びを与える。
【選択図】図2
Description
この方向性電磁鋼板の鉄損を低減する手法の一つとして、二次再結晶後の鋼板に張力を付与する方法がある。これは、二次再結晶後の鋼板に圧延方向の張力を付与すると、磁区幅が狭くなり、異常渦電流損が低減して、鉄損が低減するという現象を利用するものである。
方向性電磁鋼板用鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍した後、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚とし、湿水素−窒素雰囲気中で一次再結晶焼鈍を施し、ついで、マグネシアスラリーを塗布した後、1200℃で10時間の二次再結晶焼鈍を施し、表面に張力被膜(フォルステライト被膜)を有する方向性電磁鋼板を得た。
この鋼板を850℃に昇温し、表1に示す時間、および応力(張力)で、圧延方向と直角方向に引張り応力を与えた後、鋼板の鉄損を測定した。
(1)方向性電磁鋼板用鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍した後、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで一次再結晶焼鈍および二次再結晶焼鈍を施した後、張力被膜を形成する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、張力被膜を形成した後、圧延方向と直角方向に3.0%以下の圧延直角方向伸びを与えることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明では、方向性電磁鋼板の表面に張力被膜を形成した後、圧延直角方向に引張り応力を与えるところに特徴がある。図1および2に、張力付与被膜による鋼板への張力付与状況を模式的に示す。
これに対し、本発明に従うように、被膜形成後に鋼板の圧延直角方向に伸びを与えた場合には、図2に模式的に示されるような張力付与状況となる。つまり、仮に鋼板と被膜が密着していないとすれば、鋼板と被膜は模式的に図2(a)に示した状態となり、図1(a)と比較すると、図中の鋼板は圧延直角方向に伸びている。ここで、実際には、鋼板と被膜は密着しているので、図2(b)に示したように圧延方向に効果的に張力が付与される。
本発明によれば、まず、方向性電磁鋼板用鋼スラブに、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで一次再結晶焼鈍および二次再結晶焼鈍を施す。この時の方向性電磁鋼板用鋼スラブの組成、熱間圧延方法、熱延板焼鈍方法、冷間圧延方法、中間焼鈍方法、冷間圧延方法、一次再結晶焼鈍方法および二次再結晶焼鈍方法のいずれもが、公知の方向性電磁鋼板の製造技術を好適に使用できる。
二次再結晶焼鈍は、例えば、最高温度1200℃、均熱時間10時間といった条件で行われるが、その昇温途中で二次再結晶は完了し、最高温度到達時に鋼板表面におけるフォルステライト被膜の形成反応が完了し、その後、室温まで冷却される。その結果、最高温度と室温との温度差と、張力被膜であるフォルステライト被膜と鋼板との熱膨張率差と、に起因する鋼板張力が発生する。
この工程では、表面にフォルステライト被膜が無い方向性電磁鋼板を得る。フォルステライト被膜を形成させないプロセスの場合、塗布焼付け法やCVD法などで結晶質酸化物、非結晶質酸化物、窒化物、炭化物等の張力被膜を形成して、被膜形成温度と室温との温度差および被膜と鋼板との熱膨張率差、によって鋼板張力を発生させる。
張力被膜の材質としては、コージェライトなどの結晶質酸化物、リン酸塩−シリカなどの非結晶質酸化物、TiN、CrNなどの窒化物、TiCなどの炭化物など公知の材質がいずれも好適に使用可能である。
この応力付与処理は、前述したとおり、引張り応力は、1〜30MPa程度、引張り応力を与える温度は、700℃以上、1200℃以下程度、時間:1〜7200秒程度の条件で行うことが望ましい。これにより、圧延直角方向に3.0%以下の伸びを付与することができる。特に好ましい圧延直角方向伸びは、0.05〜1.0%である。この伸びを達成するには、引張り応力は、1〜10MPa程度、引張り応力を与える温度は、700℃以上、1200℃以下程度、時間:1〜1800秒程度の条件とすることが好ましい。
鋼板の伸びは、引張り応力が大きいほど、温度が高いほど、また時間が長いほど、大きくなるので、上述した伸びを達成するようにこれらのパラメータを調整する。
絶縁被膜の耐吸湿性のために、350℃以上の温度での焼付け処理が必要であり、変圧器製造工程において、歪取り焼鈍が行われない場合には、焼付け温度は、750℃以上とすることが望ましい。というのは、焼付け温度を750℃以上とすることにより、被膜張力が発生するからである。歪取り焼鈍が行われる場合には、歪取り焼鈍により、被膜張力が発生するので、絶縁被膜の焼き付け温度は、350℃以上あればよい。
質量%で、C:0.05%、Si:3%、Sol.Al:0.02%、Mn:0.04%、およびS:0.02%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる方向性電磁鋼板用スラブに熱間圧延を施して、板厚:2.0mmとした。ついで、温度:1000℃、時間:60秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延を施して板厚:1.5mmとし、温度:1100℃、時間:60秒の中間焼鈍後、2回目の冷間圧延を施して板厚:0.22mmとした。
次に、冷間圧延板に脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を、温度:820℃、時間:150秒の条件で施した後、焼鈍分離剤(マグネシアスラリー)を塗布して、温度:1200℃、時間:15時間の二次再結晶焼鈍を施し、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板を得た。
その結果を表2に併記する。
質量%で、C:0.03%、Si:3%、Sol.Al:0.01%未満、Mn:0.04%、S:0.01%未満、Se:0.02%、およびSb:0.03%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる方向性電磁鋼板用スラブに熱間圧延を施して、板厚:2.5mmとした。ついで、温度:1050℃、時間:60秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延を施して板厚:0.8mmとし、温度:1000℃、時間:30秒の中間焼鈍後、2回目の冷間圧延を施して板厚:0.30mmとした。
次に、冷間圧延板に脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を、温度:850℃、時間:60秒の条件で施した後、焼鈍分離剤(アルミナスラリー)を塗布して、温度:1200℃、時間:10時間の二次再結晶焼鈍を施し、フォルステライト被膜を有さない方向性電磁鋼板を得た。
その結果、圧延直角方向の伸びは、0.50%であった。かようにして得られた鋼板の鉄損をJIS C2550の方法に準拠して測定した。
その結果を表3に併記する。
質量%で、C:0.03%、Si:3%、Sol.Al:0.01%未満、Mn:0.04%、S:0.01%未満、Se:0.02%、およびSb:0.03%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の組成になる方向性電磁鋼板用スラブに熱間圧延を施して、板厚:2.5mmとした。ついで、温度:1050℃、時間:60秒の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延を施して板厚:0.8mmとし、温度:1000℃、時間:30秒の中間焼鈍後、2回目の冷間圧延を施して板厚:0.30mmとした。
次に、冷間圧延板に脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を、温度:850℃、時間:60秒の条件で施した後、焼鈍分離剤(アルミナスラリー)を塗布して、温度:1200℃、時間:10時間の二次再結晶焼鈍を施し、フォルステライト被膜を有さない方向性電磁鋼板を得た。
その結果を表4に併記する。
Claims (4)
- 方向性電磁鋼板用鋼スラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍した後、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで一次再結晶焼鈍および二次再結晶焼鈍を施した後、張力被膜を形成する一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、張力被膜を形成した後、圧延方向と直角方向に3.0%以下の圧延直角方向伸びを与えることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記圧延直角方向伸びが0.05〜1.0%であることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記張力被膜が結晶質または非結晶質の酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記張力被膜が窒化物または炭化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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JP2009038630A JP5365245B2 (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
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JPH03120318A (ja) * | 1989-10-03 | 1991-05-22 | Nippon Steel Corp | 一方向性電磁鋼帯の連続焼鈍設備 |
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