JP4389553B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気特性に優れた方向性電磁鋼板を、低コストで製造する方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、変圧器や発電機の鉄心材料として用いられる軟磁性材料である。
この方向性電磁鋼板は、鉄の磁化容易軸である<001>方位が鋼板の圧延方向に高度に揃った結晶組織を有するものである。このような集合組織は、方向性電磁鋼板の製造工程中、二次再結晶焼鈍の際に、いわゆるゴス(Goss)方位と称される(110)[001]方位の結晶粒を優先的に巨大成長させる、二次再結晶を通じて形成される。
従来、このような方向性電磁鋼板は、Siを4.5%以下、およびMnS、MnSeおよびAlNなどのインヒビター成分を含有するスラブを1300℃以上に加熱し、インヒビター成分を一旦固溶せしめた後、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって、最終板厚とし、ついで湿潤水素雰囲気で一次再結晶焼鈍することにより、一次再結晶および脱炭を行い、マグネシア(MgO)を主剤とする焼鈍分離剤を塗布してから、二次再結晶およびインヒビター成分の純化のために、1200℃で5時間程度の二次再結晶焼鈍を行うことによって、製造されてきた(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
これら特許文献1〜3に開示の技術では、MnS、AlN、MnSeなどの析出物(インヒビター成分)をスラブ段階で含有させ、1300℃を超える高温スラブ加熱により、これらインヒビター成分を一旦固溶させ、後の工程で微細析出させることにより、二次再結晶を発現させている。このような方向性電磁鋼板の製造工程では、1300℃を超える高温でのスラブ加熱が必要であり、その製造コストは極めて高いものであった。
上述した通り、スラブにインヒビター成分を含有させる方向性電磁鋼板では、高温のスラブ加熱が必須であり、近年の製造コスト低減の要求に応えることは難しいものであった。
この問題に対して、出願人は、従来対比で低温としたスラブ加熱によって、磁気特性に優れた方向性電磁鋼板を低コストで製造する方法を、特許文献4にて提案した。
すなわち、スラブにインヒビター成分を含有させずに、二次再結晶させ、かつ二次粒のゴス方位への先鋭性を高める技術について、鋭意研究を進めた結果、主に不純物の含有量を抑制することにより、スラブにインヒビターが含有されずとも、安定した二次再結晶が得られることを見出すに到った。かようにインヒビター成分を必要としないことから、インヒビター成分の固溶を意図した高温スラブ加熱は不要となり、スラブ加熱温度の低下が実現した。
米国特許第1965559号明細書 特公昭40-15611号公報 特公昭51-13469号公報 特開2000−129356号公報
ところが、この特許文献4にて提案した技術を、工業的規模において実施した場合に、得られた鋼板の磁気特性にばらつきがあり安定した生産が難しいことが判明した。
そこで、本発明は、インヒビター成分を含有させずに、確実に二次再結晶させる技術を基本として、その工業化に必要となる、製品における磁気特性のばらつきを抑制する手法について提案することを目的とする。
発明者らは、方向性電磁鋼板の工業的規模での生産において、磁気特性を安定して向上させるため、鋭意研究した。その結果、スラブ加熱時の滞在時間を所定範囲内に制限すれば、磁気特性が安定化することが明らかとなった。更に、スラブ加熱の滞在時間を短くする場合には、スラブを均一に加熱することを意図して、誘導加熱型の炉によりスラブ加熱を行うことが特に有利であることも併せて見出した。
本発明は、以上の知見に由来するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は、次の通りである。
(1)質量比で、
C:0.02%以上0.08%以下、
Si:4.5%以下および
Mn:0.5%以下
を含み、Sol.Alを100ppm未満に抑制すると共に、S、SeおよびOを各々50ppm未満並びにNを60ppm未満に抑制し、残部がFeおよび不可避不純物よりなるスラブを、誘導加熱炉を用いて1150℃以上1250℃以下の温度に加熱し(但し、1150℃に加熱する場合を除く)、熱間圧延を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施し、その後一次再結晶焼鈍次いで二次再結晶焼鈍を施す、一連の工程によって方向性電磁鋼板を製造するに当り、
上記スラブ加熱における1150℃以上のスラブ滞在時間を80分以下とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)1150℃以上のスラブ滞在時間を40分以下とすることを特徴とする上記(1)記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
)前記鋼スラブは、さらにNi、Cu、SbおよびSnから選んだ1種または2種以上を、
質量比で、
NiおよびCuについては0.05%以上0.5%以下、
SbおよびSnについては0.01%以上0.5%以下
にて含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
)前記鋼スラブは、さらにCrおよびPから選んだ1種または2種を、
質量比で、
Crについては0.05%以上0.5%以下、
Pについては0.01%以上0.5%以下
にて含有することを特徴とする上記(1)、(2)または(3)に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、磁気特性に優れた方向性電磁鋼板を工業的に安定して安価に製造することが可能となり、その工業的価値は極めて高い。
以下、本発明の方法を、その工程順に具体的に説明する。
本発明のスラブは、公知の方法、たとえば、製鋼−連続鋳造(あるいは造塊−分塊圧延)によって製造される。
このスラブの組成は、以下の通りである。なお、各成分の含有量の単位は、質量比であり、以下成分組成に関する%表示は同様に質量比である。
C:0.02%以上0.08%以下
Cは、一次再結晶集合組織を改善するために有用な元素であり、0.02%以上は必要である。一方、0.08%を超えると鋼中のセメンタイトの量が多くなりすぎて、一次再結晶集合組織が劣化し、磁気特性が劣化する。したがって、C含有量は0.02%以上0.08%以下とする。
Si:4.5%以下
Siは、電気抵抗を高めることによって、鉄損を改善する有用な元素である。この鉄損改善の観点から、望ましい添加量は、2.0%以上である。要求される鉄損レベルによっては、Siを添加しなくてもよい。一方、Si含有量が4.5%を超えると冷間圧延が著しく困難になるため、Si含有量の上限を4.5%、好ましくは4.0%とする。
Mn:0.5%以下
Mnは、製造時の熱間加工性を向上させる効果があり、好ましい含有量は0.002%以上である。しかしながら、0.5%を超えてMnを含有した場合、一次再結晶集合組織が劣化し、磁気特性が劣化する。そのため、Mn含有量の上限を0.5%とする。
S、SeおよびO:各々50ppm未満
S、SeおよびOは、各々50ppm以上で存在すると、二次再結晶が困難となる。これは、粗大な酸化物や、スラブ加熱により粗大化したMnS、MnSeが一次再結晶組織を不均一にするためである。したがって、S、SeおよびOの含有量は各々50ppm未満に抑制する必要がある。
N:60ppm未満
Nもまた、S、SeおよびOと同様、過剰に存在すると、二次再結晶が困難となる。Nが60ppm以上では、二次再結晶しがたくなり、磁気特性が劣化するので、60ppm未満に抑制する必要がある。
Sol.Al:100ppm未満
Alもまた、過剰に存在すると二次再結晶が困難となる。Sol.Alが100ppm以上では二次再結晶しがたくなり、磁気特性が劣化するため、Sol.Alは100ppm未満に抑制する必要がある。
以上の成分が、鋼スラブ中に含有あるいは含有量の抑制が必須の元素であるが、必要に応じて、特に工業的により安定に磁気特性を得る観点から、Ni、Cu、SnおよびSbの1種または2種以上を、またフォルステライト被膜の形成を安定化させる観点から、CrおよびPの1種または2種を、それぞれ以下に示す含有量の範囲で鋼スラブに適宜添加することができる。
Ni:0.05%以上0.5%以下
Niは、熱延板組織の均一性を高めることにより、磁気特性を改善する働きがあり、そのためには、0.05%以上含有されることが望ましい。Niの含有量が0.5%を超えると、二次再結晶が困難となり、磁気特性が劣化するため、Niは0.5%を上限に含有することが望ましい。
Cu:0.05%以上0.5%以下
Cuは、二次再結晶焼鈍中の鋼板の窒化や酸化を抑制し、良好な結晶方位を有する結晶粒の二次再結晶を促進し、磁性を向上させる。そのためには、0.05%以上含有されることが望ましい。一方、Cuが0.5%を超えて含有されると、熱間圧延性が劣化するため、Cuは0.5%を上限に含有することが望ましい。
Sb:0.01%以上0.5%以下
Sbは、二次再結晶焼鈍中の鋼板の窒化や酸化を抑制し、良好な結晶方位を有する結晶粒の二次再結晶を促進し、磁性を向上させる。そのためには、0.01%以上で含有することが望ましい。一方、Sbが0.5%を超えて含有されると冷間圧延性が劣化するため、Sbは0.5%を上限に含有することが望ましい。
Sn:0.01%以上0.5%以下
Snは、二次再結晶焼鈍中の鋼板の窒化や酸化を抑制し、良好な結晶方位を有する結晶粒の二次再結晶を促進し、磁性を向上させる。そのためには、0.01%以上含有されることが望ましい。一方、Snが0.5%を超えて含有されると、冷間圧延性が劣化するため、Snは0.5%を上限に含有することが望ましい。
Cr:0.05%以上0.5%以下
Crは、フォルステライト被膜の形成を安定化させる働きがあり、そのためには、0.05%以上含有されることが望ましい。Crの含有量が0.5%を超えると、二次再結晶が困難となり、磁気特性が劣化するので、Crは0.5%を上限に添加することが望ましい。
P:0.01%以上0.5%以下
Pは、フォルステライト被膜の形成を安定化させる働きがあり、そのためには、0.01%以上で含有することが望ましい。一方、Pの含有量が0.5%を超えると、冷間圧延性が劣化するため、Pは0.5%を上限に含有することが望ましい。
次に、上記成分の鋼スラブを加熱して熱間圧延に供する。
まず、スラブ加熱温度は、スラブの平均温度で1150℃以上1250℃以下とする。すなわち、1250℃を超えるスラブ加熱は、スラブ中に粗大結晶粒が生じ、途中工程で不適切な方位が発生して磁気特性が劣化する。さらに、スラブにインヒビター形成成分を含まない場合は、インヒビター形成成分を再固溶させることは不要であるばかりか、不可避的に混入する析出物形成成分が再固溶−再析出することにより微細析出物が形成され、二次再結晶挙動に悪影響を及ぼしてしまう。一方、加熱温度が1150℃未満では、圧延荷重が高くなって熱間圧延が困難となるため、加熱温度は1150℃以上1250℃以下とする。
ここで、このスラブ加熱時には、スラブの平均温度が1150℃以上の温度域での滞在時間を80分以下とすることが肝要である。以下に、その理由を説明する。
通常のインヒビター形成成分を含有する方向性電磁鋼板のスラブ加熱において、1150℃〜1250℃での結晶粒成長はインヒビターおよびγ相により抑制される。
しかしながら、インヒビター形成成分を含有しない成分になる電磁鋼板(以下、インヒビターレス電磁鋼板と示す)用のスラブは、粒成長を抑制する析出物がほとんどない。また、γ相の量は、1150℃で最大になり、1150℃を超えると滅少する。そのため、インヒビターレス電磁鋼板用のスラブを1150℃以上に加熱すると、結晶粒が徐々に粗大化する。このスラブ中の粗大結晶粒は、熱間圧延中に再結晶しがたく、また再結晶しても、再結晶粒が粗大となりやすいため、熱延板組織が均一化されず、二次再結晶に不適切な方位である{100}<110>方位、いわゆる斜めキューブ方位が発達する結果、優れた磁気特性が安定して得られなくなる。
そこで、種々の実験を行ったところ、スラブ加熱において1150℃以上の温度域での滞在時間を所定の範囲に制限すればよいことを見出すに到った。
すなわち、図1に1150℃以上の温度域のスラブ滞在時間と磁気特性との関係を示す。図1に示すように、1150℃以上の温度域でのスラブ滞在時間を80分以下とすることにより、優れた磁気特性が安定して得られるようになる。特に、40分以下とすることにより、良好な磁気特性が得られる。なお、図1に示した実験結果は、後述の実施例1において、スラブ加熱を誘導加熱により1200℃で実施した結果である。
ところで、工業的生産においてスラブ加熱はガス炉によって行うことが通常であり、このガス炉内において、スラブはスキッドと称される支持腕に載置された状態で表面から加熱が進むため、スラブの中心部分やスキッドに接触した部分は温度の上昇が緩慢になる。すなわち、ガス炉でのスラブ加熱において、スラブ温度の均一化を図るには、比較的長時間の加熱が必要になる。従って、スラブ加熱時の1150℃以上の温度域での滞在時間を80分以下に制限するためには、短時間でスラブ内部まで均一加熱する必要があり、スラブ加熱は誘導加熱型炉を用いて行うことが推奨される。というのは、誘導加熱型炉を用いると、スラブ内部から加熱することになるため、短時間にスラブ全体の温度を均一化することが可能になるからである。
また、ガス炉で一旦加熱した後、誘導加熱型炉で加熱を行ってもよい。この方法は、誘導加熱型炉のみを用いた場合と同様の効果が得られるのみならず、コスト的に有利である。この場合には、ガス炉によるスラブ加熱温度を500℃以上1150℃以下とすることが望ましい。なぜなら、500℃未満では低コストのメリットを享受することができず、一方1150℃を超えると、その後の誘導加熱型炉による加熱によっても、スラブ内の温度不均一を解消することが困難になるからである。
なお、スラブ加熱における1150℃以上の温度域での滞在時間の下限については、特に限定しないが、スラブ全体の温度の均一化の観点から、3分以上とすることが望ましい。
その後、スラブに熱間圧延を施して熱延板とする。
この熱延板は、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、1回の冷間圧延あるいは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して、最終冷延板とする。冷間圧延は、常温で行ってもよいし、常温より高い温度、たとえば250℃程度に鋼板温度を上げて圧延する、温間圧延としてもよい。
ついで、最終冷間圧延板に一次再結晶焼鈍を施す。一次再結晶焼鈍の目的は、圧延組織を有する冷間圧延板を一次再結晶させ、二次再結晶に最適な一次再結晶粒径に調整することにある。また、一次再結晶焼鈍後、炭素が300ppm以上含まれると、二次再結晶し難いため、この一次再結晶焼鈍において炭素を300ppm未満にすることが望ましい。そのため、最終冷間圧延板に300ppm以上の炭素が含まれる場合には、一次再結晶焼鈍は、湿水素−窒素あるいは湿水素−アルゴン雰囲気など、脱炭可能な雰囲気で行うことが望ましい。
その後、二次再結晶焼鈍を行う。二次再結晶焼鈍の目的は、二次再結晶の発現である。この二次再結晶により、ゴス方位に集積した結晶粒となり、良好な磁気特性が得られる。二次再結晶焼鈍の温度は750℃以上1250℃以下が望ましい。750℃未満では、二次再結晶の発現が困難であり、一方1250℃をこえると、コストの増加をまねくばかりであるからである。
また、必要に応じて、二次再結晶焼鈍前に、鋼板の表面に焼鈍分離剤を塗布する。すなわち、マグネシア(MgO)、アルミナ(Al2O3)、カルシア(CaO)など、二次再結晶焼鈍温度より高い融点を有する適当な酸化物を主剤とした焼鈍分離剤を鋼板に塗布することにより、鋼板同士の密着を防止することができる。特に、焼鈍分離剤の主成分としてマグネシアを用いれば、フォルステライト被膜を形成することができる。
また、二次再結晶焼鈍の後に、さらに脱炭とフォルステライト被膜形成とを目的とした、連続焼鈍、焼鈍分離剤塗布およびバッチ焼鈍を施すこともできる。
更に、鋼板表面に絶縁被膜を塗布、焼き付けることもできる。絶縁被膜の種類については、特に限定されないが、従来公知のあらゆる絶縁被膜が適合する。
例えば、特開昭50-79442号公報や特開昭48-39338号公報に記載されている、リン酸塩、クロム酸塩およびコロイダルシリカを含有する塗布液を鋼板に塗布し、800℃程度で焼き付ける方法が好適である。
更にまた、平坦化焼鈍により、鋼板の形状を整えることも可能であり、平坦化焼鈍を絶縁被膜の焼き付けと兼ねることもできる。
C:0.07%、Si:3.5%、Mn:0.05%、Sol.Al:45ppm、N:35ppm、S:1ppm、Se:1ppmおよびO:10ppmを含有し、残部Feおよび不可避不純物の組成からなる鋼スラブを、連続鋳造にて得た後、ガス炉あるいは誘導加熱型炉にて表1に示す条件で加熱し、熱間圧延して、板厚2.0mmの熱延板とした後、1000℃で30秒の熱延板焼鈍を施した。ついで、冷間圧延により、板厚0.30mmとした後、850℃×100sの一次再結晶焼鈍を施した。その後、MgO:95mass%およびTiO2:5mass%の焼鈍分離剤を水スラリーとして一次再結晶板に塗布、乾燥した。次に、昇温速度15℃/h、雰囲気ガス900℃未満はN2および900℃以上はH2、そして均熱1150℃×5hの二次再結晶焼鈍を施した。
上記の条件で得られた二次再結晶焼鈍板の表面に、リン酸塩、クロム酸塩およびコロイダルシリカを質量比3:1:3で含有する塗布液を塗布し、800℃で焼き付けた。磁気特性は、800℃で3時間の歪取焼鈍を行った後、800A/mで励磁したときの磁束密度B8で評価した。磁気測定は、コイルの長手方向両端部および中央部にて行い、最高値と最低値とを示した。
その評価結果を表1に示すように、スラブ平均温度として1150℃以上1250℃以下の滞在時間を80分以下、特に40分以下とすることにより、良好な磁気特性が安定して得られることが判る。
Figure 0004389553
表2に示す成分を含有し、残部Feおよび不可避不純物の組成からなる鋼スラブを連続鋳造にて得た。その後、スラブ加熱は1100℃までガス炉、1100℃以上を誘導加熱炉にて行い、1200℃にスラブ加熱した。1150℃以上1250℃の滞在時間を30min(条件A)および90min(条件B)とした。加熱したスラブを、熱間圧延して、板厚1.8mmの熱延板とした後、冷間圧延により、板厚0.23mmとし、850℃×180sの一次再結晶焼鈍を施した。ついで、焼鈍分離剤としてAl2O3を水スラリーとして一次再結晶板に塗布、乾燥した。次に、昇温速度10℃/h、雰囲気ガス950℃未満はAr、950℃以上はH2、そして均熱1100℃×10hの二次再結晶焼鈍を施した。
上記の条件で得られた仕上焼鈍板の表面に、リン酸塩、クロム酸塩およびコロイダルシリカを質量比3:1:3で含有する塗布液を塗布し、800℃で焼き付けた。磁気特性は800℃で3時間の歪取焼鈍を行った後、800A/mで励磁したときの磁束密度B8を実施例1の場合と同様に評価した。
その評価結果を表3に示すように、本発明に従う鋼スラブ成分を有し、スラブ加熱における1150℃以上の滞在時間を80分以下とした場合に、良好な磁気特性が得られることがわかる。
Figure 0004389553
Figure 0004389553
スラブ加熱におけるスラブ滞在時間と磁気特性との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量比で、
    C:0.02%以上0.08%以下、
    Si:4.5%以下および
    Mn:0.5%以下
    を含み、Sol.Alを100ppm未満に抑制すると共に、S、SeおよびOを各々50ppm未満並びにNを60ppm未満に抑制し、残部がFeおよび不可避不純物よりなるスラブを、誘導加熱炉を用いて1150℃以上1250℃以下の温度に加熱し(但し、1150℃に加熱する場合を除く)、熱間圧延を施した後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施し、その後一次再結晶焼鈍次いで二次再結晶焼鈍を施す、一連の工程によって方向性電磁鋼板を製造するに当り、
    上記スラブ加熱における1150℃以上のスラブ滞在時間を80分以下とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 1150℃以上のスラブ滞在時間を40分以下とすることを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記鋼スラブは、さらにNi、Cu、SbおよびSnから選んだ1種または2種以上を、
    質量比で、
    NiおよびCuについては0.05%以上0.5%以下、
    SbおよびSnについては0.01%以上0.5%以下
    にて含有することを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記鋼スラブは、さらにCrおよびPから選んだ1種または2種を、
    質量比で、
    Crについては0.05%以上0.5%以下、
    Pについては0.01%以上0.5%以下
    にて含有することを特徴とする請求項1、2または3に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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