JP2010195952A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】気相重合反応装置の拡大部の壁面でのファウリングやファウリング物の落下による製品抜き出し配管の閉塞を防止することができるオレフィン重合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】拡大部を有する気相重合反応装置を用いて、オレフィン重合用触媒の存在下、該拡大部の壁面温度を下記式(1)の範囲に調節してオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
D+10<T<−5.8×X+90 (1)
(式中、Tは、拡大部の壁面温度(℃)を表し、Xは、オレフィン重合体の冷キシレン可溶部量(重量%)を表し、Dは、循環ガスの露点(℃)を表す。ただし、D<−5.8×X+80を満たすものとする。)
【選択図】なし

Description

本発明は、拡大部を有する気相重合反応装置を用いるオレフィン重合体の製造方法に関するものである。さらに詳細には、前記気相重合反応装置の拡大部の壁面でのファウリングやファウリング物の落下による製品抜き出し配管の閉塞を防止することができるオレフィン重合体の製造方法に関するものである。
オレフィン重合体の製造方法としては、従来から、流動床式反応装置に、オレフィンおよび固体状のオレフィン重合用触媒を供給し、オレフィン重合体粒子、触媒粒子等を浮遊させた状態で流動させながら(いわゆる流動床を形成させながら)、オレフィンの重合を行う気相重合法が知られている。しかし、気相重合法では、凝集物や板状物などの塊状物が発生することがあり、前記塊状物がオレフィン重合体粒子や触媒粒子の流動を阻害することにより、流動床の混合状態が不均一となることや、流動床式反応器からオレフィン重合体粒子を抜き出す際に、前記塊状物が抜出口を閉塞することがあった。
このような塊状物の生成を抑制する方法として、流動床反応装置でオレフィンを連続気相重合する方法において、重合時に反応器内壁温度を流動ガスの露点以下に冷却することを特徴とする気相重合法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−62009号公報(1995年3月7日公開)
しかしながら、上記公報に記載の方法においても、拡大部を有する気相重合反応装置の拡大部の壁面にファウリングが発生したり、ファウリング物が落下して、気相重合反応装置の製品抜き出し配管が閉塞したりすることがあり、必ずしも十分なものではなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題、すなわち、本発明の目的は、気相重合反応装置の拡大部の壁面でのファウリングやファウリング物の落下による製品抜き出し配管の閉塞を防止することができるオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意努力の結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、拡大部を有する気相重合反応装置で、オレフィン重合用触媒の存在下、オレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法であって、該拡大部の壁面温度を下記式(1)の温度範囲に調節するオレフィン重合体の製造方法に係るものである。
D+10<T<−5.8×X+90 (1)
(式中、Tは、拡大部の壁面温度(℃)を表し、Xは、オレフィン重合体の冷キシレン可溶部量(重量%)を表し、Dは、循環ガスの露点(℃)を表す。ただし、D<−5.8×X+80を満たすものとする。)
本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、拡大部の壁面でのファウリングやファウリング物の落下による製品抜き出し配管の閉塞が起こることなく、オレフィン重合体を製造することができる。
ホーパー型ミニ実験装置の略図である。 オレフィン重合体粒子のCXSと粘着性発現温度との関係を示す。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみならず、共重合を包含したものであり、また「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体を包含したものである。
本発明に用いる気相重合反応装置としては、気相流動床式反応装置であるのが好ましい。気相流動床式反応装置としては、公知の気相流動床式反応装置を用いることができる。例えば、特開昭58−201802号公報、特開昭59−126406号公報、特開平2−233708号公報、特開平4−234409号公報、特開平7−62009号公報などに記載の気相流動床式反応装置をあげることができる。
上記気相重合反応装置には、通常、未反応モノマーの循環ガスラインが設けられていて、前記循環ガスラインには、循環ガスに同伴する微粉パウダーを捕集するための捕集装置が設置されていてもよい。また、捕集装置を設置する場合、サイクロンタイプのものを用いることが好ましい。捕集装置で捕集された微粉重合体は外部に排出しても、エジェクター等を用いて流動層に戻してもよい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、気相重合反応装置内にオレフィンを連続的に供給し、気相重合反応装置の流動層内にオレフィン重合用触媒を供給し、オレフィン重合用触媒を含む固体粒子の流動層を形成させ、前記オレフィンを重合させるのが好ましい。
本発明に用いる気相重合反応装置は、ガス分散板を設けた直胴部、前記直胴部の上部に流動層部より内径の広がった拡大部、並びに前記直胴部の下部に設けた循環ガス入口及び前記拡大部の上部に設けた循環ガス出口を連通する循環ガスラインを備えている。前記循環ガスラインは、通常、圧縮器、熱交換器、オレフィン導入管及び水素導入管を設けている。また、前記循環ガスラインは、前記拡大部の上部の循環ガス出口から圧縮機までの間に、循環ガスに同伴した微粉を捕集するための捕集装置を設置してもよい。
前記オレフィン導入管および前記水素導入管から供給されるオレフィンおよび水素は、前記循環ガスラインを介して、前記直胴部の循環ガス入口から気相重合反応装置内に供給され、前記ガス分散板より下の位置に吹き込まれ、流動層を通過したオレフィンおよび水素のガスは、前記拡大部において、その流速が減速されて前記拡大部の循環ガス出口から気相重合反応装置の外に排出される。そして、気相重合反応装置から排出されたガスは、前記循環ガスラインを介して、前記圧縮機により、再び気相重合反応装置のガス分散板より下の位置に吹き込まれる。また、通常、オレフィンおよび水素のガスは、再び気相重合反応装置のガス分散板より下の位置に吹き込まれる前に、ガスの重合反応熱を除去する必要があるため、前記熱交換器により冷却される。
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、公知の重合条件によりオレフィンの重合が行われる。気相重合反応装置内の圧力は、オレフィンの全体、または少なくとも一部が気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、0.1〜5.0MPaであり、好ましくは、1.5〜3.0MPaである。気相重合反応装置内の温度は、使用する触媒、気相重合反応装置内の圧力、重合するオレフィンの種類等により適宜選択されるが、一般には、30〜110℃であり、好ましくは、60〜100℃であり、より好ましくは、70〜90℃である。また、気相重合反応装置内の循環ガス流速は、通常、10〜100cm/秒であり、好ましくは、20〜70cm/秒である。なお、一般に、循環ガスには、水素を共存させてもよく、不活性ガスを共存させてもよい。
本発明において、捕集装置を設置する場合、捕集装置に捕集された微粉重合体は連続的または間歇的に系外に排出してもよく、連続的または間歇的に流動床内に戻してもよい。
本発明において、拡大部の壁面温度の調節方法は、例えば、拡大部の全体もしくは一部に温度調節可能な冷媒等を通水することができるジャケット、または電気的に温度制御可能なジャケットを設置する方法等が挙げられる。
本発明において、拡大部の壁面温度は、下記式(1)の温度範囲を満たすものである。
D+10<T<−5.8×X+90 (1)
(式中、Tは、拡大部の壁面温度(℃)を表し、Xは、オレフィン重合体の冷キシレン可溶部量(重量%)を表し、Dは、循環ガスの露点(℃)を表す。ただし、D<−5.8×X+80を満たすものとする。)
ここで、拡大部の壁面温度(T(℃))は、上記拡大部の壁面温度の調節に用いるジャケット等を設置する付近の外壁面の温度のことであり、拡大部外壁面に熱電対式温度計等を設置し測定することができる。循環ガスの露点とは、液状物の析出が開始する温度のことであり、重合条件によって変動する。
液状物が存在すると微粉パウダー等が液状物で壁面で保持される。壁面で保持されると重合熱の除熱不良が発生し、微粉パウダー等が溶融して凝集塊やファウリング物になってしまう。また循環ガス組成は重合状態により変動する可能性があるため、本発明においては、拡大部の壁面温度(T(℃))は、循環ガスの露点(D(℃))+10より高い温度に調節することで、拡大部でのファウリングを防止できることを見出した。拡大部の壁面温度(T(℃))は、好ましくは、循環ガスの露点(D(℃))+15より高い温度である。本発明において、循環ガスの露点は、通常、10〜70℃であり、好ましくは、15〜55℃、より好ましくは20〜40℃である。
また、拡大部の壁面温度(T(℃))は、通常、−5.8×X+90より低い温度であり、好ましくは、−5.8×X+85より低い温度である。
ただし、Xは、気相重合反応装置から抜き出されたオレフィン重合体粒子の冷キシレン可溶成分量(CXS)(重量%)であり、米国のCode of federal regulations,Food and Drugs Administrationの§177.1520に規定された方法によって測定されるものである。なお、CXSは、気相重合反応装置から抜き出されたオレフィン重合体粒子中の重合体の重量を100重量%として表したものである。該CXSを大きくする方法としては、重合ガス中の水素濃度を高くする方法、重合ガスのモノマー中のコモノマー割合を高くする方法(例えば、エチレンと1−ヘキセンとの共重合において、1−ヘキセンがコモノマーである場合、エチレンに対する1−ヘキセン濃度を高くする。)などをあげることができる。
本発明において、Xの範囲として、好ましくは0.1〜12重量%であり、より好ましくは、1〜7重量%であり、さらに好ましくは1.5〜5重量%である。
パウダーのCXSが高いほど、重合温度下での粘着性が高いことは一般的に知られている。
本発明者らは、種々のCXSの異なるオレフィン重合体粒子を用いて、図1に示すような下部に排出口を塞ぐ引き抜き可能な排出弁Hを設けた逆円錐状のホッパー型ミニ実験装置の中に、一定量(約150g)のオレフィン重合体粒子を充填し、ギアオーブンにてオレフィン重合体粒子を充填した実験装置を2時間以上ある一定温度に保温した後にギアオーブンから該実験装置を取り出し、速やかにオレフィン重合体粒子の上方から錘にて一定荷重(約2.3KPa)をかけて、ギアオーブンに戻し、再度5分間保温した後に、ギアオーブンから該実験装置を取り出し、錘を外して速やかに排出弁Hを引き抜くことによって、該実験装置の下部からオレフィン重合体粒子を排出するテストを温度を変えて実施した。その結果、オレフィン重合体粒子によって排出にかかる時間が急激に変化する温度があり、その温度がオレフィン重合体粒子のCXSによって異なることを見出した。ここで、排出にかかる時間が急激に変化する温度はオレフィン重合体粒子の流動性が大きく変化する粘着性を発現する温度であると考えられる。また種々のCXSの異なるオレフィン重合体粒子でこの粘着性が発現する温度が異なり、この粘着性が発現する温度とCXSとの関係を図2に示すようにプロットすることで、下記の相関関係があることを見出した。
粘着性が発現する温度≒−5.8×X+120(℃)
また、気相重合反応装置を用いたオレフィンの重合反応において、気相重合槽に投入されたばかりの触媒はオレフィンの重合度が低く、活性点近傍は重合温度より20℃から30℃ほど温度が高くなっていると一般的に言われている。そのため、触媒の活性点での温度を考慮すると、拡大部の壁面温度は前記粘着性が発現する温度よりも30℃低くする必要がある。
そのため、本発明においては、気相重合反応装置の拡大部にてパウダーが粘着性を発現してファウリングが進行しないためには、気相重合反応装置の拡大部温度を−5.8×X+90℃より低い温度に、好ましくは、−5.8×X+85℃より低い温度にする必要があることを見出した。また、より好ましくは、重合温度よりも低い温度である。
本発明のオレフィン重合体の製造方法に用いるオレフィン重合用触媒としては、例えば、メタロセン系触媒、チーグラー型触媒、フィリップス型触媒などの公知のオレフィン重合用触媒が挙げられる。これらの中でも、メタロセン系触媒を用いるのが好ましい。
チーグラー型触媒としては、例えば、特開昭59−8706号公報、特開昭59−22907号公報、特開昭59−22908号公報、特開昭59−64611号公報、特開昭59−71309号公報、特開昭60−42404号公報、特開昭60−133011号公報、特開昭60−215006号公報、特開昭62−232405号公報、特開昭62−297304号公報、特開平1−256502号公報、特開平1−289809号公報、特開平3−81303号公報、特開平3−88808号公報、特開平3−93803号公報、特公昭56−18132号公報、特公昭56−15807号公報、特公昭61−50964号公報、特公昭61−363号公報、特公昭62−56885号公報、特開平11−322833号公報、特開2002−187909号公報などに記載されている固体触媒成分を挙げることができる。また必要に応じて、例えば、特開2001−342211号公報等に記載されているように少量のオレフィンを重合(以下、「予備重合」という。)して得た粒子を使用することができる。
メタロセン系触媒としては、例えば、特開昭61−108610号公報、特開昭61−296008号公報、特開昭63−89505号公報、特開平3−234709号公報、特開平6−336502号公報等に記載されている有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物等の助触媒成分とメタロセン系化合物とを粒子状担体に担持させてなる固体触媒成分、および必要に応じて、有機アルミニウム化合物、ホウ素化合物等の助触媒成分を併用したもの、特開2003−171412号公報等に記載されている有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、有機亜鉛化合物等の助触媒成分を粒子状担体に担持させてなる固体触媒成分と、メタロセン系化合物、有機アルミニウム化合物等の触媒成分とを併用したものを挙げることができる。また必要に応じて、予備重合して得た粒子を使用することができる。
本発明に用いるオレフィンとしては、例えば、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン等が挙げられる。炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらのオレフィンは、1種単独で用いて単独重合を行ってもよく、2種以上を併用して共重合を行ってもよい。2種以上を併用して共重合を行う場合、用いるオレフィンとしては、例えば、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと4−メチル−1−ペンテン、エチレンと1−オクテン、プロピレンと1−ブテン、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセン、エチレンと1−ブテンと4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
本発明で製造されるオレフィン重合体として、好ましくは、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。前記α−オレフィンとして、好ましくは、炭素原子数3〜8のα−オレフィンであり、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンまたは1−オクテンである。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
(1)密度(単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
(3)冷キシレン可溶部量(CXS、単位:重量%)
米国のCode of federal regulations,Foodand Drugs Administrationの§175.1520に規定された方法に従って測定した。
(4)粗粒率
重合体粒子を篩目が5mmの篩で篩い分けして、篩を通過しなかった重合体粒子の重量割合を求めた。粗粒率が高いほどファウリングが進行していることを示す。
実施例1
(1)シリカの処理
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、溶媒としてトルエン24kg、微粒子担体(a)として窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.81kgを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.91kgとトルエン1.43kgの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら32分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、95℃で3.3時間攪拌した。その後、得られた固体生成物をトルエン21kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエンを7.1kg加え、一晩静置してトルエンスラリーを得た。
(2)オレフィン重合用触媒成分の調製
上記実施例1(1)で得られたトルエンスラリーへ、50重量%のジエチル亜鉛のヘキサン溶液1.75kgと溶媒としてヘキサン1.0kgを投入し、攪拌した。その後、5℃に冷却した後、トリフルオロフェノール0.78kgと溶媒としてトルエン1.41kgの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら61分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、40℃で1時間攪拌した。その後、22℃に降温した後に、水0.11kgを反応器の温度を5℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間、40℃で2時間、更に、80℃で2時間攪拌した。攪拌を停止し残量が16リットルとなるまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、攪拌した。95℃に昇温し、4時間攪拌した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することでオレフィン重合用触媒成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=11重量%、Si=30重量%、F=5.9重量%、N=2.3重量%であった。
このことよりオレフィン重合用触媒成分における微粒子担体の割合は64重量%であった。
(3)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付き反応器に、常温下でブタン80リットルを投入し、次に、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド89.5mmolを投入した。その後、反応器内の温度を50℃まで上昇させ、2時間攪拌した。反応器内の温度を30℃まで降温し、エチレンを0.1kg投入した。次に、上記実施例1(2)で得られたオレフィン重合用触媒成分(A)704gを投入した。その後、水素を常温常圧として0.1リットル投入した。系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム263mmolを投入して予備重合を開始した。
予備重合開始後、反応器内の重合温度を30℃で0.5時間運転を行い、その後30分かけて50℃まで昇温して、その後は50℃で重合を行った。最初の0.5時間は、エチレンを0.7kg/時間で供給し、水素を常温常圧として0.7リットル/時間の速度で供給し、予備重合開始後0.5時間からは、エチレンを3.2kg/時間、水素を常温常圧として9.5リットル/時間の速度で供給し、合計6時間の予備重合を実施した。予備重合終了後、反応器内圧力を0.5MPaGまでパージし、スラリー状予備重合触媒を乾燥器に移送して、窒素流通乾燥を実施して、予備重合触媒を得た。該予備重合触媒中のエチレン重合体の予備重合量は、オレフィン重合用触媒成分1g当り23.1gであった。
(4)流動床式気相重合
拡大部に温度調節が可能なジャケットを有し、循環ガスラインに捕集した微粉重合体を外抜きすることが可能なサイクロン型の捕集器が設置されており、内径が50cmである流動床式重合反応器を有する流動床式連続気相重合反応装置を用い、重合温度:80℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン93.0mol%、水素1.21mol%、1−ヘキセン1.43mol%、窒素4.06mol%、ヘキサン0.30mol%、循環ガス流速:45cm/秒の重合条件でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を行った。この循環ガス組成における露点は28℃であった。ジャケットに冷却水を流すことにより拡大部の外壁面の温度を50℃に調節した。
重合中は、上記実施例1(3)で得た予備重合触媒を、24g/時間の供給量で供給した。また、重合中は、トリエチルアミンを0.6mmol/時間の供給量で、トリイソブチルアルミニウムを20mmol/時間の供給量で、重合反応器に供給し、平均22.9kg/時間のエチレン−1−ヘキセン共重合体を生産した。凝集塊の発生は殆どなく、粗粒率は10重量ppm以下であった。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体の密度は908.4kg/m3、MFRは0.22g/10分、冷キシレン可溶分が3.3重量%であった。
5日間の運転終了後、捕集器内部の開放点検を実施したが、拡大部のファウリングは殆どなかった。
比較例1
(1)流動床式気相重合
循環ガスラインに捕集した微粉重合体を外抜きすることが可能なサイクロン型の捕集器が設置されており、内径が50cmである流動床式重合反応器を有する流動床式連続気相重合反応装置を用い、重合温度:80℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン90.7mol%、水素1.34mol%、1−ヘキセン1.32mol%、窒素6.34mol%、ヘキサン0.3mol%、循環ガス流速:45cm/秒の重合条件でエチレンと1−ヘキセンとの共重合を行った。この循環ガス組成における露点は27℃であった。また、拡大部の外壁面の温度は87℃であった。
重合中は、上記実施例1(3)で得た予備重合触媒を、31.8g/時間の供給量で供給した。また、重合中は、トリエチルアミンを0.6mmol/時間の供給量で、トリイソブチルアルミニウムを20mmol/hrの供給量で、重合反応器に供給し、平均22.9kg/時間のエチレン−1−ヘキセン共重合体を生産した。3日間の運転時に、粗粒率が高く抜き出し配管の閉塞が発生した。
得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体の密度は910.96kg/m3、MFRは0.31g/10分、冷キシレン可溶分が3.4重量%であった。
反応器内部の開放点検を実施したところ、拡大部にファウリングが確認された。
H・・・排出弁

Claims (2)

  1. 拡大部を有する気相重合反応装置を用いて、オレフィン重合用触媒の存在下、該拡大部の壁面温度を下記式(1)の範囲に調節してオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
    D+10<T<−5.8×X+90 (1)
    (式中、Tは、拡大部の壁面温度(℃)を表し、Xは、オレフィン重合体の冷キシレン可溶部量(重量%)を表し、Dは、循環ガスの露点(℃)を表す。ただし、D<−5.8×X+80を満たすものとする。)
  2. オレフィン重合用触媒がメタロセン系触媒である請求項1に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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