JPH11189603A - 流動層型重合装置およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

流動層型重合装置およびオレフィンの重合方法

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JPH11189603A
JPH11189603A JP28310398A JP28310398A JPH11189603A JP H11189603 A JPH11189603 A JP H11189603A JP 28310398 A JP28310398 A JP 28310398A JP 28310398 A JP28310398 A JP 28310398A JP H11189603 A JPH11189603 A JP H11189603A
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JP
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fluidized bed
polymerization
fluidized
temperature distribution
bed type
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JP28310398A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Yamamoto
良一 山本
Satoru Otani
悟 大谷
Tomohiro Arase
智洋 荒瀬
Hisayoshi Watanabe
久佳 渡辺
Jun Iwama
順 岩間
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動層型重合器の温度を簡単にリアルタイム
に測定することができ、この測定結果に基づいて重合状
態を把握し、運転条件を変更することで、長期間に亘り
安定してオレフィンの気相重合を行うことができる流動
層型重合装置を提供する。 【解決手段】 オレフィンを含有する流動ガスを用い
て、固体触媒成分及び重合体を流動させつつオレフィン
を重合させる流動層型重合器1と、流動層型重合器1の
頂端から流出する未反応オレフィン含有ガスを循環させ
るとともに循環速度を調節する設備18,B2と、新たなオ
レフィンを流動層型重合器1に供給するとともに供給量
を調節する原料供給設備5,24と、固体触媒を流動層型重
合器1に供給するとともに固体触媒の供給量を調節する
触媒供給設備とを備えた流動層型重合設備において、流
動層型重合器1の外殻表面の温度分布を所定の測定距離
からリアルタイムに測定する赤外線温度測定装置2と、
前記温度分布に基づいて重合に関わる条件を変更する制
御装置3とを備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィンの重合
を行う流動層型重合装置に係り、オレフィン重合体を連
続的に長期間安定してかつ合理的に製造しうる流動層型
重合装置に関する。また、当該制御設備を用いたオレフ
ィンの重合方法に関する。
【0002】尚、本明細書中で使用される「重合」及び
「重合体」なる用語は、それぞれ、「単独重合」並びに
「共重合」、及び「単独重合体」並びに「共重合体」を
含む意味で用いられる。
【0003】
【従来の技術】オレフィン重合体例えば、ポリエチレン
またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である直
鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等に代表され
る。これらオレフィン重合体は、フィルム成形用材料等
として広く利用されている。
【0004】このようなオレフィン重合体は、チーグラ
ーナッタ型触媒またはメタロセン型触媒等の高活性触媒
を用いて製造されることが一般的である。近年のオレフ
ィン重合用の遷移金属触媒の改良によって、遷移金属の
単位量当たりのオレフィン重合体生産能力が飛躍的に向
上し、その結果、重合後における触媒除去操作が省略さ
れるようになった。
【0005】このような高活性触媒を用いる場合は、重
合操作が最も簡単なことから、通常、オレフィン重合を
気相で行う方法が採用されている。かかる気相重合にお
いては、重合を円滑に行うためにガス分散板を設けた流
動層型重合器が多用されている。
【0006】すなわち、オレフィン若しくはオレフィン
含有ガスを、コンプレッサまたはブロワーにより導入管
を経て重合器下部に導入し、次に多数の孔が形成されて
いるガス分散板により均一に分散させて重合器内を上昇
させ、ガス分散板の上側の流動層域で触媒粒子と接触さ
せながら流動させて重合を行うというものである。
【0007】この場合、触媒粒子表面にオレフィン重合
体が形成され、流動層域には、触媒粒子とオレフィン重
合体とから成る固体粒子が浮遊しており、重合体を粒子
状で得ることができる。このため重合後の粒子析出工程
あるいは粒子分離工程などが不要となり、製造プロセス
を簡略化することができ、製造コストを低減できる。
【0008】また未重合ガスは、減速域の上部から取り
出され、冷却水やブライン等で冷却された後、再度、コ
ンプレッサー又はブロワーにより重合器の下部に送られ
て循環使用されるようになっている。
【0009】上述した気相重合を行うための流動層型重
合器を長期間にわたって安定して効率よく稼働させるた
めには、 (1)気相重合の重合域である流動層域におけるホット
スポットの防止 (2)流動層中でのポリマー粒子の融着の防止 (3)非流動或いは流動不良のポリマー粒子の発生防止 などの対策が必要である。
【0010】これらの対策を行うため流動層型重合器の
流動層域必要に応じて減速域に温度測定装置を配置し、
これら温度測定装置が測定した流動層型重合器の内部温
度をリアルタイムに監視し、温度の上昇または下降等の
異常が認められる場合、流動層型重合器の運転条件を変
更して重合の安定化を図っている。
【0011】すなわち、流動層域での固体粒子の分散が
不均一であると、固体粒子が流動層型重合器の内壁に付
着して重合し、その部分の除熱が不充分となり、局部的
に付着した部分の温度が上昇する。
【0012】また、オレフィン重合体の粒子同士が融着
して成長し塊状やシート状になり、これらが流動層型重
合器の内部の所定箇所に沈殿したり、滞留することでそ
の部分の温度が低下する。
【0013】さらに、重合が短時間に急激に行われる
と、重合器の内部温度が急上昇するため、異常な速度で
の重合が行われていることを推定することができる。特
にこの様な急激な反応が部分的に発生した場合ホットス
ポットを形成し、それが又新たなシート状ポリマーや塊
状ポリマーとなって重合器の運転に対する不安定要素と
なってしまいがちである。
【0014】したがって、重合を行う際の理想的な温度
条件をあらかじめ設定しておき、温度測定装置が測定し
た流動層型重合器の内部温度を監視することで、流動層
型重合器の運転状態をある程度予測し、重合の安定化を
図ることができる。
【0015】ところで、流動層型重合器の内部温度を監
視する手段として、図8に示すように流動層型重合器7
0の流動層域70bに2個の温度測定装置72a、72
bを挿入するとともに、減速域70cに1個の温度測定
装置72cを挿入して、それぞれの温度測定装置72
a、72b、72cにより測定した温度により運転条件
を変更するものが用いられている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、流動層域70
bでは、触媒粒子とオレフィン重合体とから成る固体粒
子が浮遊しており、又、温度分布が存在し、その分布も
逐次変化している。
【0017】したがって、3個の温度測定装置72a、
72b、72cを配置しただけでは、流動層型重合器の
内部温度を正確に検出し、これに基づいて流動層型重合
器の運転条件を綿密にコントロールすることは困難であ
る。
【0018】また、流動層型重合器の内部温度を測定す
るために、温度測定装置をこの流動層型重合器の内部に
挿入して配置すると、この温度測定装置の突起部がガス
対流の障害となり、更に内挿した温度測定装置に、ポリ
マーが付着し、シート状ポリマーや塊状ポリマーの発生
源になりがちであった。
【0019】つまり、温度測定装置を多数配置すると、
ガス導入域70aに流入した流動ガスをガス分散板71
により均一に分散させて、流動層域70bに流入させ固
体粒子を流動させたにもかかわらず、温度測定装置の突
起部近傍で固体粒子が滞留して除熱が不充分となり、塊
状となって流動層型重合器の内壁に付着したり、オレフ
ィンの粒子同士が融着する度合いが増加するという問題
もある。
【0020】このため、多数の温度測定装置を内部に突
出して配置することはできず、設置する温度測定装置の
数にも限界がある。したがって、流動層型重合器の内部
温度を緊密に測定することができないという問題もあ
る。
【0021】本発明は、前記事項に鑑み創案されたもの
であり、流動層型重合器の温度を簡単にリアルタイムに
測定することができ、この測定結果に基づいて重合状態
を把握し、運転条件を変更することで、長期間に亘り安
定してオレフィンの気相重合を行うことができる流動層
型重合装置を提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の手段を採用した。本発明に係る流動
層型重合装置は、オレフィンを含有する流動ガスを用い
て、固体触媒成分及び重合体を流動させつつオレフィン
を重合させる流動層を有する流動層型重合器と、前記流
動層型重合器の頂端から流出する未反応オレフィン含有
ガスを前記流動層型重合器に循環させるとともに前記未
反応オレフィン含有ガスの循環速度を調節する設備と、
新たなオレフィンを前記流動層型重合器に供給するとと
もに前記オレフィンの供給量を調節する原料供給設備
と、前記固体触媒を前記流動層型重合器に供給するとと
もに前記固体触媒の供給量を調節する触媒供給設備とを
備えた流動層型重合装置において、前記流動層型重合器
の外殻表面の温度分布を所定の測定距離から測定する赤
外線温度測定装置と、前記流動層型重合器外殻表面の温
度分布の目標値をあらかじめ格納し、前記赤外線温度測
定装置が測定した温度分布を表示するとともに、前記温
度分布の目標値と測定した外殻表面の温度分布とを比較
演算し、目標に合致させるように重合に関わる条件を変
更して制御する制御装置とを備えたことを特徴とする
(請求項1に対応)。
【0023】本発明によれば、流動層型重合器の外殻表
面の温度分布を赤外線温度測定装置にてリアルタイムに
測定し、この測定結果を制御装置へと出力する。そし
て、赤外線温度測定装置が測定した温度分布を流動層型
重合器の形状とともに表示する。
【0024】次に、あらかじめ格納した温度分布の目標
値と測定した外殻表面の温度分布とを比較演算し、比較
演算結果に基づいて流動層型重合器の表面の温度分布を
目標値に合致させるように重合に関わる条件を変更して
制御する。
【0025】したがって、流動層型重合器の外殻表面の
全面または所定の箇所の温度分布を測定しながら、あら
かじめ設定した温度分布の目標値に合わせるように重合
に関わる条件を自動的に変更することができる。
【0026】また、本発明に係る流動層型重合装置は、
オレフィンを含有する流動ガスを用いて、固体触媒成分
及び重合体を流動させつつオレフィンを重合させる流動
層を有する流動層型重合器と、前記流動層型重合器の頂
端から流出する未反応オレフィン含有ガスを前記流動層
型重合器に循環させるとともに前記未反応オレフィン含
有ガスの循環速度を調節する設備と、新たなオレフィン
を前記流動層型重合器に供給するとともに前記オレフィ
ンの供給量を調節する原料供給設備と、前記固体触媒を
前記流動層型重合器に供給するとともに前記固体触媒の
供給量を調節する触媒供給設備とを備えた流動層型重合
装置において、前記流動層型重合器の外殻表面の温度分
布を所定の測定距離から測定する赤外線温度測定装置
と、前記赤外線温度測定装置が測定した測定結果によ
り、重合に関わる条件を変更する調節装置とを備えたこ
とを特徴とする(請求項2に対応)。この構成によれ
ば、オペレータが前記表示装置で測定温度の経時変化を
見ながら、前記循環速度、前記オレフィンの供給量、お
よび個体状触媒の供給量を各々手動で調節することで、
重合に関わる条件を変更することができる。
【0027】次に、本発明に係る前記赤外線温度測定装
置は、前記流動層型重合器の外殻表面を所定の部分に分
割し、この分割した外殻表面の温度分布を所定の測定距
離から測定し、前記制御装置は所定の部分に分割された
前記流動層型重合器の外殻表面の温度分布の目標値をあ
らかじめ格納し、前記温度分布の目標値と測定した外殻
表面の温度分布とを比較演算し、目標値に合致させるよ
うに重合に関わる条件を変更して制御するものである
(請求項3に対応)。本発明によれば、流動層型重合器
の外殻表面の形状を所定の部分毎に分割して、その部分
毎の温度分布を目標値に合わせるように、重合に関わる
条件を自動的に変更することができる。
【0028】また、本発明に係る前記重合装置は、前記
重合に関わる条件を、前記流動層型重合器に供給する前
記固体触媒の供給速度とするように構成してもよく(請
求項4に対応)、また、前記流動層型重合器に供給する
前記固体触媒の各供給口の供給速度とし、個別に又は互
いに連動させるように構成してもよい(請求項5に対
応)。
【0029】さらに、本発明に係る前記重合装置は、前
記重合に関わる条件を、前記流動層型重合器に触媒失活
成分の供給とするように構成してもよく(請求項6に対
応)、また、前記流動層型重合器は複数個の触媒失活成
分供給口を有し、前記重合に関わる条件を、前記触媒失
活成分供給口からの触媒失活成分の供給とするように構
成してもよい(請求項7に対応)。
【0030】またさらに、本発明に係る前記重合装置
は、前記重合に関わる条件を、前記固体触媒の各供給口
からの供給速度と前記触媒失活成分の各供給口からの供
給速度とし、個別に又は互いに連動させるように構成し
てもよい(請求項8に対応)。またさらに、本発明に係
る前記重合装置は、前記重合に関わる条件を、前記流動
層型重合器に流入する流動ガスのガス線速度とするよう
に構成してもよく(請求項9に対応)、前記流動層型重
合器の内部の流動ガス組成とするように構成してもよく
(請求項10に対応)、前記流動層の流動層高とするよ
うに構成してもよい(請求項11に対応)。
【0031】またさらに、本発明に係る前記赤外線温度
測定装置は、前記流動層型重合器の外殻表面の形状の5
%〜100%を測定範囲として温度分布を測定するもの
である(請求項12に対応)。本発明によれば、流動層
型重合器の流動層域や減速域若しくはこの流動層域の底
部から中部にかけて等それぞれ測定範囲を5%〜40%
を範囲で温度分布を測定する。また、前記赤外線温度測
定装置が移動できる場合は、2%〜100%を測定範囲
として温度分布を測定する。
【0032】またさらに、本発明に係る前記赤外線温度
測定装置は、前記流動層型重合器を取り囲んで配置した
環状の案内レール上を移動する駆動装置を備え、前記流
動層型重合器の外周表面の温度分布を測定するように構
成してもよい(請求項13に対応)。
【0033】またさらに、本発明に係る前記赤外線温度
測定装置は、上下方向及び左右方向に測定角度を可変と
する可変手段を有するとともに、前記流動層型重合器の
温度分布の測定域を拡大しまたは縮小するズーム手段を
有するように構成してもよい(請求項14に対応)。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態に係るを図1
〜7に基づいて具体的に説明する。本実施の形態に係る
流動層型重合装置は、図1に示すように気相重合を行う
流動層型重合器1(以下、単に重合器1という)と、こ
の重合器1の外殻表面の温度分布を測定する赤外線温度
測定装置2と、これら重合器1及び赤外線温度測定装置
2に入出力インタフィース15を通じて接続した計算手
段例えば、パーソナルコンピュータからなる制御装置3
(以下、PC3という)と、このPC3に入出力インタ
フェース15を通じて接続され、重合器1の外殻表面の
温度分布をこの重合器1の表面形状とともに表示する表
示装置4とで形成する。
【0035】そして、PC3には、入出力インタフェー
ス15を通じて入力装置12(キーボード、OCR、O
MR、バーコードリーダ、ディジタイザ、イメージスキ
ャナ、音声認識装置等)及び補助記憶装置13(CD−
ROM、VTR、MO、FD等)並びに印字装置14
(プリンタ等)を接続している。
【0036】ここで、PC3は、あらかじめ格納した重
合器1の表面温度の目標値と測定した温度とを比較演算
し、この演算結果に基づいて重合器1に所定の制御信号
を出力するものである。以下、流動層型重合装置を形成
するそれぞれの装置について具体的に説明する。 「流動層型重合器1」まず、重合器1は、図1に示すよ
うに円筒状の直胴部を有し直胴部の下方にはガス分散板
9を設けている。
【0037】そして、この重合器1の内部空間は、ガス
分散板9によって上下に仕切られていて、その上部に気
相重合が行われる流動層域1bを形成し、下部にはガス
導入域1aを形成している。また、流動層域1bの上部
には流動ガス(未反応オレフィン含有ガス)のガス線速
度を下げて粒子の飛び出しを防止する減速域1cを設け
ている。
【0038】次に、重合器1の流動層域1bには、固体
触媒等8を供給する供給用配管と、生成重合体10を取
り出す取出用配管26が接続されている。また、この流
動層域1bの槽側壁には、流動層高測定装置H1(図6
参照)が設置されている。なお、この流動層高測定装置
H1は、層内で生成されたオレフィン重合体の高さ(流
動層高)を測定するものである。さらに、重合器1の塔
頂には未反応オレフィン含有ガスを排出するガス排出管
18を接続している。
【0039】そして、前記供給用配管からは固体触媒成
分および有機金属化合物触媒成分あるいは必要に応じて
電子供与体などの各化合物を重合器1に供給する。この
ような固体触媒成分は、乾燥した固体粉末状態あるいは
炭化水素に懸濁した状態で重合器1に供給することがで
き、オレフィンを予備重合させる場合には、有機金属化
合物触媒成分、また必要に応じて電子供与体を用いて行
い、これら各化合物も予備重合触媒と共に供給される。
【0040】次に、ガス導入域1aには、重合すべきオ
レフィンを供給する供給用配管24が接続している。ま
た、この供給用配管24はガス排出管18の他端と接続
している。さらに、必要に応じて低沸点非重合性炭化水
素や不活性ガス(触媒失活成分)等6を供給する供給用
配管25を接続している。
【0041】そして、ガス導入域1a(ガス室とも言
う)に導入されたガスは、ガス分散板9を通って流動層
域1bに流れ込み、オレフィン重合体が流動しながら気
相重合が行われるようになっている。
【0042】なお、重合系(流動層)を機械的に撹拌す
ることもできる。撹拌は、イカリ型撹拌機、スクリュウ
型撹拌機、リボン型撹拌機など種々の型式の撹拌機を用
いて行うことができる。
【0043】次に、重合器1でオレフィンの重合を行う
際に、ガス排出管18からの排出ガス(未反応オレフィ
ン含有ガス)は、熱交換器7によって冷却されて重合熱
が除去される。また、熱交換器7では、流動層域1bの
安定性を損なわない範囲で、排出ガスが一部凝縮液を形
成するまで冷却しても良い。
【0044】なお、冷却後の排出ガスは必要に応じて凝
縮液と気体部に分離し、凝縮液は必要に応じてポンプを
用い、気体はブロアーB2 により圧送され、ガス排出管
18及び供給用配管24を通ってガス導入域1aに循環
される。なお、排出ガスはブロアーB2 により圧送され
て後、熱交換器7によって冷却されるように構成しても
良い。
【0045】そして、冷却された排出ガスはガス排出管
18を介して供給用配管24により供給される新たなガ
スと共にガス導入域1aに導入されて循環し流動層域1
bを形成する。凝縮液はガス排出管18から重合器1に
供給しても他の図示しないラインから供給してもよい。 「赤外線温度検出装置2」次に、重合器1の外殻表面の
温度分布を測定する赤外線温度測定装置2は、重合器1
の外殻表面から放出される赤外線を検出して、重合器1
の外殻表面の温度分布を測定するサーモカメラ2を用い
ている。
【0046】このサーモカメラ2は、重合器1から放出
される赤外線を検知して熱画像を構成するものであり、
赤外線センサ部としてインジウムアンチモンや水銀カド
ミウムテルル等の半導体を用い、これを二次元アレー化
して電子スキャンにより熱画像データを得るものであ
る。
【0047】これらの検出素子の検出範囲は3〜4.
7、8〜12、8〜14μmと素子によって異なり、必
要に応じて適宜選択すればよい。大型重合器等屋外に設
置するものは、太陽光の影響を受けるので、8〜14μ
mの様な長波長帯を用いるのが好ましい。
【0048】そして、このサーモカメラ2には、図2に
示すように重合器1の外殻表面を広角で測定するための
広角レンズや外殻表面をズームアップして測定するため
の望遠レンズまたは視野拡大レンズ等(ズーム手段)を
備えることもできる。
【0049】また、このサーモカメラ2には、上下方向
及び左右方向に測定角度を可変とする可変手段を備える
こともできる。さらに、長波長の検知波長体を持たせる
ことにより、屋外で温度測定を行う際に、太陽光線の反
射の影響を排除してより正確な温度測定をすることがで
きる。そして、このサーモカメラ2は、重合器1の流動
層域1bや減速域若しくはこの流動層域の底部から中部
にかけて等それぞれ測定範囲を2%〜40%を範囲で温
度分布を測定することができる。
【0050】また、このサーモカメラ2には、重合器1
の外殻表面の全体像の温度分布を測定することができる
ように、図3に示すように重合器1の周辺に環状の案内
レール16を設け、この案内レール16上にサーモカメ
ラ2を設置し、さらに、案内レール16上を移動できる
ようにモータ等の駆動装置11を取り付けている。
【0051】このように、案内レール16上を移動可能
にした場合、このサーモカメラ2は2%〜100%を測
定範囲として温度分布を測定することができる。また、
図示はしていないが1台のサーモカメラ2が測定できる
範囲には限界があるため、この案内レール16上を移動
するサーモカメラ2を複数設置して、常時重合器1の全
体の外殻表面の温度分布を測定することもできる。
【0052】「制御装置」次に、所定の制御信号を出力
するPC3は、OSによる制御の下にメモリ3bまたは
補助記憶装置13にキャッシュされているプログラムを
起動し、所定のタスク(プロセス)を実行する。このP
C3は、複数のタスクを仮想的にかつ同時に並列して実
行するマルチタスクを行うこともできる。また、このP
C3の持つ機能はDCSに変えることもできる。
【0053】なお、PC3の機能の一部には、メモリ管
理装置の機能が備えられている。すなわち、このメモリ
管理装置は、読み出しまたは書き込みを行うためにプロ
セスが指定するメモリ3b上の論理アドレスを、実際に
メモリ3bに読み書きする物理ページの番地を示す物理
アドレスに変換する機能をも有している。
【0054】次に、PC3本体を構成するCPU3a
は、与えられたデータに対して四則演算、論理演算等を
行う演算部3a2と、実行される命令部3b1のアドレス
をもとにメモリ3bからCPU3aに命令を取り込み、
命令の内容を解読し必要な動作指示を他の装置に対して
出す制御部3a1とを有する。
【0055】この制御部3a1は、図1に示すようにサ
ーモカメラ2等に対して入力制御指令を出し、メモリ3
bに対しては、メモリ制御指令を出し、表示装置4等に
対しては、出力制御指令を出す。
【0056】そして、サーモカメラ2等より入力された
コマンドは最初にメモリ3bへと転送されてメモリ3b
では、与えられたコマンドからデータ及び命令を選択す
るとともに選択されたデータ及び命令をCPU3aの制
御部3a1に転送する。
【0057】ここで、重合器1の外殻表面の温度はサー
モカメラ2にて測定され、入出力インタフェース15を
通じてメモリ3bへと転送された測定値は、メモリ3b
のデータ部3b2に格納される。
【0058】次に、データ部3b2には、あらかじめ重
合器1の複数の形状を形状モデルデータとして格納する
とともに、この形状モデルデータ毎にそれぞれ重合を安
定して行う際の外殻表面の温度分布の目標値を格納して
いる。
【0059】ここで、あらかじめ設定した温度分布の目
標値は、重合器1内の流動層域1bや減速域1cでの温
度変化をある程度考慮して、たとえば、許容偏差として
±5℃程度の幅を持たせることもできる。なお、温度分
布の目標値に対する許容偏差は、重合させるオレフィン
を変更する都度入力することもできるが、重合するオレ
フィンによって決定することができるため、これらの許
容偏差をあらかじめメモリ3bに格納することもでき
る。
【0060】さらに、ガス導入域1a、流動層域1b、
減速域1cについてそれぞれ別個に目標値を設定した
り、流動層域1b、減速域1cをさらに細分割して目標
値を設定して格納することもできる。
【0061】また、この複数の形状モデルデータには、
重合器1をそれぞれ所定の部分毎に分割し、この分割さ
れた形状モデルデータをも格納することができる。たと
えば、図4に示すように重合器1の直胴部をガス分散板
9を境にして流動層域1bとガス導入域1aに分割し、
さらに、減速域1cに分割した3つの部分に区分して、
これら部分毎の形状モデルデータを格納することや図5
に示すように分割した3つの部分をさらに縦方向に細分
割した形状モデルデータ(たとえば、減速域1cのほぼ
中心部1c1、1c2)を格納することもできる。
【0062】なお、円筒状の重合器1の外殻表面をサー
モカメラ2が網羅できる検知範囲にそれぞれ複数分割
し、この検知範囲毎に形状モデルデータを格納すること
もできる。
【0063】また、PC3は、重合器1の底面の円の中
心点と案内レール16までの距離Dからサーモカメラ2
が重合器1の表面の温度分布を測定した場合に対応させ
た形状モデルデータを格納するとともに、サーモカメラ
2の測定角度に対応させた形状モデルデータ、またはズ
ームアップ、ズームダウンに対応させた形状モデルデー
タを格納することもできる。
【0064】なお、案内レール16は、目標レスポン
ス、誤差範囲内で測定可能であれば、環状のみならず楕
円、長方形等の形状でもよい。さらに、重合器1の表面
面積やガス導入域1a、流動層域1b、減速域1cのそ
れぞれの表面面積に対して、所定の割合で測定した場合
の形状モデルデータを格納することもできる。
【0065】次に、このPC3は、可視像(白黒)と熱
画像データ(カラー)を合成して同一の表示画面上に表
示させることができるため、重合器1の外殻表面の形状
を容易に識別することができる。
【0066】さらに、熱画像データを高速(たとえば、
30フレーム/秒)でリアルタイムに取り込むメモリ3
bと、メモリ3bに取り込んだ熱画像データを保存する
ための光磁気ディスクを備えている。
【0067】次に、サーモカメラ2が取り込んだ熱画像
の画像処理の一例を示す。熱画像の画像処理には、ピク
セルイメージとして重合器1の外殻表面の形状及び温度
分布を表示するもので、入力画像に合わせてパレットを
選択するMedian cutカラー量子化により行
う。
【0068】ここで、Median cutカラー量子
化は、画像の色分布からパレットの色を選択するもの
で、Median cutカラー量子化で選択されたパ
レットにおいては、パレットの各色が元の画像の同数の
ピクセルを代表している。
【0069】そして、可視像の画像処理は、256階調
のグレー画像を16階調のグレー画像に変換し、16色
の濃淡からなるパレットをMedian cut量子化
で求める。
【0070】次いで、グレー画像の濃淡の分布を表した
ヒストグラムを求め、このヒストグラムから画像の存在
しない両側の領域をカットする。そして、カットによっ
て残った領域の中央値を求め、中央値で領域を2つに分
割する。このように中央値を求め、中央値で領域を2つ
に分割する方法をそれぞれの領域で行い、得られた各領
域の中央値をパレットの濃淡色として選択するものであ
る。
【0071】次に、カラー画像である熱画像データの場
合は、たとえば、色空間をRGB色立体で表し、RGB
の各軸に0〜255の濃淡の番号を付けておく。そし
て、ピクセルを含まない立方体の全ての端の部分を取り
除き、取り除いて得られたボックスに沿って中央値で2
つにカットする。
【0072】次いで、得られた2つのボックスのそれぞ
れに対して空の端を切り取り、長い辺の中央値でカット
する。そして、同一の処理を繰り返し最終的に256個
のボックスにまで分割する。
【0073】これらの操作で得られた256個のボック
スには、同数のピクセルが含まれていて、ピクセル濃度
とボックスの大きさは反比例している。そして、256
個の各ボックスの中央値をパレットの色として選択す
る。
【0074】このように選択された色は、色温度として
表示装置4に表示させる。ところで、一般的に物体は温
度の上昇に伴って色が変化する。すなわち、物体の温度
を上げて行くと、物体から放射される放射の色は、黒か
ら青、さらに緑、そして赤から橙、黄、白、青白へと変
わる。したがって、重合器1の高温部では、赤から青白
色に、低温部では、緑から黒色で表され、重合器1の温
度分布を色として識別することができる。そして、これ
らの色の変化に基づいてあらかじめ温度の数値を設定す
ることで重合器1の外殻表面の温度分布を決定すること
ができる。
【0075】次に、このPC3は、温度分布の目標値に
対して偏差が生じている場合、重合器1に対して所定の
制御信号を出力する。ここで、所定の制御信号には、重
合器1に供給する触媒の供給速度または供給量を増加あ
るいは減少させることが含まれる。なお、供給させる触
媒としては、遷移金属化合物触媒成分を含有するチーグ
ラーナッタ型触媒またはメタロセン型触媒がある。
【0076】また、このPC3は、温度分布の目標値に
対して偏差が生じている場合、重合器1に対して所定の
制御信号を出力する。ここで、所定の制御信号には、重
合器1の流動層高を上昇あるいは下降させることが含ま
れる。ところで、PC3は、触媒の供給速度または供給
量と重合器1の外殻表面温度の相関関係をあらかじめマ
ップの形式で格納しているとともに、触媒の供給速度を
増加させた場合の重合器1の外殻表面の温度分布変化、
または、供給速度を減少させた場合の重合器1の外殻表
面の温度分布変化をその都度格納して、マップ上の相関
関係を変更する学習機能を有することができる。
【0077】たとえば、マップ上のY軸に触媒の供給速
度を取り、X軸に温度の変化を取った場合、Y軸の触媒
の供給速度が増加するとそれの伴ってX軸の温度も上昇
する。そして、あらかじめ設定した理想温度分布に対し
て実際に行われた触媒の注入では、初期設定した温度上
昇よりも低い場合、初期設定の温度上昇値を書き換えて
実際の温度上昇値とし、これを格納することで次回の触
媒の注入では、この書き換えた温度を適用する。
【0078】また、触媒の供給量を増加させた場合の重
合器1の外殻表面の温度分布変化、または、供給量を減
少させた場合の重合器1の外殻表面の温度分布変化をそ
の都度格納して、マップ上の相関関係を変更する学習機
能を有することもできる。
【0079】次に、PC3が出力する制御信号には、重
合器1に供給する流動ガスのガス線速度を増加あるいは
減少させることが含まれる。この場合においても流動ガ
スの線速度と重合器1の外殻表面温度の相関関係をあら
かじめマップの形式で格納しているとともに、流動ガス
の線速度を増加させた場合の重合器1の外殻表面の温度
分布変化、または、流動ガスの線速度を減少させた場合
の重合器1の外殻表面の温度分布変化をその都度格納し
て、マップ上の相関関係を変更する学習機能を有するこ
ともできる。
【0080】ここで、ガス線速度は、ガス導入域1aか
らの吹き込みガスのガス体積、すなわち供給ラインから
新たに供給されるガス流とガス排出管18から重合器1
に供給されるガス流の総和によって決定される。
【0081】次に、PC3が出力する制御信号には、重
合器1に供給される流動ガスの組成を変更することが含
まれる。ここで、流動ガスの組成の変更には、モノマー
またはコモノマーのオレフィンの組成を変更したり、窒
素雰囲気の分圧を変更することが含まれる。
【0082】そして、流動ガスの組成と重合器1の外殻
表面温度の相関関係をあらかじめマップの形式で格納し
ているとともに、流動ガスの組成を変更した場合の重合
器1の外殻表面の温度分布変化をその都度格納して、マ
ップ上の相関関係を変更する学習機能を有することもで
きる。
【0083】次に、PC3が出力する制御信号には、重
合器1に供給させる失活成分の供給量を変更することが
含まれる。ここで、失活成分には、一酸化炭素、二酸化
炭素、酸素、水素等が含まれ、これら失活成分の供給量
と重合器1の外殻表面温度の相関関係をあらかじめマッ
プの形式で格納しているとともに、失活成分を供給した
場合の重合器1の外殻表面の温度分布変化をその都度格
納して、マップ上の相関関係を変更する学習機能を有す
ることもできる。
【0084】次に、PC3が出力する制御信号には、重
合器1の流動層高を変更することが含まれる。これら流
動層高と重合器1の外殻表面温度の相関関係をあらかじ
めマップの形式で格納しているとともに、流動層高を上
昇あるいは下降させた場合の重合器1の外殻表面の温度
分布変化をその都度格納して、マップ上の相関関係を変
更する学習機能を有することもできる。なお、流動層高
は、オレフィン重合体を重合器の外に取り出す取出用配
管26(図6参照)の途中に設けた制御弁の開閉度を変
えて、オレフィン重合体の取り出し量を調整すること
で、制御することができる。
【0085】次に、このPC3は、放射率補正機能を有
するとともに、温度分布の変化をヒストグラムにて表示
させる機能をも有することができる。ここで、放射率と
は、温度放射体の放射発散度と、これに等しい温度にあ
る完全放射体の放射発散度との比をいう。
【0086】「表示装置4」次に、このPC3に入出力
インタフェース15を通じて接続した表示装置4には、
PC3によって画像処理された重合器1の外殻表面画像
及び表面の温度分布を複数表示することができる。たと
えば、図1に示すようにメインの画像データを表示する
メイン画面4aを1つと、その他の画像データを表示す
るサブ画面4b〜4gを6つ備え、メイン画面4aに
は、リアルタイムに測定している重合器1の外殻表面温
度の分布をカラー表示する。
【0087】また、メイン画面4aの画像及びサブ画面
4b〜4gの画像は、リアルタイムに切り替えることが
でき、サブ画面4b〜4gの画像をメイン画像への切り
替えを行うと同時にサブ画像がメイン画面4aに表示さ
れる。そして、メイン画面4aに表示された画像に基づ
いて目標値との比較演算が行われる。
【0088】次に、サブ画面4b〜4gの画像には、た
とえば、流動層域1b及び減速域1cの両者の画像デー
タを表示する場合や減速域1cのみの画像データを表示
する場合、または、流動層域1b及びガス導入層域1a
の画像データを表示する場合、若しくは、流動層域1b
及びガス導入層域1aと減速域1cの減速域までの画像
データ、流動層域1bの直胴部のみの画像データ、重合
器1の全体像の画像データ等をそれぞれ表示することが
できる。
【0089】なお、図示はしていないが表示画面には、
メイン画面4aの画像及びサブ画面4b〜4gの画像に
おける重合器1の外殻表面温度の温度表示をすることも
できる。ここで、温度表示は、たとえば、平均温度や最
高温度または最低温度をそれぞれ表示したり、単位時間
あたりの温度の変化率を表示させることや流動層域1b
等の特定部分の温度のみを表示することもできる。
【0090】「重合器の制御例」次に、重合器1に対す
る具体的なプロセス制御の例について説明する。本実施
の形態に係る重合装置は、図6に示すように供給用配管
24に設けたブロワーB 1 を通じてエチレン及び水素を
重合器1のガス導入域1aへと供給し、供給されたエチ
レンを重合させるものである。水素はエチレンの重合度
を制御する、分子量調整剤である。ただし、この実施の
形態が本発明をエチレンを重合させるものに限定する趣
旨ではない。そして、ブロワーB1 の吐出側の供給用配
管24には、エチレン及び水素の流入流量を測定する流
量測定装置F1を配置し、この流量測定装置F1が測定し
たエチレン及び水素の供給量は、流量測定装置F1 に入
出力インタフェース15を通じて接続されたPC3へと
入力される。
【0091】ここで、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器1の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を
生じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、
PC3に接続したブロワーB1 の出力を変更してエチレ
ン及び又は水素の供給量の増減を図る。
【0092】次に、重合器1の塔頂に接続したガス排出
管18から抜き出される排出ガスは、熱交換器7によっ
て冷却されて重合熱が除去される。ここで、ガス線速度
は、ブロワーB2の送風側に配置したガス線速度測定装
置S1にて測定され、このガス線速度測定装置S1に入出
力インタフェース15を通じて接続されたPC3へと入
力される。
【0093】そして、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器1の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を
生じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、
PC3に接続したブロワーB2 の出力を変更してガスの
循環量、ガス線速度の増減を図る。なお、このように排
出ガス等のガス線速度を変更するとこれに伴い排出ガス
等の流量を合わせて変更することができる。
【0094】次に、重合器1には、それぞれ導入管1
9、20を通じて触媒を供給する第1の供給装置8a及
び窒素を供給する第2の供給装置8bと、この第1及び
第2の供給装置8a、8bに連結された第3成分を供給
する第3の供給装置8cを有している。これら第1〜第
2の供給装置8a、8bは、触媒及び窒素をそれぞれ重
合器1の流動層域1bに供給させるものである。
【0095】ここで、触媒を重合器1に供給する第1の
供給装置8aに接続した導入管19には、ブロワーB3
を設けるとともに、このブロワーB3の送風側に触媒の
供給量及び供給速度を測定する流量、流速測定装置
2、S2を配置している。そして、触媒の流量及び流速
は、この流量、流速測定装置F2、S2にて測定され、こ
の流量、流速測定装置F2、S2に入出力インタフェース
15を通じて接続されたPC3へと入力される。そし
て、PC3では、サーモカメラ2が測定した重合器の外
殻表面の温度分布が目標値と偏差を生じ、この偏差が許
容偏差の範囲を逸脱している場合、PC3に接続したブ
ロワーB3 の出力を変更して触媒の流量、流速の増減を
図る。
【0096】また、窒素を重合器1に供給する第2の供
給装置8bに接続した導入管20には、ブロワーB4
設けるとともに、このブロワーB4の送風側に窒素の供
給圧力を測定する圧力測定装置P1 を配置している。そ
して、窒素の圧力は、この圧力測定装置P1にて測定さ
れ、この圧力測定装置P1に入出力インタフェース15
を通じて接続されたPC3へと入力される。
【0097】そして、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を生
じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、P
C3に接続したブロワーB4 の出力を変更して窒素の供
給圧力の増減を図る。また、重合器1には、それぞれ導
入管22、23を通じて窒素を供給する第3の供給装置
8c及び共触媒を供給する第4の供給装置8dを有して
いる。これら第3〜第4の供給装置8c、8dは、窒素
及び共触媒をそれぞれ重合器1の流動層域1bに供給す
るものである。
【0098】そして、窒素を重合器1に供給する第3の
供給装置8cに接続した導入管22には、ブロワーB5
を設けるとともに、このブロワーB5の送風側に窒素の
供給圧力を測定する圧力測定装置P2 を配置している。
そして、窒素の圧力は、この圧力測定装置P2にて測定
され、この圧力測定装置P2に入出力インタフェース1
5を通じて接続されたPC3へと入力される。
【0099】そして、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を生
じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、P
C3に接続したブロワーB5 の出力を変更して窒素の流
入圧力の増減を図る。また、重合器1に共触媒を供給す
る第4の流入装置8dに接続した導入管23には、ブロ
ワーB6を設けるとともに、このブロワーB6の送風側に
共触媒の流入流量を測定する流量測定装置F4 を配置し
ている。そして、共触媒の流入流量は、この流量測定装
置F4にて測定され、この流量測定装置F4に入出力イン
タフェース15を通じて接続されたPC3へと入力され
る。
【0100】そして、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を生
じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、P
C3に接続したブロワーB6 の出力を変更して共触媒の
流入流量の増減を図る。したがって、共触媒及び窒素の
流入流量や流入圧力を変更することにより新たに供給さ
れる流動ガスの組成を変更することができる。
【0101】次に、重合器1のガス導入域1aに一酸化
酸素等からなる失活成分を供給する第5の供給装置6に
接続した導入管25には、ブロワーB7 を設けるととも
に、このブロワーB7の送風側に失活成分の流量を測定
する流量測定装置F3を配置している。そして、一酸化
炭素の流入流量は、この流量測定装置F3にて測定さ
れ、この流量測定装置F3 に入出力インタフェース15
を通じて接続されたPC3へと入力される。
【0102】そして、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を生
じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、P
C3に接続したブロワーB7 の出力を変更して失活成分
の流入流量の増減を図る。また、重合器1からオレフィ
ン重合体を層の外部へ取り出す取出用配管26には、オ
レフィン重合体を圧送するブロワーB8が接続してい
る。そして、流動層高は、この流動層高測定装置H1に
て測定され、この流動層高測定装置H1に入出力インタ
フェース15を通じて接続されたPC3へと入力され
る。
【0103】そして、PC3では、サーモカメラ2が測
定した重合器の外殻表面の温度分布が目標値と偏差を生
じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱している場合、P
C3に接続したブロワーB8の出力を変更して共触媒の
流入流量の増減を図る。したがって、オレフィン重合体
の取出量を変更することにより流動層高を変更すること
ができる。
【0104】ここで、本実施の形態では、失活成分の流
入経路を1つ設けているが、これら失活成分の流入経路
を複数設けることもできる。たとえば、導入層域1a、
流動層域1b、減速域1cのそれぞれに失活成分を供給
させるために、供給経路をこれら導入層域1a、流動層
域1b、減速域1cに接続することもできる。
【0105】次に、この流動層型重合装置は、ブロワー
1〜B8の出力を変更して供給量や供給圧力を調節する
ものであるが、ブロワーB1〜B8とは異なり、制御弁を
設けてこの制御弁の開閉度を変更することで調節するこ
ともできる。
【0106】また、供給される触媒、共触媒の種類及び
供給量、不活性成分の供給圧力、窒素の流入圧力、排出
ガスの流入量及びガス線速度、流動層高等に基づく重合
器の温度変化は、あらかじめ格納されていて、これら格
納されたデータに基づいて供給量等を変更することがで
きる。
【0107】さらに、ブロワー等の出力量や制御弁等の
開閉度に対応する流入量や流出圧力や流動層高は、あら
かじめ計算により求められPC3に格納されている。 「制御動作原理」
【0108】次に、PC3が行う制御の動作原理を、フ
ローチャート図7に基づいて説明する。最初に、表面の
温度分布を測定される重合器1に対応するデータが検索
される(ステップ100)。そして、検索されたデータ
に対応する温度分布の目標値が読み込まれる(ステップ
101)。
【0109】次に、リアルタイムに測定されている重合
器1の温度分布を表示させるとともに、測定した温度分
布と目標値との比較演算が行われる(ステップ10
2)。ここで、表示装置4には、温度分布の変化がリア
ルタイムに表示される(ステップ103)。
【0110】そして、測定した温度分布と目標値との間
に偏差が生じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱してい
るか否かを判断し(ステップ104)、許容偏差の範囲
内の場合は、現状の運転条件で重合を行う。また、許容
偏差の範囲外の場合は、所定の制御信号を出力し(ステ
ップ105)、運転条件の変更を行う。
【0111】次に、変更後の重合器1の温度分布を表示
させるとともに、再度測定した温度分布と目標値との比
較演算が行われる(ステップ106)。ここで、表示装
置4には、運転条件変更後の温度分布の変化がリアルタ
イムに表示される(ステップ107)。
【0112】さらに、測定した温度分布と目標値との間
に偏差が生じ、この偏差が許容偏差の範囲を逸脱してい
るか否かを判断し(ステップ108)、許容偏差の範囲
内の場合は、現状の運転条件で重合を行う。また、許容
偏差の範囲外の場合は、所定の制御信号を出力し(ステ
ップ109)、運転条件の変更を行う。
【0113】次に、再変更後の重合器1の温度分布を表
示させるとともに、再度測定した温度分布と目標値との
比較演算が行われる(ステップ110)。ここで、表示
装置には、運転条件変更後の温度分布の変化がリアルタ
イムに表示される(ステップ111)。
【0114】このように測定した温度分布が目標値と合
致するまでステップ108へ戻り、ステップ108から
運転条件の変更を繰り返すものである(ステップ11
2)。
【0115】[本発明の別の実施の形態]次に、本発明
の別の実施の形態に係る流動層型重合装置を図8に基づ
き説明する。なお、前述の実施の形態とこの別の実施の
形態との違いは、重合に関わる条件を変更する際に、前
述の実施の形態が自動制御で行っているのに対し、この
別の実施の形態は、各々の設備の速度や供給量を手動で
調節している点だけである。従って、図8において図1
と同一符号のものは、前述した本発明の実施の形態の同
一符号のものと同一機能を有するものなので、その説明
を省略し、前述の実施の形態と異なる部位のみ説明す
る。ただし、別の実施の形態におけるPC3のデータ部
3b2 は、外殻表面の温度分布の目標値や、触媒等の供
給速度または供給量と外殻表面温度との相関関係を記し
たマップを格納していない。また、PC3は、重合条件
を変更する制御信号を出力しない。
【0116】別の実施の形態に係る流動層型重合装置を
示すブロック図(図8参照)に示すように、手動調節装
置30a,30b,30c、30d、30eは、原料供
給設備5、循環設備7、触媒供給設備8、失活成分供給
設備6、およびオレフィン重合体取出設備の各々の出力
側配管に配置されている。詳しくは、各設備のブロワー
吐出側と重合器1の供給口とを接続する配管に配置され
ている。
【0117】そして、この手動調節装置30a,30
b,30c、30d、30eは、例えば開閉度が手動に
より変更可能な制御弁である。なお、この手動調節装置
30a,30b,30c、30d、30eは、各ブロワ
ーの各々の出力を手動で調節可能な装置であってもよ
い。この場合、手動操作で各ブロワーの出力を変更して
流出量や流入圧力を調節する。さらに、この手動調節装
置30a,30b,30c、30d、30eは、前記制
御弁の開閉度や前記ブロワーの出力をオペレータの遠隔
操作により調節可能な装置であってもよい。
【0118】次に、別の実施の形態に係る流動層型重合
装置を用いて運転条件を変更する場合の動作を説明す
る。PC3は、リアルタイムに測定されている重合器1
の外殻表面温度の分布を表示装置4のメイン画面4a
に、例えばカラー表示させる。
【0119】オペレータは、表示された外殻表面温度の
分布を参照し、表示された温度分布と正常運転時の温度
分布との間の偏差をチェックし、チェックの結果、許容
偏差の範囲内の場合は、運転条件の変更は行わない。一
方、許容偏差の範囲外の場合、オペレータは、異常のあ
った温度分布から判断して、手動調節装置(制御弁)3
0a,30b,30c、30d、30eの何れかを手動
操作し、運転条件の変更を行う。例えば、異常のあった
温度分布から判断して、原料供給設備5の流量値の変更
が必要な場合、オペレータは、制御弁30aの開閉度を
手動により変更し、運転条件の変更を行う。同様に、循
環設備7の流速値、触媒供給設備8の圧力値、失活成分
供給設備6の流量値、あるいはオレフィン重合体取出設
備の流動層高のいずれかの変更が必要な場合、オペレー
タは、それぞれの制御弁の開閉度を手動により変更し、
運転条件の変更を行う。
【0120】次に、オペレータは、運転条件の変更後、
メイン画面4aの温度分布表示を参照し、温度分布が正
常運転時の温度と合致しているかどうかを再度確認す
る。このように、オペレータが表示装置4で測定温度の
経時変化を見ながら、前記循環速度、前記オレフィンの
供給量、個体状触媒の供給量、および流動層高を各々手
動で調節することで、重合に関わる条件を変更すること
ができる。なお、流動層型重合器1が複数個の固体触媒
供給口を有する場合は、各設備のブロワー吐出側と重合
器1の供給口とを接続する配管に、手動調節装置をそれ
ぞれ配置する。また、流動層型重合器1が複数個の触媒
失活成分供給口を有する場合は、各設備のブロワー吐出
側と重合器1の供給口とを接続する配管に、手動調節装
置をそれぞれ配置する。そして、オペレータは、表示さ
れた外殻表面温度の分布を参照し、許容偏差の範囲外の
場合、異常のあった温度分布から判断して、手動調節装
置の何れかを個別に又は互いに連動させて手動操作し、
運転条件の変更を行う。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、流動層型重合器の外殻
表面の温度分布を測定して、この測定結果に基づいて重
合器の内部での重合状態を推定することができるととも
に、温度分布の理想目標値と測定値とを比較演算し、こ
の比較演算結果に基づいて重合に関わる条件を変更さ
せ、長期間に亘って安定した重合を行うことができる。
【0122】次に、部分毎に分割した重合器の外殻表面
の温度分布を測定してさらに詳細な重合状態を推定し、
部分毎の目標値と測定値との比較演算結果に基づいて重
合に関わる条件を変更させ、長期間に亘って安定した重
合を行うことができる。
【0123】次に、赤外線温度測定装置にて測定される
温度分布が、重合器の全体像のみならず部分的にも測定
することができるため、部分毎の温度分布と目標値との
比較演算を行って、より正確かつ綿密に運転条件を変更
し、重合の安定化を図ることができる。また、本発明に
よれば、前記外殻表面の温度の表示に基づいて、触媒の
供給量または流入速度を手動で変更させる運転条件の変
更処理を行い、長期間に亘って安定した重合を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る流動層型重合装置を示すブ
ロック図
【図2】本実施の形態に係る流動層型重合装置に用いる
赤外線温度測定装置の測定動作図
【図3】本実施の形態に係る流動層型重合装置に用いる
赤外線温度測定装置の測定動作図
【図4】本実施の形態に係る流動層型重合装置に用いる
温度分布の表示図
【図5】本実施の形態に係る流動層型重合装置に用いる
温度分布の表示図
【図6】本実施の形態に係る流動層型重合装置の制御ブ
ロック図
【図7】本実施の形態に係る流動層型重合装置に用いる
制御装置の動作原理フローチャート図
【図8】別の実施の形態に係る流動層型重合装置を示す
ブロック図
【図9】従来技術に係る重合器の正面図
【符号の説明】
1 ・・・流動層型重合器 1a ・・・ガス導入層域 1b ・・・流動層域 1c ・・・減速域 2 ・・・赤外線温度測定装置 3 ・・・制御装置 3a ・・・中央処理装置 3b ・・・主記憶装置 4 ・・・表示装置 4a ・・・メイン画面 4b〜4g・・サブ画面 5 ・・・オレフィン 6 ・・・失活成分 7 ・・・熱交換器 8 ・・・流動ガス成分 9 ・・・分散板 10 ・・・オレフィン重合体 11 ・・・駆動装置 12 ・・・入力装置 13 ・・・補助記憶装置 14 ・・・印字装置 15 ・・・入出力インタフェース 16 ・・・案内レール F1〜F4 ・・・流量測定装置 S1〜S2 ・・・流速測定装置 P1〜P2 ・・・流入圧力測定装置 B1〜B8 ・・・ブロワー 30a〜30e・・・手動調節装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 久佳 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 岩間 順 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィンを含有する流動ガスを用いて、
    固体触媒成分及び重合体を流動させつつオレフィンを重
    合させる流動層を有する流動層型重合器と、 前記流動層型重合器の頂端から流出する未反応オレフィ
    ン含有ガスを前記流動層型重合器に循環させるとともに
    前記未反応オレフィン含有ガスの循環速度を調節する設
    備と、 新たなオレフィンを前記流動層型重合器に供給するとと
    もに前記オレフィンの供給量を調節する原料供給設備
    と、 前記固体触媒を前記流動層型重合器に供給するとともに
    前記固体触媒の供給量を調節する触媒供給設備とを備え
    た流動層型重合装置において、 前記流動層型重合器の外殻表面の温度分布を所定の測定
    距離から測定する赤外線温度測定装置と、 前記流動層型重合器外殻表面の温度分布の目標値をあら
    かじめ格納し、前記赤外線温度測定装置が測定した温度
    分布を表示するとともに、前記温度分布の目標値と測定
    した外殻表面の温度分布とを比較演算し、目標に合致さ
    せるように重合に関わる条件を変更して制御する制御装
    置とを備えたことを特徴とする流動層型重合装置。
  2. 【請求項2】オレフィンを含有する流動ガスを用いて、
    固体触媒成分及び重合体を流動させつつオレフィンを重
    合させる流動層を有する流動層型重合器と、 前記流動層型重合器の頂端から流出する未反応オレフィ
    ン含有ガスを前記流動層型重合器に循環させるとともに
    前記未反応オレフィン含有ガスの循環速度を調節する設
    備と、 新たなオレフィンを前記流動層型重合器に供給するとと
    もに前記オレフィンの供給量を調節する原料供給設備
    と、 前記固体触媒を前記流動層型重合器に供給するとともに
    前記固体触媒の供給量を調節する触媒供給設備とを備え
    た流動層型重合装置において、 前記流動層型重合器の外殻表面の温度分布を所定の測定
    距離から測定する赤外線温度測定装置と、 前記赤外線温度測定装置が測定した測定結果により、重
    合に関わる条件を変更する調節装置とを備えたことを特
    徴とする流動層型重合装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のうちいずれかに記載の流
    動層型重合装置において、 前記赤外線温度測定装置は、前記流動層型重合器の外殻
    表面を所定の部分に分割し、この分割した外殻表面の温
    度分布を所定の測定距離から測定し、 前記制御装置は所定の部分に分割された前記流動層型重
    合器の外殻表面の温度分布の目標値をあらかじめ格納
    し、前記温度分布の目標値と測定した外殻表面の温度分
    布とを比較演算し、目標値に合致させるように重合に関
    わる条件を変更して制御することを特徴とする流動層型
    重合装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3のうちいずれかに記載の流
    動層型重合装置において、 前記重合に関わる条件を、前記流動層型重合器に供給す
    る前記固体触媒の供給速度とすることを特徴とする流動
    層型重合装置。
  5. 【請求項5】請求項1から3のうちいずれかに記載の流
    動層型重合装置において、 前記流動層型重合器は複数個の固体触媒供給口を有し、 前記重合に関わる条件を、前記流動層型重合器に供給す
    る前記固体触媒の各供給口の供給速度とし、この供給速
    度を個別に又は互いに連動させることを特徴とする流動
    層型重合装置。
  6. 【請求項6】請求項1から3のいずれかに記載の流動層
    型重合装置において、 前記流動層型重合器は触媒失活成分供給口を有し、 前記重合に関わる条件を、前記流動層型重合器に触媒失
    活成分の供給とすることを特徴とする流動層型重合装
    置。
  7. 【請求項7】請求項1から3のいずれかに記載の流動層
    型重合装置において、 前記流動層型重合器は複数個の触媒失活成分供給口を有
    し、 前記重合に関わる条件を、前記触媒失活成分供給口から
    の触媒失活成分の供給とすることを特徴とする流動層型
    重合装置。
  8. 【請求項8】請求項1から3のいずれかに記載の流動層
    型重合装置において、 前記流動層型重合器は複数個の固体触媒供給口を有し、
    かつ複数個の触媒失活成分供給口を有し、 前記重合に関わる条件を、前記固体触媒の各供給口から
    の供給速度と前記触媒失活成分の各供給口からの供給速
    度とし、個別に又は互いに連動させることを特徴とする
    流動層型重合装置。
  9. 【請求項9】請求項1から3のいずれかに記載の流動層
    型重合装置において、 前記重合に関わる条件を、前記流動層型重合器に流入す
    る前記流動ガスのガス線速度とすることを特徴とする流
    動層型重合装置。
  10. 【請求項10】請求項1から8のいずれかに記載の流動
    層型重合装置において、 前記重合に関わる条件を、前記流動層型重合器の内部の
    流動ガス組成とすることを特徴とする流動層型重合装
    置。
  11. 【請求項11】請求項1から3のいずれかに記載の流動
    層型重合装置において、 前記重合に関わる条件を、前記流動層の流動層高とする
    ことを特徴とする流動層型重合装置。
  12. 【請求項12】請求項1又は2のうちいずれかに記載の
    流動層型重合装置において、 前記赤外線温度測定装置は、前記流動層型重合器の表面
    形状の5%〜100%を測定範囲として温度分布を測定
    することを特徴とする流動層型重合装置。
  13. 【請求項13】請求項1又は2のうちいずれかに記載の
    流動層型重合装置において、 前記赤外線温度測定装置は、前記流動層型重合器を取り
    囲んで配置した環状の案内レール上を移動する駆動装置
    を備え、 前記流動層型重合器の外周表面の温度分布を測定するこ
    とを特徴とする流動層型重合装置。
  14. 【請求項14】請求項1から13のいずれかに記載の流
    動層型重合装置において、 前記赤外線温度測定装置は、上下方向及び左右方向に測
    定角度を可変とする可変手段を有するとともに、前記流
    動層型重合器の温度分布測定域を拡大しまたは縮小する
    ズーム手段を有することを特徴とする流動層型重合装
    置。
  15. 【請求項15】オレフィンを含有する流動ガスを用い
    て、固体触媒成分及び重合体を流動させつつオレフィン
    を重合させる流動層を有する流動層型重合器と、 前記流動層型重合器の頂端から流出する未反応オレフィ
    ン含有ガスを前記流動層型重合器に循環させるとともに
    前記未反応オレフィン含有ガスの循環速度を調節する設
    備と、 新たなオレフィンを前記流動層型重合器に供給するとと
    もに前記オレフィンの供給量を調節する原料供給設備
    と、 前記固体触媒を前記流動層型重合器に供給するとともに
    前記固体触媒の供給量を調節する触媒供給設備とを備え
    た流動層型重合装置を用いてオレフィンの重合を実施す
    るオレフィンの重合方法において、 赤外線温度測定装置を用いて前記流動層型重合器の外殻
    表面の温度分布を所定の測定距離から測定する手順と、 前記赤外線温度測定装置が測定した温度分布を表示する
    手順と、 表示された温度分布と正常運転時の温度分布とを比較す
    る手順と、 前記比較結果に基づいて、重合に関わる条件を変更する
    手順とを有することを特徴とするオレフィンの重合方
    法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010195952A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Sumitomo Chemical Co Ltd オレフィン重合体の製造方法
JP2017510803A (ja) * 2014-03-25 2017-04-13 ローズマウント インコーポレイテッド 熱撮像を使用したプロセス導管異常検知
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US10823592B2 (en) 2013-09-26 2020-11-03 Rosemount Inc. Process device with process variable measurement using image capture device
US10914635B2 (en) 2014-09-29 2021-02-09 Rosemount Inc. Wireless industrial process monitor
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US11927487B2 (en) 2014-09-29 2024-03-12 Rosemount Inc. Wireless industrial process monitor

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