JP2003519255A - ポリエチレン及びその共重合体の制御された生産のためのプロセス - Google Patents

ポリエチレン及びその共重合体の制御された生産のためのプロセス

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JP2003519255A JP2001550291A JP2001550291A JP2003519255A JP 2003519255 A JP2003519255 A JP 2003519255A JP 2001550291 A JP2001550291 A JP 2001550291A JP 2001550291 A JP2001550291 A JP 2001550291A JP 2003519255 A JP2003519255 A JP 2003519255A
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comonomer
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デュアルテ、ブラガンサ、アントニオ、ルイス
ピラグアシー、デモロ、エスドラス
デ オリヴェイラ、アルトール、トレド マルティンス
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オップ クイミカ ソシエダッド アノニマ
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Abstract

(57)【要約】 単独又は組合せた気相反応器中、クロム又はチーグラー・ナッタ触媒を使用して、高密度ポリエチレン(HDPE)又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を生産するためのプロセスであって、一定のプロセス変数並びに生産される樹脂の物性のオンライン制御が取付けられたプロセスが記載されている。そのようなプロセスには、連続的に測定されない物性とプロセス変数を予測するモデルの使用、並びに、該物性とプロセスの運転条件の制御に関係するモデルが含まれる。プロセス変数の制御により、更に、重合反応における生産速度と触媒生産性が最大となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の属する技術分野) 本発明は、一つ又はそれより多くの気相反応器中における、クロム又はチーグ
ラー・ナッタ触媒の存在下での高密度ポリエチレン(HDPE)又は直鎖状低密
度ポリエチレン(LLDPE)の制御された生産プロセスに関し、該プロセスで
は、一定のプロセス変数のオンライン制御並びに最終樹脂生成物の一定の物性を
制御可能である。より具体的には、そのようなプロセスには以下のものが含まれ
る:i)物性並びに連続的に測定されないプロセス変数を推定するためのモデル
の使用、及び、ii)該性質の制御と検討中のプロセスの運転条件に関するモデ
ルの使用。プロセス変数の制御は、更に、重合反応における生産速度並びに触媒
収率の最大化を可能とする。
【0002】 (背景技術) 石油化学工場におけるプロセス変数の制御は、通常、試験すべき生成物を定期
的にサンプリングし、そして、所望の特性を有する生成物が得られるように運転
条件を維持又は修正する運転員のマニュアル操作によって実施される。この操作
には、あり得るヒューマンエラーの他に、サンプリングと実験室試験がオンライ
ンプロセスより通常は遅くなるため、必要とされる修正に関する遅れが含まれる
。更に、石油化学プロセスの動力学は一般に遅い。従って、プロセス入力変数に
関して実行される調整の効果が現れるまでに長い時間が必要となる場合がある。
それゆえに、実施された調整の効果が明らかになるまでに十分な時間があったの
か、或いは、該効果が完全に認められるまでにもっと時間が必要なのかを作業者
が知らないことがあるため、遅い動力学は工業装置の制御を困難にしている一つ
の特徴である。
【0003】 他方、厳密モデリングと同様、経験的モデリングのための技法が知られており
、プロセスモデルを得るためにそれらが使用できる。そのような数学モデルによ
り、定期的に測定されるあるプロセス変数の値を、連続的に測定される他のプロ
セス変数から予測できる。それに加えて、この数学モデルは、工業プラントの運
転条件の修正によって引起されるプロセス変数の将来挙動を予測するためにも使
用できる。
【0004】 厳密モデリングの技法は、プロセス変数間の基本的相互作用を記述する物理的
原理に基づくものである。経験的技法と較べて、これら厳密モデルは構築するの
がより困難であり、かつ、プロセスについての深い知識が要求される。更に、こ
の厳密モデルを構成する方程式が複雑なため、少なくともある場合には、オンラ
インでの実施が不適当となり、この困難性は、コンピュータを使用しても、なお
そのような方程式を解くのに長い時間がかかるということから生じる。
【0005】 逆に、経験的モデリングは、モデル化されるプロセスのそのような深い知識が
必要でなく、そして迅速に実行できるより簡単な数学モデルから出発するため、
実時間に実行するには好適である。経験的モデルが不利な点は、その同定に使用
されたものと異なる運転条件下では使用できない点である。関連する経験的モデ
リング技法の中に、線形及び非線形回帰並びにニューラルネットワークから得ら
れたモデルが文献に記載されている。
【0006】 ニューラルネットワークは、独特の方法で相互結合されたニューロン又は要素
のネットワークである。具体的には、このネットワークは、ネットワークの外部
から信号又は情報を受取る入力ニューロンと、信号又は情報を外部のネットワー
クに伝達する出力ニューロン、及び、情報を受取って他のニューロンに伝送する
ニューロンの少なくとも一つの中間層から構成される。
【0007】 モデルが厳密であるか経験的であるかという事実の他に、それが静的であるか
動的であるかによって特徴付けられる。モデルが、結果として系の入力変数によ
って推定される値の観点から、プロセス変数の定常値を与える場合、それを静的
という。一方、動的モデルは、系の定常状態の情報の他に、出力変数が2つの定
常状態の間を変動する過程の情報も供する。
【0008】 ポリオレフィンの制御された生産プロセスは、多くの文献に記載されている。
【0009】 米国特許第3,636,326号は、実時間で計算した触媒収率に基づいて、
重合反応器の生産速度をどのように調整するかを教唆している。このようにして
、あり得る触媒収率の修正が、フィードバック制御ループ手段によって自動的に
補正される。触媒収率に影響する変数が分からないか測定されない時に、この種
の制御が実行される。この場合の最良の行動は、触媒収率の変化が認められたら
直ちに触媒速度を自動調節することである。しかしながら、プロセスモデルを使
用して、運転条件のある変化によって触媒収率が変動するであろうことを予見す
ることが可能である。従って、触媒収率の変化が反応器の生産速度に著しい影響
を与えないように、事前に触媒速度を調整することが可能である。
【0010】 この利点及び以下に記載されるその他の利点が、本出願において述べられかつ
請求される制御されたプロセスの特徴である。
【0011】 米国特許第3,998,995号は、重合反応器中で生産速度及び単量体濃度
が制御され、主要単量体の濃度と固体濃度を最大値に制限できるプロセスを教唆
している。該プロセスにおいて、生産速度はオレフィン単量体の流速によって制
御され、一方、反応領域中での単量体の濃度は、プロセスへ供給される希釈剤の
調整によって制御される。単量体濃度が最大制限値に達したら、次に該濃度を減
らし、それ以上生産を制御しないように単量体の流速が調整される。もし固体濃
度が最大制限値に達したら、該濃度を減らし、それ以上単量体濃度を制御しない
ように希釈剤の流速が調整される。これらの制約条件が破られた時はいつでも、
運転継続のために生産速度と単量体濃度の制御目標が破棄される。制約条件を取
扱えないこの制御システムでは、工業的装置が目標を達成するために要求される
安全と運転継続が保証できないであろう。該米国特許が工場の制約条件に対処で
きる制御手順を示しているという事実にも拘わらず、この系は、制約条件が効果
的に破られた瞬間からしか働かない。プロセス変数の将来挙動を予測できるであ
ろう制御装置ならば、制約条件が破られないか、ほんの軽度にしか破られないよ
うに要求される調整を促進させ得るであろう。制約条件がそのように制御される
プロセスならば、主要制御目的が破棄されないようにできるであろう。
【0012】 生産される重合体の固有粘度の制御方法が、米国特許第3,878,379号
に教唆されている。該米国特許に開示されている技術は、特にポリエチレンテレ
フタレートの生産を指向している他に、ただ一つの変数に関するもので、重合体
の種々の性質の制御を意図するものではない。
【0013】 米国特許第4,469,853号は、2、3のよく定義された性質を有するポ
リオレフィンの液相での生産プロセスを供する。そのようなプロセスでは、オレ
フィン単量体の濃度と、反応器の頂部に形成される気相中の水素の濃度を測定す
るためのクロマトグラフィーの使用が述べられている。事前に定められた密度を
有するポリオレフィンを得るべく、該反応物質の濃度比が一定に維持されるよう
に、エチレンとコモノマーの流速の制御が調整される。更に、該米国特許では、
反応器への水素供給の流速を調整することによって、水素と主要単量体の濃度比
の制御が達成され、その結果として、事前に定められたメルトフローレート(me
lt flow rate)を有するポリオレフィンに導かれる。所望により、反応器のパー
ジ流速の調整を介して圧力を制御しながら、触媒の供給流速を調整することによ
って反応器中のエチレン分圧を制御し得る。
【0014】 米国特許第5,098,967号は、液相中で生産されるポリプロピレンとそ
の共重合体の分子量を、重合の過程で放出される熱を測定することによって制御
する方法を教唆している。該測定に基づいて、重合された単量体の量が計算され
る。この計算により、所望の分子量を有する重合体を得ることを可能とすべく、
反応した単量体と水素供給の事前に定められた比を維持するように、反応器への
水素供給の制御された流速を予測する可能性がもたらされる。
【0015】 米国特許第5,504,166号は、水平撹拌床反応器中で生産される重合体
のメルトフローレートとコモノマー含有量の制御方法を教唆している。そのよう
な性質は、一組の運転変数及びプロセスに特有のパラメーターと関連する。
【0016】 米国特許第5,844,054号は、気相反応器中でのオレフィンの重合プロ
セスを教唆している。本プロセスの新規性には、触媒の流速並びに酸素と単量体
との流速比の操作による樹脂の生産速度、密度及びメルトフローレートの制御が
含まれる。
【0017】 米国特許第5,282,261号は、ニューラルネットワークを使用しながら
連続プロセスにおける推定及び制御を実行するよう、測定装置又は実験室試験の
代わりに制御装置の入力として使用されるべき、ニューラルネットワークによっ
て実時間で予測される値の使用を教唆している。しかしながら、該米国特許は、
記載された系を重合プロセスにいかに応用するかを教唆していないのみならず、
特にポリエチレンとその共重合体の生産プロセスに適用され得る制御構造も教唆
していない。
【0018】 このように、クロム又はチーグラー・ナッタ触媒を用いる、単独又は組合せた
気相反応器中でのHDPE又はLLDPEの生産プロセスであって、他のプロセ
ス変数の中で生産速度、触媒収率、空塔速度及び反応器中の気体組成、並びに、
メルトフローレート及び密度などの生成物の種々の物性が、オンラインで同時に
制御され得るような、本出願中に記載され、特許請求の範囲に記載されているプ
ロセスについて、上記の特許や公知技法に関する刊行物は単独で又は互いに組合
せても教唆していない。
【0019】 (発明の概要) 本発明は、単独又は組合された気相反応器中、水素、酸素、不活性希釈剤の存
在下における重合条件下で、クロム又はチーグラー・ナッタ触媒を使用した、H
DPE又はLLDPEの制御された生産プロセスに関し、該プロセスでは、一定
のプロセス変数並びに生産された樹脂のいくつかの物性がオンラインで制御され
る。
【0020】 そのような制御は、制御される変数並びにそれらの値がある運転範囲に制約さ
れるべき変数に及ぼす、操作される変数及び外乱の影響を記載する動的数学モデ
ルに基づいている。そのようなモデルを使用すると、他のプロセス変数のオンラ
イン測定からポリエチレンの性質を実時間で予測することが可能になる。重合体
の品質を推定する他に、装置の連続安全運転を保証するために課せられた制約を
破ることなく、制御変数が各々の設定値に近づき得るように取られるべき制御ア
クションの最良の組を求める最適化アルゴリズムによってモデルが使用される。
【0021】 このように、本発明はポリエチレンとその共重合体の制御されたプロセスを提
供し、その制御は、クロム触媒から生産される樹脂のメルトフローレート1(M
FR1)、メルトフローレート比(MFRR)及び密度、並びに、チーグラー・
ナッタ触媒から生産される樹脂のメルトフローレート2(MFR2)及び密度の
同時かつオンライン制御に用いられる動的数学モデルに基づくものである。
【0022】 本発明は、更に、生産速度、触媒生産性、反応器中の気体組成、流動床システ
ムの空塔速度、反応器リサイクル流の泡立ち温度及び反応器の冷却システム中の
水の入口及び出口の温度差のオンライン制御を付与されたプロセスも提供する。
【0023】 本発明は、上記のプロセスに対するポリエチレンの生産速度及び触媒収率の更
なる最大化も提供する。
【0024】 (発明を実施するための最良の形態) 本明細書において、「オンライン」の表現は推定されるべき物性が実時間で得
られることを意味する。
【0025】 「重合体の品質」の表現は、樹脂の性質に影響を与えるメルトフローレートM
FR1及びMFR2、MFRR、密度のような重合体の物性のことを意味する。
【0026】 MFR1及びMFR2は、ASTM D−1238の方法に従って測定された樹
脂のメルトフローレートである。測定は、各々、21.6gと2.16gの荷重
を用いて190℃で行われる。
【0027】 MFRR(メルトフローレート比)は、MFRR=MFR1/MFR2として計
算される樹脂のメルトフローレートの比である。
【0028】 樹脂の密度は、ASTM D−1505の方法に従って測定される。
【0029】 「触媒生産性」の表現は、触媒収率と同義語であり、使用される触媒の質量あ
たりの生産される重合体の質量を表す。
【0030】 SISO(単一入力単一出力,Single Input Single Output)の表現は、ある
制御変数を制御するためにただ一つの操作変数が調整される制御戦略を意味する
【0031】 MIMO(多入力多出力,Multiple Input Multipul Output)の表現は、一組
の制御変数を同時に制御するために複数の操作変数が調整される制御戦略を意味
する。
【0032】 「フィードバック制御」の用語は、ある変数に対する所望の値(設定値)と該
変数の測定値の差が制御装置へ供給されるメカニズムを意味する。
【0033】 「気相反応器」の表現は、反応器中に少なくとも一つの単量体を含む気相と少
なくとも一つの触媒を含む固相が存在することを意味する。本発明を実行するの
に有用な気相反応器は、公知の垂直な流動床反応器又は水平な流動床反応器であ
る。同様に、機械的撹拌付き反応器のようなその他のタイプも採用してよい。利
用可能な技術の種類の一般的アイデアは、「重合体の科学と工学辞典」、第二版
、7巻、480〜488頁、John Wiley & Sons編の「気相重
合」の章に見出される。
【0034】 チーグラー・ナッタ触媒の定義は、John Boor, Jr.,による成
書「チーグラー・ナッタ触媒と重合」、32−35頁、Academic Pr
essの「定義、立体化学、実験方法及び市販重合体」に見出される。
【0035】 クロム触媒は、よく知られたフィリップス触媒の一つ又はその他の分類に属す
るものである。Phillips触媒の定義は、John Boor, Jr.
の成書「チーグラー・ナッタ触媒と重合」、279−324頁、Academi
c Pressの「金属アルキルを含まない触媒」の章に見出される。
【0036】 本発明のプロセスは、ポリエチレン単独重合体又は共重合体としてのHDPE
又はLLDPEを生産することを目的としたものである。共重合体の場合、エチ
レンの他に、以下のような反応性オレフィングループの中からコモノマーが選ば
れる。即ち、プロペン;1−ブテン;2−メチルプロペン;1−ペンテン;1−
ヘキセン;1−ヘプテン;1−オクテン;1−デセン;3−メチル−1−ブテン
;4−メチル−1−ペンテン;シクロペンテンで、これらコモノマーは単独又は
混合物状態で共重合される。
【0037】 HDPEを生産するための好ましい触媒はクロム触媒であり、一方、LLDP
Eを生産するための好ましい触媒はチーグラー・ナッタ触媒である。しかしなが
ら、他の触媒も同様に採用してよい。
【0038】 図1に従えば、重合反応器のための制御戦略を設定するために、プロセス変数
を次のように分類するのが便利である:制御変数(8)、操作変数(1)、制約
制御変数又は単純制約(6)及び外乱変数又は単純外乱(7)。
【0039】 制御変数(CV)は、その値をできる限り所望の値又は設定値に近づけて維持
されるべき変数である。重合工場において、制御変数は二つのカテゴリーに分け
られる:重合体物性(4)、及び、工場の運転条件を定義するプロセス変数(5
)。
【0040】 メルトフローレートMFR1及びMFR2、密度、MFRRなどのような重合体
物性(4)は重合体の品質を確立する。工場の運転条件を定義するプロセス変数
(5)又は簡単にいえば運転条件には、温度、圧力、流速などが含まれる。
【0041】 制約制御変数CCV類は、制御されはするが、その値を設定値の近くに維持す
る必要がない変数である。しかしながら、ある限界を超えないようにそれらを制
御しなければならない。
【0042】 操作変数(MV類)は、制御変数が設定値又はある限界以内に維持されるよう
に調整されるべき変数である。制御戦略においてプロセス変数を操作変数として
用いるためには、後者が少なくとも一つの制御変数又は制約変数に何らかの影響
を与えなければならない。MV類の例は、単量体の流速、触媒及び冷却水である
【0043】 一般に、化学プロセスの運転に従事する運転員は、あるMVがどのようにある
CVに影響するかを、少なくとも定性的には知っている。大きな調整を短時間内
に促進することはある変数に対して安全ではない可能性があるため、MVの変化
速度に関してはある程度の制限があることが通常である。
【0044】 変化速度において制限又は制約が存在するもう一つの理由は、MV類の値を制
御する作動装置(弁、エンジンなど)の不感作である。弁がもし完全に開いた状
態にあったとしても、弁作動装置が現在の状態から、弁の開度が最大になる位置
に動くまでには遅れがある。従って、プロセス制御が十分かつ安全であるために
は、MV類の変化速度の制約を考慮に入れなければならない。
【0045】 外乱変数DV類も、制御変数に影響を与えるプロセス変数であるが、それらに
対して工場運転員は何のアクションも取ることができない。外乱の例は、反応器
中へ供給される単量体流中の不純物と触媒品質である。一般に、外乱は既知の原
因から生じるが、プロセス外のパラメーターによって発生するため、外乱を取除
くことは容易ではない。外乱には測定できるものと測定できないものがある。制
御システムでは、操作変数における調整を促進することによって、外乱の影響が
生成物の品質において明白になる前に、測定できる外乱(2)を考慮してもよい
【0046】 プロセス変数を上記のカテゴリーの一つに分類することがいつも容易であると
は限らない。例えば、反応器中のコモノマー濃度は、重合体密度の調整のための
MVの一つであり得るが、同時に、コモノマー流速をMVとして使用する濃度制
御ループにおけるCVの一つでもある。この場合、密度の制御のためのMVがコ
モノマー濃度の所望の値となる。この種の戦略がカスケード制御と呼ばれる。更
に、制御の観点から、もしプロセス入力がMVとして使用されない場合、今度は
それがDVとして考えられてもよい。上記のように、CV、CCV、MV及びD
Vとしての変数の分類は、考えられる制御ループによることになる。更に、同じ
変数が制御され同時に制約になってもよいという事実がある。本明細書において
、その値が所望の値、つまり、設定値に近く維持されるべき変数に対して、たと
え該変数を制約とすべきであるとしても、CVの表現が使用されるであろう。
【0047】 CV類、CCV類、MV類及びDV類の組がプロセスの制御マトリックスを構
成し、それが多変数制御システムを表すために使用される一つの方法である。図
2は、制御マトリックスの一例を示す。このマトリックスにおいて、縦の欄はC
V類とCCV類を表し、横の行はMV類とDV類を表す。この制御マトリックス
内の指定された位置が、あるCV又はCCVのモデリングにおいてMV又はDV
が使用されることを示す。それが、制御されたプロセスにおけるその使用による
潜在的利便性と同様、制御システムの範囲を定める該変数の正しい選択である。
【0048】 一旦その制御マトリックスが定義されると、モデル入力がMV類とDV類であ
り、一方で出力がCV類とCCV類となるべく、各々のCVとCCVに対してそ
のプロセスの数学モデルが確立されるべきである。プロセス制御に使用されるモ
デルの関数は、CV類/CCV類とMV類/DV類の間の原因−結果の関係を数
学方程式として正確に蓄積するものである。
【0049】 重合体の物性と、生産速度及び触媒収率のようなプロセスに含まれる経済的因
子は、重合反応に使用される運転条件と同様、重合体を作るための原料の関数で
ある。従って、一旦、重合に使用される原料が定められたら、物性が制御され、
同時に高い生産速度と触媒収率が追求されるように、プロセス入力が操作される
ことが最も重要になる。
【0050】 生成物の品質を定義付ける物性の大部分はオンラインで測定されない。多くの
場合、プロセスに直結され得る解析器がなく、そして、そのような変数の測定技
術が入手できるという事実にも係わらず、センサーのコストがその使用を非現実
的なものにすることもある。その結果、数時間のサンプリング間隔を用いて実験
室で試験を行うことになり、一つの試験から次の試験までの間の期間では、生成
物の品質がどのようになるか指標がなくなり、このことは、変数におけるあり得
る変化と、必要と考えられるであろう何らかの修正実行の間のギャップの原因に
なる。重合体品質の測定頻度の少なさの問題を克服するために、プロセスのモデ
リング技法が使用されてよく、それらの技法によって、連続して得られない性質
を連続して推定することが可能になる。
【0051】 プロセス制御に関して更に注目すべきことは、一般に、経済的考慮からプラン
トの限界に近い運転条件下でプロセスが運転されるべきであるという点である。
従って、反応器の生産速度を制御するために触媒の流速が操作され得る。しかし
ながら、重合熱が反応器の熱交換能力の限界を越える場合はいつでも、熱安定性
を優先して更に生産を増すという目的が制約されるべきである。
【0052】 この例は、多変数制御戦略におけるCCV類の考慮の重要性を示している。何
故ならば、これらがプロセスを安全に運転することを可能ならしめる限界範囲を
定めるであろう変数であるからである。更に、経済的条件から見ても最良の結果
が得られるのはこれらの限界近くであり、それが生産速度の増大並びにより高い
触媒収率を介してはっきり見てとれるであろう。
【0053】 重合プロセスでは、種々のプロセス変数間に高度な相互作用が見られ、それが
いくつかの制御目標を同時に達成する仕事を困難ならしめる。相互作用の一例は
、ポリエチレンの生産プロセスにおける密度、MFR1及び生産速度の間に存在
する関係である。重合体密度の制御を目指してコモノマー流速を調整すると、生
産速度とメルトフローレートが変ることになる。特定のメルトフローレートを維
持するためには、他のMV類を調整すべきであり、そうすると今度は密度と生産
速度の制御に支障を与える可能性がある。このように、もし調整が独立に行われ
ると、あるCV類に及ぼす制御アクションの全体効果が増減する可能性が大きく
なるであろう。そのような事態を避けるため、残りの変数の値を変更することな
く所望の変数値を修正すべく制御マトリックスにおいて確立されているように、
全ての入力変数(MV類及びDV類)の出力変数(CV類及びCCV類)への影
響を考慮してプロセス調整を実施すべきである。
【0054】 静的プロセスモデルを用いたプラントの制御が可能ではあるが、該調整に対す
るプロセスの応答速度に関する情報を該モデルが含んでいないという事実に鑑み
、その調整がゆっくりと実施されるべきであるため、これが最も効率的方法であ
るとはいえない。逆に、動的モデルに基づくシステムでは、CV類が所望の運転
条件から乖離しつつあるかどうかを移行の過程でさえ認識できる。これは、ポリ
エチレンを生産するための工業プラントにおいては種々のスペックの樹脂を生産
するために移行が頻発することから、本発明の制御プロセスの更なる利点である
。本発明の制御プロセスを用いてそのような移行を起こすことにより、一つの運
転条件から次の条件への移行期間を短縮するのみならず、オフスペック樹脂の収
量を最小化できる。
【0055】 従って、著しい便益を得るために、そのようなプロセスの制御は多変数(MI
MO)系、つまり、種々のCV類とMV類を含むものにすべきである。その上、
該プロセス制御では、検討中の工場の物理的限界(CCV類と変化速度)、プロ
セス動力学と同様、測定可能なあり得るDV類を考慮すべきである。
【0056】 一旦、プロセス変数の間の関係を表すよう数学モデルが調整されたら、このモ
デルを制御用と同様、推定用に使用してよい。
【0057】 数学モデルを推定用に使用する場合には、データ収集及び測定プロセスでより
長い時間が必要な実験室試験又は測定装置を介して測定される項目のような、連
続入手されない変数及び物性が供されるように該モデルを設計する。
【0058】 数学モデルを制御用に使用する場合で、ある調整がMV類においてなされ、そ
してDV類における変化が生じ得るような事例では、CV類とCCV類の将来挙
動を予測するように該モデルを設計する。このようにして、制約を破ることなく
制御変数が所望の値に達するように取るべきアクションの最良の組を該制御装置
で定めてよい。
【0059】 本明細書の目的であるプロセスにおいては、そのモデリング技法に好ましくは
プロセスモデルとしてニューラルネットワークの使用が含まれる。所望ならば、
プロセスモデル創設のために、その他の経験的及び/又は厳密なモデリング技法
を単独、それら同士の組合せ、又は、ニューラルネットワークモデルとの組合せ
で用いてもよい。
【0060】 図3は、流動床中で運転する気相反応器を使用するポリエチレン工場を構成す
る主要な流れと単位操作を表す。例示として、垂直流動床反応器を示す。ポリエ
チレン生産速度は、主として触媒注入(流れ2)を介して制御される。単量体(
流れ1)と、共重合体の生産の場合はコモノマー(類)(流れ9)が他の成分(
流れ10)といっしょに、反応系のリサイクル流(流れ8)を介して系に供給さ
れる。追加成分には、不活性希釈剤の他に水素、酸素、二酸化炭素が含まれる。
不活性希釈剤の例としては、単独又は任意の量で混合された状態の窒素、アルゴ
ン及び炭素原子が6個までのアルカンがある。反応器中の気体組成は、系に供給
される種々の流れの流速を調整することによって制御されてよい。流れ8の流速
は、反応器中の気体の空塔速度が、反応器の頂部から粒子を同伴させず、床を崩
壊させずに支えるのに十分な速さであるべきである。
【0061】 未反応気体、過剰の単量体(類)及び不活性成分は、反応器を通過する際に、
流動状態の床を形成するように粒子を維持し、かつ、反応で発生する熱を除去す
る。気体は反応器の頂部から流出し(流れ3)、そして、流れ7を形成するよう
に単量体及び成分回収流(流れ6)に加えられる。そのような流れを圧縮機CP
で圧縮しそして熱交換器HEで冷却する。反応器の温度が安定に維持されるよう
、そのような熱交換器中の冷却水の流速を操作する。重合が進行するにつれ、生
成物を連続的に反応器から抜取る(流れ4)。流動床のレベルを安定に維持する
ように、生成物抜取り速度を操作してよい。重合体といっしょに、ある量の気体
も反応器から流れ4と共に出て行く。そのような希釈剤が反応しないという事実
から、そして、それらの不活性成分の系中への蓄積を避けるために、パージ流(
流れ11)があり、系中に存在する不活性成分の量を制御するために、供給流と
いっしょに、それを使用してよい。サイクロンCにより流れ4中に存在する気体
が分離され、単量体を再利用するために反応器に返送される(流れ6)。重合体
は、ここでは示されていないが、脱気、失活そして押出工程に向かう(流れ5)
。時々、流れ8の一部が部分的に液状で反応器に入る。このようにして、反応熱
の一部が、流れ中に存在するその液の蒸発を介して潜熱として除去され、より高
い生産速度をもたらす。
【0062】 上記の方法で工場が運転される場合、該流れの泡立ち点の温度を制御すること
が有用である。何故ならば、もしこの温度が反応器の温度よりはるかに高いと、
重質成分が過剰に高濃度であるために、反応器に入る液を完全に蒸発させるのに
十分な熱ではなくなり、運転に支障を起こすためである。
【0063】 図3は、HDPE又はLLDPEを生産するために使用されてよい本発明のプ
ロセスの一つの可能な配置を示す。しかしながら、本発明は該態様に限定される
ものではなく、他の種類の気相反応器並びにより多数の反応器を含む他の配置に
応用してよい。
【0064】 ポリエチレン及びその共重合体を生産する工場の主要目的の中に、あるスペッ
ク範囲内に入る物性を有する重合体の調製と、工場の特定の触媒消費及び生産速
度のような経済的目標の最適化がある。つまり、生産される重合体のトンあたり
の触媒の消費を最小化することが望まれ、そして、これは、触媒の生産性増大と
生成物中への触媒残留分の低減、並びに、時間当たりに生産される重合体の量を
最大化することに繋がる。
【0065】 従来、そのような工業プラントにおいては、事前に定められた処方に従って反
応器が運転され、そして生成物の品質が特定の限界範囲内に維持されるように運
転条件を調整する必要性の有無が実験室試験によって示される。実験室試験には
、MFR1、MFR2及び密度の測定が含まれる。MFR1及びMFR2の値からM
FRRを計算することができ、それが樹脂の分子量分布の指標として役立つ。
【0066】 上記の物性を制御する本発明のプロセスに従えば、気相中でポリエチレンを生
産する工場には、デジタル制御システム(DCS)、該DCSに結合されている
プロセスコンピューター、プロセスデータ履歴を保存する情報システム及び実験
室試験値が供給されるシステムが含まれる。
【0067】 図4は、本発明のプロセスに従って、いかに制御が実施されるかを示す。制御
変数には、生産速度の場合のような連続的に入手できるもの、又は、実験室試験
又はクロマトグラフ測定の場合のような定期的に測定できるものがある。CV類
が定期的に測定される場合及び/又は測定期間に比較して著しい遅れが存在する
場合は、該変数の値が実時間で推定され、そしてそれらが本発明のプロセスにお
いて制御される値となる。
【0068】 性質又はプロセス変数の推定が必要な時は、いつでも図5に示されている手順
を使用すべきである。DCSに結合された測定装置の助けを借りて数学モデルの
入力が実時間で測定される。
【0069】 該DCSは、数学モデルの計算を行う役割を持つプロセスコンピューターに組
込まれたソフトウエアに得られた値を伝達する。また、数学モデルの計算を行う
このソフトウエアは、必要に応じて入力信号における前処理を行う。数学モデル
の出力は、DCS及び後になって利用できるようにプロセス履歴データベースを
保持するソフトウエアにも返送される。
【0070】 所望の性質の推定は、数学モデルの出力に、本明細書において「比」と呼ばれ
る、実験室試験を基に計算される因子を掛けることによって得られる。この「比
」は、実験室試験の結果と比較した際に、数学モデルによって得られる推定にお
けるミスの可能性を修正するために設計される。この因子は、試験試料が効果的
に集められた時点での、実験室試験によって供される値と数学モデルによって推
定される値の比として計算される。推定値における突然の変化を避けるために、
掛ける前にその値をふるいにかけるべきである。突然の変化はそのような信号を
受取る制御装置にとって好ましいことではない。
【0071】 上記の通り、該計算は、試験試料が効果的に集められた時点での、数学モデル
によって推定される値を考慮するため、プロセス履歴データベースに係わる同じ
プログラムの助けを借りてこの「比」が計算され、そのような情報は履歴データ
ベースからのみ入手できる。
【0072】 数学モデルの出力を修正するために、好ましい態様の変化には、以後「バイア
ス」と呼ばれるその他の因子の使用が含まれる。該因子は、数学モデルの出力値
に加えられるべきであるという点において比因子と異なる。このバイアスは、試
験試料が効果的に集められた時点での試験によって供される値と数学モデルによ
って推定される値の差として計算される。このバイアスも、数学モデルの出力値
に加えられる前にふるいにかけるべきである。
【0073】 一旦、制御マトリックスを構成する変数の値が、実験室試験又はその他の測定
変数の値について実施される計算を介して、工場の装置に直結されている機器の
助けによって求められたら、静的領域下でMV類がとるべき値(MV類の設定値
)を求めるための非線形最適化問題が解決する。
【0074】 最適化問題の解決により、やはりCV類が制約(CCV類及び変化速度)を破
ることなく、所望の値の近くに維持されるように、CV類の各々の動力学と重要
性、変化速度及び各MV類の許容限界を考慮した時に、MV類が望ましい計算値
に到達するように事前に定められた時間を通して実施すべき調整シーケンスが定
まる。PID制御装置は、予測制御装置によって計算されたMV類から設定値を
受取り、そしてそのような変数をこれらの値近くに維持する役割を演じる。
【0075】 生産速度の最大化は、生産速度に対する任意の高い設定値を選択することによ
って実行されてよい。該CVは、温度調節弁の開度によって制御が実行される系
の熱交換能力によって制限され、それが制御系の制約として作用する。温度調節
弁の開度が装置運転上の安全限界に到達するまで、制御系によって触媒の流速が
増大されるであろう。もし、この制約が守られないと、触媒の流速が過剰に増加
して温度制御弁が完全に開いたままになり、その結果、温度が制御不能に陥りそ
して装置を停止せざるを得なくなるであろう。
【0076】 HDPE及びLLDPEが同じ装置中で生産されてもよいという事実にも係わ
らず、これらの各重合体の生産には特異性がある。それらは、異なる触媒の存在
下で調製され、HDPEは限定的ではないが一般にクロム触媒を用いて生産され
、一方、LLDPEは限定的ではないが一般にチーグラー・ナッタ触媒を用いて
生産される。触媒のタイプのみならず、これらの重合体の生産では、運転条件及
び工場の運転に使用される手順に関しても違いがある。そのような違い故に、本
出願には、ポリエチレンの制御された生産に対して、二つのプロセス態様又はモ
ードが述べられ請求されており、そして該モードの各々で、使用される触媒タイ
プ(クロム又はチーグラー・ナッタ)に応じて特定の制御マトリックスが使用さ
れる。
【0077】 本発明のプロセスの助けを借りて制御されてよいプロセス変数とポリエチレン
の物性は以下のものである: ・ 樹脂のMFR1; ・ 樹脂の密度; ・ 樹脂のMFRR(クロム触媒に対するもの); ・ 生産速度; ・ 触媒の生産性; ・ 温度制御弁の開度; ・ エチレンの分圧; ・ 流動床中の気体の空塔速度; ・ 水素とエチレンの間の濃度比; ・ 単量体(類)とエチレンの間の濃度比; ・ リサイクル流の泡立ち点(チーグラー・ナッタ触媒に対するもの)。
【0078】 従って、本発明の一つのモードにおいて、単独又は互いに組合せた気相反応器
(類)中、水素、酸素、不活性希釈剤及びクロム触媒の存在下、重合条件下での
ポリエチレンの制御された生産プロセスは以下のステップを含むべきである: a) 実験室において、樹脂のMFR1、MFRR及び密度を定期的に試験し; b) 生産速度、樹脂のMFR1、MFRR及び密度、触媒の生産性、温度制御
弁の開度、単量体の分圧及び反応器中の気体の空塔速度を含むCV類とCCV類
の組に対する望ましい値又は限界を確立し; c) b)項に記された変数の値を実時間で決定して、数学モデルの助けを借り
て樹脂の性質を連続的に推定し; d) 触媒の流速、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の濃度
比、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の流速比、流動床の温
度、酸素とエチレンの間の流速比、水素とエチレンの間の流速比、リサイクル流
の流速、不活性希釈剤(類)の流速及びパージ弁の開度を含むMV類の組に対する
限界を確立し; e) d)項の変数の変化速度の限界を確立し; f) b)項及びd)項において確立された限界を超えることなくb)で設定さ
れた所望の値に到達するように、流動床のレベル並びに反応器の圧力が一定値に
保たれることを考慮して、プロセスの数学モデルを使用して、d)項に記された
変数によって静的領域下で想定されるべき値を同時に計算し; g) b)に記された各変数の動力学と重要性並びにe)において確立された制
約を考慮して、d)に記された変数がf)項において計算された所望の値に到達
するよう、事前に定められた期間内に実施されるべき調節のシーケンスを決定し
; h) 触媒、コモノマー(類)、冷却水、酸素、水素、不活性希釈剤(類)、リサ
イクル流の流速及びパージ弁の開度を前記項目類を満足するように調節し;及び
i) 実験室試験に基づいて、樹脂の性質に対して推定される値を定期的に修正
する。
【0079】 本発明に従ったクロム触媒に基づくポリエチレンの生産に対して含まれる各々
のモデル用の入力変数が、以下に示されている。以下に述べられる関係が図6に
まとめてある。該図に示されるプロセス変数の名前が表1に記載されている。
【0080】 その流速がMVとして用いられる好ましいコモノマーは1−ブテンであるが、
所望ならば他のコモノマー類も同様に使用してよい。
【0081】 メルトフローレート(MFR1) この性質は一つの制御変数であり、一般的に分子量及び重合体組成に関係する
。公知技法において、そのような性質は定期的収集を介して評価されるため、こ
れが測定の瞬間と工場で実際に生じていることとの間の時間的ギャップの原因と
なる。
【0082】 樹脂のMFR1モデルが該性質の推定又は制御のために設計される場合、関連
するパラメーターは以下のものである: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の濃度比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度比。
【0083】 メルトフローレート比(MFRR) 樹脂のMFRRモデルが該性質の推定又は制御のために設計される場合、関連
するパラメーターは以下のものである: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の濃度比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度比。
【0084】 密度 樹脂の密度モデルが該性質の推定又は制御のために設計される場合、関連する
パラメーターは以下のものである: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度比。
【0085】 生産速度、温度制御弁の開度及び触媒の生産性 これらの変数はプロセスの経済性に対して最も重要なものである。本発明に記
載され請求されているようなより先進的制御方法から得られるように、該変数の
変化がより低い場合、温度制御弁の開度によって表される反応器の熱伝導限界を
考慮すると、該変数の平均値は従来の制御システムから得られるものより高くな
る。
【0086】 温度制御弁の開度は、該弁が完全に開いている場合、熱交換器への冷却水の流
速を増大させる可能性がなく、温度が制御不能となり装置を停止せざるを得なく
なるため、反応の制御に失敗しないように考慮すべき制約の一つである。
【0087】 生産速度、温度制御弁の開度及び触媒の生産性の制御用モデルは、該変数の将
来挙動を予測するために次の入力変数を用いる: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比; ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル。
【0088】 エチレン分圧 エチレン分圧の制御用モデルは、該変数の将来挙動を予測するために次の入力
変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル。
【0089】 反応器中での水素とエチレンの間の流速比 反応器中での水素とエチレンの間の流速比の制御用モデルは、該変数の将来挙
動を予測するために次の入力変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 希釈剤の流速; ・ パージ弁の開度。
【0090】 反応器中でのコモノマー(類)とエチレンの間の濃度比 反応器中でのコモノマー(類)とエチレンの間の濃度比の制御用モデル(類)
は、該変数(類)の将来挙動を予測するために次の入力変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度。
【0091】 空塔速度 反応器中の空塔速度の制御用モデルは、該変数の将来挙動を予測するために次
の入力変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比; ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ リサイクル流の流速; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度。
【0092】 そして、本発明の他の好ましいモードに従えば、単独又は互いに組合せた気相
反応器(類)中、水素、酸素、不活性希釈剤及びチーグラー・ナッタ触媒の存在
下、重合条件下でのポリエチレン及びその共重合体の制御された生産プロセスは
、以下のステップを含むべきである: a) 実験室において、樹脂のMFR2及び密度を定期的に試験し; b) 生産速度、樹脂のMFR2及び密度、触媒の生産性、温度制御弁の開度、
単量体の分圧、反応器中の気体の空塔速度、リサイクル流の泡立ち点及び反応器
の冷却系の水の入口と出口の温度差を含むCV類及びCCV類の組に対する所望
の値又は限界を確立し; c) b)項の変数の値を実時間で決定し、数学モデルの助けを借りて樹脂の性
質の値を連続的に推定し; d) 触媒の流速、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の濃度
比、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の流速比、流動床の温
度、酸素とエチレンの間の流速比、水素とエチレンの間の濃度比、水素とエチレ
ンの間の流速比、リサイクル流の流速、不活性希釈剤(類)の流速及びパージ弁の
開度;反応器の圧力、流動床のレベル、リサイクル流中の気体密度及び空塔速度
;を含むMV類の組に対する限界を確立し; e) d)項に記された変数の変化速度に対する限界を確立し; f) b)項とd)項において確立された限界を超えることなくb)で設定され
た所望の値に到達するように、流動床のレベル及び反応器の圧力が一定に保たれ
ることを考慮して、プロセスの数学モデルを使用して、d)項に記された変数が
静的条件下で採られるべき値を同時に計算し; g) b)項に記された各変数の動力学と重要性並びにe)において確立された
制約を考慮して、各項に記された変数が、f)項において計算された所望の値に
到達するよう、事前に定められた期間に沿って実施されるべき調節のシーケンス
を決定し; h) 触媒、コモノマー(類)、冷却水、酸素、水素及び不活性希釈剤(類)の流
速、リサイクル流の流速及びパージ弁の開度を、前記項目類を満足するように調
節し; i) 実験室試験に基づいて、樹脂の性質に対して推定される値を定期的に修正
する。
【0093】 本発明に従った、チーグラー・ナッタ触媒を用いるポリエチレンの生産プロセ
スに含まれる各々のモデル用の入力変数が、以下に示されている。以下に記載さ
れる関係が図7にまとめてある。そのような図に示されるプロセス変数の名前が
表1に記載されている。
【0094】 その流速がMVとして用いられる好ましく使用されるコモノマー(類)は1−
ブテン及び所望により1−ヘキセンであるが、生産される樹脂に応じて他の共単
量体類も同様に使用してよい。
【0095】 メルトフローレート2(MFR2) 樹脂のMFR2モデルが該性質の推定又は制御のために設計される場合、関連
するパラメーターは以下のものである: ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の濃度比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度比。
【0096】 密度 樹脂の密度モデルが該性質の推定又は制御のために設計される場合、関連する
パラメーターは以下のものである: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の濃度比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度比。
【0097】 生産速度、温度制御弁の開度、反応器の冷却系の水の入口と出口の温度差及び
エチレン分圧 プロセスの安定性を追求するとき、弁の開度に加えて考慮すべきもう一つの因
子があり、それは反応器の冷却系における水の入口と出口の温度差である。水は
熱交換器から入口温度よりも高い温度で出て冷却塔に向かい、熱交換器に戻って
系から反応熱を除去する。該冷却塔は種々の熱交換器からの熱水を受取る。もし
、水が非常に高い温度で冷却塔に到達すると、冷却塔は要求通りに水を上手く冷
却できなくなり、そして、その水がやはり高過ぎる温度で反応器の熱交換器系に
戻っていく。熱交換器に向かう水の温度が、熱交換器から出る水の温度にあまり
にも近いと、熱交換器に達した水が熱を取去る能力を失うため、温度が制御不能
に陥る。この場合、一般に、もっと多くの熱を除去しようとして温度制御弁が、
完全開となる結果となる。しかしながら、これは熱交換器に入る水の温度がまだ
高すぎる場合、温度弁をこれ以上開けられないため無意味である。
【0098】 生産速度、温度制御弁の開度、反応器の冷却系の水の入口と出口の温度差及び
エチレン分圧の制御用モデルは、該変数の将来挙動を予測するために次の入力変
数を用いる: ・ 触媒の流速; ・ 流動床の温度; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル。
【0099】 触媒の生産性 触媒の生産性の制御用モデルは、該変数の将来挙動を予測するために次の入力
変数を用いる: ・ 流動床の温度; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比; ・ エチレン分圧。
【0100】 反応器中での水素とエチレンの間の濃度比 反応器中での水素とエチレンの間の濃度比の制御用モデルは、該変数の将来挙
動を予測するために次の入力変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 希釈剤の流速; ・ パージ弁の開度; ・ 触媒の流速; ・ 流動床の温度; ・ エチレン分圧; ・ 流動床のレベル。
【0101】 反応器中でのコモノマー(類)とエチレンの間の濃度比 反応器中でのコモノマー(類)とエチレンの間の濃度比の制御用モデルは、該
変数の将来挙動を予測するために次の入力変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度; ・ 触媒の流速; ・ エチレンの分圧; ・ 流動床のレベル。
【0102】 リサイクル流の泡立ち点 リサイクル流の泡立ち点の制御用モデルは、該変数の将来挙動を予測するため
に次の入力変数を用いる: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比。
【0103】 空塔速度 反応器中の空塔速度の制御用モデルは、該変数の将来挙動を予測するために次
の入力変数を用いる: ・ リサイクル流の流速; ・ リサイクル流中の気体密度。
【0104】 反応器中の生産速度の制御を改善すると、該変数の標準偏差の低減が観察され
た。安定性が向上した結果、以下の実施例に示されるように装置の平均生産速度
が増大した。
【0105】 下表1に、図6及び図7に表される制御マトリックスに含まれる変数のリスト
を示す。
【0106】
【表1】
【0107】 実施例 本発明に述べられているような先進制御法を使用する結果としての主要な便益
の一つは、生成物の品質、及び、生産速度などのプロセス変数のバラツキがより
少ないことである。検討中の反応器に対する生産速度の標準偏差が、0.62ト
ン/時間から0.27トン/時間へと56%も低減した。これが図8に示してあ
る。
【0108】 この生産速度とその平均値のより大きいシフトが、従来プロセスにおけるシフ
トは22%程度であるのに対して、10%程度に低下した。この結果は、本発明
の制御方法を使用し及び使用せずに、装置を7日間連続運転した時について、生
産速度を比較することによって得られた。
【0109】 正常な条件下での生産速度のバラツキが減少する以外に、反応器の温度が制御
不能状態になった場合に、正常な生産速度により迅速かつ効率的に回復すること
が見られるであろう。
【0110】 これらの因子を総合すると、平均生産速度をより高い値にシフトさせることが
可能となる。検討中の反応器に対して、該変数の増加は19.2%に達した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、化学プロセスを構成するプロセス変数を分類するカテゴリーを表わす
【図2】 図2は、制御マトリックスを表わす。
【図3】 図3は、本発明に従ったポリエチレンの生産のための工場の簡略化した表示で
ある。
【図4】 図4は、本発明に述べられ請求されているプロセス制御の実施の概略図である
【図5】 図5は、プロセス変数の推定を実施する概略図である。
【図6】 図6は、クロム触媒を用いた、ポリエチレン及びその共重合体の制御された生
産のための、本発明の態様に特徴的な制御マトリックスを表わす。
【図7】 図7は、チーグラー・ナッタ触媒を用いた、ポリエチレン及びその共重合体の
制御された生産のための、本発明の態様に特徴的な制御マトリックスを表わす。
【図8】 図8は、生産速度とその平均値の間のバラツキの頻度と強度を表わすグラフで
ある。本発明に述べられ請求されているプロセスを使用した結果、生産速度のバ
ラツキの低減が観察されるであろう。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月20日(2001.12.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】 米国特許第4,469,853号は、2、3のよく定義された性質を有するポ
リオレフィンの液相での生産プロセスを供する。そのようなプロセスでは、オレ
フィン単量体の濃度と、反応器の頂部に形成される気相中の水素の濃度を測定す
るためのクロマトグラフィーの使用が述べられている。事前に定められた密度を
有するポリオレフィンを得るべく、該反応物質の濃度比が一定に維持されるよう
に、エチレンとコモノマーの流速の制御が調整される。更に、該米国特許では、
反応器への水素供給の流速を調整することによって、水素と主要単量体の濃度比
の制御が達成され、その結果として、事前に定められたメルトフローレート(me
lt flow rate)を有するポリオレフィンに導かれる。所望により、反応器のパー
ジ流速の調整を介して圧力を制御しながら、触媒の供給流速を調整することによ
って反応器中のエチレン分圧を制御し得る。この引用出願によって取上げられた
問題は、気相/液相反応器中の反応物濃度の制御である。反応器中の濃度制御が
、液相ではなく気相中の反応物の濃度監視によって改善され、そのような改良さ
れた濃度制御がより安定な性質を有する重合体を導くであろうことが該引例によ
り提案されている。引例発明に述べられている制御戦略は、流れ性を制御するた
めに単に水素を使用し、重合体の密度を制御するために単に共単量体を使用する
ことである。そのような戦略の問題点は、コモノマーも流れ性に影響を及ぼし、
水素も密度に影響を及ぼすために、これらの制御ループがカップリングされるこ
とである。本明細書に請求されている本発明は、多変数制御戦略を使用すること
により、ループ相互作用の問題を解決する方法を教唆する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】 米国特許第5,282,261号は、ニューラルネットワークを使用しながら
連続プロセスにおける推定及び制御を実行するよう、測定装置又は実験室試験の
代わりに制御装置の入力として使用されるべき、ニューラルネットワークによっ
て実時間で予測される値の使用を教唆している。しかしながら、該米国特許は、
記載された系を重合プロセスにいかに応用するかを教唆していないのみならず、
特にポリエチレンとその共重合体の生産プロセスに適用され得る制御構造も教唆
していない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】 米国特許第5,844,054号は、生産速度、メルトフローレート及び密度
を含む一組の制御変数を予測型計算機モデルを介して制御すること、及び、触媒
供給速度、α−オレフィンに対する酸素のモル比及びコモノマー濃度を含む一組
の操作変数を協調的に調整することを含む、気相流動床反応器中でオレフィンを
重合するためのプロセスを開示している。本明細書に請求されている本発明は、
プロセス変数および生成物物性の挙動を予測するために、水素濃度、不活性物濃
度、流動床レベル、流動床温度、圧力、リサイクル気体の流速及びブリード流の
流速のような重要な因子を考慮するため、引用出願例よりも改良された機能性を
供する。更に、本発明は、このより広い入力変数の組を同時に監視しそして調整
して、生産速度及びメルトフローレートを制御するのみならず、メルトフローレ
ート比、触媒の生産性、空塔速度、エチレン分圧、水素濃度及びコモノマー濃度
の制御も供するので、如何にして改良されたプロセス安定性を達成するかも開示
している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 このように、クロム又はチーグラー・ナッタ触媒を用いる、単独又は組合せた
気相反応器中でのHDPE又はLLDPEの生産プロセスであって、他のプロセ
ス変数の中で生産速度、触媒収率、空塔速度及び反応器中の気体組成、並びに、
メルトフローレート及び密度などの生成物の種々の物性が、オンラインで同時に
制御され得るような、本出願中に記載され、特許請求の範囲に記載されているプ
ロセスについて、上記の特許や公知技法に関する刊行物は単独で又は互いに組合
せても教唆していない。 WO93/24533の一般的目的は、固体、液体及び気体相が存在する実質
的に水平な急冷攪拌床反応器中での、α−オレフィンの連続気相重合用の先進的
制御のための改良方法を供することである。本出願人によって請求されている通
り、本発明は、鍵となる点に関して引例とは異なるプロセスを指向したものであ
り、この違いは各々のプロセスで使用される反応器のタイプが異なるという事実
から生じるものである。急冷攪拌床反応器の制御に関係するプロセス変数は、気
相と固相のみを含有する反応器の制御に関するものと同一ではなく、従って、こ
の引例は、本発明のプロセスの先進的制御に対して、どの操作変数と外乱を考慮
すべきかについて開示も示唆もしていない。 WO98/54231は、水の流速と循環気体の流速の同時かつ調整的操作に
よる流動床の改良された温度制御に関するものである。従って、この引例は、温
度が制御変数であり、そして、水の流速と循環気体の流速が操作変数であるプロ
セスを開示している。本発明で請求されているプロセスはこれと異なり、他の変
数のなかでも生産速度、MFR1、MFRR、密度、エチレン分圧及びコモノマ
ー濃度を含む一組の制御変数の改良された制御に関するものである。この後に請
求されている本発明は、流動床の温度制御を改良するためのいかなる方法も全く
参考にしていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピラグアシー、デモロ、エスドラス ブラジル国 ポルト アレグレ、ハルディ ム イトゥ サバラ、ロア マノエル ロ ペス メイレレス、149 (72)発明者 マルティンス デ オリヴェイラ、アルト ール、トレド ブラジル国 ポルト アレグレ、ロア ド ム ペドロ セグンド、1273、アパートメ ント 301 Fターム(参考) 4J011 MA04 MA19 MB01

Claims (56)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素、酸素、不活性希釈剤(類)及びクロム触媒の存在下、重
    合条件の下での、単独又は組合された気相反応器(類)中でのポリエチレン及びそ
    の共重合体の制御された生産プロセスであって、該プロセスが以下のステップ: a) 実験室において、樹脂のMFR1、MFRR及び密度を定期的に試験し; b) 生産速度、樹脂のMFR1、MFRR及び密度、触媒の生産性、温度制御
    弁の開度、単量体の分圧及び反応器中の気体の空塔速度を含む一組のCV類及び
    CCV類に対する所望の値又は限界を確立し; c) b)項に記載された変数の値を実時間で決定して、数学モデルの助けを借
    りてそれらの値を有する樹脂の性質を連続的に推定し; d) 触媒の流速、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の濃度
    比、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の流速比、流動床の温
    度、酸素とエチレンの間の流速比、水素とエチレンの間の流速比、リサイクル流
    の流速、不活性希釈剤(類)の流速及びパージ弁の開度を含む一組のMV類に対す
    る限界を確立し; e) d)項の変数の変化速度に対する限界を確立し; f) b)項及びd)項において確立された限界を超えることなくb)で設定さ
    れた所望する値に到達するように、流動床のレベル並びに反応器の圧力が一定値
    に保たれることを考慮して、プロセスの数学モデルを使用して、d)項に記載さ
    れた変数が静的領域下で想定されるべき値を同時に計算し; g) b)に記載された各変数の動力学及び重要性、並びに、e)において確立
    された制約を考慮して、d)に記載された変数がf)項において計算された所望
    の値に到達するよう、事前に定められた期間内に実施されるべき調節のシーケン
    スを決定し; h) 触媒、コモノマー(類)、冷却水、酸素、水素、不活性希釈剤(類)、リサ
    イクル流の流速及びパージ弁の開度を、前記項目類を満足するように調節し;そ
    して i) 実験室試験に基づいて、樹脂の性質に対して推定される値を定期的に修正
    する; を含むことを特徴とするプロセス。
  2. 【請求項2】 気相反応器が垂直又は水平な流動床、又は、垂直又は水平な
    撹拌床反応器である、請求項1記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 数学モデルが経験的モデル、厳密モデル又は経験的モデルと
    厳密モデルとの組合せである、請求項1記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 経験的数学モデルがニューラルネットワークである、請求項
    1記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 エチレンが単独で、又は、一つ又はそれより多くのオレフィ
    ン共単量体と組合されて重合される、請求項1記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 オレフィンコモノマーがプロペン;1−ブテン;2−メチル
    プロペン;1−ペンテン;1−ヘキセン;1−オクテン;1−デセン;3−メチ
    ル−1−ブテン;4−メチル−1−ペンテン;シクロペンテンである、請求項5
    記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 不活性希釈剤(類)が、窒素;アルゴン及び6個までの炭素原
    子を有するアルカンの単独又は任意の量でのそれらの混合物である、請求項1記
    載のプロセス。
  8. 【請求項8】 制御される樹脂の物性がメルトフローレートである、請求項
    1記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 樹脂のメルトフローレートの制御用モデルが以下の入力変数
    : ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 を用いる、請求項8記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 制御される樹脂の物性がメルトフローレートの比である、
    請求項1記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 樹脂のメルトフローレートの比の制御用モデルが以下の入
    力変数: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 を用いる、請求項10記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 制御される樹脂の物性が密度である、請求項1記載のプロ
    セス。
  13. 【請求項13】 樹脂の密度の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度比 を用いる、請求項12記載のプロセス。
  14. 【請求項14】 制御される変数が生産速度である、請求項14記載のプロ
    セス。
  15. 【請求項15】 生産速度の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項14記載のプロセス。
  16. 【請求項16】 制御される変数が温度制御弁の開度である、請求項1記載
    のプロセス。
  17. 【請求項17】 温度制御弁の開度の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項16記載のプロセス。
  18. 【請求項18】 制御される変数が触媒の生産性である、請求項1記載のプ
    ロセス。
  19. 【請求項19】 触媒の生産性の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の濃度流速比 ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項18記載のプロセス。
  20. 【請求項20】 制御される変数が反応器中のエチレン分圧である、請求項
    1記載のプロセス。
  21. 【請求項21】 反応器中のエチレン分圧の制御用モデルが以下の入力変数
    : ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項20記載のプロセス。
  22. 【請求項22】 制御される変数が反応器中の水素とエチレンの間の濃度比
    である、請求項1記載のプロセス。
  23. 【請求項23】 反応器中の水素とエチレンの間の濃度比の制御用モデルが
    以下の入力変数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度 を用いる、請求項22記載のプロセス。
  24. 【請求項24】 制御される変数が反応器中のコモノマー(類)とエチレン
    の間の濃度比である、請求項1記載のプロセス。
  25. 【請求項25】 反応器中のコモノマー(類)とエチレンの間の濃度比の制
    御用モデルが以下の入力変数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度 を用いる、請求項24記載のプロセス。
  26. 【請求項26】 制御される変数が流動床中の気体の空塔速度である、請求
    項1記載のプロセス。
  27. 【請求項27】 流動床中の気体の空塔速度の制御用モデルが以下の入力変
    数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ リサイクル流の流速; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度 を用いる、請求項26記載のプロセス。
  28. 【請求項28】 水素、酸素、不活性希釈剤類及びチーグラー・ナッタ触媒
    の存在下、重合条件の下での、単独又は組合された気相反応器(類)中でのポリエ
    チレン及びその共重合体の制御された生産プロセスであって、該プロセスが以下
    のステップ: a) 実験室において、樹脂のMFR2及び密度を定期的に試験し; b) 生産速度、樹脂のMFR2及び密度、触媒の生産性、温度制御弁の開度、
    単量体の分圧、反応器中の気体の空塔速度、リサイクル流の泡立ち点及び反応器
    の冷却系の水の入口及び出口の温度差を含む一組のCV及びCCVに対する所望
    の値又は限界を確立し; c) b)項の変数の値を実時間で決定し、数学モデルの助けを借りて樹脂の性
    質の値を連続的に推定し; d) 触媒の流速、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の濃度
    比、一つ又はそれより多くのコモノマー類とエチレンの間の流速比、流動床の温
    度、酸素とエチレンの間の流速比、水素とエチレンの間の濃度比、水素とエチレ
    ンの間の流速比、リサイクル流の流速、不活性希釈剤(類)の流速及びパージ弁の
    開度;反応器の圧力、流動床のレベル、リサイクル流中の気体密度及び空塔速度
    を含む一組のMVに対する限界を確立し; e) d)項に記された変数の変化速度に対する限界を確立し; f) b)項及びd)項において確立された限界を超えることなくb)で確立さ
    れた所望の値に到達するように、流動床のレベルと反応器の圧力が一定に保たれ
    ることを考慮して、プロセスの数学モデルを使用することによって、d)項に記
    載された変数が静的条件下で採るべき値を同時に計算し; g) b)に記載された各変数の動力学及び重要性、並びに、e)において確立
    された制約を考慮して、各項に記載された変数が、f)項において計算された所
    望の値に到達するよう、事前に定められた期間に沿って実施されるべき調節のシ
    ーケンスを決定し; h) 触媒、コモノマー(類)、冷却水、酸素、水素及び不活性希釈剤(類)の流
    速、リサイクル流の流速及びパージ弁の開度を、前記項目類を満足するように調
    節し; i) 実験室試験に基づいて、樹脂の性質に対して推定される値を定期的に修正
    する; を含むことを特徴とする生産プロセス。
  29. 【請求項29】 気相反応器が垂直又は水平な流動床、又は、垂直又は水平
    な撹拌床反応器である、請求項28記載のプロセス。
  30. 【請求項30】 数学モデルが経験的モデル、厳密モデル又は経験的モデル
    と厳密モデルの組合せである、請求項28記載のプロセス。
  31. 【請求項31】 経験的モデルがニューラルネットワークである、請求項2
    8記載のプロセス。
  32. 【請求項32】 エチレンが単独で、又は、一つ又はそれより多くのオレフ
    ィン単量体類と組合されて重合される、請求項28記載のプロセス。
  33. 【請求項33】 オレフィンコモノマー類がプロペン;1−ブテン;2−メ
    チルプロペン;1−ペンテン;1−ヘキセン;1−ヘプテン;1−オクテン;1
    −デセン;3−メチル−1−ブテン;4−メチル−1−ペンテン;シクロペンテ
    ンである、請求項32記載のプロセス。
  34. 【請求項34】 不活性希釈剤類が窒素;アルゴン及び6個までの炭素原子
    を有するアルカンの単独又は任意の量での互いの混合物である、請求項28記載
    のプロセス。
  35. 【請求項35】 制御される変数が生産速度である、請求項14記載のプロ
    セス。
  36. 【請求項36】 生産速度の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項35記載のプロセス。
  37. 【請求項37】 制御される樹脂の物性がメルトフローレート比である、請
    求項28記載のプロセス。
  38. 【請求項38】 樹脂のメルトフローレートの制御用モデルが以下の入力変
    数: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 を用いる、請求項37記載のプロセス。
  39. 【請求項39】 制御される樹脂の物性が密度である、請求項1記載のプロ
    セス。
  40. 【請求項40】 樹脂の密度の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 を用いる、請求項39記載のプロセス。
  41. 【請求項41】 制御される変数が温度制御弁の開度である、請求項1記載
    のプロセス。
  42. 【請求項42】 温度制御弁の開度の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項41記載のプロセス。
  43. 【請求項43】 制御される変数が流動床中の気体の空塔速度である、請求
    項1記載のプロセス。
  44. 【請求項44】 流動床中の気体の空塔速度の制御用モデルが以下の入力変
    数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ リサイクル流の流速; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度 を用いる、請求項43記載のプロセス。
  45. 【請求項45】 制御される変数が反応器中のエチレン分圧である、請求項
    1記載のプロセス。
  46. 【請求項46】 反応器中のエチレン分圧の制御用モデルが以下の入力変数
    : ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項45記載のプロセス。
  47. 【請求項47】 制御される変数がリサイクル流の泡立ち点である、請求項
    28記載のプロセス。
  48. 【請求項48】 リサイクル流の泡立ち点の制御用モデルが以下の入力変数
    : ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 を用いる、請求項47記載のプロセス。
  49. 【請求項49】 制御される変数が反応器の冷却システム中の水の入口と出
    口の温度差である、請求項28記載のプロセス。
  50. 【請求項50】 反応器の冷却システム中の水の入口と出口の温度差の制御
    用モデルが以下の入力変数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項49記載のプロセス。
  51. 【請求項51】 制御される変数が反応器中の水素とエチレンの間の濃度比
    である、請求項28記載のプロセス。
  52. 【請求項52】 反応器中の水素とエチレンの間の濃度比の制御用モデルが
    以下の入力変数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度 を用いる、請求項51記載のプロセス。
  53. 【請求項53】 制御される変数が反応器中のコモノマー(類)とエチレン
    の間の濃度比である、請求項28記載のプロセス。
  54. 【請求項54】 反応器中のコモノマー(類)とエチレンの間の濃度比の制
    御用モデルが以下の入力変数: ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 酸素とエチレンの間の流速比; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ パージ弁の開度 を用いる、請求項53記載のプロセス。
  55. 【請求項55】 制御される変数が触媒の生産性である、請求項28記載の
    プロセス。
  56. 【請求項56】 触媒の生産性の制御用モデルが以下の入力変数: ・ 触媒の流速; ・ コモノマー(類)とエチレンの間の流速比 ・ 流動床の温度; ・ 水素とエチレンの間の流速比; ・ 不活性希釈剤(類)の流速; ・ 反応器の圧力; ・ パージ弁の開度; ・ 流動床のレベル を用いる、請求項18記載のプロセス。
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