JPH07126303A - ポリオレフィン製造プロセスの異常判定方法及びこれを用いた運転支援装置 - Google Patents

ポリオレフィン製造プロセスの異常判定方法及びこれを用いた運転支援装置

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JPH07126303A
JPH07126303A JP27694593A JP27694593A JPH07126303A JP H07126303 A JPH07126303 A JP H07126303A JP 27694593 A JP27694593 A JP 27694593A JP 27694593 A JP27694593 A JP 27694593A JP H07126303 A JPH07126303 A JP H07126303A
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polyolefin
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mfr
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JP27694593A
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Fuminao Watanabe
文尚 渡邊
Atsuro Kodama
敦郎 小玉
Mitsuo Harada
光雄 原田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オレフィンを重合帯域で重合して所定の物理
的性質を有するポリオレフィンを製造するにあたり、重
合帯域におけるプロセス状態を表すプロセス状態量を運
転データ信号として検出すると共に、重合帯域より生成
するポリオレフィンの物理的性質を物性値信号として実
測し、該物性値信号及び前記運転データ信号を時系列に
記憶装置に入力し、該記憶装置に蓄積された前記物性値
信号及び運転データ信号のデータを統計処理し、該統計
処理の結果に基づき、各々のプロセス状態量及びポリオ
レフィンの物理的性質の実測値の異常を判断することを
特徴とするポリオレフィン製造プロセスの異常判定方法
及びこれを用いた運転支援装置。 【効果】 本発明方法によれば、所定の物性を有するポ
リオレフィンを、物性データの統計的判断に基づく反応
条件の操作により重合反応系を安定に保ちつつ効率的に
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン製造プロ
セスの異常判定方法及びこれを用いた運転支援装置に関
する。詳しくは、オレフィンを重合帯域で重合して所定
の物理的性質を有するポリオレフィンを製造するにあた
り、重合帯域におけるプロセスの状態量及びそこで生成
するポリオレフィンの物性値を検出・測定し、それらの
データを記憶手段を用いて記憶として蓄積し、更に統計
処理を施すことによる、前記プロセスの状態量及びポリ
オレフィンの物性値の異常を判定する方法及びこれを用
いた運転支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィンは種々の成形
方法で成形され、多方面の用途に用いられている。これ
らの成形方法や用途に応じ、ポリオレフィンとして種々
の物性、特にメルトフロレート(溶融流れ指数。本明細
書においては、「MFR」と称す。)、分子量分布の指
標となる流動比(本明細書においては「FR」と称
す。)や密度を有するものが望まれる。一般にこれらの
物性の調節を行うには、触媒の種類、組成、量などを変
えたり、重合条件を変更せしめたりする方法が知られて
いる。
【0003】ところで、ポリオレフィンを工業的規模で
製造するには、所定の温度に保たれた重合帯域内に所定
量の触媒及び助触媒、所定量のオレフィン、及び所定量
の水素、更には溶媒を供給して、所定の規格、即ち所定
MFR,FR及び密度を有するポリオレフィンが連続的
に製造されるような条件下で運転を実施する。
【0004】しかしながら、上記の如くそれぞれの供給
量を一定にした条件下で連続重合を実施しても、重合帯
域内の状態を一定に保つことは難しい。即ち、不確定性
外乱による触媒の微細な変化、活性の変化等によって、
重合帯域内のオレフィン濃度が変化する。例えば、触媒
の活性の低下があった場合には、該帯域内のオレフィン
濃度が上昇し、分子量調節剤である水素とオレフィンと
の濃度の比が低下して、生成するポリオレフィンのMF
RやFRが低下する。このような理由のはっきりとしな
い微細な外乱が頻繁に起こり、これによって重合帯域内
のオレフィン濃度が変化し、生成するポリオレフィンの
物性、特にMFR,FRや密度等が変動することにな
る。このため、所定の物性規格のポリオレフィンを一定
の生産量で製造することは殆ど不可能である。
【0005】従来、このような問題を改善する方法が種
々提案されており、例えば、次の〜の方法がある。 重合反応器の液相部についてオレフィン濃度、水素
ガス濃度を実測する方法(USP3,835,106
号)。 重合反応系を監視し、その圧力を測定して最終製品
であるエチレンコポリマーの組成を均質化する方法(U
SP3,691,142号)。 重合反応器の気相部又は液相部のエチレン及び水素
濃度を監視し、これをコンピュータによる制御システム
に取り込み、エチレン及び/又は水素供給量を制御する
方法(USP4,469,853号、特開昭62−25
0010号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法のうち、
の方法では、反応器からサンプル採取に到るまでに重合
反応が進行して反応系内の状態を正確に把握できない等
の問題点がある。また、の方法は、所望の物性、特に
MFR,FR及び/又は密度を有するポリエチレンを製
造するのに好適な技法とは言えない。の方法では、重
合帯域内で微細な外乱があった場合には反応状態が変化
することから、気相部又は液相部のエチレン及び水素濃
度を所定量に制御することのみでは所定の物性(例えば
MFRやFR等)のポリオレフィンを得ることは難し
い。
【0007】本発明者等は上記従来の問題点を解決し、
所定のMFR値を有するポリオレフィンを得ることがで
きるポリオレフィンの製造法を先に提案した(特開平5
−140229号)。この方法ではMFR実測値毎に反
応条件を変更するので、重合反応系が不安定になりやす
く、また、それぞれの測定データが統計的に異常である
ことを的確に判断していないため、製品品質異常の把握
が不十分となり、それに伴う反応条件の操作量の変更が
遅れるという課題が見出された。
【0008】本発明は、上記の課題を解決し、所定の物
性を有するポリオレフィンを製造するに際し、プロセス
状態及びポリオレフィン生成物の物理的性質の異常の有
無を判定する方法及びこれを用いた運転支援装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリオレフィン
製造プロセスの異常判定方法及びこれを用いた運転支援
装置は、オレフィンを重合帯域で重合して所定の物理的
性質を有するポリオレフィンを製造するにあたり、重合
帯域におけるプロセス状態を表すプロセス状態量を運転
データ信号として検出すると共に、重合帯域より生成す
るポリオレフィンの物理的性質を物性値信号として実測
し、該物性値信号及び前記運転データ信号を時系列に記
憶装置に入力し、該記憶装置に蓄積された前記物性値信
号及び運転データ信号のデータを統計処理し、該統計処
理の結果に基づき、各々のプロセス状態量及びポリオレ
フィンの物理的性質の実測値の異常を判断することを特
徴とするポリオレフィン製造プロセスの異常判定方法及
びオレフィンを重合帯域で重合して所定の物理的性質を
有するポリオレフィンを製造するための運転支援装置で
あって、重合帯域におけるプロセス状態を表すプロセス
状態量を検知するプロセス状態検出手段、重合帯域より
生成するポリオレフィンの物理的性質を測定する物性測
定手段、上記プロセス状態検出手段及び物性測定手段か
ら得たプロセス状態量及び物性測定値を取り入れたデー
タを時系列に蓄積するデータ記憶手段、該データを統計
処理する統計処理手段及び該統計処理手段の処理結果に
基づいてそれぞれのプロセス状態量及び物性測定値の異
常を判断する異常判定出力手段を備えたことを特徴とす
るポリオレフィン製造プロセスの運転支援装置に存す
る。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係るポリオレフィンの製造に用いられる触媒は特に制限
されないが、例えばチーグラー系触媒、フィリップス系
触媒等が挙げられる。また、助触媒としては有機アルミ
ニウム化合物が用いられる。所望により電子供与性化合
物等の第3成分を用いても良い。
【0011】溶媒の例としてはヘキサン、ヘプタン等の
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
等の脂環式炭化水素等の不活性炭化水素溶媒が挙げられ
る。
【0012】また、オレフィンの例としてはエチレン、
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1等のα−オレフィンが挙げられる。これらの
オレフィンは1種を単独で或いは2種以上のオレフィン
の混合物として使用される。例えば、エチレンを単独
で、或いは、エチレンとエチレンに対して30モル%以
下の他のオレフィンとの混合物として用いられる。
【0013】オレフィンの重合反応は、重合帯域にオレ
フィン、水素、触媒及び助触媒、所望により溶媒、第3
成分及びコモノマーを所定量供給し、通常50〜150
℃の温度、0.1〜100kg/cm2 Gの圧力及び気
相中の水素/オレフィンのモル比0.01〜1000の
反応条件下で実施される。所望とするポリオレフィンの
物性に応じて反応条件は上記範囲内で適宜選択される。
【0014】以下、図面を参照して、本発明の運転支援
装置の実施例につき更に詳細に説明する。図1は本発明
の運転支援装置を適用したポリオレフィン製造プロセス
のブロック図である。図1において、重合反応器1には
水素供給ライン2、オレフィン供給ライン3、溶媒供給
ライン4、触媒供給ライン5、助触媒及び第3成分供給
ライン5′が接続されており、水素、オレフィン、溶
媒、触媒、助触媒及び第3成分等が、製造すべきポリオ
レフィンのMFRに応じて所定量連続的に供給されてい
る。
【0015】重合反応器1の内部には上記供給物によ
り、液相部1a及び気相部1bが形成され撹拌機1cに
より撹拌されつつオレフィンの重合が行なわれる。製造
されたポリオレフィンはポリオレフィン抜出ライン6か
ら連続的に抜き出され、脱ガス槽又はガス分離器12に
供給され、配管12Aより未反応ガスを分離した後、送
給ライン6Aを経て溶媒分離器13に供給され、配管1
3Aより溶媒が分離される。次いで送給ライン6Bを経
て乾燥機(ドライヤー)14に供給され、乾燥したポリ
オレフィン固体とされる。これを送給ライン6Cにより
押出機15に供給してペレット化し、ポリオレフィンペ
レット抜出ライン16より抜出す。
【0016】本発明において重合反応器1から抜出され
るポリオレフィン、望ましくは該抜出ライン16から抜
出されるポリオレフィンペレットをサンプリングライン
16Aより所定時間毎にサンプリングし、MFR測定
器、FR測定器又は密度測定器等の物性測定器17に導
いて製造されたポリオレフィンの物性を測定する。この
測定値(実測値)に基づく信号はコンピュータ30のデ
ータ記憶部31に入力される(信号K1 )。
【0017】また、前述の水素供給ライン2、オレフィ
ン供給ライン3、溶媒供給ライン4にはそれぞれの供給
量を調節する供給弁2a,3a,4a及びそれぞれの供
給量を検出する流量検出器2b,3b,4bがそれぞれ
設けられており、該流量検出器2b,3b,4bからの
流量に相関する検知信号(K2 ,K3 ,K4 )がコンピ
ュータ30のデータ記憶部31に入力される。一方、後
述するコンピュータ30の制御部36からの制御信号S
1 〜S4 により、所定の物性、例えばMFRのポリオレ
フィンを生成するようにオレフィン濃度及び水素濃度を
変更すべく触媒供給ポンプ5aのストローク、助触媒供
給ポンプ5′aのストローク、オレフィン供給弁3a及
び水素供給弁2aの開度が制御される。
【0018】更に、重合反応器1の気相部1bにはサン
プリングライン7が設けられており、気相部1bのガス
が開閉弁7aを経て分析装置8、例えば、ガスクロマト
グラフィに導かれ、該分析装置8によりガス中の水素濃
度及びオレフィン濃度が測定される。この分析装置8で
測定された水素濃度及びオレフィン濃度に基づく信号
(K5 )も、コンピュータ30のデータ記憶部31に入
力される。9,10は重合反応器1の気相部の圧力及び
液相部の温度の検出器であり、これら圧力検出器9及び
温度検出器10から圧力及び温度に相関する検知信号
(K 6 ,K7 )もコンピュータ30のデータ記憶部31
に入力される。
【0019】11は重合反応器1に冷却水を供給する供
給ラインであり、その供給量を調節する供給弁11a及
びその供給量を検出する流量検出器11bが設けられて
おり、この流量検出器11bからの流量に相関する検知
信号(K8 )がコンピュータ30のデータ記憶部31に
入力される。この冷却水供給弁11aもまた、後述する
コンピュータ30の制御部36からの制御信号S5 によ
り、所定のMFRのポリオレフィンを生成するように、
重合温度を変更すべく、その開度が制御される。
【0020】更に、前記脱ガス槽12にはスラリー濃度
調整のために溶媒供給ライン18が接続されており、そ
の供給量を調節する供給弁18a及びその供給量を検出
する流量検出器18bが設けられ、流量検出器18bか
らの流量に相関する検知信号(K9 )がコンピュータ3
0のデータ記憶部31に入力される。
【0021】また、前記溶媒分離器13にもスラリー濃
度調整のために溶媒供給ライン20が接続されており、
その供給量を調節する供給弁20a及びその供給量を検
出する流量検出器20bが設けられ、流量検出器20b
からの流量に相関する検知信号(K10)がコンピュータ
30のデータ記憶部31に入力される。
【0022】なお、配管19Aは温水を冷却塔へ戻すた
めのラインであり、配管19Bは温水を循環するための
ラインである。
【0023】このように本実施例においては重合反応器
1におけるプロセス状態を表わすプロセス状態量、即ち
オレフィン、水素、溶媒、触媒及び助触媒の供給量、気
相部のオレフィン及び水素の濃度、反応圧力、液相部の
反応温度及び液面高さ等の反応条件の運転データを各プ
ロセス状態検出手段で検出した信号K2 〜K8 及び重合
反応器1より抜出されるポリオレフィン生成物の物性実
測値(本発明においては、図1に示す如く、脱ガス槽1
2、溶媒分離器13、乾燥機14及び押出機15を経て
得られるポリオレフィンペレットを物性測定器17で測
定したMFR実測値を採用するのが望ましい。)の信号
1 をコンピュータ30に取り入れ、そのデータをデー
タ記憶部31に時系列データとして蓄積する。
【0024】コンピュータ30はデータ記憶部31、統
計処理部39、異常判定部40、β値算出演算部32、
MFR予測演算部33、プロセス状態目標値算出部36
を備え、また、警報42、ディスプレイ35、プリンタ
ー37、反応条件設定値変更部38を有する。
【0025】このように、本実施例の運転支援装置は、
検出信号K2 〜K9 を発信するプロセス状態検出手段、
検出信号K1 を発信するMFR測定手段(MFR測定器
17)、データ記憶手段(データ記憶部31)、統計処
理手段(統計処理部39)、異常判定手段(異常判定部
40)、β値算出演算手段(β値算出演算部32)、M
FR予測演算手段(MFR予測演算部33)、プロセス
状態目標値算出手段(プロセス状態目標値算出部34)
を備える。該運転支援装置の作動につき説明すると、ま
ずポリオレフィン製造プロセスより上記したプロセス状
態検出手段及びMFR測定手段によってプロセス状態量
及びMFR測定値のデータを一定周期でデータ記憶部3
1に取込み、時系列データとして蓄積しておく。
【0026】次に、新たなプロセス状態量及びMFR測
定値のデータをデータ記憶部31に取込んだ場合にはそ
のデータを時系列に蓄積すると共に、統計処理部39に
おいて、その時刻から過去に対して所定のサンプリング
周期、例えば過去24時間のデータを1時間周期毎に上
記データ記憶部31よりプロセス状態量及びMFR測定
値のデータ(検出信号K1 〜K9 )を時系列データで抽
出し、統計処理する。本発明において、統計処理として
は上記したプロセス状態量及びMFR測定値の時系列デ
ータの抽出データを下記に示す統計的品質管理手法に用
いる各管理図に時系列の推移を表示し、ディスプレイ3
5の画面に図示する。
【0027】図2にその1例としてオンライン品質管理
チャート画面の例(MFR測定器17で得られたMFR
測定値データの推移)を図3,4及び5に示す。また、
管理図としては特に制限はないが、例えば、x−R管理
図,x−RS 管理図,x−y管理図、散布図、相関リア
ルタイムトレンド等が用いられる。各管理図の概要を下
記に説明する。
【0028】(1) x−R管理図 x−RS 管理図 表示データの度数分布を示すヒストグラムを同時に表示
する。 (2) x−y管理図 散布図 2つのデータに時間遅れがある場合はデータの時間軸を
ずらした相関を表示する。 (3) 相関リアルタイムトレンド 収集周期の短いデータについては、過去の正常時と現在
のトレンドとを並べてリアルタイムに表示を行うことが
できる。
【0029】上記統計処理部39における管理図ををオ
ンラインで作成することにより、そのデータの異常の検
知(確認)は異常判定部40において下記の点について
異常のチェックを行なう。 異常データ検知 ・データチェック機能 以下のような品質管理手法によ
りデータの異常を検知する。3δ超過、上昇下降7連、
2〜3δに3点中2点存在、中心より片側7連、管理上
下限超過、相関ずれ ・データチェックに使用するパラメータ(目標値、標準
偏差、管理上下限値など)は製品グレード毎に設定で
き、グレード変更に連動してパラメータを自動的に更新
する機能を持つ。
【0030】上記異常判定部40での異常データは次の
2つの方法により報告される。 (1)異常データはディスプレイ35にアラームメッセ
ージを表示すると共に警報41によりブザを吹鳴して運
転員にその異常のあることを知らせる。 (2)異常データは管理図上で色替えしてプロットして
表示する。
【0031】上記の異常データがあった場合にはその原
因を調査して対策を施こすが、品質データ、例えばMF
R測定値の異常についてはこの異常データを用いてβ値
算出演算部32において下記(1)式及び(6)式によ
る演算処理によって重合帯域で瞬間的に生成するポリオ
レフィンのMFRを動的に推定し、該推定値より(6)
式中のβ値を算出する。このβ値及び現時点でのプロセ
ス状態量又はその変更量を用いてMFR予測演算部33
において下記(1)式及び(6)式による演算処理によ
って、将来における(今後における)MFR値の推移を
予測し、その予測値を表又はグラフとしてMFR値の推
移をプリントアウト又はCRT画面に表示する。
【0032】このMFR値の推移とMFRの目標値とを
用いてプロセス状態目標値算出部34において両者を対
比し、該予測MFR値の推移がその目標値に一致するま
で上記プロセス状態量を変更して下記(1)式及び
(6)式による演算処理によってMFR値の推移の予測
を試行錯誤法で繰返し、プロセス状態量の目標値を算出
する。
【0033】このプロセス状態目標値算出部34で算出
したプロセス状態目標値、例えば、気相中の水素/オレ
フィンモル比、重合温度、液相中の助触媒濃度に基づい
て重合反応器1のプロセス状態量、例えば、オレフィ
ン、水素、触媒又は助触媒の供給量、もしくは重合温度
の設定値を変更すべく制御信号S1 〜S5 を出力して、
所定のMFR値を有するポリオレフィンの製造を行な
う。
【0034】以下、重合反応器1で生成するポリオレフ
ィンのMFR実測値と重合反応条件の運転データを用い
て、予測モデルに基づいた演算処理によって重合反応器
内で瞬間的に生成するポリオレフィンのMFRを推定す
る方法について詳述する。なお、各符号は次のものを示
す。
【0035】
【表1】GL1:重合反応器1の液相容量 GL2:脱ガス槽12の液相容量 GL3:溶媒分離器13の液相容量 CP1:重合反応器1のポリマー濃度 CP2:脱ガス槽12のポリマー濃度 CP3:溶媒分離器13のポリマー濃度 FP1:重合反応器1の瞬間反応量 FO11 :重合反応器1のオレフィン供給量 FS1:重合反応器1の溶媒供給量 FS2:脱ガス槽12の溶媒供給量 FS3:溶媒分離器13の溶媒供給量 SO11 :重合反応器1の溶媒中へのオレフィン溶解量 MFR1 :重合反応器1の瞬間生成MFR MFR2 :重合反応器1出口のMFR MFR3 :脱ガス槽12出口のMFR MFR4 :溶媒分離器13出口のMFR MFR5 :乾燥機14出口のMFR MFR6 :押出機15出口のMFR Y:べき数 L:遅れ時間 k:パウダー・ドロップオフ係数 k=f(添加剤種類及び濃度、押出機比エネルギ等)
【0036】まず、重合反応器1、脱ガス槽12、溶媒
分離器13、乾燥機14及び押出機15におけるポリオ
レフィンのMFRの動特性の物質収支は下記予測モデル
式によって表わされる。 (1)重合反応器1 非定常運転時(重合反応の開始時又は停止時、外乱
の発生時、或いは重合反応条件の変更時等の場合)
【0037】
【数1】 P1=FO11 −SO11
【0038】 定常運転時(CL1,CP1,FP1,S
O11 はいずれも一定)
【0039】
【数2】
【0040】(2)脱ガス槽12 非定常運転時
【0041】
【数3】
【0042】 定常運転時(CL2,CP2は一定)
【0043】
【数4】
【0044】(3)溶媒分離器13 非定常運転時
【0045】
【数5】
【0046】 定常運転時
【0047】
【数6】
【0048】
【数7】(4)乾燥機14 MFR5 (t+L)=MFR4 (t) ……(4) (5)押出機15 MFR6 =k・MFR5 ……(5)
【0049】ここで、例えば、押出機15から抜出され
るポリオレフィンペレット(粒状体)を所定時間毎にサ
ンプリングしてMFR測定器17によってポリオレフィ
ンのMFRを実測し、その実測値MFR6 を用いて、式
(5)→式(4)→式(3)→式(2)→式(1)に基
づいて逐次演算処理することによって、重合反応器1内
で瞬間的に生成するポリオレフィンのMFRを推定でき
る。このMFR推定値MFR1 と下記(6)式とからβ
値を算出する。((6)式中の各符号は前述の通り。)
【0050】
【数8】 logMFR1 =α1 log(H2/01)G +α2 log(Co/01)G +α3 log(P01) +α4 log(CE/P01) +α5 log(T)+α6 log(OMC/P01)+β ……(6)
【0051】次にこのβ値と重合反応器1のプロセス状
態量、即ち、反応条件の運転データ又はその変更量とを
用いて、式(6)→式(1)の演算処理によって、将来
(今後)における重合反応器1で生成するポリオレフィ
ンのMFR値の推移を予測する。
【0052】このMFRの推移の予測値とMFRの目標
値とを対比し、該予測値が目標値に一致するまで式
(6)中のプロセス状態量を変更して式(6)及び式
(1)による演算処理によってMFR値の推移の予測を
試行錯誤法で繰返し、式(6)中のプロセス状態量の目
標値、特に気相部の水素/オレフィンモル比、重合温
度、液相中の助触媒濃度の目標値を算出する。
【0053】この目標値に基づいて、反応条件設定値変
更部38及び制御部36より制御信号S1 〜S4 を出力
し、重合反応器1におけるオレフィン、水素、触媒又は
助触媒の供給量、もしくは重合温度の設定値を変更する
ことにより、所定のMFR値を有するポリオレフィンを
製造することができる。
【0054】CP * =1.7でMFRの規格外のものが
なく、製品品質管理が良好に行なわれている。 CP :工程管理指数(CP が1以上であれば規格外の不
良品がなく、工程管理が十分であることを示す。)
【数9】CP =(Su −SL )/6σ Su :上限規格値、SL :下限規格値、σ:標準偏差
【0055】(実施例1)図1に示される本発明の運転
支援装置によりポリオレフィンの製造を行なった。得ら
れたポリオレフィンのMFRの推移を図6に示す。
【0056】(比較例1)特開平5−140229に記
載された方法に基づいてポリオレフィンの製造を行っ
た。得られたポリオレフィンのMFRの推移を図7に示
す。CP =0.94でMFRの規格外のものがあり製品
品質管理が不十分である。
【0057】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明方法によれ
ば、所定の物性を有するポリオレフィンを、物性データ
の統計的判断に基づく反応条件の操作により重合反応系
を安定に保ちつつ効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る運転支援装置を用いたポ
リオレフィン製造プロセスのブロック図である。
【図2】本発明の運転支援装置に用いるオンライン品質
管理チャート画面の一態様を示す。
【図3】本発明の運転支援装置に用いる管理図である、
x−R管理図の一態様を示す。
【図4】本発明の運転支援装置に用いる管理図である、
x−Rs管理図の一態様を示す。
【図5】本発明の運転支援装置に用いる管理図であるx
−y管理図の一態様を示す。
【図6】本発明の運転支援装置に用いる管理図である散
布図の一態様を示す。
【図7】本発明の運転支援装置に用いる管理図である、
相関リアルタイムトレンドの一態様を示す。
【図8】図1に示される本発明の運転支援装置によりポ
リオレフィンの製造を行った実施例1における生成ポリ
オレフィンのMFRの推移を表すグラフである。
【図9】特開平5−140229号に記載された方法に
基づいてポリオレフィンの製造を行った比較例1におけ
る生成ポリオレフィンのMFRの推移を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 重合反応器 2 水素供給ライン 3 オレフィン供給ライン 4 溶媒供給ライン 5 触媒供給ライン 6 ポリオレフィン抜出ライン 7 サンプリングライン 8 分析装置 12 脱ガス槽 13 溶媒分離器 14 乾燥機 15 押出機 17 MFR測定器 30 コンピュータ 31 データ記憶部 32 β値算出演算部 33 MFR予測演算部 34 プロセス状態目標値算出部 36 制御部 37 プリンター 38 反応条件設定値変更部 39 統計処理部 40 異常判定部 41 警報

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンを重合帯域で重合して所定の
    物理的性質を有するポリオレフィンを製造するにあた
    り、重合帯域におけるプロセス状態を表すプロセス状態
    量を運転データ信号として検出すると共に、重合帯域よ
    り生成するポリオレフィンの物理的性質を物性値信号と
    して実測し、該物性値信号及び前記運転データ信号を時
    系列に記憶装置に入力し、該記憶装置に蓄積された前記
    物性値信号及び運転データ信号のデータを統計処理し、
    該統計処理の結果に基づき、各々のプロセス状態量及び
    ポリオレフィンの物理的性質の実測値の異常を判断する
    ことを特徴とするポリオレフィン製造プロセスの異常判
    定方法。
  2. 【請求項2】 オレフィンを重合帯域で重合して所定の
    物理的性質を有するポリオレフィンを製造するための運
    転支援装置であって、重合帯域におけるプロセス状態を
    表すプロセス状態量を検知するプロセス状態検出手段、
    重合帯域より生成するポリオレフィンの物理的性質を測
    定する物性測定手段、上記プロセス状態検出手段及び物
    性測定手段から得たプロセス状態量及び物性測定値を取
    り入れたデータを時系列に蓄積するデータ記憶手段、該
    データを統計処理する統計処理手段及び該統計処理手段
    の処理結果に基づいてそれぞれのプロセス状態量及び物
    性測定値の異常を判断する異常判定出力手段を備えたこ
    とを特徴とするポリオレフィン製造プロセスの運転支援
    装置。
JP27694593A 1993-11-05 1993-11-05 ポリオレフィン製造プロセスの異常判定方法及びこれを用いた運転支援装置 Pending JPH07126303A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536971A (ja) * 2006-03-21 2009-10-22 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 異常事象検出(aed)技術のポリマープロセスへの適用

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JP2009536971A (ja) * 2006-03-21 2009-10-22 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 異常事象検出(aed)技術のポリマープロセスへの適用

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