JP2010195124A - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

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俊一 高橋
Kenji Kaneno
賢治 金納
Yukako Miyazaki
由佳子 宮▲崎▼
Koji Kishino
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Abstract

【課題】収納部をサイドドアに固定的に設けて、乗員周りの収納スペースを確保しつつ、側突時には前記収納部を衝撃吸収領域に転換し、シート装置に着座した乗員の保護に寄与させる。
【解決手段】サイドドアの車室内側に収納部13を設ける。この収納部13の収納空間12は、サイドドアに車幅方向に隣接して車室内に配設されたシート装置11に着座した乗員Aの近傍に位置している。乗員Aを車幅方向車外側から入力される衝撃から保護するエアバッグ装置を備え、このエアバッグ装置のエアバッグ22が、作動時には、前記収納部13の収納空間12内に展開するように構成する。
【選択図】図8

Description

本発明は車両用乗員保護装置、より詳しくは、シート装置に着座した乗員を車幅方向車外側から入力される衝撃から保護する車両用乗員保護装置に関する。
従来、車両の側面に配設されたサイドドアに車幅方向に隣接して車室内に配設されたシート装置に着座した乗員を車幅方向車外側(車両側方)から入力される衝撃、すなわち側面衝突(側突)による衝撃から保護する技術として、アウタパネルとインナパネルとで構成されるサイドドア本体内に、車両前後方向に延びるインパクトバーを配設して、側突時のサイドドアの車室内への移動を抑制する技術や、サイドドアの内部に、樹脂発泡体等でなる衝撃吸収材(EA材:energy absorbing材)を収容して、側突時に乗員に加わる衝撃を緩和する技術等が知られている。
一方、サイドドアの車室内側には、例えば地図等の物品を収納するための空間を有する収納部(すなわちドアポケット)が一般に設けられる。この収納部は、物品を収納するという機能上、その収納空間を空いた状態にしておく必要があり、それがため、側突時にはこの収納部を衝撃吸収領域とすることができないという問題がある。
前記問題は、収納部の収納空間がサイドドアの車室内側の面よりもサイドドアの内部側に位置しているか(つまり収納部がサイドドアに窪んで形成されているか)又は外部側に位置しているか(つまり収納部がサイドドアから突出して形成されているか)に拘らず生じる問題であるが、特に、収納部が窪んで形成されているときは、その部分でサイドドアの内部に衝撃吸収材を収容するスペースがなくなる又は少なくなるという問題が併発する。その結果、側突がこの収納部の配設位置で起ると、サイドドアのその部分が車室内へ容易に移動することとなる。しかも、収納部の収納空間は、シート装置に着座した乗員の近傍に位置する場合が多いので、側突時にサイドドアが車室内へ移動したときには、収納部が乗員の腰部や下肢部に接触する可能性が高くなる。
そこで、収納部を廃止して、シート装置に着座した乗員の腰部や下肢部の近傍に位置するサイドドアの部分に衝撃吸収材を十分量収容することが考えられるが、そうすると、乗員周りの収納スペースが少なくなり、車両の商品性の面から好ましくない。
これに対処する技術として、特許文献1には、収納部をシート装置に着座した乗員の腰部の側方の位置から例えば回動やスライド移動によって退避可能な構造とし、側突時には前記収納部を押して退避させつつ該収納部のあった位置に展開するエアバッグをサイドドアに備える技術が開示されている。これによれば、側突時にサイドドアが車室内へ移動したときには、収納部ではなくエアバッグが乗員の腰部や下肢部に接触して乗員を保護することとなる。
特開平6−16104号公報(段落0019、0026)
しかし、前記技術では、収納部を例えばドアトリムに一体成形することができず、サイドドアの構造が複雑化するという問題、収納部の回動やスライド移動に支障が生じると、収納部が円滑に退避しなくなるという問題、エアバッグが収納部を押す分、エアバッグの展開に時間がかかるという問題等がある。
そこで、本発明は、収納部をサイドドアに固定的に残して、乗員周りの収納スペースを確保しつつ、側突時には、該収納部を衝撃吸収領域に転換し、シート装置に着座した乗員の保護に寄与させることを課題とする。また、本発明は、その場合に、特にシート装置に着座した乗員の腰部の保護も同時に図ることも課題とする。
前記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車両の側面に配設されたサイドドアの車室内側に収納部が設けられ、この収納部の収納空間が、前記サイドドアに車幅方向に隣接して車室内に配設されたシート装置に着座した乗員の近傍に位置すると共に、前記乗員を車幅方向車外側から入力される衝撃から保護するエアバッグ装置が備えられた車両用乗員保護装置であって、前記エアバッグ装置のエアバッグは、作動時には、前記収納空間内に展開するように構成されていることを特徴とする。
次に、本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用乗員保護装置において、前記エアバッグは、非作動時は、前記収納空間とサイドドアの内部空間とを仕切るサイドドア壁部に対して前記サイドドアの内部空間側に配設され、作動時には、前記サイドドア壁部を破断して前記収納空間内に展開することを特徴とする。
次に、本願の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用乗員保護装置において、前記収納部は、シート装置の着座面より低い位置で上方を向く開口を有し、前記エアバッグは、作動時には、前記収納空間内に展開すると共に、前記開口から車室内空間に出て前記シート装置に着座した乗員の腰部に向けて展開することを特徴とする。
次に、本願の請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用乗員保護装置において、前記開口の上方にアームレストが配設され、このアームレストの下面に、前記開口から車室内空間に出たエアバッグをシート装置側に導く方向変更部が設けられていることを特徴とする。
次に、本願の請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用乗員保護装置において、前記収納部に、前記収納空間内に展開中のエアバッグを前記シート装置に着座した乗員の腰部に向けて案内する案内部が設けられていることを特徴とする。
次に、本願の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両用乗員保護装置において、前記案内部は、前記収納空間と車室内空間とを仕切る収納部の仕切り壁の上部がエアバッグの展開に伴ってシート装置側へ変位することにより構成されていることを特徴とする。
次に、本願の請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車両用乗員保護装置において、前記仕切り壁の変位が可能なように該仕切り壁に脆弱部が設けられていることを特徴とする。
次に、本願の請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の車両用乗員保護装置において、変位した仕切り壁と当接することにより該仕切り壁の変位を所定位置に規制する当接部がシート装置の側部に設けられていることを特徴とする。
次に、本願の請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の車両用乗員保護装置において、前記エアバッグは、前記収納空間とサイドドアの内部空間とを仕切るサイドドア壁部のうち、車幅方向車外側のサイドドア壁部を破断して前記収納空間内に展開することを特徴とする。
次に、本願の請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用乗員保護装置において、前記収納部の収納空間は、前記サイドドアの車室内側の面よりもサイドドアの内部側に位置していることを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明によれば、サイドドアの車室内側に設けられた収納部の収納空間が、シート装置に着座した乗員の近傍に位置すると共に、該シート装置に着座した乗員を車幅方向車外側から入力される衝撃から保護するエアバッグ装置が備えられている場合に、前記エアバッグ装置のエアバッグは、作動時、すなわち側突時には、前記収納部の収納空間内に展開するから、側突時には、前記収納部は、その収納空間内に衝撃吸収材が収容された状態と同様の状態となり、前記収納部が衝撃吸収領域に転換されることとなる。したがって、たとえ側突時にサイドドアが車室内へ移動し、前記収納部がシート装置に着座した乗員に接触しても、該収納部は乗員の保護に寄与することとなる。
しかも、作動時以外は、前記エアバッグは、収納部の収納空間内に展開しないから、作動時以外の通常時は、前記収納空間は空いた状態となり、その結果、収納部をサイドドアに固定的に残して、乗員周りの収納スペースを確保することが可能となる。
その場合に、本願の請求項2に記載の発明によれば、前記エアバッグは、作動時には、前記収納空間を画成するサイドドア壁部を破断してサイドドアの内部から収納空間内に展開するから、前記エアバッグの収納空間内への展開が確実となる。
次に、本願の請求項3に記載の発明によれば、前記エアバッグは、作動時には、収納部の収納空間内に展開するだけでなく、シート装置の着座面より低い位置で上方を向く収納部の開口から車室内空間に出て前記シート装置に着座した乗員の腰部に向けても展開するから、この乗員の腰部に向けて展開したエアバッグによって、特に乗員の腰部の保護も同時に図られることとなる。
その場合に、本願の請求項4に記載の発明によれば、前記収納部の開口の上方に配設されたアームレストの下面に、前記開口から車室内空間に出たエアバッグをシート装置側に導く方向変更部が設けられているから、前記エアバッグのシート装置に向けての展開、ひいては乗員腰部に向けての展開が確実となる。
一方、本願の請求項5に記載の発明によれば、前記収納部に、前記収納空間内に展開中のエアバッグをシート装置に着座した乗員の腰部に向けて案内する案内部が設けられているから、前記エアバッグの乗員腰部に向けての展開が相対的に早い時期から行われ、エアバッグによる乗員腰部の保護が早い時期から確実に達成されることとなる。
その場合に、本願の請求項6に記載の発明によれば、前記案内部は、前記収納空間と車室内空間とを仕切る収納部の仕切り壁の上部がエアバッグの展開に伴ってシート装置側へ変位することにより構成されているから、前記エアバッグの乗員腰部に向けての展開が簡単な構成で確実に達成されると共に、通常時は、前記仕切り壁の上部がシート装置側へ変位しないので、シート装置の側部下方に配設された、例えばシートリクライニング機構やシート上下位置調整機構等の操作レバーの操作スペースが確保されることとなる。
次に、本願の請求項7に記載の発明によれば、前記仕切り壁の変位が可能なように該仕切り壁に脆弱部が設けられているから、仕切り壁がこの脆弱部で破断することにより、仕切り壁の上部が確実にシート装置側へ変位することとなる。
次に、本願の請求項8に記載の発明によれば、変位した仕切り壁がシート装置の側部に設けられた当接部に当接することにより、その変位が所定位置に規制されるから、エアバッグが確実に乗員腰部に向けて案内されることとなる。
また、本願の請求項9に記載の発明によれば、前記エアバッグは、作動時には、前記収納空間を画成するサイドドア壁部のうち、車幅方向車外側のサイドドア壁部を破断して収納空間内に展開するから、収納部に物品が収納されている場合に、該物品がエアバッグでシート装置の側部に押え付けられることとなり、該物品が飛散して乗員に接触するという不具合が回避されることとなる。
そして、本願の請求項10に記載の発明によれば、前記収納部の収納空間がサイドドアの車室内側の面よりもサイドドアの内部側に位置しているから、つまり収納部がサイドドアに窪んで形成されているから、シート装置とサイドドアとの間にあまり空間が確保できない場合でも、サイドドアの車室内側の面から車室内空間に突出させないで収納部を設けることができる。また、その場合に、サイドドアの内部に衝撃吸収材を収容するスペースがなくなる又は少なくなるという問題が生じても、側突時には、前記収納部が衝撃吸収領域となるから、乗員の保護と収納スペース確保の利便性とが両立することとなる。
以下、発明の実施形態を次に列挙する図面に基き説明することにより、本発明をさらに詳しく説述する。
本発明の実施形態に係る車両の運転席側のサイドドアを車室内側から見た側面図である。 前記サイドドアの斜視図である。 前記車両の運転席側のシート装置を車外側から見た側面図である。 前記車両の運転席側のサイドドア及びシート装置を車両正面側から見た図であって、サイドドアについては図1の矢印(i)による断面図である。 前記車両の運転席側のサイドドア及びシート装置を上方から見た平面図であって、サイドドアについては図4の矢印(ii)による断面図である。 前記車両に搭載されたエアバッグ装置の説明図であって、(a)は非作動時の平面図、(b)は前記図6(a)の矢印(iii)による断面図、(c)は作動開始直後の前記図(b)に類似の断面図である。 エアバッグが収納空間内に展開を開始した状態を示す図4に類似の要部拡大図である。 エアバッグがシート装置に着座した乗員の腰部に向けて展開した状態を示す図4に類似の要部拡大図である。 エアバッグがシート装置に着座した乗員の腰部に向けて展開した状態を示す図5に類似の平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る図4に類似の図である。 第2の実施形態に係る図5に類似の平面図である。 第2の実施形態に係る図7に類似の要部拡大図である。 第2の実施形態に係る図8に類似の要部拡大図である。 第2の実施形態に係る図9に類似の平面図である。
まず、図1及び図2を参照して第1の実施形態を説明する。本実施形態では、本発明を運転席側で説明するが、助手席側でも同様である。また、本発明は、状況に応じて、後部座席にも適用し得る。
車両1の側面に配設されたサイドドア10に対して、車幅方向に隣接して、車室内にシート装置11が配設されている。シート装置11には乗員Aが着座している。
サイドドア10の車室内側には、例えば地図等の物品を収納するための空間12を有する収納部13(すなわちドアポケット)が設けられている。収納部13は、物品を収納するという機能上、その収納空間12は空いた状態にされている。それがため、側突時にはこの収納部13を衝撃吸収領域とすることができないという問題がある。
収納部13の収納空間12は、サイドドア10の車室内側の面14よりもサイドドア10の内部側に位置している。つまり、収納部13は、サイドドア10に窪んで形成されている。その結果、この収納部13の配設位置には、サイドドア10の内部に衝撃吸収材を収容するスペースがなくなる又は少なくなるという問題もある。したがって、側突がこの収納部12の配設位置で起ると、サイドドア10のその部分が車室内へ容易に移動することとなる。
また、収納部13の収納空間12は、シート装置11に着座した乗員Aの近傍に位置している。その結果、側突時にサイドドア10が車室内へ移動したときには、この収納部13が乗員Aの腰部や下肢部に接触する可能性が高くなる。
特に、本実施形態では、収納部13は、シート装置11の着座面より低い位置にあり、その収納空間12は、乗員Aの腰部や下肢部の近傍に位置している。そして、収納部13は、シート装置11の着座面より低い位置で上方を向く開口15を有している。乗員Aは、この開口15を介して、収納部13の収納空間12に対して物品を出し入れする。
図2に明示したように、収納部13の収納空間12の下方には、乗員Aを車幅方向車外側から入力される衝撃から保護するエアバッグ装置20が備えられている。なお、エアバッグ装置20については後に詳しく述べる。また、図1では、図面の見易さを確保するため、エアバッグ装置20の図示を省略してある。
収納部13の開口の上方には、車室内側に膨出するアームレスト16が配設されている。その他、サイドドア10には、ウインド駆動用のスイッチユニット17や、オーディオスピーカ18等が配設されている。
次に、図3に示すように、前記シート装置11は、従来周知の構造であって、シートクッション11a、シートバック11b、ヘッドレスト11cの他、シートクッション11aのサイドドア側の側部に設けられたカバー部材11d、該カバー部材11dに配設されたシートリクライニング機構の操作レバー11e及びシート上下位置調整機構の操作レバー11f等を有している。
そして、フロアFに敷設されたレール11gに沿ってシート装置11の前後位置が調整可能されている。その場合、シート装置11の前後位置に関係なく、前記収納部13の収納空間12は、シート装置11に着座した乗員Aの側方で、該乗員Aの近傍に位置するだけの、前後方向の長さを有している。
そして、前記カバー部材11dにおいて、前記操作レバー11e,11fの間の部分が、サイドドア側に突出しており、当接部11hを構成している。これについても後に詳しく述べる。
次に、図4に示すように、フロアFの側端部はサイドシル19に結合しており、このサイドシル19の上方に閉じた状態のサイドドア10が位置している。サイドドア10は、アウタパネル31とインナパネル32とを有し、両パネル31,32で構成されるサイドドア本体33内に、車両前後方向に延びるインパクトバー34が配設されて、側突時のサイドドア10の車室内への移動の抑制が図られている。また、サイドドア10の内部に、樹脂発泡体等でなる衝撃吸収材35が収容されて、側突時の乗員Aに加わる衝撃の緩和が図られている。
なお、サイドドア10の上縁部には、ウインドガラス36が挿通するための溝37が形成されている。
そして、図5にも示すように、サイドドア本体33の車室内側に樹脂成形品であるドアトリム38が結合されている。前記収納部13やアームレスト16等は、このドアトリム38に一体に形成されている。
収納部13の収納空間12の下方には、非作動時のエアバッグ装置20が備えられている。このエアバッグ装置20は、図6(a)に示すように、インフレータ21と、エアバッグ22と、エアバッグ22を格納する箱形状のケース23とを有する。また、図6(b)に示すように、ケース23の1面に薄肉溝が形成され、脆弱部24とされている。作動時には、図6(c)に示すように、この脆弱部24でケース23が破断し、破断した面からエアバッグ22が展開する。
図4の拡大円内に示すように、本実施形態では、脆弱部24を上に向けて、収納部13の底壁を構成するサイドドア壁部50の下方に、非作動時のエアバッグ装置20が配置されている。エアバッグ装置20はドアトリム38に組み付けられている。ここで、前記サイドドア壁部50は、収納空間12とサイドドア10の内部空間とを仕切る複数のサイドドア壁部のうちの1つである。したがって、エアバッグ装置20は、非作動時は、前記サイドドア壁部50に対してサイドドア10の内部空間側に配設されていることになる。
さらに、図4の拡大円内に示したように、前記サイドドア壁部50の幅方向の中央部に薄肉溝が形成され、脆弱部41とされている。また、図5の拡大円内に示すように、前記収納部13の収納空間12と車室内空間とを仕切る収納部13の仕切り壁13aの両側部にも薄肉溝が形成され、脆弱部42,42とされている(図2参照)。さらに、図4に明示したように、アームレスト16の下面16aは、下方から上方に向けてシート装置11側に滑らかに傾斜する湾曲面とされている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
当該車両1に車幅方向車外側から衝撃が入力されると、該衝撃を図示しない検知装置が検知して、エアバック装置20が作動し、エアバッグ22が膨張を開始して、ケース23を脆弱部24で破断し、上方に展開し始める。エアバッグ22は、収納部13の底壁を構成するサイドドア壁部50を脆弱部41で破断し、図7に示すように、収納部13の収納空間12内に下方から進入し、該収納空間12内に展開を開始する。
展開が進行すると、エアバッグ22は、図8に示すように、収納部13の開口15から車室内空間に出て、さらに上方に展開する。そして、アームレスト16の下面16aの湾曲面に沿って、展開の方向が横方向に変更され、シート装置11側に導かれる。その結果、開口15から収納空間12を出たエアバッグ22は、シート装置11に着座した乗員Aの腰部に向けて展開することになる。
また、エアバッグ22は、収納空間12内に展開中に、収納部13の収納空間12と車室内空間とを仕切る仕切り壁13aを脆弱部42,42で破断し、前記図7及び図8のほか図9にも示すように、仕切り壁13aの上部をエアバッグ22の展開に伴ってシート装置11側へ変位させる。変位した仕切り壁13aは、シート装置11の側部に設けられた当接部11hに当接することにより、その変位が所定位置に規制される。その結果、収納空間12内に展開中のエアバッグ22は、シート装置11に着座した乗員Aの腰部に向けて展開することになる。
このように、本実施形態においては、サイドドア10の車室内側に設けられた収納部13の収納空間12は、サイドドア10に車幅方向に隣接して車室内に配設されたシート装置11に着座した乗員Aの近傍に位置している。そして、シート装置11に着座した乗員Aを車幅方向車外側から入力される衝撃から保護するために備えられたエアバッグ装置20のエアバッグ22は、作動時、すなわち側突時には、前記収納部13の収納空間12内に展開する。したがって、側突時には、前記収納部13は、その収納空間12内に衝撃吸収材35が収容された状態と同様の状態となり、前記収納部13が衝撃吸収領域に転換される。その結果、たとえ側突時にサイドドア10が車室内へ移動し、前記収納部13がシート装置11に着座した乗員Aに接触しても、該収納部13は乗員Aの保護に寄与する。
また、作動時以外は、前記エアバッグ22は、収納部13の収納空間12内に展開しないから、作動時以外の通常時は、前記収納空間12は空いた状態となり、その結果、収納部13をサイドドア10に固定的に備えて、乗員A周りの収納スペースを確保することができる。
その場合に、前記エアバッグ22は、作動時には、前記収納空間12を画成するサイドドア壁部(本実施形態では収納部13の底壁を構成するサイドドア壁部)50を破断してサイドドア10の内部から収納空間12内に展開するから、前記エアバッグ22の収納空間12内への展開が確実となる。
また、前記エアバッグ22は、作動時には、収納部13の収納空間12内に展開するだけでなく、シート装置11の着座面より低い位置で上方を向く収納部13の開口15から車室内空間に出て前記シート装置11に着座した乗員Aの腰部に向けても展開するから、この乗員Aの腰部に向けて展開したエアバッグ22によって、特に乗員Aの腰部の保護も同時に図られる。
その場合に、前記収納部13の開口15の上方に配設されたアームレスト16の下面16aに、前記開口15から車室内空間に出たエアバッグ22をシート装置11側に導く方向変更部(下方から上方に向けてシート装置11側に滑らかに傾斜する湾曲面)が設けられているから、前記エアバッグ22のシート装置11に向けての展開、ひいては乗員A腰部に向けての展開が確実となる。
一方、前記収納部13に、前記収納空間12内に展開中のエアバッグ22をシート装置11に着座した乗員Aの腰部に向けて案内する案内部(上部がシート装置11側へ変位可能な仕切り壁13a)が設けられているから、前記エアバッグ22の乗員A腰部に向けての展開が相対的に早い時期から行われ、エアバッグ22による乗員A腰部の保護が早い時期から確実に達成される。
その場合に、前記案内部は、前記収納空間12と車室内空間とを仕切る収納部13の仕切り壁13aの上部がエアバッグ22の展開に伴ってシート装置11側へ変位することにより構成されているから、前記エアバッグ22の乗員A腰部に向けての展開が簡単な構成で確実に達成されると共に、通常時は、前記仕切り壁13aの上部がシート装置11側へ変位しないので、シート装置11の側部下方に配設された、シートリクライニング機構の操作レバー11eやシート上下位置調整機構の操作レバー11fの操作スペースが確保される。
また、前記仕切り壁13aの変位が可能なように該仕切り壁13aに脆弱部42,42が設けられているから、仕切り壁13aがこの脆弱部42,42で破断することにより、仕切り壁13aの上部が確実にシート装置11側へ変位する。
そして、その場合に、変位した仕切り壁13aがシート装置11の側部に設けられた当接部11hに当接することにより、その変位が所定位置に規制されるから、エアバッグ22が確実に乗員A腰部に向けて案内される。
加えて、本実施形態においては、収納部13の収納空間12がサイドドア10の車室内側の面14よりもサイドドア10の内部側に位置しているから、つまり収納部13がサイドドア10に窪んで形成されているから、シート装置11とサイドドア10との間にあまり空間が確保できない場合でも、サイドドア10の車室内側の面14から車室内空間に突出させないで収納部13を設けることができる。また、その場合に、サイドドア10の内部に衝撃吸収材35を収容するスペースがなくなる又は少なくなるという問題が生じても、側突時には、前記収納部13が衝撃吸収領域となるから、乗員Aの保護と収納スペース確保の利便性とが両立する。
次に、前記図4、図5、図7〜図9にそれぞれ対応する図10〜14を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。前記第1の実施形態と同じ又は類似する構成要素には同じ符号を用い、特徴部分のみ説明する。
この第2の実施形態では、前記第1の実施形態と異なり、エアバッグ22は、収納空間12とサイドドア10の内部空間とを仕切る複数のサイドドア壁部のうち、収納部13の縦の側壁を構成する車幅方向車外側の縦壁部51を破断して前記収納空間12内に展開する(図12参照)。そのため、エアバッグ装置20は、非作動時は、前記車外側縦壁部51に対してサイドドア10の内部空間側に配設されている(図10参照)。エアバッグ装置20はインナパネル32に組み付けられている。その場合、エアバッグ装置20は、脆弱部24が形成されたケース23の面(図6(b)参照)を前記車外側縦壁部51に対向させている。
そして、図10及び図11に拡大図示したように、前記車外側縦壁部51に四角形を描くように4本の薄肉溝が形成され、脆弱部43…43とされている。その場合、下部に位置する脆弱部43は他の脆弱部43…43よりも肉厚とされている(図10の拡大円内参照)。
これによれば、エアバッグ22は、作動時には、車幅方向車外側の縦壁部51を前記脆弱部43…43で破断して収納空間12内に展開するから、エアバッグ22の初期の展開方向は、横方向になる(図12参照:前記第1実施形態では最初から上下方向であった)。その結果、収納部13に例えば地図等の物品52が収納されている場合に、該物品52がエアバッグ22で収納部13の仕切り壁13aひいてはシート装置11の側部に押え付けられることとなり(図13及び図14参照)、該物品52が飛散して乗員Aに接触するという不具合が回避される。
なお、エアバッグ22は、その後、収納空間12内を下方から上方へ展開し、アームレスト16の下面16aの湾曲面に沿って、展開の方向が横方向に変更され、シート装置11側に導かれて、乗員Aの腰部に向けて展開する(図12及び図13参照)。その場合に、前記収納空間12内における下方から上方への展開が確実に行われるように、縦壁部51は上部が開くように破断する。そして、そのために、下部に位置する脆弱部43は他の脆弱部43…43よりも肉厚とされているのである。
以上、具体例を挙げて詳しく説明したように、本発明は、収納部をサイドドアに固定的に残して、乗員周りの収納スペースを確保しつつ、側突時には、該収納部を衝撃吸収領域に転換し、シート装置に着座した乗員の保護に寄与させること、及び、その場合に、シート装置に着座した乗員の腰部の保護も同時に図ることが可能な技術であるから、シート装置に着座した乗員を側突による衝撃から保護する車両用乗員保護装置の技術分野において広範な産業上の利用可能性が期待される。
1 車両
10 サイドドア
11 シート装置
11h 当接部
12 収納空間
13 収納部(ドアポケット)
13a 収納部の仕切り壁
14 サイドドアの車室内側の面
15 収納部の開口
16 アームレスト
16a アームレストの下面
20 エアバッグ装置
22 エアバッグ
42 脆弱部
50,51 サイドドア壁部
A 乗員

Claims (10)

  1. 車両の側面に配設されたサイドドアの車室内側に収納部が設けられ、この収納部の収納空間が、前記サイドドアに車幅方向に隣接して車室内に配設されたシート装置に着座した乗員の近傍に位置すると共に、前記乗員を車幅方向車外側から入力される衝撃から保護するエアバッグ装置が備えられた車両用乗員保護装置であって、
    前記エアバッグ装置のエアバッグは、作動時には、前記収納空間内に展開するように構成されていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  2. 請求項1に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記エアバッグは、非作動時は、前記収納空間とサイドドアの内部空間とを仕切るサイドドア壁部に対して前記サイドドアの内部空間側に配設され、作動時には、前記サイドドア壁部を破断して前記収納空間内に展開することを特徴とする車両用乗員保護装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記収納部は、シート装置の着座面より低い位置で上方を向く開口を有し、
    前記エアバッグは、作動時には、前記収納空間内に展開すると共に、前記開口から車室内空間に出て前記シート装置に着座した乗員の腰部に向けて展開することを特徴とする車両用乗員保護装置。
  4. 請求項3に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記開口の上方にアームレストが配設され、このアームレストの下面に、前記開口から車室内空間に出たエアバッグをシート装置側に導く方向変更部が設けられていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記収納部に、前記収納空間内に展開中のエアバッグを前記シート装置に着座した乗員の腰部に向けて案内する案内部が設けられていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  6. 請求項5に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記案内部は、前記収納空間と車室内空間とを仕切る収納部の仕切り壁の上部がエアバッグの展開に伴ってシート装置側へ変位することにより構成されていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  7. 請求項6に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記仕切り壁の変位が可能なように該仕切り壁に脆弱部が設けられていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  8. 請求項6又は7に記載の車両用乗員保護装置において、
    変位した仕切り壁と当接することにより該仕切り壁の変位を所定位置に規制する当接部がシート装置の側部に設けられていることを特徴とする車両用乗員保護装置。
  9. 請求項2に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記エアバッグは、前記収納空間とサイドドアの内部空間とを仕切るサイドドア壁部のうち、車幅方向車外側のサイドドア壁部を破断して前記収納空間内に展開することを特徴とする車両用乗員保護装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用乗員保護装置において、
    前記収納部の収納空間は、前記サイドドアの車室内側の面よりもサイドドアの内部側に位置していることを特徴とする車両用乗員保護装置。
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