JP2010194914A - 樹脂造粒装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂造粒装置において、カッタシャフトの異常振動を抑制してペレットを安定して製造する。
【解決手段】本発明の樹脂造粒装置1は、ダイス5から押し出された溶融樹脂の材料Mを切断するカッタナイフ6と、カッタナイフ6を外周側に間隔をあけて複数備えるナイフホルダ8とナイフホルダ8が先端側に取り付けられたカッタシャフト7とカッタシャフト7を回転自在に支持するハウジング9、10とを備えており、複数のカッタナイフ6には曲げ剛性が低い低剛性ナイフ17を周方向に連続して備えた低剛性のナイフ群Aに属するものと低剛性ナイフ17より曲げ剛性が高い高剛性ナイフ18を周方向に連続して備えた高剛性のナイフ群Bに属するものとがあり、これらのナイフ群A、Bがカッタシャフト7の軸心に対してそれぞれ回転対称な配置となるようにナイフホルダ8に複数のカッタナイフ6がそれぞれ取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、混練機や押出機に設けられる樹脂造粒装置に関するものである。
例えば、特許文献1に示されるように、樹脂のペレットを製造する樹脂造粒装置では、ダイスから水中に押し出された溶融状態の樹脂をカッタナイフが回転しながら切断することで造粒される。このカッタナイフは板状のナイフホルダに取り付けられており、ナイフホルダはカッタシャフトの端部に固定されている。そして、このカッタシャフトのナイフホルダと反対側の端部はカップリングを介して駆動モータに連結されており、カッタシャフトの中途側はベアリングを介してドライブハウジングに回転自在に支持されている。
それゆえ、駆動モータによりカッタシャフトを回転させると、ドライブハウジングに対してカッタシャフトが回転し、カッタシャフトの端部に固定されたナイフホルダ及びこのナイフホルダに取り付けられたカッタナイフがカッタシャフトの軸心回りに回転することになる。
特開平5−147025号公報
ところで、ベアリングには、カッタシャフトの軸直角方向にクリアランスが生じることがある。つまり、ベアリング取付時の調整不良や、運転中の不慮の調整ずれや、その他熱の影響等によりカッタシャフトはハウジングに対して軸直角方向にわずかに振れが許容されるように取り付けられることが起こり得る。
また、ベアリングのクリアランス以外にもベアリングの弾性変形やカッタシャフトの弾性変形によっても同様なことが起こり得る。
それゆえ、カッティングの際、何らかの理由によってカッタシャフトに対してカッタシャフトを軸心より上方に振る方向に力が加わると、自由端であるカッタシャフトのダイス側の端部が上方に振られ、カッタシャフトに垂直に取り付けられたナイフホルダがダイス面に対して傾斜することになる。そうすると、ナイフホルダの下側に取り付けられたカッタはダイス面に強く押し付けられるが、反対に上側に取り付けられたカッタはダイス面に弱く押し付けられる。
通常、ダイス面とダイス面に対して回転しているカッタとの間には摩擦力が働いているが、カッタの配置が回転対称であれば複数のカッタに作用する摩擦力は全体としてバランスが保たれている。しかし、カッタとダイス面との間に生じる摩擦力がダイスの上側と下側とでアンバランスになり、カッタシャフトが右方向に曲がったとする。
そうすると、今度はナイフホルダにおける左右いずれかの側がダイス側に強く押し付けられ、この強く押し付けられた側に上方に向かって摩擦力が作用し、ダイス面に強く押さえ付けられるナイフホルダの部分が上側に移動する。このようにして、カッタシャフトに振れ方向と垂直な向きに摩擦力が作用し続けることで、カッタシャフトにはすりこぎのような振れ回り運動が生じることになる。
つまり、カッタシャフトには、曲げ振動と摩擦力とが上下方向及び水平方向に連続して作用することで、それに起因する不安定振動として上述の振れ回り運動が生じる。この振れ回り運動は、カッタシャフトの曲げが大きくなるほど摩擦力のアンバランスが大きくなるため自励的に大きくなりやすく、ペレットを安定して製造することができなくなる異常振動を招く虞があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、カッタシャフトが異常振動を起こすことがなく、ペレットを安定して製造することができる樹脂造粒装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じている。
即ち、本発明の樹脂造粒装置は、ダイスから押し出された溶融樹脂の材料を切断するカッタナイフと該カッタナイフを外周側に間隔をあけて複数備えるナイフホルダと当該ナイフホルダが先端側に取り付けられたカッタシャフトと前記カッタシャフトを回転自在に支持するアウターハウジングとを備えた樹脂造粒装置であって、前記複数のカッタナイフには曲げ剛性が低いカッタナイフを周方向に連続して備えた低剛性のナイフ群に属するものと前記低剛性のナイフ群より曲げ剛性が高いカッタナイフを周方向に連続して備えた高剛性のナイフ群に属するものとがあり、前記低剛性のナイフ群と高剛性のナイフ群とが前記カッタシャフトの軸心に対してそれぞれ回転対称な配置となるように前記ナイフホルダに複数のカッタナイフがそれぞれ取り付けられていることを特徴とするものである。
このような低剛性のナイフ群と高剛性のナイフ群とではカッタナイフの曲げ剛性がナイフ群毎で互いに異なっているため、ダイス面に強く押し付けられるカッタナイフが属するナイフ群がカッタナイフの回転に合わせて切り替わると、カッタシャフトの振れ方(変形量)も異なってくる。また、ダイス面とカッタナイフとの間に生じる摩擦力も低剛性のナイフ群と高剛性のナイフ群とでは異なっており、カッタナイフの回転に合わせて摩擦力も変化する。その結果、カッタシャフトに軸垂直方向に振れが生じても、この振れが自励的に増大することがなく、カッタシャフトが異常振動を起こすことがない。それゆえ、ペレットを安定して製造することができる。
なお、前記ナイフホルダには、前記低剛性のナイフ群と高剛性のナイフ群とがカッタシャフトの軸心回りに交互に並ぶ配置となるように、前記複数のカッタナイフがそれぞれ取り付けられているのが好ましい。
また、このようにナイフ群毎に曲げ剛性が異なるカッタナイフとしては、例えば前記カッタナイフの長さが前記低剛性のナイフ群に属するカッタナイフと高剛性のナイフ群に属するカッタナイフとで互いに異なっているもの、前記カッタナイフの断面形状が前記低剛性のナイフ群に属するカッタナイフと高剛性のナイフ群に属するカッタナイフとで互いに異なっているもの、及び/又は前記カッタナイフを構成する材料が前記低剛性のナイフ群に属するカッタナイフと高剛性のナイフ群に属するカッタナイフとで互いに異なっているものを採用することができる。
本発明の樹脂造粒装置により、カッタシャフトが異常振動を起こすことがなく、ペレットを安定して製造することができる。
第1実施形態の樹脂造粒装置の正面断面図である。 (a)はカッタナイフの拡大断面図であり、(b)はカッタシャフトの不安定振動を説明するための図である。 従来の樹脂造粒装置におけるカッタナイフの配置を示す図である。 本発明の樹脂造粒装置におけるカッタナイフの取付配置を示す図である。 図4以外のカッタナイフの取付配置例を示す図である。 本発明のカッタナイフの説明図である。 ナイフ本体の厚みを変えることで曲げ剛性を異ならせたカッタナイフの説明図である。 ナイフ本体の材質を変えることで曲げ剛性を異ならせたカッタナイフの説明図である。
以下、本発明の樹脂造粒装置1を図面に基づき説明する。
本発明の樹脂造粒装置1は、押出機や連続混練機の下流側に設けられており、押出機や連続混練機で混練され溶融された樹脂の材料Mから樹脂のペレットを造粒する装置である。本実施形態では、押出機の下流側に設けられた樹脂造粒装置を例に挙げて、本発明の樹脂造粒装置1を説明する。
図1の模式図に示されるように、樹脂造粒装置1は、温水(冷却水)を下側の供給口2から上側の排出口3に向けて流通させる冷却室4(水室とも言う)を先端側の内部に備え
ている。この冷却室4内には、溶融された樹脂の材料Mを押し出すダイス5と、ダイス5から押し出された材料Mを切断するカッタナイフ6とがある。このカッタナイフ6は長尺に形成されたカッタシャフト7の先端側の端部にナイフホルダ8を介して取り付けられており、またカッタシャフト7の基端側にはベアリングハウジング9とこのベアリングハウジング9を軸心方向に移動自在に支持するドライブハウジング10と、ベアリングハウジング9を上流側(ダイス5側)に向かって押圧する押圧手段11とが設けられている。
なお、以降の説明において、図1の紙面においてカッタシャフト7の軸心と平行な方向を樹脂造粒装置1を説明する際の軸心方向とする。また、図1の紙面の左側を樹脂造粒装置1及びカッタシャフト7を説明する際の上流側又は先端側とし、紙面の右側を下流側又は基端側とする。さらに、カッタシャフト7の軸心を中心として径方向に沿って遠ざかる方向を樹脂造粒装置1を説明する際の径外側又は径外方向とし、径外側からカッタシャフト7の軸心に近づく方向を径内側又は径内方向という。
以下、樹脂造粒装置1について詳しく説明する。
樹脂造粒装置1は先端側に冷却室ハウジング12を備えており、この冷却室ハウジング12の内部は空洞とされていて冷却室4となっている。冷却室4内には、冷却室ハウジング12の上流側の壁面に接触するように樹脂の材料Mを押し出すダイス5が設けられている。
ダイス5は、カッタシャフト7の軸心回りに円板状に形成されている。ダイス5の下流側に面する表面はその一部が下流側に向かって堤状に突出形成されている。この堤状に突出形成された部分の突端にはダイス面5aが形成されている。
ダイス5には、ダイス5内を貫通するように複数の樹脂押出孔13が形成されている。この樹脂押出孔13の上流側の開口は押出機の内部に連通しており、溶融した樹脂を押出機からダイス5側に供給できるようになっている。樹脂押出孔13の下流側はダイス面5aに開口しており、この下流側の開口から水中に材料Mを押し出せるようになっている。ダイス面5aは、軸心方向と垂直な方向を向いて平坦に形成されており、後述するカッタナイフ6の刃先が隙間なく接触できるようになっている。
ダイス5に接した状態で回転するカッタナイフ6は、ナイフホルダ8に複数取り付けられている。このナイフホルダ8は、カッタシャフト7の先端側の端部に取り付けられており、カッタシャフト7と同心な円板状に形成されている。先端側を向くナイフホルダ8の表面には周方向に互いに等しい距離をあけて複数(本実施形態では16枚)のカッタナイフ6が設けられている。これらのカッタナイフ6は、いずれも軸心方向と垂直な方向に刃先を向けて取り付けられており、ダイス面5aに刃先を隙間なく接触できるようになっている。それゆえ、カッタシャフト7が軸心回りに回転すると、カッタナイフ6がカッタシャフト7と一体に回転し、水中に押し出された材料Mが切断される。そして、切断された材料Mが温水の流れに乗って搬送され、ペレットとして回収される。
カッタシャフト7は、軸心方向に沿って配備された長尺の部材であり、その先端は冷却室4内に伸びている。カッタシャフト7の冷却室4より基端側(カッタシャフト7の中程)は、樹脂造粒装置1の内部に備えられたベアリングハウジング9により回転自在に支持されている。カッタシャフト7の基端側はモータに接続されている。
ベアリングハウジング9は、軸心回りに略円筒状に形成された部材であり、冷却室ハウジング12の下流側に隣接して配備されている。ベアリングハウジング9の内部にはカッタシャフト7が軸心方向に沿って貫通するように配設されており、ベアリングハウジング9の内周側には軸心方向に間隔をあけて複数(本実施形態では2箇所)のベアリング14(軸受け)が設けられている。このベアリング14は、ベアリングハウジング9に対してカッタシャフト7を回転自在に且つ軸心方向に移動を規制するように支持している。
ドライブハウジング10は、ベアリングハウジング9同様に冷却室ハウジング12の下流側に隣接して配備されている。ドライブハウジング10は、下流側に向かって開口する筒状に形成されており、その内部にはベアリングハウジング9が軸心方向にスライド自在に収容されている。ドライブハウジング10の上流側には軸方向に沿ってドライブハウジング10内部を貫通する貫通孔15が形成されており、この貫通孔15にはカッタシャフ
ト7が軸心方向に移動自在に挿通されている。貫通孔15の孔内周面にはカッタシャフト7の外周面に接して冷却室4側を水密に保持する軸シール16が設けられており、この軸シール16により冷却室4に対する水密を維持しながらカッタシャフト7の軸心方向への移動と回転とができるようになっている。
ところで、カッタシャフト7やベアリング14を高精度に設計したとしても、ベアリング取付時の調整不良や、当初に適正な調整を行っていた場合でも不慮の調整ずれや、熱の影響等により、ベアリング14には内外輪と転動体との間に軸受け隙間分だけクリアランスが生じることがある。このクリアランスはカッタシャフト7の径外側に生じるので、このクリアランスのためにカッタシャフト7はドライブハウジング10に対して軸直角方向に若干量の振れが許容される。
また、ベアリング14のクリアランス以外にもベアリング14の弾性変形やカッタシャフト7の弾性変形によっても同様なことが起こり得る。
図2(a)に示されるように、ダイス面5aとカッタシャフト7との直角度の調整が十分でなかったり、その他何らかの偶発的な理由でカッタシャフト7が軸心より上方に振れ角θだけ振られると、このカッタシャフト7と垂直に取り付けられたナイフホルダ8がダイス面5aに対して傾斜することになる。
通常、ナイフホルダ8には図3に示されるように周方向に複数のカッタナイフ6が取り付けられており、それぞれのカッタナイフ6にはダイス面5aとの間に略等しい摩擦力が接線方向に作用している。これらのカッタナイフ6はカッタシャフト7の軸に対して回転対称に配置されており、カッタナイフ6に加わる摩擦力のバランスをナイフホルダ8面上で保つことでカッタナイフ6に加わる摩擦力がカッタシャフト7に影響しないようになっている。
ところが、上方(図2(b)の3側)に傾斜したカッタシャフト7の先端に取り付けられたナイフホルダ8を押圧手段9を用いてダイス面5aに押し付けると、ナイフホルダ8の下側(図2(b)の1側)に取り付けられたカッタナイフ6は、ナイフホルダ8の傾斜によってダイス面5aに近づいているのでダイス面5aに向かって強く押し付けられる。一方、カッタシャフト7の軸心を挟んで反対側に取り付けられた上側のカッタナイフ6は、ナイフホルダ8の傾斜によってダイス面5aから離れているのでダイス面5aに向かって弱く押し付けられる。その結果、下側のカッタナイフ6に生じる摩擦力の方が、上側にあるカッタナイフ6に加わる摩擦力より大きくなる。
例えば、ナイフホルダ8(カッタシャフト7)がダイス面5aに対して図2(b)の矢印の方向に回転している場合には、カッタシャフト7には右方向を向く摩擦力が優位に作用し、カッタシャフト7が右方向(図2(b)の4の方向)に曲がる。
そうすると、今度はナイフホルダ8の左側に取り付けられたカッタナイフ6がダイス5側に強く押し付けられ、右側に取り付けられたカッタナイフ6が弱く押し付けられることになる。そして、カッタナイフ6とダイス面5aとの間に生じる摩擦力がナイフホルダ8の左側と右側とでアンバランスになり、カッタシャフト7が回転方向に沿って下方向(図2(b)の1の方向)に曲がる。
すると今度は、摩擦力がナイフホルダ8の上側と下側とでアンバランスになり、カッタシャフト7が回転方向に沿って左方向(図2(b)の2の方向)に曲がる。このようにして、カッタシャフト7が曲がる方向とカッタナイフ6とダイス面5aとの間に発生する摩擦力が作用する方向とは、図中の1から4の順に連続して変化する。そして、それに起因してカッタシャフト7がすりこぎのように振れ回る振れ回り運動(不安定振動)が起きる。
この振れ回り運動は、カッタシャフト7の曲げが大きくなるほど摩擦力のアンバランスも大きくなるので自励的に大きくなりやすく、ペレットを安定して製造することができなくなるような異常振動を招く虞がある。
そこで、本発明の樹脂造粒装置1では、ナイフホルダ8に設けられる複数のカッタナイフ6をその曲げ剛性により複数のナイフ群(本実施形態では曲げ剛性が低い低剛性ナイフ17からなる低剛性のナイフ群Aとこの低剛性ナイフ17より曲げ剛性が高い高剛性ナイ
フ18からなる高剛性のナイフ群Bとの2つのナイフ群)に分けられるもので構成している。このようにすれば、例えば低剛性のナイフ群Aに属する低剛性ナイフ17がダイス面5aに接触したときと、高剛性のナイフ群Bに属する高剛性ナイフ18がダイス面5aに接触したときとでは、カッタシャフト7の変形の度合いが異なる。また、低剛性ナイフ17がダイス面5aに接触したときの摩擦力と高剛性ナイフ18がダイス面5aに接触したときの摩擦力との大きさも異なることになる。
このため、カッタシャフト7の曲がり方や摩擦力の発生が単調に繰り返される状況を回避することができ、その結果、カッタシャフト7の振れの自励的な増幅が抑制され、カッタシャフト7の異常振動を確実に防止することができる。
ただし、例えば上述のように曲げ剛性が互いに異なる低剛性ナイフ17と高剛性ナイフ18とを1箇所おきにナイフホルダ8に配置すると、カッタシャフト5の曲がり方や摩擦力が変化するとはいえこれらがカッタシャフト7に単調に加わることになり、自励的な増幅を抑制する効果が低下する虞がある。それゆえ、低剛性ナイフ17及び高剛性ナイフ18は周方向にある程度まとまって配置される方が好ましい。
また、低剛性ナイフ17と高剛性ナイフ18とをナイフホルダ8の軸心P(カッタシャフト7の軸心)に対して非対称に配置すると、かえってカッタシャフト7の偏心回転を誘発する虞もある。
そこで、本発明の樹脂造粒装置1では、図4に示すように、低剛性ナイフ17を周方向に複数(少なくとも2本以上)連続して配備したナイフ群Aと、高剛性ナイフ18を周方向に複数連続して配備したナイフ群Bとを、それぞれナイフホルダ8の軸心に対して回転対称に配置している。
図4の例では、ナイフホルダ8に配備される16本のカッタナイフ6のうち、ナイフホルダ8の軸心Pの上方に位置する4つの低剛性ナイフ17が上側のナイフ群A1とされ、この上側のナイフ群A1に対してナイフホルダ8の軸心Pを基準として180°回転させた位置(回転対称な位置)に配置される4つの低剛性ナイフ17が下側のナイフ群A2とされている。また、ナイフホルダ8の軸心Pに対して左方に位置する4つの低剛性ナイフ17よりなる左側のナイフ群B1と右方に位置する4つの低剛性ナイフ17よりなる右側のナイフ群B2とが、上下のナイフ群A1、A2と同様にナイフホルダ8の軸心Pを基準として互いに180°回転させた位置(回転対称な位置)に配備されている。
このように複数のカッタナイフ6を互いに曲げ剛性が異なるナイフ群に分けたとしても、これらのナイフ群がナイフホルダ8の軸心Pに対して回転対称に配置されていれば、それぞれのカッタナイフ6からカッタシャフト7に加わる径方向の力がトータルで打ち消されるため、カッタシャフト7の偏心回転を抑制することができる。
また、ナイフ群に属するカッタナイフ6は、カッタナイフ6の曲げ剛性が高剛性のナイフ群Bと低剛性のナイフ群Aとで互いに異なるため、高剛性のナイフ群Bのカッタナイフ6(高剛性ナイフ18)がダイス面5aに向かって押し付けられたときと低剛性のナイフ群Aのカッタナイフ6(低剛性ナイフ17)がダイス面5aに向かって押し付けられたときとでは、カッタシャフト7の曲がり方やカッタナイフ6を介してカッタシャフト7に加わる力(摩擦力)が異なる。その結果、回転によりカッタシャフト7に単調に力が加わることがなくなる。それゆえ、カッタシャフト7に生じる軸垂直方向の振れが自励的に増大することがなく、カッタシャフト7の異常振動を防止しつつペレットを安定して製造することが可能となる。
なお、上述の例ではナイフホルダ8に配備される16本のカッタナイフ6を4本ずつ4つの組に分け、そのうちナイフホルダ8の軸心Pに対して回転対称に配置される(ナイフホルダ8の軸心Pを挟んで対称に配置される)2組をそれぞれ低剛性のナイフ群Aと高剛性のナイフ群Bとに分けたものを例示した。しかし、一方のナイフ群に属するカッタナイフ6を他方のナイフ群に属するものより多く配備することもできる。
例えば、図5(a)に示されるようにナイフホルダ8の軸心Pの上下にそれぞれ2本づつ高剛性ナイフ18を配置し、これらの高剛性ナイフ18の隣に6本づつ低剛性ナイフ17を配置することもできる。
また、ナイフホルダ8に取り付けられるカッタナイフ6の本数は、製造するペレットの長さ等に合わせて任意に変更することができるため、16本以外の数、例えば図5(b)や図5(c)に示されるように18本としても良い。
その際、例えば図5(b)に示されるように互いに隣り合った3本のカッタナイフ6を低剛性ナイフ17から構成されるナイフ群Aとし、このナイフ群Aの隣に配備された3本のカッタナイフ6を高剛性ナイフ18から構成されるナイフ群Bとして、これらナイフ群Aとナイフ群Bとがナイフホルダ8の軸心P回りに交互に配置されるようにしても良い。
また、図5(c)に示されるように18本のカッタナイフ6を隣り合った3本ずつ6つのナイフ群に分け、これらの6つのナイフ群のうち回転対称な2群(軸心を挟んで対称な2群)を低剛性ナイフ17から構成されるナイフ群A、高剛性ナイフ18から構成されるナイフ群B、及び低剛性ナイフ17とも高剛性ナイフ18とも異なる曲げ剛性(例えば、中剛性)を備えた別のカッタナイフ6から構成されるナイフ群Cのそれぞれで構成させることもできる。
なお、上述したようにカッタナイフ6の曲げ剛性を変化させるには、以下に示すように長さ、断面形状、又は材質などを変えればよい。
例えば、図6(a)及び図6(b)に示されるように、カッタナイフ6は、長尺状に形成されたカッタ本体19の先端側に材料Mを切断する刃20が取り付けられており、基端側に貫通状に形成された挿通孔21に挿し込まれた締結具22を用いてナイフホルダ8の外周側に固定されている。
このようなカッタナイフ6の曲げ剛性を変化させるためには、図6(a)に示されるようにカッタ本体19の長さがL1の高剛性ナイフ18に対して、カッタ本体19が曲がり易くなるようにカッタ本体19の基端側の端部を径内側にΔLだけ伸ばして、図6(b)に示されるようにカッタ本体19の長さがL2と長くされたものを低剛性ナイフ17とすればよい。なお、カッタ本体19を基端側に伸ばすと、刃20の径方向位置がカッタナイフ6同士で合わなくなり、正常な切断ができなくなる虞があるので好ましくない。
また、図7(a)に示されるようにカッタ本体19の厚みがT1の高剛性ナイフ18に対して、カッタ本体19の上側の一部をΔTの厚みだけ切り欠いて、図7(b)に示されるようなカッタ本体19の厚みがT2と薄くされたものを低剛性ナイフ17としてもよい。
さらに、図8(a)に示される低剛性ナイフ17に対して、カッタ本体19の上側にナイフ本体19を構成する材料よりヤング率が高い材料で形成された補強部材23を取り付けて、図8(b)に示されるように補強部材23により曲がり難くなったものを高剛性ナイフ18としてもよい。
これらの長さ、断面形状、又は材質のうち複数を変化させることもできる。例えば、低剛性ナイフ17に比べてカッタナイフ6の長さを短くすると共に断面形状を曲げ方向に厚くしたカッタナイフ6を、高剛性ナイフ18として用いてもできる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。
1 樹脂造粒装置
2 供給口
3 排出口
4 冷却室
5 ダイス
5a ダイス面
6 カッタナイフ
7 カッタシャフト
8 ナイフホルダ
9 ドライブハウジング
10 アウターハウジング
11 押圧手段
12 冷却室ハウジング
13 樹脂押出孔
14 ベアリング
15 貫通孔
16 軸シール
17 低剛性ナイフ
18 高剛性ナイフ
19 カッタ本体
20 刃
21 挿通孔
22 締結具
23 補強部材
A 低剛性のナイフ群
B 高剛性のナイフ群
M 材料
P ナイフホルダの軸心

Claims (5)

  1. ダイスから押し出された溶融樹脂の材料を切断するカッタナイフと、該カッタナイフを外周側に間隔をあけて複数備えるナイフホルダと、当該ナイフホルダが先端側に取り付けられたカッタシャフトと、前記カッタシャフトを回転自在に支持するアウターハウジングと、を備えた樹脂造粒装置であって、
    前記複数のカッタナイフには、曲げ剛性が低いカッタナイフを周方向に連続して備えた低剛性のナイフ群に属するものと、前記低剛性のナイフ群より曲げ剛性が高いカッタナイフを周方向に連続して備えた高剛性のナイフ群に属するものとがあり、
    前記低剛性のナイフ群と高剛性のナイフ群とが前記カッタシャフトの軸心に対してそれぞれ回転対称な配置となるように、前記ナイフホルダに複数のカッタナイフがそれぞれ取り付けられていることを特徴とする樹脂造粒装置。
  2. 前記ナイフホルダには、前記低剛性のナイフ群と高剛性のナイフ群とがカッタシャフトの軸心回りに交互に並ぶ配置となるように、前記複数のカッタナイフがそれぞれ取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂造粒装置。
  3. 前記カッタナイフの長さが、前記低剛性のナイフ群に属するカッタナイフと高剛性のナイフ群に属するカッタナイフとで互いに異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂造粒装置。
  4. 前記カッタナイフの断面形状が、前記低剛性のナイフ群に属するカッタナイフと高剛性のナイフ群に属するカッタナイフとで互いに異なっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂造粒装置。
  5. 前記カッタナイフを構成する材料が、前記低剛性のナイフ群に属するカッタナイフと高剛性のナイフ群に属するカッタナイフとで互いに異なっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂造粒装置。
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