JP2010194863A - 炭素繊維織物シートの樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よく量産でき、かつ、意匠性、加飾性に優れた炭素繊維織物シートの樹脂成形体の提供。
【解決手段】本発明の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、炭素繊維1を織りなして得られた織物シート2の両面に透明な熱可塑性樹脂フィルム3を積層しフィルム積層織物シート4を作成する。このフィルム積層織物シートを製品形状に合わせて切断してフィルム積層織物シート形状物7を作成する。この形状物の表面及び縁部8を射出成形により透明樹脂体9を被覆し炭素繊維織物シートの樹脂成形体とする。又、前記形状物の裏面に構成体用樹脂体18を射出成形させ第2の炭素繊維織物シートの樹脂成形体の製造も可能とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、炭素繊維による織物シートの樹脂成形体に関する。さらに詳しくは、炭素繊維による織物シートを樹脂成形によりその織模様を目視で透視できるようにし、切断縁部を樹脂で被覆するようにした炭素繊維織物シートの樹脂成形体に関する。
炭素繊維強化プラスチック(略称「CFRP」carbon fiber reinf−orced plastics)は、炭素繊維を樹脂の中に入れて強度を向上させた複合材料である。このCFRPは、広く利用されていることは、例えば航空機関係、自動車関係等あらゆる分野でよく知られている。この炭素繊維は軽量で強度があるので、特に表面材として前述のように種々の分野に適用されている。このCFRPの特徴は、軽量で、耐摩耗性、耐熱性、耐酸性、電気伝導性等に優れ、又比強度、比剛性が高い。さらに、製造形態により種類の異なる種々の製品も開発されている。
この炭素繊維を使用し織物シートとして利用した製品は、表面が平滑で意匠性に優れており、エンボスパターン等を付与してデザイン的に加飾性に優れた多様な製品とすることができる。最近この炭素繊維の模様を意識して、織物シートにしたものを意匠性を考慮して平易に使用できるように外表面に熱可塑性樹脂フィルムを施し、扱いやすくした材料が提案されている。
この材料は、平面的な印刷絵柄がフィルムに施されることで、エンボス部の凹凸模様により意匠的に奥行き感をもたせたものである。又、熱可塑性樹脂フィルムを施しただけでは強度が保障されないので、さらに、その表面に硬化性の透明樹脂体を施す成形体も提案されている。このような従来の技術の例を説明すると、エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂と炭素繊維からなるプリプレグである、炭素繊維強化熱可塑性樹脂シートの表裏面に、熱可塑性樹脂フィルムを積層させた成形物が知られている(例えば、特許文献1参照)。この成形物は特に高温環境下で表面の平滑性や意匠性を損なわないようにしたものである。
又、前述と同様の技術であるが、熱可塑性樹脂からなる透明の透過シートと炭素繊維含有の織物シートを熱プレスで接合し、加飾シートの製造を行う技術が知られている(例えば、特許文献2,3参照)。織物シートの厚さが均一で、模様が透けて見えることに特徴があるものである。さらに織物シートに透明の熱可塑性樹脂(透過シート)を金型内で予熱加圧し一体化し織物加飾樹脂製品とする技術も知られている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、炭素繊維クロスの両面に熱可塑性樹脂が積層しているものを積層シートとし、この積層シートを金型に入れ所要形状の成形体を形成する技術も知られている(例えば、特許文献5参照)。この形成体に構造部材を射出成形で一体化し製品として樹脂成形体を形成する技術である。さらに、強化繊維織物シートに透明なポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を複合強化した複合シートに、その表面に透明なメタクリル樹脂等の透明樹脂を加熱/加圧で積層したものも知られている(例えば、特許文献6参照)。
特開平10−138354号公報 特開2005−169803号公報 特開2005−169801号公報 特許第4051396号公報 特開2002−254469号公報 特開平11−348191号公報
以上説明した従来の技術は、いずれも炭素繊維の織物シートにフィルム樹脂を積層したもの、或いはその上に透明樹脂を積層させる等の材料機能を高めた技術に関するものである。しかし、この材料を製品化する上において、特に量産化の上ではまだ改良の余地がある。実用上は、これらの積層されたものを製品に適用するに際し、対象製品に合わせ加工しなければならない。
この加工に際し、炭素繊維は樹脂を含浸しているので、この織物シートは熱圧が加えられると圧縮され、炭素繊維が扁平状になる。積層されるフィルムも平滑状態を維持するので、このフィルム積層した織物シートは切断後もこの状態で硬化した形状物となる。しかし、例えばこの材料を打ち抜き等で所定形状にした場合には、その切断面は炭素繊維が露出するので、その固着のための滑らか処理が必要となる。問題はこのように表面でなく縁部の処理にある。積層されたものは、通常前述のように任意形状に切断される。
この切断された縁部は、炭素繊維の切断部分が露出されている。この露出部分の炭素繊維は解けて「ほつれ」の状態にあり、一部は縁部外に張り出している。このためこの切断された積層織物シートは、その後の製品化工程において、この縁部を平坦にする処置を施している。又、このような工程を要する等のことからこの積層されたものを切断してそのまま製品として使用する対象は、コスト面からも限られ制約されたものとなっている。しかし、対象製品は多種多様であり、どのような対象の製品であっても意匠性を損なわず容易にそのまま使用できる製品として大量に得られることが望まれていた。
本発明は以上のような技術背景もとに問題点を解決するために創案されたもので、次の目的を達成する。
本発明の目的は、炭素繊維の織物シートを平易で大量に製造できる樹脂成形体にし、かつ、意匠性、加飾性に優れた炭素繊維織物シートの樹脂成形体を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、炭素繊維を織りなして得られた織物シートと、この織物シートの両面を挟むように積層される熱可塑性樹脂フィルムとで構成されるフィルム積層織物シートを所要形状に切断して形成したフィルム積層織物シート形状物と、前記フィルム積層織物シート形状物の表面及び前記切断して形成された縁部を射出成形により被覆する透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂体とからなっている。
本発明2の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、本発明1において、前記所要形状に切断して形成したフィルム積層織物シート形状物は、プレス切断により形成したものであることを特徴とする。
本発明3の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、本発明1において、前記織物シートは、縦方向の炭素繊維と横方向の炭素繊維とを組み合わせて規則的に交差させ製作されたシートであることを特徴とする。
本発明4の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、本発明3において、前記織物シートは、平織の織物シートであることを特徴とする。
本発明5の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、本発明1から4において、前記樹脂成形体は、前記フィルム積層織物シート形状物の一方の面に前記透明樹脂体を、前記フィルム積層織物シート形状物の他方の面に前記透明樹脂体又は前記透明樹脂体と異なる他の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂体を射出成形で接合させ前記フィルム積層織物シート形状物を被覆する構成にした成形体であることを特徴とする。
本発明6の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、本発明5において、前記熱可塑性樹脂体は、有色又は黒色の樹脂体であることを特徴とする。
本発明7の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、本発明5において、前記他方の面に接合される前記透明樹脂体又は前記熱可塑性樹脂体は、他に取り付けるための部位が一体に形成されている構成体用樹脂体であることを特徴とする。
以上詳記したように、本発明の炭素繊維織物シートの樹脂成形体は、特に縁部を滑らかにする特別の工程を必要とすることなく、切断後のそのままの形態のフィルム積層織物シートに透明性樹脂を表面のみならず縁部も含めて射出成形させ織物シートの一体化した成形体を得ることができるようになった。このことにより炭素繊維の織物シートをベースにした成形体は、意匠性、加飾性を損なうことなく、意匠性、加飾性に優れ、量産ができることとなり、効率的な製品の製造が可能となった。
図1は、炭素繊維織物シートの樹脂成形体を説明するため模式的に示した断面図である。 図2は、フィルム積層織物シートを説明するため模式的に示した部分平面図である。 図3は、炭素繊維織物シートの樹脂成形体を示す部分断面図である。 図4は、炭素繊維織物シートの樹脂成形体の折り曲げ構成を示す部分断面図である。 図5は、図3の変形例であって、炭素繊維織物シートの樹脂成形体の縁部をR形状にした構成を、金型を含む構成で示す部分断面図である。 図6は、図4の変形例であって、炭素繊維織物シートの樹脂成形体の縁部をR形状にした構成を、金型を含む構成で示す部分断面図である。 図7は、図4及び図6の構成例で電子機器の箱型カバーを示す外観図である。 図8は、他の熱可塑性樹脂体を裏面側に射出成形で一体化させた炭素繊維織物シートの樹脂成形体の他の実施の形態を示す部分断面図である。
本発明は、炭素繊維織物シートの製品化を考慮し、その生産性効率を高める成形体として創案したものである。以下、本発明の実施の形態を図に従い説明する。炭素繊維は前述のように単体で利用されることは少なく、樹脂を含浸させ加熱硬化して成形された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)として使用されるが、本実施の説明においてはこのCFRPを含み広義に炭素繊維と称することとする。また、この炭素繊維は、この繊維を一方向に引き揃えた中間材、いわゆるプリプレグとして扱う。
図1は、炭素繊維織物シートの樹脂成形体を説明するため模式的に示した断面図である。図2は、フィルム積層織物シートを説明するため模式的に示した部分平面図である。図1中の縦方向の炭素繊維1の縦繊維1aと、横方向の炭素繊維の横繊維1bとを組み合わせて規則的に交差させて織った模様(平織)をなす織物シート2の成形体を、模式的に断面で示す説明図である。この炭素繊維1の織物シート2は、交差部分が曲線状の段差を有していて表面は平坦ではない。この炭素繊維1は、強化繊維を構成する一種であり、他に類似するものとして、アラミド繊維、ガラス繊維等のものがある。しかし工業製品としては炭素繊維1によるものが大半を占めている。炭素繊維1は種類がいろいろあるものの航空機用材等で知られているように、ポリアクリロトリル、ピッチ、レーヨン等を焼成して作られたものであり、構造材として一般的に広く使用されている材料である。
この炭素繊維1を原料として製織された織物シート2の形態は、一般に布等で知られる平織、綾織、朱子織等と同じであり、三原組織として知られたものがベースになっている。この実施の形態では、織物シート2を平織のものとして説明する。平織は従来から知られ一般的で平易な織物であり、プリプレグ状にある縦方向の扁平状の炭素繊維と横方向の扁平状の炭素繊維とを、交互に交差するように組み合わせて織り成したものである。この織物シート2の両面に透明な熱可塑性樹脂のフィルム3を積層接着してフィルム積層織物シート4とする。
このフィルム積層方法は、加熱加圧して行い表面材として安定処理のできるものとしている。このように炭素繊維1の織物シート2をフィルム3で被覆することにより、表面が炭素繊維1の凹凸が少なくなり平滑になる。従って、炭素繊維1の安定保持ができ意匠性、加飾性を損ねることのない安定した材料として扱うことができる。このフィルム積層織物シート4は柔軟構成であるが、通常、炭素繊維1は樹脂を含浸させているので扱いやすい形態になっている。炭素繊維1はフィルム3により挟持されプレスにより積層接着される。
この積層接着方法は、所定の温度(例えば温度178℃)でプレス加工するとよい。また、特許文献6に示すように加熱/加圧ロールを用いて連続的に接着する方法であってもよい。フィルム3は厚さが例えば0.13mmの薄いものである。なお、フィルムの厚さは、0.1mm以上で2.5mm以下であることが好ましい。このフィルム3が接着されると、このフィルム3は織物シート2の表面に倣って接着されるので、フィルム積層織物シート4の表面も緩やかな凹凸が残る。即ち、織込み部は前述のように曲線状の段差を有する凹部5となるのである。この凹部5の存在は、透過光の反射に変化をもたらし意匠性、加飾性に重要な要素となる。
又、縦方向の炭素繊維と横方向の炭素繊維とが交差する部位である交差部分6は、図2に示すように隙間が生じる部位であるので、見る角度により表裏面が透視状態になる。また、光が透過できる部位である。このようにフィルム3の積層されたフィルム積層織物シート4は、表面材として意匠性、加飾性に優れたシートとなっている。次に、このフィルム積層織物シート4を使用する対象の製品に合わせ、打ち抜き等のプレス切断手段で所要形状に切断してフィルム積層織物シート形状物7(以下「形状物」という)とする。この切断は、切断用刃を織物シート2の表面に対し直角方向から押し付け強制的に切断するものである。この切断は、図2の形状物7に示されるように、必ずしも平織の織り目方向に沿って切断されず、織り目方向に対し斜め方向に沿った切断もなされる。
このためどうしても切断部である炭素繊維1の縁部8は解けた状態となり、その一部が「ほつれ」となって外方に張り出し露出状態となる。従来はこの「ほつれ」を解消するため、滑らかにする処理を別工程で行っていた。しかし、本実施の形態においては、このままの状態の形状物7を金型(図示せず)にインサートする。金型を閉じた後、射出成形により透明な熱可塑性樹脂(以下「透明樹脂」という)を射出し、透明な熱可塑性樹脂体9(以下「透明樹脂体」という)を成形する。この金型構成は公知の手段によるが、形状物7の表面のみならず縁部8も囲繞する状態で透明樹脂を射出し、形状物7の表面、縁部8を被覆する透明樹脂体9を成形する構成になっている。なお、この実施の形態でいう「透明樹脂」には、織物シートの形状が透けて見えるものであれば多少色がついたものも含んでいる。
図3は、炭素繊維織物シートの樹脂成形体を示す部分断面図である。
前述した透明樹脂体9の成形により、図3に示す炭素繊維織物シートの樹脂成形体10(以下「樹脂成形体」という)が得られる。射出された樹脂は透明樹脂であり、射出後、この樹脂成形体10は、織物シート2の模様が凹凸状に立体柄として見え、見る方向により異なる光輝度になっており、光の微妙な反射作用により独特の模様を構成する。透明樹脂体9としては、例えばメタクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等が射出された樹脂体である。特に、メタクリル樹脂は、ポリメタクリル酸メチルといわれているもので、もっとも透明度が高い樹脂といわれ用途の広い樹脂体を成形することができる。
この射出成形により織物シート2の縁部8の「ほつれ」は、透明樹脂体9内に封入され固着される。従って、樹脂成形体10が成形されたときは「ほつれ」部分が全く外部に露出することはない。なお、金型構造によっては、「ほつれ」部分の一部を外部に露出してもよい。このようにすることにより、金型内に織物シートを確実にインサートすることが可能となる。
図4は、炭素繊維織物シートの樹脂成形体の折り曲げ構成を示す部分断面図であって、形状物7が折り曲げ構成を有する製品の場合の実施の形態である。この場合、形状物7はプレスにより成形され、プレスされた後プレス形状に沿った金型に合わせてインサートされることになる。又、形状物7が未硬化の熱可塑性樹脂を使用した柔軟構成のものであれば、金型にインサートされたとき吸引するようにして金型の形状に合わせてから射出を行うようにしてもよい。
この場合も、図4に示すように、表面のみならず縁部8も含めて透明樹脂を射出して透明樹脂体9を成形する。なお、図3、図4に示す二点鎖線は上下の金型の分割位置を示す。図5は、図3に示す形態の変形例で、射出成形される透明樹脂体9の縁部8の部位をR形状にする場合の金型構成を含めた形態を示しており、下金型13側の隅部11をR形状にすれば射出成形される透明樹脂体9の縁部8は滑らかな形状となる。上金型12及び下金型13の分割位置14は金型開放時にR形状部の干渉を避けるため、図3に対しその位置を上金型12側にR寸法に相当する位置に寄せ、即ちその位置は樹脂成形体10の厚さの略中間部とする。
図6は、前述同様に図4に示す形態の変形例で、射出成形される透明樹脂体9の縁部8の部位をR形状にする場合の金型構成を含めた形態を示している。図5同様に下金型13の凹部15をR形状にし、両金型の分割位置を図4の例に比し上金型12寄りに、即ちR寸法長さ相当分を上金型12側に分割位置をずらし、分割するようにすれば、透明樹脂体9の縁部8の部分が滑らかな形状に成形される。図4及び図6の形態の適用例は図7に示すように、射出成形された状態の樹脂成形体10を完成品として射出成形後、例えば電子機器の箱形カバー16にそのまま適用することが可能である。表面が意匠性、加飾性に優れた軽量の製品構成が可能である。
以上説明した炭素繊維織物シートの樹脂成形体10は、非常に軽量で、所定の形状に成形されたものとすることができるので、そのままの形態で意匠性、加飾性に優れた幅広い用途に適用することができる。前述のように、例えば量産される携帯電話、家電製品、電子、電気機器のカバー等に使用が可能である。さらに、この樹脂成形体10に例えば他製品との接合用構成体(心材)を射出成形することにより一体化させることもできる。
図8は、図3の形態の樹脂成形体10に例えば相手製品に取り付けるための引っ掛け部(取付部)17を有する構成体用樹脂体18を一体化して製造された樹脂成形体10aの部分断面図である。この樹脂成形体10aは、前述した形態の樹脂成形体10を所定形状になるように引っ掛け部17等を成形することができるキャビティが形成された金型にインサートし、構成体用樹脂を前述の透明樹脂体9と反対側の形状物7の裏面側のキャビティに射出して構成体用樹脂体18を成形し、得られたものである。このような方法で、樹脂成形体の他の実施の形態である第2の樹脂成形体10aを得ることが可能である。この場合の構成体用樹脂体18は透明樹脂が射出成形されたものであってもよく、他の熱可塑性樹脂が射出成形されたものであってもよい。又、透明な構成体用樹脂体18で縁部8を被覆するようにしてもよい。さらに、第2の樹脂成形体は、いわゆる2色成形と呼ばれている射出成形法で成形されたものであってもよい。
さらに、この第2の樹脂成形体は、軽量化を図るために、取り付けに必要とする樹脂成形体10の部位のみに構成体用樹脂体を部分的に射出成形したものであってもよい。この第2の樹脂成形体は、図4〜図6に示す構成の樹脂成形体にも適用できることはいうまでもない。
又、樹脂成形体は、2色成形等により、透明樹脂体9の反対側(裏側)を、有色又は黒色の他の熱可塑性樹脂体を射出成形して被覆するようにしてもよい。このような方法で第3の樹脂成形体を得ることができる。この第3の樹脂成形体は、図8の樹脂成形体10aと同じ形状のものであってもよく、引っ掛け部17が設けられていない形状のものであってもよい。この第3の樹脂成形体は、織物シート2の色と、裏側の他の熱可塑性樹脂の色とのコントラストにより、さらに、意匠性、加飾性に優れた樹脂成形体とすることができる。例えば、この第3の樹脂成形体は、縁部等の色彩が、織物シート2の色彩と異なるものとすることができる。なお、この他の熱可塑性樹脂体の色は、織物シート2の色、形状をさらに際立たせるような色、織物シート2の色の反対色などであるとよい。
さらに、この第3の樹脂成形体は、軽量化を図るために、縁部近傍等必要とする樹脂成形体10の部位のみに構成体用樹脂体を部分的に射出成形してもよい。この第3の樹脂成形体は、図4〜図6に示す構成の樹脂成形体にも適用できることはいうまでもない。
このようにして形成された樹脂成形体は、炭素繊維の織物シートをフィルム、透明樹脂により積層され、熱圧が加えられ、又射出成形によって強固に積層接合される構成になっているので、剥離するおそれはなく量産のできる安定した製品とすることができる。
航空機関係、自動車関係以外に、電気、電子機器関係にも適用できる。例えば携帯電話のカバーやパソコン(パーソナルコンピュータ)、音響機器関連のカバー、筐体等である。他に特にデザインを重視する製品に適用できる。
1:炭素繊維
2:織物シート
3:フィルム
4:フィルム積層織物シート
7:フィルム積層織物シート形状物
8:縁部
9:透明な熱可塑性樹脂体
10:炭素繊維織物シートの樹脂成形体

Claims (7)

  1. 炭素繊維を織りなして得られた織物シートと、この織物シートの両面を挟むように積層される熱可塑性樹脂フィルムとで構成されるフィルム積層織物シートを所要形状に切断して形成したフィルム積層織物シート形状物と、
    前記フィルム積層織物シート形状物の表面及び前記切断して形成された縁部を射出成形により被覆する透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂体と
    からなる炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
  2. 請求項1に記載の炭素繊維織物シートの樹脂成形体において、
    前記所要形状に切断して形成したフィルム積層織物シート形状物は、プレス切断により形成したものである
    ことを特徴とする炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
  3. 請求項1に記載の炭素繊維織物シートの樹脂成形体において、
    前記織物シートは、縦方向の炭素繊維と横方向の炭素繊維とを組み合わせて規則的に交差させ製作されたシートである
    ことを特徴とする炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
  4. 請求項3に記載の炭素繊維織物シートの樹脂成形体において、
    前記織物シートは、平織の織物シートである
    ことを特徴とする炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の炭素繊維織物シートの樹脂成形体において、
    前記樹脂成形体は、前記フィルム積層織物シート形状物の一方の面に前記透明樹脂体を、前記フィルム積層織物シート形状物の他方の面に前記透明樹脂体又は前記透明樹脂体と異なる他の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂体を射出成形で接合させ前記フィルム積層織物シート形状物を被覆する構成にした成形体である
    ことを特徴とする炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
  6. 請求項5に記載の炭素繊維織物シートの樹脂成形体において、
    前記熱可塑性樹脂体は、有色又は黒色の樹脂体である
    ことを特徴とする炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
  7. 請求項5に記載の炭素繊維織物シートの樹脂成形体において、
    前記他方の面に接合される前記透明樹脂体又は前記熱可塑性樹脂体は、他に取り付けるための部位が一体に形成されている構成体用樹脂体である
    ことを特徴とする炭素繊維織物シートの樹脂成形体。
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