JP2010193127A - ノイズフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の周波数で、しかも広帯域の周波数で高いノイズ抑制効果を発揮するノイズフィルタを提供する。
【解決手段】コイル2A,2Bを有するコモンモードチョークコイル部2と並列回路部3−1,3−2とを備える。コイル2A,2Bはコア20の巻芯部25に巻き付けられ、コイル2Aの両端部2a1,2a2は天板28が架けられた鍔部26,27下部の外部電極21,22に、コイル2Bの両端部2b1,2b2は外部電極23,24に接合されている。並列回路部3−1(3−2)は、コモンモードチョークコイル部2に組み付けられ、コイル2A(2B)と並列に接続されている。並列回路部3−1(3−2)は、高抵抗の導線3A(3B)とこ側板31(32)とを有し、第3のコイル(第4のコイル)と第1の抵抗(第2の抵抗)とを直列に接続した電気的構造になっている。
【選択図】図1
【解決手段】コイル2A,2Bを有するコモンモードチョークコイル部2と並列回路部3−1,3−2とを備える。コイル2A,2Bはコア20の巻芯部25に巻き付けられ、コイル2Aの両端部2a1,2a2は天板28が架けられた鍔部26,27下部の外部電極21,22に、コイル2Bの両端部2b1,2b2は外部電極23,24に接合されている。並列回路部3−1(3−2)は、コモンモードチョークコイル部2に組み付けられ、コイル2A(2B)と並列に接続されている。並列回路部3−1(3−2)は、高抵抗の導線3A(3B)とこ側板31(32)とを有し、第3のコイル(第4のコイル)と第1の抵抗(第2の抵抗)とを直列に接続した電気的構造になっている。
【選択図】図1
Description
この発明は、リンギングや放射ノイズを抑制するノイズフィルタに関するものである。
従来、この種のノイズフィルタとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示の技術がある。
図22は、特許文献1に開示のノイズフィルタを示す等価回路図であり、図23は、特許文献2に開示のノイズフィルタを示す等価回路図である。
図22に示すように、特許文献1に開示のノイズフィルタ100は、抵抗120をコモンモードチョークコイル110の各コイル111に並列に接続した構成をしている。
かかる構成により、コモンモードチョークコイル110とケーブル200との直列共振によるリンギングや放射ノイズの発生を抑制している。
一方、図23に示すように、特許文献2に開示のノイズフィルタ101では、コンデンサ130をコモンモードチョークコイル110の各コイル111と並列に接続した構成をしている。
かかる構成により、コモンモードチョークコイル110とコンデンサ130との並列共振による特定周波数で発生する大きなノイズの抑制を行っている。
図22は、特許文献1に開示のノイズフィルタを示す等価回路図であり、図23は、特許文献2に開示のノイズフィルタを示す等価回路図である。
図22に示すように、特許文献1に開示のノイズフィルタ100は、抵抗120をコモンモードチョークコイル110の各コイル111に並列に接続した構成をしている。
かかる構成により、コモンモードチョークコイル110とケーブル200との直列共振によるリンギングや放射ノイズの発生を抑制している。
一方、図23に示すように、特許文献2に開示のノイズフィルタ101では、コンデンサ130をコモンモードチョークコイル110の各コイル111と並列に接続した構成をしている。
かかる構成により、コモンモードチョークコイル110とコンデンサ130との並列共振による特定周波数で発生する大きなノイズの抑制を行っている。
しかし、上記従来の技術では、次のような問題がある。
まず、図22に示すノイズフィルタ100では、リンギングや放射ノイズの発生を抑制する効果を得ることができるが、抵抗120に周波数特性がないため、最もインピーダンスが高い周波数が一定に固定される。このため、この最も高いノイズ抑制効果を得ることができる周波数を、使用周波数帯内に変化させるための調整をすることができず、使用周波数帯において、十分なノイズ抑制効果を得ることができない。
次に、図23に示すノイズフィルタ101では、コモンモードチョークコイル110とコンデンサ130との並列共振を行うため、インピーダンスが共振周波数で高くなり、この周波数において、高いノイズ抑制効果を得ることができる。しかし、この周波数を僅かに外れると、インピーダンスが急激に下がり、ノイズ抑制効果が発揮されなくなってしまう。
このため、図23のノイズフィルタでは、広い周波数帯域で使用することができない。
まず、図22に示すノイズフィルタ100では、リンギングや放射ノイズの発生を抑制する効果を得ることができるが、抵抗120に周波数特性がないため、最もインピーダンスが高い周波数が一定に固定される。このため、この最も高いノイズ抑制効果を得ることができる周波数を、使用周波数帯内に変化させるための調整をすることができず、使用周波数帯において、十分なノイズ抑制効果を得ることができない。
次に、図23に示すノイズフィルタ101では、コモンモードチョークコイル110とコンデンサ130との並列共振を行うため、インピーダンスが共振周波数で高くなり、この周波数において、高いノイズ抑制効果を得ることができる。しかし、この周波数を僅かに外れると、インピーダンスが急激に下がり、ノイズ抑制効果が発揮されなくなってしまう。
このため、図23のノイズフィルタでは、広い周波数帯域で使用することができない。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、所望の周波数で、しかも広帯域の周波数で高いノイズ抑制効果を発揮するノイズフィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、第1のコイルと第2のコイルとを有して成るコモンモードチョークコイル部と、このコモンモードチョークコイル部の第1のコイルに並列に接続された第1の並列回路部と、第2のコイルに並列に接続された第2の並列回路部とを備えるノイズフィルタであって、第1の並列回路部を、第3のコイルと第1の抵抗とを直列に接続することにより構成し、第2の並列回路部を、第4のコイルと第2の抵抗とを直列に接続することにより構成した。
かかる構成により、コモンモード時においては、コモンモードチョークコイル部の第1のコイル(第2のコイル)に並列な浮遊容量が発生し、この第1のコイル(第2のコイル)と浮遊容量との並列共振回路が形成され、この並列共振回路が第1の共振周波数で共振する。この結果、コモンモード時においては、コモンモードインピーダンスがこの第1の共振周波数付近で高くなる。
同時に、この浮遊容量と第1の並列回路部(第2の並列回路部)の第3のコイル(第4のコイル)との並列共振回路が形成され、この並列共振回路が第2の共振周波数で共振する。この結果、コモンモードインピーダンスが第2の共振周波数付近においても高くなる。
かかる構成により、コモンモード時においては、コモンモードチョークコイル部の第1のコイル(第2のコイル)に並列な浮遊容量が発生し、この第1のコイル(第2のコイル)と浮遊容量との並列共振回路が形成され、この並列共振回路が第1の共振周波数で共振する。この結果、コモンモード時においては、コモンモードインピーダンスがこの第1の共振周波数付近で高くなる。
同時に、この浮遊容量と第1の並列回路部(第2の並列回路部)の第3のコイル(第4のコイル)との並列共振回路が形成され、この並列共振回路が第2の共振周波数で共振する。この結果、コモンモードインピーダンスが第2の共振周波数付近においても高くなる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のノイズフィルタにおいて、第1のコイルを、鍔部を両端に有し天板を両鍔部上に有したコアの巻芯部に巻き付けられ且つ引き出された両端部が両鍔部の下部に設けられた第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続された第1の導線で形成し、第2のコイルを、第1のコイルと共に巻芯部に巻き付けられ且つ引き出された両端部が両鍔部の下部に設けられた第3及び第4の外部電極にそれぞれ接続された第2の導線で形成し、第3のコイル及び第1の抵抗を、両鍔部の側部に架けられた第1の側板に巻き付けられ且つ引き出された両端部が第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続された高抵抗の第3の導線で形成し、第4のコイル及び第2の抵抗を、両鍔部の側部であって第1の側板とは反対側の側部に第1の側板と対向するように架けられた第2の側板に巻き付けられ且つ引き出された両端部が第3及び第4の外部電極にそれぞれ接続された高抵抗の第4の導線で形成した構成とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載のノイズフィルタにおいて、第1の導体部を、第1の側板と両鍔部の側部との間に形成すると共に、第2の導体部を、第2の側板と両鍔部の側部との間に形成した構成とする。
かかる構成により、磁力線が、第1の側板と両鍔部の側部との間を通ると、渦電流が第1の導体部(第2の導体部)に発生し、磁力線の強さが、減衰される。
かかる構成により、磁力線が、第1の側板と両鍔部の側部との間を通ると、渦電流が第1の導体部(第2の導体部)に発生し、磁力線の強さが、減衰される。
請求項4の発明は、請求項2に記載のノイズフィルタにおいて、所定厚さの第1の樹脂を、第1の側板と両鍔部の側部との間に介在させると共に、所定厚さの第2の樹脂を、第2の側板と両鍔部の側部との間に介在させた構成とする。
かかる構成により、第1の側板と両鍔部の側部との間を通る磁力線が、第1の樹脂(第2の樹脂)によって、弱められる。
かかる構成により、第1の側板と両鍔部の側部との間を通る磁力線が、第1の樹脂(第2の樹脂)によって、弱められる。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタにおいて、第1の並列回路部を、第3のコイルと第1の抵抗と第1のコンデンサとを直列に接続することにより構成し、第2の並列回路部を、第4のコイルと第2の抵抗と第2のコンデンサとを直列に接続することにより構成した。
かかる構成により、コモンモード時においては、第1のコイル(第2のコイル)と第1の並列回路部(第2の並列回路部)の第1のコンデンサ(第第2のコンデンサ)との並列共振回路が形成され、この並列共振回路が第3の共振周波数で共振する。この結果、コモンモードインピーダンスが第3の共振周波数付近においても高くなる。
かかる構成により、コモンモード時においては、第1のコイル(第2のコイル)と第1の並列回路部(第2の並列回路部)の第1のコンデンサ(第第2のコンデンサ)との並列共振回路が形成され、この並列共振回路が第3の共振周波数で共振する。この結果、コモンモードインピーダンスが第3の共振周波数付近においても高くなる。
請求項6の発明は、請求項5に記載のノイズフィルタにおいて、第1のコンデンサを、第1の側板の対向する両面にそれぞれ設けられた1対の電極で構成すると共に、第3の導線の一方端部を当該1対の電極を通じて第1の外部電極に接続し、第2のコンデンサを、第2の側板の対向する両面にそれぞれ設けられた1対の電極で構成すると共に、第4の導線の一方端部を当該1対の電極を通じて第3の外部電極に接続した構成とする。
以上詳しく説明したように、請求項1〜請求項6の発明に係るノイズフィルタによれば、コモンモード時に、コモンモードインピーダンスが複数の共振周波数の付近において高くなるので、広帯域の周波数で高いノイズ抑制効果を得ることができるという優れた効果がある。また、コモンモードチョークコイル部の第1のコイル(第2のコイル)に並列に接続された第1の並列回路部(第2の並列回路部)のコイルやコンデンサの値を変えることにより、所望の周波数で所望のノイズ抑制効果を得ることができる。
特に、請求項3及び請求項4の発明に係るノイズフィルタによれば、第1の側板(第2の側板)から両鍔部の側部の間を通る磁力線を弱めることができるので、ノイズ抑制効果をさらに高めることができる。
また、請求項5及び請求項6の発明に係るノイズフィルタによれば、コモンモード時に、第1及び第2の共振周波数付近だけでなく、第3の共振周波数付近のコモンモードインピーダンスも高くすることができるので、さらに広い周波数帯域で高いノイズ抑制効果を得ることができる。
特に、請求項3及び請求項4の発明に係るノイズフィルタによれば、第1の側板(第2の側板)から両鍔部の側部の間を通る磁力線を弱めることができるので、ノイズ抑制効果をさらに高めることができる。
また、請求項5及び請求項6の発明に係るノイズフィルタによれば、コモンモード時に、第1及び第2の共振周波数付近だけでなく、第3の共振周波数付近のコモンモードインピーダンスも高くすることができるので、さらに広い周波数帯域で高いノイズ抑制効果を得ることができる。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係るノイズフィルタを示す分解斜視図であり、図2は、図1に示すノイズフィルタの外観図である。
図1に示すように、この実施例のノイズフィルタ1は、コモンモードチョークコイル部2と、第1の並列回路部としての並列回路部3−1と、第2の並列回路部としての並列回路部3−2とを備えている。
コモンモードチョークコイル部2は、第1のコイルとしてのコイル2Aと第2のコイルとしてのコイル2Bとを有している。
図3は、コモンモードチョークコイル部2の側面図であり、図4は、コモンモードチョークコイル部2の下面図であり、図5は、コモンモードチョークコイル部2の正面図である。
図1及び図2に示すコイル2Aは、第1の導線としての導線であり、コイル2Bは、第2の導線としての導線である。図3に示すように、これらの導線がコア20に巻き付けられて、コイル2A,2Bが形成されている。
コア20は、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、巻芯部25がその中央に設けられ、鍔部26,27がこの巻芯部25の両端に設けられている。
この鍔部26,27の下部には、第1の外部電極としての外部電極21と、第2外部電極としての外部電極22と、第3の外部電極としての外部電極23と、第4の外部電極としての外部電極24とが形成されている。
また、両鍔部26,27上面には、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成された天板28が架けられている。
詳しくは、コイル2A,2Bは、このようなコア20の巻芯部25に巻き付けられている。
すなわち、図4に示すように、コイル2A,2Bは、隣り合うようにして、巻芯部25の長さ方向に亘って巻き付けられている。そして、コイル2Aの両端部2a1,2a2が、鍔部26,27側に引き出されて、外部電極21,22の下面にそれぞれ接合され、コイル2Bの両端部2b1,2b2が、同様に鍔部26,27側に引き出されて、外部電極23,24の下面にそれぞれ接合されている。
図5に示すように、コモンモードチョークコイル部2における外部電極21,23(22,24)の幅及び天板28の幅が、鍔部26(27)の幅よりも広く設定されて、凹部A,Bが外部電極21,23(22,24)と天板28との間に形成され、並列回路部3−1,3−2をこの凹部A,Bに組み付けることができるようになっている。
図3は、コモンモードチョークコイル部2の側面図であり、図4は、コモンモードチョークコイル部2の下面図であり、図5は、コモンモードチョークコイル部2の正面図である。
図1及び図2に示すコイル2Aは、第1の導線としての導線であり、コイル2Bは、第2の導線としての導線である。図3に示すように、これらの導線がコア20に巻き付けられて、コイル2A,2Bが形成されている。
コア20は、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、巻芯部25がその中央に設けられ、鍔部26,27がこの巻芯部25の両端に設けられている。
この鍔部26,27の下部には、第1の外部電極としての外部電極21と、第2外部電極としての外部電極22と、第3の外部電極としての外部電極23と、第4の外部電極としての外部電極24とが形成されている。
また、両鍔部26,27上面には、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成された天板28が架けられている。
詳しくは、コイル2A,2Bは、このようなコア20の巻芯部25に巻き付けられている。
すなわち、図4に示すように、コイル2A,2Bは、隣り合うようにして、巻芯部25の長さ方向に亘って巻き付けられている。そして、コイル2Aの両端部2a1,2a2が、鍔部26,27側に引き出されて、外部電極21,22の下面にそれぞれ接合され、コイル2Bの両端部2b1,2b2が、同様に鍔部26,27側に引き出されて、外部電極23,24の下面にそれぞれ接合されている。
図5に示すように、コモンモードチョークコイル部2における外部電極21,23(22,24)の幅及び天板28の幅が、鍔部26(27)の幅よりも広く設定されて、凹部A,Bが外部電極21,23(22,24)と天板28との間に形成され、並列回路部3−1,3−2をこの凹部A,Bに組み付けることができるようになっている。
並列回路部3−1,3−2は、図1及び図2に示すように、コモンモードチョークコイル部2の上記凹部A,Bにそれぞれ組み付けられ、コイル2A,2Bと並列に接続されている。
並列回路部3−1,3−2は、第3,第4の導線としての導線3A,3Bを有している。
導線3A,3Bは、第1の側板としての側板31,この側板31に対向した第2の側板としての側板32にそれぞれ長さ方向に亘って巻き付けられている。
具体的には、側板31(32)は、両端部をコモンモードチョークコイル部2の凹部A(B)にそれぞれ嵌め込むことができる長尺状の板体であり、コア20や天板28と同様に、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されている。一方、導線3A(3B)は、例えば、ニクロム線等で形成した高抵抗の導線である。
したがって、この導線3Aと側板31とを有する並列回路部3−1は、第3のコイル(以下、「コイルL3」と記す)と第1の抵抗(以下、「抵抗R1」と記す)とを直列に接続した電気的構造になっている。また、導線3Bと側板32とを有する並列回路部3−2は、第4のコイル(以下、「コイルL4」と記す)と第2の抵抗(以下、「抵抗R2」と記す)とを直列に接続した電気的構造になっている。
並列回路部3−1,3−2は、第3,第4の導線としての導線3A,3Bを有している。
導線3A,3Bは、第1の側板としての側板31,この側板31に対向した第2の側板としての側板32にそれぞれ長さ方向に亘って巻き付けられている。
具体的には、側板31(32)は、両端部をコモンモードチョークコイル部2の凹部A(B)にそれぞれ嵌め込むことができる長尺状の板体であり、コア20や天板28と同様に、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されている。一方、導線3A(3B)は、例えば、ニクロム線等で形成した高抵抗の導線である。
したがって、この導線3Aと側板31とを有する並列回路部3−1は、第3のコイル(以下、「コイルL3」と記す)と第1の抵抗(以下、「抵抗R1」と記す)とを直列に接続した電気的構造になっている。また、導線3Bと側板32とを有する並列回路部3−2は、第4のコイル(以下、「コイルL4」と記す)と第2の抵抗(以下、「抵抗R2」と記す)とを直列に接続した電気的構造になっている。
図6は、並列回路部3−1,3−2がコモンモードチョークコイル部2に組み付けられた状態を示すノイズフィルタ1の下面図であり、図7は、ノイズフィルタ1の正面図であり、図8は、図2の矢視C−C断面図である。
図6及び図7に示すように、上記のような電気構造の並列回路部3−1(3−2)においては、側板31(32)の両端部が凹部A(B)に嵌め込まれ、導線3A(3B)の両端部3a1,3a2(3b1,3b2)が、側板31(32)から引き出されて、外部電極21,22(23,24)の前面にそれぞれ接合されている。
このとき、図8に示すように、並列回路部3−1(3−2)がコモンモードチョークコイル部2の巻芯部25から離れるように組み付けられており、導線3A(3B)とコイル2A,2Bとの接触が回避されている。
図6及び図7に示すように、上記のような電気構造の並列回路部3−1(3−2)においては、側板31(32)の両端部が凹部A(B)に嵌め込まれ、導線3A(3B)の両端部3a1,3a2(3b1,3b2)が、側板31(32)から引き出されて、外部電極21,22(23,24)の前面にそれぞれ接合されている。
このとき、図8に示すように、並列回路部3−1(3−2)がコモンモードチョークコイル部2の巻芯部25から離れるように組み付けられており、導線3A(3B)とコイル2A,2Bとの接触が回避されている。
図9は、ノイズフィルタ1の等価回路図である。
ノイズフィルタ1が、上記のような構造をとることにより、電気回路で示すと、図9に示すように、コイルL3と抵抗R1とで成る並列回路部3−1が、コモンモードチョークコイル部2のコイル2Aに並列に接続され、コイルL4と抵抗R2とで成る並列回路部3−2が、コイル2Bに並列に接続された回路構成になる。
ノイズフィルタ1が、上記のような構造をとることにより、電気回路で示すと、図9に示すように、コイルL3と抵抗R1とで成る並列回路部3−1が、コモンモードチョークコイル部2のコイル2Aに並列に接続され、コイルL4と抵抗R2とで成る並列回路部3−2が、コイル2Bに並列に接続された回路構成になる。
次に、この実施例のノイズフィルタ1が示す作用及び効果について説明する。
図10は、ノイズフィルタ1の作用及び効果を説明するための等価回路図であり、図11は、ノイズフィルタ1によって生じるコモンモードインピーダンスの線図である。
図10に示すように、外部電極21,22(図1及び図6参照)を差動伝送路200の一方の線路201に半田付けすると共に、外部電極23,24(図1及び図6参照)を他方の線路202に半田付けして、ノイズフィルタ1を差動伝送路200上に実装すると、コイル2Aと並列回路部3−1とが線路201側に接続されると共に、コイル2Bと並列回路部3−2とが線路202側に接続される。
かかる状態で、コモンモードノイズN,Nが差動伝送路200上に侵入すると、コモンモードノイズN,Nが外部電極21,23を通じてノイズフィルタ1内に流入する。
ここで、コモンモードチョークコイル部2において、浮遊容量Cがコイル2A,2Bに並列に存在するため、コイル2A(2B)と浮遊容量Cとの並列共振回路F1が形成される。この結果、並列共振回路F1が、第1の共振周波数である共振周波数f1で共振し、図11に示すように、コモンモードインピーダンスZが、この共振周波数f1付近で高くなる。
また、図10に示すように、並列回路部3−1(3−2)のコイルL3(L4)がコイル2A(2B)と並列に接続されていることから、コイルL3(L4)と浮遊容量Cとの並列共振回路F2が生成される。この結果、並列共振回路F2が、第2の共振周波数である共振周波数f2で共振し、図11に示すように、コモンモードインピーダンスZが、この共振周波数f2付近で高くなる。
したがって、この実施例のノイズフィルタ1では、2つの共振周波数f1,f2が発生し、この周波数付近の周波数を有したコモンモードノイズN,Nを抑制することができる。 図11では、共振周波数f2が共振周波数f1よりも低く表示されているが、共振周波数f2は、コイルL3(L4)のインダクタンス値によって変わるため、f1<f2の範囲内で共振周波数f2を調整することも可能である。
図10は、ノイズフィルタ1の作用及び効果を説明するための等価回路図であり、図11は、ノイズフィルタ1によって生じるコモンモードインピーダンスの線図である。
図10に示すように、外部電極21,22(図1及び図6参照)を差動伝送路200の一方の線路201に半田付けすると共に、外部電極23,24(図1及び図6参照)を他方の線路202に半田付けして、ノイズフィルタ1を差動伝送路200上に実装すると、コイル2Aと並列回路部3−1とが線路201側に接続されると共に、コイル2Bと並列回路部3−2とが線路202側に接続される。
かかる状態で、コモンモードノイズN,Nが差動伝送路200上に侵入すると、コモンモードノイズN,Nが外部電極21,23を通じてノイズフィルタ1内に流入する。
ここで、コモンモードチョークコイル部2において、浮遊容量Cがコイル2A,2Bに並列に存在するため、コイル2A(2B)と浮遊容量Cとの並列共振回路F1が形成される。この結果、並列共振回路F1が、第1の共振周波数である共振周波数f1で共振し、図11に示すように、コモンモードインピーダンスZが、この共振周波数f1付近で高くなる。
また、図10に示すように、並列回路部3−1(3−2)のコイルL3(L4)がコイル2A(2B)と並列に接続されていることから、コイルL3(L4)と浮遊容量Cとの並列共振回路F2が生成される。この結果、並列共振回路F2が、第2の共振周波数である共振周波数f2で共振し、図11に示すように、コモンモードインピーダンスZが、この共振周波数f2付近で高くなる。
したがって、この実施例のノイズフィルタ1では、2つの共振周波数f1,f2が発生し、この周波数付近の周波数を有したコモンモードノイズN,Nを抑制することができる。 図11では、共振周波数f2が共振周波数f1よりも低く表示されているが、共振周波数f2は、コイルL3(L4)のインダクタンス値によって変わるため、f1<f2の範囲内で共振周波数f2を調整することも可能である。
このように、この実施例のノイズフィルタ1によれば、コモンモード時に、2つの共振周波数f1,f2の付近において、コモンモードインピーダンスを高くすることができるので、広帯域の周波数で高いノイズ抑制効果を得ることができる。さらに、コモンモードチョークコイル部2のコイル2A(コイル2B)に並列に接続された並列回路部3−1(並列回路部3−2)のコイルL3(L4)のインダクタンス値を変えることにより、所望の周波数で所望のノイズ抑制効果を得ることができる。
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図12は、この発明の第2実施例に係るノイズフィルタを示す分解斜視図である。
この実施例は、磁力線を弱める構成にした点が、上記第1実施例と異なる。
すなわち、図12に示すように、第1の導体部としての金属膜41を、両鍔部26,27の側部に形成した。また、第2の導体部としての金属膜42を、両鍔部26,27の側部に形成した。
そして、側板31の両端部を金属膜41,41の上に接触させるようにして、凹部A,Aに嵌め込むと共に、側板32の両端部を金属膜42,42の上に接触させるようにして、凹部B,Bに嵌め込んだ。
図12は、この発明の第2実施例に係るノイズフィルタを示す分解斜視図である。
この実施例は、磁力線を弱める構成にした点が、上記第1実施例と異なる。
すなわち、図12に示すように、第1の導体部としての金属膜41を、両鍔部26,27の側部に形成した。また、第2の導体部としての金属膜42を、両鍔部26,27の側部に形成した。
そして、側板31の両端部を金属膜41,41の上に接触させるようにして、凹部A,Aに嵌め込むと共に、側板32の両端部を金属膜42,42の上に接触させるようにして、凹部B,Bに嵌め込んだ。
図13は、この実施例のノイズフィルタが示す作用及び効果を説明するための概略断面図である。なお、この図13では、理解を容易にするため、金属膜41(42)以外の部材にはハッチングを入れていない。
コモンモード時にコモンモードノイズがノイズフィルタに入ると、図13に示すように、導線3A(3B)に電流が流れ、磁力線が側板31(32)内に誘起される。
この磁力線Hは、側板31(32)から鍔部26,27を通じてコア20内に入り込むと、コイル2A,2Bによってコア20内に誘起される磁力線(図示せず)に影響を与え、ノイズフィルタのノイズ抑制効果を落とすおそれがある。
しかし、この実施例では、金属膜41(42)が側板31(32)と鍔部26,27の側部との間に介在しているので、磁力線Hが、側板31(32)と鍔部26,27の間を通る際には、渦電流Iが金属膜41(42)の表面に発生し、磁力線Hの強さが、減衰する。
この結果、ノイズ抑制効果を、第1実施例のノイズフィルタよりもさらに高めることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
コモンモード時にコモンモードノイズがノイズフィルタに入ると、図13に示すように、導線3A(3B)に電流が流れ、磁力線が側板31(32)内に誘起される。
この磁力線Hは、側板31(32)から鍔部26,27を通じてコア20内に入り込むと、コイル2A,2Bによってコア20内に誘起される磁力線(図示せず)に影響を与え、ノイズフィルタのノイズ抑制効果を落とすおそれがある。
しかし、この実施例では、金属膜41(42)が側板31(32)と鍔部26,27の側部との間に介在しているので、磁力線Hが、側板31(32)と鍔部26,27の間を通る際には、渦電流Iが金属膜41(42)の表面に発生し、磁力線Hの強さが、減衰する。
この結果、ノイズ抑制効果を、第1実施例のノイズフィルタよりもさらに高めることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図14は、この発明の第3実施例に係るノイズフィルタの正面図である。
この実施例は、金属膜41(42)の代わりに、樹脂を用いた点が、上記第2実施例と異なる。
すなわち、図14に示すように、第1の樹脂としての所定厚さの樹脂43を、側板31と両鍔部26,27の側部との間に介在させると共に、第2の樹脂としての所定厚さの樹脂44を、側板32と両鍔部26,27の側部との間に介在させた。
図14は、この発明の第3実施例に係るノイズフィルタの正面図である。
この実施例は、金属膜41(42)の代わりに、樹脂を用いた点が、上記第2実施例と異なる。
すなわち、図14に示すように、第1の樹脂としての所定厚さの樹脂43を、側板31と両鍔部26,27の側部との間に介在させると共に、第2の樹脂としての所定厚さの樹脂44を、側板32と両鍔部26,27の側部との間に介在させた。
かかる構成により、側板31(32)と鍔部26,27との間に樹脂43(44)を介した大きな間隙が生じ、側板31(32)から鍔部26,27側に向かう磁力線(図13参照)が、樹脂43(44)によって、弱められる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
その他の構成、作用及び効果は、上記第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第4実施例について説明する。
図15は、この発明の第4実施例に係るノイズフィルタを示す分解斜視図であり、図16は、図15に示すノイズフィルタの外観図である。
この実施例は、並列回路部3−1(3−2)の構造が、上記第1〜第3実施例と異なる。
すなわち、図15及び図16に示すように、並列回路部3−1に、第1のコンデンサとしてのコンデンサ51を追加した。
具体的には、1対の電極51a,51bを側板31の対向する両面31a,31bにそれぞれ設けて、コンデンサ51を構成した。そして、導線3Aの端部3a3(図示せず)を内面の電極51bに接続し、端部3a1を、電極51aから引き出して、コモンモードチョークコイル部2の外部電極21に接続した。また、両端部3a2は、外部電極22に接続した。
同様に、並列回路部3−2に、第2のコンデンサとしてのコンデンサ52を追加した。
具体的には、1対の電極52a,52bを側板32の対向する両面32a,32bにそれぞれ設けて、コンデンサ52を構成した。そして、導線3Bの端部3b3を内面の電極52bに接続し、端部3b1を、電極52aから引き出して、部2の外部電極23に接続した。また、両端部3b2は、外部電極24に接続した。
図15は、この発明の第4実施例に係るノイズフィルタを示す分解斜視図であり、図16は、図15に示すノイズフィルタの外観図である。
この実施例は、並列回路部3−1(3−2)の構造が、上記第1〜第3実施例と異なる。
すなわち、図15及び図16に示すように、並列回路部3−1に、第1のコンデンサとしてのコンデンサ51を追加した。
具体的には、1対の電極51a,51bを側板31の対向する両面31a,31bにそれぞれ設けて、コンデンサ51を構成した。そして、導線3Aの端部3a3(図示せず)を内面の電極51bに接続し、端部3a1を、電極51aから引き出して、コモンモードチョークコイル部2の外部電極21に接続した。また、両端部3a2は、外部電極22に接続した。
同様に、並列回路部3−2に、第2のコンデンサとしてのコンデンサ52を追加した。
具体的には、1対の電極52a,52bを側板32の対向する両面32a,32bにそれぞれ設けて、コンデンサ52を構成した。そして、導線3Bの端部3b3を内面の電極52bに接続し、端部3b1を、電極52aから引き出して、部2の外部電極23に接続した。また、両端部3b2は、外部電極24に接続した。
図17は、この実施例のノイズフィルタの等価回路図であり、図18は、コモンモードインピーダンスの線図である。
かかる構成により、この実施例のノイズフィルタを電気回路で示すと、図17に示すように、コンデンサ51とコイルL3と抵抗R1とで成る並列回路部3−1が、コモンモードチョークコイル部2のコイル2Aに並列に接続され、コンデンサ52とコイルL4と抵抗R2とで成る並列回路部3−2が、コイル2Bに並列に接続された回路構成になる。
かかる構成により、この実施例のノイズフィルタを電気回路で示すと、図17に示すように、コンデンサ51とコイルL3と抵抗R1とで成る並列回路部3−1が、コモンモードチョークコイル部2のコイル2Aに並列に接続され、コンデンサ52とコイルL4と抵抗R2とで成る並列回路部3−2が、コイル2Bに並列に接続された回路構成になる。
これにより、コモンモード時には、コイル2A(2B)と浮遊容量Cとの並列共振回路F1が生成されると共に、コイルL3(L4)と浮遊容量Cとの並列共振回路F2が生成される。そして、並列回路部3−1(3−2)のコンデンサ51(52)がコイル2A(2B)と並列に接続されていることから、コンデンサ51(52)とコイル2A(2B)との並列共振回路F3が生成される。この結果、並列共振回路F3が、第3の共振周波数である共振周波数f3で共振し、コモンモードインピーダンスが、この共振周波数f3付近で高くなる。
したがって、この実施例のノイズフィルタでは、図18に示すように、3つの共振周波数f1,f2,f3が発生し、この周波数付近の周波数を有したコモンモードノイズを抑制することができるので、図22及び図23に示した従来のノイズフィルタだけでなく、上記第1〜第3実施例のノイズフィルタよりも広い周波数帯域で、高いノイズ抑制効果を得ることができる。
なお、図18は、共振周波数f3が共振周波数f1よりも高く表示されているが、共振周波数f3はコンデンサ51(52)の容量値によって変化させることができるため、f3<f1の範囲で共振周波数f3を調整することが可能である。
したがって、この実施例のノイズフィルタでは、図18に示すように、3つの共振周波数f1,f2,f3が発生し、この周波数付近の周波数を有したコモンモードノイズを抑制することができるので、図22及び図23に示した従来のノイズフィルタだけでなく、上記第1〜第3実施例のノイズフィルタよりも広い周波数帯域で、高いノイズ抑制効果を得ることができる。
なお、図18は、共振周波数f3が共振周波数f1よりも高く表示されているが、共振周波数f3はコンデンサ51(52)の容量値によって変化させることができるため、f3<f1の範囲で共振周波数f3を調整することが可能である。
発明者は、この実施例の効果を確認すべく、次のような評価試験を行った。
図19は、評価回路のブロック図である。
図19に示す評価回路は、車載LANに用いられる CAN(Controller Area Network)busの通信回路である。
この試験では、500kHzのパルスをオシレータ212からトランシーバ基板210上の送信IC211に入力し、所定周波数の信号を送信IC211から基板210上の差動伝送路201′,202′を通じて2mのツイストペアケーブルの差動伝送路201,202に出力した。信号は、CAN_H端子P1,CAN_L端子P2からスプリットターミネーション220を介して、外部の差動伝送路201,202に出力するようになっている。スプリットターミネーション220は、2つの1.3kΩの抵抗221と接地された100nFのコンデンサ222とで構成されている。また、差動伝送路201,202の先には、60Ωの終端抵抗230が接続されており、4本の2mツイストペアケーブル241〜244がこの終端抵抗230から分岐し、各ツイストペアケーブル241(242〜244)の先端がオープン終端になっている。なお、符号213は電源である。
図19は、評価回路のブロック図である。
図19に示す評価回路は、車載LANに用いられる CAN(Controller Area Network)busの通信回路である。
この試験では、500kHzのパルスをオシレータ212からトランシーバ基板210上の送信IC211に入力し、所定周波数の信号を送信IC211から基板210上の差動伝送路201′,202′を通じて2mのツイストペアケーブルの差動伝送路201,202に出力した。信号は、CAN_H端子P1,CAN_L端子P2からスプリットターミネーション220を介して、外部の差動伝送路201,202に出力するようになっている。スプリットターミネーション220は、2つの1.3kΩの抵抗221と接地された100nFのコンデンサ222とで構成されている。また、差動伝送路201,202の先には、60Ωの終端抵抗230が接続されており、4本の2mツイストペアケーブル241〜244がこの終端抵抗230から分岐し、各ツイストペアケーブル241(242〜244)の先端がオープン終端になっている。なお、符号213は電源である。
発明者は、差動伝送路201′,202′に実装するための3種類のノイズフィルタを用意し、インピーダンスアナライザーを用いて0.3MHz〜1GHzのインピーダンスをそれぞれ測定した。
図20は、各ノイズフィルタにおけるコモンモードインピーダンスの絶対値を示す線図であり、図21は、各ノイズフィルタにおけるコモンモードインピーダンスの実数成分を示す線図である。
この試験では、1つ目のノイズフィルタとして、インダクタンスが50μHに設計された株式会社村田製作所のノイズフィルタ(製品番号DLW43SH510XK2)2′を採用した。
また、2つ目のノイズフィルタとして、このノイズフィルタ2′に5kΩの抵抗120を組み付けて構成した図22のノイズフィルタ100を採用した。
最後に、3つ目のノイズフィルタとして、この実施例のノイズフィルタ1を採用した。この際、コモンモードチョークコイル部2として、ノイズフィルタ2′を適用し、並列回路部3−1,3−2をこのノイズフィルタ2′の両側に組み付けて、この実施例のノイズフィルタ1を構成した。そして、並列回路部3−1(3−2)の抵抗R1(R2)を5kΩ、コイルL3(L4)を10μH、コンデンサ51(52)を1pFに設定した。
図20は、各ノイズフィルタにおけるコモンモードインピーダンスの絶対値を示す線図であり、図21は、各ノイズフィルタにおけるコモンモードインピーダンスの実数成分を示す線図である。
この試験では、1つ目のノイズフィルタとして、インダクタンスが50μHに設計された株式会社村田製作所のノイズフィルタ(製品番号DLW43SH510XK2)2′を採用した。
また、2つ目のノイズフィルタとして、このノイズフィルタ2′に5kΩの抵抗120を組み付けて構成した図22のノイズフィルタ100を採用した。
最後に、3つ目のノイズフィルタとして、この実施例のノイズフィルタ1を採用した。この際、コモンモードチョークコイル部2として、ノイズフィルタ2′を適用し、並列回路部3−1,3−2をこのノイズフィルタ2′の両側に組み付けて、この実施例のノイズフィルタ1を構成した。そして、並列回路部3−1(3−2)の抵抗R1(R2)を5kΩ、コイルL3(L4)を10μH、コンデンサ51(52)を1pFに設定した。
まず、ノイズフィルタ2′について当該試験を実行したところ、そのコモンモードインピーダンスの絶対値が、図20の2点鎖線曲線S1で示すように、30MHz付近でピークとなり、実数成分も、図21の2点鎖線曲線S1で示すように、30MHz付近でピークとなる。
一方、ノイズフィルタ100では、絶対値は、図20の実線曲線S2で示すように、40MHz付近でピークとなるが、その値は小さい。しかしながら、実数成分は、図20の実線曲線S2で示すように、7MHz〜9MHzの範囲や50MHz〜200MHzの部分でノイズフィルタ2′のコモンモードインピーダンスの実数成分よりも大きくなっている。このため、ノイズフィルタ100の方がノイズ抑制効果を発揮する帯域がノイズフィルタ2′よりも多少広くなるといえる。
これに対して、この実施例のノイズフィルタ1では、コモンモードインピーダンスの絶対値及び実数成分が、図20及び図21の太実線曲線S3で示すように、16MHzと80MHzとの2カ所の周波数でピークを持っている。このため、ノイズフィルタ2′とは勿論のこと、ノイズフィルタ100の使用帯域よりも遙かに広い周波数帯域において、高いノイズ抑制効果を期待することができると考えられる。
一方、ノイズフィルタ100では、絶対値は、図20の実線曲線S2で示すように、40MHz付近でピークとなるが、その値は小さい。しかしながら、実数成分は、図20の実線曲線S2で示すように、7MHz〜9MHzの範囲や50MHz〜200MHzの部分でノイズフィルタ2′のコモンモードインピーダンスの実数成分よりも大きくなっている。このため、ノイズフィルタ100の方がノイズ抑制効果を発揮する帯域がノイズフィルタ2′よりも多少広くなるといえる。
これに対して、この実施例のノイズフィルタ1では、コモンモードインピーダンスの絶対値及び実数成分が、図20及び図21の太実線曲線S3で示すように、16MHzと80MHzとの2カ所の周波数でピークを持っている。このため、ノイズフィルタ2′とは勿論のこと、ノイズフィルタ100の使用帯域よりも遙かに広い周波数帯域において、高いノイズ抑制効果を期待することができると考えられる。
さらに、発明者は、ノイズフィルタ1,ノイズフィルタ2′及びノイズフィルタ100に対し、上記評価回路を用いて、車両・車載機器のエミッション規格であるCISPR25に準拠した輻射測定を行った。
ノイズフィルタ1では、図17に示したように、並列共振回路F1,F2,F3が生成されるため、図20及び図21の太実線曲線S3で示したように、16MHzと80MHz(もう一つの共振周波数は判読不能)にコモンモードインピーダンスがピークを持つ。このため、この輻射測定においても、ノイズフィルタ1のノイズレベルが16MHzでノイズフィルタ100のノイズレベルよりも明らかに低くなった。したがって、この16MHz付近では、ノイズフィルタ1の方がノイズフィルタ100よりもノイズ抑制効果が高いことを確認した。なお、80MHzのピークについては、輻射ノイズのレベルが低すぎて、判別することができなかった。
また、図20及び図21の二点鎖線曲線S1及び太実線曲線S3で示したように、5MHz〜15MHzの範囲では、ノイズフィルタ1の方がノイズフィルタ2′よりもコモンモードインピーダンスが高かった。したがって、この輻射測定においても、この周波数範囲で、ノイズフィルタ1の方がノイズフィルタ2′よりもノイズレベルが低くなり、ノイズ抑制効果が高いことを確認した。また、15MHz以上では、ノイズフィルタ2′の方がノイズフィルタ1よりもコモンモードインピーダンスが高かったため、この輻射測定においても、この周波数範囲で、ノイズフィルタ2′の方がノイズフィルタ1よりもノイズレベルが低くなった。なお、80MHzのピークについては、輻射ノイズのレベルが低すぎて、ノイズフィルタ1とノイズフィルタ2′との差を判別することができなかった。
ノイズフィルタ1では、図17に示したように、並列共振回路F1,F2,F3が生成されるため、図20及び図21の太実線曲線S3で示したように、16MHzと80MHz(もう一つの共振周波数は判読不能)にコモンモードインピーダンスがピークを持つ。このため、この輻射測定においても、ノイズフィルタ1のノイズレベルが16MHzでノイズフィルタ100のノイズレベルよりも明らかに低くなった。したがって、この16MHz付近では、ノイズフィルタ1の方がノイズフィルタ100よりもノイズ抑制効果が高いことを確認した。なお、80MHzのピークについては、輻射ノイズのレベルが低すぎて、判別することができなかった。
また、図20及び図21の二点鎖線曲線S1及び太実線曲線S3で示したように、5MHz〜15MHzの範囲では、ノイズフィルタ1の方がノイズフィルタ2′よりもコモンモードインピーダンスが高かった。したがって、この輻射測定においても、この周波数範囲で、ノイズフィルタ1の方がノイズフィルタ2′よりもノイズレベルが低くなり、ノイズ抑制効果が高いことを確認した。また、15MHz以上では、ノイズフィルタ2′の方がノイズフィルタ1よりもコモンモードインピーダンスが高かったため、この輻射測定においても、この周波数範囲で、ノイズフィルタ2′の方がノイズフィルタ1よりもノイズレベルが低くなった。なお、80MHzのピークについては、輻射ノイズのレベルが低すぎて、ノイズフィルタ1とノイズフィルタ2′との差を判別することができなかった。
1…ノイズフィルタ、 2…コモンモードチョークコイル部、 2A,2B,L3,L4…コイル、 2a1,2a2,2b1,2b2,3a1,3a2,3a3,3b3…端部、 3−1,3−2…並列回路部、 3A,3B…導線、 20…コア、 21〜24…外部電極、 25…巻芯部、 26,27…鍔部、 28…天板、 31,32…側板、 41,42…金属膜、 43,44…樹脂、 51,52…コンデンサ、 51a,51b,52a,52b…電極、 C…浮遊容量、 R1,R2…抵抗。
Claims (6)
- 第1のコイルと第2のコイルとを有して成るコモンモードチョークコイル部と、このコモンモードチョークコイル部の上記第1のコイルに並列に接続された第1の並列回路部と、上記第2のコイルに並列に接続された第2の並列回路部とを備えるノイズフィルタであって、
上記第1の並列回路部を、第3のコイルと第1の抵抗とを直列に接続することにより構成し、
上記第2の並列回路部を、第4のコイルと第2の抵抗とを直列に接続することにより構成した、
ことを特徴とするノイズフィルタ。 - 請求項1に記載のノイズフィルタにおいて、
上記第1のコイルを、鍔部を両端に有し天板を両鍔部上に有したコアの巻芯部に巻き付けられ且つ引き出された両端部が上記両鍔部の下部に設けられた第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続された第1の導線で形成し、
上記第2のコイルを、上記第1のコイルと共に上記巻芯部に巻き付けられ且つ引き出された両端部が上記両鍔部の下部に設けられた第3及び第4の外部電極にそれぞれ接続された第2の導線で形成し、
上記第3のコイル及び第1の抵抗を、上記両鍔部の側部に架けられた第1の側板に巻き付けられ且つ引き出された両端部が上記第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続された高抵抗の第3の導線で形成し、
上記第4のコイル及び第2の抵抗を、上記両鍔部の側部であって上記第1の側板とは反対側の側部に上記第1の側板と対向するように架けられた第2の側板に巻き付けられ且つ引き出された両端部が上記第3及び第4の外部電極にそれぞれ接続された高抵抗の第4の導線で形成した、
ことを特徴とするノイズフィルタ。 - 請求項2に記載のノイズフィルタにおいて、
第1の導体部を、上記第1の側板と上記両鍔部の側部との間に形成すると共に、第2の導体部を、上記第2の側板と上記両鍔部の側部との間に形成した、
ことを特徴とするノイズフィルタ。 - 請求項2に記載のノイズフィルタにおいて、
所定厚さの第1の樹脂を、上記第1の側板と上記両鍔部の側部との間に介在させると共に、所定厚さの第2の樹脂を、上記第2の側板と上記両鍔部の側部との間に介在させた、
ことを特徴とするノイズフィルタ。 - 請求項1又は請求項2に記載のノイズフィルタにおいて、
上記第1の並列回路部を、第3のコイルと第1の抵抗と第1のコンデンサとを直列に接続することにより構成し、
上記第2の並列回路部を、第4のコイルと第2の抵抗と第2のコンデンサとを直列に接続することにより構成した、
ことを特徴とするノイズフィルタ。 - 請求項5に記載のノイズフィルタにおいて、
上記第1のコンデンサを、上記第1の側板の対向する両面にそれぞれ設けられた1対の電極で構成すると共に、上記第3の導線の一方端部を当該1対の電極を通じて上記第1の外部電極に接続し、
上記第2のコンデンサを、上記第2の側板の対向する両面にそれぞれ設けられた1対の電極で構成すると共に、上記第4の導線の一方端部を当該1対の電極を通じて上記第3の外部電極に接続した、
ことを特徴とするノイズフィルタ。
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2009
- 2009-02-18 JP JP2009034828A patent/JP2010193127A/ja active Pending
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