JP2010027951A - 終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル - Google Patents
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Abstract
【課題】コモンモードチョークコイル本体のインダクタンスと通信IC等の寄生容量との直列共振によって生じる過大なコモンモード電流が、当該通信IC等に流れ込むことを防止することが可能な終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルを提供する。
【解決手段】コモンモードチョークコイル本体2とコモンモードチョークコイル本体2に設けられた終端回路3A,3Bとを備える。終端回路3A,3Bは、コモンモードチョークコイル本体2の鍔部41,42にそれぞれ形成された凹部41A,42A内に嵌め込まれている。抵抗部材31,32を絶縁体ブロック30の両端にそれぞれ設け、グランド電極33をこの絶縁体ブロック30の前面中央から下面中央に渡って形成し、絶縁体ブロック30内部のコンデンサ34を通じて抵抗部材31,32とグランド電極33とを接続することにより、各終端回路3A(3B)を構成した。
【選択図】図1
【解決手段】コモンモードチョークコイル本体2とコモンモードチョークコイル本体2に設けられた終端回路3A,3Bとを備える。終端回路3A,3Bは、コモンモードチョークコイル本体2の鍔部41,42にそれぞれ形成された凹部41A,42A内に嵌め込まれている。抵抗部材31,32を絶縁体ブロック30の両端にそれぞれ設け、グランド電極33をこの絶縁体ブロック30の前面中央から下面中央に渡って形成し、絶縁体ブロック30内部のコンデンサ34を通じて抵抗部材31,32とグランド電極33とを接続することにより、各終端回路3A(3B)を構成した。
【選択図】図1
Description
この発明は、コモンモード電流からコモンモードチョークコイルの飽和や損傷を防ぐと共にコモンモードチョークコイル後段の通信ICを保護するための終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルに関するものである。
従来、この種の技術としては、図17に示すような技術がある(例えば、特許文献1参照)。
この技術は、図17に示すように、例えば、コモンモードチョークコイル200を、受信装置100に設けられている通信IC(Integrated Circuit)110の前段に配すると共に、コモンモード電流用の終端回路210をコモンモードチョークコイル200の前段に設けた構成になっている。
具体的には、差動信号を伝送する差動伝送路101,102に接続された線路パターン111,112が、受信装置100内の通信IC110の入力部に接続され、コモンモード電流を低減するためのコモンモードチョークコイル200が、線路パターン111,112上に実装されている。そして、コモンモード電流の低減効率を高めるための終端回路210がコモンモードチョークコイル200の前段に構成されている。この終端回路210は、線路パターン111,112からそれぞれ分岐して接地された2つの抵抗R1で形成されており、差動伝送路101,102から線路パターン111,112に流入した同方向のコモンモード電流を抵抗R1を通じてグランドに流出する機能を有している。
この技術は、図17に示すように、例えば、コモンモードチョークコイル200を、受信装置100に設けられている通信IC(Integrated Circuit)110の前段に配すると共に、コモンモード電流用の終端回路210をコモンモードチョークコイル200の前段に設けた構成になっている。
具体的には、差動信号を伝送する差動伝送路101,102に接続された線路パターン111,112が、受信装置100内の通信IC110の入力部に接続され、コモンモード電流を低減するためのコモンモードチョークコイル200が、線路パターン111,112上に実装されている。そして、コモンモード電流の低減効率を高めるための終端回路210がコモンモードチョークコイル200の前段に構成されている。この終端回路210は、線路パターン111,112からそれぞれ分岐して接地された2つの抵抗R1で形成されており、差動伝送路101,102から線路パターン111,112に流入した同方向のコモンモード電流を抵抗R1を通じてグランドに流出する機能を有している。
しかし、上記した従来の技術では、次のような問題がある。
図18は、従来技術の問題点を説明するための説明図である。
上記した従来の技術は、コモンモード電流が差動伝送路101,102から受信装置100の通信IC110に侵入するノイズ量を低減するので、イミュニティ効果を上げる働きがある。しかしながら、図18に示すように、受信装置100(図17参照)内の通信IC110等は、その作動時において、寄生容量113,114を内部に有する状態となる。このため、コモンモードチョークコイル200におけるコモンモードインダクタンスと通信IC110の寄生容量113(114)との直列共振回路が形成され、その共振周波数付近のコモンモード電流に対して、直列共振回路のインピーダンスが非常に低くなる。この結果、当該周波数を有した過大なコモンモード電流が通信IC110に流れ込み、通信IC110の誤動作を誘発させるおそれがある。
図18は、従来技術の問題点を説明するための説明図である。
上記した従来の技術は、コモンモード電流が差動伝送路101,102から受信装置100の通信IC110に侵入するノイズ量を低減するので、イミュニティ効果を上げる働きがある。しかしながら、図18に示すように、受信装置100(図17参照)内の通信IC110等は、その作動時において、寄生容量113,114を内部に有する状態となる。このため、コモンモードチョークコイル200におけるコモンモードインダクタンスと通信IC110の寄生容量113(114)との直列共振回路が形成され、その共振周波数付近のコモンモード電流に対して、直列共振回路のインピーダンスが非常に低くなる。この結果、当該周波数を有した過大なコモンモード電流が通信IC110に流れ込み、通信IC110の誤動作を誘発させるおそれがある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、コモンモードチョークコイル本体のインダクタンスと通信IC等の寄生容量との直列共振によって生じる過大なコモンモード電流が、当該通信IC等に流れ込むことを防止することが可能な終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、巻芯部及びこの巻芯部の両端部にそれぞれ設けられた1対の鍔部を有する磁性コアと、各鍔部の下端部両側にそれぞれ形成された1対の外部電極と、磁性コアの巻芯部に巻回され且つ両端部が外部電極にそれぞれ接合された1対の巻線とを備えるコモンモードチョークコイル本体に、1対の終端回路を有する終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルであって、各終端回路は、コモンモードチョークコイル本体の各鍔部の下端部に設けられ且つ一方端が当該鍔部の下端部両側の1対の外部電極にそれぞれ接続された1対の抵抗部材と、当該鍔部の下端部の中央に設けられ且つ当該1対の抵抗部材の他方端に接続されたグランド電極とを具備する構成とした。
かかる構成により、例えば、受信装置側の通信ICに接続された差動伝送路の線路パターンに各鍔部の下端部両側にそれぞれ形成された1対の外部電極を接続すると共に、各終端回路のグランド電極を接地することで、この発明のコモンモードチョークコイルを通信ICの前段に実装することができる。
このとき、コモンモードチョークコイル本体の1対の鍔部にそれぞれ設けられた1対の終端回路のそれぞれが、各鍔部の下端部に設けられ且つ一方端が鍔部の下端部両側の1対の外部電極にそれぞれ接続された1対の抵抗部材と、鍔部の下端部の中央に設けられ且つ1対の抵抗部材の他方端に接続されたグランド電極とを具備しているので、1対の終端回路の一方が、コモンモードチョークコイル本体の入力側の前段に配置され、他方が、出力側の後段に接続された状態になる。これにより、送信装置側から受信装置側に向かう線路パターン上の電流は、コモンモードチョークコイル本体入力側の終端回路とコモンモードチョークコイル本体とコモンモードチョークコイル本体出力側の終端回路とを通じて通信ICの入力部に向かうこととなる。
この結果、線路パターンに流入したコモンモード電流は、入力側の終端回路によって、グランドに流出される。
ところが、通信ICが寄生容量を内部に有し、コモンモードチョークコイル本体の巻線のインダクタンスと当該寄生容量との直列共振回路を形成した場合には、その共振周波数付近の周波数を有した過大なコモンモード電流がコモンモードチョークコイル本体を通じて通信ICに流れ込むおそれがある。
しかしながら、この発明では、上記したように、コモンモードチョークコイルを実装すると、一方の終端回路がコモンモードチョークコイル本体の入力側に配されるだけでなく、他方の終端回路がコモンモードチョークコイル本体の出力側と通信ICとの間に配された状態になる。このため、上記直列共振回路の共振時にコモンモードチョークコイル本体を通じて通信IC側に流れ込もうとする過大なコモンモード電流は、コモンモードチョークコイル本体出力側の終端回路によって、グランドに流出される。
かかる構成により、例えば、受信装置側の通信ICに接続された差動伝送路の線路パターンに各鍔部の下端部両側にそれぞれ形成された1対の外部電極を接続すると共に、各終端回路のグランド電極を接地することで、この発明のコモンモードチョークコイルを通信ICの前段に実装することができる。
このとき、コモンモードチョークコイル本体の1対の鍔部にそれぞれ設けられた1対の終端回路のそれぞれが、各鍔部の下端部に設けられ且つ一方端が鍔部の下端部両側の1対の外部電極にそれぞれ接続された1対の抵抗部材と、鍔部の下端部の中央に設けられ且つ1対の抵抗部材の他方端に接続されたグランド電極とを具備しているので、1対の終端回路の一方が、コモンモードチョークコイル本体の入力側の前段に配置され、他方が、出力側の後段に接続された状態になる。これにより、送信装置側から受信装置側に向かう線路パターン上の電流は、コモンモードチョークコイル本体入力側の終端回路とコモンモードチョークコイル本体とコモンモードチョークコイル本体出力側の終端回路とを通じて通信ICの入力部に向かうこととなる。
この結果、線路パターンに流入したコモンモード電流は、入力側の終端回路によって、グランドに流出される。
ところが、通信ICが寄生容量を内部に有し、コモンモードチョークコイル本体の巻線のインダクタンスと当該寄生容量との直列共振回路を形成した場合には、その共振周波数付近の周波数を有した過大なコモンモード電流がコモンモードチョークコイル本体を通じて通信ICに流れ込むおそれがある。
しかしながら、この発明では、上記したように、コモンモードチョークコイルを実装すると、一方の終端回路がコモンモードチョークコイル本体の入力側に配されるだけでなく、他方の終端回路がコモンモードチョークコイル本体の出力側と通信ICとの間に配された状態になる。このため、上記直列共振回路の共振時にコモンモードチョークコイル本体を通じて通信IC側に流れ込もうとする過大なコモンモード電流は、コモンモードチョークコイル本体出力側の終端回路によって、グランドに流出される。
請求項2の発明は、 請求項1に記載の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルにおいて、各終端回路を、1対の抵抗部材を1つの絶縁体ブロックの両端にそれぞれ設け、グランド電極を当該絶縁体ブロックの少なくとも下部中央に設けて、1対の抵抗部材の他方端と接続させ、コモンモードチョークコイル本体の各鍔部における下端部中央に形成した凹部に、絶縁体ブロックを嵌め込んで、1対の抵抗部材の一方端を1対の外部電極にそれぞれ接続することにより構成した。
かかる構成により、1対の抵抗部材とグランド電極とが設けられた1つの絶縁体ブロックを鍔部の凹部に嵌め込んで、抵抗部材の一方端を外部電極にそれぞれ接続するだけで、終端回路のコモンモードチョークコイル本体への取り付け作業を終了することができる。
かかる構成により、1対の抵抗部材とグランド電極とが設けられた1つの絶縁体ブロックを鍔部の凹部に嵌め込んで、抵抗部材の一方端を外部電極にそれぞれ接続するだけで、終端回路のコモンモードチョークコイル本体への取り付け作業を終了することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルにおいて、各終端回路に、コンデンサを設け、コンデンサの一方の電極を1対の抵抗部材の他方端に接続すると共に、他方の電極をグランド電極に接続した構成とする。
かかる構成により、終端回路のコンデンサの機能によって、直流電流がグランドに流れ込むのを防ぎ、かつ交流のノイズをグランドに落とすことができる。
かかる構成により、終端回路のコンデンサの機能によって、直流電流がグランドに流れ込むのを防ぎ、かつ交流のノイズをグランドに落とすことができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルにおいて、1対の終端回路のうちの一方の終端回路を構成する1対の抵抗部材の抵抗値と、他方の終端回路を構成する1対の抵抗部材の抵抗値とを、等しく設定した構成とする。
以上詳しく説明したように、この発明の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルによれば、コモンモードチョークコイル本体の巻線のインダクタンスと通信IC等の寄生容量との直列共振回路の共振時における過大なコモンモード電流は、出力側であって通信IC前段に位置する終端回路によってグランドに流出されるので、過大なコモンモード電流の流入による通信IC等の誤動作を確実に防止することができるという優れた効果がある。
また、1対の終端回路をコモンモードチョークコイル本体の1対の鍔部にそれぞれ設けた構成であるので、コモンモードチョークコイルを差動伝送路上に実装して、終端回路にグランド電極を接地するだけで、差動伝送路上への終端回路の実装作業を終了する。このため、従来の技術のように、終端回路の部材をいちいち差動伝送路上に取り付ける作業を必要とせず、この結果、実装面積の狭小化と実装コストの低減化とを図ることができるという効果がある。
また、1対の終端回路をコモンモードチョークコイル本体の1対の鍔部にそれぞれ設けた構成であるので、コモンモードチョークコイルを差動伝送路上に実装して、終端回路にグランド電極を接地するだけで、差動伝送路上への終端回路の実装作業を終了する。このため、従来の技術のように、終端回路の部材をいちいち差動伝送路上に取り付ける作業を必要とせず、この結果、実装面積の狭小化と実装コストの低減化とを図ることができるという効果がある。
また、請求項2の発明によれば、1つの絶縁体ブロックを鍔部の凹部に嵌め込んで、抵抗部材の一方端を外部電極にそれぞれ接続するだけで、終端回路のコモンモードチョークコイル本体への取り付け作業が終了するので、製造作業の効率化と製造コストの更なる低減化とを図ることができるという効果がある。
また、請求項3の発明によれば、直流電流がグランドに流れ込むのを防ぐことができ、かつ交流ノイズをグランドに落とすことができるため、差動伝送路の平均電圧がグランド電位と異なっている場合にも対応できる。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルを裏返して示す斜視図であり、図2は、この実施例のコモンモードチョークコイルの斜視図である。
図1及び図2に示すように、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1は、1対の終端回路3A,3Bをコモンモードチョークコイル本体2に設けた構成になっている。
コモンモードチョークコイル本体2は、表面実装型の巻線コイルであり、磁性コア4と、4つの外部電極5−1〜5−4と、1対の巻線6−1,6−2と、天板7とを備えている。
磁性コア4は、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、中央の巻芯部40とその両端に設けられた1対の鍔部41,42とで構成されている。
外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)は、鍔部41(42)の下端部両側に形成されている。具体的には、図1に示すように、外部電極5−1,5−2が鍔部41の脚部41a,41bにそれぞれ形成され、外部電極5−3,5−4が鍔部42の脚部42a,42bにそれぞれ形成されている。
1対の巻線6−1,6−2は、それぞれ銅線を絶縁膜で被覆して成るラインであり、磁性コア4の巻芯部40に巻回されている。そして、巻線6−1,6−2の端部6−1a,6−2aが外部電極5−1,5−2側に引き出されて、外部電極5−1,5−2にそれぞれ接合されると共に、巻線6−1,6−2の端部6−1b,6−2bが外部電極5−3,5−4側に引き出されて、外部電極5−3,5−4にそれぞれ接合されている。
天板7は、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成され、鍔部41,42に架けられ、接着剤70で接合されている。
磁性コア4は、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、中央の巻芯部40とその両端に設けられた1対の鍔部41,42とで構成されている。
外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)は、鍔部41(42)の下端部両側に形成されている。具体的には、図1に示すように、外部電極5−1,5−2が鍔部41の脚部41a,41bにそれぞれ形成され、外部電極5−3,5−4が鍔部42の脚部42a,42bにそれぞれ形成されている。
1対の巻線6−1,6−2は、それぞれ銅線を絶縁膜で被覆して成るラインであり、磁性コア4の巻芯部40に巻回されている。そして、巻線6−1,6−2の端部6−1a,6−2aが外部電極5−1,5−2側に引き出されて、外部電極5−1,5−2にそれぞれ接合されると共に、巻線6−1,6−2の端部6−1b,6−2bが外部電極5−3,5−4側に引き出されて、外部電極5−3,5−4にそれぞれ接合されている。
天板7は、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成され、鍔部41,42に架けられ、接着剤70で接合されている。
一方、終端回路3A,3Bは、コモンモードチョークコイル本体2の鍔部41,42にそれぞれ形成された凹部41A,42A内に嵌め込まれている。
図3は、終端回路3A,3Bを鍔部41,42の凹部41A,42Aから取り出した状態をコモンモードチョークコイルの裏側から示す斜視図である。
図3に示すように、凹部41A(42A)は、鍔部41(42)の下端部中央、即ち、脚部41a,41b(42a,42b)の間に形成され、直方体状の終端回路3A(3B)の形状に対応した形状に設定されている。
図3は、終端回路3A,3Bを鍔部41,42の凹部41A,42Aから取り出した状態をコモンモードチョークコイルの裏側から示す斜視図である。
図3に示すように、凹部41A(42A)は、鍔部41(42)の下端部中央、即ち、脚部41a,41b(42a,42b)の間に形成され、直方体状の終端回路3A(3B)の形状に対応した形状に設定されている。
図4は、コンデンサの電極を透過して示す終端回路3A(3B)の透過斜視図であり、図5は、終端回路3A(3B)を裏面側から見た透過斜視図である。
図4に示すように、終端回路3A(3B)は、1対の抵抗部材31,32が1つの絶縁体ブロック30の両端にそれぞれ設けられ、グランド電極33がこの絶縁体ブロック30の前面中央から下面中央に渡って形成された構成になっている。なお、各終端回路3A(3B)の抵抗部材31,32の抵抗値は等しく、また、終端回路3Aにおける抵抗部材31,32の抵抗値と終端回路3Bにおける抵抗部材31,32の抵抗値は等しく設定されている。
具体的には、誘電体セラミックス等を直方体にすることで、絶縁体ブロック30を形成した。この絶縁体ブロック30の両側面に、ガラスと金属粉の混合ペースト等の高抵抗材料で形成した抵抗部材31,32を固着させた。そして、L字状のグランド電極33を絶縁体ブロック30の前面30aと下面30bとに渡って形成した。
図4に示すように、終端回路3A(3B)は、1対の抵抗部材31,32が1つの絶縁体ブロック30の両端にそれぞれ設けられ、グランド電極33がこの絶縁体ブロック30の前面中央から下面中央に渡って形成された構成になっている。なお、各終端回路3A(3B)の抵抗部材31,32の抵抗値は等しく、また、終端回路3Aにおける抵抗部材31,32の抵抗値と終端回路3Bにおける抵抗部材31,32の抵抗値は等しく設定されている。
具体的には、誘電体セラミックス等を直方体にすることで、絶縁体ブロック30を形成した。この絶縁体ブロック30の両側面に、ガラスと金属粉の混合ペースト等の高抵抗材料で形成した抵抗部材31,32を固着させた。そして、L字状のグランド電極33を絶縁体ブロック30の前面30aと下面30bとに渡って形成した。
このような終端回路3A(3B)における抵抗部材31,32の他方端31b,32bは、コンデンサ34を通じてグランド電極33に電気的に接続されている。
図6は、図4の矢視A−A断面図であり、図7は、図4の矢視B−B断面図である。
図4及び図5に示したように、コンデンサ34は、平行な1対の電極35,36で成る。
具体的には、図6に示すように、電極35,36は、絶縁体ブロック30内に上下に平行に形成されており、上側の電極35の両端35aが絶縁体ブロック30の両側面に露出され、図7に示すように、下側の電極36の前側の突出部36aが絶縁体ブロック30の前面30aに露出されている。そして、図6に示すように、電極35の両端35aが、抵抗部材31,32の他方端31b,32bに電気的に接続され、図7に示すように、電極36の突出部36aがグランド電極33に電気的に接続されている。
図6は、図4の矢視A−A断面図であり、図7は、図4の矢視B−B断面図である。
図4及び図5に示したように、コンデンサ34は、平行な1対の電極35,36で成る。
具体的には、図6に示すように、電極35,36は、絶縁体ブロック30内に上下に平行に形成されており、上側の電極35の両端35aが絶縁体ブロック30の両側面に露出され、図7に示すように、下側の電極36の前側の突出部36aが絶縁体ブロック30の前面30aに露出されている。そして、図6に示すように、電極35の両端35aが、抵抗部材31,32の他方端31b,32bに電気的に接続され、図7に示すように、電極36の突出部36aがグランド電極33に電気的に接続されている。
図8は、終端回路3A(3B)が鍔部41(42)に装着された状態を示す正面図であり、図9は、終端回路3A(3B)と外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)との電気的接続状態を示す部分拡大断面図であり、図10は、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の等価回路図である。
上記構成の終端回路3A(3B)は、図8に示すように、抵抗部材31,32を外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)側に向けると共に、絶縁体ブロック30の上面30cを鍔部41(42)の凹部41A(42A)側に向けた状態で、凹部41A(42A)に嵌め込まれている。そして、図9に示すように、抵抗部材31,32の一方端31a,32aと外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)とが図示しない半田などによって電気的に接続されている。
これにより、巻線6−1の端部が接続された外部電極5−1(5−3)が終端回路3A(3B)の抵抗部材31に接続され、この抵抗部材31がコンデンサ34を通じてグランド電極33に接続されると共に、巻線6−2の端部が接続された外部電極5−2(5−4)が終端回路3A(3B)の抵抗部材32に接続され、この抵抗部材32がコンデンサ34を通じてグランド電極33に接続された構造になる。電気回路的には、図10に示すような回路構造になる。
すなわち、この実施例によれば、ブロック状の終端回路3A,3Bを凹部41A,42Aに嵌め込んで、抵抗部材31,32の一方端31a,32aと外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)とを接続するだけで、終端回路3A,3Bのコモンモードチョークコイル本体2への装着作業が終了するので、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の製造作業の効率化と製造コストの低減化とを図ることができる。
上記構成の終端回路3A(3B)は、図8に示すように、抵抗部材31,32を外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)側に向けると共に、絶縁体ブロック30の上面30cを鍔部41(42)の凹部41A(42A)側に向けた状態で、凹部41A(42A)に嵌め込まれている。そして、図9に示すように、抵抗部材31,32の一方端31a,32aと外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)とが図示しない半田などによって電気的に接続されている。
これにより、巻線6−1の端部が接続された外部電極5−1(5−3)が終端回路3A(3B)の抵抗部材31に接続され、この抵抗部材31がコンデンサ34を通じてグランド電極33に接続されると共に、巻線6−2の端部が接続された外部電極5−2(5−4)が終端回路3A(3B)の抵抗部材32に接続され、この抵抗部材32がコンデンサ34を通じてグランド電極33に接続された構造になる。電気回路的には、図10に示すような回路構造になる。
すなわち、この実施例によれば、ブロック状の終端回路3A,3Bを凹部41A,42Aに嵌め込んで、抵抗部材31,32の一方端31a,32aと外部電極5−1,5−2(5−3,5−4)とを接続するだけで、終端回路3A,3Bのコモンモードチョークコイル本体2への装着作業が終了するので、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の製造作業の効率化と製造コストの低減化とを図ることができる。
次に、この実施例のコモンモードチョークコイルが示す作用及び効果について説明する。
図11は、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の実装状態を示す概略斜視図であり、図12は、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の実装時の等価回路図である。
図11に示すように、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を、受信装置100の通信IC110に引き込まれた線路パターン111,112上に実装する。具体的には、コモンモードチョークコイル本体2の外部電極5−1〜5−4を、線路パターン111,112にそれぞれ載せて半田付けすると共に、終端回路3A,3Bのグランド電極33,33を、図示しないグランドに接続されたランド115,115上に載せて半田付けする。
これにより、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1が通信IC110の通信ICの前段に実装される。この結果、図12に示すように、終端回路3Aが、コモンモードチョークコイル本体2の入力側の前段に配置され、終端回路3Bが、出力側、即ち、通信IC110の前段に配置された状態になる。
このように、この実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1によれば、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を線路パターン111,112とランド115に載せて、外部電極5−1〜5−4やグランド電極33をこれらのパターンに半田付けするだけで、コモンモードチョークコイル本体2と終端回路3A,3Bとを差動伝送路に同時に実装することができる。
図17等で示した従来の技術では、コモンモードチョークコイル200の線路パターン111,112への実装の他に、終端回路210を複数の抵抗部品R1やコンデンサ部品を線路パターン111,112上に組み付けて実装しなければならない。したがって、この実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1では、図11に示すように、1つ部品を実装するだけで、コモンモードチョークコイル本体2や終端回路3A,3Bの全ての実装が終了するので、実装面積の狭小化と実装コストの低減化とを図ることができる。
図11は、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の実装状態を示す概略斜視図であり、図12は、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1の実装時の等価回路図である。
図11に示すように、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を、受信装置100の通信IC110に引き込まれた線路パターン111,112上に実装する。具体的には、コモンモードチョークコイル本体2の外部電極5−1〜5−4を、線路パターン111,112にそれぞれ載せて半田付けすると共に、終端回路3A,3Bのグランド電極33,33を、図示しないグランドに接続されたランド115,115上に載せて半田付けする。
これにより、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1が通信IC110の通信ICの前段に実装される。この結果、図12に示すように、終端回路3Aが、コモンモードチョークコイル本体2の入力側の前段に配置され、終端回路3Bが、出力側、即ち、通信IC110の前段に配置された状態になる。
このように、この実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1によれば、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を線路パターン111,112とランド115に載せて、外部電極5−1〜5−4やグランド電極33をこれらのパターンに半田付けするだけで、コモンモードチョークコイル本体2と終端回路3A,3Bとを差動伝送路に同時に実装することができる。
図17等で示した従来の技術では、コモンモードチョークコイル200の線路パターン111,112への実装の他に、終端回路210を複数の抵抗部品R1やコンデンサ部品を線路パターン111,112上に組み付けて実装しなければならない。したがって、この実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1では、図11に示すように、1つ部品を実装するだけで、コモンモードチョークコイル本体2や終端回路3A,3Bの全ての実装が終了するので、実装面積の狭小化と実装コストの低減化とを図ることができる。
かかる実装状態で、図12に示す差動伝送路101,102を線路パターン111,112に接続し、差動信号を差動伝送路101,102に出力すると、差動信号は、線路パターン111,112から終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1に入力し、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を通過して、通信IC110に入力する。
また、コモンモード電流N,Nが差動伝送路101,102に侵入し、線路パターン111,112から外部電極5−1,5−2を通じて終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1に入り込むと、各コモンモード電流N(N)は、終端回路3Aの抵抗部材31(32)からコンデンサ34を通じてグランド電極33に送り込まれ、ランド115を通じてグランドに流出される。
また、コモンモード電流N,Nが差動伝送路101,102に侵入し、線路パターン111,112から外部電極5−1,5−2を通じて終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1に入り込むと、各コモンモード電流N(N)は、終端回路3Aの抵抗部材31(32)からコンデンサ34を通じてグランド電極33に送り込まれ、ランド115を通じてグランドに流出される。
ところが、通信IC110が寄生容量113,114を内部に有する場合には、コモンモードチョークコイル本体2の巻線6−1(6−2)のインダクタンスと寄生容量113(114)との直列共振回路が形成される場合がある。かかる場合には、この直列共振回路のインピーダンスが非常に低くなり、直列共振回路の共振周波数を有した過大なコモンモード電流が、終端回路3Aやコモンモードチョークコイル本体2を通過して、通信IC110に流れ込むおそれがある。
しかしながら、上記したように、この実施例では、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を線路パターン111,112に実装すると、終端回路3Aをコモンモードチョークコイル本体2の入力側に配しただけでなく、終端回路3Bをコモンモードチョークコイル本体2の出力側と通信IC110との間に配した状態になる。このため、巻線6−1(6−2)と寄生容量113(114)との直列共振回路に共振した過大なコモンモード電流N1(N1)は、外部電極5−3(5−4)から通信IC110前段の終端回路3Bに送り込まれ、抵抗部材31(32)からコンデンサ34を通じてグランド電極33に流れ、ランド115を通じてグランドに流出される。
しかしながら、上記したように、この実施例では、終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を線路パターン111,112に実装すると、終端回路3Aをコモンモードチョークコイル本体2の入力側に配しただけでなく、終端回路3Bをコモンモードチョークコイル本体2の出力側と通信IC110との間に配した状態になる。このため、巻線6−1(6−2)と寄生容量113(114)との直列共振回路に共振した過大なコモンモード電流N1(N1)は、外部電極5−3(5−4)から通信IC110前段の終端回路3Bに送り込まれ、抵抗部材31(32)からコンデンサ34を通じてグランド電極33に流れ、ランド115を通じてグランドに流出される。
以上のように、この実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1によれば、通常時のコモンモード電流N,Nに対しては、入力側の終端回路3Aによって、グランドに流出し、コモンモードチョークコイル本体2の巻線6−1(6−2)と寄生容量113(114)との直列共振回路の共振時のおける過大なコモンモード電流N1,N1に対しては、コモンモードチョークコイル本体2の出力側であって通信IC110前段に位置する終端回路3Bによって、確実にグランドに流出させるので、コモンモード電流N1,N1の流入による通信IC110の誤動作を防止することができる。
発明者等は、かかる効果を確認すべく、次のような試験を行った。
図13は、イミュニティ試験の1つであるBCI試験のシステム図であり、図14は、従来型の実装構造の評価基板を示す等価回路図であり、図15は、改善型の実装構造の評価基板を示す等価回路図であり、図16は、試験結果を示す比較表図である。
図13に示すように、このBCI(Bulk Current Injection)試験では、2枚の評価基板100′を用い、電源210の電源電圧12V(ボルト)を疑似電源回路網211を通じて各評価基板100′に供給しながら、差動伝送路101,102で接続した2枚の評価基板100′間で、差動信号の通信を行った。
かかる状態で、各種の周波数のコモンモード電流を、差動伝送路101,102の中央部に設置したインジェクションプローブ300から差動伝送路101,102に注入し、各周波数における評価基板100′の通信誤動作の有無を調べた。なお、符号301はモニタリングプローブである。また、2枚の評価基板100′のうちの少なくとも一方が誤動作を生じたときには、図16において、「×」で示し、いずれの評価基板100′も誤動作しなかったときには、「○」で示している。
注入するコモンモード電流の周波数は、1〜20MHzに設定した。
まず、従来型の評価基板100′を用いて試験を行った。
この評価基板100′は、車載LANのCANBUSの通信回路に、従来型の終端回路やコモンモードチョークコイルを実装した基板である。具体的には、図14に示すように、差動伝送路101,102と通信IC110との間の線路パターン111,112にコモンモードチョークコイル本体2を実装した。そして、このコモンモードチョークコイル本体2の入力側に、それぞれが3.9kΩの2つの抵抗部品R1と4700pFのコンデンサ部品Cとを組み付けて終端回路210′を構成し、その前段に、120Ωのノーマルモード用抵抗部品Rを取り付けた。
かかる評価基板100′をBCI試験したところ、図16に示すように、周波数1〜4MHzのコモンモード電流に対して評価基板100′の通信IC110が誤動作を起こした。
次に、改善型の評価基板100′を用いて試験を行った。
この評価基板100′は、車載LANのCANBUSの通信回路に、改善型の終端回路やコモンモードチョークコイルを実装した基板である。具体的には、図15に示すように、線路パターン111,112にコモンモードチョークコイル本体2を実装した。そして、このコモンモードチョークコイル本体2の入力側に、それぞれが7.8kΩの2つの抵抗部品R2とコンデンサ部品Cとを組み付けて終端回路3A′を構成し、コモンモードチョークコイル本体2の出力側と通信IC110の後段との間に、2つの抵抗部品R2とコンデンサ部品Cとを組み付けて終端回路3B′を構成した。また、従来型と同様に、ノーマルモード用の抵抗部品Rを終端回路3A′の前段に取り付けた構造になっている。
この評価基板100′に適用された終端回路3A′,3B′は、この実施例に適用された終端回路3A,3Bのようにブロック化してコモンモードチョークコイル本体2に装着されたものではないが、電気回路的には、実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を実装した場合と同構造になる。また、抵抗部品R2の抵抗値は、従来型の評価基板に適用された抵抗部品R1の2倍であり、終端回路3A,3Bの抵抗部材31,32と同じ抵抗値である。
かかる評価基板100′をBCI試験したところ、図16に示すように、この評価基板100′が誤動作を起こすコモンモード電流の周波数範囲が1〜2.5MHzの範囲に狭まった。
図13は、イミュニティ試験の1つであるBCI試験のシステム図であり、図14は、従来型の実装構造の評価基板を示す等価回路図であり、図15は、改善型の実装構造の評価基板を示す等価回路図であり、図16は、試験結果を示す比較表図である。
図13に示すように、このBCI(Bulk Current Injection)試験では、2枚の評価基板100′を用い、電源210の電源電圧12V(ボルト)を疑似電源回路網211を通じて各評価基板100′に供給しながら、差動伝送路101,102で接続した2枚の評価基板100′間で、差動信号の通信を行った。
かかる状態で、各種の周波数のコモンモード電流を、差動伝送路101,102の中央部に設置したインジェクションプローブ300から差動伝送路101,102に注入し、各周波数における評価基板100′の通信誤動作の有無を調べた。なお、符号301はモニタリングプローブである。また、2枚の評価基板100′のうちの少なくとも一方が誤動作を生じたときには、図16において、「×」で示し、いずれの評価基板100′も誤動作しなかったときには、「○」で示している。
注入するコモンモード電流の周波数は、1〜20MHzに設定した。
まず、従来型の評価基板100′を用いて試験を行った。
この評価基板100′は、車載LANのCANBUSの通信回路に、従来型の終端回路やコモンモードチョークコイルを実装した基板である。具体的には、図14に示すように、差動伝送路101,102と通信IC110との間の線路パターン111,112にコモンモードチョークコイル本体2を実装した。そして、このコモンモードチョークコイル本体2の入力側に、それぞれが3.9kΩの2つの抵抗部品R1と4700pFのコンデンサ部品Cとを組み付けて終端回路210′を構成し、その前段に、120Ωのノーマルモード用抵抗部品Rを取り付けた。
かかる評価基板100′をBCI試験したところ、図16に示すように、周波数1〜4MHzのコモンモード電流に対して評価基板100′の通信IC110が誤動作を起こした。
次に、改善型の評価基板100′を用いて試験を行った。
この評価基板100′は、車載LANのCANBUSの通信回路に、改善型の終端回路やコモンモードチョークコイルを実装した基板である。具体的には、図15に示すように、線路パターン111,112にコモンモードチョークコイル本体2を実装した。そして、このコモンモードチョークコイル本体2の入力側に、それぞれが7.8kΩの2つの抵抗部品R2とコンデンサ部品Cとを組み付けて終端回路3A′を構成し、コモンモードチョークコイル本体2の出力側と通信IC110の後段との間に、2つの抵抗部品R2とコンデンサ部品Cとを組み付けて終端回路3B′を構成した。また、従来型と同様に、ノーマルモード用の抵抗部品Rを終端回路3A′の前段に取り付けた構造になっている。
この評価基板100′に適用された終端回路3A′,3B′は、この実施例に適用された終端回路3A,3Bのようにブロック化してコモンモードチョークコイル本体2に装着されたものではないが、電気回路的には、実施例の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を実装した場合と同構造になる。また、抵抗部品R2の抵抗値は、従来型の評価基板に適用された抵抗部品R1の2倍であり、終端回路3A,3Bの抵抗部材31,32と同じ抵抗値である。
かかる評価基板100′をBCI試験したところ、図16に示すように、この評価基板100′が誤動作を起こすコモンモード電流の周波数範囲が1〜2.5MHzの範囲に狭まった。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、終端回路3A,3Bにコンデンサ34を設けた例を示したが、コンデンサを有しない終端回路を用いた終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルを、この発明から除外する意ではない。
また、上記実施例では、絶縁体ブロック30に抵抗部材31,32,グランド電極33,コンデンサ34を組み付けた終端回路3A,3Bを有する終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を例示したが、絶縁体ブロック30を用いずに1対の抵抗部材,グランド電極,コンデンサを鍔部に直接取り付けた終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルも、この発明の範囲に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施例では、終端回路3A,3Bにコンデンサ34を設けた例を示したが、コンデンサを有しない終端回路を用いた終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルを、この発明から除外する意ではない。
また、上記実施例では、絶縁体ブロック30に抵抗部材31,32,グランド電極33,コンデンサ34を組み付けた終端回路3A,3Bを有する終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル1を例示したが、絶縁体ブロック30を用いずに1対の抵抗部材,グランド電極,コンデンサを鍔部に直接取り付けた終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルも、この発明の範囲に含まれることは勿論である。
1…終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル、 2…コモンモードチョークコイル本体、 3A,3B…終端回路、 4…磁性コア、 5−1〜5−4…外部電極、 6−1,6−2…巻線、 7…天板、 30…絶縁体ブロック、 30a…前面、 30b…下面、 30c…上面、 31,32…抵抗部材、 31a,32a…一方端、 31b,32b…他方端、 33…グランド電極、 34…コンデンサ、 35,36…電極、 35a…両端、 36a…突出部、 40…巻芯部、 41,42…鍔部、 41A,42A…凹部、 41a,41b,42a,42b…脚部、 70…接着剤、 100…受信装置、 100′評価基板、 101,102…差動伝送路、 110…通信IC、 111,112…線路パターン、 113,114…寄生容量、 115…ランド。
Claims (4)
- 巻芯部及びこの巻芯部の両端部にそれぞれ設けられた1対の鍔部を有する磁性コアと、上記各鍔部の下端部両側にそれぞれ形成された1対の外部電極と、上記磁性コアの巻芯部に巻回され且つ両端部が上記外部電極にそれぞれ接合された1対の巻線とを備えるコモンモードチョークコイル本体に、1対の終端回路を有する終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルであって、
上記各終端回路は、コモンモードチョークコイル本体の各鍔部の下端部に設けられ且つ一方端が当該鍔部の下端部両側の1対の外部電極にそれぞれ接続された1対の抵抗部材と、当該鍔部の下端部の中央に設けられ且つ当該1対の抵抗部材の他方端に接続されたグランド電極とを具備する、
ことを特徴とする終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル。 - 請求項1に記載の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルにおいて、
上記各終端回路を、
上記1対の抵抗部材を1つの絶縁体ブロックの両端にそれぞれ設け、上記グランド電極を当該絶縁体ブロックの少なくとも下部中央に設けて、上記1対の抵抗部材の他方端と接続させ、
上記コモンモードチョークコイル本体の各鍔部における下端部中央に形成した凹部に、上記絶縁体ブロックを嵌め込んで、上記1対の抵抗部材の一方端を上記1対の外部電極にそれぞれ接続することにより、
構成したことを特徴とする終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル。 - 請求項1又は請求項2に記載の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルにおいて、
上記各終端回路に、コンデンサを設け、当該コンデンサの一方の電極を上記1対の抵抗部材の上記他方端に接続すると共に、他方の電極を上記グランド電極に接続した、
ことを特徴とする終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイルにおいて、
上記1対の終端回路のうちの一方の終端回路を構成する上記1対の抵抗部材の抵抗値と、他方の終端回路を構成する上記1対の抵抗部材の抵抗値とを、等しく設定した、
ことを特徴とする終端回路付き巻線型コモンモードチョークコイル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012132553A1 (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-04 | 株式会社日立製作所 | 車両ネットワークの耐雑音障害性を向上するための回路 |
WO2013132980A1 (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-12 | 住友電気工業株式会社 | 通信装置及び通信システム |
US9007148B2 (en) | 2011-11-15 | 2015-04-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Common mode filter provided with hightened removal function of common mode noise and de-emphasis function |
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-
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- 2008-07-23 JP JP2008189473A patent/JP2010027951A/ja active Pending
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