JP2010192843A - 磁気シールド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のシールド部材31の長手方向の端部を、第2、第3のシールド部材32、33の厚みと同じ厚みを有して突出させる。そして、第1のシールド部材31の突出している部分の先端面と、第2、第3のシールド部材32、33の長手方向の先端面とを相互に突き合わせる。更に、第1のシールド部材31の突出していない領域のうち、第2、第3のシールド部材32、33が配置される領域を除く領域に合う形状を有する第4〜第7のシールド部材34〜37を、第1のシールド部材31の突出している部分の上下の領域に配置する。
【選択図】図2
Description
そこで、特許文献1には、複数の磁性体の板を厚み方向に積層した短冊形の磁性体群を、当該磁性体の板の厚み方向で間隔を有するようにすだれ状に並べて構成された開放型の磁気シールド装置が開示されている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、相対的に厚みが厚い磁性体群と相対的に厚みが薄い磁性体群を相互に接合して形成された磁気シールド装置の磁気シールド性能が低下することを可及的に抑制できるようにすることを目的とする。
図1は、本実施形態の磁気シールド装置が設けられたシールドルームの概略構成の一例を示す斜視図である。尚、図1では、説明の都合上、シールドルーム及び磁気シールド装置を簡略化して示している。また、本実施形態では、MRIによる診断を行うためのシールドルームを例に挙げて説明する。
第1〜第5のシールド枠体30a〜30eは、第1のシールド部材31a〜31eと、第2のシールド部材32a〜32eと、第3のシールド部材33a〜33eと、第4のシールド部材34a〜34eと、第5のシールド部材35a〜35eと、第6のシールド部材36a〜36eと、第7のシールド部材37a〜37eとを有する。
ここで、第2のシールド部材32と、第3のシールド部材33は同じものであり、また、第4〜第7のシールド部材34〜37も同じものである。また、本実施形態では、これら第1〜第7のシールド部材31〜37が、全て同じ材料、同じ厚みの磁性体板(例えば電磁鋼板)を用いて形成されている場合を例に挙げて説明を行う。
図2において、第1のシールド部材31aは、矩形状磁性体群311、312と、等脚台形状磁性体群313とを有している。
矩形状磁性体群311、312は、長手方向(横方向)の長さが998[mm]、幅方向(奥行方向)の長さが50[mm]、厚みが0.35[mm]の矩形状の磁性体板を厚み方向に23枚積み重ねて構成されるものである。ここで、矩形状の磁性体板の長手方向(横方向)は磁化容易軸方向Lであり、幅方向(奥行方向)は磁化困難軸方向Cである(図2(a)を参照)。
第1のシールド部材31aは、矩形状磁性体群311、312の幅方向の端面と、等脚台形状磁性体群313の上底及び下底に対応する部分の端面とが面一となり、且つ矩形状磁性体群311、312の幅方向の一端面と、等脚台形状磁性体群313の上底に対応する部分の端面との長手方向における位置が、等脚台形状磁性体群313の上底の左右1[mm]の部分を除いて同じとなるように、矩形状磁性体群311、312の間に等脚台形状磁性体群313が配置されることにより形成される。
尚、第1のシールド部材31aと、第2のシールド部材32aと、第4、第5のシールド部材34a、35aの配置は、第1のシールド部材31aと、第3のシールド部材33aと、第6、第7のシールド部材36a、37aの配置と同じである。したがって、それらの詳細な説明を省略する。
また、第1〜第7のシールド部材31〜37は、夫々、接着剤等を用いて複数枚の磁性体板が相互に接着されることにより、一体で形成される。更に、シールド部材31〜37同士の取り付けは、例えば、接着剤やボルトや磁石等を用いた種々の方法により実現することができる。
以上のように本実施形態では、例えば、第1〜第3のシールド部材31〜33が主シールド部材に対応し、第4〜第7のシールド部材34〜37があて板シールド部材に対応する。
図3において、本実施形態とは、図1、図2に示した磁気シールド装置3(第1の磁気シールド部材31a、第3の磁気シールド部材33a、第6、第7の磁気シールド部材36a、37aの接合部分)における分布を示す。
図6、図7は、夫々、磁気シールド装置の第1、第2の比較例の構成を示す図である。図6、図7に示す比較例は、図1、図2に示した磁気シールド装置3と同じ材料、同じ厚みの磁性体板(例えば電磁鋼板)を用いて形成されているものとする。また、図6、図7では、図2に示した部分に対応する部分のみを示す。
図6において、第1の比較例の磁気シールド枠体600は、矩形状磁性体板群611〜614を有している。
矩形状磁性体群611、612は、長手方向(横方向)の長さが1100[mm]、幅方向(奥行方向)の長さが50[mm]、厚みが0.35[mm]の矩形状の磁性体板を厚み方向に23枚積み重ねて構成されるものである。ここで、矩形状の磁性体板の長手方向(横方向)は磁化容易軸方向Lであり、幅方向(奥行方向)は磁化困難軸方向Cである(図6(a)を参照)。
また、矩形状磁性体群614は、長手方向(奥行方向)の長さが1100[mm]、幅方向(横方向)の長さが50[mm]、厚みが0.35[mm]の矩形状の磁性体板を厚み方向に19枚積み重ねて構成されるものである。ここで、矩形状の磁性体板の長手方向(奥行方向)は磁化容易軸方向Lであり、幅方向(長手方向)は磁化困難軸方向Cである(図6(a)を参照)。
そして、このようにして矩形状磁性体群611〜613が組み合わさることにより長手方向の側面に形成された凹み部に、矩形状磁性体群613の幅方向(C方向)における一側面と矩形状磁性体群614の長手方向(L方向)における一側面(先端面)とが面一となり、且つ、矩形状磁性体群613の長手方向(L方向)における一側面と矩形状磁性体群614の幅方向(C方向)における一側面とが1[mm]程度の間隔を有するように、矩形状磁性体群614を配置することにより、磁気シールド枠体600が形成される。
矩形状磁性体群711、712は、長手方向(横方向)の長さが1100[mm]、幅方向(奥行方向)の長さが50[mm]、厚みが0.35[mm]の矩形状の磁性体板を厚み方向に15枚積み重ねて構成されるものである。ここで、矩形状の磁性体板の長手方向(横方向)は磁化容易軸方向Lであり、幅方向(奥行方向)は磁化困難軸方向Cである(図7(a)を参照)。
また、矩形状磁性体群714は、長手方向(奥行方向)の長さが1100[mm]、幅方向(横方向)の長さが50[mm]、厚みが0.35[mm]の矩形状の磁性体板を厚み方向に19枚積み重ねて構成されるものである。ここで、矩形状の磁性体板の長手方向(奥行方向)は磁化容易軸方向Lであり、幅方向(横方向)は磁化困難軸方向Cである(図7(a)を参照)。
また、矩形状磁性体群715、716は、長手方向(奥行方向)の長さが150[mm]、幅方向(横方向)の長さが50[mm]、厚みが0.35[mm]の矩形状の磁性体板を厚み方向に8枚積み重ねて構成されるものである。ここで、矩形状の磁性体板の長手方向(奥行方向)は磁化容易軸方向Lであり、幅方向(横方向)は磁化困難軸方向Cである(図7(a)を参照)。
そして、矩形状磁性体群711〜713が組み合わさることにより長手方向(L方向)の側面に形成された凹み部に、矩形状磁性体群713の幅方向(C方向)における一側面と矩形状磁性体群714〜716の長手方向(L方向)における一側面(先端面)とが面一となり、且つ、矩形状磁性体群713の長手方向(L方向)における一側面と矩形状磁性体群714〜716の幅方向(C方向)における一側面とが1[mm]程度の間隔を有するように、以上のようにして組み合わされた矩形状磁性体群714〜716を配置することにより、磁気シールド枠体700が形成される。
更に、本願発明者らは、以上のものと異なる種々の方法で相対的に厚みが厚いシールド部材と、相対的に厚みが薄いシールド部材とを相互に接合した場合には、以上のものよりも磁気シールド性能が劣り、実用上十分な磁気シールド性能が容易に得られないということを電磁場解析により確認している。
本実施形態では、第4〜第7のシールド部材34〜37を、第1のシールド部材31の突出している部分の上下の領域に配置するようにした。しかしながら、第4〜第7のシールド部材34〜37の全部又は一部を配置しないようにしてもよい。
本実施形態では、第1のシールド部材31の第2、第3のシールド部材32、33と突き合わさる面と、第1のシールド部材31の幅方向の側面とのなす角度を45[°]、135[°]にすると共に、第2、第3のシールド部材32、33の第1のシールド部材31と突き合わさる面と、第2、第3のシールド部材32、33の幅方向の側面とのなす角度を45[°]、135[°]にし、第1のシールド部材31と、第2、第3のシールド部材32、33とが突き合わさったときに、第1のシールド部材31の幅方向の側面と、第2、第3のシールド部材32、33の幅方向の側面とのなす角度が90[°]になるようにした(図2(a)を参照)。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。
本実施形態では、第1のシールド部材31の長手方向の端部が、第1のシールド部材31の厚み方向の中央部分で突出するようにした(図2(a)を参照)。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、図9に示すようにしてもよい。図9は、第1のシールド部材31の他の変形例を示す図である。図9では、図2(a)に対応する部分を示す。また、図9では、第6、第7のシールド部材36、37の図示を省略している。
図9(a)に示すように、第1のシールド部材31の長手方向の端部が、第1のシールド部材31の厚み方向の一端側(上面)で突出するようにしてもよいし、図9(b)に示すように、第1のシールド部材31の厚み方向の他端側(下面)で突出するようにしてもよい。
本実施形態では、第1〜第5のシールド枠体30a〜30eを構成する磁性体板の板面が磁気シールド装置3の底面と平行になる状態で、第1〜第5のシールド枠体30a〜30eが磁気シールド装置3の高さ方向に配置されるようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、図10に示すようにしてもよい。図10は、磁気シールド装置の変形例を示す図である。具体的に図10は、図1と対応する図であり、シールドルームの概略構成の変形例を示す斜視図である。図10に示すように、第1〜第5のシールド枠体30a〜30eを構成する磁性体板の板面が磁気シールド装置3の底面と垂直になる状態で、第1〜第5のシールド枠体30a〜30eが磁気シールド装置3の幅(横)方向に配置されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、等脚台形状の磁性体板(等脚台形状磁性体群313)を用いて第1のシールド部材31を形成するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、等脚台形状磁性体群313の代わりに、直角台形状の磁性体板を厚み方向に積み重ねたものや、平行四辺形状の磁性体板を厚み方向に積み重ねたものを用いてもよい。直角台形状の磁性体板を厚み方向に積み重ねたものを用いた場合には、第1のシールド部材31の長手方向における一端部に第2、第3のシールド部材32、33が接合されることになる。
また、本実施形態では、直角台形状の磁性体板を用いて第2、第3のシールド部材32、33を形成するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、平行四辺形状、等脚台形状の磁性体板を用いて第2、第3のシールド部材32、33を形成するようにしてもよい。このようにした場合には、第2、第3のシールド部材32、33の両端部に第1のシールド部材31が接合されることになる。
また、本実施形態では、磁気シールド装置3を構成する第1〜第5のシールド枠体30a〜30eが同じものである場合を示したが、各シールド枠体30は同じでなくてもよい、シールド枠体30のうち、少なくとも1つが前述した構成を有していればよい。例えば、第1のシールド部材31の長手方向の端部が、第2、第3のシールド部材32、33の厚みと同じ厚みを有して突出するようにし、第1のシールド部材31の突出している部分の先端面と、第2、第3のシールド部材32、33の長手方向の先端面とを突き合わせている構成を有していればよい。
この他、前述した各変形例を組み合わせることもできる。
2 MRI
3 磁気シールド装置
30a〜30e シールド枠体
31〜35 シールド部材
Claims (6)
- 厚み方向に積み重ねられた複数の磁性体板を用いて構成されたシールド枠体を複数有し、当該複数のシールド枠体のうち、前記磁性体板の厚み方向で相互に隣り合う2つのシールド枠体が、当該磁性体板の板面が相互に対向するように間隔を有して配置された磁気シールド装置であって、
前記シールド枠体は、厚み方向に積み重ねられた複数の磁性体板を用いて構成されるシールド部材を複数有し、
前記複数のシールド部材は、その長手方向における先端面が相互に接合されている2つの主シールド部材を有し、
前記2つの主シールド部材の一方の長手方向における両端部又は一端部を除く部分の厚みは、他方の厚みよりも厚く、
前記他方の主シールド部材の厚みは一定であり、
前記一方の主シールド部材は、その長手方向における両端部又は一端部が、前記他方の主シールド部材の厚みと同じ厚みを有して突出しており、
前記一方の主シールド部材の突出している部分の先端面と前記他方の主シールド部材の長手方向における先端面とが突き合わさることにより、前記2つの主シールド部材の長手方向における先端面が相互に接合されていることを特徴とする磁気シールド装置。 - 前記シールド枠体は、前記一方の主シールド部材の長手方向における端部の突出していない領域の厚みと同じ厚みとなるように厚み方向に積み重ねられた複数の磁性体板を用いて構成されるシールド部材であって、当該領域に、前記主シールド部材の面方向と面方向が平行になるように配置されたあて板シールド部材を更に有することを特徴とする請求項1に記載の磁気シールド装置。
- 前記あて板シールド部材は、前記一方の主シールド部材の長手方向における端部の突出していない領域のうち、前記他方の主シールド部材が配置される領域を除く領域に合う形状を有することを特徴とする請求項2に記載の磁気シールド装置。
- 前記一方の主シールド部材の前記他方の主シールド部材と突き合わさる面と、前記一方の主シールド部材の幅方向の端面とのなす角度と、前記他方の主シールド部材の前記一方の主シールド部材と突き合わさる面と、前記他方の主シールド部材の幅方向の端面とのなす角度とが、同じである部分を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気シールド装置。
- 前記一方の主シールド部材の幅方向の端面と、前記他方の主シールド部材の幅方向の端面とのなす角度が90[°]である部分を有することを特徴とする請求項4に記載の磁気シールド装置。
- 前記一方の主シールド部材は、その長手方向における両端部又は一端部が、当該一方の主シールド部材の厚み方向における中央部分で、前記他方の主シールド部材の厚みと同じ厚みを有して突出していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気シールド装置。
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